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行政・政治・公文書

七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)

目次
第1 七訂版 検察庁法
第2 関連記事その他

第1 七訂版 検察庁法
・ 七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)の本文につき,以下のリンク先でHTML化しています。

第1章 序説
第1節 検察庁法の意義及び法源
第2節 検察制度の沿革
第3節 検察制度の本質

第2章 検察権
第1節 検察権の意義及び内容
第2節 検察権の独立(行政権,立法権との関係)
第3節 検察権行使の機関(検察官の独任制官庁と検察官同一体の原則)
第4節 検察権と管轄

第3章 検察庁
第1節 検察庁の意義
第2節 検察庁の種類,位置,名称
第3節 検察庁の支部
第4節 検察庁の機構

第4章 検察庁の職員
第1節 検察官の種類等
第2節 検察官の身分保障
第3節 検察事務官
第4節 その他の職員

(続きを読む...)七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)

検察庁のその他の職員

目次

第1 検察事務官とその他の職員を区別して読む第2 平成31年3月の教材における説明第3 出典・関連資料
第1 検察事務官とその他の職員を区別して読む

検察庁には,検察官及び検察事務官のほか,検察技官や検事総長秘書官等の職員に関する制度がある。
職名が似ていても,職務や捜査に関する権限が同じとは限らない。
検察事務官の仕事内容,通常の職員の権限及び検察官事務取扱との違いは,検察事務官とはを参照されたい。

以下は,法務総合研究所の平成31年3月の教材に掲載された「その他の職員」の説明である。
当時の教材の記載を資料として掲載しており,現在の各庁の職員構成や採用の募集状況を示す一覧ではない。

第2 平成31年3月の教材における説明

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)90頁ないし91頁には,「第4節 その他の職員」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。
   
   検察庁に検察技官が置かれる(庁法第28条第1項)。検察技官は捜査等の検察事務に関しては科学的知識を活用するために,その技術を担当するものとして庁法において創設せられた機関であって,検察官の指揮を受けて,通信,採証等の技術を掌る(同条第3項)ものである。もっとも,検察事務官には捜査の権限があるのに反し,検察技官は,事務上の補助機関であり,捜査の権限を有しない。
   最高検察庁に検事総長秘書官が置かれる(庁法第26条第1項)。検事総長秘書官は,検事総長の命を受けて機密に関する事務を掌る(同条第3項)。
   検察庁の職員としては,庁法上その職務が明定されている検察官,検事総長秘書官,検察事務官及び検察技官のほかに,事務員,技能員,庁務員等の職員があり,上司の命により検察庁における各般の事務の補助をしている。事務員,技能員,庁務員等が捜査に関する権限を有しないことは,いうまでもない。

第3 出典・関連資料

① 七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)90頁~91頁
② 検察庁「検察事務官の職務内容」

検察制度の本質

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)7頁ないし9頁には,「第3節 検察制度の本質」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 社会の秩序を破った者を処罰することは,人間社会の成立とともに始まったといわれる。古代の社会における秩序を乱す行為は,殺人,傷害,窃盗などであったが, これに対する処罰は,民事,刑事の分化もなく,私人間, あるいは,その属する家や部族の間の復仇や自力救済に放任され,家や部族内のものについては,家長や部族の長の手に委ねられていた。その後,部族間の争闘の歴史を経て,部族等の上位社会としての国家が成立すると, 国家は部族問の紛争はもとより社会間の紛争にも介入するようになり,国家権力の強大化とともに犯罪者に刑罰を科することは, 「国家刑罰権」 として,国家の手に収められた。
   このようにして,封建国家や絶対王制国家においては,全ての国家作用がそうであったように,刑罰権も領主や王の絶対権力に基づいて行使された。
   
2 古来,法は正義を理念とし,裁判は公正を生命とするといわれながらも,領主や王が全権力を掌握し人民に対し生殺与奪の自由をもっていた以上,刑罰を科すについての法や裁判は,領主や王の恋意を覆い隠す装飾にすぎない場合もあり,人民の権利や自由に対する制度的な保障ではなかった。すなわち, そこには権力分立の観念はなく,全ての官吏は領主,国王の部下,代官であり,裁判官と行政官の職分の区別もなかった。
   したがって, 当時の刑事裁判手続は,裁判官(官憲)の掌中に収められ,裁判官が自ら犯人を捜して捕え,何らの訴えなしに職権をもって自ら審理を開始し,必要があれば拷問を用いるなど,一方的な秘密審理によって行なわれた(糺問手続の形式)。
   
3 しかし, 自由民権思想の発展,高揚は,領主や王の絶対権力を否定し,国家の統治権は立法,行政, 司法の三権に分立され,法による統治の時代をもたらした。かくして, これまで国王の代官・部下として社会の秩序を維持し公共の利益を図るために司法と行政の両機能を果してきた裁判所は, 司法の機能のみを担うこととし, 自ら進んで犯罪者に対して刑罰権を行使するという行政の機能を他に譲ることとなった(注1)。そして,裁判所は,紛争上対立する当事者から訴が提起された場合に,はじめて法律を基準とし, その適用によって判定を与えることに専念することとなった(弾劾手続の形式) (注2)。
(注1) 司法と行政の区別
   司法とは,「法の適用によって当事者間の具体的な法律上の争訟を解決する国家作用をいう」 とされているが,行政とは,「国家作用のうち,立法と司法とを除いた残余の国家機能をいう」 とされ,行政については,積極的な定義付けができないとする見解が有力である。
(注2)  糺問手統(糺問主義)と弾劾手続(弾劾主義)
   糺問主義(手続) とは,刑事訴訟手続上の基本的な脈理で, (イ)訴訟の開始が,訴えによらず,裁判所の職権による主義,(ロ)訴訟が開始された後,訴訟の主体として,裁判所・被告人の2面関係しかなく,裁判所・訴追者・被告人の3面関係ではない訴訟の形式を意味する。 これに対して,弾劾主義(手続) とは,(イ)刑訴法上,裁判機関以外の者の訴えを待って訴訟を開始する主義,(ロ)その場合,訴えを提起した者が当事者となるのが通例であるから,裁判所と積極・消極の両当事者の3主体によって構成される訴訟の形式を意味する。したがって,不告不理の原則は,弾劾主義の本質的内容をなすものといえる。
   
4 このようにして,刑事裁判手続は,訴訟手続の形式による公開審理によって行われるようになった。 ところで,刑事裁判手続が訴訟手続(弾劾手続)の形式で行われるためには,必然に,原告にあたる訴追者がなければならない。これを被害者や一般民衆の手に委ねる(私人訴追主義) と,訴追が私憤等によって左右されて偏ぱなものとなる場合があって適切ではない。訴追は,本来,冷静な合理的処置として行われなければならないこと,また,偶然的,恣意的でなく一定方針で画一的に行われる必要があること,訴追は司法権と行政権の接点にあるものであることなどを考えると, その権限は,公正な立場にある一定の国家機関をして分担せしめることが適切・妥当である (国家訴追主義)。
   
5 以上のように,国家の統治権を三権に分立し,人権を保障し,社会の平和を保持して公共の利益を図るためには,公益の代表として,刑事について公訴を行い,裁判所に法の正当な適用を請求するなどの機能を担う機関が必要であり,欠くことができない。 ここに検察制度が誕生した理由がある。
   したがって,検察制度は,三権分立,特に司法権の独立という国家の体制を維持,発展させるために創設されたものであり, それに奉仕するものである。この意味において,検察制度の発展によって, 司法の独立の原則もまた確立せられたものであるといってよい。

検察制度の沿革

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)3頁ないし7頁には,「第2節 検察制度の沿革」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 裁判と刑罰の制度は人間社会の成立に始まっているが,現在のような訴追権(公訴権)を独占行使する機関としての検察制度は,近代に始まるといってよい。
   現在の検察制度に類似したものとしては,唐の御使台や, これを継受した我が王朝時代の弾正台があった。 これらは,官吏監察の制度で,風俗を粛正し, 内外の非違を弾奏することを職務としていた。いずれも,独占的訴追機関ではないが,犯罪を糺弾する職責をもっていた点で,一種の検察機関といえるものであった。それが時代の下がるに伴い,検非違使,奉行の制度となり,検察は警察及び裁判と一体として行われるに至って検察制度と目すべきものは姿を消した。 ところが,明治初頭の律令法制の一部復活により,明治2年5月22日,弾正台が設けられ,行政警察と犯罪の糾弾をあわせ行ったが, 明治4年7月9日, 司法省の設置とともに廃止された。
   
2 さて, 明治初期,我が国の法制度は, フランス法の継受によって樹立されたが,検察制度もまたフランス法の継受によった。
   フランスにおいては,13世紀ころから国王(国庫)の利益を代表し擁護する 「国王の代官」の制度が設けられていた。 この「代官」は王の財源となっていた罰金や財産没収の執行にあたったが, 王権が強大になるとともにその権限を拡大し, 国家や社会の公益の擁護に任ずるようになり,16世紀の半ばころから,裁判所に附置されて一般人民からの告訴,告発を受け, 犯罪の捜査を行い,裁判所に犯人の処罰を申し立て,刑を執行するほか,公益の代表者として民事訴訟に立ち会い, また, 司法行政事務を監督する権限を有していた。
ところが, フランス大革命(1789年)により旧体制は崩壊し,刑事裁判手続は,イギリス法を模倣して創設され,従来の糺問手続が廃されて弾劾手続(8頁注2参照〉が採られた上, 陪審制度(起訴陪審,審理陪審) も設けられた。 これによって, 旧来の「国王の代官」 もその姿を消すに至った。
   しかし,革命による刑事手続,殊に起訴すべきか否かを陪審員によって決する起訴陪審の制度は, その使命を果たし得ず, その結果,犯罪の訴追は著しく活発を欠き,全フランスに盗賊が思うままに跳梁し,社会の秩序と平和を乱した。かくて,「国王の代官」が想起され,革命9年(1801年)雨月7日の法律は, 地方その他の一部勢力や偏見から超越してその職務を遂行すべき公訴官一「政府(人民)の代官」一が創設され,これが近代的な検察官制度の始まりだとされている。
   これによって,刑事訴追の公益上の必要と被告人の立場を保護する自由主義的要求とが調和されるに至り,その後数次の改正を経て,1808年11月27日公布の治罪法に,kって, 「検察官」制度が確立され,国家は,検察官をして公訴を提起せしめ,栽判所をしてそれを審判せしめることになった。フランス治罪法は,やがてヨーロッパ諸国,アメリカ,東洋にと継受されていった。
   
3 我が国に検察官がはじめて設けられたのは,明治5年8月3日太政官達「司法職務定制」においてである。同定制では「検事ハ法憲及人民ノ権利ヲ保護シ良ヲ扶ケ悪ヲ除キ裁判ノ当否ヲ監スルノ職トス」 とし,「検事ハ裁判ヲ求ムルノ権アリテ裁判ヲ為スノ権ナシ」,「聴訟ニハ検事必ス連班シ検事出席セサレハ判事独リ裁判スルコトヲ得ス」 と規定されている。
   しかし, 当時, フランス法制を十分に継受しておらず,検察官の公訴によらないで裁判所が職権で審判を開始する場合もあり, 国家訴追主義と糺問主誰が並行して行われていた。その後, 明治11年6月10日司法省達「自今訟廷内ノ犯罪及審問上ヨリ発覚スル本件附帯ノ犯罪ヲ除ク外ハ総テ検事ノ公訴ニ因リ処断スル義卜可相心得,此旨相達候事」によって,国家訴追主義, 不告不理の原則(9頁,11頁参照)が認められ,それが明治13年7月17日制定の治罪法(太政官布告第37号)において, はじめて体系的包括的に規定された。その後我が国の法制はドイツ法制を継受し,いわゆる旧々刑事訴訟法(明治23年11月1日施行),旧刑事訴訟法(大正13年1月1日施行)と改正され, 国家訴追主義, 不告不理の原則が確立された。
   一方,司法職務定制による検察制度は,検事職制章程司法警察規則(明治7年1月28日,太政官達第14号),司法省検事職制章程(明治8年5月8日,司法省達第10号),司法省職制章程並検事職制章程(明治10年3月2日,太政官布告第32号),各省使職制並事務章程(明治13年12月2日,太政官布告第60号),裁判所官制(明治19年5月4日,勅令第40号)と改正を経て,明治23年2月10日公布,同年11月1日施行の裁判所構成法により,近代的な制度として完備されるに至った。
   以来,裁判所構成法は, 旧々刑訴時代,旧刑訴時代を通じ,約60年にわたって,検察組織の基本法として, その使命を果たしてきた。
   裁判所構成法によると,検事局が各裁判所に「附置」せられ,「検事局ニ相応ナル員数ノ検事ヲ置ク」ものとされるが,検事は,「裁判所ニ対シ独立」であって,一人一人が単独官庁として「刑事ニ付公訴ヲ起シ其ノ取扱上必要ナル手続ヲ為シ法律ノ正当ナル適用ヲ請求シ及判決ノ適当ニ執行セラレルヤヲ監視シ又民事ニ於テモ必要ナリト認ムルトキハ通知ヲ求メ其ノ意見ヲ述フルコトヲ得又裁判所二属シ若ハ之ニ関ル司法行政事件ニ付公益ノ代表者トシテ法律上其職権二属スル監督事務ヲ行フ」 ものとされ,また,検事一体の原則を規定するなど,現在の検察官の性格は, ほぼ裁判所構成法によって確立せられたということができる。
   
4 昭和20年8月の太平洋戦争の終結により,我が国は,民主主義国家として再生の一歩を踏み出すこととなり, これに伴って,司法制度も根本的に改革せられることになった。その結果,これまで司法大臣の行政監督権のもとにあった裁判所は, その監督権から離れて独立することとなり,昭和22年4月16日,法律第59号及び第61号をもって,新たに裁判所法及び検察庁法が公布され,裁判所法の附則によって裁判所構成法が廃止されることになり, 日本国憲法の施行の日である昭和22年5月3日から,新しい裁判所法及び検察庁法が施行された。そして,昭和23年7月10日,法律第131号をもって,新たに刑事訴訟法(以下「刑訴法」 という。)が公布(施行,昭和24年1月1日)され,現在の検察庁及び検察官が誕生したのである。

【戦前の分離構想と戦後改革を読む際の補足】

昭和33年の「新検察制度十年の回顧」は,裁判所から検察を分離する構想が戦前にも検討され,昭和3年に司法省の案が作られていたと説明している。
戦後の制度を,分離の発想そのものが初めて生まれたものとして理解するのは適切でない。
ただし,同稿末尾に掲載された昭和3年案は成立法ではなく,その任期・定年・転官等の規定を,当時又は現在の施行法として扱うことはできない。

戦後については,昭和22年5月3日の検察庁法施行による組織の再編と,昭和24年1月1日の新刑訴法施行による刑事手続の改革を,時点と対象の異なる変更として整理すると理解しやすい。

GHQ草案69条には,検察官を裁判所の職員とする文言と,最高裁判所の規則制定権に服する旨の文言があった。
現在の憲法77条2項にも検察官が最高裁判所の定める規則に従う旨の規定があるが,それを検察官が裁判所の職員であるという意味に解することはできない。
草案の原文にある内容と,回顧執筆者による修正経緯や理由の説明・推測を分けて読む必要がある。

(続きを読む...)検察制度の沿革

検察庁法の意義と法源

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)1頁ないし3頁には,「第1節 検察庁法の意義及び法源」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 検察庁の組織と機構(注1) ,並びに検察官その他の検察庁職員の資格と権限を定めた法体系の全体を実質的意義における検察庁法という。
   その重要な部分は,「検察庁法」 (昭和22年法律第61号)に規定されているが, これに尽きるわけではなく,刑事訴訟法をはじめとして種々の法令に規定されている。これに対して,形式的意義における検察庁法とは,上記法典のことをいう。
   
2 形式的意義における検察庁法(以下「庁法」 という。)は,昭和21年11月3日, 日本国憲法が公布されたことに伴い,憲法の要請に従って立案審議され,昭和22年4月16日に公布,同年5月3日, 日本国憲法の施行と同時に施行されたものである(庁法第33条)。
   その後,庁法は,昭和22年12月17日法律第195号による改正(司法省から法務庁への機構改革に伴うもの),昭和23年5月1日法律第31号による改正(第23条を改め,検察官の適格に関する定時審査制度を設けるとともに,検察官の罷免事由を拡大したもの),昭和23年12月21日法律第260号による改正(家庭栽判所の新設等に伴うもの),昭和24年5月31日法律第138号による改正(法務庁から法務府への機構改革に伴うもの),昭和25年4月14日法律第96号による改正(裁判所法の一部改正に伴うもの),昭和27年7月31日法律第268号による改正(法務府から法務省への機構改革に伴うもの),昭和36年6月2日法律第111号による改正(国家行政組織法の一部改正に伴うもの) ,昭和44年5月16法律第33号による改正(行政機関の職員の定員に関する法律の制定に伴うもの),昭和46年12月31日法律第130号による改正(沖縄の復帰に伴うもの),昭和58年12月2日法津第78号による改正(国家行政組織法の一部改正に伴う関係法律の整理によるもの),平成11年7月16日法律第102号,同年12月22日法律第160号による改正(内閣法の一部改正に伴う関係法律の盤理によるもの) ,平成16年3月31日日法律第8号による改正(裁判所の研修所の組織改変に伴うもの)及び平成17年7月15日法律第83号による改正(学校教育法の一部改正に伴うもの)を経て,現在に至っている。
   
3 庁法には, その規定すべき事項を他の法令等によることとしているものがある。すなわち,
   第2条第3項による「最高検察庁の位置並びに最高検察庁以外の検察庁の名称及び位置を定める政令(昭和2年5月3日政令第35号)」
   第2条第4項による「各高等裁判所支部に対応して各高等検察庁支部を設置する庁令(昭和23年2月21日法務庁令第15号)」及び「地方検察庁支部設置規則(昭和22年5月3日司法省令第42号)」
   第6条第2項による「刑事訴訟法(昭和23年7月10日法律第131号)の第191条ないし第194条」
   第18条第1,2項等による「検察庁法施行令(昭和22年5月3日政令第34号)」及び「検察庁法施行令第3条の規定による地方検察庁を指定する告示(昭和22年6月6日司法省告示第31号)」
   第18条第3項による「検察官特別考試令(昭和25年12月11日政令第349号)」
   第21条による「検察官の俸給等に関する法律(昭和23年7月1日法律第76号)」
   第23条第8項による「検察官適格審査会令(昭和23年9月16日政令第292号)」
   第32条による「検察庁事務章程(昭和60年4月6日法務省訓令第1)(以下「章程」 という。)」 (注2)
   等であり, これらは庁法の規定を補充して庁法と一体をなしているものである。
   
4 国家公務員法と庁法の関係
   国家公務員法は,一般職に属する全ての国家公務員に適用されるから,一般職の国家公務員に属する検察官その他の検察庁職員は同法の適用を受ける(国家公務員法第2条第1,4,5項)が,同法附則第13条が「一般職に属する職員に関し,その職務と責任の特殊性に基いて,この法律の特例を要する場合においては,別に法律又は人事院規則(人事院の所掌する事項以外の事項については,政令)を以て, これを規定することができる。」 と定めている。そして,同附則に基づき,庁法は, 一定の事項につき 「検察官の職務と責任の特殊性に基いて,同法(注・国家公務員法)の特例を定めた。」 (第32条の2) ものであるから,庁法に特別の規定のない限りは国家公務員法の適用がある。その意味で,国家公務員法と庁法とは一般法と特別法の関係に立っている。
(注1) 組織と機構
   組織には,機構的要素(組織の単位である機関の設置,権限,所掌事務,各機関相互の関係等),人的要素及び物的要衆があるが,人的・物的要素については,公務員制度,財政・会計制度あるいは公物・営造物制度等として,別個に取り扱われるのが通常で,行政組織といえば,専ら機構的要素の面を取り上げるのが普通である。
(注2) 事務章程及び事務細則
   庁法は,「検察庁の組織と機構並びに検察官その他の検察庁職員の資格と権限」を定めているが,検察庁の事務が適正, 円滑に処理されるためには,なお,検察庁の事務運営の基本通則,すなわち,その内部の事務分配及び執務の基準に関する細目の規定が必要である。庁法は, これらの事項について,法務大臣の定めるところに委任している (庁法第32条)。この委任に基づいて法務大臣が定めているのが「検察庁事務章程」をはじめとした各種の規程等の数多くの訓令であり,これらが,実質的な意味における事務章程である。 しかし,実質的な意味における事務章程は,検察庁の事務運営の基本的通則を定めたものであるから,さらに,各庁の実情に応じた細則を定める必要がある。そこで,章程第30条は, 「検察庁の長は,この章程に定めるもののほか,その庁の事務に関し,事務細則を定めることができる。ただし,区検察庁の事務細則は,検事正が定める。」 ものとした。これらの事務細則において定めうる事項は,実質的な意味における章程において規定すべき事項の全般にわたることができるし, また,必ずしも「細則」 という名称を用いる必要はない。

検察権と管轄-捜査・公訴・事務取扱の区別(AIリライト)

目次第1 検察権の管轄を三つに分ける第2 所属検察庁と対応裁判所第3 捜査の管轄1 事物管轄の制限を受けない2 管轄区域外の捜査第4 公訴提起と事件送致第5 事務引取・事務移転と相互補助第6 弁護実務で確認する資料第7 旧記事で引用していた裁判例の扱い第8 一次資料
第1 検察権の管轄を三つに分ける

所在地や電話番号を探す場合は,公式の各検察庁案内から確認する。呼出しや事件の照会は,書面の庁名・部署・担当者を確かめる。近くの庁というだけで担当庁と決めず,不明な場合は公式窓口で確認方法を尋ねる。本記事の公訴の土地管轄や捜査権限の説明とは区別する必要がある。機関の役割は検察庁とはにまとめている。

検察権と管轄を検討するときは,①所属検察庁の対応裁判所と管轄区域,②捜査を行う権限,③公訴を提起する権限を分ける必要がある。
捜査をすることができる事件の範囲と,最終的にどの検察官がどの裁判所へ起訴できるかは同じではない。

裁判所の管轄も,事件の種類・軽重による事物管轄,犯罪地又は被告人の住所・居所・現在地等による土地管轄及び上訴関係による審級管轄に分かれる。
検察官の職務権限を検討する際には,刑事訴訟法の裁判所管轄と,検察庁法の所属・指揮監督・事務取扱を対応させる。

第2 所属検察庁と対応裁判所

検察庁法2条は,最高検察庁を最高裁判所に,高等検察庁を各高等裁判所に,地方検察庁を各地方裁判所に,区検察庁を各簡易裁判所に対応して置く。地方検察庁は各家庭裁判所にも対応する。

同法5条は,検察官が,原則として,所属検察庁の対応裁判所の管轄区域内で,その裁判所の管轄に属する事項について職務を行うと定める。
したがって,地方裁判所への公訴提起はその地方裁判所に対応する地方検察庁の検察官が行い,簡易裁判所への公訴提起は対応する区検察庁の検察官が行うのが基本である。

刑事訴訟法2条は,裁判所の土地管轄を,犯罪地又は被告人の住所,居所若しくは現在地によるとする。関連事件,管轄の競合,移送その他の修正規定があるため,犯罪地だけで起訴裁判所が一つに決まるとは限らない。

第3 捜査の管轄
1 事物管轄の制限を受けない

検察庁法6条1項は,「検察官は,いかなる犯罪についても捜査をすることができる」と定める。
捜査の開始時には最終的な罪名や起訴裁判所が確定していないことがあるため,区検察庁の検察官が地方裁判所の事物管轄に属する犯罪を捜査することも,地方検察庁の検察官が簡易裁判所の事物管轄に属する犯罪を捜査することもあり得る。

もっとも,検察庁法6条が捜査を認めることと,その所属検察庁の検察官がどの裁判所にも起訴できることは別である。
捜査の結果,事件が所属検察庁の対応裁判所の管轄に属しないと判断したときは,事件送致を検討する。

2 管轄区域外の捜査

刑事訴訟法195条は,検察官及び検察事務官が,捜査のため必要があるとき,管轄区域外で職務を行うことができると定める。
捜査対象,必要性,事件の受理・認知,令状請求その他の具体的手続を確認し,「検察官はいかなる犯罪も捜査できる」という一文だけで管轄区域外のあらゆる行為が許されると結論付けてはならない。

国内の管轄区域外で職務を行えることは,外国領域内で日本の公権力を当然に行使できることを意味しない。
国外の証拠収集では,相手国の主権,国際捜査共助,領事関係,任意提出及び取得証拠の適法性・証拠能力を別に検討する必要がある。

第4 公訴提起と事件送致

刑事訴訟法258条は,検察官が,事件が所属検察庁の対応裁判所の管轄に属しないと思料するとき,書類及び証拠物とともに,管轄裁判所に対応する検察庁の検察官へ事件を送致しなければならないと定める。

弁護人は,起訴状の検察官表示,所属検察庁,対応裁判所,事務取扱の発令及び起訴時点の管轄原因を確認する。
表示上の誤りと,権限を欠く検察官による公訴提起は同じではない。起訴状の記載,辞令・事務取扱,事件受理及び実際の公訴担当を資料に基づいて区別する。

第5 事務引取・事務移転と相互補助

検察庁法12条は,検事総長,検事長又は検事正が,その指揮監督する検察官の事務を自ら取り扱い,又はその指揮監督する他の検察官に取り扱わせることができると定める。

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検察庁の機構―組織図・部門・役職と事務分担(AIリライト)

目次

第1 庁の種類と庁内の組織を分ける第2 組織図の大枠1 庁の長と指揮監督2 部・事務局・課・室第3 仕事を分担する三つの部門第4 具体的な庁の組織を調べる方法1 現行の事務章程と別表を読む2 各庁の公式案内と執務規程を確認する第5 平成31年の教材との関係第6 出典・参考資料
第1 庁の種類と庁内の組織を分ける

検察庁の組織を調べる際は,①最高検・高検・地検・区検という庁の種類,②個々の庁の内部の部・課・室,③検察官・検察事務官等の職種,④検事正・部長・課長等の役職を区別する必要がある。
機関の役割は検察庁とは,庁の種類の比較は4種類の検察庁の違いを参照されたい。

本記事は,令和8年10月11日に確認した公式の職務紹介と,令和8年4月8日最終改正の検察庁事務章程を基に,機構の読み方を説明する。全国の各庁が同一の組織を持つという意味ではない。

第2 組織図の大枠
1 庁の長と指揮監督

最高検察庁の長は検事総長,高等検察庁の長は検事長,地方検察庁の長は検事正である。区検察庁については上席検察官の設置等に応じた取扱いがある(検察庁法7条~10条,事務章程1条)。
高等検察庁と地方検察庁には次席検事が置かれ,その庁の長を助けて庁務を整理する(事務章程2条)。高検・地検の支部には支部長が置かれる(同3条)。

庁の関係の大枠は「最高検察庁―高等検察庁―地方検察庁・区検察庁」である。高検・地検には支部があり,個々の庁の内部には,その庁の規模や所管事務に応じて部・課等が置かれる。
この大枠は,全国の全役職を一律の縦一列に並べた組織図ではない。職員の職種と指揮監督上の役職を分けて読むことが大切である。

2 部・事務局・課・室

事務章程5条は,別表第1に掲げる庁に部を置き,その所管事務を別表第2で定める。部長はその庁の検察官のうちから命ぜられ,所管事務を総括する(同6条)。
事務局の設置庁や課・室の編成は,事務章程8条~10条及び関係別表で確認する。事務局長,事務局次長,課長・室長についても,それぞれ同11条~13条に根拠がある。
特定の部や課があるかを調べるときは,「検察庁一般に存在する役職」だけでなく,「その庁に置かれる部・課」と現在の事務分担を確認する必要がある。

第3 仕事を分担する三つの部門

検察庁の検察事務官の職務紹介は,捜査公判部門・検務部門・事務局部門に分けて仕事内容を説明している。これは,仕事の性質を理解するための区分であり,全ての庁にその名称の「部」が置かれることを示すものではない。

仕事の部門主な内容公式の説明捜査公判部門検察官の捜査・公判業務の補佐,供述調書の作成,関係機関との連絡調整など。捜査公判部門検務部門事件の受理・処理,証拠品,令状,刑の執行,罰金等の徴収,犯歴及び記録に関する事務。検務部門事務局部門職員の人事・給与・勤務,文書の受付発送,会計,物品調達及び庁舎管理など。事務局部門

仕事内容から職員の権限を判断する場合は,別に法令上の根拠を確認する必要がある。検察官と事務官の違い,事務取扱の制度及び採用については,検察事務官とはを参照されたい。

法務総合研究所の研修教材『六訂 検務事務入門』(令和6年3月)によれば,平成13年4月1日の組織改編により,地方検察庁及び区検察庁の検務部門には検務監理官を始めとする統括検務官,検務専門官等の専門官制が導入され,捜査・公判部門と共に従来の課が廃止された(本文2頁)。
同書は,検務事務を事件事務,令状事務,証拠品事務,執行事務,徴収事務,犯歴事務,記録事務,恩赦事務,統計事務及び報告事務の10種類に分け,検務事務を所管する部門は,部の置かれた庁か否か等,庁の規模によって異なると説明している(本文1頁~3頁)。
各事務の流れは,検務事務とは―勾留期間の計算,判決確定日,証拠品の還付,罰金の徴収,犯歴及び記録保管で説明している。

第4 具体的な庁の組織を調べる方法
1 現行の事務章程と別表を読む

法務省の掲載ページで最終改正日を確認し,PDFの本文と別表を読む。部の設置,部の所管事務,課・室の編成などは,本文条文だけではなく別表との照合が必要である。
事務章程5条3項には,必要な場合に臨時の部を編成し,又は臨時に所管事務を変更する取扱いもある。通常の別表だけで,時点ごとの全ての事務分担が分かるとは限らない。

2 各庁の公式案内と執務規程を確認する

公式の各検察庁案内から目的の庁のページへ進み,組織図や担当窓口を確認する。内部の事務分配を詳しく調べる場合は,資料の制定日・改正日・対象庁も確認する。
各地の検察庁の執務規程で紹介する資料は,それぞれの記載時点の資料である。公開資料と最新の運用が一致するかは,問い合わせる用件に応じて担当窓口で確認する。
支部の設置と事務分配は検察庁の支部,捜査・公訴・事務取扱の管轄は検察権と管轄で説明している。

(続きを読む...)検察庁の機構―組織図・部門・役職と事務分担(AIリライト)

検察官の種類等―検事と副検事・任命資格・補職の違い(AIリライト)

目次

第1 検察官の5種類と級第2 任命と補職・事務取扱第3 検事・副検事の任命資格1 二級の検察官の基本的な資格2 副検事についての別の任命資格3 副検事から検事となる経路第4 任命資格と欠格事由第5 平成31年の研修資料と現在の制度第6 現行法令と関連記事

検察官の仕事や警察官・裁判官との違いから知りたい場合は,検察官とはを参照されたい。地方検察庁の長である検事正は,検事をもって充てる役職であり,検察庁法3条の5種類とは別の区分である。

