第1 令和元年版の養育費算定表の位置付け
1 現在用いられている算定表
2 令和8年の改正後も算定表は置き換わっていないこと
第2 算定表の選び方及び読み方
1 子の人数及び年齢に対応する表を選ぶこと
2 縦軸,横軸及び金額帯を読むこと
3 裁判所の使用例
第3 算定表に用いる収入及び計算方法
1 給与所得者の総収入
2 自営業者及び複数の所得がある者の総収入
3 基礎収入及び生活費指数
第1 令和元年版の養育費算定表の位置付け
1 現在用いられている算定表
2 令和8年の改正後も算定表は置き換わっていないこと
第2 算定表の選び方及び読み方
1 子の人数及び年齢に対応する表を選ぶこと
2 縦軸,横軸及び金額帯を読むこと
3 裁判所の使用例
第3 算定表に用いる収入及び計算方法
1 給与所得者の総収入
2 自営業者及び複数の所得がある者の総収入
3 基礎収入及び生活費指数
目次
第1 離婚届不受理申出の意味
1 制度の法的根拠
2 申出で止められる届出
第2 申出の方法
1 申出人と申出先
2 申出書,本人確認書類及び費用
3 本人が出頭できない場合
4 有効期間と取下げ
第3 申出後の効果と限界
1 同じ日に離婚届が提出された場合
2 通知の範囲
3 離婚条件及び裁判上の離婚との関係
第1 戸籍の「公開」を理解するための前提
1 本記事の対象と結論
2 「公開」に含まれる四つの制度
3 公開制度の主要な転換点
第2 明治5年式戸籍から一般公開原則の成立まで
1 明治4年太政官布告第170号と明治5年式戸籍
2 明治19年戸籍取扱手続
3 明治31年戸籍法による一般公開の明文化
4 大正3年戸籍法への承継
第3 戦後の公開原則と昭和43年・昭和51年の制限
1 昭和22年制定時の戸籍法10条
2 昭和43年の明治5年式戸籍に関する二つの通達
第1 対象と結論
1 最初に押さえる結論
2 三つの制度を分ける必要
3 この記事の時点と適用法
第2 民法上の詐害行為取消請求
1 遺産分割が取消対象となり得る理由
2 現行民法上の要件
3 法定相続分との差額が直ちに取消額にならない理由
4 受益相続人の善意・悪意
5 取消しの方法・範囲・期間
第3 破産法上の否認権
1 詐害行為否認と無償行為否認
第1 代償分割の仕組みと本記事の範囲
第2 協議・調停と審判の違い
1 協議・調停では合意内容を柔軟に設計できる
2 審判の直接の根拠は家事事件手続法195条である
第3 審判で代償分割を選ぶための条件
1 「特別の事情」は現在も条文上の要件である
2 代償金の支払能力が必要である
3 現物取得者を選ぶ事情を具体化する
第4 代償金額と財産評価
1 基本は具体的相続分と現物取得額との差額である
2 遺産分割の評価額と相続税評価額を区別する
3 高額な鑑定へ進む条件を絞る
第1 この記事の対象と最初に確認すべきこと
1 現在は「錯誤無効」ではなく「錯誤取消し」である
2 結果が不満になっただけでは取り消せない
3 本記事の射程
第2 現行民法95条による判断の順序
1 錯誤には二つの類型がある
2 錯誤は重要なものでなければならない
3 基礎事情は他の共同相続人に表示されていなければならない
4 重大な過失があると原則として取り消せない
5 取消通知,期間及び第三者を別々に確認する
第3 誤認の類型別にみる裁判例
1 存在を知らなかった遺言
2 遺産目録から預貯金又は株式が漏れていた場合
第1 現在の結論と過去の相続の判定方法
1 現在は子の相続分に差がない
2 確認すべき二つの日付
第2 相続開始時期別の適用関係
1 時期別一覧
2 平成12年9月19日から平成13年6月30日までの空白
第3 明治民法から昭和22年改正まで
1 明治民法1004条
2 日本国憲法施行後の応急措置
3 昭和22年法律第222号
第4 合憲判断から違憲判断への転換
目次
第1 使途不明金の時効を判断する順序
1 「使途不明金」は請求権の名称ではない
2 取引ごとに時計を分ける
第2 最初に旧法と現行法を分ける
1 令和2年4月1日前に生じた債権
2 施行日前の法律行為が原因となる債権
3 現行民法の5年・10年
第3 請求原因ごとの期間と起算点
1 不当利得返還請求
(1) 時効期間
(2) 善意・悪意と返還範囲
第1 職務上請求の対象と基本原則
1 この記事が扱う範囲
2 窓口で交付されたことと実質的適法性
第2 戸籍と住民票で異なる法的構造
1 各証明書が示す情報
2 戸籍法上の請求類型
3 住民基本台帳法上の申出
4 戸籍証明書等の広域交付との違い
第1 この記事が扱うAppleアカウントの相続
1 対象と結論
2 一つの「相続」として扱えない理由
第2 故人アカウント管理連絡先が設定されている場合
1 アクセス申請に必要なもの
2 承認後のアカウントと3年間の期限
3 取得できるデータと対象外のデータ
第3 管理連絡先又はアクセスキーがない場合
1 日本で受け付けられる代替書類
2 Appleが示す裁判所命令の内容
3 拒否された場合の請求の絞り方
(続きを読む...)Appleアカウントの相続手続―故人アカウント管理連絡先,iCloudデータ及び端末の扱い(AI作成)
第1 対象範囲と結論
1 この記事の対象
2 アカウント,データ及び金銭を分けて考えること
3 パスワードは開示されないこと
第2 Googleが用意する三つの手続
1 三つの請求の違い
2 データ取得を先に検討する理由
3 処理期間,費用及び開示率
第3 申請前の確認と必要書類
1 低負担の初期確認
2 Googleフォームで求められる資料
3 データ取得と米国裁判所命令
第1 家庭用財産に相続税がかかる理由
1 原則は課税対象である
2 相続開始時の時価で評価する
第2 誰の家庭用財産かを先に確定する
1 自宅にある物が全て被相続人の財産とは限らない
2 名義よりも取得資金その他の実態が重要である
第3 5万円基準と家財一式の意味
1 原則は1個又は1組ごとの評価である
2 5万円以下の物は一世帯ごとに一括評価できる
3 5万円は非課税枠ではない
4 家財一式10万円という公的な一律基準はない
第4 家庭用財産の評価方法
1 売買実例価額又は精通者意見価格を先に調べる
2 市場資料がない場合に新品小売価額から減価する
3 ゼロ評価には客観的な根拠が必要である
第5 家庭用財産と分けて検討すべき物
第1 遺産確認の訴えが必要となる場面
1 「何を分けるか」を民事訴訟で確定する手続
2 判決で決まる事項と決まらない事項
第2 遺産分割その他の手続との区別
1 家庭裁判所の遺産分割との役割分担
2 別の訴訟物を選ぶべき争い
3 調停前置と管轄
第3 全共同相続人の参加と当事者の確定
1 固有必要的共同訴訟
2 相続分全部譲渡と一部当事者に対する取下げ
3 第三者が権利を主張する場合
第4 確認の利益を判断する基準
1 現実の争いと抜本的解決の必要性
第1 結論
1 二つの方法
2 通常の検討順序
第2 預貯金が遺産分割の対象となるまでの経緯
1 最高裁判例
2 平成30年相続法改正
第3 民法909条の2による金融機関での払戻し
1 払戻限度額
(1) 各預貯金債権についての計算
(2) 一金融機関当たり150万円の上限
2 計算例
3 金融機関に提出する資料
第1 相続回復請求権の基本構造
1 民法884条が定める特別の時効
2 独立した一つの訴えではないこと
3 遺産分割との区別
第2 誰が誰に対して問題となるか
1 真正相続人と包括受遺者
2 表見相続人と単なる無権利者
3 共同相続人に適用される条件
4 共同相続人から財産を取得した第三者
第3 5年と20年の消滅時効
1 侵害を知った時から5年
2 相続開始から20年
第1 訂正・破棄・隠匿を判断する順序
1 同じ外形でも主体によって法的効果が異なること
2 判断のために先に確定する事実
第2 自筆証書遺言の訂正方法と方式違反の効果
1 現行民法968条3項の訂正方法
