メインコンテンツへスキップ

行政・政治・公文書

参議院議員通常選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧(昭和時代及び平成時代)(AIリライト)

目次

第1 この記事の対象と読み方第2 一票の格差判決の早見表(第6回~第24回)第3 「合憲」「違憲状態」の意味と参議院の特徴合憲違憲状態違憲参議院の選挙制度と較差の水準第4 各通常選挙と最高裁判決1 第6回(昭和37年7月1日・最大格差4.09倍)2 第9回(昭和46年6月27日・最大格差5.08倍)3 第11回(昭和52年7月10日・最大格差5.26倍)4 第12回(昭和55年6月22日・最大格差5.37倍)5 第13回(昭和58年6月26日・最大格差5.56倍)6 第14回(昭和61年7月6日・最大格差5.85倍)7 第16回(平成4年7月26日・最大格差6.59倍)8 第17回(平成7年7月23日・最大格差4.97倍)9 第18回(平成10年7月12日・最大格差4.98倍)10 第19回(平成13年7月29日・最大格差5.06倍)11 第20回(平成16年7月11日・最大格差5.13倍)12 第21回(平成19年7月29日・最大格差4.86倍)13 第22回(平成22年7月11日・最大格差5.00倍)(1) 判決の内容(2) その後の法改正14 第23回(平成25年7月21日・最大格差4.77倍)(1) 判決の内容(2) その後の法改正15 第24回(平成28年7月10日・最大格差3.08倍)第5 関連記事出典・参考資料1 法令2 裁判例(いずれも最高裁判所判決)3 公文書・資料4 文献5 ウェブ資料第1 この記事の対象と読み方

本記事は昭和・平成時代の判例一覧です。選挙無効訴訟の原告・期限と手続全般は,選挙無効訴訟とは―提訴できる人・期限・無効になる条件と一票の格差を,令和時代を含む判例の位置付けと情報の基準日は,一票の格差の総合解説を参照してください。

この記事は,参議院議員通常選挙の選挙区選出議員の一票の格差(投票価値の較差)を争った選挙無効請求訴訟について,最高裁判所が示した判決を,選挙ごとに整理した一覧です。

対象とするのは,昭和39年から平成29年までに最高裁判決が言い渡された,第6回通常選挙(昭和37年7月1日施行)から第24回通常選挙(平成28年7月10日施行)までの15回分です。

令和以降に施行された通常選挙は,この記事の対象に含みません。

各判決の結論は,「合憲」と「違憲状態」に分かれます。参議院議員通常選挙については,定数配分規定そのものを違憲とした最高裁判決は,これまでにありません。

その意味は第3で説明し,第2の早見表で全体を一望できるようにしたうえで,第4で選挙ごとの判決内容と,その後の公職選挙法の改正を記載しています。

掲載した最高裁判決には,裁判所ウェブサイトの判決全文へのリンクを付けています。

最大格差は,特記しない限り,選挙当日の選挙区間の議員1人当たり選挙人数(有権者数)の比です。人口(国勢調査)を基準とした較差とは数値が異なる場合があります。

第2 一票の格差判決の早見表(第6回~第24回)回・施行日最大格差最高裁判決法廷結論第6回
昭和37年7月1日4.09倍昭和39年2月5日大法廷合憲第9回
昭和46年6月27日5.08倍昭和49年4月25日第一小法廷合憲第11回
昭和52年7月10日5.26倍昭和58年4月27日大法廷合憲第12回
昭和55年6月22日5.37倍昭和61年3月27日第一小法廷合憲第13回
昭和58年6月26日5.56倍昭和62年9月24日第一小法廷合憲第14回
昭和61年7月6日5.85倍昭和63年10月21日第二小法廷合憲第16回
平成4年7月26日6.59倍平成8年9月11日大法廷違憲状態第17回
平成7年7月23日4.97倍平成10年9月2日大法廷合憲第18回
平成10年7月12日4.98倍平成12年9月6日大法廷合憲第19回
平成13年7月29日5.06倍平成16年1月14日大法廷合憲第20回
平成16年7月11日5.13倍平成18年10月4日大法廷合憲第21回
平成19年7月29日4.86倍平成21年9月30日大法廷合憲第22回
平成22年7月11日5.00倍平成24年10月17日大法廷違憲状態第23回
平成25年7月21日4.77倍平成26年11月26日大法廷違憲状態第24回
平成28年7月10日3.08倍平成29年9月27日大法廷合憲第3 「合憲」「違憲状態」の意味と参議院の特徴

最高裁は,選挙区間の投票価値の較差が問題となる事件を,2段階の枠組みで判断してきました。

第1に,較差が憲法の投票価値の平等の要求に反する程度に達しているかどうかを見ます。

第2に,達している場合でも,これを是正するために憲法上要求される合理的期間内に是正がされなかったといえるかどうかを見ます。

この枠組みから,結論は次のように分かれます。

合憲

較差が,憲法の投票価値の平等の要求に反する程度には達していないとされた場合です。

違憲状態

較差は違憲の程度に達しているものの,合理的期間内の是正がされなかったとまではいえないとして,定数配分規定を直ちに違憲とはしなかった場合です。結論としては請求は棄却されますが,「合憲」とは区別されます。

違憲

較差が違憲の程度に達し,かつ合理的期間内の是正もされなかったとして,定数配分規定が違憲とされた場合です。この場合でも,選挙自体を無効にすると,かえって憲法の予定しない事態が生じかねないため,公職選挙法219条1項が行政事件訴訟法31条の準用を除外していることを踏まえつつ,同条1項の基礎に含まれる一般的な法の基本原則を用い,選挙は無効とせず違法の宣言にとどめる,という処理が衆議院議員総選挙の事件で採られてきました。もっとも,参議院議員通常選挙については,これまで最高裁が定数配分規定を違憲とした例はなく,最も踏み込んだ判断が違憲状態(第16回・第22回・第23回)です。

参議院の選挙制度と較差の水準

参議院については,3年ごとに議員の半数を改選し,都道府県を単位とする選挙区が設けられてきたことなどの特徴があります。最高裁大法廷昭和58年4月27日判決は,こうした参議院の選挙制度の仕組みに照らして立法府の裁量を広く認め,その後の参議院の定数訴訟の基本的な判断枠組みとなりました。

この枠組みの下で,参議院の事件では,衆議院の事件よりも大きな較差が長く許容されてきました。早見表のとおり,参議院では5倍前後の較差が続いた時期があり,おおむね2倍から3倍程度で違憲状態や違憲とされてきた衆議院とは,問題とされる較差の水準が異なります。

なお,憲法43条1項が両議院の議員を「全国民を代表する」ものとしている趣旨について,最高裁大法廷平成11年11月10日判決は,議員は,その選出方法のいかんにかかわらず,特定の階級・党派・地域住民など一部の国民を代表するものではなく,全国民を代表して独立して行動すべき使命を有することを意味すると解しています。

第4 各通常選挙と最高裁判決1 第6回(昭和37年7月1日・最大格差4.09倍)

最高裁大法廷昭和39年2月5日判決は,合憲としました。

参議院議員通常選挙の定数配分について,投票価値の平等が争われた最初の最高裁判決です。各選挙区にどのような割合で議員数を配分するかは,選挙人の選挙権の享有に極端な不平等を生じさせるような場合は別として,国会の権限に属する立法政策の問題であり,議員数の配分が選挙人の人口に比例していないという一事だけで憲法14条1項に反し無効とはいえない,としました。

2 第9回(昭和46年6月27日・最大格差5.08倍)

最高裁昭和49年4月25日判決(第一小法廷)は,合憲としました。

3 第11回(昭和52年7月10日・最大格差5.26倍)

最高裁大法廷昭和58年4月27日判決は,合憲としました。

参議院の選挙制度の特徴を踏まえて定数配分の合憲性を審査する枠組みを示した判決で,その後の参議院の定数訴訟の基礎となりました。

4 第12回(昭和55年6月22日・最大格差5.37倍)

衆議院と参議院の同日選挙でした。最高裁昭和61年3月27日判決(第一小法廷)は,合憲としました。

5 第13回(昭和58年6月26日・最大格差5.56倍)

昭和58年6月26日の参議院議員通常選挙は,衆議院との同日選挙ではありません。同年の衆議院議員総選挙は12月18日に行われました。最高裁昭和62年9月24日判決(第一小法廷)は,合憲としました。

6 第14回(昭和61年7月6日・最大格差5.85倍)

衆議院と参議院の同日選挙でした。最高裁昭和63年10月21日判決(第二小法廷)は,合憲としました。

7 第16回(平成4年7月26日・最大格差6.59倍)

最高裁大法廷平成8年9月11日判決は,違憲状態としました。

参議院議員通常選挙について,最高裁が初めて違憲状態と評価した判決です。6.59倍という較差は,この記事が対象とする選挙の中で最も大きいものです。

8 第17回(平成7年7月23日・最大格差4.97倍)

最高裁大法廷平成10年9月2日判決は,合憲としました。

9 第18回(平成10年7月12日・最大格差4.98倍)

最高裁大法廷平成12年9月6日判決は,合憲としました。

10 第19回(平成13年7月29日・最大格差5.06倍)

最高裁大法廷平成16年1月14日判決は,合憲としました。

15人の裁判官のうち9人が合憲の結論を支持し,6人が共同反対意見を付しました。
結論を支持した9人の理由は,5人による補足意見1と4人による補足意見2に分かれ,さらに一部の裁判官の追加補足意見が付されています。
追加意見の執筆者を別人数として足すものではありません。

この判決では,多数意見の結論と各共同補足意見の理由を読み分けることが重要です。
意見の構成と具体例は,最高裁判所裁判官の少数意見(https://yamanaka-bengoshi.jp/2020/05/10/saikousai-iken-hyouji/)で説明しています。

11 第20回(平成16年7月11日・最大格差5.13倍)

最高裁大法廷平成18年10月4日判決は,合憲としました。

12 第21回(平成19年7月29日・最大格差4.86倍)

最高裁大法廷平成21年9月30日判決は,合憲としました。

13 第22回(平成22年7月11日・最大格差5.00倍)(1) 判決の内容

最高裁大法廷平成24年10月17日判決は,違憲状態としました。

15人の裁判官全員が,較差は違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていたと判断し,このうち3人(田原睦夫裁判官・須藤正彦裁判官・大橋正春裁判官)は,定数配分規定は違憲であるとする反対意見を付しました。

(2) その後の法改正

平成24年11月26日公布の公職選挙法改正により,福島県及び岐阜県の選挙区の定数を各4人から2人に減らし,神奈川県及び大阪府の選挙区の定数を各6人から8人に増やす,いわゆる4増4減が行われました。

この改正法の附則は,平成28年に行われる通常選挙に向けて,選挙区間の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い,結論を得るものとする旨を定めていました。