第1 検察官の5種類と級

検察官の職名と,検察事務官の職名は区別する必要がある。
検察事務官の仕事内容と,通常の職員・検察官事務取扱検察事務官の権限の違いについては,検察事務官とはを参照されたい。

検察庁法3条にいう検察官は,検事総長,次長検事,検事長,検事及び副検事の総称である。検察事務官はこの5種類には含まれない。

官名級根拠検事総長・次長検事・検事長一級検察庁法15条1項検事一級又は二級同条2項副検事二級同条2項

「級」は官名とは異なる区分であり,俸給表の「号」や公務員の受験資格に関する「職務の級」とも区別する必要がある。副検事の仕事内容や進路は,副検事とは?検事との違い・仕事内容・なり方を参照されたい。

第2 任命と補職・事務取扱

検察庁法15条1項により,検事総長,次長検事及び各検事長の任免は内閣が行い,天皇が認証する。同法16条1項により,検事長,検事及び副検事の補職は法務大臣が行う。

同法16条2項は,副検事を区検察庁の検察官の職のみに補すると定める。一方,同法12条に基づく事務取扱により,副検事が地方検察庁の検察官の事務を取り扱う場合がある。官名,補職先及び事務取扱はそれぞれ別の事項である。

同法10条1項の「上席検察官」は検事をもって充てる役職である。上席検察官が置かれていない区検察庁では,同条3項により,検事又は副検事が庁務を掌理し,職員を指揮監督する場合がある。両者を同じ役職として説明しないことが必要である。

検事総長の職務・権限と現在の検事総長は検事総長とは,歴代の任命原資料は検事総長等任命の閣議書を参照されたい。

第3 検事・副検事の任命資格
1 二級の検察官の基本的な資格

検察庁法18条1項は,司法修習を終えた者,裁判官の職にあった者,又は3年以上,政令で定める大学で法律学の教授・准教授の職にあった者を挙げる。司法試験への合格だけを,司法修習を終える経路での任命資格と取り違えないようにする必要がある。

2 副検事についての別の任命資格

同条2項は,同条1項の資格を持つ者のほか,司法修習生となる資格を得た者,又は3年以上,政令で定める二級官吏その他の公務員の職にあった者で,所定の選考を経た者の中からも副検事を任命できると定める。

対象の公務員,職務の級等は検察庁法施行令2条に定められる。具体的な受験資格,試験科目,選考資料及び人数は,副検事の選考の記事で整理している。

3 副検事から検事となる経路

同法18条3項により,3年以上副検事の職にあり,政令で定める考試を経た者を二級の検事に任命・叙級することができる。実務上「特任検事」と呼ばれるが,任命後の官名は「検事」である。

第4 任命資格と欠格事由

任命資格を満たすことと,任命を受けられることは同じではない。検察庁法20条は,他の法律による一般の官吏の欠格事由のほか,拘禁刑以上の刑に処せられた者及び弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者を挙げる。個別の適用では,刑の言渡しの効力,恩赦及び関係法令を含めて検討する必要がある。

第5 平成31年の研修資料と現在の制度

以下は,旧記事が掲載していた平成31年3月の法務総合研究所「七訂版 検察庁法」70頁から76頁の紹介・引用である。資料作成当時の法令表記と判例紹介を含む。現在の資格を確認する際は,前記の現行法令と年度の受験案内を用いる。

旧資料には「司法試験(第二次試験)」,検察官事務取扱の根拠を「庁法第36条」とする表記,刑の名称に関する旧表記等がある。現在の検察官事務取扱検察事務官の根拠は検察庁法附則2条であり,現行20条1項1号の刑の名称は拘禁刑である。旧資料中の引用を現行条文そのものとして読むことはできない。

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)70頁ないし76頁には「第1節 検察官の種類等」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 検察官には,検事総長,次長検事,検事長,検事及び副検事の五種類がある(庁法第3条)。 これらは, いずれも官名であり,検察官というのは, この五つの官名の総称である。また,訴訟法上は,官名の総称たる 「検察官」 も官名であるとされている (注1)。

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検察官の身分保障

【現在の制度と下記の引用の関係】

下記は平成31年3月の教材に基づく説明である。
定年及び役職定年についてはその後に改正があり,令和8年10月18日現在の制度とは区別する必要がある。

検察官の定年は,検事総長以外の検察官について令和5年度・令和6年度は64歳に引き上げられ,令和7年度からは65歳となっている。
現行の検察庁法22条1項は,検察官が65歳に達した時に退官すると定めている。
下記の引用中の「その他の検察官は63歳」という説明は,教材作成当時の制度に関するものである。

定年による退官と,特定の官・職を離れる役職定年とは異なる。
次長検事及び検事長については63歳に達した日の翌日に検事に任命すること,検事正については63歳に達した日の翌日に他の職に補することが定められている。
また,現行の検察庁法22条2項は,国家公務員法81条の7の勤務延長の規定を検察官に適用しないと定めている。

検察庁法25条の身分保障にも,同法22条から24条までの場合と懲戒処分という例外がある。
引用中の木内問題に関する「官」の解釈は教材の見解であり,そこに紹介された当時の政府答弁とは分けて読む必要がある。

根拠法令:検察庁法9条2項・22条・25条及び国家公務員法等の一部を改正する法律(令和3年法律第61号)の経過措置。
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000061
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/20420210611061.htm

定年引上げについての検察庁の案内:
https://www.kensatsu.go.jp/qa/qa1.htm

適格審査への申出と,検察審査会や懲戒との違いは,「検察官適格審査会とは―申出の対象・方法,検察審査会や懲戒との違い(AI作成)」も参照されたい。
申出の対象・方法と他制度との違い

【以下,平成31年の教材に基づく引用】

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)77頁ないし84頁には,「第2節 検察官の身分保障」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。なお,別の場所の脚注に言及している部分は削りました。)。

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検察権の意義及び内容

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)10頁ないし20頁には,「第1節 検察権の意義及び内容」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 検察官が公益の代表者として持つ全ての権限,つまり庁法第4条及び第6条に規定する事務(注1)を行う権限を広義の検察権という。すなわち, (1)刑事について,公訴を行い,裁判所に法の正当な適用を請求し,かつ,裁判の執行を監督し, (2)裁判所の権限に属するその他の事項についても,職務上必要と認めるときは,裁判所に,通知を求め,又は意見を述べ, (3)公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行い, (4)いかなる犯罪についても捜査をする権限(注2)が, これである。
   しかし,通常は, これを狭義に解し,刑事について, (1)公訴を行い,(2)裁判所に法の正当な適用を請求し, (3)裁判の執行を監督し, (4)いかなる犯罪についても捜査をする権限を検察権という。
(注1) 検察事務と検察行政事務
   検察庁における事務のうち,庁法第4条及び第6条に規定する検察官固有の事務を検察事務と呼ぶ。これに対し,検察庁における検察事務以外の事務を検察行政事務と呼ぶ。検察行政事務には,検察事務の運営上, 当然これに随伴し検察事務遂行のため必要な間接的補助的行政事務(総務,会計,文書など)や,検察庁の長による統括事務がある。
(注2)第6条は,捜査権を創設的に規定したものではなく,確認的に規定したものと解される (後記3Ⅳ参照)。
   
2 刑罰権実現過程における検察権の重要性
   国家は,社会の秩序を維持する手段としての刑罰権を持つが, これを行使すべきかどうかを国家機関である検察官の判断に委ねている。検察官には, その判断の前提として,犯罪の捜査をする権限が認められる。
   検察官は,捜査の結果に基づき,国家として刑罰権を行使すべき場合かどうかを判断する。もし,検察官が消極に判断したときは,原則として刑罰権が行使されることはない。検察官が積極に判断したときは, まず検察官によって刑罰権の行使についての発議(起訴)が行われる。 これを受けて裁判所は,不告不理の原則(「不告」すなわち訴えがなければ,「不理」すなわち審理できないという原則。つまり裁判所は検察官からの公訴提起のない事件について審理・裁判をすることは許されないとの原則)の下に,刑罰権の有無及び限度を判定し刑罰権の内容を具体化する。最後に,検察官は裁判所によって具体化された刑罰権の内容の実現を指揮するという過程をたどるのである。
   このように,刑罰権実現の過程において,検察権の占める地位は,極めて重要である。したがって,検察権は,司法権そのものではなく,刑罰権の行使という国家目的を追求する一つの行政作用に属するが,これを行使する検察官の責任は重いといわなければならない。
   
3 検察権(狭義)の内容
I 刑事について公訴を行う権限(庁法第4条)
   検察官は,国家の刑事訴追機関として,公訴を提起すべきかどうかを判断し,起訴, 又は不起訴処分をする (注1,2,3)。起訴した場合においては,原告として,公訴の維持,遂行に当たり,特別の必要あるときは,公訴の取消し(刑訴法第257条)をする。
(注1)わが国の刑訴法は, 「公訴は,検察官がこれを行う。」 (刑訴法第247条)として,国家訴追主披・起訴独占主義を採り,また,「犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは公訴を提起しないことができる。」 (刑訴法第248条) として,起訴便宜主義を採ることを明らかにしている。
(注2) 検察官の少年事件の家裁送致(少年法第42条)は,裁判所の裁判を求める行為であるから,公訴を行う権限に包含されるものと解される。
(注3) 公訴権の行使に伴う裁量権の範囲については, いわゆるチッソ水俣病補償請求関係傷害事件について,弁護人の公訴権濫用の主張に対する次の判示が注目される。
   「検察官は,現行法制の下では,公訴の提起をするかしないかについて広範な裁量権を認められているのであって,公訴の提起が検察官の裁量権の逸脱によるものであったからといって直ちに無効となるものでないことは明らかである。たしかに,右の裁量権の行使については種々の考慮事項が刑訴法に列挙されていること (刑訴法第248条),検察官は公益の代表者として公訴権を行使すべきものとされていること (検察庁法第4条),さらに,刑訴法上の権限は公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障を全うしつつ誠実にこれを行使すべく濫用にわたってはならないものとされていること (刑訴法第1条,刑訴規則第1条第2項)などを総合して考えると,検察官の裁量権の逸脱が公訴の提起を無効ならしめる場合のありうることを否定することはできないが,それはたとえば公訴の提起自体が職務犯罪を構成するように極限的な場合に限られるものというべきである」
(最決昭和55年12月17日最高刑集34巻7号672頁)。
Ⅱ 刑事について裁判所に法の正当な適用を請求する権限(庁法第4条)
   保釈請求に対する決定に当たって意見を述べ,公判手続において事実及び法律の適用についての意見を陳述(論告・求刑) し,違法又は不当な裁判に対して上訴し,再審を請求し,非常上告をするなどの検察官の権限が, これに当たる。
   もとより,検察官は,単に原告官であるにとどまらず,公益の代表者であるから,法の正当な適用を求めることは, その義務である。検察官が,被告人の利益のためにも上訴し, あるいは,非常上告をし,場合によっては,無罪又は公訴棄却の諭告をすることがあり得るのも,この理由による。
Ⅲ 刑事について裁判の執行を監督する権限(庁法第4条)
   刑事事件における裁判が正当に執行されるように指揮監督することであって, 勾引状,勾留状等の執行を指揮し, あるいは,刑を言い渡した裁判の執行を指揮するなどの検察官の権限がこれに当たる。
lV 犯罪について捜査する権限(庁法第4,6条)
   検察官は, あらゆる犯罪について捜査する権限を有する。 これは,公訴権を独占する検察官がその権限行使の適正を期するため当然必要とされるものである。捜査権は,公訴権とは別個の重要な権限である が,究極においては,公訴権のために存在するものである。 ところで,庁法第4条,第5条,第6条の配列や,庁法第14条に「第4条及び第6条に規定する検察官の事務」 と規定されているところをみると,捜査権は第4条の検察事務とは別個の権限のようにもみえる。しかし,犯罪の捜査は,第4条にいわゆる「公訴を行う」 ことの必然的な前提であるので,犯罪捜査権は, 「公訴を行う」権限の中に当然含まれている, あるいは, 「公訴を行う」権限の必然的な前提として同条に規定されていると解される。 したがって,捜査権は第4条に根拠があり,第6条はそれを確認するとともに,第5条の事物管轄の制限を解いているものと解するのが相当である(第4節4参照) (注)。
   検察官の犯罪捜査権について,刑訴法第191条第1項は, 「検察官は,必要と認めるときは, 自ら犯罪を捜査することができる」 と規定し,捜査権限としては無定量に与えられているが,その実行は一応任意的とされている。 これに対して,刑訴法第189条第2項は,「司法警察職員は,犯罪があると思料するときは,犯人及び証拠を捜査するものとする」 と規定し,警察法第2条第1項は,「警察は ,・・・犯罪の予防,鎮圧及び捜査・・・に当ることをもってその責務とする」 と規定して,第一次捜査責任が司法警察職員にあることを示している。
   このように,現在の法制上,検察官の捜査責任は,司法警察職員のそれに比して,第二次的なものとされている。 しかし, これは,飽くまでも捜査についての責任の問題であって,権限の問題ではない。よく第一次捜査権は警察にあって,検察官は第二次捜査権しか有しない,というように言われているが,正確とはいえない。検察官の捜査権限自体が第二次的なものとされているのではない。捜査が司法警察職員によって行われることは,捜査の合目的性の見地から当然であるが,司法警察職員が行わない, あるいは行い得ない捜査を検察官が行うのも当然であり,また,捜査の法的抑制の見地から,検察官が司法警察職員の捜査を積極的,消極的に規制することが必要である。 こうした意味から,検察官の捜査権が司法警察職員のそれよりも広く認められるのである (被疑者の勾留請求,起訴前の証人尋問の請求の権限など)。こうして,検察官と司法警察職員の関係は,基本的には協力関係である (刑訴法第192条)が,検察官は司法警察職員に対して, 一 定の限度で指示及び指揮をすることができる (刑訴法第193条)とされているのである。

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検察庁の支部―高検・地検の設置根拠,裁判所支部との対応及び事務分配(AIリライト)

目次

第1 検察庁支部の設置根拠と裁判所との対応第2 平成31年3月の法務総合研究所資料第3 裁判所の回付・地域司法アクセスとの違い第1 検察庁支部の設置根拠と裁判所との対応

高検・地検の支部と区検察庁は異なる。庁の種類の比較は4種類の検察庁の違い,機関の役割と利用目的の案内は検察庁とはを参照されたい。

検察庁法2条1項・2項は高検・地検等と裁判所との対応を定め,同条4項は,法務大臣が必要と認めるときは高裁・地裁・家裁支部に対応して高検又は地検支部を設け,事務の一部を取り扱わせることができると定める。
裁判所支部が設置されたことと,検察庁支部の設置・内部の事務分配は,それぞれの根拠を確認する必要がある。高裁の6支部の担当区域・取扱事件は,高等裁判所支部を参照されたい。

下記の平成31年3月資料は,高検支部として仙台高検秋田支部,名古屋高検金沢支部,広島高検岡山支部・松江支部,福岡高検宮崎支部・那覇支部を挙げている。対応する高裁支部も,それぞれ秋田,金沢,岡山,松江,宮崎及び那覇である。裁判所の裁判権と検察官の職務を同一視してはならない。

第2 平成31年3月の法務総合研究所資料

以下は当時の資料の引用であり,引用内の地検支部数,担当区域,事務章程及び裁判例は,その資料の時点・記載範囲に留意する必要がある。個別事件の現在の担当庁・提出先は,当該検察庁の最新案内で確認されたい。

      七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)54頁ないし59頁には,「第3節 検察庁の支部」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

以下は平成31年3月の法務総合研究所文書の引用である。裁判所支部における現在の合議事件,裁判員裁判,労働審判,民事執行の取扱い及び公表開廷日割は,全国の地方裁判所支部における本庁集約と開廷頻度―合議・裁判員・労働審判・民事執行の比較(AI作成)に分けて整理している。

1 法務大臣は,必要と認めるときは,高等裁判所,地方裁判所又は家庭裁判所の支部にそれぞれ対応して,高等検察庁又は地方検察庁の支部を設けることができる (庁法第2条第4項)。 したがって,裁判所の支部がないのに,検察庁の支部だけを設けることは許されない。逆に,法務大臣が必要と認めなければ,裁判所の支部が設けられても,検察庁の支部を設けなくてもよいわけである(もっとも,現実には,裁判所の支部のある場合には,例外なく検察庁の支部が設けられている。)。
検察庁の支部は,裁判所の支部と対応関係があるから,裁判所の支部の管轄区域に応じて管轄区域が定まり,裁判所の支部に配分された裁判事務の範囲に応じて支部勤務検察官の訴訟行為上の職務範囲が定まることとなる。
   ここで注意すべきことは,裁判所の支部が当該裁判所の事務の一部を取り扱わせるため設けられるものとされる(裁判所法第22条第1項,第31条第1項,第31条の5)のと同様,検察庁の支部も「当該検察庁の事務の一部を取り扱わせる」 (庁法第2条第4項)ものであることである。
   すなわち,支部を設け,対応裁判所支部の管轄区域等に応じて,検察事務を行わせるのは,単にその検察庁の中での事務の分配にすぎないのである。 したがって,支部の検察官が対応裁判所支部に配分された裁判事務の範囲を超えて訴訟行為をしても, それが当該裁判所(支部ではなくて)の管轄権の範囲内に属することであれば,違法とはならない。例えば,東京地方検察庁立川支部勤務の検察官が,東京都区内に居住する被疑者が同区内で犯した犯罪について東京地方裁判所立川支部(管轄区域は,東京都のうち区部を除いた区域)に公訴を提起し, あるいは, 同裁判所支部に管轄権のある事件について同支部にでなく,東京地方裁判所にいきなり公訴を提起したとしても,管轄違い又は公訴棄却の言渡し(刑訴法第329条,第338条)を受けることはない(注1,2,3)。 もっとも, このような取り扱いをすることは,違法ではないというものの,事務の分配を乱すことになるのであるから,前者の場合には,東京地方検察庁(本庁)検察官に移送の上, 同検察官において公訴を提起し,後者の場合には,対応する東京地方裁判所立川支部に公訴を提起することが妥当なことはいうまでもない。
   なお,支部に取り扱わせることができる事務は, 「当該検察庁の事務の一部」 という文言からして, 当然,検察事務と検察行政事務とを含むものである。
   
2 次に,検察庁の支部を設けることは,法務大臣の権限とされており,これまで,省令で個々の支部の設置が定められている。すなわち,昭和23年法務庁令第1号「各高等裁判所支部に対応して各高等検察庁支部を設置する庁令」及び昭和22年司法省令第42号『地方検察庁支部設置規則」がそれである。 これらによれば,高等検察庁支部は,名古屋高等検察庁金沢支部,広島高等検察庁岡山支部,同松江支部,福岡高等検察庁宮崎支部, 同那覇支部及び仙台高等検察庁秋田支部の6となっており,地方検察庁支部は,東京地方検察庁立川支部をはじめとして203となっている。
   ところで,各地方検察庁支部勤務検察官の訴訟上の職務範囲は,対応する裁判所支部の権限(事務分配)に応じて定まり地方裁判所及び家庭裁判所支部設置規則上で地方裁判所の支部は, 「上訴事件及び行政事件訴訟に関する事務を除いて,地方裁判所の権限に属する事務を取り扱う」こと (同規則第1条第2項),また,家庭裁判所の支部は,「家庭裁判所の権限に属する事務を取り扱う」 こと (同規則第2条第2項)が原則であり,ただ,地方裁判所又は家庭裁判所は, 「当該地方裁判所支部(又は家庭裁判所支部)において取り扱う事務の一部を,当該地方裁判所(当該家庭裁判所)において取り扱い又は当該地方裁判所(当該家庭裁判所)の他の支部で取り扱うことができる。」 (同規則第3条第1,2項)とされる。すなわち,裁判所支部に対する事務の分配は各地家裁の権限に委譲されている。その結果,各地家裁支部は,合議事件及び少年に関する事件を取り扱うのを原則とし,ただ,合議事件又は少年に関する事件を取り扱わない支部を定めるには,各地家裁の裁判官会議において,各庁の個別事情(合議事件の処理についての支障の有無・程度,裁判官の配置状況,交通事情の変化等)を考慮して決することになっている。このようにして地方検察庁の各支部配置検察官の訴訟上の職務範囲も,対応する各地家裁の権限によって決せられることになっている。
   
3 高等裁判所支部に対する事務分配は, 当該高等裁判所の裁判官会議で定められている(下級裁判所事務処理規則第6条参照)。
   それによると,名古屋高等裁判所金沢支部は,福井,金沢,富山各地方裁判所の管轄区域を,広島高等裁判所岡山支部は,岡山地方裁判所の管轄区域を,同高等裁判所松江支部は,鳥取,松江各地方裁判所の管轄区域を,福岡高等裁判所宮崎支部は,大分地方裁判所中佐伯支部及び鹿児島,宮崎各地方裁判所の管轄区域を, 同高等裁判所那覇支部は那覇地方裁判所の管轄区域を,仙台高等裁判所秋田支部は,秋田地方裁判所,山形地方裁判所中鶴岡,酒田各支部及び青森地方裁判所中五所川原,弘前各支部の管轄区域を管轄区域としている。
   
(注1) 地方裁判所の支部と土地管轄について
   判例「論旨は,本件は宇都宮地方裁判所栃木支部で審判すべきものであったのに宇都宮地方裁判所のいわゆる本庁でこれを審判したのは不法に管納を認めたものだというのである。 しかしながら,地方裁判所の支部は,地方裁判所の事務の一部を取り扱うためその地方裁判所の管轄区域内に設けられるもので(裁判所法第31条第1項),要するにその地方裁判所の一部であるにすぎず,いわゆる本庁と別個独立な裁判所なのではない。従って, ある事件をその地方裁判所の本庁において審判するか支部において群判するかは,同一裁判所内の事務の配分の問題であるに止まり,訴訟法にいう管轄の問題とはならないのである。本件についてこれを見ると,本件
はその犯罪地も被告人らの住所居所も栃木県内であるから,起訴当時の被告人らの現在地の問題を云々するまでもなく宇都宮地方裁判所の管轄に属するものであること明らかである。 しからばこれを宇都宮地方裁判所の本庁で審判したからといってなんら不法に管轄を認めたものとはいえず,その他原審の訴訟手続に管轄に関する規定に違背した点は認められないから,論旨は理由がない。」(東京高判昭和27年4月24日高裁刑集5巻5号666頁)
(注2)前同
   判例「(前略)地方裁判所の支部は地方裁判所の事務の一部を取扱うためその地方裁判所の管轄区域内に設けられるものであることは裁判所法第31条第1項の明定するところであって,要するにその地方裁判所の一部に過ぎない。換言すれば本庁と別個独立な裁判所であるのではない。従って或事件をその地方裁判所の本庁で審判するか支部で審判するかは, 同一裁判所内の事務配分問題であり訴訟法にいう管轄問題とはならないのである。本件についてこれを見るにその犯罪地も被告人等の住居も福島県内であるから元来福島地方裁判所の管轄に属するものであること洵に明らかである。従ってこれを福島地方栽判所の本庁で審判したからといって何等不法に管轄を認めたものとはいえず,その他記録を調査するも原審の訴訟手続に管轄に関する規定に違背した点は毫も認められない。」 (仙台高判昭和29年12月22日最高裁刑事判例要旨集9巻3号182頁)
(注3)地方裁判所支部で審理判決された事件についてその審理に関与しない同支部の本庁である地方検察庁の検察官がなした控訴申立の適否について
   判例「弁護人○○○○の答弁書における検察官の本件控斫の申立は不適法であるとの主張について按ずるに,検察庁法第5条の規定によれば,検察官はいずれかの検察庁に属し,その属する検察庁の対応する裁判所の管轄区域内において,その裁判所の管轄に属する事項について, 同法第4条に規定する職務を行うものであるところ,地方検察庁の支部は同法第2条第4項により明らかなように,地方検察庁に属する事務の一部を取扱うために置かれたものであって,同法及び刑事訴訟法中にその管轄を制限した規定はないので,汎く地方検察庁に属する事件につきこれを取扱う権限を有すると同時に本庁と独立の管轄権を有するものでないこと言を俟たない。 しかも検察官は上下を通じ公益上一体の機関として設けられたものであるから.上訴権者としての検察官は必ずしも原審における当該事件に関与した者に限られないこともまた明白である。それ故地方裁判所支部において審理判決された事件については,その審理に関与した同支部に対応する地方検察庁支部に属する検察官でない他の検察官であっても,該支部の本庁である地方検察庁に属する検察官である限り, 当然にこれに対し適法に控訴の申立をなし得るものと解すべきであって,本庁の検察官が本庁の一部に過ぎない支部において審理判決された事件について,支部の検察官事務取扱としてではなく,本庁の検察官たる資格において控訴の申立をなすことに何等違法とすべき理由は存しない。これを本件についてみるに本件は熊本地方裁判所八代支部において審理判決され,従ってこれに関与しなかった熊本地方検察庁検察官○○○○が同地方検察庁八代支部の検察官事務取扱としてではなく,本庁の検察官の資格において,控訴の申立をなしたものであること所輪のとおりではあるが, 前に説示したところによりこれを違法というを得ないこと自ずから明白である。所諭は採用することはできない。」(福岡高判昭和31年3月24日高裁刑集9巻3号211頁)
第3 裁判所の回付・地域司法アクセスとの違い

同じ裁判所の本庁・支部間の回付と訴訟法上の移送は,裁判所の回付・移送の解説で扱う。検察庁の内部的事務分配に関する以下の引用の説明とは,制度の根拠・当事者・不服申立てを分けて読む必要がある。
地域に支部があることと,身近な場所で必要な手続を利用できることも別である。裁判所支部の機能拡充と地域司法アクセスを参照されたい。

地方検察庁・区検察庁・高等検察庁・最高検察庁の違い(AIリライト)

目次

第1 4種類の検察庁を比較する第2 地検と区検の違い第3 高検・最高検の役割第4 設置数・所在地・支部第5 どの検察庁に連絡するか第6 出典・従前の資料
第1 4種類の検察庁を比較する

検察庁には,最高検察庁,高等検察庁,地方検察庁及び区検察庁の4種類がある(検察庁法1条2項)。それぞれ対応する裁判所と主に扱う事件が異なる。
機関としての役割や警察・裁判所との違いは,検察庁とはを参照されたい。

種類・略称対応する裁判所公式案内で説明する主な事件最高検察庁(最高検)最高裁判所高等裁判所の刑事裁判から上告された事件など。高等検察庁(高検)高等裁判所地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所の刑事裁判から控訴された事件など。地方検察庁(地検)地方裁判所・家庭裁判所地方裁判所・家庭裁判所が管轄する刑事事件など。区検察庁(区検)簡易裁判所比較的軽い刑事事件。

この表は,検察庁の公式組織説明による大枠である。検察官の捜査権限は,対応する裁判所の事物管轄だけで制限されるものではない(検察庁法6条1項)。どの庁に所属する検察官が,どの裁判所へ起訴するかという問題は別に検討する必要がある。

第2 地検と区検の違い

地方検察庁は地方裁判所・家庭裁判所に対応し,区検察庁は簡易裁判所に対応する。地検と区検の違いは,庁舎の大小や電話窓口の違いだけではなく,対応裁判所と事件取扱いの違いである。
公式案内では,区検は比較的軽い刑事事件を扱うと説明されている。しかし,事件名だけから担当庁を決めつけることはできない。実際の連絡先は,呼出状,担当者の案内及び各庁の公式窓口で確かめる。

「区検」の区は,市町村の行政区と同じ単位を意味するものではない。検察庁法2条は,地方検察庁と区検察庁の位置・名称・管轄区域について別に定める仕組みを置いている。住所に「○○区」とあるだけで同名の区検察庁が存在すると判断しない。

地方検察庁の長は検事正である。区検察庁では,上席検察官が置かれている庁はその上席検察官が庁務を掌理し,上席検察官が置かれていない庁では,検察庁法10条3項に従って所属の検事又は副検事が庁務を掌理する。区検の長を一律に「検事正」と呼ぶのは正確ではない。

第3 高検・最高検の役割

高等検察庁は高等裁判所に,最高検察庁は最高裁判所に対応する。控訴と上告の違いを踏まえて理解すると,地検・区検との関係が分かりやすい。
高等検察庁の長は検事長,最高検察庁の長は検事総長である。検事総長・検事長・検事正は,それぞれの庁務を掌理し,検察庁法7条~9条に定める範囲で職員を指揮監督する。

4種類の検察庁は上下の指揮監督関係を持つが,一つの事件が必ず区検,地検,高検,最高検の順に移るわけではない。第一審の裁判所,控訴・上告の有無,事件の処理によって経路が異なる。

第4 設置数・所在地・支部

令和8年10月11日に確認した検察庁公式サイトでは,次の数が掲載されている。

種類本庁等の数支部の数最高検察庁1庁―高等検察庁8庁6庁地方検察庁50庁203庁区検察庁438庁―

高等検察庁は東京・大阪・名古屋・広島・福岡・仙台・札幌・高松にある。地方検察庁は各都道府県庁所在地に加え,北海道の函館・旭川・釧路にもある。
支部は,高等検察庁又は地方検察庁の内部に設けられるものであり,第5の種類の検察庁ではない。検察庁の支部では,設置根拠,裁判所支部との対応及び事務分配を説明している。

所在地・名称・管轄区域や連絡先は変更されることがあるため,公式の各検察庁案内から目的の庁のページを確認する。掲載数は公式ページの確認時点の値であり,将来も同じ数であることを保証するものではない。

第5 どの検察庁に連絡するか

呼出しを受けた場合は,書面又は連絡で示された庁名・部署・担当者を確認する。処分結果や事件記録の照会は,自分の立場,事件の処理状況及び記録の保管先によって確認先が異なる。
初めて問い合わせる場合は,事件番号が分かれば用意し,分からなければ事件の発生時期,取扱警察署,照会する本人の立場などを整理する。担当庁が分からない場合は,公式窓口で確認方法を尋ねる。

公訴の土地管轄と,捜査の権限,庁内での事件の引取り・移転等は別の問題である。検察権と管轄に詳しい区別をまとめている。
記録の閲覧・謄写を希望する場合は,刑事記録の入手方法で,事件の段階と必要な制度を確認されたい。

第6 出典・従前の資料

検察庁法1条~3条,6条~10条。
検察庁「検察庁の組織」,各検察庁へのリンク。
法務省「検察庁事務章程」(最終改正:令和8年4月8日)。

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検察庁とは―役割・組織・警察や裁判所との違い(AIリライト)

目次

第1 検察庁とは第2 警察・検察庁・裁判所の違い第3 4種類の検察庁と支部第4 刑事事件で検察庁が関わる流れ第5 用事や目的に応じた確認先1 呼出し・来庁の連絡を受けた2 起訴・不起訴などの結果を知りたい3 刑事記録を閲覧・謄写したい4 所在地・電話番号・管轄を調べたい第6 検察庁で働く人と人事情報第7 検察官の職務と組織の統括第8 よくある質問1 検察庁は何をする所ですか?2 検察庁と警察の違いは何ですか?3 検察庁から呼び出されたらどうなる?4 警察と検察はどちらが上ですか?第9 出典・参考資料
第1 検察庁とは