2 方式違反があっても遺言全体が当然に無効となるわけではないこと
3 第三者による加筆は遺言の効力と相続欠格を分けて考えること
第3 遺言者本人による破棄と遺言の撤回
1 民法1024条の故意の破棄
2 文面全体への赤色斜線を破棄とした最高裁判例
3 公正証書遺言及び法務局保管遺言との違い
第1 この記事が扱う問題
1 遺言無効と相続欠格は別の問題である
2 最初に確認すべき結論
第2 遺言無効,相続欠格及び刑事責任の違い
1 偽造された自筆証書遺言はなぜ無効となるか
2 偽造者が相続欠格者となるための追加立証
3 刑事事件の成否及び有罪判決は別問題である
第3 民法891条5号の要件
1 偽造及び間接偽造
2 変造及び方式の補充
3 破棄及び隠匿
4 不当な相続利益を得る目的
第4 主要裁判例が示す判断の分岐
1 最高裁昭和56年4月3日判決――方式を補充した場合
2 最高裁平成9年1月28日判決――不当利益目的がない場合
3 広島高裁平成14年8月27日判決――間接偽造
4 さいたま地裁平成20年9月24日判決――日付の書込み
第1 秘密証書遺言の位置付け
1 内容を秘密にしたまま存在を明確にする遺言であること
2 利用件数が少ないこと
第2 現行法による作成方法
1 民法970条1項の4段階
2 本文の日付と訂正
3 口がきけない者及び成年被後見人の特則
第3 遺言本文の作成者である「筆者」
1 パソコンを実際に操作した者が筆者となること
2 専門家の指示で事務職員が入力した事案
第4 証人,費用及び保管
第1 現在は自筆証書遺言に押印が必要である
1 本記事の対象と結論
2 現行民法968条の三つの押印
3 令和8年改正は成立したが未施行である
第2 実印・認印・指印・花押の扱い
1 実印でなく認印でも足りる
2 指印は押印に当たる
3 花押やサイン様の略号は押印にならない
4 本人以外が物理的に押した場合
5 押印を全く欠く遺言の例外は極めて狭い
第3 押印の場所・複数枚・押印時期
1 氏名の直下が安全だが法定の場所ではない
第1 「相続させる」遺言と特定財産承継遺言の関係
1 結論――両者は重なるが,同じ意味ではない
2 法定の成立要件
3 「相続させる」という語だけでは決まらない
第2 最高裁平成3年判決が確立した直接承継の仕組み
1 遺産分割方法の指定と解する原則
2 相続開始時の直接承継
3 相続放棄及び遺言と異なる分配
第3 特定遺贈,相続分の指定及び包括遺贈との区別
1 特定遺贈との違い
2 相続分の指定との違い
3 包括遺贈との違い
第4 第三者対抗要件と相続登記
1 旧法下では登記なく第三者に対抗できた
2 現行民法899条の2
3 相続登記申請義務と登録免許税
第5 遺言執行者の権限は旧法と現行法で異なる
1 平穏な未登記事案を扱った最高裁平成7年判決
2 妨害登記を扱った最高裁平成11年判決
第1 相続放棄の「3か月」の意味
1 死亡日から一律に3か月ではない
2 本記事の対象
第2 原則的な起算点
1 死亡と自己の相続人性を知った時
2 後順位相続人
3 共同相続人ごとの個別計算
第3 3か月の計算方法
1 初日不算入と暦による計算
2 期限管理に必要な日付
第4 相続財産を後から知った場合
第1 限定承認の税務を理解するための基本構造
1 限定承認が制限するのは相続債務の責任である
2 税金を三つの層に分ける
第2 民法上の手続と税務申告の期限
1 限定承認は共同相続人全員で行う
2 3か月,4か月及び10か月を別々に管理する
第3 死亡時のみなし譲渡所得課税
1 課税対象は相続財産全部ではない
2 課税時点は限定承認申述の受理日ではなく相続開始時である
3 財産超過でもみなし譲渡課税は適用される
4 相続開始時の時価を相続税評価額で代用しない
第1 この記事が扱う未支給年金1 結論と対象2 未支給年金と遺族年金の違い第2 未支給年金が遺産分割の対象にならない理由1 相続ではなく法定遺族の固有の権利であること2 最高裁平成7年11月7日判決3 遺産分割協議書での扱い第3 誰が未支給年金を請求できるか1 親族の範囲と順位2 同順位者が複数いる場合3 法定の遺族がいない場合第4 生計同一をどのように判断するか1 同居だけで決まる要件ではないこと2 立証に用いる資料3 裁判例が示す判断の分かれ目(1) 別居していても生計同一が認められた例(2) 長期別居で生計同一が否定された例(3) 法律婚と事実婚が競合した例第5 死亡前入金,死亡後入金及び過払の区別1 死亡月分までの未払額2 口座への入金時点で結論が変わること第6 相続放棄及び請求者死亡1 通常の未支給年金と相続放棄2 先順位者が請求前に死亡した場合第7 請求手続,時効及び税務1 請求書及び基本資料2 本人が生前に年金請求をしていなかった場合3 消滅時効4 相続税と所得税第8 制度名によって結論が変わる例外1 旧共済年金の一部2 企業年金,確定拠出年金及び個人年金保険第9 実務上の確認順序第10 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 行政資料4 文献第1 この記事が扱う未支給年金
1 結論と対象
通常の国民年金及び厚生年金保険について,受給権者が死亡した時点で未払となっている死亡月分までの年金は,遺産分割の対象となる相続財産ではない。国民年金法19条及び厚生年金保険法37条が,死亡時に受給権者と生計を同じくしていた一定範囲の遺族に,自己の名で請求する固有の権利を与えているためである。
したがって,法定相続人であることだけでは請求できず,反対に,相続人でなくても法定の親族範囲,生計同一及び順位を満たせば請求できることがある。遺産分割協議によって,日本年金機構に対する受給順位を入れ替えたり,生計同一でなかった相続人を請求者にしたりすることはできない。
本記事は,令和8年8月9日現在の国民年金及び厚生年金保険を中心に扱う。旧共済年金,企業年金,確定拠出年金及び個人年金保険は制度ごとに結論が異なるため,第8で別に説明する。
本記事は一般的な法制度及び手続の情報を提供するものであり,個別案件についての法律相談又は税務相談ではない。具体的な事情に即した相談は,「遺言・相続のお問い合わせ」から可能である。
2 未支給年金と遺族年金の違い
未支給年金は,死亡した受給権者に死亡月分まで支給されるべきであった年金について,支払時期又は手続の関係で未払となっている部分である。これに対し,遺族基礎年金及び遺族厚生年金は,被保険者等の死亡を支給事由として遺族に発生する別の給付であり,受給者の範囲,年齢要件,生計維持要件及び失権事由も異なる。
特に,未支給年金で必要なのは原則として「生計同一」であり,遺族年金で問題となる「生計維持」と同じではない。生計維持に関する年収850万円未満等の収入要件を,未支給年金の生計同一要件へそのまま当てはめることはできない。遺族厚生年金の生計維持要件そのもの(収入要件のライン,別居,内縁・重婚的内縁関係及びDVによる別居等の限界事例)については,「遺族厚生年金の生計維持要件——収入,別居,内縁及びDV別居の限界事例」で扱っている。
第2 未支給年金が遺産分割の対象にならない理由
1 相続ではなく法定遺族の固有の権利であること
民法896条は,被相続人の一身に専属するものを除き,相続人が被相続人の権利義務を承継すると定める。しかし,国民年金法19条及び厚生年金保険法37条は,この相続の一般原則とは別に,法定の遺族が自己の名で未支給年金を請求する仕組みを設けている。
この違いは,誰が受け取るかを決定する基準に表れる。遺産であれば相続人,遺言,法定相続分及び遺産分割が問題となるのに対し,未支給年金では親族範囲,死亡時の生計同一及び政令上の順位が問題となる。
2 最高裁平成7年11月7日判決