14 第23回(平成25年7月21日・最大格差4.77倍)(1) 判決の内容

最高裁大法廷平成26年11月26日判決は,違憲状態としました。

山本庸幸裁判官は,較差の大きい本件選挙は違憲であり,かつ無効とすべきであるとする反対意見を付しました。

この判決には,大橋正春裁判官,鬼丸かおる裁判官,木内道祥裁判官及び山本庸幸裁判官の各反対意見が付されています。
このうち山本裁判官の反対意見は,人口の急激な移動や区割りの都合などによる較差が生ずるのはやむを得ないとしても,許容されるのは「せいぜい2割程度の較差にとどまるべき」であるとし,これを超える本件選挙は無効であるとしました。
その上で,無効とされた場合の効果について,一票の価値が「0.8を下回る選挙区から選出された議員は,全てその身分を失うものと解すべきである」と述べ,事情判決の法理によらずに無効判決の後の扱いを具体的に示しています。

なお,この選挙をめぐる高裁段階の判決の中には,広島高裁岡山支部平成25年11月28日判決のように,選挙を無効とするものもありましたが,最高裁はこれを採らず,違憲状態にとどめました。

(2) その後の法改正

平成27年8月5日公布の公職選挙法改正により,10増10減とともに,鳥取県と島根県,徳島県と高知県を,それぞれ1つの選挙区とする,いわゆる合区が導入されました。この改正は,平成27年11月5日に施行されました。都道府県を単位としてきた参議院の選挙区に,初めて合区が持ち込まれたものです。

15 第24回(平成28年7月10日・最大格差3.08倍)

最高裁大法廷平成29年9月27日判決は,合憲としました。

合区の導入後,最初の通常選挙でした。合区等により較差が3.08倍まで縮小したことなどを踏まえ,合憲とされました。

この判決には,木内道祥裁判官及び林景一裁判官の各意見と,鬼丸かおる裁判官及び山本庸幸裁判官の各反対意見が付されています。
山本裁判官は,平成26年判決の反対意見と同じく,較差は「せいぜい2割程度の較差にとどまるべき」であるとし,一票の価値が「0.8を下回る選挙区から選出された議員は,全てその身分を失うものと解すべきである」と述べています。

第5 関連記事

衆議院議員総選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧(昭和時代及び平成時代)

最高裁が出した,一票の格差に関する違憲状態の判決及び違憲判決の一覧

一票の格差是正に関する公職選挙法の一部を改正する法律等の一覧

最高裁判所における違憲判決の一覧

出典・参考資料1 法令

日本国憲法14条1項・43条1項 e-Gov法令検索

公職選挙法(昭和25年法律第100号) e-Gov法令検索

行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)31条1項 e-Gov法令検索

2 裁判例(いずれも最高裁判所判決)

最高裁大法廷 昭和39年2月5日判決(昭和38年(オ)第422号,民集18巻2号270頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁第一小法廷 昭和49年4月25日判決(昭和48年(行ツ)第102号,集民111号641頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁大法廷 昭和58年4月27日判決(昭和54年(行ツ)第65号,民集37巻3号345頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁第一小法廷 昭和61年3月27日判決(昭和57年(行ツ)第171号,集民147号431頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁第一小法廷 昭和62年9月24日判決(昭和62年(行ツ)第14号,集民151号711頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁第二小法廷 昭和63年10月21日判決(昭和62年(行ツ)第127号,集民155号65頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁大法廷 平成8年9月11日判決(平成6年(行ツ)第59号,民集50巻8号2283頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁大法廷 平成10年9月2日判決(平成9年(行ツ)第104号,民集52巻6号1373頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁大法廷 平成12年9月6日判決(平成11年(行ツ)第241号,民集54巻7号1997頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁大法廷 平成16年1月14日判決(平成15年(行ツ)第24号,民集58巻1号56頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁大法廷 平成18年10月4日判決(平成17年(行ツ)第247号,民集60巻8号2696頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁大法廷 平成21年9月30日判決(平成20年(行ツ)第209号,民集63巻7号1520頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁大法廷 平成24年10月17日判決(平成23年(行ツ)第51号,民集66巻10号3357頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁大法廷 平成26年11月26日判決(平成26年(行ツ)第155号,民集68巻9号1363頁) 裁判所ウェブサイト

最高裁大法廷 平成29年9月27日判決(平成29年(行ツ)第47号,民集71巻7号1139頁) 裁判所ウェブサイト(同日にもう1件,平成29年(行ツ)第4号・集民256号101頁の大法廷判決があります。 裁判所ウェブサイト)

3 公文書・資料

総務省 参議院選挙区選出議員の選挙区及び定数の改正等について

4 文献

国立国会図書館 調査及び立法考査局 棟居快行「参議院議員定数配分をめぐる近時の最高裁判例――最高裁平成26年11月26日大法廷判決を中心として――」(レファレンス平成27年7月号)

5 ウェブ資料

日本弁護士連合会 参議院選挙定数配分に関する最高裁判所大法廷判決についての会長声明(平成26年11月26日/平成29年9月28日)

昭和58年の選挙期日は,参議院の衆参選挙、国会回次、歴代内閣対応表及び衆議院議員総選挙一覧表で確認できます。

衆議院議員総選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧(昭和時代及び平成時代)(AIリライト)

目次

第1 この記事の対象と読み方
第2 一票の格差判決の早見表(第33回~第48回)
第3 「合憲」「違憲状態」「違憲」の意味と事情判決
第4 各総選挙と最高裁判決

1 第33回(昭和47年12月10日・最大格差4.99倍)
2 第36回(昭和55年6月22日・最大格差3.94倍)
3 第37回(昭和58年12月18日・最大格差4.40倍)
4 第38回(昭和61年7月6日・最大格差2.92倍)
5 第39回(平成2年2月18日・最大格差3.18倍)
6 第40回(平成5年7月18日・最大格差2.82倍)
7 第41回(平成8年10月20日・最大格差2.309倍)
8 第42回(平成12年6月25日・最大格差2.471倍)
9 第43回(平成15年11月9日・最大格差2.150倍)
10 第44回(平成17年9月11日・最大格差2.171倍)
11 第45回(平成21年8月30日・最大格差2.304倍)

(1) 判決の内容
(2) その後の法改正

12 第46回(平成24年12月16日・最大格差2.43倍)
13 第47回(平成26年12月14日・最大格差2.13倍)

(1) 高裁判決の内容

(続きを読む...)衆議院議員総選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧(昭和時代及び平成時代)(AIリライト)

一票の格差とは何か-違憲状態・違憲判決の違いと最高裁判例一覧(AIリライト)

目次

第1 一票の格差に関する結論

1 本記事の対象及び基準日

(1) 本記事で分かること
(2) 結論の要約

2 最高裁判例の件数

(1) 違憲状態判決は合計8件
(2) 規定を違憲とした判決は2件

第2 一票の格差の意味及び憲法上の根拠

1 一票の格差の意味

(1) 投票価値の不平等
(2) 最大較差の読み方

2 憲法上の根拠

(1) 投票価値の平等

(続きを読む...)一票の格差とは何か-違憲状態・違憲判決の違いと最高裁判例一覧(AIリライト)

検視とは―司法検視・行政検視・検案・検証の違い(AI作成)

目次

第1 最初に確認する用語の違い
第2 刑事訴訟法229条の検視
第3 検案、検証及び警察の死体調査
第4 解剖の種類と遺族の承諾
第5 遺族への説明と資料の確認
第6 死亡後の手続と関連ページ
第7 出典・参考資料

人が病院外で亡くなった場合などには、検視、検案、検証、死体の調査、司法解剖等の言葉が同時に使われます。しかし、これらは実施主体、目的、法的根拠及び遺族の承諾の要否が異なる別の手続です。本記事では、令和8年9月23日現在の法令及び警察庁資料に基づき、最初に全体像を整理します。

第1 最初に確認する用語の違い
用語主な目的主な主体主な根拠
検視死亡が犯罪に起因するかを外表等から見分する検察官。命令により検察事務官又は司法警察員刑事訴訟法229条、検視規則
検案医師が死体を医学的に検査し、死亡及び死因等を判断する医師医師法19条、21条等
検証場所、物又は身体の状態を五官で認識する証拠収集捜査機関又は裁判所刑事訴訟法128条以下、218条等
死体の調査犯罪捜査の手続が行われない死体の死因・身元を明らかにする警察官等警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律
解剖体内を調べて死因、病態等を明らかにする法医学者、監察医、病理医等刑事訴訟法、死体調査法、死体解剖保存法等

「行政検視」は実務上用いられることがある説明用語であり、刑事訴訟法229条の検視と同じ法定手続ではありません。犯罪性が認められない死体については、平成24年法律第34号に基づく警察の調査、医師の検案、監察医による検案等のどの手続を指しているのかを具体的に確認する必要があります。

第2 刑事訴訟法229条の検視
1 対象と目的

刑事訴訟法229条1項は、変死者又は変死の疑いのある死体があるとき、その所在地を管轄する地方検察庁又は区検察庁の検察官が検視をしなければならないと定めています。検視は、背後に犯罪があるかを早期に見極めるため、死体の外表、発見場所、着衣及び所持品等を見分する手続です。

検視の段階で犯罪の嫌疑が認められれば、現場や死体について捜査としての検証、鑑定その他の手続へ進みます。したがって、「検視が行われた」という事実だけで犯罪死と決まったことにはなりません。

2 誰が行うか

検視を行う法定主体は検察官ですが、同条2項により、検察官は検察事務官又は司法警察員に検視をさせることができます。警察官が現場で行うことが多いのは、この代行の仕組みによります。検視規則は、司法警察員が検視をしたときの報告、検視調書及び写真の作成等を定めています。

第3 検案、検証及び警察の死体調査
1 医師の検案

(続きを読む...)検視とは―司法検視・行政検視・検案・検証の違い(AI作成)

保護観察制度―対象者,期間,遵守事項及び社会復帰支援(AIリライト)

第1 保護観察制度の位置付け1 保護観察の目的2 制度を理解する際の注意点第2 保護観察の対象者と期間1 現行法上の四類型2 保護観察処分少年(1) 17歳以下の少年等(2) 18歳・19歳の特定少年3 少年院仮退院者4 仮釈放者5 保護観察付執行猶予者第3 保護観察を担う機関と担当者1 地方更生保護委員会と保護観察所2 保護観察官と保護司3 社会復帰調整官との違い第4 保護観察の進め方1 開始時のアセスメントと実施計画2 一般遵守事項3 特別遵守事項と生活行動指針4 指導監督の五つの方法5 補導援護の七つの方法6 専門的処遇・専門的援助等第5 良好措置と不良措置1 保護観察の解除・一時解除・仮解除2 遵守事項違反時の措置第6 犯罪被害者等に関する制度1 仮釈放等の審理における意見等聴取2 保護観察中の心情等聴取・伝達3 被害回復・軽減に関する指導第7 施設内処遇から地域生活への接続1 生活環境の調整2 更生緊急保護の対象と内容3 更生緊急保護の期間と申出4 刑執行終了者等への援助と地域援助第8 保護観察の実施状況1 令和6年の開始人員と年末人員2 住居・就労・社会参加等の支援第9 令和7年法律第82号による将来改正1 公布済みであるが主要部分は未施行であること2 改正の主な内容第10 関連資料1 仮釈放に関する記事2 家庭裁判所と保護観察所の連携第11 出典・参考資料1 法令・改正法2 公的資料・統計3 制度案内
第1 保護観察制度の位置付け
1 保護観察の目的