検察庁は,検察官が行う事務を統括する機関である。検察庁法1条は,検察庁を最高検察庁,高等検察庁,地方検察庁及び区検察庁の4種類と定めている。
刑事事件について捜査し,起訴・不起訴を判断し,起訴した事件の公判に関わり,裁判の執行を指揮監督することが,検察官の主な仕事である。検察官の権限は検察庁法4条・6条などに定められている。

「検察庁」は機関の名称,「検察官」はそこで職務を行う者の名称である。検察庁には検察事務官なども勤務する。機関の種類,職員の職種,個々の事件を担当する部・課は,それぞれ別の分類である。

本記事は,日本の検察庁の役割と組織を説明し,呼出し,処分結果,刑事記録,採用及び人事を調べるための入口をまとめたものである。制度と公式案内は令和8年10月11日に確認した。

第2 警察・検察庁・裁判所の違い
機関刑事事件での主な役割混同しやすい点警察第一次的な捜査,証拠収集,取調べなどを行う。警察で取調べを受けたことと,裁判にかけられることは同じではない。検察庁検察官が捜査し,起訴・不起訴を判断する。起訴後は公判で立証し,裁判の執行も指揮監督する。検察庁は刑事裁判で有罪・無罪を判決する機関ではない。裁判所起訴された事件を審理して判決する。逮捕状・勾留等の司法判断も行う。検察官による起訴と,裁判所による有罪判決は別の判断である。

警察と検察庁はいずれも捜査に関わる。検察官は,警察から送致された事件について自ら取調べを行い,必要な補充捜査を行うほか,独自に捜査することもある。公訴は検察官が行うのが原則である(刑事訴訟法247条)。
検察庁の「警察との違い」も,第一次的捜査と起訴・不起訴の判断,公判での立証を分けて説明している。

「検察事務官と裁判所事務官」の比較は職種の比較であり,機関の役割の比較とは別である。仕事内容や採用試験を知りたい場合は,検察事務官と裁判所事務官の違いを参照されたい。

第3 4種類の検察庁と支部

最高検察庁は最高裁判所,高等検察庁は高等裁判所,地方検察庁は地方裁判所・家庭裁判所,区検察庁は簡易裁判所に対応して置かれている。高等検察庁と地方検察庁には支部もある。
4種類の検察庁は,扱う事件や対応する裁判所などが異なる。詳しい比較は地方検察庁・区検察庁・高等検察庁・最高検察庁の違い,支部の設置根拠と裁判所支部との関係は検察庁の支部にまとめている。

最高検→高検→地検→区検という上下関係があるからといって,個々の事件が必ず全種類の検察庁を順番に通るわけではない。捜査,公訴及び庁内の事務取扱の区別は,検察権と管轄を参照されたい。

第4 刑事事件で検察庁が関わる流れ

一般的な成人の刑事事件では,警察などによる捜査と送致,検察官による捜査・処分,起訴された場合の裁判という流れをたどる。ただし,検察官が独自に捜査する事件,少年事件,逮捕・勾留を伴う事件などでは,手続の経路や期間が異なる。

場面検察庁で確認・処理すること捜査・送致後供述や客観的な証拠を検討し,必要な取調べ・補充捜査などを行う。処分証拠や事件の事情を検討し,起訴・不起訴などの処分をする。少年事件では家庭裁判所への送致等が問題になる。公判検察官が裁判所に証拠を提出するなどして立証活動を行う。裁判の執行確定した刑などの執行に関わる。記録の保管・管理も検察庁の事務に含まれる。

検察庁への送致や呼出しだけで,起訴・不起訴又は有罪・無罪が決まるわけではない。在宅で捜査が進む場合もあり,「逮捕されていないから事件が終わった」ともいえない。
交通事故の送致後の取調べと証拠の確認は,交通事故で検察庁から呼び出されたらを参照されたい。

第5 用事や目的に応じた確認先
1 呼出し・来庁の連絡を受けた

連絡してきた庁と担当者,自分がどの立場で呼ばれているか,指定日時・場所・持参物を確認する。一般の来庁準備,日程調整及び立場ごとの注意点は,検察庁から呼び出されたらにまとめている。日程に都合がつかない場合は,担当者へ事前に連絡する。取調べの権利や供述調書の確認方法は,警察及び検察の取調べで説明している。

電話の相手を検察庁職員だと思っても,捜査等の名目で送金や預金口座の変更を求められた場合は応じない。検察庁は,職員が電話等でそのような依頼をすることはないと注意喚起している。不審な連絡は,公式に掲載された連絡先を自分で確認して照会する。

2 起訴・不起訴などの結果を知りたい

被疑者,告訴人・告発人,被害者・参考人では,処分の告知・通知を受ける根拠や手続が異なる。被疑者の不起訴告知は取調べ記事の第10,被害者等通知制度と告訴人等への通知は被害者の権利を参照されたい。
結果の確認と事件記録の閲覧・謄写は,別の手続である。

3 刑事記録を閲覧・謄写したい

捜査中,公判中,不起訴,判決確定後では,対象文書,確認先及び利用できる制度が異なる。刑事記録の入手方法で,自分の立場と事件の段階を確認する。

4 所在地・電話番号・管轄を調べたい

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検察権行使の機関(検察官の独任制官庁と検察官同一体の原則)

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)27頁ないし35頁には,「第3節 検察権行使の機関(検察官の独任制官庁と検察官同一体の原則)」として以下の記載があります(文中の「庁法」は検察庁法のことであり,「章程」は検察庁事務章程のことです。)。

1 検察権は,前節で述べたように, 司法権の独立に準じて,他の力に左右されることなく,公正に行使されなければならない。また,検察権は,その内容,すなわち,捜査,公訴の提起,遂行等の個々の行為が,国家刑罰権の実現という目的を持ち,最初の行為から次の行為へと発展していく段階的な発展的過程を形成するものであるから,迅速・的確に行使されなければならない。
   したがって,検察権行使の権限は,検察事務を遂行するために必要な範囲の, それを委ねるにふさわしい資格のある者に与えられ,かつ,その者が独立して行使する必要がある(例えば,法廷での訴訟行為が,上司の了解がない限り有効に行使できないものとしたら,公訴の遂行は事実上不可能である。)。そのため,検察権は,個々の検察官に属し,検察事務については,個々の検察官が自ら国家意思を決定表示する権限を有するとされる。庁法第4条は, 「検察官は, ・・・事務を行う。」,庁法第6条は「検察官は,・・・捜査することができる。」と主語を「検察官」として規定し,検察権を行使する主体が検察官であることを示している。これは,個々の検察官がこれら各条に定める事務を取り扱う独立の官庁であるとし,検察官が独任制官庁であることを明らかにするものである(注1)。
   検察官は,後に見るように,検察官同一体の原則によって,その上司の指揮監督に服するのではあるが,飽くまで一人一人が独立の官庁として検察事務に関する権限を行使するのであるから,仮に上司の決裁を受けないで捜査を開始したり,上司が不起訴処分に付するように指揮したのに, これを起訴したりしても, その捜査や起訴が違法,無効となることはない(ただし,上司の指揮監督に反した場合,それが国家公務員法上の懲戒処分の理由(同法第82条)になり得ることは別論である。 )。また,起訴状等に決裁印,庁印がなくても,起訴等の効力は左右されない。
   しかし, その反面,上司の指揮により, 自己の信ずるところと異なる処理をしたとしても,上司の命令によったものであるといって責任を回避することは許されないのである。すなわち,前記のとおり,検察権は他の力に左右されることなく公正に行使されなくてはならないのであるから,その行使機関である検察官は,裁判官における憲法第76条第3項のような明文の規定はないけれども,その良心と,法令に従って事務を処理すべきであり(検察官の独立), 自己の良心を曲げて事務を処理したとするならば,職務に関する責任の意織に欠けているとの非難を甘受しなくてはならない。

2 一般の行政組織は,内閣を最上級官庁とし,その権限を受けて各省大臣という上級官庁があり,その権限を受けて外周, 内部部局,施設等機関,地方支分部局,現業行政機関等の下級級官庁が存在する(国家行政組織法第2条第1項,第3条第2・3項,第5条第1項,第7条,第8条の2,第9条,第20条等参照)。すなわち,一般行政機関においては,内閣,各省大臣を頂点とし, その一人の長が権限の全てを持ち,その権限を例えば,局長,課長,係長というように,次々と分掌していく形をとっているので, あたかもその組織は上下に階層をなす統一的なピラミッド型を構成している。 したがって,一般の行政組織は,本来,権限の主体が一個であるところの単体であり,権限や主体が複数の検察官であるところの検察の組織とは本質的に異なる。

3 しかし,検察権も行政権の一部であるから,検察権の行使についても国の正しい行政意思が統一的に反映される必要があるとともに,検察権の行使が全国的に均斉になされることは, ことが国民の基本的権利義務に関する事柄であるだけに,極めて重要であるといわなければならない。このような要請を満たす上に,最も適切な方策の一つとして認められているのが,検察官同一体の原則である。
   この同一体の原則の法律的根拠としては, (1)庁法第7条第1項中の検事総長による「すべての検察庁の職員」に対する指揮監督権, (2)第8条中の検事長による「その庁並びにその庁の対応する裁判所の管轄区域内に在る地方検察庁及び区検察庁の職員に対する指揮監督権, (3)第9条第2項中の検事正による「その庁及びその庁の対応する裁判所の管轄区域内に在る区検察庁の職員」に対する指揮監督権, (4)第10条第2項中の上席検察官,指定副検事又は一人の検事若しくは副検事こよる「その庁の職員」に対する指挿監督権, (5)第12条の検事総長,検事長又は検事正が「その指揮監督する検察官の事務を, 自ら取り扱い又はその指揮監督する他の検察官に取り扱わせることができる」権限(事務引取移転権,なお「指揮監督する検察官の事務を自ら取り扱う」 ことを事務引取権,「指揮監督する他の検察官に取り扱わせる」ことを事務移転権という。)に関する各規定を挙げることができる。
   これらの規定から明らかなように,検察官同一体の原則は,それぞれ独立の官庁である全国の検察官が,検事総長を頂点とし,検事総長,検事長及び検事正の指揮監督権(注2,3)によって結合されたビ‘ラミッド型の機能上の機構を形成していること,及び独立の官庁である一人の検察官の事務を検事総長,検事長及び検事正の有する事務引取移転権を媒介として,別個の官庁である他の検察官が取り扱うことができ,しかも,一つの官庁が事務を処理したのと同様の法律効果が与えられることをその内容としている(注4,5,6)。

4 このように,検察官は,検察権行使について上司の指揮監督を受ける地位に置かれているが, これは,個々の検察官が検察権行使の意思決定機関であるという原則を否定するものではない。上司の指揮監督下にあっても,個々の検察権行使の権限と責任は,一人一人の検察官にあることはいうまでもない。
   同じように,検察官の独立性(注7) も上司の指揮監督権を否定するものではない。 この両者は, ともに検察権の本質そのものから導き出されるところのものであり,相互に対立するものではなく,上司の指揮監督権も検察官の独立性と調和するものでなければならない。
   例えば,捜査中の事件の起訴・不起訴についてや第一審事件の判決に対する控訴の要否について,主任検察官の意見と上司の見解とが異なる場合,主任検察官は良心を捨てても上司の指揮に従わねばならないか,飽くまでも良心に従って上司の指揮に服従しないことができるかという問題がある。 もとより,上司の指揮が法令に違背するものであれば, その指揮に従わなくてもよいことは当然であるが,その場合も, それ以外の場合にも,主任検察官は, 自己の信ずるところとそのよって来たるゆえんについて,十分上司に意見を述べ,上司もまた,主任検察官の意見を否とする理由を虚心に説明し,相互の意見調整を図ることによって解決されるべきものである。なぜなら, 主任検察官も上司も,検察権の行使が適正であることを期しているのであるから,意見調整をなし得ないことはないはずだからである。仮に,意見調整をなし得なかったとすれば, それは,上司・主任検察官のいずれか,あるいは両者ともその資格に欠けているものといわねばならないのである(注8)。
   このようにして,検察官は,庁法第4条及び第6条に規定する事務については,上司の指揮監督の下に,独任制官庁として,その固有の権限に基づいてその職務を行うものである。

5 検察官が職務を遂行するための補助機関として,検察庁には検察事務官・検察技官が置かれ(庁法第27,28条),検察官は,検察庁の組織機構に従ってその検察官の分担する事務を補佐・補助する職員を指揮監督する (章程第8条)のである。

(注1)ここにいう官庁とは,行政法用語を正しく使えば「行政官庁」のことで「国家のために意思決定をし,かつ, これを外部に表示し得る国家機関」のことをいい,例えば,国士交通大臣,税務署長といった行政処分の権限を持つ,対外的責任者だけを意味する。国土交通省,税務署といった,行政官庁なども包含する人的・物的設俄の全体(官署) とは区別される。
(注2) 指揮監督権の意義
   一般に指揮監督権については, 「上級機関が下級機関の権限の行使を指揮し,その適法性と合目的性を保陣するためにする作用を監督の権限という。行政機関は, 内閣を最高とし, その下に,上級機関が下級機関の権限の行使を監督することによって,行政の統一を期していると定義されている。また,指揮監督の方法,手段としては,(1)監視権(上級機関が下級機関の権限行使の状況を知るために,報告を徴したり,書類帳簿等を査閲したり, 自ら又は職員を派遺して実地に事務を視察したりする様限),(2)許認可権(一定の事項について下級機関は上級機関の許可又は認可を受けるべきものとする場合の権限),(3)訓令権(訓令とは,上級機関が下級機関の権限行使を指揮するために発する命令をいい,その訓令を発する権限。狭義において指揮権ともいう。訓令は具体的事項について発せられる場合もあり,抽象的,一般的事項について発せられる場合もある。), (4)取消,停止権(下級機関の違法又は不当な行為を取消し,又は停止する権限),(5)代執行権(上級機関が監督権の内容として,下級機関の権限に属する事務を自ら代わって行うことをいう), (6)罷免権(上級機関の命令に服さない下級機関は,職務上の義務違反を理由として罷免される。), (7)権限争議の裁定権(上級機関は,本来,下級機関の所掌事務の総体をその所掌事務とするのであるから,権限争議についての裁定権は,本来その上級機関の権限に属する。)があるとされている。
   しかし,検察事務は,独立官庁たる個々の検察官固有の権限に基づくものであって,検察行政事務のように,庁の長の権限に由来し, その委任を受けもしくはその補助として行うものではないから,検察事務に側する限り,上記の指揮監督権を,そのまま肯定することはできない。
   すなわち,検察事務においては,個々の検察官が主体であって,上司の指揮監督権は部下の事務の統括を内容とするもので補助的なものだとされる。
(注3) 検察事務に関する上司の指揮監督の方法,手段
   その指揮監督の方法,手段として,次のようなものを挙げることができる。
(ア)監視権(進行管理権)
   部下の権限行使や職務遂行状況を観察し,必要があればその状況を報告せしめ,適宜これを点検するなどの方法により,職務進行過程を統制する権限である。事件の捜査もしくは公判の過程において, 中問報告を求めたり記録を検討したり,また,未済事件の状況を調べたりするのは,この権限の発動である。
(イ)審査権

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任期満了により衆議院議員が失職した場合における,参議院の緊急集会の開催の可否

目次
1 総論
2 政府答弁
3 最高裁大法廷判決における反対意見
4 明治憲法下における任期満了総選挙
5 関連記事その他

1 総論
(1) 憲法54条2項は,「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。」と定めています。
(2) 任期満了により衆議院議員が失職したことを受けて昭和51年12月5日,第34回衆議院議員総選挙が実施されたものの,日本国憲法下では,それ以外に任期満了により衆議院議員が失職した事例はありません。

2 政府答弁
(1) 横畠裕介内閣法制局長官は,平成30年2月6日の衆議院予算委員会において以下の答弁をしています。
   参議院の緊急集会についてでございますけれども、憲法第五十四条第二項は、「衆議院が解散されたときは、」と冒頭に規定しております関係で、任期満了により衆議院議員がいなくなったという場合にこの緊急集会が開けるのかという論点が確かにございます。
   この点につきましては、昭和五十一年に、必ずしも大災害という前提ではございませんけれども、内閣法制局において検討したことがございます。
   そのときは、1参議院の緊急集会の制度は、極めて特殊な場合の変則的、異例の措置であって、解散という予期しない事態の場合に限って、特に明文の規定をもって認めたものであり、それ自体としても抑制的に運用されるべきものであるため、消極的に解すべきであるという見解、2解散による選挙と任期満了による選挙の間に根本的な差異があるとは考えられず、解散の場合の条件よりも厳格に考えるべきであるが、真に国政上の緊急の必要があるときは、憲法第五十四条第二項の類推適用が許されるという見解の両論がありましたが、結論を得るに至っておりません。
   いずれにせよ、この問題につきましては、憲法上の国会の権能に関する重要な事柄でございますので、国会で御議論をいただくのが適当であると考えます。
(2) 参議院議員蓮舫君提出災害対策としての選挙制度の在り方等に関する質問に対する答弁書(平成28年3月18日付)には以下の記載があります。
   御指摘の「過去の検討状況及び過去の答弁等」を網羅的にお答えすることは困難であるが、旧憲法調査会法(昭和三十一年法律第百四十号)第一条の規定により内閣に置かれた憲法調査会の昭和三十四年七月二十二日及び九月二十三日に開催された第二委員会において、衆議院議員の任期満了による総選挙は、原則的には任期満了以前に行われるが、常会の会期が衆議院議員の任期満了によって終了するような場合には、総選挙は任期満了後に行われることになり、このあとの場合に何らかの緊急事態が発生したときには、衆議院解散の場合と同じく、緊急集会的制度が必要なのではないかという指摘がされたことがあると承知している。
   また、衆議院議員の任期満了による総選挙が行われた昭和五十一年には、内閣法制局において検討したことがあるが、結論を得るに至っていないものと承知している。

3 最高裁大法廷判決における反対意見
(1) 最高裁大法廷平成30年12月19日判決における山本庸幸裁判官(元 内閣法制局長官)の反対意見には以下の記載があります。
① 私は,現在の国政選挙の選挙制度において法の下の平等を貫くためには,一票の価値の較差など生じさせることなく,どの選挙区においても投票の価値を比較すれば1.0となるのが原則であると考える。その意味において,これは国政選挙における唯一かつ絶対的な基準といって差し支えない。ただし,人口の急激な移動や技術的理由などの区割りの都合によっては1~2割程度の一票の価値の較差が生ずるのはやむを得ないと考えるが,それでもその場合に許容されるのは,せいぜい2割程度の較差にとどまるべきであり,これ以上の一票の価値の較差が生ずるような選挙制度は法の下の平等の規定に反し,違憲かつ無効であると考える。
② 仮にこれらの議員(山中注:一票の価値が0.8以上の選挙区から選出された議員及び訴訟の対象とされなかった選挙区がある場合にあってはその選挙区から選出された議員)によっては院の構成ができないときは,衆議院が解散されたとき(憲法54条)に準じて,内閣が求めて参議院の緊急集会を開催し,同緊急集会においてその新しい選挙区の区割り等を定める法律を定め,これに基づいて次の衆議院議員選挙を行うべきものと解される。
(2) 選挙無効の判決により多数の衆議院議員が失職した結果,衆議院の構成ができなくなるという事態を憲法が想定しているとは思えませんから,このような事態が生じた場合,任期満了により衆議院議員が失職した場合以上に参議院の緊急集会を開催できる法的根拠はない気がします。

4 明治憲法下における任期満了総選挙
(1) 明治憲法下における衆議院議員総選挙は23回ありましたところ,そのうち,任期満了によるものは4回であり,以下の日付で実施されました(Wikipediaの衆議院議員総選挙参照)。
1902年8月10日(第7回),1908年5月15日(第10回),1912年5月15日(第11回),1942年4月30日(第21回)

(続きを読む...)任期満了により衆議院議員が失職した場合における,参議院の緊急集会の開催の可否

検察事務官とは―仕事内容,検察官との違い,権限・採用・給料(AIリライト)

目次

第1 検察事務官の地位と三つの仕事領域1 検察庁法上の地位2 捜査公判部門,検務部門及び事務局部門3 デジタルフォレンジック,被害者支援及び社会復帰支援4 検察官との違いと採用・給与のよくある質問第2 通常の検察事務官が行う捜査1 検察官の指揮と取調べ2 通常逮捕と緊急逮捕3 捜索・差押え,電磁的記録及び鑑定4 検視第3 通常の検察事務官の権限の限界1 公訴提起,勾留請求及び通常逮捕状の請求2 告訴・告発の法定受理と庁内の受付3 庁外で職務を行う場合の証票第4 検察官事務取扱検察事務官1 現行の検察庁法附則2条2 検察官としての権限と行為資格3 制度に対する日弁連の意見第5 採用,勤務条件,研修及びキャリア1 採用と勤務条件2 研修とキャリア3 検察事務官向け研修教材等の資料4 初任給と公安職への移行5 裁判所事務官との違い第6 出典・参考資料1 法令及び公的資料2 裁判例3 実務書
第1 検察事務官の地位と三つの仕事領域

検察事務官は,検察庁で捜査・公判,事件処理及び組織運営を支える職員である。
仕事は捜査公判部門,検務部門及び事務局部門に分かれ,検察官とともに取調べや公判の事務を行う職員も,証拠品・記録の管理や人事・会計を担当する職員もいる。
検察官の職名とは異なり,通常の検察事務官と検察官事務取扱検察事務官の権限も区別する必要がある。

検察官側の仕事内容,検事・副検事の区分と任命資格は,検察官とはを参照されたい。
検察事務官としての採用と,検事・副検事への任命は,それぞれ別の手続である。

「検察庁」は機関,「検察官」「検察事務官」はそこで働く職員の職種である。
庁の役割・4種類の検察庁と警察・裁判所との関係を先に確認したい場合は,検察庁とはを参照されたい。

採用を検討する場合は,検察事務官になるには,給料・年収の見方及び裁判所事務官との違いを参照されたい。
本記事では,仕事内容と権限の全体像に加え,法令上の限界,採用・研修及び関連資料を説明する。

知りたい事項から本文を読む場合,取調べの権限は第2の1,逮捕と逮捕状の請求の違いは第2の2,起訴や勾留請求の限界は第3の1を参照されたい。
検察官の事務の取扱いを命じられた職員については,第4で通常の検察事務官と分けて説明している。

1 検察庁法上の地位

検察庁法27条は,検察庁に検察事務官を置き,検察事務官が上官の命を受けて検察庁の事務をつかさどるほか,検察官を補佐し,又はその指揮を受けて捜査を行うと定めている。検察事務官は,総務や会計だけを担当する職員ではなく,取調べ,逮捕,捜索・差押え等を法令に基づいて行うことがある国家公務員である。

もっとも,通常の検察事務官は検察官とは別の官職であり,検察官だけに認められた公訴提起や勾留請求を当然に行えるわけではない。本記事では,検察事務官の権限を,①個別の刑事訴訟法の条文から直接認められるもの,②検察官の指揮又は命令を要するもの,③検察官だけに認められるもの,④検察官事務取扱の発令によって検察官として行使するもの,という四つに分けて説明する。

2 捜査公判部門,検務部門及び事務局部門

検察庁の職務紹介によれば,主な仕事は次のように分けられる。
各庁の部署名や個々の職員の分担は同一とは限らない。

部門主な仕事捜査公判部門取調べへの同席,供述調書等の作成,公判準備,関係機関との連絡・調整検務部門事件の受理・処理,令状関係事務,証拠品・記録・犯歴の管理,刑の執行,罰金等の徴収事務局部門総務,人事・給与,福利厚生,会計,物品調達及び庁舎管理等

立会事務官とは,検察官とともに捜査又は公判の業務を担当する検察事務官である。
捜査公判部門の紹介では,捜査担当は取調べへの同席や供述調書の作成等を行い,公判担当は事件記録や証拠品の精査,立証方針の検討,裁判所・弁護人・被害者等との連絡・調整等を行うと説明されている。
立会事務官は独立した採用試験の名称ではなく,職務の分担を示す名称である。

庁の規模によって部課の名称や事務分担は異なる。
三部門は職務を理解するための大分類であり,全ての検察庁に同名の独立部門が置かれているという意味ではない。

3 デジタルフォレンジック,被害者支援及び社会復帰支援

現在の職務は,従来型の書類作成や検務事務だけではない。厚生労働省の職業情報提供サイトは,押収したパソコン等やネットワーク上のデータを適正な手続で保全・解析するデジタルフォレンジック,被害者の相談対応や法廷への付添い,証拠品返還等の手続支援,福祉機関等と連携した社会復帰支援を,検察事務官の職務として挙げている。

被害者支援又は社会復帰支援は,捜査・公判と無関係な付随業務ではなく,刑事手続の過程で生じる被害者の負担を軽減し,再犯防止に必要な福祉的支援へつなぐ仕事である。ただし,社会福祉士等の専門職員が関与する場合もあり,すべてを検察事務官だけで行うものではない。

検察事務官の仕事を動画で紹介しています(YouTube法務省チャンネル)https://t.co/rGUjfizAmQ

— 最高検察庁 (@PPO_SAIKOUKEN) March 14, 2023

4 検察官との違いと採用・給与のよくある質問

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検察権の独立(行政権,立法権との関係)

目次

第1 検察権の独立とは第2 法務大臣の指揮権と裁判官の独立との違い第3 国政調査権と捜査上の秘密第4 平成31年3月の『七訂版 検察庁法』の転載1 検察権と司法権の関係2 責任政治の原則との調和3 法務大臣の指揮監督権の制限4 指揮権発動と請訓5 国政調査権の対象と限界6 職務上の秘密と証言・書類提出7 造船疑獄と内閣声明第5 関連する法令及び政府答弁書
第1 検察権の独立とは

検察権の独立とは,捜査や起訴・不起訴などの検察権の行使が,法と証拠に基づき,政治的な圧力等の不当な影響を受けずに適正かつ公平に行われるべきことをいう。
検察が内閣や国会に対して一切の責任を負わず,外部からの統制をすべて免れるという意味ではない。

検察権は行政権の一作用である一方,刑事裁判の前提となる捜査及び公訴に関わるため,その公正が裁判の公正にも影響する。
このため,行政機関としての責任と,個別事件の適正な処理を両立させる仕組みが必要となる。
昭和40年3月30日の政府答弁書も,検察権が行政権の一部であり,司法権と特殊緊密な関係を持つとの見解を示している。

第2 法務大臣の指揮権と裁判官の独立との違い

検察庁法14条は,法務大臣が検察官を一般に指揮監督できるとしつつ,個々の事件の取調べ又は処分では,指揮の相手方を検事総長だけに限定している。
したがって,検察権の独立は法務大臣の監督権と両立するものであり,担当検察官に対する直接の個別指揮を防ぐ仕組みが置かれている。
法務大臣の指揮権に関する記事では,一般的指揮と個別事件の指揮を区別して説明している。

日本国憲法76条3項の裁判官の独立と,検察官の職務の独立性は同じ制度ではない。
検察官は検察庁法7条以下の組織内の指揮監督に服する。
その組織上の仕組みは,検察官同一体の原則を参照されたい。

第3 国政調査権と捜査上の秘密

検察事務も国政調査の対象となるが,国政調査権の趣旨,三権分立,検察権の適正公平な行使及び捜査上の秘密から,一定の限界があるというのが,昭和40年3月30日の政府答弁書の見解である。
「検察は独立しているから国会は何も調べられない」とする説明も,「国政調査だから捜査上の秘密をすべて公開させられる」とする説明も,同答弁書の内容を正確に表していない。

議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律1条は,法律に別段の定めがある場合を除き,証人としての出頭・証言等の要求に応じる義務を定めている。
同法5条は,公務員の職務上の秘密に関する証言又は書類提出について,公務所等の承認,承認拒否理由の疏明及び内閣の声明の手続を設けている。
同条が検察官に一般的な出頭拒否権を認めているわけではなく,出頭,証言及び書類提出を分けて検討する必要がある。

第4 平成31年3月の『七訂版 検察庁法』の転載

以下は,平成31年3月の資料から本記事が従来転載している説明である。
資料が示す解説上の見解と,法律の明文及び政府答弁書の内容は区別して読む必要がある。
特に,以下の「出頭をも拒むことができると考える」という記載は,資料中の見解であって,検察官に一般的な出頭拒否権を与える条文の引用ではない。
また,転載部分の「自民党幹事長佐藤栄作氏」は,当時の党名としては自由党と読む必要がある。
昭和29年4月23日の参議院決議は,「自由党幹事長である国会議員」と記載している。

   七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)20頁ないし27頁には,「第2節 検察権の独立(行政権,立法権との関係)」として以下の記載があります(別の場所の脚注に言及している部分は削りました。)。

1 検察権と司法権の関係
1 検察権は,国家刑罰権の実現等の国家目的を追求して行使されるもので, その本質は行政権の一作用であり, 司法権と明白に区別される。しかし,検察権の行使は,公益の代表者として個々の事件について法の正当な適用実現を目的とするものであって, 司法権と密接な関係を持ち, 司法作用に重大な影馨を及ぼすものである。

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法務省作成の検事期別名簿―年別PDF・テキスト版と名簿の見方(AI作成)

目次第1 検事期別名簿の年別資料第2 テキスト版と名簿の読み方1 令和8年版・令和7年版のテキスト記事2 法務省の開示部分とブログによる追記3 氏名・所属・在職状況を調べるとき第3 修習期・生年月日の開示範囲と幹部名簿1 修習期の不開示と生年月日の開示は別の判断であること2 幹部の氏名・官職を調べるための関連記事第4 副検事名簿,選考,人事評価及び派遣資料1 副検事の氏名・勤務庁を調べる場合2 検察官調査表の評価項目を調べる場合3 法科大学院への派遣を調べる場合第5 検察総合情報管理システムと運営報告の参考資料第6 捜査関係事項照会の参考資料第7 人事異動・給与・人事管理の掲載資料1 4月1日付の人事異動2 給与・手当及び人事管理第8 出典と関連記事

検察官の名前を検索する場合は,まず必要な基準日の資料を選び,PDF又はテキスト版で氏名を検索する。令和8年4月20日現在のテキスト版ではページ内検索が利用できる。幹部の氏名・ポストを調べる場合は,令和8年10月1日現在の法務・検察幹部名簿も参照されたい。名簿の基準日と閲覧日は異なるため,掲載された勤務庁を現在の所属と決めつけないことが必要である。

法務省作成の検事期別名簿を,基準日の新しい順に掲載する資料案内である。掲載対象は平成27年1月23日から令和8年4月20日までの18資料であり,令和8年版及び令和7年版には検索用のテキスト記事もある。