最高裁平成7年11月7日第三小法廷判決(平成3年(行ツ)第212号,民集49巻9号2829頁)は,国民年金法19条1項が一定の遺族に未支給年金の支給を請求する固有の権利を与えたものであり,死亡した受給権者の未支給年金請求権が相続の対象になるものではないと判示した。本判決は,未支給年金を遺産分割から外す現在の実務の出発点である。
また,本判決は,法定遺族が行政庁への請求及び支給決定を経て具体的な支給を受ける仕組みを重視し,死亡した受給権者本人が提起していた年金支給請求訴訟を遺族が当然に承継することも否定した。受給権者に未払分があったという事実だけから,相続人が当然に金銭債権を承継するわけではない。
3 遺産分割協議書での扱い
遺産分割協議書では,通常の未支給年金を遺産目録に計上し,特定の相続人が相続するという書き方を避けるのが法的構造に合う。記載が必要であれば,「未支給年金は法令上の受給権者が別途請求する」旨を確認事項として置き,遺産そのものの分配条項と区別する方法が考えられる。
もっとも,受領者が家族関係への配慮から他の親族へ金銭を渡すことや,遺産全体の合意解決の中で別の財産配分を調整することまで禁止されるわけではない。ただし,それは未支給年金の受給権を遺産分割した結果ではなく,別個の合意又は金銭移転であるため,合意内容及び税務上の扱いを分けて検討する必要がある。
第3 誰が未支給年金を請求できるか
1 親族の範囲と順位
平成26年4月1日以後に受給権者が死亡した場合,請求できるのは,死亡時に受給権者と生計を同じくしていた①配偶者,②子,③父母,④孫,⑤祖父母,⑥兄弟姉妹,⑦これら以外の三親等内の親族である。順位もこの順であり,先順位者がいるときは後順位者に請求権は生じない。
平成26年3月31日以前の死亡では,その他の三親等内の親族への拡張前の規定が適用される。古い判例又は実務書に「兄弟姉妹まで」と記載されていても,現在の死亡事案へそのまま用いることはできない。
配偶者には,法律上の婚姻届がある者だけでなく,社会通念上夫婦としての共同生活が認められる事実婚の配偶者が含まれ得る。ただし,法律婚配偶者と事実婚の配偶者が競合する場合は,法律婚の実体,経済的援助,接触状況及び共同生活の実態を具体的に確認する必要がある。
2 同順位者が複数いる場合
同順位者が2人以上いる場合,その1人による請求は全員のために全額についてしたものとみなされ,その1人への支給は全員に対してしたものとみなされる。日本年金機構への請求及び支払は代表者1人にまとめられるが,早く請求した者が全額を終局的に取得するという意味ではない。
法令は,同順位者間の最終的な内部取得割合を明記していない。堀勝洋『年金保険法〔第5版〕』355頁~356頁は頭数による均等を説くが,この点を直接判断した公開裁判例は確認できないため,代表受領者は他の同順位者を確認し,分配方法を記録しておくことが安全である。
3 法定の遺族がいない場合
親族範囲,生計同一及び順位を満たす者がいない通常の国民年金・厚生年金では,未支給年金が相続人一般へ回る仕組みはない。相続人が存在しても,法定の未支給年金受給者に該当しなければ,その相続人は請求できない。
この結論は,旧共済年金の一部又は確定拠出年金の死亡後5年経過時の扱いとは異なる。年金証書,年金コード及び支給元を確認し,単に「年金」という名称だけで判断しないことが重要である。
第1 調停と審判の管轄は異なる
1 基本的な区別
2 同じ裁判所で当然に続くわけではない
第2 遺産分割調停の管轄
1 相手方住所地と複数の相手方
2 住所がない場合又は住所が知れない場合
3 調停の合意管轄
4 相続開始地は調停の法定管轄ではない
第3 遺産分割審判の管轄
1 相続開始地の家庭裁判所
2 審判の合意管轄
3 寄与分事件との関係
第1 この記事が対象とする問題と検索意図
1 検討の対象と時点
第2 医師法19条の応招義務と身元保証人の不存在
1 医師法19条1項の「正当な事由」
2 平成30年通知――身元保証人等がいないことのみを理由とする入院拒否
3 令和元年通知――応招義務の法的性質
4 介護保険施設における並行規律
第3 身元保証人・身元引受人・連帯保証人の法的性格
1 身元保証ニ関スル法律は入院患者に適用されない
2 入院保証書の連帯保証条項と極度額規制
3 医療同意権限との峻別
第4 身元保証等高齢者サポート事業の規制の展開
1 日本ライフ協会の経営破綻と消費者委員会の建議
2 総務省行政評価局による実態調査
3 高齢者等終身サポート事業者ガイドラインの策定
4 身元保証契約と死因贈与契約を組み合わせた契約をめぐる規律
(続きを読む...)身元保証人等がいない場合の入院拒否は医師法19条違反か――応招義務と高齢者等終身サポート事業の規制(AI作成)
第1 後見監督人とは何か
1 この記事が扱う範囲と時点
2 後見監督人,保佐監督人,補助監督人及び任意後見監督人の関係
第2 選任の基準と実務の運用
1 条文上の選任基準
2 選任される事案の実情
3 選任率の低さという構造的な課題
第3 後見監督人の職務と権限
1 後見人の事務の監督及び後任選任の請求
2 同意権とこれを欠く行為の取消し
3 利益相反行為における被後見人の代表
4 急迫の事情がある場合の処分
第4 報酬,辞任及び解任
1 報酬
2 辞任
3 解任
第1 この記事が扱う対象
1 対象とする組織及び一次資料
第2 組織上の位置付け
1 正式名称は家事第一部第二係である
2 所在地及び立川支部後見係との分担
第3 沿革――2003年の開設からの推移
1 2003年開設時の実情
2 管理事件数の増加と2016年の内閣府への報告
第4 後見監督の事務プロセス
第5 後見人・後見監督人の選任基準
1 成年後見人の選任について
2 成年後見監督人の選任について
第6 後見人の「裁量」の範囲
第7 近時の運用変化――令和7年から令和8年
1 全国統一書式の導入と身上保護事務の報告
第1 この記事が扱う対象
1 検討の対象と時点
2 対象とする文献の基本情報
第2 後見人の選任における親族の法的地位
1 選任の考慮要素(民法843条4項)
2 陳述及び意見の聴取の対象(家事事件手続法120条)
3 選任の結果に対する不服申立ての不存在(家事事件手続法123条)
第3 後見人の職務遂行と親族――「他人」という整理
1 意思尊重及び身上配慮義務の対象(民法858条)
2 判例タイムズ掲載論文が示す実務上の整理
第4 解任の場面における親族の位置づけ
第5 家庭裁判所の運用における転換――「身近な親族」を優先する選任方針
1 平成31年専門家会議が示した選任の基本的考え方
2 第二期成年後見制度利用促進基本計画における権利擁護支援チーム
第6 令和8年改正後の位置づけと他の場面との比較
(続きを読む...)成年後見事件における親族の意向の取扱い――選任,職務遂行及び解任の各場面における法的地位(AI作成)
第1 成年後見人等の報酬を考える前提
1 家庭裁判所が本人の財産から支給する額を定める
2 「めやす」「全国実績」「助成上限額」は別の数字である
第2 大阪家庭裁判所の報酬額のめやす
1 成年後見人等の基本報酬
2 成年後見監督人等の基本報酬
3 付加報酬及び複数選任
4 他の家庭裁判所の取扱い
第3 令和7年の全国集計から見た実際の報酬額
1 集計の対象と注意点
2 財産額別の代表的な分布
3 平均額33万4737円の位置付け
第1 この記事でいう遺産管理人
1 家事事件手続法200条1項の財産の管理者
2 名称が似ている制度との違い
第2 遺産管理人の選任要件
1 遺産分割事件の係属と本案審判の蓋然性
2 財産管理の必要性
3 選任の必要性を基礎付ける例
(1) 保存・管理が行われていない例
(2) 中立的な管理が必要となる例
(3) 賃料の開示をめぐる紛争
第3 申立て,審理及び不服申立て
1 令和5年4月改正より前の取扱いに関するものですが,相続財産管理人選任申立ての手引を以下のとおり掲載しています。