保護観察は,犯罪をした者又は非行のある少年を施設に収容せず,又は施設から仮に釈放した後に,社会の中で指導監督と自立のための支援を行う制度である。単に行動を監視する制度ではなく,再犯・再非行に結び付く要因と改善更生に役立つ事情の双方を把握し,対象者が社会の一員として自立できるようにする社会内処遇である(更生保護法49条)。

指導監督には,対象者との接触と行状把握,遵守事項を守らせるための指示,専門的処遇,民間団体等による専門的援助につなぐ措置,被害回復・軽減に誠実に努めるようにする指示が含まれる。他方,補導援護には,住居,医療,就職,教養訓練,生活環境,社会生活への適応等に関する支援が含まれるため,規制と支援を組み合わせた制度である。

2 制度を理解する際の注意点

保護観察の対象者,期間及び違反時の措置は,家庭裁判所の保護処分,少年院からの仮退院,拘禁刑からの仮釈放,刑の執行猶予という入口ごとに異なる。したがって,「保護観察になれば一律に何年間である」と考えることはできない。

また,令和5年12月1日施行の改正により,民間団体等による専門的援助,被害回復・軽減に関する指導,勾留中の被疑者に対する生活環境の調整,更生緊急保護の拡充等が実施された。さらに,令和7年6月1日には懲役・禁錮を一本化した拘禁刑が施行され,令和7年12月10日には保護司制度等を改める令和7年法律第82号が公布されているため,施行済みの制度と未施行の将来改正を区別する必要がある。

第2 保護観察の対象者と期間

少年事件で保護観察が決まるまでの調査・審判は,少年事件の流れと保護者の対応を参照されたい。18歳・19歳の保護処分と逆送・報道の特例は,特定少年とは―18歳・19歳の少年事件,逆送・保護処分・実名報道で比較している。

1 現行法上の四類型

更生保護法48条が定める保護観察対象者は,次の四類型である。

類型
保護観察に付される入口
原則的な期間

①保護観察処分少年
家庭裁判所が少年法上の保護処分として保護観察に付する場合
原則として20歳まで。ただし,20歳までが2年未満なら2年間。特定少年については6月又は2年

②少年院仮退院者
地方更生保護委員会が少年院からの仮退院を許す場合

(続きを読む...)保護観察制度―対象者,期間,遵守事項及び社会復帰支援(AIリライト)

仮釈放に関する公式の許可基準と実際の運用(AIリライト)

第1 仮釈放の許可基準の全体像

1 法律上の最短時期と許可基準は別である
2 4基準は順番に判断される

第2 仮釈放を許すことができる最短時期

1 有期拘禁刑は刑期の3分の1,無期拘禁刑は10年
2 少年法58条の特則

第3 仮釈放審理が始まり,決定に至るまで

1 刑事施設長等による通告と申出
2 地方更生保護委員会による職権審理
3 面接,被害者等の意見及び検察官の意見
4 3人の委員による許可決定

第4 4基準の具体的な判断資料

1 悔悟の情及び改善更生の意欲
2 再び犯罪をするおそれ
3 保護観察に付することの相当性
4 社会の感情

(続きを読む...)仮釈放に関する公式の許可基準と実際の運用(AIリライト)

法務省の定員に関する訓令及び通達

目次
1 「法務省定員細則の一部を改正する訓令」(法務大臣訓令)
2 「本省内部部局の職員の配置定員について」(法務省大臣官房人事課長の依命通達)
3 「法務局及び地方法務局の職員の配置定員について」(法務省大臣官房人事課長の依命通達)
4 「刑務所,少年刑務所及び拘置所の職員の配置定員について」(法務省大臣官房人事課長の依命通達)
5 法務省が作成した,施設別収容定員・現員(刑事施設,少年院及び少年鑑別所)
6 「保護観察所の職員の配置定員について」(法務省大臣官房人事課長の依命通達)
7 「検察庁の職員の配置定員」(法務省大臣官房人事課長の依命通達)
8 法務省訓令及び法務大臣訓令
9 関連記事その他

1 「法務省定員細則の一部を改正する訓令」(法務大臣訓令)
(1) 以下のとおり掲載しています(「法務省定員細則の一部を改正する訓令(令和7年4月1日付の法務大臣訓令)」といったファイル名です。)。
・ 令和 8年4月1日時点のもの
・ 令和 7年4月1日時点のもの
・ 令和 6年4月1日時点のもの
・ 令和 5年4月1日時点のもの
・ 令和 4年4月1日時点のもの
・ 令和 3年4月1日時点のもの
・ 令和 2年4月1日時点のもの
・ 平成31年4月1日時点のもの
・ 平成30年4月1日時点のもの
・ 平成29年4月1日時点のもの
(2) 法務省定員規則(平成13年法務省令第16号)2条に基づく訓令です。

2 「本省内部部局の職員の配置定員について」(法務省大臣官房人事課長の依命通達)
(1) 以下のとおり掲載しています(「本省内部部局の職員の配置定員について(令和7年4月1日付の法務省大臣官房人事課長の依命通達)」といったファイル名です。)。
・ 令和 8年4月1日時点のもの
・ 令和 7年4月1日時点のもの
・ 令和 6年4月1日時点のもの

(続きを読む...)法務省の定員に関する訓令及び通達

厚生労働省労働基準局の,労災保険に係る訴訟に関する対応の強化について

◯労災保険に係る訴訟に関する対応の強化について(平成22年8月4日付の厚生労働省労働基準局補償課労災保険審理室長の事務連絡(平成29年3月29日最終改正))の本文は以下のとおりです。

1 訴訟追行における密接な連携等
(1) 適切な事前協議の実施
   応訴方針に係る労災保険審理室との協議については、平成17年3月30日付け事務連絡「労災保険に係る訴訟に関する応訴方針等について」の記の1において、新規提訴された全ての事件について行うこととされている。
   したがって、全ての新規提訴事件について、事前協議(新件協議(当室において会議形式で行うものをいう。以下同じ。)又は担当中央労災補償訟務官との書面等による協議)を行うこととし、担当中央労災補償訟務官との協議の結果、新件協議を行わないこととした事件についても、担当中央労災補償訟務官と必ず書面等により事前協議を行う。
(2) 原審判決区分Ⅲ又はⅣの訴訟事件の控訴審対応
   平成28年度に、最高裁において1件、高裁において10件の敗訴判決があったことから、当分の間も判決区分Ⅲ又はⅣであって勝訴した事件のうち、一審の判決内容に国側主張と異なる事実認定がされている事件等が上訴された場合は、控訴審における応訴方針について、事前に中央労災補償訟務官あて、応訴方針案等を送付した上で、新件協議に準じた協議を行う。

2 応訴方針の協議等
(1) 応訴方針に係る協議について
   事前協議に当たっては、その1週間前までに応訴方針案(別添様式1)及び医師意見書(原告側及び国側)を担当中央労災補償訟務官あて送付した上で、応訴方針案の適否、国側医師意見書の適否等について協溌する。
(2) 事前協議後の対応について
   事前協議において、応訴方針等に関する指摘事項等があった塙合は、事前協議後2週間以内を目途に当該指示事項を踏まえて応訴方針の修正案を作成し、担当中央労災補償訟務官に送付する。

3 新件協議を行わない場合の適切な事前協議(書面等による協議)の実施
   上記1(1)の担当中央労災補償訟務官との書面等による協議は、新件協議に準じて処理する。

4 労災保険審理室と都道府県労働局が共同して処理する事件への対応
(1) 労災保険審理室と都道府県労働局が共同して処理する事件の指定
   労災保険審理室と都道府県労働局が共同して処理する事件(以下「共同処理事件」という。)は、新件協議及び担当中央労災補償舩務官との書面による協議の結果を踏まえて労災保険審理室長が指定する。
(2) 共同処理事件の指定対象とする事件
   敗訴した際に行政実務に重大な影響を与えることが予想される下記に掲げる労災訴訟事件を指定対象とする。
ア 脳・心臓疾患事件、精神障害事件、石綿関連疾患事件など認定基準等への影響の大きいもの
イ 労働基準法施行規則別表1の2及び告示(平成8年3月29日付け労働省告示33号・改正平成25年9月30日)において示されている疾病に含まれない疾病(化学物質過敏症など)を争点とする事件
ウ 一審で勝訴し控訴された(敗訴し控訴した)事件で上記に準じる事件
エ その他、特に労災保険審理室の指導・支援が必要と認められる事件
(3) 都道府県労働局における対応
   共同処理事件に関して、都道府県労働局が対応する必要のある事項を以下(アからオ)に具体的に記述する。
ア 新件協議等における指摘事項に係る実施状況(補充調査、関係者の聴取等)については、実施後速やかに担当中央労災補償訟務官に報告するとともに、調査結果等を送付し、立証内容等について協識する。

(続きを読む...)厚生労働省労働基準局の,労災保険に係る訴訟に関する対応の強化について

労基署への文書送付嘱託と調査嘱託―厚生労働省の対応・同意確認・黒塗り(AIリライト)

目次

第1 労基署の資料を裁判所を通じて取得する方法第2 調査嘱託は客観的事実についての報告を求める手続第3 文書送付嘱託の対象となる主な文書第4 文書の種類によって異なる同意確認と黒塗り1 関係者の提出文書・聴取書と行政機関の発出文書2 医師作成文書と他の官公署の証明書等第5 復命書は文書名だけで提出範囲を決めない第6 不提出・一部提出の回答を受けたとき第7 令和4年改正版の本省協議の経路第8 出典と関連する記事
第1 労基署の資料を裁判所を通じて取得する方法

労働基準監督署等が保有する労災関係資料について,調査事項への回答を求めるのが調査嘱託,既存の文書の送付を求めるのが文書送付嘱託である。
厚生労働省の通達は,これらの嘱託には原則として応じる立場を示す一方,文書の種類に応じた同意確認や黒塗りの取扱いを定めている。
文書提出命令は別の手続であり,嘱託への対応で同意が得られなかったことだけで,提出命令における提出義務まで決まるわけではない。

本記事は,平成14年3月13日付け基総発第0313001号「裁判所等からの文書提出命令等に対する具体的な対応について」の令和4年9月8日改正版を中心に説明する。
この通達に書かれた行政側の対応と,裁判所が判断する文書提出義務を分けて読む必要がある。

民事訴訟法186条,220条以下及び226条は,e-Gov法令検索で確認できる。
https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109

第2 調査嘱託は客観的事実についての報告を求める手続

通達は,調査嘱託について,文書そのものを送付する文書送付嘱託と区別し,調査事項について文書で報告するものと説明している。
私人の秘密に関する情報の保護や公務の遂行への著しい支障に配慮した上で,客観的事実について報告する取扱いである。

例えば,調査の実施状況や復命書の作成の有無を知りたい場合と,復命書そのものを証拠として提出したい場合では,裁判所に求める内容が異なる。
調査嘱託による回答だけでは原資料の内容を確認できないときは,必要な文書と立証事項を整理して,別の取得方法を検討する。

第3 文書送付嘱託の対象となる主な文書

通達は,対象文書を大きく六つに分けている。
第一は,事業主の報告書,就業規則届,賃金台帳,勤務時間表,労災保険の支給請求書など,関係者から提出された文書である。
第二は,被災者本人や親族,上司,同僚等の聴取書・陳述書である。