名簿は記載された基準日時点の資料である。ブログの公開日・更新日と名簿の基準日を区別し,その後の人事異動や在職状況は別に確認する必要がある。

第1 検事期別名簿の年別資料
名簿の基準日資料へのリンク令和8年4月20日現在掲載資料令和7年4月17日現在掲載資料令和6年4月15日現在掲載資料令和5年4月10日現在掲載資料令和5年1月10日現在掲載資料令和4年4月11日現在掲載資料令和3年4月9日現在掲載資料令和2年7月17日現在掲載資料令和2年1月9日現在掲載資料平成31年4月17日現在掲載資料平成30年7月25日現在掲載資料平成30年4月11日現在掲載資料平成30年1月22日現在掲載資料平成29年9月11日現在掲載資料平成29年4月17日現在掲載資料平成28年9月5日現在掲載資料平成27年4月15日現在掲載資料平成27年1月23日現在掲載資料

平成29年9月11日版は,リンク先URLの文字列に別の日付が含まれるが,掲載PDF冒頭の「H29.9.11現在」の表記に従って表示している。

第2 テキスト版と名簿の読み方
1 令和8年版・令和7年版のテキスト記事

- 検事期別名簿(令和8年4月20日現在)のテキスト版
- 検事期別名簿(令和7年4月17日現在)のテキスト版

テキスト版は氏名・所属等を検索する入口として利用できる。AIによる転記又は編集を含む記事は,氏名,官職,数字及び行の対応を原本画像と照合して利用する必要がある。

2 法務省の開示部分とブログによる追記

リンク先ファイル名に「山中弁護士が右側に修習期を記載したもの」等とある資料には,ブログ作成者による追記が含まれる。法務省が開示した部分と,修習期等の手書き追記を区別して読む必要がある。

追記された修習期を,法務省が当該開示決定で開示した情報として引用すべきではない。出典を示す際は,文書名,基準日,該当頁及び追記の有無を併記すると区別しやすい。

3 氏名・所属・在職状況を調べるとき

氏名を確認した後,官職や所属の欄を原本画像で照合する。複数年度を比較する場合には,改姓,同姓同名,併任及び組織名称の変更を考慮し,一つの名簿から現在の所属や個人の評価を推定しない。

第3 修習期・生年月日の開示範囲と幹部名簿
1 修習期の不開示と生年月日の開示は別の判断であること

平成28年度(行情)答申第365号は,平成27年の幹部名簿及び検事期別名簿のうち争われた部分について,修習期の不開示を妥当とし,本府省課長相当職以上の検察官の生年月日と,備考欄の裁判所からの出向情報は開示すべきであると判断した。

対象文書,争われた欄及び判断理由は,検事の修習期・生年月日はどこまで開示されるか―検事期別名簿と幹部略歴の公表(AI作成)で説明している。過去の答申の結論を,現在の全ての名簿・項目の開示結果として扱うことはできない。

2 幹部の氏名・官職を調べるための関連記事

- 法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)
- 法務省が政官要覧社に提供した幹部公務員名簿
- 法務省幹部一覧(令和8年8月12日現在)のテキスト版

生年月日を含む略歴の公表に関する資料には,平成19年6月15日付の幹部略歴公表通知がある。通知当時の公表対象職と,人事文書の決裁者を定めた別の規則の対象職は,それぞれの原資料で確認する必要がある。

第4 副検事名簿,選考,人事評価及び派遣資料
1 副検事の氏名・勤務庁を調べる場合

法務省作成の副検事名簿―年別PDF一覧と検事期別名簿との違い(AI作成)に,平成31年から令和8年までの8資料をまとめている。副検事の名簿は,検事期別名簿及び副検事の選考受験者名簿と区別して利用する資料である。

受験資格,試験科目,受験者名簿及び選考結果は,副検事の選考に関する資料で確認できる。

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国家公務員の懲戒に関する人事院規則及び人事院事務総長通達

目次
1 国家公務員の懲戒に関する人事院規則及び人事院事務総長通達
2 関連記事その他
 
1 国家公務員の懲戒に関する人事院規則及び人事院事務総長通達
・ 人事院規則12-0(職員の懲戒)は太字表記とし,これに対応する人事院規則12-0(職員の懲戒)の運用について(昭和32年6月1日付の人事院事務総長通達)の記載をその直後に載せています(令和2年5月27日現在の内容です。)。

(総則)
第一条 職員の懲戒は、官職の職務と責任の特殊性に基いて法附則第十三条の規定により法律又は規則をもつて別段の定をした場合を除き、この規則の定めるところによる。

(停職)
第二条 停職の期間は、一日以上一年以下とする。
第2条関係
停職の期間計算は、暦日計算による。

(減給)
第三条 減給は、一年以下の期間、俸給の月額の五分の一以下に相当する額を、給与から減ずるものとする。
第3条関係
1 減給は、休職、病気休暇等のため、俸給を減ぜられている場合でも、本来受けるべき俸給の月額(俸給の調整額を含む。)を基礎として計算した額を、給与から減ずるものとする。
2 減給は、職員が本来受けるべき俸給を変更するものではないから、俸給を計算の基礎とする手当等に影響を及ぼすものではない。
3 減給の期間は月単位で表示し、その効力発生の日の直後の俸給の支給定日(効力発生の日と俸給の支給定日とが同日の場合は、次の俸給の支給定日)から、減給期間として示された月数に応じ、各俸給の支給定日ごとに減給分を差し引くこととする。
月2回払の場合 減給の割合による額の2分の1
月1回払の場合 減給の割合による額
4 減給期間中に昇給・昇格・休職その他俸給が変更した場合にも、減給の計算については、減給発令時の俸給を基礎とする。
5 減給期間中に離職する場合には、最終の俸給の支給定日の減給の額をもって打ち切るものとする。
6 減給に際し、支給される給与(俸給の支給定日に支給されるべき給与の総額をいう。以下同じ。)がない場合には、当該支給定日に減ずる減給分は打ち切るものとする。また、支給される給与の額が当該俸給の支給定日に減ずる減給の額にみたないときは、支給される給与の額をもって、当該支給定日に減ずる減給分は打ち切るものとする。

(戒告)
第四条 戒告は、職員が法第八十二条第一項各号のいずれかに該当する場合において、その責任を確認し、及びその将来を戒めるものとする。

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黒川弘務東京高検検事長の賭け麻雀問題

目次

第1 不祥事発覚から略式命令までの経緯の骨子第2 黒川弘務東京高検検事長の引責辞任第3 森まさこ法務大臣の記者会見における説明第4 東京高検のルールブックの記載第5 黒川弘務東京高検検事長に関係する可能性がある懲戒処分の基準第6 検察の在り方検討会議,及び黒川弘務の略歴第7 賭博罪の条文と判断の整理第8 賭博罪に関する裁判例第9 公営賭博及びパチンコの合法性に関する国会答弁第10 取材源の秘匿第11 東京地検特捜部の取材対応のあり方に関する内閣答弁書第12 黒川弘務元東京高検検事長の退職手当第13 補足資料:三井環事件(平成14年4月22日逮捕)に関する国会答弁及び政府見解第14 補足資料:外務省機密費流用事件の判決・会計管理第15 関連記事

黒川弘務元東京高検検事長の賭け麻雀問題について、不祥事の発覚、訓告、辞職及び刑事手続の経緯を整理し、関連する国会答弁・行政資料を掲載する。令和2年当時の発言・資料の記載と、その後の手続の結果を区別して読む必要がある。

賭博罪の一般的な判断は賭け麻雀と賭博罪、退職手当の試算と返納制度は黒川弘務元検事長の退職金で整理している。「テンピンなら適法」という一般的な基準はない。

第1 不祥事発覚から略式命令までの経緯の骨子
(1) 黒川弘務 東京高検検事長は,令和2年5月20日,緊急事態宣言下で賭け麻雀をしていたことが週刊文春によって報道されたため,同月21日に訓告処分を受け,同月22日の閣議で辞職を承認されました。
(2) 黒川弘務 元東京高検検事長は,令和2年7月10日,単純賭博罪について起訴猶予となったものの,同年12月8日付の東京第六検察審査会において「起訴相当」議決が出ました。
(3) 東京地検特捜部は,令和3年3月18日,黒川弘務 元東京高検検事長について東京簡易裁判所に略式請求をした結果,同月25日,罰金20万円の略式命令が出ました。

令和3年4月2日の法務省刑事局の国会答弁資料(黒川弘務 元東京高検検事長の起訴状は提供できないこと)を添付しています。 pic.twitter.com/dCh5XKesbL

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) May 25, 2021

第2 黒川弘務東京高検検事長の引責辞任
(1)ア 黒川弘務東京高検検事長は,令和2年1月31日付の閣議決定により,国家公務員法81条の3第1項に基づき同年8月7日まで勤務を延長することとなりましたところ,その理由は下記のとおりです。
記
   東京高等検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査公判に対応するためには,同高等検察庁検事長黒川弘務の検察官としての豊富な経験・知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が不可欠であり,同人には,当分の間,引き続き同検事長の職務を遂行させる必要がある。
イ 詳細については,「東京高検検事長の勤務延長問題」を参照してください。

(2) 黒川弘務東京高検検事長は,産経新聞の記者2人及び朝日新聞の元検察担当記者と,緊急事態宣言下の令和2年5月1日から翌日及び同月13日,産経新聞の記者の自宅マンションにおいて賭け麻雀をしていたことが同月20日の週刊文春電子版「黒川弘務東京高検検事長 ステイホーム週間中に記者宅で“3密”「接待賭けマージャン」」に報じられるなどした結果,同月21日に辞表を提出し,同月22日の閣議で辞職を承認されました。
(3) 令和2年5月22日発表の法務省の調査結果には以下の記載があります。
   黒川検事長が、記者A、記者B及び記者Cとともに、約3年前から、月1、2回程度、前記各事実同様のレート(山中注:いわゆる点ピン(1000点を100円換算とするもの)と呼ばれるレート)で金銭を賭けたマージャンを行っていたことや、記者が帰宅するハイヤーに同乗したことが認められるが、その具体的な日付を特定しての事実の認定には至らなかった。

第3 森まさこ法務大臣の記者会見における説明
(1)ア 森まさこ法務大臣は,令和2年5月22日の記者会見において以下の説明をしています。
① 黒川検事長は,令和2年5月,自ら検察官でありながら,そして,自ら東京高検検事長として,東京高検管内の検察官を含め検察庁職員を指揮監督する立場にありながら,東京都内において,記者らとともに,金銭を賭けた麻雀を行ったものでございます。そして,その行為が行われた時期が,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために,政府による緊急事態宣言が行われ,広く国民の皆様に外出自粛が呼び掛けられた時期であり,かつ,私の下で,法務省新型コロナウイルス感染症対策基本的対処方針を定め,ゴールデンウィークに入る直前に,私から,法務・検察職員において,これらを踏まえた活動をとるように強く指示をしていた時期でございます。
 そのような中での黒川検事長の今回の行動は,甚だ不適切であり,強い遺憾の意を覚えるものでございます。一報を聞いた時は,耳を疑いました。国民の皆様に憤りや御不安を与えたこと,検察や行政に対する信頼を損ねたことに対して,法務大臣として,お詫びを申し上げるものでございます。
② これ(山中注:黒川検事長に対する訓告処分)については,法務省内,任命権者であります内閣と様々協議を行いました。その過程でいろいろな意見も出ましたが,最終的には任命権者である内閣において,決定がなされたということでございます。
 その際,賭け麻雀における過去の処分の例ですとか,刑法の賭博罪と人事院の規則の賭博についての定義の考え方ですとか,刑法の方は刑事処分が関連してまいりますので,人事院規則の方とは全く同じではないという説明も受けました。その中で刑法の賭博罪についても,立件される程度があるという説明もございました。様々なことを総合考慮した上で,内閣で決定したものを,私が検事総長にこういった処分が相当であるのではないかということを申し上げ,監督者である検事総長から訓告処分にするという知らせを受けたところでございます。
イ 検事長に対する訓告処分は検事総長が行うことになっています(法務省職員の訓告等に関する訓令(平成16年4月9日付の法務大臣訓令)参照)。
(2) 法務省の調査は5月21日に実施されただけと思いますが,菅義偉官房長官は,令和2年5月22日の記者会見において,黒川弘務東京高検検事長の賭け麻雀問題について再調査は不要という認識を示しました(gooニュースの「黒川氏の再調査は不要 菅官房長官、退職金「規定に基づき支給」」参照)。

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令和2年の検察庁法・検察官俸給法改正案の審査資料――版別一覧と変更点(AI作成)

目次

第1 令和2年2月の文書(黒川弘務東京高検検事長の勤務延長後の文書)1 令和2年2月27日頃の文書2 令和2年2月17日頃の文書3 令和2年2月7日頃の文書4 令和2年2月初旬頃の文書第2 検察官の勤務延長を認めた解釈変更に関する文書(令和2年1月当時のもの)第3 令和元年10月31日までの文書1 令和元年10月31日の文書2 令和元年10月29日頃の文書3 令和元年8月22日頃の文書4 令和元年8月20日頃の文書5 令和元年5月10日頃の文書6 令和元年5月7日頃の文書第4 関連記事その他3 関連記事

令和2年4月20日付開示決定に基づく法案審査資料を,版ごとの資料目録として掲載する。各資料を探す際は,下記の時期と資料の種類を照合されたい。収録する令和2年案は第201回国会で審査未了となり成立していない。

令和元年10月末までの原案と,令和2年1月の解釈変更後の案は別の段階である。法務省の策定経緯文書は,元年10月末頃の第二部長審査終了,2年1月17日~24日の協議,2月17日の改正部分の第二部長審査終了,2月28日の法案全体の審査終了を区別して説明している。

第1・第3の「頃」という日付は掲載資料の版を区別する表示である。表紙,改訂日,内閣法制局への提出日及び審査終了日が常に同じであるとは限らない。同名資料も別の版として確認し,頁番号を示すときは該当する版のPDFを併記する必要がある。

第1の2月27日頃の資料には2月17日頃との附則4条の相違を示す資料が含まれ,第1の2月17日頃には勤務延長の読替表などが含まれる。以下の個別リンクは資料の目録であり,掲載された1417枚の全てについて内容の比較結果を示すものではない。

解釈変更の目的と文書不存在をめぐる裁判所の判断は,黒川検事長の勤務延長と文書不存在――大阪地裁令和6年6月27日判決の解説で,請求対象文書1~5及び国家賠償請求を分けて整理している。

* 第1ないし第3は,令和2年4月20日付の,法務大臣の行政文書開示決定通知書(検察庁法の一部改正に関する法律案等の法案審査資料)に基づく開示文書のうち,逐条国家公務員法<全訂版>(23枚),新版検察庁法逐条解説(7枚)及び事実上の重複文書1枚を除く1417枚を掲載したものです。

第1 令和2年2月の文書(黒川弘務東京高検検事長の勤務延長後の文書)
1 令和2年2月27日頃の文書
・ 令和2年の検察庁法改正案に関する,法務省の逐条説明資料
→ リンク先のPDF23頁には,「検事総長は勤務延長制度を適用することで68歳に達する日の前日まで勤務でき、次長検事及び検事長は管理監督職勤務上限年齢制の特例の趣旨を踏まえた仕組み及び勤務延長制度を適用することで66歳に達する日の前日まで勤務できることとなる。」と書いてあります。 
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
・ 令和2年検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案の新旧対照表
→ 検察庁法附則4条(リンク先のPDF12頁)につき,令和2年2月17日頃の新旧対照表と異なります。
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案(検察庁法等関連)→長官からの御指摘とその対応について
→ 検察庁法附則4条に限り,令和2年2月17日頃の条文案から修正したとのことです。

2 令和2年2月17日頃の文書
・ 令和2年の検察庁法改正案に関する,法務省の逐条説明資料
・ 令和2年の検察官俸給法改正案に関する,法務省の逐条説明資料(令和2年2月17日頃の文書)
・ 令和2年の検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案の附則に関する,法務省の逐条説明資料
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
・ 以下同じリスト(検察庁法の一部改正による改正部分)
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の新旧対照表
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案の附則改正案の対比表
・ 令和2年の国家公務員法等の一部を改正する法律案 読替表(検察庁関係)
→ 「令和2年の検察庁法改正案22条2項(次長検事及び検事長)又は22条3項(検事正及び上席検察官)に基づく国家公務員法改正案81条の7(定年退職の特例)の読替表」を含んでいます。
・ 令和2年の検察庁法改正案に基づく,国家公務員法等の一部を改正する法律の附則改正案の対比表
・ 令和2年の検察庁法改正案を前提とした,国家公務員法の読み替え条文(令和2年2月17日頃の文書)

(続きを読む...)令和2年の検察庁法・検察官俸給法改正案の審査資料――版別一覧と変更点(AI作成)

副検事制度が創設された経緯(AIリライト)

目次

第1 副検事制度が創設された経緯第2 明治憲法時代の違警罪即決例及び警察犯処罰令第3 関連記事その他

副検事制度の創設背景を調べるため,戦後の制度改革を回顧する資料と,明治憲法時代の警察による処分に関する資料を紹介する。ここで引用する資料が述べる当時の状況と,現在の副検事の仕事・任命資格・選考方法は区別する必要がある。現在の全体像は副検事とは?検事との違い・仕事内容・なり方,年度別の選考資料は副検事の選考の記事を参照されたい。

第1 副検事制度が創設された経緯

下記の回顧資料は,制度創設の背景として,戦後の司法制度改革に伴う検察官の需要,簡易裁判所に対応する人員の早急な確保,検察事務官等に昇進の道を開くことを挙げている。また,当初の選考・訓練上の問題と,その後の改善を回顧している。これは同資料が記述する当時の事情であり,現在の人員数,選考基準又は特任検事の任命人数を示すものではない。

・ 「新検察制度十年の回顧」には,「六 副検事制度の創設」という表題で,以下の記載があります(法曹時報10巻3号84頁ないし86頁)。

    検事の補佐機関として特別任用の検事補又は副検事制度を設けるという構想は戦前からあつたのであるが、裁判所は検事補又は副検事に相当する特別任用の検察官を設けることを強く反対しており、検察部内においても賛否両論があった。反対理由の根拠は検察の運用が全般的に低下するというのであったが、これを克服することができても当時検事局は裁判所に附置され、裁判所とともに司法大臣の管理の下にあったので、検事局だけにこの特別任用の制度を設けることは裁判所との関係から実現困難な状態にあった。
    しかし、戦後司法制度が改正されるに当り、司法法制審議会では検事補制度を設けることを認めており、また憲法の改正により行政執行法、違警罪即決例などが廃止され、逮捕、勾留がすべて裁判官の令状によらなければならぬことになれば、これまで警察署長の権限で処理されていたものをすべて検事が取り扱わねばならぬことになり、また裁判所がこの実情に沿うため簡易裁判所を設けることになれば、簡易裁判所の裁判官に匹敵する数の検事を増員せねばならぬ必要が起り、かかる多数の検事を早急に充足することは到底不可能であったので、ここに特別任用により検事に代える機関を設ける必要が生じ、また別に部内において久しく要望されていた一般事務職員の昇進の途を拓くことについて、副検事制度は職員の将来に大きな希望を与えることができるとも考えられたので副検事制度を実現することにしたのである。
    特別任用の副検事を置くことについては、日本弁護士連合会は、その任用資格が検事の任用資格より低く検察組織の実力を低下し人権尊重の基本的原則に違背する危険があるというので反対し、また総司令部も検察官は公訴の提起及びその維持にあたるには高度の法律的素養が必要であるといって、特別任用資格を認める副検事制度には容易に承認を与えてくれなかつたのであるが、これを必要とする実情を強調してついに実現することになつたのである。
    ところが、愈々副検事制度を実現してみると、副検事は、年々飛躍的に増加する区検察庁の管轄事件(とくに道路交通違反関係事件)の処理、あるいは公判運営に対処して検察の機能を果たし、これを設けた目的を一応達しているばかりでなく、これまで専ら検事の捜査の立会、書類の作成整理、証拠品の処理などの機械的な検察事務に従事し将来に希望を託すことのできなかった一般検察職員に昇進の途を拓き、優秀な検察事務官に跳躍の機を与えた効果は目ざましいものがあった。しかし、その発足当初は、急速に一定の要員を充足しなければならぬ必要があり、副検事の選考は各庁に一任されていたため、採用の一応の基準はあっても、各地によって実情がちがい、検察事務になれた実情にあかるい部内職員だけでなく、部外者の有資格者などを多数採用したため、検察官に必要な識見の足らないものや、年令的に適当でないものなども少くなく、それに訓練不足というような事情もあって、実務の処理に過誤があったり、処理が適正でなかったりすることもあって、副検事制度に対し、内外から一時相当な非難があった。
   その弊害は、その後ことごとく是正されたとはいえないが、運用について検討が加えられた結果、副検事に適当でない者は漸次淘汰され、また素質の改善向上をはかるため、中央、地方において厳格な実務訓練を施し、あらたに採用する者に対しては、学識は勿論、人物考査に意を須い、厳格な選考を行っているので、将来性のある優秀者が増加する傾向にあり、さらに、副検事の実務経験三年以上経た者のうちから、考試を経て検事に昇進するものも毎年二、三名は輩出するという実情であって、副検事制度を設けた目的を達成しつつあるのである。

第2 明治憲法時代の違警罪即決例及び警察犯処罰令
1 平成元年版犯罪白書の「犯罪者の処遇」には以下の記載があります。
 違警罪即決例に規定されていた違警罪即決処分は,警察署長及び分署長又はその代理たる官吏が,その管轄地内において犯された違警罪(拘留又は科料に当たる罪)を即決する処分である。この即決処分は,被告人の陳述を聞き,証拠を取り調べ,直ちに刑を言い渡すか,被告人を呼び出すことなく若しくは呼び出しても出頭しないときに,直ちに言渡書を本人又はその住所に送達する方法で行われた。即決処分に対しては,言渡しがあったときは3日以内に,言渡書の送達があったときは5日以内に,正式の裁判を請求することができ,その請求があったときは,区裁判所で正式裁判が行われた。
2 「弁護士の果たした役割」と題する記事(大竹武七郎)には以下の記載があります(昭和49年1月1日発行のジュリスト551号102頁。なお,改行を追加しています。)。
 検事局と警察とは、その機構、人員等の関係から、捜査の実力は警察側にあったといっても過言ではない。ところが、警察官は、捜査に強制力を用いることは、法律上、非常に制限されていた。
 そこで、警察官は、違警罪即決例により、被疑者が一定の住居又は生業なくして諸方を徘徊したこと等を理由として拘留処分に付し、又は行政執行法により、泥酔者もしくは自殺を企つる者その他救護を要すと認むる者として検束し、しかも検束は翌日の日没後に至ることを得ないにもかかわらず、これをむしかえして、長期間にわたって身柄を拘束し、その期間を利用して被疑者を取り調べるということが行われた。
 そこで、この弊害をなくすために、現行憲法時代になってから、違警罪即決例、行政執行法を廃止した。
3 Wikipediaの「警察犯処罰令」(軽犯罪法(昭和23年5月1日法律第39号)に相当する法令です。)には以下の記載があります。
比較的軽微な警察犯について略式の処罰方法を定め、これを内務大臣の命令で規定することが許されたが、その結果、警察犯処罰令が制定された。その手続きは違警罪即決例によっている。
 警察犯処罰令上の警察犯は拘留または科料の罪であるから違警罪即決例が適用され、ふつうの刑事事件とはことなって、法律に定められた裁判官でない行政官である警察署長が、略式の手続きで即決できる。
ただし不服ならば正式裁判の申立をすることができる規定である。

以上の違警罪即決例・警察犯処罰令の記述は歴史的制度の説明であり,現在の警察官が同じ処分を行えるという意味ではない。

第3 関連記事その他

首相官邸の選考方法資料及び令和2年度の受験資料は,それぞれの作成時点の制度・運用を説明するものである。現在の資格・試験方法は年度別の選考資料,現在の俸給月額は給与月額表で確認されたい。

1 検察庁HPの「検察官の種類と職務内容」には「副検事は,区検察庁に配置され,捜査・公判及び裁判の執行の指揮監督などの仕事を行っています。」と書いてあります。
2 首相官邸HPに「副検事の選考方法」及び「特任検事の選考方法」が載っています。
3 副検事になるための法律講座ブログには例えば,以下の記事があります。

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検察官の名称の由来

「新検察制度十年の回顧」には,「検察官の名称」という表題で,以下の記載があります(法曹時報10巻3号88頁及び89頁)。

   旧制度の下では訴訟法上検事という名称はあったが検察官という名称はなかった。検事と検察官は同一の概念ではなく、厳密にいえば区別されねばならぬものであるが、憲法改正草案が提出された際草案(山中注:GHQ草案69条2項参照)に"Public procurators"とされていたのを「検察官」と訳して使われたところから検察官という語が用いられるようになったのである。そこで従来の検事をすべて検察官に当てはめるかどうかということ、ならびに各検察庁の長の名称をどうするかということが問題とされた。
   いうまでもなく旧制度の下では、検事総長、次長検事、検事長はすべて検事がその職に補せられていたのであるが、憲法の改正により、検察庁法に天皇の認証する官を設けるにあたって、これまで職であった検事総長、次長検事、検事長の地位を認証官とする必要から、これらをいづれも検察官ということにし、本来検察官を検事、副検事とすると考えていた構想を改め、検察官に五種類をもうけ、最高検察庁の長を検事総長、高等検察庁の長を検事長ということにしてこれまでの名称を残した。しかし地方検察庁の長として検事正というこれまでの名称ははたして適当かどうかが疑問であった。
   元来検事正という語は主たる検事ということの意味で、旧軍部において大佐相当の官を正と称していた頃、これに相当する検事の官を検事正とし、これを地方検事局の検事の代表者の職名としたものであつて、新検察制度の下における呼称としては相当でないばかりでなく、地方検察庁の検察事務を統括しその庁を代表するものの名称としては一般に理解しにくく、かならずしも適当ではないので、地方裁判所に対応する地方検察庁の長であるという意味で地方検察庁長もしくは地方検察庁長官という名称にする案もあったが、これは検事総長、次長検事、検事長との名称に照らして適当ではなく、結局検事一般の意見を求めたところ、これまでの名称が相当だという意見が強かったのでこれを踏襲することになったのであるが、将来これを変える必要があるのではないかと思われるのである。

*1 検事総長が最高検察庁の長であり,検事長が高等検察庁の長であることは検察庁法7条1項及び8条1項に明記されているものの,検事正が地方検察庁の長であることは検察庁法9条には明記されていないのであって,検察庁事務章程1条に記載されているにとどまります。
*2 制定時の裁判所構成法では,検事総長は勅任官でしたが,大正3年5月1日,勅任検事をもって親補するところの親補職となり,大正10年6月1日,大審院長と同様,親任検事をもって親補するところの親任官となりました(裁判所構成法79条3項)。
   また,戦前の検事総長は大審院の検事局に置かれていました(裁判所構成法56条1項)。
*3 控訴院検事長は,司法大臣の上奏により勅任検事の中から補されており(裁判所構成法79条4項),親補職ではありませんでした。
   また,戦前の検事長は控訴院の検事局に置かれていました(裁判所構成法42条1項)。
*4 検事正は,勅任検事の中から司法大臣によって補されていました(裁判所構成法79条4項)。
   また,戦前の検事正は地方裁判所の検事局に置かれていました(裁判所構成法33条本文前段)。
*5 地方裁判所検事局の検事は検察事務について,特別の許可を受けずに検事正を代理できましたし(裁判所構成法33条但書),控訴院検事局の検事は検察事務について,特別の許可を受けずに検事長を代理できましたし(裁判所構成法42条2項・33条但書),大審院検事局の検事は検察事務について,特別の許可を受けずに検事総長を代理できました(裁判所構成法56条2項・33条但書)。
*6 すべての地裁所長及び地検検事正が勅任官となったのは,昭和2年4月18日公布の勅令第87号(リンク先のコマ番号2)による裁判所職員定員令の改正後です。
*7 明治憲法23条は「日本臣民ハ法律ニ依ルニ非スシテ逮捕監禁審問処罰ヲ受クルコトナシ」と規定し,大正13年1月1日施行の刑訴法(大正11年5月5日公布の法律第75号)246条,248条及び249条は,検事が犯罪捜査の責任を負い,警察官は検事の補佐として,その指揮を受けて捜査をすることと規定していました。
*8 「刑事訴訟法が軌道に乗るまで-第一審の公判を中心として-」と題する記事(筆者は桂正昭最高検察庁検事)には以下の記載があります(昭和49年1月1日発行のジュリスト551号80頁及び81頁。なお,改行を追加しています。)。
   旧刑事訴訟法(山中注:大正13年1月1日施行の刑訴法(大正11年5月5日公布の法律第75号)のことです。)の下では、検察官が作成した捜査記録は、公訴の提起と同時にすべて裁判所に引き継がれ、裁判所は、これらの記録を仔細に検討したうえで公判にのぞみ、公判廷では詳細な被告人質問を行ない、その弁解するところによって疑問を生ずれば、証人尋問などを行って黒白を決するという方法が取られていた。
   検察官の行なう捜査は、被告人の弁解の余地がないようにすべきものとされていたから、大方の事件にあっては、検察官の公判立会はきわめて楽なものであり、公訴事実の陳述と論告求刑とを行えば足りるものが少なくなく、それも、「公判請求書記載のとおり」「事案明瞭、求刑懲役一年」といった程度のことを発言すれば足りるような場合が多かったのである。
   従って、検察官の努力の大半は捜査に注がれ、公判立会は当番制で検事席に座っておれば足りるといった程度のことが多かった。
*9 日本国憲法の改正案の審議当初,憲法33条及び35条2項の「司法官憲」は検事を含むと日本側は解釈していたものの,GHQは,昭和21年8月,「司法官憲」は裁判官に限ると解釈するようになりました(昭和49年1月1日発行のジュリスト551号37頁参照)。
*10 「検察庁の名称の由来」も参照してください。

検察庁の名称の由来

「新検察制度十年の回顧」には,「検察庁の名称について」という表題で,以下の記載があります(法曹時報10巻3号87頁及び88頁)。

   検察庁法において、検察庁ば検事の行う事務を統括するところと定義し、検察庁には最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁及び区検察庁がある(法第二条)ことを規定しているが、この検察庁という名称は、昭和三年司法省が検事局を裁判所から分離して独立させる法案を立案した際すでにこれを使用し、また昭和十三年第七十三帝国議会において衆議院議員から提出された検察庁法案にもこの名称が使われており、検察庁という名称はとくに目あたらしいものではないので、この度の立法にあたってもこの名称を踏襲したのである。ただ検察庁の定義を定めた第一条の規定は、法制局と法案の審議をした当初これをもうけてなかったのを法制局の示唆によっておくようになったことは、すでに述べたところであるが(検察官同一体の原則の項参照)、右規定において、検察庁は、検察官の行う事務を統括するところというようにとくに仮名で表現し、このところを処あるいは場所としなかったのは、検察官の行う事務を形式的に行う場所、もしくはこれを単に機械的に統一する場所というだけの意味でなく、形而上的な意味すなわち検察官が国の独立機関として独自に行使できる検察事務を検察全体として統括するところであることをあらわすためにしたのであって、いわば検察官同一体の原則の一つの根拠となるのである。
   検察庁の種類の名称は、昭和三年の検察庁法案および第七十三帝国議会の議員提出になる検察庁法案には、その当時の大審院、控訴院、地方裁判所、区裁判所に対して総検察院、検察院、地方検察庁、区検察庁の名称が使われていたが、司法制度の改正により裁判所は最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、簡易裁判所に改められたので、これに対応して最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁としたのである。

*補足 上記引用中の「法第二条」は原資料の表記であるが,四種類の検察庁を列挙する規定は検察庁法1条2項である。
同法2条は,各検察庁がどの裁判所に対応するかを定める規定であり,区別して読む必要がある。
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000061

*1 「検察官の名称の由来」も参照してください。
*2 昭和43年版犯罪白書の「第二章 刑事関係制度の変遷」には以下の記載があります(改行を追加しています。)。
   明治二二年二月発布の大日本帝国憲法は,第五章に司法に関する条章を設け,司法権は,天皇の名において,法律により裁判所が行なうことを定めたほか,裁判官の資格・身分保障,裁判の公開,特別裁判所等について規定し,この規定を受けて,翌二三年二月裁判所構成法が公布された。
   同法は,通常裁判所を大審院,控訴院,地方裁判所および区裁判所の四種とし,区裁判所は,違警罪,二月以下の禁錮または百円以下の罰金にかかる軽罪等を管轄し,地方裁判所は,区裁判所の権限および大審院の特別権限に属しない刑事訴訟ならびに区裁判所の判決に対する控訴審につき裁判権を有し,控訴院は,地方裁判所の第一審判決に対する控訴および区裁判所管轄事件の上告等につき,大審院は,控訴院の第二審判決に対する上告および皇室に対する罪等の予審および裁判につき,裁判権を有するものとされた。
   また,判事および検事のほか,予備判事および予備検事の名称を設け,各裁判所に検事局を付置し,大審院検事局に検事総長,控訴院検事局に検事長,地方裁判所検事局に検事正をおくことを定めた。

検察官同一体の原則-独任制官庁,指揮監督及び検察権の独立(AIリライト)

目次

第1 検察官同一体の原則の意味第2 独任制官庁と指揮監督の両立1 検察権を行使する主体2 裁判官の独立との違い第3 検察官同一体の原則の法的仕組み1 指揮監督の系統2 事務引取・移転権3 最高裁昭和24年4月7日判決第4 担当検察官の権限と責任1 内部指揮違反と対外的効力2 上司と担当検察官の意見が異なる場合第5 法務大臣及び国会と検察権の関係1 法務大臣の指揮監督権2 国政調査権と捜査上の秘密第6 出典・参考資料1 法令及び裁判例2 行政・国会・歴史資料
第1 検察官同一体の原則の意味

検察官同一体の原則とは,検察権を行使する権限と責任が個々の検察官に属する一方,全国の検察官が検事総長を頂点とする指揮監督系統と事務引取・移転の仕組みによって機能上一体として活動する原則である。
この仕組みは,個々の検察官による迅速な権限行使と,検察権行使の適正性及び全国的な均衡を両立させることを目的とする。

検察庁法は「検察官同一体の原則」という用語を直接に定めていない。
その内容は,検察庁が検察官の行う事務を統括するとする同法1条1項,庁の長等の指揮監督権を定める7条から10条まで,指揮監督事務の一部を他の検察官に取り扱わせることを定める11条及び事務引取・移転権を定める12条から導かれる。

調査の基準日は令和8年9月23日である。
同日時点で,検察庁法は令和7年6月1日施行の本文,検察庁事務章程は令和8年4月8日施行の本文を確認した。

第2 独任制官庁と指揮監督の両立
1 検察権を行使する主体

検察庁法4条は,検察官が公訴を行い,法の正当な適用を裁判所に求め,裁判の執行を監督すること等を定め,同法6条は,検察官がいかなる犯罪についても捜査をすることができると定めている。
条文の主語が検察庁ではなく検察官であることから,個々の検察官は,検察事務について国家の意思を決定し,外部に表示できる独任制官庁であると説明される。

他方,検察庁法1条1項は,検察庁を「検察官の行う事務を統括するところ」と位置付けている。
そのため,個々の検察官の意思決定権限と,検察庁としての統一的な組織運営とは,一方が他方を全面的に排除する関係にはない。

2 裁判官の独立との違い

日本国憲法76条3項は,裁判官が良心に従って独立して職権を行い,憲法及び法律にのみ拘束されると定めている。
検察官にはこれと同じ憲法上の身分及び職権の独立は保障されておらず,検察権は憲法65条の行政権に属すると解されている。

もっとも,検察権は刑事裁判の前提となる捜査及び公訴提起に関わるため,法と証拠に基づく適正かつ公平な行使が要請される。
「検察権の独立(行政権,立法権との関係)」では,この意味の独立性を行政権及び立法権との関係から説明している。

第3 検察官同一体の原則の法的仕組み
1 指揮監督の系統

検察官を組織内で指揮監督するのは,検事総長,検事長,検事正などであり,その範囲は検察庁法7条から10条までに定められている。
誰の指揮権を問題にしているかによって,根拠条文と対象を区別する必要がある。

指揮監督をする者主な対象・根拠検事総長すべての検察庁の職員(7条1項)検事長その高等検察庁と,管轄区域内の地方・区検察庁の職員(8条)検事正その地方検察庁と,管轄区域内の区検察庁の職員(9条4項)区検察庁の庁務を掌理する検察官その区検察庁の職員(10条3項)

法務大臣による指揮監督は,この検察組織内部の系統とは別に,検察庁法14条に基づくものである。
個々の事件の取調べ又は処分について,法務大臣が指揮できるのは検事総長だけであり,この表にあるすべての者を直接指揮できるわけではない。

検察庁法7条1項により,検事総長はすべての検察庁の職員を指揮監督する。
同法8条は検事長について,同法9条4項は検事正について,同法10条3項は区検察庁の庁務を掌理する検察官について,それぞれ指揮監督の範囲を定めている。

同法11条は,検事総長,検事長又は検事正が,庁務掌理及び指揮監督に関する事務の一部を,指揮監督する検察官に取り扱わせることができると定めている。
これを受け,検察庁事務章程2条2項は次席検事の指揮監督について,同章程3条2項は支部長の指揮監督について定めている。

(続きを読む...)検察官同一体の原則-独任制官庁,指揮監督及び検察権の独立(AIリライト)

法務大臣の指揮権とは―検察庁法14条・発動の効果・造船疑獄(AIリライト)

目次

第1 法務大臣の指揮権とは1 指揮権の意味と一般的指揮・個別事件の違い2 制度趣旨第2 一般的指揮監督の内容1 方針・基準・法令解釈及び報告2 検察行政事務との区別第3 個別事件に対する指揮と検事総長1 指揮の相手方を検事総長に限定する意味2 意見具申と最終的な服従義務3 報告要求及び公表との境界4 指揮権が発動されるとどうなるか第4 造船疑獄における指揮権発動1 昭和29年4月21日の指揮2 「唯一の例」という説明の限界第5 一般的指揮監督の実際の行使1 平成23年4月8日の検察改革に関する指示2 令和7年の国会答弁が示した境界第6 内閣総理大臣との関係1 検察官を直接指揮できないこと2 内閣法6条による法務大臣への指揮第7 最高裁判例と関係規程1 最高裁昭和27年12月24日大法廷判決2 最高裁平成7年2月22日大法廷判決3 処分請訓規程及び刑事関係報告規程4 検察庁事務章程第8 立法時の説明1 昭和22年3月19日の衆議院審議2 昭和22年3月30日の貴族院審議第9 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 国会会議録及び公的資料4 文献第1 法務大臣の指揮権とは1 指揮権の意味と一般的指揮・個別事件の違い

法務大臣の指揮権とは,検察官の事務について法務大臣が命令し,これに従わせる権限である。
検察庁法14条は,一般的な指揮監督を認める一方,個々の事件の取調べ又は処分については,検事総長だけを指揮できると定めている。

区分対象と指揮の相手方一般的指揮監督検察官の事務に関する一般的な方針・基準等。検察官を一般に指揮監督する。個別事件の指揮個々の事件の取調べ又は処分。指揮できるのは検事総長だけである。

ここでいう「指揮」の意味は,平成19年6月8日の政府答弁書が説明している。
個別事件では,担当検察官や検事正への直接の指揮を認める制度ではない。

検察庁法14条本文は,法務大臣が同法4条及び6条に規定する検察官の事務について,検察官を一般に指揮監督することができると定めている。これに対し,同条ただし書は,個々の事件の取調べ又は処分について,法務大臣が指揮できる相手方を検事総長に限定している。

したがって,法務大臣には検察事務について何の権限もないわけではない。他方で,法務大臣が担当検察官や検事正を直接指揮して個別事件の捜査又は処分を決めることも許されない。一般的指揮監督と個別事件の指揮とを区別し,後者では検事総長を介在させることが14条の基本構造である。

「指揮権発動」という語は,通常,14条ただし書に基づく個別事件への指揮を指す。しかし,これは法令上の用語ではなく,14条本文に基づく一般的指揮監督も法務大臣の指揮監督権の行使である。

2 制度趣旨

検察権は行政権に属する一方で,公訴の提起及び遂行を担い,その行使が裁判の前提となる。このため,民主的な政治責任を負う法務大臣の監督を全く排除せず,個別事件に対する政治的影響を抑える仕組みが必要となる。

14条は,この二つの要請を調整する規定である。個別事件では,検察官の最上位者である検事総長だけを指揮の相手方とすることにより,法務大臣による直接の介入を遮断し,検事総長が検察組織全体の見地から対応する仕組みを採用している。この点は,検察権の独立と民主的統制との関係を考える上で重要である。

第2 一般的指揮監督の内容1 方針・基準・法令解釈及び報告

一般的指揮監督は,特定の一事件について具体的な捜査方法又は処分を命じるものではなく,検察事務全般に共通する方針や基準を示すものである。伊藤栄樹『新版 検察庁法逐条解説』84頁~85頁は,刑事政策の大綱,法令解釈,検察事務に関する心構え及び事件報告の要求等をその例として挙げている。

法務大臣が検察事務の状況を把握するために報告を求めることも,通常は一般的指揮監督に含まれる。ただし,報告要求の名目で,特定事件について逮捕,起訴又は不起訴等の結論を事実上命じる場合は,14条ただし書の問題となる。権限の性質は名称ではなく,指示の対象及び内容によって判断すべきである。

2 検察行政事務との区別

14条が対象とするのは,検察庁法4条及び6条に規定する犯罪の捜査,公訴の提起,裁判の執行等の検察官の事務である。人事,予算,庁舎管理その他の検察行政事務は,14条ただし書によって初めて法務大臣の権限に入るものではなく,法務省の行政組織上の権限により処理される。

最高裁昭和27年12月24日大法廷判決は,14条ただし書の制限が個々の刑事事件の取調べ又は処分に関する指揮に限られ,国を当事者とする民事訴訟における法務総裁の権限には及ばないと判示した。したがって,14条を法務大臣と検察庁とのあらゆる関係を定める一般条項として扱うことはできない。

法務省刑事局は,法務大臣が検察事務に関して一般的に行う指揮監督を補佐し,検察庁の組織整備や各種事務規程の制定等を担当する。
この補佐事務と,個々の事件の取調べ又は処分について法務大臣が検事総長のみを指揮できるという検察庁法14条の仕組みは,区別して理解する必要がある。

公式の説明は,法務省「刑事局の事務」(https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji02.html)に掲載されている。
刑事局の組織と各課等の担当は,法務省刑事局とは―仕事内容・組織・検察庁との違いと問い合わせ先(AI作成)を参照されたい。

第3 個別事件に対する指揮と検事総長1 指揮の相手方を検事総長に限定する意味

個々の事件の取調べ又は処分について,法務大臣が指揮できるのは検事総長だけである。法務大臣は,担当検察官,検事正又は検事長に対して直接の指揮をすることができない。

検事総長は,検察庁法7条1項により,最高検察庁の長として全ての検察庁の職員を指揮監督する。検事総長が法務大臣の指揮を受けた後に検察組織内でどのように対応するかは,検察官同一体の原則及び検察庁法7条以下の指揮監督関係による。

2 意見具申と最終的な服従義務

検事総長は,法務大臣の指揮が不当であると考える場合,その変更を求め,意見を述べることができる。伊藤栄樹『新版 検察庁法逐条解説』86頁~87頁も,検事総長が意見を述べて再考を求めることを制度上予定された対応として説明している。

もっとも,検事総長に法務大臣の指揮を拒否する法的権限があるとする政府解釈は採られていない。平成19年6月8日の政府答弁書は,「指揮」を命令して相手方を従わせる権限と説明している。平成21年3月17日の衆議院法務委員会答弁は,適法な指揮が維持された場合に検事総長が従わなければ,国家公務員法98条1項に違反し,懲戒処分の対象となり得るとの理論上の枠組みを示している。

令和6年6月11日の参議院法務委員会で,小泉龍司法務大臣は,検事総長が法務大臣をいさめ,指揮を断念させる役割を14条ただし書の趣旨として説明した。この答弁は検事総長の実際上の役割を強調したものであり,法的な拒否権を認めたものと読むべきではない。

3 報告要求及び公表との境界

法務大臣が個別事件について報告を受けること自体は,直ちにただし書の指揮となるものではない。しかし,法務大臣が報告の過程で捜査又は処分の具体的内容を命じれば,個別事件に対する指揮となり,検事総長だけを相手方としなければならない。

平成25年5月10日の衆議院法務委員会答弁は,法務大臣が報告を受けた個別事件の内容を公表することについて,捜査又は処分に影響を及ぼす可能性を踏まえて慎重な判断が必要であるとの考え方を示している。報告を受ける権限と,報告内容を自由に公表できることとは別問題である。

4 指揮権が発動されるとどうなるか

個別事件への指揮権が発動されると,検事総長が法務大臣から,当該事件の取調べ又は処分に関する指揮を受ける。
その後の検察組織内の対応は,指揮の具体的な内容と検察庁法7条以下の指揮監督関係による。

発動しただけで,事件が当然に不起訴になったり,捜査全体が終了したり,被告人が無罪になったりするわけではない。
例えば,特定の強制捜査を控える指揮と,不起訴処分をする指揮とは内容が異なる。
また,指揮権は検察事務に関する権限であり,裁判所に判決の結論を命じる権限ではない。

したがって,発動の効果を判断するには,誰が誰に,どの事件のどの捜査又は処分について,どのような指揮をしたかを確認する必要がある。
造船疑獄の例と一般的な検察改革の指示を,効果が同じものとして扱うべきではない。

法務大臣が担当するその他の権限については,法務大臣の権限と仕事を参照されたい。

第4 造船疑獄における指揮権発動1 昭和29年4月21日の指揮

昭和29年4月21日,犬養健法務大臣は,造船疑獄に関し,佐藤榮作自由党幹事長について強制捜査を行わず,任意捜査を尽くすよう佐藤藤佐検事総長に指揮した。個別事件の捜査方法について検察当局の意向と異なる指揮をした事例であり,一般に「指揮権発動」と呼ばれている。

犬養法務大臣は翌22日に辞表を提出し,同日に辞任した。昭和29年4月23日の参議院決議は,この指揮が検察権の行使に重大な影響を与えたとして政府の責任を問う内容であった。

『秋霜烈日―検事総長の回想』35頁~38頁は,当時の検察内部の強い反発と,指揮を受けた後の法的対応の困難さを記録している。この事例は,検事総長を介在させる制度が政治的な指揮を可視化し,その責任を国会及び国民の前に明らかにする機能も持つことを示している。

昭和29年4月23日の参議院決議は,検事総長による逮捕請求許可の請訓を法務大臣が抑えたことについて,検察庁法14条の不当な運用であるとの評価を示した。
議員の逮捕許諾と法案審議の関係は国会が決すべき問題であり,政府の措置が捜査を困難にしたとして,善後の措置を求めている。
これは参議院による政治的評価であり,裁判所が指揮の違法性を判決で認定したという意味ではない。

2 「唯一の例」という説明の限界

造船疑獄は,個別事件について検察当局の意向に反する指揮が公に確認された代表例である。
令和6年2月15日の衆議院予算委員会答弁では,松下政府参考人が,検察当局の意向に反する指揮の例として造船疑獄を挙げている。
この答弁自体は,他の事例が一切ないことまで述べているわけではない。

ただし,14条本文による一般的指揮監督まで含めれば,造船疑獄だけが指揮監督権行使の事例ではない。
また,公表資料が代表例として造船疑獄を挙げていることから,非公表の働き掛けや協議を含め,それ以外の関与が一切なかったと結論付けることもできない。
したがって,限定を付けずに「指揮権が発動された唯一の例」と記載するのは正確でない。

第5 一般的指揮監督の実際の行使1 平成23年4月8日の検察改革に関する指示

平成23年4月8日,江田五月法務大臣は,検察の再生に向けた取組を進めるため,検事総長に対して一般的指揮権に基づく指示をした。指示は,検察改革の実施,取調べの録音・録画の試行及び具体的な行動計画の策定等を内容とするものであり,特定事件の処分を命じるものではなかった。

平成23年4月13日の衆議院法務委員会で,江田法務大臣は,この指示が14条本文の一般的指揮権に基づくものであると明言した。最高検察庁の検察改革の進捗状況に関する報告書も,法務大臣の指示を受けて改革を進めた経過を記載している。

この事例は,法務大臣の指揮監督権が個別事件への介入だけを意味しないことを示す。検察組織全体に共通する制度改革及び業務方針は,14条本文による一般的指揮監督の対象となり得る。

2 令和7年の国会答弁が示した境界

令和7年5月27日の参議院法務委員会で,鈴木馨祐法務大臣は,法務省の組織及び職場の規律に関する指示は一般的指揮監督の範囲に含まれる一方,係属中の個別事件について何をしなければならないかを述べればただし書の領域に入るとの趣旨を答弁した。

この区別は,指示が広い言葉で表現されているかどうかだけで決まるものではない。対象となる事件を特定し,その捜査又は処分に具体的な影響を与える内容であれば,形式上は組織運営の指示であっても個別事件の指揮に当たり得る。

第6 内閣総理大臣との関係1 検察官を直接指揮できないこと

内閣総理大臣は,検察庁法14条に基づき検察官を直接指揮する権限を有しない。個別事件について指揮をすることができるのは法務大臣であり,その相手方も検事総長に限られる。

平成19年6月8日の政府答弁書も,内閣総理大臣が検察官を直接指揮できると定めた法令はなく,直接の指揮はできないとの見解を示している。これは,法務大臣から検事総長へという14条ただし書の経路を,内閣総理大臣が迂回できないことを意味する。

2 内閣法6条による法務大臣への指揮

内閣法6条は,内閣総理大臣が閣議にかけて決定した方針に基づき,行政各部を指揮監督すると定めている。最高裁平成7年2月22日大法廷判決は,この指揮監督権に加え,内閣の明示の意思に反しない限り,内閣総理大臣が主任大臣に対して所掌事務について指導,勧告又は助言等の働き掛けをする権能を有すると判示した。

もっとも,同判決は検察庁法14条の射程を直接判示したものではない。内閣総理大臣が法務大臣に働き掛け,法務大臣が個別事件について検察官に法的な指揮をするときは,法務大臣から検事総長へという14条ただし書の経路を経る必要がある。

第7 最高裁判例と関係規程1 最高裁昭和27年12月24日大法廷判決

最高裁昭和27年12月24日大法廷判決は,不当処分取消並びに憲法擁護尊重義務履行等請求事件において,14条ただし書の適用範囲を示した。事件番号は昭和25年(オ)第131号であり,民集6巻11号1214頁に掲載されている。

同判決は,14条ただし書が制限するのは個々の刑事事件の取調べ又は処分に関する指揮であり,法務総裁が国を代表して民事訴訟を追行するために所部の職員を訴訟代理人に指定する行為には適用されないとした。14条の対象を検察官のあらゆる職務へ拡張しないための重要な判例である。

2 最高裁平成7年2月22日大法廷判決

最高裁平成7年2月22日大法廷判決は,ロッキード事件丸紅ルートの上告審判決である。事件番号は昭和62年(あ)第1351号であり,刑集49巻2号1頁に掲載されている。

同判決は,内閣総理大臣が閣議にかけて決定した方針に基づいて行政各部を指揮監督する権限を有するほか,内閣の明示の意思に反しない限り,主任大臣に対して指導,勧告又は助言等の働き掛けをする権能を有すると判示した。この判決自体は検察庁法14条の射程を判示したものではなく,法務大臣が個別事件について検察官に法的な指揮をするときの経路は同条ただし書によって決まる。

3 処分請訓規程及び刑事関係報告規程

処分請訓規程は,一定の重大又は特殊な犯罪について,検察官が処分前に上級庁の指揮を受け,検事総長が法務大臣の指揮を受ける手続を定める。旧記事にあった「外国の施設に対して犯した罪」という記載は誤りであり,公開されている規程の文言は「外国の使節に対して犯した罪」である。

刑事関係報告規程は,一定の事件について検事総長等から法務大臣へ報告する仕組みを定める。これらの規程は,一般的指揮監督と個別事件の指揮とが,報告及び請訓の制度を通じて実務上接続することを示している。

もっとも,公開されている処分請訓規程の全文は平成26年改正後のものであり,刑事関係報告規程の全文は平成23年12月27日改正後のものである。令和8年8月までの全改正を反映した規程全文は法務省の公開資料から確認できないため,個別の犯罪類型及び報告事項を現行のものとして利用する場合は,別途最新規程を確認する必要がある。

4 検察庁事務章程

法務大臣訓令である検察庁事務章程は,最高検察庁,高等検察庁及び地方検察庁の事務分掌並びに報告経路を定めている。令和8年4月8日改正後の公開版では,8条が検察庁法4条及び6条の事務について上司の指揮監督の下で処理することを定め,26条が法務大臣に対する請求又は報告について上司を経由する原則と急を要する場合の例外を定めている。

検察庁事務章程は検察行政の内部的な分掌を定めるものであり,それ自体が14条ただし書による個別事件の指揮権を拡張するものではない。個別事件の取調べ又は処分に関する法務大臣の指揮は,事務分掌にかかわらず検事総長を相手方としなければならない。

第8 立法時の説明1 昭和22年3月19日の衆議院審議

昭和22年3月19日の衆議院司法委員会では,検察庁法案について,検察事務が行政作用である以上は司法大臣が政治責任を負う一方,個々の事件への指揮は検事総長を通じて行うとの制度説明がされた。

この説明は,法務大臣の権限を全面的に排除することが法案の目的ではなかったことを示す。同時に,個別事件の担当者へ政治家が直接命令することを防ぐため,検事総長を制度上の関門としたことも明らかである。

2 昭和22年3月30日の貴族院審議

昭和22年3月30日の貴族院司法委員会でも,司法大臣が一般的な指揮監督を行う一方,個別事件の指揮は検事総長に限るとの説明がされた。検察の職務の独立性に配慮しながら,行政機関としての責任関係を残すという考え方は,制定時から一貫している。

14条は,検察を政治部門から完全に切り離す規定でも,法務大臣に個別事件への自由な介入を認める規定でもない。一般的指揮監督を認め,個別事件では検事総長だけを指揮できるとする二段階の仕組みとして理解する必要がある。

第9 出典・参考資料1 法令

① 検察庁法

② 内閣法

③ 検察庁事務章程

④ 日本国憲法76条

2 裁判例

① 最高裁昭和27年12月24日大法廷判決・昭和25年(オ)第131号(民集6巻11号1214頁)

② 最高裁平成7年2月22日大法廷判決・昭和62年(あ)第1351号(刑集49巻2号1頁)

3 国会会議録及び公的資料

① 昭和22年3月19日衆議院司法委員会会議録

② 昭和22年3月30日貴族院司法委員会会議録

③ 昭和29年4月23日参議院決議

④ 平成19年6月8日付政府答弁書

⑤ 平成21年3月17日衆議院法務委員会会議録

⑥ 平成23年4月13日衆議院法務委員会会議録

⑦ 平成25年5月10日衆議院法務委員会会議録

⑧ 令和6年2月15日衆議院予算委員会会議録

⑨ 令和6年6月11日参議院法務委員会会議録

⑩ 令和7年5月27日参議院法務委員会会議録

⑪ 最高検察庁「検察改革の進捗状況に関する報告書」

4 文献

① 伊藤栄樹『新版 検察庁法逐条解説』(良書普及会,1986年)84頁~105頁

② 法曹会編『検察講義案 平成24年版』(法曹会,2012年)13頁

③ 伊藤栄樹『秋霜烈日―検事総長の回想』(朝日新聞社,1988年)35頁~38頁

④ 最高検察庁中央広報部「新検察制度十年の回顧(二)」(法曹時報10巻2号,1958年)69頁~71頁〔通巻213頁~215頁〕

「新検察制度十年の回顧」は,検察制度の成立経緯について聞き取りや提供資料等を基にまとめた昭和33年の回顧である。
同稿の「司法大臣の指揮権について」は制度の成立過程を説明するが,当初の目次に掲げられた「指揮権発動」等の第三部は,最終回で割愛されている。
そのため,造船疑獄の具体的経過については,参議院決議など,当該事件を扱う資料を別に参照する必要がある。

⑤ 池田修・前田雅英『刑事訴訟法講義 第6版』(東京大学出版会,2018年)55頁

⑥ 愛知正博編『アクティブ刑事訴訟法』(法律文化社,2022年)36頁

⑦ 中山善房ほか編『大コンメンタール刑事訴訟法 第3版 第5巻』(青林書院,2025年)73頁及び80頁~81頁

⑧ 宇賀克也『行政法概説Ⅲ 行政組織法/公務員法/公物法 第5版』(有斐閣,2019年)85頁~86頁

検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯

目次
1 検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯
2 判検事の場合,地方のポストの格が高いこと
3 関連記事その他

1 検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯
・ 検事総長,次長検事及び検事長が認証官となった経緯に関して,「新検察制度の十年の回顧」には以下の記載があります(法曹時報10巻2号68頁及び69頁)。

   マックァーサー憲法の草案が提示された際、草案の規定のなかに天皇の認証ということがあった。当時はまだ国内的に認証官の種類や範囲が全然考えられていなかったのであるが、検察庁法を制定するにあたって立法者は検事総長、次長検事、検事長を認証官とすることを考え、これを草案に規定して総司令部の承認を得て認証官としたのである。
   この着想は極めて機敏に行われたため、総司令部との折衝や法制局との協議は極めて順調に進められた。行政機構が漸次整備した後において認証官の設置を希望する官庁が少くなかったにも拘らずその実現を果たし得なかったことを思えば、検察庁法の立案に当った関係者の明敏さには敬意を払わざるを得ないのである。
   検事総長、次長検事、検事長を認証官とする構想は、旧憲法下における天皇の親任官から由来したもので、これまで親任官であった国務大臣は新憲法の下においても当然天皇の認証が行われ、また憲法の改正により最高裁判所が実現すれば三権分立の強化から、内閣総理大臣に匹敵する最高裁判所長官も亦認証官となり、最高裁判所長官が認証官となれば裁判所の従来の伝統から、高等裁判所長官もおそらく認証官に加えられるものと予測し、最高裁判所および高等裁判所に対応する最高検察庁、高等検察庁の長および高等検察庁の長と同等の待遇を受ける最高検察庁次長検事の官が裁判官と権衡を失することのないようにするため検事総長、次長検事、検事長を認証官にしようとしたものであるが、総司令部は当初天皇の認証する官というものにそれ程深い関心を払っていなかったもののようであり、その折衝に対しては、さしたる異論もなく承認を与えてくれたのである。
   しかし検事総長、次長検事、検事長は、従来検事がその職に補せられていたので、新立法に際してもこれと同様に考え「職を認証する」ものとして法制局と折衝したところ、法制局の意見として、憲法の規定は官を認証するのだから検事総長、次長検事、検事長は官名でなければならぬということであったので、それまで検察官を検事と副検事とすることにしていた考えを検討し直し、検事総長、次長検事、検事長を認証官とする関係から、結局検察官の種類をこれにも及ぼすこととして、検察官を検事総長、次長検事、検事長および検事、副検事とすることにしたのである。

2 判検事の場合,地方のポストの格が高いこと
・ 平成22年度3年目フォローアップ研修「事務次官講話」の「問題意識、丈夫な頭、健康」と題する講演(平成22年10月4日実施)において,大野恒太郎法務事務次官は以下の発言をしています(リンク先のPDF3頁)。
    (山中注:検事の場合)地方のポストの格が高いというのも大きな特徴です。例えば、高等検察庁の検事長は認証官とされておりますので、次官よりも格上です。また、本省の局長が検察庁に戻ると、地方検察庁の検事正クラスということになります。こうした地方のポストが高いという特徴も裁判官と同様です。

3 関連記事その他
(1) 制定時の裁判所構成法では,検事総長は勅任官でしたが,大正3年5月1日,勅任検事をもって親補するところの親補職となり,大正10年6月1日,大審院長と同様,親任検事をもって親補するところの親任官となりました(裁判所構成法79条3項)。
   また,戦前の検事総長は大審院の検事局に置かれていました(裁判所構成法56条1項)。
(2) 控訴院検事長は,司法大臣の上奏により勅任検事の中から補されており(裁判所構成法79条4項),親補職ではありませんでした。
   また,戦前の検事長は控訴院の検事局に置かれていました(裁判所構成法42条1項)。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 親任式及び認証官任命式
・ 法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)
・ 法務省作成の検事期別名簿

・ 動画の6分54秒から7分7秒にかけて,「官記を受け取ったら,本当は頭より上に掲げて降ろさないようにお辞儀をすることになっています。検事総長は恐らく初めての認証式ではないので上に掲げていたから中身が見えるんです。」というナレーションが流れます。

認証官任命式について(法務省大臣官房人事課の文書)2/2を添付しています。 pic.twitter.com/rNBGQE4oUh

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) February 13, 2023

黒川検事長の勤務延長に関する行政文書と国会答弁資料(AI作成)

目次

第1 法務省の文書第2 人事院の文書第3 法務大臣及び内閣答弁書の説明第4 令和2年4月6日の政府答弁(法務省,人事院,内閣法制局及び内閣人事局の答弁)第5 昭和22年の政府文書に関する内閣答弁書の記載第6 関連記事と別制度の資料

令和2年1月の法務省・人事院の検討文書と,文書の作成時期,関係省庁への協議及び大臣への報告に関する当時の政府答弁を掲載する。文書自体に記載された内容,作成日の説明,後の裁判所の認定を区別して読む必要がある。

以下で引用する条文・政府説明は,原則として令和2年当時のものである。現行検察庁法22条2項は,国家公務員法上の勤務延長制度を検察官に適用しないと明記している。現在の定年と役職定年は検察官の定年・役職定年・勤務延長――2020年案と現行制度の違いを参照されたい。

解釈変更の目的と文書不存在をめぐる裁判所の判断は,黒川検事長の勤務延長と文書不存在――大阪地裁令和6年6月27日判決の解説で,請求対象文書1~5及び国家賠償請求を分けて整理している。

法務省が公表した勤務延長制度の検察官への適用について(2頁)及び検察庁法改正案策定経緯文書(4頁)も参照されたい。第1の転記は前者の公表PDFに照合している。

策定経緯文書による協議日は,内閣法制局が1月17日~21日,人事院が22日~24日,内閣人事局が23日である。大臣に報告した日についての4月6日の答弁は「16日又は17日」としており,一方の日付に確定した説明ではない。