・ 相続財産管理人選任申立ての手引(申立てを検討している人向けの説明文書)
・ 相続財産管理人選任申立ての手引(民法918条2項用)
・ 相続財産管理人選任申立ての手引(成年後見人・保佐人・補助人用)
・ 自治体向け財産管理人選任事件申立てQ&A(令和元年11月改訂の,大阪家庭裁判所家事第4部財産管理係書記官室の文書)
2 「大阪家裁後見センターだより」も参照してください。
第1 この記事が扱う範囲1 対象と,法人を設立している場合との違い2 令和6年民法改正による前提の変化第2 分与の対象となる財産の画定1 名義が個人に集中することの帰結2 家計と事業の区分3 事業用の負債第3 得意先及び営業権1 得意先名簿を現物で分与した例2 営業権を計上する場合の考え方第4 基準時及び評価第5 分与の方法と事業の継続1 現物共有を避けるべき理由2 代償金による清算と分割払い第6 課税上の取扱い1 分与した側に譲渡所得課税が生ずること2 譲渡所得税を分与の相当性の判断で考慮した例3 棚卸資産及び事業用固定資産第7 年金及び共済1 個人事業主本人には分割すべき厚生年金がないこと2 小規模企業共済等の取扱い第8 婚姻費用及び養育費における収入の認定第9 資料の収集,保全及び手続上の留意点1 情報開示命令2 財産分与請求権に基づく債権者代位3 分与を求める財産の一部について裁判をしないことは許されないこと第10 出典・参考資料1 法令・通達2 裁判例3 公的資料4 文献
第1 この記事が扱う範囲
1 対象と,法人を設立している場合との違い
本記事は,法人を設立せずに事業を営む個人事業主が離婚する場合の財産分与を扱う。商店,飲食店,工務店,農業,個人開業の医院,士業の事務所その他,業種や規模を問わず,事業の主体が個人であることに共通する問題を対象とする。
会社を経営している場合との最も大きな違いは,法人格による遮断がないことである。会社の財産は法人に帰属するから原則として分与の対象とならず,実務の標準的な処理は配偶者が保有する株式を評価して算入することで足りる。これに対して個人事業では,店舗,機械,車両,在庫及び売掛金のいずれも名義が個人に属するから,出発点において事業用の財産が分与の対象に含まれることになる。したがって争点は,事業用の財産が対象となるかどうかではなく,どこまでを事業として切り分けられるか,事業を継続させながらどのように清算するか,及び得意先のような無形の価値を計上するかに移る。
会社を設立している場合の対象性,評価及び会社法上の制約は経営者の離婚と自社株式の財産分与で,役員報酬の認定や債権者との関係は経営者の離婚をめぐる四つの局面で,それぞれ扱っている。住宅ローンを夫婦で分担する「ペアローン」に固有の論点はペアローンを組んだ夫婦の離婚と財産分与で扱っている。本記事の作成にはAIを用いており,引用する法令はe-Gov法令検索により,裁判例は裁判所ウェブサイト又は判例秘書により,それぞれ内容を確認している。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり,個別の事案に対する法的助言ではない。
2 令和6年民法改正による前提の変化
民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)は令和8年4月1日から施行されている。改正後の民法768条2項ただし書は,家庭裁判所に対する協議に代わる処分の請求について「離婚の時から五年を経過したとき」を限界とし,同条3項は考慮すべき事情を列挙した上で,「この場合において,婚姻中の財産の取得又は維持についての各当事者の寄与の程度は,その程度が異なることが明らかでないときは,相等しいものとする」と定める。
個人事業の事案でこの後段が持つ意味は,会社を経営している場合と同じではない。事業主の側は,事業用の資産は自らの才覚と労働によって形成したものであると主張することが多いが,改正によって寄与の程度を等しいとする推定が条文上置かれた結果,その主張は「異なることが明らかである」といえる事情を示す立場からのものになる。他方で,配偶者が青色事業専従者として現に稼働してきた事案では,推定を維持する側が有利になる。
経過措置は請求期間だけが例外とされている。同法附則2条が改正後の民法の規定を施行前に生じた事項にも適用する旨を定める一方,同法附則4条は,施行日前に離婚した場合の財産の分与に関する処分を請求することができる期間の制限について,なお従前の例によるものとしている。施行日前に成立した離婚では請求期間は従前どおり2年である一方,寄与の程度に関する推定は及ぶという非対称が生ずる。なお,離婚時の年金分割の請求期限も,令和7年年金制度改正法(令和7年法律第74号)により同じ令和8年4月1日から2年ではなく5年とされているから,離婚の時期を確認した上で二つの期限を併せて把握することになる。
第2 分与の対象となる財産の画定
1 名義が個人に集中することの帰結
民法762条1項は,夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産を特有財産とし,同条2項は,夫婦のいずれに属するか明らかでない財産を共有に属するものと推定する。個人事業では事業用の口座も事業用の不動産も事業主個人の名義であるから,名義だけを手掛かりにして特有財産と共有財産を仕分けることはできない。婚姻期間中に事業から得た収益によって取得した資産は,名義が事業主個人であっても婚姻中に取得した財産として分与の対象となるのが原則であり,これを対象から外そうとする側が,取得の時期及び原資を示して特有財産であることを主張立証することになる。
婚姻前から営んでいた事業を婚姻後も継続している場合には,婚姻時点で存在していた事業用資産と,婚姻後に事業の収益で取得した資産とを区別する必要がある。もっとも,機械や車両のように更新を繰り返す資産や,日々出入りのある事業用預金については,婚姻時点の残高がそのまま特有財産として残存していると認定できる場面は限られる。開業時の帳簿,確定申告書及び固定資産台帳をさかのぼって取得の経緯を示せるかどうかが,実際上の分かれ目になる。
2 家計と事業の区分
第1 この記事が扱う対象
第2 自営業者の総収入は確定申告書の「課税される所得金額」から組み立てる
1 出発点となる書類と最も多い誤り
2 「課税される所得金額」に加算する項目
3 社会保険料控除だけを加算しない理由
4 必要経費そのものを争う場合
第3 減価償却費――令和4年の二つの高等裁判所決定
1 二者択一という枠組み
2 減価償却費を加算した例
3 減価償却費を加算しなかった例
4 分岐点はどこにあるか
第4 給与所得と事業所得が併存する場合の換算
第5 確定申告書が信用できない場合の収入認定
第6 高額所得の個人事業主
1 算定表の上限
2 基礎収入の修正計算
(続きを読む...)個人事業主の離婚と婚姻費用及び養育費――確定申告書からの総収入の認定,減価償却費の取扱い及び回収方法(AI作成)
第1 この記事が扱う相続と,適用される法の決め方1 相続分は相続開始時の法によって定まる2 適用される法の時期区分第2 昭和55年改正が設けた分水嶺1 改正法附則の経過措置2 改正された条文の内容3 e-Gov法令検索で経過措置を確認するときの限界第3 昭和23年1月1日から昭和55年12月31日までの法定相続分1 配偶者と血族相続人の割合2 同順位の相続人が数人あるときの割合3 昭和37年改正が変えたものと変えなかったもの第4 応急措置法が適用される相続の相続分第5 旧民法の遺産相続における相続分1 遺産相続人の順位2 庶子及び私生子の相続分第6 代襲相続の範囲が三段階に変わること第7 嫡出でない子の相続分と違憲決定の射程第8 地域による適用法の違い第9 相続分の計算に連動する制度1 遺留分2 寄与分3 相続税法上の相続分と配偶者の税額軽減第10 計算の手順と誤りやすい点1 計算の手順2 誤りやすい点3 計算した相続分が争われた場合出典・参考資料1 法令2 裁判例3 公文書・歴史資料4 文献