第三は,支給・不支給決定通知書,是正勧告書,指導票など,労働基準行政機関が発出した文書である。
第四は,診断書,診療録,レントゲン写真,医師の意見書・鑑定書や,通達がこの区分に掲げる公的機関からの回答書である。
第五は,第四の区分に含まれるものを除く他の官公署からの各種証明書等,第六は,労働基準行政機関の職員が作成した復命書等である。

申立てでは,「労災関係資料一式」だけで済ませず,事故や疾病,対象者,対象期間,文書の名称・作成主体と,何を立証するために必要かを具体化すると,対象文書と回答の過不足を照合しやすくなる。
文書名が分からないときは,既に得ている決定通知書や開示資料の記載も手掛かりになる。

第4 文書の種類によって異なる同意確認と黒塗り
1 関係者の提出文書・聴取書と行政機関の発出文書

申立人自身が提出した文書と申立人の聴取書等は,文書送付嘱託を申し出た時点で裁判所への提出に同意しているものとして,写しを提出する取扱いである。
申立人以外の者が提出した文書は,その者への同意確認を行い,同意が得られた場合に限って写しを提出し,同意が得られない場合は文書の標題のみを回答する。
提出文書に申立人以外の者の情報が含まれる場合には,その部分を黒塗りする取扱いも示されている。

申立人以外の者の聴取書等では,聴取した者の同意を確認し,同意が得られないときは提出を差し控える旨を裁判所に回答する。
同意が得られなかった者については原則として人数のみを回答するが,その者が訴訟の相手方当事者である場合は,氏名を回答して差し支えないとされている。

(続きを読む...)労基署への文書送付嘱託と調査嘱託―厚生労働省の対応・同意確認・黒塗り(AIリライト)

労基署の文書送付嘱託対応―平成30年度会議資料の要旨と関連資料(AIリライト)

目次第1 厚生労働省労働基準局の,文書送付嘱託に対する対応(要旨)第2 関連記事その他第3 出典
第1 厚生労働省労働基準局の,文書送付嘱託に対する対応(要旨)

このページは,平成30年度全国労災補償課長会議資料に含まれる文書送付嘱託対応の要旨と,関連資料の所在を案内するものです。
労基署側の対応の詳しい説明は,令和4年9月8日改正版の通達を扱う次の記事を参照してください。
https://yamanaka-bengoshi.jp/2019/08/18/mhlw-labor-submission-order/

要旨の原資料へのリンクは次のとおりです。
会議資料と要旨資料の掲載時点を確認した上で,後の改正通達と読み分けてください。
https://yamanaka-bengoshi.jp/wp-content/uploads/2020/02/平成30年度全国労災補償課長会議資料.pdf
https://yamanaka-bengoshi.jp/厚生労働省労働基準局の,文書送付嘱託に対する/

労働基準行政機関が保有する医師作成文書への対応と,病院に直接行う文書送付嘱託は対象が異なります。
作成医師への同意確認と患者本人の同意を一括りにせず,病院への申立てについては次の記事を参照してください。
https://yamanaka-bengoshi.jp/2026/09/10/iryoukiroku-bunsho-soufushokutaku/

裁判所からの文書送付嘱託等に対する監督復命書の取扱いについて(平成19年2月15日付の厚生労働省労働基準局監督課監督・監察担当中央労働基準監察監督官の文書)を添付しています。 pic.twitter.com/Te7008kXHW

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 8, 2023

第2 関連記事その他
1 以下の資料を掲載しています。
・ 裁判所からの文書送付嘱託等に対する監督復命書の取扱いについて(平成19年2月15日付の厚生労働省労働基準局監督課の文書)
・ 裁判所からの文書送付嘱託等への対応に係る標準事務処理要領(平成27年5月・厚生労働省労働基準局安全衛生部)
・ 監督指導実務実習・演習(定期監督)(記載例)
→ 令和2年度新任労働基準監督官(後期)研修の資料です。
2 以下の記事も参照してください。
・ 労災保険に関する書類の開示請求方法
・ 刑事記録の入手方法等に関する記事の一覧
・ 弁護士会照会
第3 出典

①平成30年度全国労災補償課長会議資料,資料Ⅵ-5・平成30年3月26日付け事務連絡「文書提出命令等に係る業務参考資料の送付について」(第1に掲載した資料へのリンクを参照)。
②e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」27条1項1号。
③個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドラインに関するQ&A」Q1-63(当該回答は令和7年6月更新)。

本記事は,当時の会議資料に含まれる要旨の所在を案内しています。
文書の種類別の対応,本省協議の経路及び文書提出命令との違いについては,次の記事で令和4年改正版に基づき説明しています。

(続きを読む...)労基署の文書送付嘱託対応―平成30年度会議資料の要旨と関連資料(AIリライト)

平成30年度全国労災補償課長会議資料

目次
1 平成30年度全国労災補償課長会議資料
2 関連記事その他

1 平成30年度全国労災補償課長会議資料
・ 平成30年度全国労災補償課長会議資料を以下のとおり掲載しています。

◯資料Ⅰ  労災管理課長説明資料
資料Ⅰ-1 プレスリリース資料「雇用保険、労災保険等の追加給付のスケジュールの見通しを示す「工程表」を作成しました」
資料Ⅰ-2 平成31年度予算案の概要(労働保険特別会計労災勘定)

◯資料Ⅱ 主任中央労災補償監察官説明資料
資料Ⅱ-1 「平成30年度中央労災補償業務監察結果報告書」

◯資料Ⅲ 労災保険財政数理室室長説明資料
資料Ⅲ-1 労災保険経済概況
資料Ⅲ-2 労災保険の積立金について
資料Ⅲ-3 労災保険の積立金と保険料収入の関係
資料Ⅲ-4 労災保険率設定の基本的考え方
資料Ⅲ-5 労災保険率について

◯資料Ⅳ 石綿対策室室長説明資料
資料Ⅳ-1 アスベスト訴訟への対応について
資料Ⅳ-2 工場型アスベスト訴訟実績推移
資料Ⅳ-3 工場型訴訟個別周知リーフレット
資料Ⅳ-4 建設アスベスト訴訟の概要及びこれまでの判決結果

◯資料V 補償課職業病認定対策室長説明資料
資料V-1  「労働基準法施行規則第35条専門検討会」報告書

(続きを読む...)平成30年度全国労災補償課長会議資料

令和元年の司法書士法及び土地家屋調査士法改正に関する法務省民事局の御説明資料

目次
第1 令和元年の司法書士法及び土地家屋調査士法改正に関する法務省民事局の御説明資料
第2 関連記事その他

第1 令和元年の司法書士法及び土地家屋調査士法改正に関する法務省民事局の御説明資料
◯司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案(第198回国会閣法第46号)に関する御説明資料(法務省民事局)の本文は以下のとおりです。

1 趣旨
   近時の司法書士制度及び土地家屋調査士制度を取り巻く状況の変化を踏まえ,司法書士及び士地家屋調査士について,それぞれ,その専門職者としての使命を明らかにする規定を設けるとともに,懲戒権者を法務局又は地方法務局の長から法務大臣に改める等の懲戒手続に関する規定の見直しを行うほか,社員が一人の司法書士法人及び士地家屋調査士法人の設立を可能とする等の措置を講ずるため,司法書士法(昭和25年法律第197号)及び土地家屋調査士法(昭和25年法律第228号)について,一部改正を行う。

2 司法書士及び土地家屋調査士に関する概況
(1) 司法書士は,不動産登記のうちの権利に関する登記や商業登記,供託等についての法務局に対する申請の代理等のほか,裁判所に提出する書類の作成の代理等を行うことを主たる業務とするものであり(司法書士法第3条第1項),資格試験等を実施することにより,そのために必要な法律知識を備えていることを担保している。
   他方,土地家屋調査士は,不動産登記のうちの表示に関する登記の申請の代理等を行うことを主たる業務とするものであり(土地家屋調査士法第3条第1項) ,資格試験等を実施することにより,そのために必要な測量等の知識や法律知識を備えていることを担保している。
(2) 司法書士については,近時,簡裁訴訟代理等関係業務や成年後見・財産管理業務等への関与が増加している。
   また,土地家屋調査士については,表示に関する登記や筆界,測量に関する専門性を活用して法務局に備え付ける地図(不動産登記法(平成16年法律第123号)第14条第1項)の作成や国士調査法(昭和26年法律第180号)に基づく地籍調査等の分野においてもその活躍の場を広げている。
   加えて,司法書士及び土地家屋調査士ともに,少子高齢化の進展や大規模自然災害の発生等を背景として問題となっている空家問題・所有者不明土地問題への対策について,不動産に関する専門的知識を有する者として参画しているほか, 自然災害における復興支援にも参画するなど,近年その専門性を発揮することが求められる場面は大きく拡大している。
【参照条文】
○不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)
(地図等)
第十四条 登記所には,地図及び建物所在図を備え付けるものとする。
2~6 (略)

3 改正事項の概要
(1) 司法書士法の一部改正
ア 使命を明らかにする規定の新設(新第1条及び第46条第1項関係)
   司法書士法は第1条に目的規定を置き,「この法律は,司法書士の制度を定め,その業務の適正を図ることにより,登記,供託及び訴訟等に関する手続の適正かつ円滑な実施に資し,もって国民の権利の保護に寄与することを目的とする。」としている。この目的規定は昭和53年の司法書士法の一部改正により新設されたものであり,司法書士の業務範囲に関する規定が整備され,登記又は供託に関する手続についての申請代理や裁判所等に提出する書類の作成代理が業務内容であることが明示されたことを踏まえ,「登記,供託及び訴訟等に関する手続」の円滑な実施に資すること等を目的とすることとしたものである。
   平成14年の司法書士法の一部改正においては,簡裁訴訟代理権が付与された。
   上記2記載のとおり,司法書士制度を取り巻く状況の大きな変化に伴い,司法書士が実際に取り扱っている業務の内容は拡大し,社会における役割が増大していることに鑑みると,司法書士法の定めるところによりその業務とする法律事務の専門家として,より広い分野において,国民の権利の擁護等に資する活動を行う使命を負っていることを司法書士法の冒頭で宣明することが適切であると考えられる。
   また,このことにより,司法書士にその職責(司法書士法第2条)をよく自覚させることができ,資質の更なる向上を図ることにもつながると考えられる。
   そこで,司法書士は,司法書士法の定めるところによりその業務とする登記,供託,訴訟その他の法律事務の専門家として,国民の権利の擁護を図り, 自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする旨の規定を新設することとした。

(続きを読む...)令和元年の司法書士法及び土地家屋調査士法改正に関する法務省民事局の御説明資料

検事の研修日程

目次
1 総論
2 新任検事研修の日程
3 関連記事その他

1 総論
(1) 法務省HPに掲載されている,検事研修関係文書を読めば, 平成22年度当時の,新任検事研修,検事一般研修(任官後概ね3年前後の検事を対象)及び検事専門研修(任官後概ね7年ないし10年目の検事を対象)の詳細が分かります。
(2) 法務省HPの「検事に採用されてから」の「検事研修の概要」でも,新任検事研修,検事一般研修及び検事専門研修の3種類があると書いてあります。