第1 法務省の文書
・ 法務省が令和2年1月に作成した「勤務延長制度(国公法第81条の3)の検察官への適用について」は以下のとおりです。

   

国家公務員法(以下「国公法」という。)第81条の3に規定される,定年による退職の特例(以
下「勤務延長制度」という。)は,特定の職員に定年後も引き続きその職務を担当させることが公
務遂行上必要な場合に,定年制度の趣旨を損なわない範囲で定年を超えて勤務の延長を認め,公
務遂行に支障を生じさせないようにしようという趣旨から設けられている(森園幸男ほか編「逐
条国家公務員法(全訂版)」698頁)。
勤務延長制度は,職員が同法第81条の2第1項により退職する場合に適用されるところ,同
項において,職員が定年に達したときは,定年に達した日以後の最初の3月31日又は任命権者
があらかじめ指定する日のいずれか早い日に退職する旨規定され,同条第2項において,職員の
定年年齢が原則として60歳である旨規定されている。
一方,検察官の定年については,検察庁法第22条において,一般の国家公務員とは異なり,
検事総長は65歳,その他の検察官は63歳にそれぞれ達した時に退官する旨規定され,さらに,
同法第32条の2において,同法第22条の規定は,国公法附則第13条の規定により,検察官
の職務と責任の特殊性に基づいて,同法の特例を定めたものとする旨規定されている。
このように,検察官の退職(退官)に関して国公法の特例となっているのは,定年年齢と退職
時期であり(具体的には,同法第81条の2第1項に規定される「法律」による「別段の定め」
は,検察庁法(22条)により規定される定年年齢と定年による退職時期と解される。前記逐条
国家公務員法1233頁も同旨。),検察官の定年による退職は,広く捉えれば,一般法たる国公
法が規定する「定年による退職」に包含されるものと解される。そして,前記の勤務延長制度の
趣旨は,検察官にも等しく及ぶというべきであり,検察官についても,国公法の定年制度を前提
とする勤務延長制度の適用があると解される。

(続きを読む...)黒川検事長の勤務延長に関する行政文書と国会答弁資料(AI作成)

国税庁長官及び東京国税局長の事務引継資料(令和元年7月頃の文書)

目次
1 国税庁長官の引継資料
2 東京国税局の局長事務引継書等
3 関連記事その他

1 国税庁長官の引継資料
   令和2年4月10日付の国税庁長官の開示決定通知書によって開示された,国税庁長官の引継資料を以下のとおり掲載しています。
・ 長官官房
   総務課,人事課,会計課,企画課及び参事官,国際業務課及び相互協議室,厚生管理官,監察官室及び税務相談官
・ 課税部
   課税総括課,消費税室,審理室,個人課税課,資産課税課,法人課税課,酒税課,鑑定企画官
・ 徴収部(管理運営課及び徴収課)
・ 調査査察部(調査課及び査察課)
・ 税務大学校の概要
・ 国税不服審判所の概要

2 東京国税局の局長事務引継書等
(1) 東京国税局の局長事務引継書(令和元年7月)を掲載しています。
   中身としては,重要事項,総務部関係,課税第一部関係,課税第二部関係,徴収部関係及び査察部関係からなります。
(2) 東京国税局の局長及び総務部長 挨拶回り先名簿(令和元年7月18日現在)を掲載しています。

3 関連記事その他
(1) 以下の資料を掲載しています。
・ 調査査察部調査課所掌事務規程(昭和26年1月20日国税庁訓令第1号。令和3年7月10日時点のもの)
・ 「調査課事務提要」のうち第3章第2節「7 所管指定」の部分
→ 税務署所管法人及び国税局調査課所管法人に関するものです。
・ 令和4事務年度年末年始における綱紀の厳粛な保持について(令和4年12月1日付の大阪国税局長の指示)
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 歴代の国税不服審判所長
・ 令和元年7月採用の国税審判官の研修資料

(続きを読む...)国税庁長官及び東京国税局長の事務引継資料(令和元年7月頃の文書)

検察官の定年・役職定年・勤務延長――2020年案と現行制度の違い(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論第2 2020年の勤務延長から現行法までの経過第3 黒川検事長の勤務延長と2020年の解釈変更1 閣議決定と政府が示した理由2 従前の理解からの変更3 当時の解釈と現在の制度は同じではないこと第4 廃案となった2020年の検察庁法改正案1 法案が予定していた制度2 同案は現行法ではないこと第5 2021年改正法と現行の検事長の取扱い1 検察官の定年は65歳であること2 国家公務員法上の勤務延長は適用されないこと3 検事長は63歳で役職を離れること第6 2020年案と現行法の相違第7 大阪地裁令和6年6月27日判決の内容と限界1 情報公開訴訟として示された判断2 勤務延長自体の違法性を判断した判決ではないこと第8 関連記事第9 出典・参考資料1 法令2 国会提出法案・審議経過3 所管行政機関の説明・公文書4 裁判例
第1 この記事の対象と結論

本記事は,調査基準日である2026年10月11日現在の法令に基づき,①2020年1月の黒川弘務東京高検検事長の勤務延長,②同年に提出されて廃案となった検察庁法改正部分を含む法案,③2021年に成立して2023年に施行された現行制度を区別して説明するものである。

結論として,第201回国会に提出された2020年案は成立していない。
その後に成立した2021年改正法は内容が異なり,現行検察庁法22条2項は,国家公務員法81条の7が定める定年による退職の特例を検察官に適用しないと明記している。

本記事でいう「勤務延長」とは,定年後も同じ職員を引き続き勤務させる国家公務員法上の制度を指す。
これに対し,検察官としての定年が65歳であることと,次長検事又は検事長が63歳でその役職を離れることは別の制度である。

第2 2020年の勤務延長から現行法までの経過
年月日出来事法的又は資料上の位置付け2020年1月16日法務省内で検察官にも勤務延長制度を適用できるとの検討メモが作成された2020年の政府解釈の形成過程2020年1月24日関係省庁から異論がない旨の回答を得て政府内の結論に至ったと法務省が説明した政府の説明2020年1月31日内閣が黒川弘務東京高検検事長の勤務を同年8月7日まで延長することを決定した閣議決定2020年3月13日国家公務員法等の一部を改正する法律案(第201回国会閣法第52号)が提出された2020年案2020年6月17日第201回国会が閉会し,同案の衆議院審査は審査未了となった成立せず廃案2021年4月13日内容を変更した国家公務員法等の一部を改正する法律案(第204回国会閣法第63号)が提出された2021年案2021年6月4日2021年案が参議院本会議で可決されて成立した成立法2021年6月11日令和3年法律第61号として公布された公布2023年4月1日改正法が原則施行され,検察官への勤務延長制度の適用除外が明文化された現行制度の施行2024年6月27日大阪地方裁判所が解釈変更関係文書の不開示決定の一部を取り消した情報公開訴訟の判決2025年4月1日経過措置の対象期間が終わり,検察官の定年が一律65歳となった現行の定年年齢
第3 黒川検事長の勤務延長と2020年の解釈変更
1 閣議決定と政府が示した理由

令和2年1月31日の定例閣議案件には,黒川弘務東京高検検事長を同年2月8日から8月7日まで引き続き勤務させることが記載されている。
当時の根拠とされたのは,改正前の国家公務員法81条の3第1項である。

政府は,東京高検管内の重大かつ複雑困難な事件の捜査公判に対応するため,黒川検事長の経験と知識に基づく指揮監督が不可欠であり,当分の間その職務を続けさせる必要があると説明した。
対象事件の内容については,捜査機関の活動内容と体制に関わるとして国会で明らかにしなかった。

2 従前の理解からの変更

政府は,国家公務員法に勤務延長制度が導入された1981年当時,この制度は検察官には適用されないと理解していた。
法務省は2019年12月頃から国家公務員法と検察庁法の関係を再検討し,2020年1月,検察庁法が定める特例は定年年齢と退官時期に限られるため,勤務延長制度は検察官にも適用できるとの解釈に変更したと国会で説明した。

法務省の「勤務延長制度(国公法第81条の3)の検察官への適用について」及び「検察庁法改正案策定経緯文書」は,この検討と関係省庁との協議経過を示す公文書である。
政府は国会で,社会経済情勢と犯罪の複雑困難化を理由に解釈変更は適法かつ有効であると説明したが,その手続,時期及び個別人事との関係については国会審議で争われた。

3 当時の解釈と現在の制度は同じではないこと

2020年の勤務延長は,当時の政府が採用した法解釈に基づく個別の人事措置である。
後記の大阪地裁判決も,勤務延長の閣議決定そのものの適法性を直接判断したものではないため,判決によって当時の法的議論が全面的に確定したと捉えることはできない。

他方,2023年4月1日に施行された現行検察庁法22条2項は,検察官に国家公務員法上の勤務延長制度を適用しないと明記した。
したがって,2020年の解釈を現在の検事長にそのまま用いる余地はない。

第4 廃案となった2020年の検察庁法改正案
1 法案が予定していた制度

一般に「2020年の検察庁法改正案」と呼ばれたものは,検察庁法の改正部分を含む国家公務員法等の一部を改正する法律案(第201回国会閣法第52号)である。
同案は,検事総長以外の検察官の定年を段階的に65歳へ引き上げるとともに,国家公務員法上の勤務延長制度を読替えの上で検察官にも適用する内容を含んでいた。

(続きを読む...)検察官の定年・役職定年・勤務延長――2020年案と現行制度の違い(AI作成)

検察官の勤務延長をめぐる2020年の法解釈――政府説明と反対意見(AI作成)

目次

第1 令和2年当時の政府説明の要約第2 当時の政府見解についての筆者の補足検討第3 関連記事と反対意見第4 制度史の補足資料

令和2年の検察官の勤務延長をめぐる法解釈について,政府答弁の筆者による要約と,筆者が検討した補足理由を区別して掲載する。政府説明の引用又は要約は,その法解釈が裁判で確定したことを意味しない。

以下で引用する条文・政府説明は,原則として令和2年当時のものである。現行検察庁法22条2項は,国家公務員法上の勤務延長制度を検察官に適用しないと明記している。現在の定年と役職定年は検察官の定年・役職定年・勤務延長――2020年案と現行制度の違いを参照されたい。

第1 令和2年当時の政府説明の要約
   一般法たる国家公務員法の懲戒,服務等の諸規定については,特に読替規定を置くこともなく,当然に検察官にも適用されているのであって,例えば,任命権者から懲戒処分を受けた職員は人事院に不服申立てを行ってその審査を受けることができるものとされているところ、これは内閣が任命する検事長についても変わらない。
   また,公務員の中の新陳代謝を図りながら,きちっとした年齢まで働けるということを前提に,安心して人生設計をさせて,しっかり職務に当たらせるという定年制度の意義自身は,同じ国家公務員たる検察官と一般の公務員とで同じであるから,そこのところについて何か検察官の特殊性がどうこうという議論は基本的にはない。
   さらに,検察庁法32条の2は,その職務執行の公正が直接刑事裁判の結果に重大な影響を及ぼすという検察官の職務と責任の特殊性は国家公務員法施行後も変わらないことから,検察庁法中,検察官の任免に関する規定を国家公務員法の特例としたというものであり,他の一般の国家公務員についても定年が定められた昭和56年の国家公務員法改正後において検察官に特別の定年が定められているのは,その職務と責任に特殊性があることによるものと解される。
   ところで,昭和55年10月の総理府人事局作成の想定問答には,検察官の場合,勤務延長が認められないと記載されているものの,その理由は必ずしも明らかではないし,大学の教員についても勤務延長が認められない理由が職務の特殊性によるものかどうかも明らかではないし,当時と比べて色々検察行政が複雑化しているといった情勢の変化からすれば,行政府の判断として責任を持って解釈変更をするのであれば問題はない。
   また,司法大臣の決定により最大で3年間,引き続き検事は在職できるとしていた裁判所構成法80条ノ2と同趣旨の規定が検察庁法で定められなかった理由について帝国議会議事録等でも特段触れられていないため,その理由は必ずしも明らかではない。
   そのため,国家公務員が定年により退職するという規範そのものは,検察官であっても一般法たる国家公務員法によっているというべきであって,検察官の定年による退職は,検察庁法22条により定年年齢及び退職時期について修正された国家公務員法81条の2第1項に基づくものと解される。
   よって,前条第1項の規定により退職した場合に適用される国家公務員法81条の3は検察官にも適用されるものと解される。

第2 当時の政府見解についての筆者の補足検討
① 「一級の検察官は、内閣が、二級の検察官は、内閣総理大臣が、これを任免する。」と定めていた検察庁法15条3項が昭和24年5月31日法律第138号により削除され,検事及び副検事の任免権者に関する定めが検察庁法に存在しなくなった結果,国家公務員法55条1項及び61条に基づき,法務総裁(昭和27年8月1日以降は法務大臣)が検事及び副検事の任免権者となった(国家公務員法55条1項の適用につき昭和24年5月11日の参議院法務委員会における高橋一郎法務庁検務局長の答弁参照)。
   また,「この法律の規定は、国家公務員法の如何なる条項をも廃止し、若しくは修正し、又はこれに代わるものではない。」と定める検察官俸給法(昭和23年7月1日法律第76号)附則8条は,国家公務員法の規定が検察官俸給法に優先するものであるという一つの思想を表現したものである(昭和23年5月5日の参議院司法委員会における岡咲恕一法務庁調査意見第一局長の答弁参照)ことからしても,検察官に対する国家公務員法の適用が避けられていたわけでは全くない。
   そのため,これらのことからしても,検察庁法に定めのない事項については,国家公務員法が当然に適用されるといえる。
② 検察庁法32条の2は,国家公務員法(昭和22年10月21日法律第120号)が制定された後の昭和24年5月31日法律第138号によって追加された条文であるところ,当時の国家公務員法には定年年齢及び退職時期の定めがなかったため,勤務延長が問題となることもなかった。
   そのため,定年年齢及び退職時期について定めているだけの検察庁法22条は,昭和56年6月11日法律第77号によって追加された国家公務員法81条の3(定年による退職の特例)の特例まで定めたものとはいえない。
③ 大学の教員については,教育を通じて国民全体に奉仕する教育公務員の職務とその責任の特殊性に基き,制定当時の教育公務員特例法(昭和24年1月12日法律第1号)8条2項に基づき,停年が定められていた。
   そして,平成13年4月1日以降,国立大学の教員については平成11年7月7日法律第83号による改正後の教育公務員特例法8条の2第2項(平成16年4月1日の国立大学法人化に伴い,平成15年7月16日法律第117号に基づき削除)に基づき,公立大学の教員については平成11年7月22日法律第107号による改正後の教育公務員特例法8条の3第2項(令和2年当時の8条2項)に基づき,勤務延長を定める当時の国家公務員法81条の3及び地方公務員法28条の3の適用が明文で排除されるようになった。
   それにもかかわらず,検察庁法については同趣旨の改正が行われなかった。
④ 職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより定年を60歳とすることが著しく不適当と認められる官職を占める職員については,60歳を超えて65歳を超えない範囲内の定年を人事院規則で定めることが予定されている(国家公務員法81条の2第2項3号)ところ,例えば,事務次官,外局の長官,会計検査院事務総長及び人事院事務総長の定年は62歳とされている(人事院規則11-8(職員の定年)別表)。
   そのため,職務と責任の特殊性は,定年年齢を遅くする方向に考慮すべき事情といえる。
⑤ 人事院は内閣の所轄の下にある(国家公務員法3条1項前段。なお,憲法73条4号の「官吏に関する事務を掌理すること。」参照)とはいえ,国家行政組織法の適用が除外されている(国家公務員法4条4項後段)し,会計検査院は内閣に対し独立の地位を有している(会計検査院法1条。なお,憲法90条1項参照)。
   そのため,これらの機関は,法務省に置かれる特別の機関であり(法務省設置法14条1項),検察に関する事務をつかさどる法務省(法務省設置法4条1項7号)の長である法務大臣(法務省設置法2条2項)の一般的な指揮監督を受ける検察庁(検察庁法14条本文)よりも高度の独立性を有しているといえる。
   そして,人事院事務総局(国家公務員法13条)の職員及び会計検査院事務総局(会計検査院法2条及び12条)の職員についても勤務延長に関する国家公務員法81条の3が適用されることからすれば,独立性を確保する必要性が高いというだけの理由により勤務延長を一律に否定する必要があるとはいえない。
⑥ 両議院の同意を経て,内閣が任命する人事官(国家公務員法5条1項)は,任命前の5年間において,政党の役員等をしていた者が任命されることはできないし(国家公務員法5条4項),同一の大学学部を卒業した人が2人以上任命されることはできない(国家公務員法5条5項)ぐらい,政治的中立性が要求されているところ,引き続き12年を超えて在任することができない(国家公務員法7条2項)とはいえ,定年の定め自体がない。
   そのため,政治的中立性を確保する必要性が高いというだけの理由により勤務延長を一律に否定する必要があるとはいえない。
⑦ 昭和56年4月28日の衆議院内閣委員会における斧誠之助人事院任用局長の答弁は,何ら理由を述べることなく,改正国家公務員法に基づく定年制が適用されないと説明しているに過ぎないし,そもそも検察庁法を所管している法務省刑事局長の答弁ではない。

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法務・検察幹部名簿(2019年4月17日時点・修習期→生年月日順)

生年月日が開示される法務大臣決裁の対象人事に限るものの,法務・検察幹部の氏名,修習期,生年月日,年齢,現職就任日,現職及び前職につき,2019年4月17日時点のものを,修習期→生年月日順で以下のとおり掲載しています(元データは「法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)」に掲載しています。)。

1 稲田伸夫 33 期 1956年8月14日 62 歳 2018年7月25日 検事総長 ( 東京高検検事長 )
2 稲川龍也 35 期 1956年9月13日 62 歳 2018年1月9日 広島高検検事長 ( 高松高検検事長 )
3 黒川弘務 35 期 1957年2月8日 62 歳 2019年1月18日 東京高検検事長 ( 法務事務次官 )
4 林眞琴 35 期 1957年7月30日 61 歳 2018年1月9日 名古屋高検検事長 ( 法務省刑事局長 )
5 上野友慈 35 期 1957年8月28日 61 歳 2018年2月26日 大阪高検検事長 ( 札幌高検検事長 )
6 小川新二 36 期 1957年3月27日 62 歳 2018年1月9日 高松高検検事長 ( 最高検公安部長 )
7 大谷晃大 36 期 1957年5月7日 61 歳 2018年7月25日 仙台高検検事長 ( 横浜地検検事正 )
8 堺徹 36 期 1958年7月17日 60 歳 2018年7月25日 次長検事 ( 仙台高検検事長 )
9 榊原一夫 36 期 1958年8月6日 60 歳 2018年2月26日 福岡高検検事長 ( 大阪地検検事正 )
10 中川清明 36 期 1958年9月13日 60 歳 2016年9月5日 公安調査庁長官 ( 最高検公安部長 )
11 甲斐行夫 36 期 1959年9月26日 59 歳 2017年9月7日 東京地検検事正 ( 最高検刑事部長 )
12 井上宏 37 期 1957年6月17日 61 歳 2018年2月26日 札幌高検検事長 ( 名古屋地検検事正 )
13 片岡弘 37 期 1958年4月8日 61 歳 2018年2月26日 名古屋地検検事正 ( 千葉地検検事正 )
14 杉山治樹 37 期 1959年3月6日 60 歳 2018年1月22日 神戸地検検事正 ( 最高検検事 )
15 北川健太郎 37 期 1959年9月14日 59 歳 2018年2月26日 大阪地検検事正 ( 最高検刑事部長 )
16 中原亮一 37 期 1959年11月29日 59 歳 2018年7月25日 横浜地検検事正 ( 最高検公安部長 )
17 堀嗣亜貴 37 期 1960年5月4日 58 歳 2018年1月22日 福岡地検検事正 ( 仙台地検検事正 )
18 北村篤 37 期 1961年3月4日 58 歳 2018年2月26日 千葉地検検事正 ( 広島地検検事正 )
19 野口元郎 37 期 1961年4月1日 58 歳 2014年4月11日 最高検検事 ( 法務総合研究所国際協力部長 )
20 曽木徹也 38 期 1960年1月5日 59 歳 2018年7月25日 最高検公安部長 ( 東京高検次席検事 )
21 落合義和 38 期 1960年1月7日 59 歳 2018年2月26日 最高検刑事部長 ( さいたま地検検事正 )
22 大塲亮太郎 38 期 1960年3月6日 59 歳 2019年1月18日 法務総合研究所長 ( 最高検公判部長 )
23 辻裕教 38 期 1961年10月4日 57 歳 2019年1月18日 法務事務次官 ( 法務省刑事局長 )
24 千田恵介 39 期 1958年8月12日 60 歳 2018年6月25日 高松地検検事正 ( 法務総合研究所国際協力部長 )
25 山上秀明 39 期 1960年7月14日 58 歳 2018年7月25日 東京高検次席検事 ( 東京地検次席検事 )
26 田辺泰弘 39 期 1960年11月7日 58 歳 2017年6月23日 大阪高検次席検事 ( 大阪地検次席検事 )
27 廣上克洋 39 期 1961年11月8日 57 歳 2018年1月22日 最高検総務部長 ( 名古屋高検次席検事 )
28 和田雅樹 39 期 1961年12月21日 57 歳 2019年1月18日 最高検公判部長 ( 法務省入国管理局長 )

(続きを読む...)法務・検察幹部名簿(2019年4月17日時点・修習期→生年月日順)

法務・検察幹部名簿(平成31年4月17日現在)―ポスト・生年月日・修習期で探す(AI作成)

目次第1 この名簿の基準日と使い方第2 ポスト順の名簿第3 生年月日・修習期から探す1 生年月日順の索引2 修習期・生年月日順の索引第4 出典と関連記事
第1 この名簿の基準日と使い方

本記事は,法務省作成の法務・検察幹部名簿のうち,平成31年4月17日現在のテキスト版である。
掲載対象は従前の3種類の並べ方の名簿と同じ111人であり,検察官全員を収録する名簿ではない。

第2はポスト順の全項目,第3は生年月日順及び修習期順の索引である。
索引の「名簿番号」は第2の番号に対応する。氏名をページ内検索する方法でも,第2の該当欄を探すことができる。

氏名,修習期,生年月日,年齢,現職就任日,現職及び前職は,当該基準日の掲載内容である。
年齢は基準日時点の記載を維持しており,現在の年齢や在職状況ではない。修習期が記載されていることと,別の基準日・別の名簿で同じ情報が開示されることは区別する必要がある。