第1 この記事が扱う相続と,適用される法の決め方
1 相続分は相続開始時の法によって定まる
相続登記が長期間されないまま放置された不動産や,先代・先々代の名義のままになっている土地について遺産分割や相続登記を進めるときは,被相続人が死亡した日を基準として,その当時に施行されていた法律による法定相続分を計算しなければならない。現行の民法900条1号は,子及び配偶者が相続人であるときの相続分を各2分の1と定めているが,この割合が適用されるのは昭和56年1月1日以後に開始した相続に限られる。本記事は,昭和55年12月31日以前に開始した相続について,どの時期にどの割合が適用されるのかを,官報に掲載された公布時の条文にさかのぼって整理するものである。作成に当たっては,AIを用いて官報,国会会議録及び裁判所ウェブサイトの原資料を通読し,条文の文言と数値を原典と逐語で照合した。
この整理の出発点となる経過措置は二つある。一つは,民法及び家事審判法の一部を改正する法律(昭和55年法律第51号)附則第2項であり,「この法律の施行前に開始した相続に関しては、なお、第一条の規定による改正前の民法の規定を適用する」と定める。もう一つは,民法の一部を改正する法律(昭和22年法律第222号)附則第25条第1項であり,「応急措置法施行前に開始した相続に関しては、第二項の場合を除いて、なお、旧法を適用する」と定める。相続分は,相続人の範囲と同じく相続開始時に施行されていた法によって決まり,その後の改正によって遡って変わることはない。
本記事は,被相続人が日本人であり日本法が準拠法となる場合を対象とする。被相続人が外国人であるときは相続の準拠法は本国法であり,最高裁判所第二小法廷昭和37年8月10日判決は,大韓民国人について昭和31年当時に生じた遺産相続の相続人を,当時の同国の慣習によって認定している。在日韓国・朝鮮人が被相続人である事案の相続人調査については在日韓国・朝鮮人の相続人調査で扱っている。また,相続人の範囲そのもの,すなわち家督相続と遺産相続の区別,家督相続人が選定されなかった場合の処理及び家附の継子の相続権については旧民法が適用される相続の相続人の特定で扱っているため,本記事は相続人が確定した後の割合の計算に対象を絞る。
2 適用される法の時期区分
相続開始日によって適用される法は,次の5期に分かれる。境界となる日付は,いずれも各法律の施行期日に関する規定から導かれる。
相続開始日適用される法昭和22年5月2日以前旧民法(明治31年法律第9号として公布された民法第四編親族・第五編相続)。家督相続又は遺産相続昭和22年5月3日から同年12月31日まで日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律(昭和22年法律第74号)及び旧民法の遺産相続に関する規定昭和23年1月1日から昭和37年6月30日まで民法(昭和22年法律第222号による改正後のもの)昭和37年7月1日から昭和55年12月31日まで民法(昭和37年法律第40号による改正後のもの)昭和56年1月1日以後民法(昭和55年法律第51号による改正後のもの)
各境界日の根拠は次のとおりである。応急措置法の附則は「この法律は、日本國憲法施行の日から、これを施行する。」と定めるから,同法は憲法施行日である昭和22年5月3日から適用される。昭和22年法律第222号附則第1条は「この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。」と定める。昭和37年法律第40号附則第1項は「この法律は、昭和三十七年七月一日から施行する。」と定め,昭和55年法律第51号附則第1項は「この法律は、昭和五十六年一月一日から施行する。」と定める。なお,応急措置法の附則には失効期日を定める規定が置かれておらず,同法及び同時期の関係法律の整理に関する法律にも同法を廃止する条項は見当たらないが,新民法の施行によって相続に関する規律が引き継がれた結果,昭和23年1月1日以後に開始した相続には新民法が適用される。
第2 昭和55年改正が設けた分水嶺
1 改正法附則の経過措置
民法及び家事審判法の一部を改正する法律は,昭和55年5月17日に公布され,官報同日付本紙第15994号5頁に掲載された。その附則は7項から成り,相続分の計算に直接かかわるのは次の2項である。
1 この法律は、昭和五十六年一月一日から施行する。
2 この法律の施行前に開始した相続に関しては、なお、第一条の規定による改正前の民法の規定を適用する。
この経過措置は,改正後の規定を施行前に開始した相続へは一切及ぼさないという完全な不遡及を定めるものである。したがって,被相続人が昭和55年12月31日に死亡した相続と,翌日である昭和56年1月1日に死亡した相続とでは,遺産分割や相続登記を現在行うとしても,適用される相続分の割合が異なる。
目次
第1 この記事が扱う対象
1 改正の特定と施行日
2 委任の構造
第2 改正の全体像
第3 法律行為に係る公正証書の作成手数料
第4 新設された3か条
1 死後事務委任に関する公正証書(18条の2)
2 信託に関する公正証書(22条の2)
3 電磁的記録の提供(40条の2)
第5 養育費に関する定期給付の上限
第6 個別の手数料額の改定
1 公正証書の作成に関するもの
2 執行文,送達,交付及び閲覧に関するもの
3 デジタル化に伴う技術的な改正
第7 据え置かれた手数料
(続きを読む...)令和7年10月1日施行の公証人手数料令改正――公正証書作成手数料の新旧対照,引下げ項目及び経過措置(AI作成)
第1 この記事が扱う範囲1 対象及び時点2 令和6年民法改正の経過措置は請求期間だけが例外であること3 同じ日に施行された年金分割の請求期限の伸長第2 役員報酬と婚姻費用及び養育費1 標準算定方式と基礎収入の割合2 同族会社の役員の総収入をどう認定するか3 過去に遡る分担と,財産分与による清算4 いったん定めた分担額を争う方法5 資料を出させる手段としての情報開示命令6 執行の段階で認められている特例第3 譲渡制限株式の売買価格の決定1 現物分与から価格決定に至る道筋2 申立て,審理及び鑑定3 非流動性ディスカウントをめぐる二つの最高裁決定4 二つの決定の関係をどう読むか第4 債権者及び破産管財人から見た財産分与1 詐害行為とならないのが原則であること2 取消しの範囲と,慰謝料の取扱い3 分与者が破産した場合の財産分与金4 婚姻費用の分担に関する債権を被保全債権とする場合5 破産法上の否認をめぐって見解が分かれている点第5 民法754条の削除と婚姻後の夫婦間契約1 削除された規定と,判例による限定2 削除の理由と,法制審議会答申からの経緯3 婚姻の届出前にする夫婦財産契約の制約4 婚姻後にする合意の設計5 自社株式及び株主間契約への影響出典・参考資料1 法令2 裁判例3 公的資料4 文献5 ウェブ資料
第1 この記事が扱う範囲
1 対象及び時点
非上場会社を経営する者の離婚では,自社株式が財産分与の対象となるか,どのように評価するかが最大の争点になる。もっとも,実際の事件で決着を左右するのはそれだけではない。株式の評価額とは別に毎月の収入が問題になる局面,分与を現実に実行しようとして会社法上の手続に突き当たる局面,分与を第三者である債権者や破産管財人がどう見るかという局面,そして紛争が生じる前に合意で備える局面がある。本記事は,この四つを条文及び判決文に即して整理する。自社株式そのものの対象性,評価及び課税は経営者の離婚と自社株式の財産分与で扱っているため,本記事では重複しない範囲に絞る。本記事の作成にはAIを用いており,引用する法令はe-Gov法令検索により,裁判例は裁判所ウェブサイトにより,それぞれ内容を確認している。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり,個別の事案に対する法的助言ではない。