令和6年12月12日付の法務省の国会答弁資料(67期ないし76期の検事の5年以内における離職者数及び離職率)を添付しています。 pic.twitter.com/FRw6oO4FcA

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) March 7, 2025

2 新任検事研修の日程
* 「第77期新任検事研修の日程について(令和7年3月19日付の法務総合研究所長の通知)」といったファイル名です。
・ 第78期新任検事研修日程(令和8年3月31日(火)~同年5月8日(金)の39日間)
・ 第77期新任検事研修日程(令和7年3月31日(月)~同年5月9日(金)の40日間)
・ 令和 5年度新任検事(第76期)研修日程(令和5年12月19日(火)~令和6年1月31日(水)の44日間)
・ 令和 4年度新任検事(第75期)研修日程(令和4年12月13日(火)~令和5年1月31日(火)の50日間)
・ 令和 4年度新任検事(第74期)研修日程(令和4年4月26日(火)~同年6月10日(金)の46日間)
・ 令和 2年度新任検事研修日程(令和3年1月6日(水)~同年2月9日(火)の35日間)(73期新任検事が対象)
・ 令和  元年度新任検事研修日程(令和元年12月17日(火)~令和 2年1月31日(金)の46日間)(72期新任検事が対象)
・ 平成30年度新任検事研修日程(平成30年12月18日(火)~平成31年4月 9日(火)の113日間)(71期新任検事が対象)
・ 平成29年度新任検事研修日程(平成29年12月19日(火)~平成30年3月30日(金)の102日間)(70期新任検事が対象)
・ 平成28年度新任検事研修日程(平成28年12月20日(火)~平成29年3月31日(金)の102日間)(69期新任検事が対象)
・ 平成25年度新任検事研修日程(平成25年12月25日(水)~平成26年3月31日(月)の 97日間)(66期新任検事が対象)
・ 平成24年度新任検事研修日程(平成24年12月26日(水)~平成25年3月29日(金)の 94日間)(65期新任検事が対象)

令和2年度新任検事研修日程(令和3年1月6日~同年2月9日までの35日間)を添付しています。 pic.twitter.com/31IyYFOqlY

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) January 24, 2021

(続きを読む...)検事の研修日程

国民年金基金とiDeCoの違いに関する国会答弁-平成27年の厚生労働省年金局長答弁とその後の制度改正(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と調査の基準日第2 答弁が行われた審議1 確定拠出年金法等の一部を改正する法律案の審査2 角田秀穂委員の質問第3 香取年金局長の答弁1 両制度の違いと加入者数2 国民年金基金と個人型DCのどちらから始めるか3 ポータビリティと拠出限度額第4 答弁後の制度改正と現在の状況1 答弁が「今回の制度改正」と呼んだ法案の成立2 国民年金基金の再編3 国民年金基金の積立金を移す仕組みは現在もない4 答弁にいう「付加年金」と条文の関係5 拠出限度額の見直しと加入可能年齢の引上げ6 加入者数と掛金額の現在第5 関連記事第6 出典・参考資料1 国会会議録・議案情報2 法令3 所管行政機関の解説・通知4 統計・データ5 国民年金基金の案内資料
第1 本記事の対象と調査の基準日

本記事は,平成27年8月28日の衆議院厚生労働委員会で,香取照幸厚生労働省年金局長(当時)が,国民年金基金と個人型確定拠出年金(以下「iDeCo」という。)の違いについて述べた答弁を,国会会議録から紹介するものである。
答弁は,両制度の違い,どちらから始めるのが取り組みやすいか,国民年金基金に持ち運び(ポータビリティ)の仕組みがない理由及び拠出限度額の整理に及んでいる。

答弁は平成27年当時の制度を前提としている。
そのため,第4では,答弁で「今回の制度改正」と呼ばれた法案のその後,国民年金基金の再編,拠出限度額及び加入可能年齢の改正並びに加入者数の現状を,令和8年9月18日を基準日として整理した。
令和8年12月1日に施行される改正は,この基準日の時点では施行前である。

本記事は答弁と制度の沿革を扱うものであり,答弁当時の取り組みやすさの評価を,現在の個人の加入判断へそのまま適用するものではない。
現在の終身給付,税,死亡時給付,資金拘束及び併用条件をそろえた比較は,弁護士国民年金基金とiDeCoの比較で説明している。

第2 答弁が行われた審議
1 確定拠出年金法等の一部を改正する法律案の審査

この日の委員会では,確定拠出年金法等の一部を改正する法律案(第189回国会閣法第70号)が議題とされていた。
香取局長は,同じ日の別の答弁で,この改正により個人型について「事実上全ての方が入れるようになります」と説明している(発言番号84)。
衆議院の議案審議経過情報によれば,同委員会は同日に同法案の審査を終えて可決し,衆議院本会議も平成27年9月3日に同法案を可決した。

2 角田秀穂委員の質問

以下で紹介する3件の答弁は,いずれも角田秀穂委員の質問に対するものであり,会議録の発言番号11,13及び15に当たる。
質問は3回に分かれており,順に,①両制度の加入状況と目的の違い(発言番号10),②第1号被保険者が老後の備えとしてどちらを選ぶべきか(発言番号12),③国民年金基金のポータビリティと拠出限度額の整理(発言番号14)を尋ねたものである。
質問に含まれる数値や制度の説明は質問者の前提であり,政府の答弁とは区別して読む必要がある。

第3 香取年金局長の答弁
1 両制度の違いと加入者数
(1) 質問の要旨

角田委員は,国民年金の2階部分として確定給付型の国民年金基金と確定拠出の個人型DCがあり,月額6万8000円の限度額の範囲で重複加入が可能であることを前提に質問した。
そのうえで,国民年金基金の加入者が平成15年度の約79万人をピークに減少し,平成26年3月末では約48万人にとどまっている理由,個人型DCの加入者約18万人のうち第1号被保険者の数と両制度への重複加入者の数,及び両制度の目的の違いを尋ねた(発言番号10)。

(2) 答弁

香取局長は,次のとおり答弁した(発言番号11)。

整理して御答弁申し上げます。

まず、国民年金基金と個人型のDCの違いですが、先生お話ありましたように、非常にわかりやすく言いますと、国民年金基金は、確定給付型、いわばDBと同じように給付型の年金ですので、給付の基本的な設計が異なっているということがございます。

ただ、機能としてはいずれも自営業者や一号被保険者の方の自助努力を支援するということで、そういう意味では目的は共通するものがあるということで、それぞれメリット、デメリットがございまして、個々人の御判断によって加入されるということになります。

国民年金基金は、平成元年に法律が成立して平成三年から適用しておりますので、こちらの方が歴史が長いものでございますし、こちらは地域型と職能型という形で二つの形があるわけですけれども、御案内のように、国民年金基金の加入者自身は少しずつ減少傾向にある。

これは、そもそも一号全体の数が減っている。
自営業者の数が減っているということもございますし、もう一つは、お話ありましたように、一号の中で、いわゆる自営業者といいますか純粋一号といいますか、本来の制度が想定している一号の方々は、全体の一号の数の減少よりもさらに実は減少している。
一号の中で、一定の所得のある方、パート労働の方とか、そういう被用者で一号になっている方もふえているということもありまして、国民年金基金の場合には、掛金の水準等々からいって一定の所得のある方が入るということになりますので、そういった自営業者の方が減っているということもあって少なくなっているというふうに思っております。

その意味でいいますと、個人型の確定拠出年金の方が、個々人の方の制度設計、個々人の御判断で掛金が決められるということになりますと、入りやすいといいますか取り組みやすい制度ということになりますので、一号被保険者の方の対応が変わってきているということも頭に置きながら、国民年金基金と個人型の二つの制度を御用意して入っていただくということを考えております。

数字でいいますと、今、国民年金基金が四十五万人、確定拠出に関しましては、平成二十六年度末、直近でいきますと、約二十一万人の方が入っておられる。

いずれにしても、一号全体から比べると非常に数が少ないわけでございまして、これからその適用拡大を図っていかなければいけないというふうに考えているところでございます。

(3) 答弁で示された数値の基準時点

答弁は,国民年金基金の加入者を45万人,iDeCoの加入者を平成26年度末で約21万人としている。

(続きを読む...)国民年金基金とiDeCoの違いに関する国会答弁-平成27年の厚生労働省年金局長答弁とその後の制度改正(AI作成)

国会回次別の制定法律一覧と法律の調べ方(AIリライト)

第1 国会回次別の制定法律一覧

1 掲載範囲と一覧の見方
2 第221回国会から第210回国会まで
3 第209回国会から第190回国会まで
4 第189回国会から第170回国会まで
5 第169回国会から第150回国会まで
6 第149回国会から第130回国会まで
7 第129回国会から第114回国会まで

第2 常会,特別会及び臨時会

1 常会
2 特別会
3 臨時会

第3 法律の成立,公布及び施行

1 法律の成立と公布
2 電子官報による公布
3 法律の施行

第4 法律及び法律案を調べる公的データベース

1 法令番号,現行条文及び改廃経過を調べる場合
2 法律案と審議経過を調べる場合
3 国立国会図書館の調査資料

(続きを読む...)国会回次別の制定法律一覧と法律の調べ方(AIリライト)

天皇の生前退位に関する国会答弁

天皇の生前退位に関する国会答弁は以下のとおりです。

◯横畠裕介内閣法制局長官(28期の検事です。)の,平成29年6月1日の衆議院議院運営委員会における答弁
 天皇がその意思に基づいて退位するということについては、憲法との関係において、まず、憲法第一条が規定する象徴天皇制のもとでふさわしいものであるかどうか。第二点として、御指摘の憲法第四条第一項が「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」と規定していることと抵触しないかどうか。また、三つ目として、憲法上の制度であります天皇、皇室の安定的な維持という観点から問題を生ずることがないのかといった問題があると考えております。
 すなわち、天皇の退位という行為が憲法に規定されている国事に関する行為に当たらないことは明らかでありますことから、天皇の交代という国家としての重要事項が天皇の意思によって行われるものとした場合、これを国政に関する権能の行使に当たるものではないと言えないのではないかという問題、また、仮に天皇がその意思によって退位することができるとした場合、将来においてでありますが、いわゆる退位の強制、例えば天皇に対して退位を迫るような行為が行われることや、いわゆる恣意的な退位、例えば政治的な意図を含んだ退位あるいはその表明が行われるといったことが生じないことを制度として担保することができるのかといった諸問題があると考えられます。