第2 ポスト順の名簿

「就任日」は掲載された現職の就任日,「前職」は原資料の括弧内の記載である。

番号・氏名・修習期生年月日・年齢現職・就任日前職1 辻裕教/38期1961年10月4日/57歳法務事務次官/2019年1月18日法務省刑事局長2 川原隆司/41期1964年8月16日/54歳法務省大臣官房長/2019年1月18日最高検検事3 西山卓爾/45期1966年10月25日/52歳法務省大臣官房政策立案総括審議官/2019年1月18日法務省大臣官房審議官(訟務局担当)4 山内由光/47期1966年1月12日/53歳法務省大臣官房審議官/2018年2月26日国際・人権担当) ( 法務省刑事局国際課長5 保坂和人/47期1968年12月27日/50歳法務省大臣官房審議官/2019年1月18日刑事局担当) ( 法務省刑事局刑事法制管理官6 石井隆/44期1965年11月2日/53歳法務省大臣官房審議官/2019年1月18日訟務局担当) ( 法務総合研究所総務企画部長7 吉川崇/47期1968年4月4日/51歳法務省大臣官房秘書課長/2019年1月18日法務省刑事局総務課長8 伊藤栄二/43期1966年10月4日/52歳法務省大臣官房人事課長/2015年10月27日法務省刑事局総務課長9 松下裕子/45期1968年2月20日/51歳法務省大臣官房会計課長/2018年7月19日法務省刑事局総務課長10 佐久間佳枝/47期1963年10月8日/55歳法務省大臣官房施設課長/2019年4月1日法務省人権擁護局総務課長11 小山太士/40期1961年5月13日/57歳法務省刑事局長/2019年1月18日法務省大臣官房長12 菊池浩/42期1963年11月7日/55歳法務省人権擁護局長/2019年4月1日奈良地検検事正13 大塲亮太郎/38期1960年3月6日/59歳法務総合研究所長/2019年1月18日最高検公判部長14 高嶋智光/41期1961年10月6日/57歳出入国在留管理庁次長/2019年4月1日法務省人権擁護局長15 佐藤淳/46期1969年1月12日/50歳出入国在留管理庁審議官/2019年4月1日総合調整担当) ( 法務省大臣官房施設課長16 中川清明/36期1958年9月13日/60歳公安調査庁長官/2016年9月5日最高検公安部長17 浦田啓一/41期1963年10月28日/55歳公安調査庁次長/2018年1月9日大津地検検事正18 稲田伸夫/33期1956年8月14日/62歳検事総長/2018年7月25日東京高検検事長19 堺徹/36期1958年7月17日/60歳次長検事/2018年7月25日仙台高検検事長20 廣上克洋/39期1961年11月8日/57歳最高検総務部長/2018年1月22日名古屋高検次席検事21 畝本直美/40期1962年7月9日/56歳最高検監察指導部長/2019年1月18日法務省保護局長22 落合義和/38期1960年1月7日/59歳最高検刑事部長/2018年2月26日さいたま地検検事正23 曽木徹也/38期1960年1月5日/59歳最高検公安部長/2018年7月25日東京高検次席検事24 和田雅樹/39期1961年12月21日/57歳最高検公判部長/2019年1月18日法務省入国管理局長25 齊藤隆博/41期1963年1月1日/56歳最高検検事/2017年7月27日徳島地検検事正26 関一穂/41期1959年7月16日/59歳最高検検事/2019年3月1日預金保険機構27 西谷隆/41期1961年11月28日/57歳最高検検事/2018年7月19日山口地検検事正28 吉田誠治/41期1961年4月27日/57歳最高検検事/2019年1月18日長野地検検事正29 吉田安志/41期1960年9月3日/58歳最高検検事/2018年10月30日新潟地検検事正30 山元裕史/42期1963年10月12日/55歳最高検検事/2018年7月25日福井地検検事正31 工藤恭裕/43期1966年2月22日/53歳最高検検事/2019年4月10日名古屋高検公安部長32 八澤健三郎/43期1965年1月27日/54歳最高検検事/2019年1月28日福岡地検次席検事33 森本加奈/44期1966年12月15日/52歳最高検検事/2019年4月1日東京高検検事34 大久保和征/44期1964年12月16日/54歳最高検検事/2019年4月1日東京高検公安部長35 野口元郎/37期1961年4月1日/58歳最高検検事/2014年4月11日法務総合研究所国際協力部長36 菅野俊明/46期1959年11月3日/59歳最高検検事/2019年4月1日東京高検検事37 黒川弘務/35期1957年2月8日/62歳東京高検検事長/2019年1月18日法務事務次官38 山上秀明/39期1960年7月14日/58歳東京高検次席検事/2018年7月25日東京地検次席検事39 甲斐行夫/36期1959年9月26日/59歳東京地検検事正/2017年9月7日最高検刑事部長40 久木元伸/41期1961年7月21日/57歳東京地検次席検事/2018年7月25日最高検検事41 中原亮一/37期1959年11月29日/59歳横浜地検検事正/2018年7月25日最高検公安部長42 竹内寛志/45期1964年11月3日/54歳横浜地検次席検事/2019年1月28日東京地検刑事部長43 上富敏伸/40期1962年8月10日/56歳さいたま地検検事正/2019年1月18日最高検監察指導部長44 坂本佳胤/45期1964年11月18日/54歳さいたま地検次席検事/2018年10月30日東京高検検事45 北村篤/37期1961年3月4日/58歳千葉地検検事正/2018年2月26日広島地検検事正46 清野憲一/45期1967年11月15日/51歳千葉地検次席検事/2018年6月25日東京地検公判部長47 片岡敏晃/42期1960年6月1日/58歳水戸地検検事正/2018年9月3日高知地検検事正48 阪井博/40期1959年4月1日/60歳宇都宮地検検事正/2018年10月30日金沢地検検事正49 大図明/40期1961年3月20日/58歳前橋地検検事正/2019年4月17日仙台高検次席検事50 神村昌通/41期1961年3月8日/58歳静岡地検検事正/2018年10月30日最高検検事51 宮川博行/43期1965年2月16日/54歳甲府地検検事正/2018年10月30日最高検検事52 宇川春彦/41期1962年2月20日/57歳長野地検検事正/2019年1月18日最高検検事53 関隆男/41期1959年10月14日/59歳新潟地検検事正/2018年10月30日札幌高検次席検事54 上野友慈/35期1957年8月28日/61歳大阪高検検事長/2018年2月26日札幌高検検事長55 田辺泰弘/39期1960年11月7日/58歳大阪高検次席検事/2017年6月23日大阪地検次席検事56 北川健太郎/37期1959年9月14日/59歳大阪地検検事正/2018年2月26日最高検刑事部長57 畝本毅/41期1960年7月17日/58歳大阪地検次席検事/2017年6月23日金沢地検検事正58 田中素子/40期1958年4月22日/60歳京都地検検事正/2018年2月26日水戸地検検事正59 鈴木眞理子/44期1963年2月19日/56歳京都地検次席検事/2018年7月19日大阪地検公判部長60 杉山治樹/37期1959年3月6日/60歳神戸地検検事正/2018年1月22日最高検検事61 勝山浩嗣/44期1965年1月1日/54歳神戸地検次席検事/2018年4月11日大阪地検公安部長62 山口英幸/43期1963年10月2日/55歳奈良地検検事正/2018年1月9日横浜地検次席検事63 吉池浩嗣/40期1961年12月11日/57歳大津地検検事正/2018年1月9日高知地検検事正64 山本幸博/43期1964年12月4日/54歳和歌山地検検事正/2018年6月25日東京地検立川支部長65 林眞琴/35期1957年7月30日/61歳名古屋高検検事長/2018年1月9日法務省刑事局長66 河瀬由美子/41期1961年9月4日/57歳名古屋高検次席検事/2018年1月22日最高検検事67 片岡弘/37期1958年4月8日/61歳名古屋地検検事正/2018年2月26日千葉地検検事正68 築雅子/46期1964年12月14日/54歳名古屋地検次席検事/2019年3月11日横浜地検公判部長69 松本裕/43期1964年9月12日/54歳津地検検事正/2019年1月18日法務省大臣官房秘書課長70 原島肇/40期1960年1月1日/59歳岐阜地検検事正/2018年6月25日広島高検次席検事71 秋山仁美/41期1960年11月20日/58歳福井地検検事正/2018年7月25日東京法務局長72 森脇尚史/43期1959年9月26日/59歳金沢地検検事正/2018年10月30日福岡地検小倉支部長73 新田智昭/44期1962年10月12日/56歳富山地検検事正/2019年3月11日名古屋地検次席検事74 稲川龍也/35期1956年9月13日/62歳広島高検検事長/2018年1月9日高松高検検事長75 小野正弘/42期1962年2月4日/57歳広島高検次席検事/2018年6月25日和歌山地検検事正76 片山巌/40期1960年7月10日/58歳広島地検検事正/2019年4月17日前橋地検検事正77 矢本忠嗣/41期1960年1月13日/59歳山口地検検事正/2018年7月19日佐賀地検検事正78 畑野隆二/40期1960年4月14日/59歳岡山地検検事正/2018年4月11日高松高検次席検事79 植村誠/42期1963年1月7日/56歳鳥取地検検事正/2018年2月26日神戸地検姫路支部長80 佐藤光代/42期1960年1月7日/59歳松江地検検事正/2018年4月11日静岡地検沼津支部長81 榊原一夫/36期1958年8月6日/60歳福岡高検検事長/2018年2月26日大阪地検検事正82 佐藤隆文/42期1962年1月14日/57歳福岡高検次席検事/2019年3月11日富山地検検事正83 堀嗣亜貴/37期1960年5月4日/58歳福岡地検検事正/2018年1月22日仙台地検検事正84 小弓場文彦/44期1964年3月1日/55歳福岡地検次席検事/2019年1月28日大阪高検刑事部長85 恒川由理子/43期1961年7月15日/57歳佐賀地検検事正/2018年7月19日京都地検次席検事86 仁田良行/40期1960年2月4日/59歳長崎地検検事正/2018年2月26日鳥取地検検事正87 永幡無二雄/43期1963年8月30日/55歳大分地検検事正/2019年1月28日最高検検事88 木村泰昌/42期1961年9月11日/57歳熊本地検検事正/2019年1月28日大分地検検事正89 古谷伸彦/43期1961年11月26日/57歳鹿児島地検検事正/2018年10月30日さいたま地検次席検事90 加藤俊治/44期1966年7月26日/52歳宮崎地検検事正/2019年3月11日最高検検事91 中村孝/42期1962年7月31日/56歳那覇地検検事正/2018年6月25日東京高検刑事部長92 大谷晃大/36期1957年5月7日/61歳仙台高検検事長/2018年7月25日横浜地検検事正93 佐藤美由紀/42期1960年8月30日/58歳仙台高検次席検事/2019年4月17日盛岡地検検事正94 森本和明/41期1963年12月30日/55歳仙台地検検事正/2019年3月11日福岡高検次席検事95 早川幸伸/42期1962年8月8日/56歳福島地検検事正/2019年3月11日宮崎地検検事正96 吉田久/43期1961年4月26日/57歳山形地検検事正/2018年7月25日最高検検事97 飯島泰/44期1966年4月30日/52歳盛岡地検検事正/2019年4月17日最高検検事98 木村匡良/42期1962年5月16日/56歳秋田地検検事正/2018年1月22日横浜地検小田原支部長99 西村尚芳/42期1960年6月19日/58歳青森地検検事正/2018年4月11日東京地検刑事部長100 井上宏/37期1957年6月17日/61歳札幌高検検事長/2018年2月26日名古屋地検検事正101 高橋久志/42期1962年12月6日/56歳札幌高検次席検事/2018年10月30日甲府地検検事正102 小澤正義/40期1959年1月3日/60歳札幌地検検事正/2018年2月26日福島地検検事正103 山本真千子/43期1963年10月9日/55歳函館地検検事正/2018年6月25日大阪地検特別捜査部長104 長谷川保/43期1963年6月30日/55歳旭川地検検事正/2018年7月25日横浜地検川崎支部長105 尾崎寛生/43期1961年2月10日/58歳釧路地検検事正/2018年10月30日名古屋地検岡崎支部長106 小川新二/36期1957年3月27日/62歳高松高検検事長/2018年1月9日最高検公安部長107 廣瀬勝重/41期1962年7月8日/56歳高松高検次席検事/2018年4月11日青森地検検事正108 千田恵介/39期1958年8月12日/60歳高松地検検事正/2018年6月25日法務総合研究所国際協力部長109 互敦史/43期1959年11月1日/59歳徳島地検検事正/2018年6月25日千葉地検次席検事110 山西宏紀/41期1964年9月6日/54歳高知地検検事正/2018年9月3日内閣府大臣官房独立公文書管理監111 白木功/42期1963年11月30日/55歳松山地検検事正/2018年7月19日東京高検公判部長
第3 生年月日・修習期から探す
1 生年月日順の索引
氏名生年月日名簿番号稲田伸夫1956年8月14日18稲川龍也1956年9月13日74黒川弘務1957年2月8日37小川新二1957年3月27日106大谷晃大1957年5月7日92井上宏1957年6月17日100林眞琴1957年7月30日65上野友慈1957年8月28日54片岡弘1958年4月8日67田中素子1958年4月22日58堺徹1958年7月17日19榊原一夫1958年8月6日81千田恵介1958年8月12日108中川清明1958年9月13日16小澤正義1959年1月3日102杉山治樹1959年3月6日60阪井博1959年4月1日48関一穂1959年7月16日26北川健太郎1959年9月14日56甲斐行夫1959年9月26日39森脇尚史1959年9月26日72関隆男1959年10月14日53互敦史1959年11月1日109菅野俊明1959年11月3日36中原亮一1959年11月29日41原島肇1960年1月1日70曽木徹也1960年1月5日23落合義和1960年1月7日22佐藤光代1960年1月7日80矢本忠嗣1960年1月13日77仁田良行1960年2月4日86大塲亮太郎1960年3月6日13畑野隆二1960年4月14日78堀嗣亜貴1960年5月4日83片岡敏晃1960年6月1日47西村尚芳1960年6月19日99片山巌1960年7月10日76山上秀明1960年7月14日38畝本毅1960年7月17日57佐藤美由紀1960年8月30日93吉田安志1960年9月3日29田辺泰弘1960年11月7日55秋山仁美1960年11月20日71尾崎寛生1961年2月10日105北村篤1961年3月4日45神村昌通1961年3月8日50大図明1961年3月20日49野口元郎1961年4月1日35吉田久1961年4月26日96吉田誠治1961年4月27日28小山太士1961年5月13日11恒川由理子1961年7月15日85久木元伸1961年7月21日40河瀬由美子1961年9月4日66木村泰昌1961年9月11日88辻裕教1961年10月4日1高嶋智光1961年10月6日14廣上克洋1961年11月8日20古谷伸彦1961年11月26日89西谷隆1961年11月28日27吉池浩嗣1961年12月11日63和田雅樹1961年12月21日24佐藤隆文1962年1月14日82小野正弘1962年2月4日75宇川春彦1962年2月20日52木村匡良1962年5月16日98廣瀬勝重1962年7月8日107畝本直美1962年7月9日21中村孝1962年7月31日91早川幸伸1962年8月8日95上富敏伸1962年8月10日43新田智昭1962年10月12日73高橋久志1962年12月6日101齊藤隆博1963年1月1日25植村誠1963年1月7日79鈴木眞理子1963年2月19日59長谷川保1963年6月30日104永幡無二雄1963年8月30日87山口英幸1963年10月2日62佐久間佳枝1963年10月8日10山本真千子1963年10月9日103山元裕史1963年10月12日30浦田啓一1963年10月28日17菊池浩1963年11月7日12白木功1963年11月30日111森本和明1963年12月30日94小弓場文彦1964年3月1日84川原隆司1964年8月16日2山西宏紀1964年9月6日110松本裕1964年9月12日69竹内寛志1964年11月3日42坂本佳胤1964年11月18日44山本幸博1964年12月4日64築雅子1964年12月14日68大久保和征1964年12月16日34勝山浩嗣1965年1月1日61八澤健三郎1965年1月27日32宮川博行1965年2月16日51石井隆1965年11月2日6山内由光1966年1月12日4工藤恭裕1966年2月22日31飯島泰1966年4月30日97加藤俊治1966年7月26日90伊藤栄二1966年10月4日8西山卓爾1966年10月25日3森本加奈1966年12月15日33清野憲一1967年11月15日46松下裕子1968年2月20日9吉川崇1968年4月4日7保坂和人1968年12月27日5佐藤淳1969年1月12日15
2 修習期・生年月日順の索引
修習期氏名名簿番号33期稲田伸夫1835期稲川龍也7435期黒川弘務3735期林眞琴6535期上野友慈5436期小川新二10636期大谷晃大9236期堺徹1936期榊原一夫8136期中川清明1636期甲斐行夫3937期井上宏10037期片岡弘6737期杉山治樹6037期北川健太郎5637期中原亮一4137期堀嗣亜貴8337期北村篤4537期野口元郎3538期曽木徹也2338期落合義和2238期大塲亮太郎1338期辻裕教139期千田恵介10839期山上秀明3839期田辺泰弘5539期廣上克洋2039期和田雅樹2440期田中素子5840期小澤正義10240期阪井博4840期原島肇7040期仁田良行8640期畑野隆二7840期片山巌7640期大図明4940期小山太士1140期吉池浩嗣6340期畝本直美2140期上富敏伸4341期関一穂2641期関隆男5341期矢本忠嗣7741期畝本毅5741期吉田安志2941期秋山仁美7141期神村昌通5041期吉田誠治2841期久木元伸4041期河瀬由美子6641期高嶋智光1441期西谷隆2741期宇川春彦5241期廣瀬勝重10741期齊藤隆博2541期浦田啓一1741期森本和明9441期川原隆司241期山西宏紀11042期佐藤光代8042期片岡敏晃4742期西村尚芳9942期佐藤美由紀9342期木村泰昌8842期佐藤隆文8242期小野正弘7542期木村匡良9842期中村孝9142期早川幸伸9542期高橋久志10142期植村誠7942期山元裕史3042期菊池浩1242期白木功11143期森脇尚史7243期互敦史10943期尾崎寛生10543期吉田久9643期恒川由理子8543期古谷伸彦8943期長谷川保10443期永幡無二雄8743期山口英幸6243期山本真千子10343期松本裕6943期山本幸博6443期八澤健三郎3243期宮川博行5143期工藤恭裕3143期伊藤栄二844期新田智昭7344期鈴木眞理子5944期小弓場文彦8444期大久保和征3444期勝山浩嗣6144期石井隆644期飯島泰9744期加藤俊治9044期森本加奈3345期竹内寛志4245期坂本佳胤4445期西山卓爾345期清野憲一4645期松下裕子946期菅野俊明3646期築雅子6846期佐藤淳1547期佐久間佳枝1047期山内由光447期吉川崇747期保坂和人5
第4 出典と関連記事

法務省作成の法務・検察幹部名簿の基準日別掲載資料が原資料の参照口である。
本記事は同基準日のポスト順,生年月日順及び修習期・生年月日順のテキスト版の収録内容をまとめたものである。

検事の修習期・生年月日の開示と幹部略歴の公表では,名簿の開示と幹部略歴の公表の対象・資料の違いを整理している。
法務省作成の検事期別名簿は,修習期を手掛かりに探す別系列の資料である。

法務・検察幹部名簿(2019年4月17日時点・ポスト順)

生年月日が開示される法務大臣決裁の対象人事に限るものの,法務・検察幹部の氏名,修習期,生年月日,年齢,現職就任日,現職及び前職につき,2019年4月17日時点のものを,ポスト順で以下のとおり掲載しています(元データは「法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)」に掲載しています。)。

(法務省幹部)
1 辻裕教 38 期 1961年10月4日 57 歳 2019年1月18日 法務事務次官 ( 法務省刑事局長 )
2 川原隆司 41 期 1964年8月16日 54 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房長 ( 最高検検事 )
3 西山卓爾 45 期 1966年10月25日 52 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房政策立案総括審議官 ( 法務省大臣官房審議官(訟務局担当) )
4 山内由光 47 期 1966年1月12日 53 歳 2018年2月26日 法務省大臣官房審議官(国際・人権担当) ( 法務省刑事局国際課長 )
5 保坂和人 47 期 1968年12月27日 50 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房審議官(刑事局担当) ( 法務省刑事局刑事法制管理官 )
6 石井隆 44 期 1965年11月2日 53 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房審議官(訟務局担当) ( 法務総合研究所総務企画部長 )
7 吉川崇 47 期 1968年4月4日 51 歳 2019年1月18日 法務省大臣官房秘書課長 ( 法務省刑事局総務課長 )
8 伊藤栄二 43 期 1966年10月4日 52 歳 2015年10月27日 法務省大臣官房人事課長 ( 法務省刑事局総務課長 )
9 松下裕子 45 期 1968年2月20日 51 歳 2018年7月19日 法務省大臣官房会計課長 ( 法務省刑事局総務課長 )
10 佐久間佳枝 47 期 1963年10月8日 55 歳 2019年4月1日 法務省大臣官房施設課長 ( 法務省人権擁護局総務課長 )
11 小山太士 40 期 1961年5月13日 57 歳 2019年1月18日 法務省刑事局長 ( 法務省大臣官房長 )
12 菊池浩 42 期 1963年11月7日 55 歳 2019年4月1日 法務省人権擁護局長 ( 奈良地検検事正 )
13 大塲亮太郎 38 期 1960年3月6日 59 歳 2019年1月18日 法務総合研究所長 ( 最高検公判部長 )
14 高嶋智光 41 期 1961年10月6日 57 歳 2019年4月1日 出入国在留管理庁次長 ( 法務省人権擁護局長 )
15 佐藤淳 46 期 1969年1月12日 50 歳 2019年4月1日 出入国在留管理庁審議官(総合調整担当) ( 法務省大臣官房施設課長 )
16 中川清明 36 期 1958年9月13日 60 歳 2016年9月5日 公安調査庁長官 ( 最高検公安部長 )
17 浦田啓一 41 期 1963年10月28日 55 歳 2018年1月9日 公安調査庁次長 ( 大津地検検事正 )
(検察幹部)
18 稲田伸夫 33 期 1956年8月14日 62 歳 2018年7月25日 検事総長 ( 東京高検検事長 )
19 堺徹 36 期 1958年7月17日 60 歳 2018年7月25日 次長検事 ( 仙台高検検事長 )
20 廣上克洋 39 期 1961年11月8日 57 歳 2018年1月22日 最高検総務部長 ( 名古屋高検次席検事 )
21 畝本直美 40 期 1962年7月9日 56 歳 2019年1月18日 最高検監察指導部長 ( 法務省保護局長 )
22 落合義和 38 期 1960年1月7日 59 歳 2018年2月26日 最高検刑事部長 ( さいたま地検検事正 )
23 曽木徹也 38 期 1960年1月5日 59 歳 2018年7月25日 最高検公安部長 ( 東京高検次席検事 )
24 和田雅樹 39 期 1961年12月21日 57 歳 2019年1月18日 最高検公判部長 ( 法務省入国管理局長 )
25 齊藤隆博 41 期 1963年1月1日 56 歳 2017年7月27日 最高検検事 ( 徳島地検検事正 )
26 関一穂 41 期 1959年7月16日 59 歳 2019年3月1日 最高検検事 ( 預金保険機構 )

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黒川弘務東京高検検事長の勤務延長問題――経緯と争点(AI作成)

目次

第1 黒川弘務東京高検検事長の勤務延長(令和2年2月8日から同年8月7日まで)等第2 令和2年当時の定年・勤務延長の条文と通知1 検察庁法(令和2年当時)2 国家公務員法3 人事院規則4 人事院の文書第3 検察官の勤務延長に関する政府答弁の要約等,及び内閣又は法務大臣による懲戒処分の実例等1 検察官の勤務延長に関する当時の政府説明2 内閣又は法務大臣による懲戒処分の実例等第4 検察官の勤務延長に関する法務大臣の答弁1 令和2年2月25日の衆議院予算委員会第三分科会における森まさこ法務大臣の答弁2 令和2年3月5日の参議院予算委員会における森まさこ法務大臣の答弁3 令和2年3月6日の参議院予算委員会における森まさこ法務大臣の答弁第5 検察官の勤務延長に関する内閣法制局長官の答弁1 令和2年2月25日の衆議院予算委員会第三分科会における近藤正春内閣法制局長官の答弁2 令和2年3月5日の参議院予算委員会における近藤正春内閣法制局長官の答弁第6 検察庁法22条及び32条の2に関する法務大臣等の答弁1 昭和24年5月11日の参議院法務委員会における高橋一郎法務庁検局長の答弁2 令和2年3月5日の参議院予算委員会における森まさこ法務大臣の答弁第7 勤務延長に関する総理府人事局及び人事院の答弁1 総理府人事局の答弁2 人事院の答弁第8 検事総長への任命可能性に関する当時の政府説明第9 当時の弁護士会の反対意見第10 関連論点:弁護士である公職者と懲戒の議決例第11 比較資料:河野克俊統合幕僚長の勤務延長第12 国会答弁資料第13 関連記事

黒川弘務東京高検検事長の令和2年の勤務延長について,閣議書,国会答弁及び当時の反対意見を掲載する資料案内である。同年1月31日の閣議決定で予定された勤務延長期間は2月8日から8月7日までであり,黒川氏は賭け麻雀問題により同年5月22日に依願退官した。

以下で引用する条文・政府説明は,原則として令和2年当時のものである。現行検察庁法22条2項は,国家公務員法上の勤務延長制度を検察官に適用しないと明記している。現在の定年と役職定年は検察官の定年・役職定年・勤務延長――2020年案と現行制度の違いを参照されたい。

解釈変更の目的と文書不存在をめぐる裁判所の判断は,黒川検事長の勤務延長と文書不存在――大阪地裁令和6年6月27日判決の解説で,請求対象文書1~5及び国家賠償請求を分けて整理している。

当時の政府説明,筆者の検討,弁護士会の意見及び後の裁判所の判断を区別して読む必要がある。第4~第7の引用は,記載された日付の国会答弁であり,現在の法律の説明ではない。

第1 黒川弘務東京高検検事長の勤務延長(令和2年2月8日から同年8月7日まで)等
1(1) 検事長の任命権者である内閣(検察庁法15条1項)は,令和2年1月31日,下記の理由により,国家公務員法81条の3第1項に基づき,同年2月7日に定年退官する予定であった(63歳の誕生日は同月8日である)黒川弘務東京高検検事長の勤務を半年間延長するという閣議決定を行いました(首相官邸HPの「令和2年1月31日(金)定例閣議案件」(Internet Archiveの保存版)参照)。
記
   東京高等検察庁管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査公判に対応するためには,同高等検察庁検事長黒川弘務の検察官としての豊富な経験・知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が不可欠であり,同人には,当分の間,引き続き同検事長の職務を遂行させる必要がある。

(2) 黒川弘務東京高検検事長(平成31年1月18日就任)の任命資料に掲載された経歴のうち,地検等の職に在職した時期を以下に掲げます。在職先だけから実際の捜査公判の担当期間や経験の全体を確定できるものではありません。
① 1983年4月7日から1991年7月24日までの約8年4ヶ月半
・ 東京地検検事,福島地検郡山支部検事,新潟地検検事,東京地検検事及び名古屋地検検事をしていました。
② 1995年7月20日から1998年10月6日までの約3年3ヶ月半
・ 青森地検弘前支部長及び東京地検検事をしていました。
③ 2010年8月10日から同年10月24日までの約2ヶ月半
・ 松山地検検事正をしていました。
・ 2010年9月21日から報道されるようになった大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件に対応するため,同年10月25日,法務省大臣官房付となりました。
(3)ア 黒川弘務東京高検検事長の定年退職は,「業務の性質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるとき」(人事院規則11-8(職員の定年)7条3号)に該当するため,勤務延長されました(令和2年3月6日の参議院予算委員会における森まさこ法務大臣の答弁参照)。
イ 「重大かつ複雑困難な事件の捜査」が何であるかについては,捜査機関の活動内容及びその体制に関する事柄でもあることから,国会答弁でも明らかにされませんでした(令和2年3月6日の参議院予算委員会における森まさこ法務大臣の答弁参照)。

(4) 内閣は,令和2年2月7日以前に検察官の勤務延長がなされた実例を把握していません(衆議院議員奥野総一郎君提出東京高検検事長の定年が半年間延長された件に関する質問に対する答弁書(令和2年2月18日付)参照)。
(5) 勤務延長は定年延長ともいわれます。
2(1) 35期の黒川弘務と林眞琴のどちらが検事総長となるかについて,法と経済ジャーナルHPに以下の記事が載っています(ログインしない限り,途中までしか読めませんが,途中まででも読み応えのある記事です。)。
・ 官邸の注文で覆った法務事務次官人事  「検事総長人事」に影響も(2016年11月22日付)
・ 法務・検察人事に再び「介入」した官邸 高まる緊張(2017年9月17日付)
・ 上川法相が林刑事局長の次官昇格を拒否か、検事総長人事は?(2018年1月18日付)
・ 「次の検事総長は黒川氏」で決まりなのか、検察の論理は(2019年1月24日付)

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新型コロナウイルス感染症に準用されている検疫法の条文

○準用期間(令和3年2月12日まで),準用の読替え,罰則の適用及び令和5年5月8日の5類移行後の現在の取扱いを含めた最新の整理は,新型コロナウイルス感染症に準用されていた検疫法の条文-令和2年政令第28号の準用範囲と現在の取扱いに掲載しています。
○検疫法34条及び36条の6に基づき制定された,
   新型コロナウイルス感染症を検疫法第三十四条の感染症の種類として指定する等の政令(令和2年2月13日政令第28号)(ただし,リンク先は制定当時の条文です。)によれば,
   令和2年2月14日以降,新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)(以下「新型コロナウィルス」といいます。)について準用されている検疫法の条文は以下のとおりです。
○新型コロナウイルス感染症は,無症状病原体保有者であっても患者とみなす(検疫法2条の2第3項の準用)という点では一類感染症と同じ扱いであるのに対し,隔離及び停留はやむを得ない理由がないときであっても宿泊施設又は船舶で行える(検疫法15条及び16条2項の準用)という点では二類感染症と同じ扱いであるという意味では,患者に不利な準用方法となっています。
○感染症法について同じ時期に準用されていた条文及びその後の5類感染症への移行までの経過は,新型コロナウイルス感染症に準用されていた感染症法の条文と5類移行までの変遷-令和2年の指定感染症政令で整理しています。

新型コロナウィルス感染症に準用される検疫法の条文
(疑似症及び無症状病原体保有者に対するこの法律の適用)

第二条の二 前条第一号に掲げる感染症の疑似症を呈している者については、同号に掲げる感染症の患者とみなして、この法律を適用する。

(2項の準用はなし。)

3 前条第一号に掲げる感染症の病原体を保有している者であつて当該感染症の症状を呈していないものについては、同号に掲げる感染症の患者とみなして、この法律を適用する。

第二章 検疫
(入港等の禁止)
第四条 次に掲げる船舶又は航空機(以下それぞれ「外国から来航した船舶」又は「外国から来航した航空機」という。)の長(長に代つてその職務を行う者を含む。以下同じ。)は、検疫済証又は仮検疫済証の交付(第十七条第二項の通知を含む。第九条を除き、以下同じ。)を受けた後でなければ、当該船舶を国内(本州、北海道、四国及び九州並びに厚生労働省令で定めるこれらに附属する島の区域内をいう。以下同じ。)の港に入れ、又は当該航空機を検疫飛行場以外の国内の場所(港の水面を含む。)に着陸させ、若しくは着水させてはならない。ただし、外国から来航した船舶の長が、検疫を受けるため当該船舶を第八条第一項に規定する検疫区域若しくは同条第三項の規定により指示された場所に入れる場合若しくは次条ただし書第一号の確認を受けた者の上陸若しくは同号の確認を受けた物若しくは第十三条の二の指示に係る貨物の陸揚のため当該船舶を港(第八条第一項に規定する検疫区域又は同条第三項の規定により指示された場所を除く。)に入れる場合又は外国から来航した航空機の長が、検疫所長(検疫所の支所又は出張所の長を含む。以下同じ。)の許可を受けて当該航空機を着陸させ、若しくは着水させる場合は、この限りでない。
一 外国を発航し、又は外国に寄航して来航した船舶又は航空機
二 航行中に、外国を発航し又は外国に寄航した他の船舶又は航空機(検疫済証又は仮検疫済証の交付を受けている船舶又は航空機を除く。)から人を乗り移らせ、又は物を運び込んだ船舶又は航空機

(交通等の制限)
第五条 外国から来航した船舶又は外国から来航した航空機(以下「船舶等」という。)については、その長が検疫済証又は仮検疫済証の交付を受けた後でなければ、何人も、当該船舶から上陸し、若しくは物を陸揚げし、又は当該航空機及び検疫飛行場ごとに検疫所長が指定する場所から離れ、若しくは物を運び出してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 検疫感染症の病原体に汚染していないことが明らかである旨の検疫所長の確認を受けて、当該船舶から上陸し、若しくは物を陸揚げし、又は当該航空機及び検疫飛行場ごとに検疫所長が指定する場所から離れ、若しくは物を運び出すとき。
二 第十三条の二の指示に従つて、当該貨物を陸揚げし、又は運び出すとき。
三 緊急やむを得ないと認められる場合において、検疫所長の許可を受けたとき。

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新型コロナウイルス感染症に準用されていた感染症法の条文と5類移行までの変遷-令和2年の指定感染症政令(AI作成)

目次第1 本記事の対象と基準日第2 感染症法上の位置付けの変遷1 指定感染症としての指定(令和2年2月1日)2 準用範囲の拡大(令和2年2月14日・3月27日)3 入院対象の限定と準用期間の延長(令和2年10月・令和3年1月)4 新型インフルエンザ等感染症への移行と政令の廃止(令和3年2月13日)5 指定感染症の規定の移設(令和4年12月9日)6 5類感染症への移行(令和5年5月8日)第3 現在の位置付け(令和8年9月18日現在)1 5類感染症としての扱い2 「新型コロナウイルス感染症」の類型が法律に残っている意味第4 令和2年3月27日時点で準用されていた感染症法の規定1 準用の根拠と方式2 準用された規定の一覧3 主な読替え4 準用されなかった主な規定第5 罰則と特定病原体等の規制1 令和2年当時の罰則の扱い2 令和3年改正による過料の新設3 新型コロナウイルスの四種病原体等への指定第6 原資料と関連記事1 当時の条文を確認する方法2 内閣法制局説明資料3 関連記事第7 出典・参考資料1 法令2 官報3 所管行政機関の資料
第1 本記事の対象と基準日

本記事は,新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令(令和2年政令第11号)により,令和2年2月1日から令和3年2月12日までの間,新型コロナウイルス感染症に準用されていた感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という。)の規定を整理するものである。
あわせて,指定感染症から新型インフルエンザ等感染症を経て5類感染症に至るまでの感染症法上の位置付けの変遷と,現在の位置付けを説明する。

条文の内容は,特に断らない限り,令和2年3月27日時点のものである。
現在の位置付けは,令和8年9月18日時点でe-Gov法令検索に収録された現行法令により確認した。
同政令は令和3年2月13日に廃止されており,現在,新型コロナウイルス感染症に感染症法の規定が「準用」されている関係はない。

第2 感染症法上の位置付けの変遷

新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けは,次のとおり変わってきた。

施行日根拠となった法令等位置付け・主な内容令和2年2月1日令和2年政令第11号(同年1月28日公布)指定感染症として指定され,感染症法の規定の一部が準用された令和2年2月14日令和2年政令第30号無症状病原体保有者を患者とみなす規定(8条3項)の準用が加わった令和2年3月27日令和2年政令第60号建物に係る措置,交通の制限又は遮断等の準用が加わった令和2年10月24日令和2年政令第310号入院の勧告等の対象となる患者が限定された令和3年1月7日令和3年政令第4号準用期間を延長する規定が置かれた令和3年2月13日令和3年法律第5号,令和3年政令第25号新型インフルエンザ等感染症(感染症法6条7項3号)となり,令和2年政令第11号は廃止された令和4年12月9日令和4年法律第96号指定感染症への準用を定める7条が削除され,44条の9へ移された令和5年5月8日令和5年厚生労働省令第74号5類感染症となった
1 指定感染症としての指定(令和2年2月1日)

令和2年政令第11号は,感染症法6条8項,7条1項及び66条に基づいて制定された。
同政令1条は,「新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。)」を,感染症法6条8項の指定感染症として定めた。

当時の感染症法7条1項は,指定感染症について,1年以内の政令で定める期間に限り,政令で定めるところにより,8条,第3章から第7章まで,第10章,第12章及び第13章の規定の全部又は一部を準用すると定めていた。
これを受けて,同政令2条は準用期間を施行日から1年間とし,3条で準用する規定を個別に列挙した。
同政令は令和2年1月31日公布の政令第22号による改正を経て,同年2月1日に施行された。

2 準用範囲の拡大(令和2年2月14日・3月27日)
(1) 無症状病原体保有者を患者とみなす規定の追加

施行当初の政令3条は,8条について,疑似症患者を患者とみなす1項だけを準用していた。
令和2年政令第30号による改正で,準用の範囲は「第八条(第二項を除く。)」に改められた。
これにより,令和2年2月14日から,無症状病原体保有者を患者とみなす8条3項も準用され,症状のない感染者にも入院の勧告等の規定が及ぶこととなった。

(2) 建物・交通に関する措置等の追加

令和2年政令第60号による改正で,令和2年3月27日から,生活の用に供される水の使用制限等(31条),建物に係る措置(32条)及び交通の制限又は遮断(33条)が準用の対象に加わった。
32条及び33条は,本来,一類感染症だけを対象とする措置であり,準用に当たっては「一類感染症」が「新型コロナウイルス感染症」に読み替えられた。
同じ改正で,新型インフルエンザ等感染症に関する情報の公表(44条の2),感染を防止するための協力(44条の3)及び経過の報告(44条の5)も準用の対象に加わった。
他方で,新型インフルエンザ等感染症を一類感染症とみなして建物に係る措置等を適用する44条の4は,準用の対象とされていない。

3 入院対象の限定と準用期間の延長(令和2年10月・令和3年1月)
(1) 入院の勧告等の対象の限定

令和2年政令第310号による改正で,令和2年10月24日から,19条1項の読替えが改められた。
改正後は,入院の勧告等の対象となる患者が,「六十五歳以上の者、呼吸器疾患を有する者その他の厚生労働省令で定める者及びこれら以外の者であって当該感染症のまん延を防止するため必要な事項として厚生労働省令で定める事項を守ることに同意しないもの」に限られた。

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国内感染期において緊急事態宣言がされた場合の政府行動計画(新型インフルエンザの場合)

   新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」といいます。)附則第1条の2第1項及び第2項の規定に基づき,同法は新型コロナウィルス感染症についても適用されます。
   そして,国内感染期において適用される,新型インフルエンザ等対策政府行動計画(平成29年9月12日変更)61頁ないし71頁は以下のとおりであります(緊急事態宣言がされている場合の措置については赤文字表記とし,注番号については,特措法の条番号に変えています。)ところ,いわゆるロックダウン(都市封鎖)と比べると,かなり制限は緩いのであって,例えば,外出自粛要請の対象から,生活の維持に必要な場合の外出は除外されています(特措法45条1項)。
   新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付け(指定感染症,新型インフルエンザ等感染症及び5類感染症)の変遷は,新型コロナウイルス感染症に準用されていた感染症法の条文と5類移行までの変遷-令和2年の指定感染症政令で整理しています。