2 令和6年民法改正の経過措置は請求期間だけが例外であること
民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)は令和8年4月1日から施行されている。財産分与に関しては,民法768条2項ただし書が家庭裁判所に対する請求の期間を「離婚の時から五年」とし,同条3項が考慮すべき事情を列挙した上で「この場合において,婚姻中の財産の取得又は維持についての各当事者の寄与の程度は,その程度が異なることが明らかでないときは,相等しいものとする」と定めた。実務上の疑問は,施行日より前に成立した離婚にこれらの規定が及ぶかであるが,この点は同法の附則が明文で処理している。
附則2条は「第一条の規定による改正後の民法(以下「新民法」という。)の規定は,この附則に特別の定めがある場合を除き,この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし,同条の規定による改正前の民法(附則第六条において「旧民法」という。)の規定により生じた効力を妨げない」と定め,原則として遡って適用することを明らかにする。その上で,附則4条が「施行日前に離婚し,又は婚姻が取り消された場合における財産の分与に関する処分を家庭裁判所に請求することができる期間の制限については,なお従前の例による」として,請求期間だけを例外に切り出している。したがって,施行日前に離婚した事案では請求期間は従前どおり2年であるのに対し,寄与の程度を相等しいものとする同条3項後段は,施行日前に成立した離婚の財産分与についても適用されることになる。改正の効果を一律に「施行日以後の離婚に適用される」と説明すると,この非対称を落とすことになる。
3 同じ日に施行された年金分割の請求期限の伸長
財産分与と並んで請求期限が伸長されたのが,離婚時の年金分割である。厚生年金保険法78条の2第1項ただし書は,標準報酬の改定又は決定の請求について「当該離婚等をしたときから五年を経過したときその他の厚生労働省令で定める場合に該当するときは,この限りでない」と定める。これは令和7年年金制度改正法(令和7年法律第74号)による改正で,日本年金機構の案内によれば施行日は令和8年4月1日であり,同日前に離婚等をした場合は従前どおり2年以内に請求する必要がある。
この改正には立法の経緯がある。令和6年民法改正の際に参議院法務委員会が付した附帯決議(令和6年5月16日)は,その第13項において,「本法により離婚時の財産分与に係る請求期限が二年から五年となることを踏まえ,二年となっている離婚時の年金分割に係る請求期限の延長について早急に検討を行うこと」と述べていた。財産分与と年金分割は,同じ日に,5年へ伸長する点でも施行日前の離婚を従前どおりとする点でも同じ構造で揃ったことになるから,離婚の相談では二つを対にして期限を確認することになる。
第2 役員報酬と婚姻費用及び養育費
1 標準算定方式と基礎収入の割合
婚姻費用及び養育費の算定は,現在,令和元年12月23日に公表された司法研究(平成30年度司法研究「養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究」)が提案した改定標準算定方式・算定表によっている。同研究の概要によれば,総収入から公租公課,職業費及び特別経費を控除した基礎収入の割合は,給与所得者でおおむね54パーセントから38パーセント,自営業者でおおむね61パーセントから48パーセントとなり,いずれも高額所得者ほど割合が小さくなる。子の生活費指数は0歳から14歳までが62,15歳以上が85である。自営業者については課税される所得金額を総収入とする点が給与所得者と異なる。
給与所得者を含む算定表全体の選び方,読み方,計算式及び特別事情については,婚姻費用算定表の見方,計算方法と特別事情(AI作成)で説明している。
同研究の概要には,「本研究の発表は,養育費等の額を変更すべき事情変更には該当しない」との記載もある。既に定められた養育費等の額について,算定方式が改定されたこと自体を理由に変更を求めることはできないという趣旨であり,改定の前後をまたぐ事案では確認しておく必要がある。
2 同族会社の役員の総収入をどう認定するか
経営者の事案に固有の難しさは,総収入の認定にある。婚姻費用及び養育費の算定実務を扱う文献は,同族会社の取締役について,代表取締役でない場合であっても「その収入額をその意思で変更することができる立場にあることが多く,その報酬額は,税金対策など様々な事情の影響を受けやすい」と指摘し,源泉徴収票では不十分と思われる事情がある場合には,源泉徴収票のほかに確定申告書等を提出させ,会社の営業内容をも検討すべきであるとする(松本哲泓『婚姻費用・養育費の算定』73頁)。給与所得者であれば源泉徴収票で足りるという前提が,経営者の事案では成り立たないということである。
もっとも,これは相手方が資料を任意に提出することを前提とした議論である。会社の決算資料や役員報酬の決定過程を示す資料は会社が保有しており,経営に関与していない配偶者の側で当然に入手できるものではない。相手方が提出しない場合にどうするかが,実務上の本題になる。
3 過去に遡る分担と,財産分与による清算
婚姻費用の分担については,古くから二つの取扱いが確立している。第一に,最高裁判所大法廷昭和40年6月30日決定(昭和37年(ク)第243号,民集19巻4号1114頁)は,婚姻費用の分担に関する処分の審判が憲法32条及び82条に違反しないとした上で,「家庭裁判所は,審判時から過去に遡つて,婚姻費用の分担に関する処分をすることができる」と判示した。別居後に請求を怠っていた期間についても,遡って分担を求める余地がある。
第二に,最高裁判所第三小法廷昭和53年11月14日判決(昭和53年(オ)第706号,民集32巻8号1529頁)は,「離婚訴訟において裁判所が財産分与を命ずるにあたつては,当事者の一方が婚姻継続中に過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができる」と判示した。婚姻費用という毎月の収入の問題と,自社株式を含む財産分与という蓄積の問題は,別々の手続に分かれてはいるものの,金額の決定においては接続する。なお,最高裁判所第一小法廷令和2年1月23日決定(平成31年(許)第1号,民集74巻1号1頁)は,婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚したとしても婚姻費用分担請求権は消滅しないとしており,離婚成立によって過去分の請求が失われるわけではない。もっとも,過当に負担した婚姻費用の清算を財産分与の額に取り込むには,清算の対象となる財産の額が定まっていることが前提になる。自社株式について,対象を確定する時点と評価する時点をどのように分け,どのような評価方法によるかは,経営者の離婚と自社株式の財産分与の第4で扱っている。
4 いったん定めた分担額を争う方法
経営者の事案では,別居直後に取り交わした合意の金額が,後に判明した実際の収入と大きく食い違うことがある。この場合に,合意の無効を民事訴訟で確認してから審判に進むという道筋が考えられるが,最高裁判所第一小法廷令和7年9月4日判決(令和6年(受)第239号,民集79巻6号2637頁)は,これを否定した。同判決は「夫婦間における婚姻費用の分担の内容を定める合意の無効確認を求める訴えは,確認の利益を欠くものとして不適法である」と判示している。