◯羽毛田信吾宮内庁次長の,平成13年11月21日の参議院共生社会に関する調査会における答弁
 現行の皇室典範が御指摘のように天皇の意思によります退位の制度を認めていないということはそのとおりでございます。
 そういうふうになっておりますところのゆえんのものは、一つには、退位を認めるということが、歴史上いろいろ見られましたようないわゆる上皇でありますとか法皇的な存在というもののある種弊害を生ずるというおそれがありはしないかということ、それから、必ずしも天皇の自由意思に基づかない退位ということの強制があり得るということです。
 いろいろ政治的な思惑の中でそういうようなことが起こるというようなことがありはしないかということ、あるいは天皇が恣意的に退位をされるというようなことになりはしないかというようなことを懸念をいたしまして、そういったことを挙げて、天皇の地位を安定させるということが望ましいという観点から退位の制度を認めないということに現行法なっておるわけでございます。
 そういった皇室典範制度の制定当時の経緯というものをやはり踏まえていかなければならないと思いますし、さらに今、先生もちょっとお挙げになりましたけれども、天皇に心身の疾患あるいは事故があるというような場合につきましては、現在も国事行為の臨時代行でありますとかあるいは摂政の制度が設けられておりますので、そういった事態の起きました場合にはそういった対応をする制度もあるということを考えますと、現在の段階で退位制度を設けるというようなことについては私ども考えていないところでございます。

◯宮尾盤宮内庁次長の,平成4年4月7日の参議院内閣委員会における答弁
 これ[注:天皇の生前退位]も現在の皇室典範制定当時いろいろな考え方があったようでございますけれども、その制定当時、退位を認めない方がいいではないか、こういうことで、制度づくりをしたときの考え方といたしましては三つほど大きな理由があるわけでございます。
 一つは、退位ということを認めますと、これは日本の歴史上いろいろなことがあったわけでございますが、例えば上皇とか法皇というような存在が出てまいりましていろいろな弊害を生ずるおそれがあるということが第一点。
 それから第二点目は、必ずしも天皇の自由意思に基づかない退位の強制というようなことが場合によったらあり得る可能性があるということ。
 それから第三点目は、天皇が恣意的に退位をなさるというのも、象徴たる天皇、現在の象徴天皇、こういう立場から考えまして、そういう恣意的な退位というものはいかがなものであろうかということが考えられるということ、これが第三番目の点。こういったことなどが挙げられておりまして、天皇の地位を安定させることが望ましいという見地から、退位の制度は認めないということにされたというふうに承知をいたしております。
 以上でございます。

◯宮尾盤宮内庁次長の,平成3年3月11日の衆議院予算委員会における答弁
1 今御質問の中にあったようなお考え方というものも一つの考え方であろうかと思うのでございますが、ただ、現在の皇室典範にはそういう考え方というものは全く導入されていないわけでございます。現在の皇室典範の制定当時にも、そういうようなことを含めた制度の検討というか考え方がいろいろあったようでございますが、それは現在の典範には取り込まれていない。
 その理由といたしましては、三つぐらいの考え方があったようでございます。第一点は、生前の退位でございますが、退位をするということについては、日本の歴史などを振り返ってみましても明らかなところでありますけれども、例えば上皇とか法皇というような形の存在があったわけでございまして、そういうものが天皇制というものに対していろいろな弊害を生じた過去の歴史的な経験というものが一つあるわけでございます。第二点は、この退位という制度を仮に認めたといたしますと、天皇の自由意思に基づかないでの退位ということがあり得ては非常に困ることになるわけでございます。そういうことの可能性というものを運用によっては残すという問題が出てくる。第三点は、今度は天皇御自身が理由なしに恣意的な形でおやめになるというようなことが出てきては困るということがあるわけでございます。
 そういういろいろな問題がありまして、そういう制度をつくることはいかがなものであろうかということで、現在の皇室典範ではそういう制度を採用していない、退位の制度を認めていない、こういうふうにしてあるわけでございます。
 そしてさらに、仮に天皇陛下に心身の疾患あるいは事故というようなことがある場合には、現在の皇室典範では、現在の制度といたしましては、国事行為の臨時代行に関する法律の制度がありますし、また、典範の中に摂政という制度も認められておるわけでございますから、臨時代行あるいは摂政という制度を活用することによって退位の制度というものを考える必要はないではないかというのが今私どもの基本的な考え方でございます。
2 まず、摂政の規定ですが、この第三条の方はこれは直接摂政の問題では……(沢田分科員「順序ですよね」と呼ぶ)ええ。これは第三条の方は皇位継承順位ですから特にあれはありません、十六条の関係でございますね。
 それで、ここには身体の重患または重大な事故というふうに摂政を置く場合の規定、それから御成年に達しないとき、こういうことがありますが、今お話の中にありましたように、昭和天皇は大変御高齢で天皇としてのお務めをなさったわけでございますが、御病気になる前は、確かに年齢は八十を超えたりいたしまして相当な御高齢に達しておられましたけれども、そういう点から私どもとしましてはいわゆる御負担の軽減ということを実際上は図りながら、しかし天皇としてのお務めというものは立派にお果たしになれたわけでございます。ですから、何歳以上だからそれは隠居をしなければならぬというような考え方をとる必要はないのであって、やはりその年齢にかかわらず、その地位としてのお務めが十分果たせられるならばこれは全く問題がない、ただ御負担軽減というようなものは図っていきましょう、こういうのが私どもの考え方であります。
 ただ現実に、御病気になられた昭和六十二年、それから手術をされたとき、それから昭和六十三年、病いが重くなられたこのときには、これはやはり御公務をお果たしをすることがなかなか困難であったわけでございますから臨時代行の制度を置きまして、これによって天皇としてのお務めを当時の皇太子さんにお果たしいただいた、こういうことになっておるわけでございます。ですから、こういう制度がありますから、高齢化、お年を召したからそういう退位の制度を考えたらどうかという点については、私どもは今全く必要がないのではないかと考えておるわけでございます。

*1 令和の代替わりに際しての天皇の生前退位に関する基本資料は以下のとおりです。
① 象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(ビデオ)(平成28年8月8日付)

(続きを読む...)天皇の生前退位に関する国会答弁

衆議院の解散に関する内閣答弁書―解散権の根拠・限界と令和8年までの政府見解(AIリライト)

第1 この記事が扱う対象

1 内閣答弁書から確認できる政府見解
2 憲法及び法律が定める事項

第2 昭和54年及び昭和55年の基礎的な答弁書

1 昭和54年2月16日答弁書
2 昭和54年3月23日再答弁書
3 昭和55年の再確認

第3 昭和60年及び昭和61年の連続答弁

1 憲法69条と7条解散
2 第104回国会における飯田忠雄議員の質問

第4 平成23年から平成30年までの政府見解

1 東日本大震災時の解散可能性
2 平成29年の臨時会召集直後の解散
3 法の支配及び立憲主義との関係

第5 「内閣総理大臣の専権事項」という表現

1 法的な権限主体と政治的主導性
2 石破茂氏の首相就任前後の見解
3 能登の二重災害後の総選挙に関する答弁書

(続きを読む...)衆議院の解散に関する内閣答弁書―解散権の根拠・限界と令和8年までの政府見解(AIリライト)

原子力損害賠償の現状と主な被害者支援制度―中間指針第五次追補,原発ADR,生活再建支援金等(AIリライト)

東京電力福島第一原子力発電所事故の損害賠償は,原子力事業者が負う損害賠償責任を基礎とする制度です。これに対し,被災者生活再建支援金,犯罪被害者等給付金,中国残留邦人等への援護,拉致被害者等への給付は,それぞれ目的,対象者,算定方法及び財源が異なる公的支援制度です。

したがって,支払額だけを横に並べて「どの被害が重く評価されているか」を判断することはできません。本記事では,制度の法的性質を区別した上で,2026年7月16日までに公表された法令,判例,行政資料及び医学研究に基づき,原子力損害賠償の現状と関連制度を整理します。

目次

原子力損害賠償の仕組みと現在の支払状況

各制度の法的性質は異なる
原賠法の基本構造
東京電力の支払総額
中間指針第五次追補

主な追加賠償項目
指針額は上限ではない

請求方法,原発ADR及び消滅時効

福島第一原発事故と健康影響に関する現在の科学的評価

UNSCEAR 2020/2021年報告書
甲状腺がん検査をどう読むか
妊娠転帰及び精神的影響

被災者生活再建支援制度

対象世帯と支給額

(続きを読む...)原子力損害賠償の現状と主な被害者支援制度―中間指針第五次追補,原発ADR,生活再建支援金等(AIリライト)

即位の礼及び大嘗祭に関する,平成2年4月17日の衆議院内閣委員会における質疑応答

○即位の礼及び大嘗祭に関する,平成2年4月17日の衆議院内閣委員会における質疑応答は以下のとおりです。
なお,文中の山口(那)委員は山口那津男衆議院議員(平成13年7月29日から参議院議員であり,平成21年9月30日に第3代公明党代表に就任)(34期の弁護士)であり,工藤政府委員は工藤敦夫内閣法制局長官であり,宮尾政府委員は宮尾盤宮内庁次長であり,多田説明員は内閣官房内閣参事官室首席内閣参事官兼内閣総理大臣官房総務課長です。