※ 本記事の記載は令和2年4月4日時点のものです。現行の新型インフルエンザ等対策特別措置法及び令和6年7月2日に全面改定された政府行動計画との対照は,新型インフルエンザ等対策政府行動計画の緊急事態措置-平成29年版「国内感染期」の原文と現行特措法・令和6年改定計画で整理しています。

新型インフルエンザ等対策政府行動計画(平成29年9月12日変更)

国内感染期
・ 国内のいずれかの都道府県で新型インフルエンザ等の患者の接触歴が疫学調査で追えなくなった状態。
・ 感染拡大からまん延、患者の減少に至る時期を含む。
・ 国内でも、都道府県によって状況が異なる可能性がある。
(地域未発生期)
   各都道府県で新型インフルエンザ等の患者が発生していない状態。
(地域発生早期)
   各都道府県で新型インフルエンザ等の患者が発生しているが、全ての患者の接触歴を疫学調査で追うことができる状態。
(地域感染期)
   各都道府県で新型インフルエンザ等の患者の接触歴が疫学調査で追うことができなくなった状態(感染拡大からまん延、患者の減少に至る時期を含む。)。
目的:
1) 医療体制を維持する。
2) 健康被害を最小限に抑える。
3) 国民生活及び国民経済への影響を最小限に抑える。
対策の考え方:
1) 感染拡大を止めることは困難であり、対策の主眼を、早期の積極的な感染拡大防止から被害軽減に切り替える。
2) 地域ごとに発生の状況は異なり、実施すべき対策が異なることから、都道府県ごとに実施すべき対策の判断を行う。
3) 状況に応じた医療体制や感染対策、ワクチン接種、社会・経済活動の状況等について周知し、個人一人一人がとるべき行動について分かりやすく説明するため、積極的な情報提供を行う。
4) 流行のピーク時の入院患者や重症者の数をなるべく少なくして医療体制への負荷を軽減する。
5) 医療体制の維持に全力を尽くし、必要な患者が適切な医療を受けられるようにし健康被害を最小限にとどめる。
6) 欠勤者の増大が予測されるが、国民生活・国民経済の影響を最小限に抑えるため必要なライフライン等の事業活動を継続する。また、その他の社会活動をできる限り継続する。
7) 受診患者数を減少させ、入院患者数や重症者数を抑え、医療体制への負荷を軽減するため、住民接種を早期に開始できるよう準備を急ぎ、体制が整った場合は、できるだけ速やかに実施する。

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歴代の国税不服審判所長

国税不服審判所長を,就任の新しい順に一覧化したものである(代数は初代を1とする通し番号)。氏名をクリックすると,当該裁判官の経歴記事に移動する。

代氏名期就任時
年齢
出身大学就任退任
23小原一人48期57歳法政大令和8年4月1日(現職)
22清野正彦46期56歳中央大令和6年4月1日令和8年3月31日
21伊藤繁43期58歳早稲田大令和4年4月1日令和6年3月31日
20東亜由美42期57歳慶応大令和2年4月1日令和4年3月31日
19脇博人40期58歳中央大平成30年4月1日令和2年3月31日
18増田稔39期53歳東大平成28年4月1日平成30年3月31日
17畠山稔36期60歳東大平成26年4月1日平成28年3月31日
16生野考司35期54歳東大平成24年4月1日平成26年3月31日
15孝橋宏33期54歳京大平成22年4月1日平成24年3月31日
14金子順一30期55歳東大平成20年4月1日平成22年3月31日
13井上哲男29期56歳東大平成18年4月1日平成20年3月31日
12春日通良27期56歳東大平成16年4月1日平成18年3月31日
11成田喜達25期54歳東大平成14年3月31日平成16年4月1日
10島内乗統22期55歳東大平成11年4月1日平成14年3月30日
9太田幸夫20期54歳早稲田大平成9年4月1日平成11年3月31日
8小田泰機20期53歳東大平成7年4月1日平成9年3月31日
7佐久間重吉14期59歳東大平成5年4月1日平成7年3月31日
6杉山伸顕12期58歳東大平成元年6月1日平成5年3月31日
5小酒禮9期57歳東大昭和61年4月1日平成元年5月31日
4林信一昭和57年1月18日昭和61年3月31日
3岡田辰雄昭和51年12月6日昭和57年1月17日
2海部安昌昭和48年9月9日昭和51年12月5日
1八田卯一郎東大昭和45年5月1日昭和48年9月8日

※ 紫色で示した所長は後に高裁長官に,赤色で示した所長は後に最高裁判所判事に就任した者である。出身大学が空欄の所長は経歴記事に記載がない,又は特定できないものである。就任時年齢は,経歴記事の生年月日と就任日から算出した(生年月日の記載がない場合は空欄)。

※ 初代から第4代までは,当ブログに経歴記事がなく〔期の記載がない世代〕,就任・退任及び出身大学は名簿記載による。第二代所長海部安昌は,海部俊樹内閣総理大臣の伯父である。

(出典:初代〜第4代は名簿記載,第5代以降は当ブログの裁判官経歴データベース。)

*1 国税通則法78条2項により,国税不服審判所長は,国税庁長官が財務大臣の承認を受けて任命する。所長の定年は65歳である(人事院規則11-8(職員の定年)別表)。なお,国税通則法には所長の任期を定める規定はない。歴代名簿では2年前後の在任例が多いものの,これを「任期2年」と表現するのは正確でない。

*2 第2代所長の海部安昌は,海部俊樹首相の伯父である(閨閥学HPの「海部家(内閣総理大臣・海部俊樹・海部正樹の家系図)」参照)。

*3 国税通則法98条4項により,国税不服審判所長は,原則として,担当審判官及び参加審判官の議決に基づいて裁決しなければならない。また,同法101条により,裁決書には主文,事案の概要,審理関係人の主張の要旨及び理由を記載し,所長が記名押印する。したがって,裁決は所長名で行われるが,所長が単独で事件を判断する仕組みではない。

*4 国税通則法99条により,国税不服審判所長が,国税庁長官通達に示された法令解釈と異なる解釈で裁決するとき,又は他の国税処分における法令解釈の重要な先例となる裁決をするときは,あらかじめ国税庁長官に意見を通知しなければならない。国税庁長官が所定の場合を除いてその意見に同意しないときは,所長と共同して国税審議会に諮問することになる。

*5 設立後50年間の歴代所長及び支部長等については,国税不服審判所『国税不服審判所の50年・参考資料4「歴代国税不服審判所幹部名簿」』に掲載されている。国税不服審判所の組織,審査請求手続,裁決の効力,通達との関係及び制度に関する裁判例については,「国税不服審判所――組織,審査請求手続,裁決の効力及び裁判例(AI作成)」を参照されたい。

警察庁作成の訟務統計

目次
1 警察庁作成の訟務統計
2 大阪府警察に対する不服申立て及び行政事件訴訟の統計
3 関連記事その他

1 警察庁作成の訟務統計
(令和時代)
令和 元年,令和 2年,令和 3年,令和 4年,令和 5年,
令和 6年,
(平成時代)
平成21年,平成22年,平成23年,平成24年,平成25年
平成26年,平成27年,平成28年,平成29年,平成30年

* 「令和4年訟務統計(令和5年2月28日付の警察庁長官官房首席監察官の事務連絡)」といったファイル名で掲載しています。

令和2年訟務統計(警察庁長官官房人事課が作成した文書)1/2を添付しています。 pic.twitter.com/m9cW3T9coM

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) March 7, 2021

2 大阪府警察に対する不服申立て及び行政事件訴訟の統計
(令和時代)
令和元年,令和2年,令和3年,令和4年,令和5年,
令和6年,令和7年,
(平成時代)
平成25年ないし平成29年,平成30年

* 「令和4年中の不服申立て受理・処理結果,及び行政事件訴訟発生・終結結果(大阪府警察)」といったファイル名で掲載しています。

3 関連記事その他
1 警察庁HPに「警察庁の施策を示す通達(交通局)」が載っています。

(続きを読む...)警察庁作成の訟務統計

国家緊急権に関する内閣法制局長官の国会答弁

目次
1 総論
2 内閣法制局長官の国会答弁
○秋山収内閣法制局長官の,平成16年5月11日の衆議院武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会における答弁
○秋山収内閣法制局長官の,平成16年4月20日の衆議院武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会における答弁
○津野修内閣法制局長官の,平成14年5月8日の衆議院武力攻撃事態への対処に関する特別委員会における答弁
○吉國一郎内閣法制局長官の,昭和50年5月14日の衆議院法務委員会における答弁
○高辻正己内閣法制局長官の,昭和44年3月15日の参議院予算委員会における答弁
3 関連記事その他

1 総論
(1) 国家緊急権とは,戦争,内乱,恐慌又は大規模な自然災害その他平時の統治機構をもってしては対処できない非常事態において,国家の存立を維持するために,国家権力が立憲的な憲法秩序を一時停止して非常措置を採る権限をいいます。ところ,を以下のとおり掲載しています。
(2) 国家緊急権に関する内閣法制局長官の答弁の結論としては,国家緊急権というものは日本国憲法において認められないものの,大規模な災害や経済上の混乱などの非常な事態に対応すべく,公共の福祉の観点から,合理的な範囲内で国民の権利を制限し,国民に義務を課す法律を制定することは可能であり,例としては,災害対策基本法,国民生活安定緊急措置法及び武力攻撃事態対処法があります。

2 内閣法制局長官の国会答弁
◯秋山収内閣法制局長官の,平成16年5月11日の衆議院武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会における答弁
1 (山中注:日本と同じように内閣制をとっている国で非常大権が元首にない国の例を質問されたことに対して)外国に関する法令を正確に把握することは難しい点がございますけれども、私どもが承知しております限りでは、ドイツ連邦共和国でございますが、これは憲法上に規定があるわけではございませんが、一応、国のトップとして大統領が元首であるというふうに解されていると思います。
   しかしながら、ドイツ連邦共和国におきましては、防衛事態などの国家の緊急事態におきましても、立憲的な憲法秩序を一時停止するような性格を有する国家緊急権のような権限は大統領にも与えられておりませんで、現行ドイツ基本法の規定に基づき制定されている、あるいは、新たに制定される法律の定めるところにより連邦政府がこれに対処するものとされているものと承知しております。
2 ただ、細部にわたってこれは正確かどうかちょっと自信がございませんけれども、大勢としてはそういう考え方でございます。

○秋山収内閣法制局長官の,平成16年4月20日の衆議院武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会における答弁
1(1) お尋ねの大統領非常大権、これは法律学ではいわゆる国家緊急権という言葉で議論されるものでございます。
   すなわち、戦争とか内乱、恐慌、大規模な自然災害など、平時の統治機構をもっては対処することが困難なような非常事態におきまして、国家の存立を維持するために国家権力が通常の立憲的な憲法秩序を一時停止して非常措置をとる権限というふうに考えられております。
(2) それで、フランスでは、御指摘のとおり、フランス第五共和国憲法は第16条でそういう規定があるわけでございます。それから、大日本帝国憲法でも、先ほど御指摘のとおりのものがございます。
   日本国憲法においてはこのような規定は存在しておらず、したがって、先ほど申し上げたような国家緊急権というものは現行の憲法下では認められないものと考えております。
(3) ただ、現行憲法下でも、大規模な災害とか経済的混乱などのような非常な事態に対応すべく、公共の福祉の観点から合理的な範囲内で国民の権利を制限し、あるいは義務を課す法律を制定することは可能でございまして、災害対策基本法、国民生活安定緊急措置法など、既に多くの立法がございます。
   今回提案しております有事関連の法律も、そのような系列のものに入るものと考えております。
2 累次、この国会に至る前にも政府側から答弁しておりますけれども、今回の法案は、現行憲法のもとで、基本的な人権の尊重に十分配慮しつつ、事態の特性に応じて必要な制約を加えるというものでありまして、これは、冒頭申し上げましたような国家緊急権の発動というものではないというふうに考えております。

○津野修内閣法制局長官の,平成14年5月8日の衆議院武力攻撃事態への対処に関する特別委員会における答弁

(続きを読む...)国家緊急権に関する内閣法制局長官の国会答弁

検事総長,次長検事及び検事長任命の閣議書

目次
1 検事総長,次長検事及び検事長任命の閣議書
(1) 検事総長は誰が任命するか
(2) 歴代検事総長の任命資料一覧(平成5年以降)
(3) 閣議書・履歴書等の原資料
2 検事正経験者の弁護活動に関する懲戒処分の実例
3 検事長経験者が起こした自分の交通事故への対応例
4 関連記事その他

* 「各府省幹部職員の任免に関する閣議承認の閣議書」も参照してください。

1 検事総長,次長検事及び検事長任命の閣議書
(1) 検事総長は誰が任命するか
検事総長,次長検事及び各検事長の任免は内閣が行い,天皇が認証します(検察庁法15条1項)。
閣議日,発令の効力発生日,認証に関する資料の日付は区別して確認する必要があります。
仕事内容,現職及び他の役職との違いは検事総長とはを参照してください。

(2) 歴代検事総長の任命資料一覧(平成5年以降)
以下は,掲載原資料で確認した平成5年以降の16人と,令和8年の川原隆司の任命資料を,新しい順にまとめた一覧です。
戦前の大審院検事総長又は戦後初代からの全歴代一覧ではありません。
日付欄は資料に記された日付であり,前任者の退任日や就任前の職を推測で補っていません。

氏名原資料の日付・区別任命資料川原隆司令和8年7月24日閣議/同年8月12日付発令閣議書 PDF1・4・5頁畝本直美令和6年7月9日付の裁可書裁可書 PDF16頁甲斐行夫令和4年6月24日付の裁可書裁可書 PDF15頁林眞琴令和2年7月17日付の裁可書裁可書 PDF14頁稲田伸夫平成30年7月25日付の裁可書裁可書 PDF13頁西川克行平成28年9月5日付の裁可書裁可書 PDF12頁大野恒太郎平成26年7月18日付の裁可書裁可書 PDF11頁小津博司平成24年7月20日付の裁可書裁可書 PDF10頁笠間治雄平成22年12月27日付の裁可書裁可書 PDF9頁大林宏平成22年6月17日付の裁可書裁可書 PDF8頁樋渡利秋平成20年7月1日付の裁可書裁可書 PDF7頁但木敬一平成18年6月30日付の裁可書裁可書 PDF6頁松尾邦弘平成16年6月25日付の裁可書裁可書 PDF5頁原田明夫平成13年7月2日付の裁可書裁可書 PDF4頁北島敬介平成10年6月23日付の裁可書裁可書 PDF3頁土肥孝治平成8年1月16日付の裁可書裁可書 PDF2頁吉永祐介平成5年12月13日付の裁可書裁可書 PDF1頁

川原隆司については,令和8年7月24日付閣議書の法務省提出文書に,同年8月12日付けの発令が示されています(PDF4・5頁)。
検察庁公式紹介の就任日も同年8月12日です。
「令和8年7月24日」を就任日として読むことはできません。

(3) 閣議書・履歴書等の原資料

(続きを読む...)検事総長,次長検事及び検事長任命の閣議書

新任検事の辞令交付式―期別の日程・関係文書・記念写真(AI作成)

目次

第1 任官日と辞令交付式の開催日は異なる第2 期別の辞令交付式関係文書第3 第70期の記念写真と公表写真の掲載先第4 採用手続・人数・研修に関する関連記事
第1 任官日と辞令交付式の開催日は異なる

新任検事の任官日と辞令交付式の開催日は,区別して確認する必要がある。
第74期の関係文書では令和4年4月21日付け任官,4月25日午前10時30分から辞令交付式と記載されている(下掲の第74期資料PDF2頁)。
第70期も,平成29年12月14日の任官と,同月18日の式が別の日である。
第78期については,検察庁の案内が令和8年3月26日付け任官と同月30日の辞令交付を記載している。

官報の掲載日を調べる場合も,任官日又は式の開催日と同じ日であると決め付けず,該当する官報の記載に従う必要がある。
以下は過去の期の関係文書・写真の資料案内であり,現在の開催予定を示すものではない。

第2 期別の辞令交付式関係文書

第74期資料の開催日は令和4年4月25日である。
次のリンク表示も原文書に合わせている。

- 令和8年 3月30日の78期新任検事辞令交付式関係文書
- 令和7年 4月 7日の77期新任検事辞令交付式関係文書
- 令和5年12月18日の76期新任検事辞令交付式関係文書
- 令和4年12月12日の75期新任検事辞令交付式関係文書
- 令和4年 4月25日の74期新任検事辞令交付式関係文書
- 令和元年12月16日の72期新任検事辞令交付式関係文書
- 平成30年12月17日の71期新任検事辞令交付式関係文書
- 平成29年12月18日の70期新任検事辞令交付式関係文書
- 新60期以降の,新任検事辞令交付式及び判事補の採用内定の発令日

関係文書の有無と,実際に式が開催されたことは同じではないため,資料の内容を確かめて読む必要がある。
この一覧に資料がない期について,それだけを理由に式の開催・不開催を判断することはできない。

第3 第70期の記念写真と公表写真の掲載先

第70期の記念写真は,平成29年12月18日の辞令交付式に関する記録である。
以下の写真・資料は採用選考の基準を示すものではない。

- 70期新任検事辞令交付式(平成29年12月18日開催)の写真4枚

第4 採用手続・人数・研修に関する関連記事

採用願提出から任官までの日程,期別の任官者数及び採用後の研修は,それぞれ次の記事で扱う。

- 検事採用願・面接票の書き方―必要書類・写真・成績証明書の注意点(AI作成)

(続きを読む...)新任検事の辞令交付式―期別の日程・関係文書・記念写真(AI作成)

各府省幹部職員の任免に関する閣議承認の閣議書

目次
1 閣議承認の閣議書
2 内閣官房内閣総務官室の分掌事務
3 関連記事その他

* 「(AI作成)各府省幹部職員の任免情報」も参照してください。

1 閣議承認の閣議書
(1) 各府省幹部職員の任免に関する閣議承認の閣議書を以下のとおり掲載しています。
*1 「各府省幹部職員の任免に関する閣議書(令和7年1月28日付)→外務省」といったファイル名にしています。
*2 任命され,又は依願退官する予定の幹部公務員の略歴書が添付されています。

・ 令和 8年 8月25日付の閣議書
→ 内閣府及び外務省が対象でした。
・ 令和 8年 8月 4日付の閣議書
→ 外務省及び防衛施設中央審議会が対象でした。
・ 令和 8年 7月31日付の閣議書
→ 内閣官房,内閣府,金融庁,こども家庭庁等が対象でした。
・ 令和 8年 7月24日付の閣議書
→ 内閣官房及び法務省が対象でした。
・ 令和 8年 7月17日付の閣議書
→ 防衛省が対象でした。
・ 令和 8年 6月26日付の閣議書
→ 経済産業省が対象でした。
・ 令和 8年 6月19日付の閣議書
→ 外務省が対象でした。
・ 令和 8年 6月 2日付の閣議書
→ 外務省が対象でした。
・ 令和 8年 4月17日付の閣議書
→ 外務省が対象でした。

(続きを読む...)各府省幹部職員の任免に関する閣議承認の閣議書

政策担当秘書関係の文書

目次
第1 国会議員の政策担当秘書関係の文書(平成29年分以降)
第2 国会職員に関する文書
第3 関連記事

* 「国会事務局の管理職名簿」,及び「国会議員の政策担当秘書資格試験の文書」も参照して下さい。

第1 国会議員の政策担当秘書関係の文書(平成29年分以降)

・ 令和7年分
1 衆議院
① 政策担当秘書試験合格者数及び選考採用審査認定者数(令和7年度までの分)
② 令和7年度政策担当秘書選考採用審査認定に関するお知らせ(令和7年5月7日付)
③ 令和7年度政策担当秘書資格試験・選考採用審査認定日程
④ 令和7年度政策担当秘書選考採用審査認定口述審査実施について(令和7年7月実施分)
→ 令和7年9月実施分もあります。
⑤ 令和7年度国会議員政策担当秘書 選考採用審査認定者登録簿(衆議院)
2 参議院
① 政策担当秘書資格試験合格者・選考採用審査認定者数(令和7年11月1日現在)
② 令和7年度参議院国会議員政策担当秘書選考採用審査認定の実施について(令和7年5月7日付のお知らせ)
③ 令和7年度参議院国会議員政策担当秘書研修の実施について(令和7年5月7日付のお知らせ)
④ 令和7年度参議院国会議員政策担当秘書選考採用審査認定申請の概要(令和7年10月16日付)
⑤ 令和7年度政策担当秘書制度関係日程
⑥ 令和7年度参議院国会議員政策担当秘書選考採用審査認定における口述審査について
⑦ 令和7年度国会議員政策担当秘書選考採用審査認定者登録簿(参議院)

・ 令和6年分
1 衆議院
① 政策担当秘書試験合格者数及び選考採用審査認定者数(令和6年度までの分)
② 令和6年度政策担当秘書選考採用審査認定に関するお知らせ(令和6年5月7日付及び令和6年11月11日付)

(続きを読む...)政策担当秘書関係の文書

法務省出向中の裁判官に不祥事があった場合の取扱い

目次
1 法務省出向中の裁判官は法務大臣による懲戒処分の対象となること等
2 法務省出向中の裁判官が懲戒免職又は停職処分となった場合の取扱い
3 法務省出向中の裁判官が刑事罰を受けた場合の取扱い
4 法務省出向中の裁判官が逮捕されたことそれ自体の法的不利益
5 共済年金の職域加算額,及び年金払い退職給付等
6 関連記事

1 法務省出向中の裁判官は法務大臣による懲戒処分の対象となること等
(1) 裁判官が法務省等の行政機関に出向している場合,依願退官した上で外務省に出向している人を除き,検事の身分を有しています(「現職裁判官の分布表」参照)。
   そして,法務省出向中の裁判官について,国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行(例えば,女性のスカート内の盗撮)があったような場合,法務大臣による懲戒処分の対象となります(国家公務員法82条1項)
(2) 懲戒処分の場合,検察官適格審査会の議決(検察庁法23条)は不要です(検察庁法25条ただし書)。
(3)ア 検察官の場合,60%以下の給料しか受け取れなくなる起訴休職制度(国家公務員法79条2号,一般職給与法23条4号)がありません(検察庁法25条本文のほか,大阪地裁平成25年9月4日判決(判例秘書に掲載)参照)。
   そのため,懲戒処分としての免職,停職又は減給の処分(国家公務員法82条1項)を受けない限り,不祥事を起こした検察官は引き続き従前と同額の給料を支給されることとなります。
イ 公務員が刑事事件につき起訴された場合に休職処分を行うか否かは,任命権者の裁量に任されています(最高裁昭和63年6月16日判決)。
(4) 処分説明書の様式は,処分説明書の様式および記載事項等について(人事院HPの昭和35年4月1日付の人事院事務総長通知)に載っています。

2 法務省出向中の裁判官が懲戒免職又は停職処分となった場合の取扱い
(1) 懲戒免職となった場合
ア 退職手当及び弁護士資格
(ア)   裁判官は,退職手当を支払ってもらえません(国家公務員退職手当法12条1項1号)し,懲戒免職の日から3年間は弁護士となる資格を有しません(弁護士法7条3号)。
   また,懲戒免職の日から3年を経過した後であっても,登録請求を受けた単位弁護士会としては,資格審査会の議決に基づき,日弁連に対する登録の請求の進達を拒絶することができますし(弁護士法12条1項2号),日弁連は,資格審査会の議決に基づき,登録を拒絶することができます(弁護士法15条1項)。
(イ) 在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたことを疑うに足りる相当な理由があると思料される場合,退職手当の支払を差し止められることがあります(国家公務員退職手当法13条2項2号)。
イ 年金
   平成27年9月30日までに発生した退職共済年金については,基本額は全額支給されるものの,職域加算額は半分しか支給されません(平成24年改正前の国家公務員共済組合法97条1項・同法施行令11条の10第1項参照)。
   また,平成27年10月1日以降に発生した公務員厚生年金は全額支給されます。これに対して,同日以降に発生した年金払い退職給付については,有期退職年金は全額支給されるものの,終身退職年金は支給されません(国家公務員共済組合法97条1項・同法施行令21条の2第1項)。
(2) 停職処分を受けた後に辞職した場合
ア 退職手当及び弁護士資格
(ア) 裁判官は,退職手当を支払ってもらえます(国家公務員退職手当法12条1項参照)。
   ただし,停職期間の月数の2分の1に相当する月数を退職手当の算定の基礎となる在職期間から除算されます(国家公務員退職手当法7条4項)。

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刑事確定訴訟記録の保管機関が検察庁となった経緯(AIリライト)

刑事事件の確定訴訟記録は,現在,第一審の裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官(保管検察官)が保管している(刑事確定訴訟記録法2条)。
裁判所が訴訟のなかで作成した記録を,なぜ裁判所ではなく検察庁が保管するのか。この配分は,占領期の立法過程で裁判所側と法務省側が対立し,約40年にわたって法律ではなく通達で運用された末に,昭和62年の刑事確定訴訟記録法によって決着した論点である。
本記事では,戦前の検事局による保管から現行刑事訴訟法の制定時の対立,暫定的運用の時代を経て検察庁保管が法定されるまでの経緯を,国会答弁など当時の一次資料に即して時系列で整理する。

目次

第1 戦前――検事局が裁判所に付置され記録を保管していた時代
第2 現行刑事訴訟法の制定と保管機関をめぐる対立

1 検察庁の分離により生じた問題
2 法務庁と最高裁判所の対立と刑事訴訟法53条4項による先送り
3 施行後の運用――民刑訴訟記録保存規程の援用

第3 立法までの空白期間――通達による暫定運用

1 暫定措置としての取扱要領(昭和46年・辻辰三郎法務省刑事局長答弁)
2 立法が進まなかった理由(昭和60年・筧榮一法務省刑事局長答弁)

第4 刑事確定訴訟記録法の制定――検察庁保管の確定

1 昭和62年法律第64号による決着
2 検察庁を保管機関とした理由(昭和62年・吉丸眞最高裁判所事務総局刑事局長答弁)

(1) 裁判の執行その他の事務の便宜
(2) 無罪判決の記録も検察庁に統一した理由

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令和元年7月採用の国税審判官の研修資料(AIリライト)

目次

第1 令和元年7月の国税審判官の採用状況
第2 新任審判官研修(令和元年7月29日)
第3 短期研修「審判実務」(令和元年7月30日〜8月2日)

1 7月30日
2 7月31日
3 8月1日
4 8月2日

第4 国税不服審判所の概要
第5 国税不服審判所の定員と外部登用の状況
第6 指定官職及び一般官職としての税務職員

1 指定官職とは
2 期別から職員の年齢を読む方法

第7 関連する資料・記事

1 税務署と他の行政機関との情報共有
2 新任者研修に関する国会答弁
3 担当審判官の担当件数と標準審理期間
4 却下裁決が違法な場合の取消訴訟の適法性
5 税務調査に関する資料
6 国税不服審判所の内部資料・統計

(続きを読む...)令和元年7月採用の国税審判官の研修資料(AIリライト)

各地の検察庁の執務規程

目次

第1 各地の検察庁の執務規程第2 検察庁の司法修習担当部署第3 各地の検察庁の決裁区分に関する文書第4 関連記事その他
第1 各地の検察庁の執務規程

検察庁の執務規程は,各庁の課・室・係が担当する事務を具体的に調べる際の資料となる。
本記事は,過去に入手した執務規程及び決裁区分に関する文書への案内であり,掲載資料が全て現在の改正後の規程であることを示すものではない。
検察事務官の職務と権限の全体像は,検察事務官とはを参照されたい。

実務で用いる場合は,①各文書の制定・改正日,②適用される庁,③対象となる課・室・係,④後の改正の有無を確認することが必要である。
以下の平成28年11月時点の資料は,当時の事務分担を調べるためのものとして位置付ける。

(1) 平成28年11月時点のものは以下のとおりです。
東京地検,横浜地検,さいたま地検,千葉地検,大阪地検,京都地検(資料のリンク先未確認),神戸地検,名古屋地検,広島地検,福岡地検
(2) 各地の検察庁の課及び室に置かれている係の所管事務については,それぞれの検察庁の執務規程を読めば分かりますから,検察修習をしているときに指導係検事にお願いしてコピーをもらえばいいと思われます。

第2 検察庁の司法修習担当部署
(1) 検察庁において司法修習生に関する事務を担当する部署は以下のとおりです。
① 東京地検の場合,総務部司法修習課
② 大阪地検の場合,総務部教養課
③ 大阪地検を除く部制庁の11地検の場合,総務部企画調査課
④ 非部制庁の37地検の場合,企画調査課
(2) 東京地検総務部司法修習課は,東京地検九段庁舎(〒102-0074 東京都千代田区九段南1-1-10 九段合同庁舎内)にあります(東京地検HPの「東京地方検察庁九段庁舎(総務部司法修習課,交通部,特別捜査部)」参照」)。

研修所では女性教官もいるせいかセクハラの類は見たことがないが、東○地○特○部を訪問した際、そこのトップの女性修習生に対するセクハラは酷かった。

引率の教官は先輩でもあるし、無理に普通は入れないところを修習生に見せてもらっているためか黙って見ていた。

これがあの特○部かと幻滅した。

— 阿胡ノ海 (@agonoumi) May 9, 2021

第3 各地の検察庁の決裁区分に関する文書
・ 事件処理の決裁区分について(昭和61年12月15日付の大阪地検次席検事の通知)
・ 事件の決裁区分について(平成7年8月28日付の神戸地検検事正の通達)
・ 事件の決裁について(平成18年6月26日付の徳島地検検事正の通達)

(続きを読む...)各地の検察庁の執務規程

選挙無効訴訟とは―提訴できる人・期限・無効になる条件と一票の格差(AIリライト)

目次

第1 選挙無効訴訟とは―最初に確認する三つの手続
第2 選挙無効訴訟の法的性質
1 行政事件訴訟法上の民衆訴訟
2 国政選挙と地方選挙の手続の違い
3 通常の選挙無効訴訟と議員定数訴訟
第3 国政選挙の選挙無効訴訟の原告,被告及び管轄
1 原告となることができる者
2 被告となる選挙管理機関
3 出訴期間及び専属管轄
第4 選挙無効の要件と主張できる無効原因
1 公職選挙法205条の二つの要件
2 選挙管理と関係しない制度上の違憲主張
第5 一票の格差訴訟と事情判決の法理
1 公職選挙法204条を用いる理由
2 行政事件訴訟法31条を準用しないこととの関係
3 近時の最高裁判例との関係
第6 迅速審理,執行不停止及び再選挙の制限
1 100日裁判及び優先審理
2 選挙の執行は停止しないこと
3 出訴期間中又は係属中の再選挙等
4 判決等の通知及び証明書
第7 国政選挙事務と第1号法定受託事務
1 第1号法定受託事務の意味
2 国政選挙に関する事務
3 他の第1号法定受託事務との比較
第8 法務大臣及び総務省の関与
1 第1号法定受託事務に関する訴訟の報告
2 法務大臣に対する訴訟実施請求
3 総務省選挙部の訟務専門官

(続きを読む...)選挙無効訴訟とは―提訴できる人・期限・無効になる条件と一票の格差(AIリライト)