その理由として同判決が挙げるのは,婚姻費用の分担義務が「その時々で変動する夫婦の収入,生活状況等の影響を受け得るもの」であり,「婚姻費用の分担の内容は,婚姻費用合意によって,以後,固定されるものではなく,適時に新たな形成があり得るものである」という点である。そのため,婚姻費用分担審判の手続において合意の成否が争われ,合意と異なる分担の内容を形成することを求める主張がされた場合,家庭裁判所は合意の存否,効力及び内容のみならず夫婦の収入,生活状況等の一切の事情を踏まえて新たに分担の内容を形成することになり,別途民事訴訟で合意の効力が確定されていないからといって,これが妨げられるわけではないとされた。同判決の事案は,夫の当時の年収について実際の額よりも低廉な額を前提として月額16万円とする合意がされ,後の審判が月額29万円等の支払を命じたというものであり,収入を低く示して合意を取り付けたと疑われる場面での争い方を示している。争う場は民事訴訟ではなく婚姻費用分担審判である,というのが実務上の帰結になる。
5 資料を出させる手段としての情報開示命令
令和6年改正で新設された家事事件手続法152条の2は,この分野で最も実務的な意味を持つ規定である。同条1項は,夫婦間の協力扶助に関する処分,婚姻費用の分担に関する処分及び子の監護に要する費用の分担に関する処分の各審判事件について,家庭裁判所が必要があると認めるときは,申立てにより又は職権で,当事者に対し「その収入及び資産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる」と定める。同条2項は,財産の分与に関する処分の審判事件について,「その財産の状況に関する情報を開示することを命ずることができる」と定める。
さらに同条3項は「前二項の規定により情報の開示を命じられた当事者が,正当な理由なくその情報を開示せず,又は虚偽の情報を開示したときは,家庭裁判所は,十万円以下の過料に処する」と定めており,開示しないこと自体に制裁が用意された。会社の決算資料や役員報酬の実額を相手方が抱えたまま出さないという,経営者の事案に特有の状況に対して,正面から手当てをした規定である。もっとも,命ずるかどうかは家庭裁判所の判断であり,過料の額も10万円以下であるから,これだけで資料が必ず出るとまでは言えない。実務的には,まず情報開示命令の申立てをした上で,出てこない場合に調査嘱託その他の手段を検討するという順序になる。同条2項による財産の状況の開示は,自社株式の評価資料が相手方に偏在する事案でも同じ役割を果たす。資料が出た後に評価が争いとなって鑑定を実施する場合に,費用の負担及び鑑定結果に従う旨の合意をあらかじめ得ておくという調停実務の扱いは,経営者の離婚と自社株式の財産分与の第4の2で扱っている。
6 執行の段階で認められている特例
婚姻費用及び養育費については,執行の段階でも一般債権と異なる扱いがされている。民事執行法151条の2は,民法760条の婚姻費用分担義務や民法766条の子の監護に関する義務等について確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において,その一部に不履行があるときは,「当該定期金債権のうち確定期限が到来していないものについても,債権執行を開始することができる」と定める。将来分について改めて申立てを繰り返す必要がないということである。また,同法152条3項は,これらの義務に係る金銭債権を請求する場合には差押禁止の範囲を4分の3から2分の1に読み替えるものとしており,給与債権からの回収可能額が広がる。
令和6年改正で新設された民法306条3号及び308条の2の子の監護費用の先取特権,並びに民法766条の3の法定養育費については,法定養育費と養育費債権の先取特権で扱っている。
(続きを読む...)経営者の離婚をめぐる四つの局面――役員報酬と婚姻費用,譲渡制限株式の売買価格決定,債権者による取消し及び婚姻後の夫婦間契約(AI作成)
第1 この記事が扱う対象
1 検討の対象と時点
2 方式遵守の主張立証責任は遺言の有効を主張する側にある
3 遺言公正証書は公文書であること
第2 公証人と連絡が取れなくなる場面
1 公証人法上の身分の変動
2 記憶がない場合と証言を拒絶する場合
第3 原本及び附属書類の所在
1 封印と引継ぎ
2 保存期間
3 附属書類の範囲と7年の保存期間
4 原本の二重保存と滅失時の措置
第4 資料を取得する手順
1 遺言検索システムによる特定
2 閲覧,謄本及び正本の請求
3 訴訟上の証拠収集手段
第1 本記事の対象と令和6年民法改正による前提の変化
1 対象及び射程
2 民法768条の改正――寄与の程度の推定と請求期間
3 民法754条の削除
第2 自社株式は財産分与の対象となるか
1 名義と特有財産――民法762条の構造
2 会社の設立時期による区別
第3 会社名義の財産に及ぶ場合――裁判例が示す三つの段階
1 原則――法人格が別である以上,会社財産は対象とならない
2 資産収益関係を考慮に入れる
3 個人営業と同視する
4 資産及び負債を通算する
第1 この記事が扱う対象
1 検討の対象と時点
2 主張立証責任の三層構造
第2 請求原因は訴訟要件を基礎付ける事実である
1 訴訟物と請求の趣旨
2 請求原因の4つの要件事実
3 遺言者の生存中は訴えを提起できない
第3 抗弁は遺言の成立要件である
1 立証責任が遺言の有効を主張する側にある
2 令和7年9月30日以前に作成された公正証書遺言
3 令和7年10月1日以後に作成された公正証書遺言
4 証人の立会い
5 口授
6 筆記,読み聞かせ及び署名押印
7 公正証書遺言が有効であるという抗弁の記載例
第4 再抗弁は遺言の無効事由である
1 遺言能力の欠如
2 民法総則の規定による無効及び取消し
◯山中弁護士への事件のご相談・ご依頼は「遺言・相続のお問い合わせ」から可能です。
第1 相続財産調査の目的と最初に管理する期限
1 全国一括検索だけでは調査は完結しない
2 3か月の熟慮期間を調査より先に管理する
第2 最初にそろえる権限資料と手掛かり
1 相続人と遺言を確定する
2 自宅,郵便物及び税務資料から候補表を作る
第3 財産・債務の種類ごとの調査方法
1 預貯金,貸金庫及び銀行取引
(1) 相続時預貯金口座照会で所在候補を探す
(2) 判明した金融機関へ残高と取引履歴を個別照会する
2 不動産
(1) 所有不動産記録証明で全国の登記記録を検索する
(2) 名寄帳と固定資産税資料を併用する
◯山中弁護士への事件のご相談・ご依頼は「遺言・相続のお問い合わせ」から可能です。
目次
第1 本記事の対象と結論の要点
1 アルツハイマー型の診断だけでは無効にならない
2 既存記事との役割分担
3 争点は作成時点の程度に絞り込まれる
第2 診断名と重症度を区別する
1 診断名は重症度を語らない
2 処方薬の適応範囲から重症度の上限を検討する
3 バイオマーカーは重症度の判定に用いない
4 生物学的な診断基準への移行がもたらす影響
第3 進行性を前提とした立証と反論
1 進行速度から作成時点の程度を推認する
2 「作成当日は状態が良かった」との反論への対応
3 入院中の出来事は重症度の裏付けとして弱い
第4 認知機能検査及び認定資料の限界
1 カットオフ値だけでは判断されない
2 合計点よりも遂行機能と言語性記憶に着目する
第1 死後事務委任契約の役割
1 死後の事務を生前に委ねる契約であること
2 契約が特に有用となる場面
第2 本人の死亡後も契約が存続するための法的根拠
1 民法653条は当事者の別段の合意を妨げないこと
2 相続人による解除には限界があり得ること
3 契約の有効性と対外的な実行可能性は異なること
第3 委任できる事務と権限上の限界
1 典型的な死後事務
2 死亡届,火葬及び埋葬
(1) 死亡届を提出できる者
(2) 火葬及び埋葬の手続
3 賃貸住宅の解約及び残置物の処理
(1) 解除事務と残置物処理事務を分ける
(2) 指定残置物と非指定残置物を区別する
(3) 換価代金,費用及び残額を精算する