○山口(那)委員 私は、即位の礼、大嘗祭等についてお尋ねするものでありますが、その前提として、次の点を確認しておきたいと思います。
まず、公明党は、党の綱領で日本国憲法を守るということを規定した唯一の政党であり、象徴天皇制も是認すると同時に、国民主権及び信教の自由を初めとする基本的人権を擁護する立場に立っております。私は、日本国憲法のもとで生まれ育った者として初めて即位の礼を迎えるわけでありますが、主権を有する国民の一人として、この憲法の趣旨を最大限に尊重する立場で御答弁をお願いしたい、このように思います。
さてそこで、即位の礼に対しては、旧皇室典範及び登極令等に詳細な規定が置かれてありますが、このたびの即位の礼は、国事行為として行う範囲として、即位礼正殿の儀、祝賀御列の儀、饗宴の儀、この三つに集約されました。この儀式の範囲を定めるに当たって、憲法の趣旨に沿ってどのような点を配慮したのか、具体的に述べていただきたいと思います。
○多田説明員 皇室典範の二十四条で「皇位の継承があつたときは、即位の礼を行う。」という規定がございまして、その即位の礼というものが具体的にどういうものを指すかということについては、各方面からいろいろな意見がございましたので、準備委員会で慎重に検討いたしまして、そして先生おっしゃったとおり憲法の趣旨に沿って、しかも皇室の伝統等を尊重してという基本路線で各儀式等を検討して整理をしていった結果、この三つは即位の礼ということで国事行為として行うことに非常にふさわしい儀式だというふうに判断をいたしまして、この三つに具体的には決定させていただいたということでございます。
○山口(那)委員 その際、旧登極令に細かな規定があるわけですが、それらのすべての儀式のうちからこの三つに絞ったということは、例えば宗教性の伴う儀式等を外したということになるのでしょうか。
○多田説明員 おっしゃるとおり、宗教の問題のほかにも現行の憲法から考えるとどうもふさわしくないという性格のものもかなりございますので、そういうものは全部外させていただいたということでございます。
○山口(那)委員 その宗教的性格のほかに、現行憲法のもとでふさわしくないとお考えになった具体的な基準を幾つか述べていただきたいと思います。
○工藤政府委員 若干申し上げますと、今首席参事官の方から政教分離原則のお話がございましたけれども、それ以外にも、まず国民主権の原則に反しないかどうかというのが一つございます。それから、憲法一条に規定してございます象徴たる天皇にふさわしいものであるかどうか、こういった基準があろうかと思います。
○山口(那)委員 次に、さきの御崩御の際の内閣総理大臣の謹話にもありますように、天皇陛下におかせられましては国民とともに歩む皇室を念願されておられる旨が表明されておりますが、即位の礼はその陛下の念願を国民に示される非常によい機会であろうと思われます。この儀式のほかに何か具体的な方策をお考えでしょうか。
○宮尾政府委員 ただいま御質問にもありましたように、天皇陛下には国民とともに歩む皇室ということを絶えず念願をされておられまして、折あるごとにそのような機会を持つように努められておるわけでございます。
それで、具体的に即位礼等に関連をして何かあるかということの御質問でございますが、今回の一連の行事の一つといたしまして、御質問の趣旨に沿うような意味合いをもちまして一般参賀というものを新しく設けることといたしております。それから、京都、関西方面への御親謁も予定されておりますので、その際、ゆかりのある京都におきまして茶会を催し、関西方面の方々とも直接お会いして祝意を受けられ、陛下としてもお会いする機会を設けるというようなことを新しく考えておるわけでございます。
○山口(那)委員 そのほかに、例えばマスコミ等を通して国民に対してお言葉を述べられるような機会はお考えですか。
○宮尾政府委員 一般参賀では当然陛下も参賀においでになられた国民の方々に親しくお言葉をおかけになります。それから茶会等におきましても、これはまだ今後どうするかということでありますけれども、何らかのお言葉というものがあるのではなかろうか、こういうふうに考えられます。そしてそういうものが一般参賀なり茶会に取材にお見えになる報道関係等の方々を通じて国民に紹介をされるわけでございますので、御質問のような趣旨というものはそういう機会を設けることによって生かされておると思っております。
今、特別の形で何らかの予定がそれ以外にあるかという点については、考えておるものは特段ないわけでございます。これは一つの機会をつかまえてという御趣旨であろうかと思いますが、陛下のお気持ちというものは今後長い間の陛下のいろいろな機会における国民に対する接触の仕方、お言葉等の中で十分あらわれていくと考えておりますし、私どももそういう意味でいろいろなお手伝いをしていきたいと思っておるわけでございます。
(中略)
○山口(那)委員 次に、大嘗祭についてお尋ねします。
大嘗祭の伝統的意義についてもう一度確認をしたいと思います。いかがですか。
○宮尾政府委員 大嘗祭の伝統的な意義という御質問でございますが、これは日本書紀等にも記述がございますように、古くから大嘗、新嘗という区分は必ずしもその時代はなかったようでございますけれども、大嘗祭というものが御即位に伴って行われておる、こういう記述がございます。
それから、奈良時代に入りましては大嘗、新嘗の区別がなされまして、一番最初にその区別が行われて大嘗祭をとり行われたのは第四十代の天武天皇のときからであると言われております。
以来、御即位の都度、皇室にとりましては一世一度の非常に重要な即位儀礼という形で行われてまいりまして、そういった点は貞観儀式等にもきちんといろいろ書かれておるわけでございます。そういう意味からいたしまして、大嘗祭は皇室で長い間続いてきた伝統的儀式でありますが、これは一世一度の皇位継承儀礼であると私どもは重く考えておるわけでございます。
○山口(那)委員 大嘗祭の歴史的伝統に照らして、これは天皇個人に関する儀式という性格が強いのでしょうか、それとも皇室というある意味での集団に関する儀式という色彩が強いのでしょうか。
○宮尾政府委員 これを歴史的にどういうふうに申し上げるかというのはなかなか難しい話かもしれませんが、少なくとも現在の憲法では天皇は象徴的な地位、国民統合の象徴である。そういう象徴的な地位というお立場に立っておられます。古くから皇室が国内的にどういうお立場であったのか、こういうことはいろいろ難しい、難しいといいますか、一口に言うことはできないかもしれませんが、少なくとも、抽象的に申し上げれば今の憲法に明記されているようなお立場にあったと私ども考えておるわけでございます。
そういう意味で、天皇個人のということではなくて、御主宰になるのは天皇がお一人で御みずからなされますけれども、それは皇室にとっても非常に重要な儀式でありますし、それから現行の憲法のもとにおきましても、あるいは往時のいろいろな歴史的なものをたどってみましても、日本の天皇という意味でそういう行事をとり行われることは大変国家的な意味でも重要なことであったというふうに考えておるわけでございます。
○山口(那)委員 この大嘗祭は宗教的な性格を帯びているということが指摘されておりますが、どのような点で宗教的な性格があるとお考えでしょうか。
○宮尾政府委員 政府が昨年取りまとめました見解の中にもその点は記述をしてあるわけでございますが、大嘗祭の中心的な儀式としましての大嘗宮の儀というのは、陛下御みずからその年とれました新穀を皇祖、天神地祇にお供えになり、また、御みずからも召し上がって、そして安寧と五穀豊穣を感謝する。そういう儀式の趣旨、形式等からいたしまして宗教上の儀式としての性格を有することは否定しがたい。こういうふうに言われておるわけでございます。
○山口(那)委員 その際、宗教的な儀式というその宗教というのはどのような御理解をしておられますか。
○宮尾政府委員 これは皇室の伝統的な方式によりましてとり行われてきておるものでございまして、皇室におきましてはいろいろな祭祀を日常行っておられますし、事あるごとに皇室の伝統的な方式によりまして行っておられるわけでございます。大嘗祭もそういう意味では皇室の伝統に従った儀式のやり方で行われるだろうと理解をしておるわけでございます。

(続きを読む...)即位の礼及び大嘗祭に関する,平成2年4月17日の衆議院内閣委員会における質疑応答

天皇の崩御・即位に伴って行われる国事行為としての儀式に関する,昭和63年11月8日の衆議院決算委員会における質疑応答

○天皇の崩御・即位に伴って行われる国事行為としての儀式に関する,昭和63年11月8日の衆議院決算委員会における質疑応答は以下のとおりです。
なお,文中の東中委員は東中光雄衆議院議員(日本共産党)(3期の弁護士(大弁))であり,小渕国務大臣は小渕恵三内閣官房長官であり,味村政府委員は味村治内閣法制局長官であり,宮尾政府委員は宮尾盤宮内庁次長です。