(4) モデル条項の対象外となる場面
4 相続財産,税務,預貯金及びデジタル遺品
(1) 相続財産の処分
(2) 税務及び預貯金
(3) デジタル遺品
第4 遺言,任意後見及び祭祀承継との使い分け
第1 遺品整理業者に一つの包括免許はない
1 名称ではなく実際の作業で規制が決まる
2 許可・権限の早見表
3 民間資格は法令上の許可を代替しない
第2 家庭ごみの運搬には市町村の一般廃棄物許可が必要である
1 家庭の遺品は通常,一般廃棄物となる
2 依頼者と許可業者の直接契約を確認する
3 「全部買取」でも実態が不要物なら廃棄物になり得る
4 家電と内装撤去は別工程として扱う
第3 買取と訪問契約には別の消費者保護規制がある
1 買取には古物商許可と処分権限の確認が必要である
2 自宅での買取は訪問購入となり得る
3 見積りのための訪問と契約締結の依頼は同じではない
4 免責条項と解約料にも限界がある
第4 遺品を処分できる者と相続放棄のリスク
1 共同相続人の一人だけで全部を処分できるとは限らない
2 相続放棄を考える者は売却・持帰り・費用充当を止める
3 裁判例は物の価値と行為の範囲を個別に見ている
4 緊急時は保存と記録を優先する
第5 賃貸住宅の残置物を家主が直ちに処分することはできない
1 残置物条項があっても自力救済は許されない
2 モデル契約は入居者の生前の委任を前提とする
第6 特殊清掃は免許名より安全管理の実質を見る
目次
第1 令和8年改正の対象と現在の適用関係
1 二つの法律を分けて読む必要がある
2 公布済みであるが成年後見部分は未施行である
3 改革の出発点は包括的な権利制限の縮小である
第2 法定後見を補助へ一元化する仕組み
1 判断能力の三類型から必要な権限の選択へ移る
2 三つの権限は効果が異なる
3 必要性がなくなれば能力回復前でも終了できる
4 意思尊重と任意後見の位置付けも変わる
第3 関係法律整備法が行う五つの接続
1 身分名称の削除と接続先の選択
2 民事訴訟は身分から訴訟能力の個別判断へ移る
3 会社法,信託法及び消費者契約法への影響
4 福祉,医療及び行政手続は一般的な医療同意権を設けない
第4 法律第46号が整備する61法律
第5 旧後見,旧保佐及び旧補助の経過措置
1 旧後見及び旧保佐は一律に新制度へ移らない
目次
第1 移行型の任意後見契約とは何か
1 本記事の対象
2 二つの委任契約を組み合わせる仕組み
3 将来型及び即効型との違い
第2 現行法下での開始と終了
1 通常委任の開始
2 任意後見を開始する条件と申立て
3 任意後見監督人の選任後
4 通常委任をいつ終了させるか
第3 移行型に固有の危険
1 公的監督へ移らない移行不全
2 包括的代理権と事後検証の困難
◯山中弁護士への事件のご相談・ご依頼は「遺言・相続のお問い合わせ」から可能です。
目次
第1 本記事の対象と結論の骨格
1 問われるのは診断名ではなく,遺言の内容と結果を弁識する能力である
2 公正証書であることは遺言能力を保証しない
3 令和5年改正後の条文構造
4 総論記事との役割分担
第2 レビー小体型認知症の医学的特徴
1 診断基準の構造
2 中核的特徴としての認知の変動
3 変動の実測値は秒単位から分単位である
4 変動するのは注意と覚醒であり,遺言能力の中身ではない
5 視空間認知障害と読み聞かせ・閲覧の限界
6 抗精神病薬に対する重篤な過敏性
7 せん妄との重畳
8 診断バイオマーカーとその精度
9 改訂長谷川式及びMMSEは本症の障害を過小評価する
第3 遺言能力に関する裁判例の判断枠組み
1 医学的判断と法的判断の二層構造
2 認知機能検査の点数の扱い
AIで作成した本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり,特定の個別事案に対する法的助言ではありません。実際の設計・受任に当たっては,個別の事実関係と最新の法令・裁判例を確認してください。
目次
第1 本記事の対象と射程
1 本記事が扱う「4つの難所」と,現実化した具体的リスク
2 用語の整理――民事信託・家族信託・商事信託
第2 難所その1――設計を誤ると,信託を原因とする登記が抹消される
1 任意規定を基調とする制度構造
2 遺留分潜脱と公序良俗による一部無効――東京地方裁判所平成30年9月12日判決
3 「防御的」設計がかえって潜脱と評価されるリスク
第3 難所その2――税務が私法とは別に動き,想定外の税負担が生じる
1 受益者等課税の原則と,他益信託化による課税
2 受益者連続型のフル評価課税と相続税額の加算
3 信託した収益不動産の損失は損益通算も繰越しもできない
4 非課税措置の多くは民事信託では使えない
第4 難所その3――口座を開けず信託が機能せず,専門職が責任を負う
1 民事信託には監督機関が存在しない
2 信託口口座の壁と専門職の説明義務――東京地方裁判所令和3年9月17日判決
◯山中弁護士への事件のご相談・ご依頼は「遺言・相続のお問い合わせ」から可能です。
目次
第1 本記事の対象と結論の要旨
1 問題の所在
2 結論の要旨——「相続放棄の脚」と「生前贈与の脚」
3 前提となる制度の骨格
第2 相続放棄それ自体は債権者に覆されにくい
1 相続放棄は詐害行為取消権の対象とならない
2 相続放棄の効力は登記なくして生ずる
3 遺産分割協議との違い
第3 攻撃はもっぱら生前贈与に向かう
1 詐害行為取消権
2 破産手続における否認権
3 国税徴収法39条の第二次納税義務
4 贈与が完成していないという問題(名義預金)
第4 負担からの解放という目的の限界
相続又は遺贈により取得した不要な土地を国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度が令和5年4月27日に施行され,制度の利用は年々増えている。もっとも,弁護士が依頼者に助言する際に見落とされがちなのは,土地が国庫に帰属した「その後」に何が起きるのか,という点である。本記事は,不動産が国庫に帰属した後の管理・処分の法的枠組みと実際を整理し,弁護士が手続の選択及び依頼者への説明を行う際の検討事項を示すものである。個別の事案では,土地の物理的状況及び権利関係により結論が異なる。
目次
第1 国庫帰属した不動産をめぐる二つの系統と本記事の射程
1 相続土地国庫帰属法による帰属と民法959条による帰属の区別
2 帰属後はいずれも「普通財産」として管理・処分される
第2 相続土地国庫帰属法により帰属した不動産のその後
1 帰属の時期と管理機関
2 帰属後に残る法的リスク──承認の取消しと損害賠償責任
3 帰属した不動産の管理・処分の実際と評価方法
(1) 売却実績と帰属地の性質
(2) 簡易な評価手法と段階的な価格の見直し
第3 普通財産としての管理・処分の法的枠組み
1 処分の手段と貸付・交換・譲与・信託
2 適正な対価の原則と競争入札・随意契約
(続きを読む...)国庫帰属した不動産のその後──相続土地国庫帰属法と民法959条による帰属後の管理・処分の実務(AI作成)
◯山中弁護士への事件のご相談・ご依頼は「遺言・相続のお問い合わせ」から可能です。
目次
第1 旧民法が適用される相続と本記事の射程
1 相続人の特定に適用する法は相続開始時の法である
2 旧民法・応急措置法・新民法の時代区分
第2 旧民法における相続の二本立て
1 家督相続
2 遺産相続
3 二本立ての区別が相続登記に与える影響
第3 昭和22年5月3日以後の相続と現行法附則の経過措置
1 応急措置法期の相続の位置づけ
2 家督相続人が選定されなかった場合の処理
3 応急措置法施行中に開始した相続と分配請求権
第4 家附の継子の相続権
1 嫡出子と同一の権利義務を有するための要件
2 分配請求権と適用除外
(続きを読む...)旧民法が適用される相続の相続人の特定 ― 家督相続・遺産相続の区別と新民法附則の経過措置(AI作成)