○東中委員 私は、天皇の代がわりに伴う、憲法七条による国事行為としての諾儀式についてお伺いをしたいと思います。
主権在民と政教分離の原理が明記されております日本国憲法下において、天皇の代がわりの儀式がどのように行われるのか。憲法第七条の「天皇の国事行為」として行われる儀式はどういう儀式があるのか、お伺いをしたいと思います。
○味村政府委員 法律上の事柄について申し上げますが、憲法第七条は天皇の国事行為を限定列挙しているわけでございます。そして、その十号に「儀式を行ふこと。」というのがございまして、ここに言う「儀式」というのは、天皇が主宰されまして国の儀式として行うにふさわしいものを言うというふうに考えております。
ところで、皇室典範第二十四条には、「皇位の継承があったときは、即位の礼を行う。」と規定しておりまして、また同じく、皇室典範の二十五条には「天皇が崩じたときは、大喪の礼を行う。」こう規定しております。これは皇位の継承及び天皇の崩御がございました場合には、憲法第一条が規定いたしておりますように、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」であることにかんがみまして、国事行為たる儀式として、即位の礼及び大喪の礼を行うことを予定したものと解されるわけであります。
○東中委員 国事行為として行われる即位の礼、それから大喪の礼、新皇室典範に書いてあるその儀式の具体的内容をお聞かせ願いたいと思います。
○小渕国務大臣 皇室典範に定める即位の礼及び大喪の礼の儀式は、憲法の趣旨に沿い、かつ、皇室の伝統等を尊重したものになると考えておりますが、具体的内容につきましては現在お答えのできる段階ではございません。
○東中委員 今まで政府は、憲法の趣旨に沿い、かつ、皇室の伝統等を尊重してということを言われておって、そうしたものにたると質問主意書に対する答弁もそう書いてあります。
問題は、皇室の伝統等を尊重すると言っておるその伝統というのは一体何なのかということに結局帰着するわけでありますが、帝国憲法と旧皇室典範では、名前は同じ天皇ですけれども、天皇は天照大神から授かった祖宗の神器を受ける、これは旧皇室典範に書いてありますね、受けた万世一系の神聖不可侵の現人神で、国の元首にして統治権の総攬者である、陸海軍の統帥権者である、こういう絶対的な天皇であったわけです。その天皇の代がわりの場合には、帝国憲法と旧皇室典範に基づいてつくられた皇室令、登極令なり皇室喪儀令なり、こうした皇室令に基づいて天皇代がわりの儀式がやられてきたわけであります。大正から昭和に代がわりしたときの儀式は、践祚の式として四儀式、大喪の儀として二十九儀式、即位の礼及び大嘗祭として二十八儀式、一年余にわたって合計六十一の儀式がとり行われてきた。このことは、宮内庁なども、我々の方に七九年の内閣委員会のときなどで資料で出されておるところであります。
そこで問題は、この皇室令というのは、日本国憲法によって、その九十八条の趣旨からいっても、帝国憲法及び皇室典範が現行憲法に反する、原理が反するものだとして廃止されたものですね。だから、皇室令に基づいてやられた明治以後の儀式というのは、皇室の伝統じゃなくて、帝国憲法に基づいた、旧皇室典範に基づいた皇室令によってやられたものであって、それは今や廃止されているものであります。だから、主権在民で、しかも政教分離の原理をちゃんと出している中では、さきに皇室令に基づいてやられた儀式を踏襲するということは、憲法原理がまるきり違いますから、私は許されないことだと思うのですが、その点についての政府の御見解を承りたいと思います。
○味村政府委員 旧皇室令が新憲法の施行と同時に廃止になっておりますことは、委員の御指摘のとおりでございます。しかし、旧皇室令によって行われておりました御喪儀なり即位の礼が、伝統でないということにはならないと存じます。したがいまして、今回の、先ほど申し上げました即位の礼なり大喪の礼につきましては、新憲法のもとで新憲法の趣旨に沿うような形で、しかも伝統を尊重して行われる、このような、先ほど官房長官の申されたとおりのことになるわけでございまして、およそ新憲法に違反するような儀式というものは国の儀式として行われることはないと申してよろしいと存じます。
○東中委員 天皇代がわりに際して行われる最初の国事行為としての儀式は、どういう儀式ですかい。
○宮尾政府委員 旧憲法下におきましては、践祚の式といたしまして、賢所の儀、皇霊殿・神殿に奉告の儀、剣璽渡御の儀及び践祚後朝見の儀というものが行われております。
○東中委員 何を言うていますか、あなた。新憲法、現在の憲法で最初にやられるのは何ですかと言うて聞いておるのであって、あなたの言われたいわゆる践祚の儀としての四つの儀式、それは旧憲法の皇室令に基づくものですね。だからそんなもの先刻承知なんですが、それをやるつもりですかということを聞いているのです。
ところで、現行の皇室典範によりますと、践祚という概念は既にありませんということを内閣法制局長官が既に答弁をしています。践祚の概念は現行法上ないのですから、践祚の儀式というものはあり得ないわけですが、その点はいかがですか。
○宮尾政府委員 先ほど申し上げましたように、旧憲法下におきましては四つの儀式が行われたわけでございますが、皇位継承があったときに行われます諸儀式のうちで国事に関する行為としての儀式は、憲法の趣旨に沿いまして、かつ、皇室の伝統を尊重したものになるというふうに考えておりますが、その具体的な内容につきましては現在お答えをする段階にはございません。
なお、践祚という言葉は現在の憲法、法律のもとでは即位という言葉になっております。
○東中委員 法制局長官が、践祚の概念は現行法制上ございませんという答弁をしたのは、七九年四月十七日の内閣委員会でそういう答弁をしています。宮内庁がそれを変えると言ったって始まらぬわけで、即位という言葉は前からもあったのです。それで、現行法の即位の言葉と前の即位の言葉では違う、践祚の概念は現行法上ない、しかし践祚の儀式はやるんだというのか、やらないというのか、ここが今の話でははっきりしないわけです。
改めてお伺いをしますけれども、先ほど宮内庁からお話のあった剣璽渡御の儀、現在は言葉をかえて剣璽等承継の儀という言葉で、いわゆる三種の神器などの承継儀式をやるというふうに準備をされているということが、一部もう既に報道をされておるわけです。その後、践祚後朝見の儀というのが即位後朝見の儀というふうに名前を変えてやろうとしているというふうなことが、既に情報として報道をされております。それで私はお聞きしたいのですが、剣璽渡御の儀あるいは即位後朝見の儀というふうなものは、名前を変えても実質的には同じようなことを国事行為としてやることは許されないと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○味村政府委員 先ほどの、現在の法制度のもとでは践祚という概念がないということを前の法制局長官が答弁したということでございますが、実は私その答弁を持ってきておりませんのではっきりしたことは申し上げられませんが、旧憲法のもとにおきましては、践祚というのは皇位の継承である、天皇の位を継承することを践祚と言い、そして、天皇の位を継承したということを内外に宣明することを即位と言ったというふうに、私はそのように理解をいたしております。現在は、先ほど宮内庁の方からおっしゃいましたように、践祚は即位と申しますか、践祚という言葉はございませんで、皇位を継承することはすなわち即位であるというように考えている次第でございます。また、皇室典範もそのように規定をしているものと存じます。
ところで、先ほどの剣璽渡御の儀等についての御質問でございましたが、これは先ほどから御答弁がございますように、皇位の継承があったときに行われます諸儀式のうちでどのような儀式を国事行為として行うかということについては、答弁できる段階にございませんということでございますので、それにつきましてまた御質問にお答えするということはできかねるということは、御理解いただけると思います。いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、憲法に反する儀式を国の儀式として行うことはあり得ないわけでございます。
○東中委員 準備してないんだそうですが、私ここへ持ってきておりますので、先ほど言いました昭和五十四年四月十七日衆議院内閣委員会、当時の真田政府委員、法制局長官ですが、現行の制度で申しますと、践祚という概念が実はないわけなんでして、先ほどお読みになりました皇室典範の第四条で「皇嗣が、直ちに即位する。」ということと、云々とあって、次に、この「即位の礼を行う。」という場合の即位の礼は、憲法の規定に照らせば、憲法第七条の国事行為の末号にある「儀式を行ふこと。」という儀式に入るのだろうと思いますが、践祚という概念はもうございません。
と、はっきりそういうふうに言っているので、私が勝手に言っているわけでも何でもないのです。だから、今言われていることを、践祚という言葉がなくなったと、今法制局長官はそう言いました。ところが、ここは私は言葉のことを言っているのではなくて、そういう概念はなくなったんだ、現行制度上、概念はなくなったんだと前の法制局長官は言っているんです。そういうことをごまかしたらいかぬです。その点を指摘しておきます。
だから、践祚の概念がなくなったんだから、践祚の儀式というのはなくなるのが当たり前なのです。それをなくするのか、なくさないのかということについてはっきり言わないというのは、私はこれは非常に重要な問題を含んでいると思うのです。
といいますのは、いわゆる剣璽渡御の儀といいますのは、剣はいわゆる草薙剣というか天叢雲剣というものですね。それから曲玉ですね。それから、鏡の方は三種の神器の中に入るけれどもここには具体的には入らないようですが、そういう剣璽の神器を渡すのは、旧皇室典範には十条ではっきりと「祖宗ノ神器ヲ承ク」というふうにちゃんと書いてあるのですね。ところが、今度の皇室典範ではその部分が削られておるのですから、ないのですから、なくなっておるものをやっちゃいかぬ。
なぜなくなっておるかといえば、三種の神器の承継といいますのは、神話に基づいて天照大神から授けられた神器を新天皇に引き継ぐという儀式で、そして神格性を新天皇に持たせる。だから「神聖ニシテ侵スヘカラス」という旧憲法の天皇にはこれが要ったわけです。しかし、今の新天皇ではそういうものは一切ないのですから、「国民の総意に基く。」という象徴天皇なんですから、だから、そういうものをここへ持ってくるということになれば神話の世界を持ち込む。国の行為としてそれを持ち込むということになれば、これは主権在民の、しかも政教分離の原則をうたっている憲法上そういうことは許されないんだ。
憲法の趣旨に沿ってと言うなら、憲法の趣旨に沿ってこれはやめるべきであるというふうに思うのですが、改めてもう一回御見解をお伺いしたい。
○味村政府委員 先ほどから申し上げますように、具体的な問題についてお答えをできる段階ではございません。この儀式につきまして一番問題となりますのは、憲法第二十条第三項の政教分離の原則でございます。この憲法二十条三項の政教分離の原則につきましては、有名な地鎮祭に関する最高裁の判決がございます。私どもといたしましては、この最高裁の判決を尊重いたしまして、二十条三項に違反するかどうかということを絶えず判定している次第でございます。

(続きを読む...)天皇の崩御・即位に伴って行われる国事行為としての儀式に関する,昭和63年11月8日の衆議院決算委員会における質疑応答

令和への改元に関する閣議書

目次
1 令和への改元に関する閣議書及び内閣府決裁文書
2 新元号に関する公式説明及び元号法
3 天皇の退位関係のメモ書き
4 元号に関する内閣法制局長官の答弁
5 関連記事その他

1 令和への改元に関する閣議書及び内閣府決裁文書
(閣議書)
① 平成31年4月1日付の閣議書(元号を改める政令)
② 平成31年4月1日付の閣議書(元号の読み方に関する内閣告示)
③ 平成31年4月1日付の閣議書(改元に際しての内閣総理大臣談話)
(閣議請議書)
④ 改元に際しての内閣総理大臣談話について(平成31年4月1日付の閣議請議書)
(内閣府決裁文書)
⑤ 改元に際しての内閣総理大臣談話について(平成31年4月1日付の内閣府決裁文書)

2 新元号に関する公式説明及び元号法
(1) 首相官邸HPに「新元号の選定について」(令和元年5月23日付)が載っています。
(2) 参議院議員小西洋之君提出元号を「令和」と改める政令の閣議決定及び公布に関する質問に対する答弁書(平成31年4月23日付)には以下の記載があります。
 御指摘の「記者会見」で安倍内閣総理大臣が述べたとおり、新元号については、閣議決定を行った後に、宮内庁を通じていずれも速やかに天皇陛下及び皇太子殿下に伝えられたものである。
 また、天皇陛下による元号を改める政令の公布文への署名及び御指摘の「菅官房長官による新元号「令和」の発表」は、御指摘の「お伝え」の後、並行して行われたものである。
(3) 元号法(昭和54年6月12日法律第43号)は以下のとおりです。
1 元号は、政令で定める。
2 元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 昭和の元号は、本則第一項の規定に基づき定められたものとする。

3 天皇の退位関係のメモ書き

(続きを読む...)令和への改元に関する閣議書

法務・検察幹部名簿―平成24年から令和5年のPDF一覧とテキスト版(AI作成)

目次第1 法務・検察幹部名簿の掲載範囲第2 基準日別の掲載資料第3 テキスト版でポスト・生年月日・修習期を調べる第4 人事文書の決裁区分と幹部略歴の公表1 平成30年掲載版の大臣決裁2 事務次官決裁の範囲と免職の例外3 幹部略歴の公表通知との違い第5 人事・給与・検察制度の関連記事1 任命・職務・人事管理2 給与と身分保障3 指揮監督・独立性・処分の審査4 捜査照会と弁護士の職務第6 年次回顧と人事に関する歴史資料1 検察月報「回顧と展望」2 事務次官講話3 検察の活動を監視する仕組みに関する平成21年の答弁書第7 幹部の経歴と個別事件・弁護士倫理の資料を読む際の注意1 検察官経験と弁護活動に関する懲戒事例2 大阪地検検事正経験者の刑事事件に関する報道第8 出典
第1 法務・検察幹部名簿の掲載範囲

人事情報を調べるときは,名簿の基準日と発令の効力発生日を区別する。検察庁の役割・種類については検察庁とはを参照されたい。

資料分かること確認する点幹部名簿特定の基準日における幹部の役職・氏名。対象となる庁・役職と基準日。その後の異動は別に確認する。検事期別名簿その名簿の基準日における検事の掲載情報。名簿の掲載対象と基準日。役職を調べる場合は原本の記載と照合する。人事異動の発令資料特定の日付の任命・異動等。対象者,発令日・効力発生日,旧職と新職。同日の資料の掲載範囲。

基準日の新しい名簿を調べる場合は,令和8年10月1日現在の法務・検察幹部名簿を確認する。同記事にも掲載範囲と基準日後の人事の確認方法がある。過去のPDFは当時の名簿として利用する。

本記事は,法務省作成の法務・検察幹部名簿について,平成24年4月から令和5年1月までの13基準日の掲載資料を案内するものである。
幹部の氏名・役職等を過去の基準日で調べる場合は第2の資料,平成31年4月17日又は令和2年7月17日現在の文字情報を探す場合は第3のテキスト版を参照できる。

名簿の基準日は掲載・更新日とは別であり,過去の名簿にある年齢や役職を現在の情報として読むことはできない。
名簿で開示される項目,幹部略歴を公表する対象職,人事文書の決裁者も,それぞれの文書の作成時点と対象を分けて確認する必要がある。

この形式の名簿の掲載資料は令和5年1月10日現在までである。
より後の基準日の幹部名簿を探す場合は,政官要覧編集者に提供している法務・検察幹部名簿及び法務省本省幹部一覧(令和8年8月12日版)を参照できる。両者は本記事の名簿と対象や掲載項目が同一とは限らない。

第2 基準日別の掲載資料

新しい基準日から順に掲載している。リンクが添付資料ページへ移動する場合は,そのページにあるPDFを開くことができる。

基準日掲載資料令和5年1月10日現在名簿を開く令和4年4月11日現在名簿を開く令和3年4月9日現在名簿を開く令和2年7月17日現在名簿を開く令和2年1月9日現在名簿を開く平成31年4月17日現在名簿を開く平成30年4月11日現在名簿を開く平成29年4月17日現在名簿を開く平成28年4月11日現在名簿を開く平成27年4月15日現在名簿を開く平成26年4月11日現在名簿を開く平成25年4月10日現在名簿を開く平成24年4月10日現在名簿を開く
第3 テキスト版でポスト・生年月日・修習期を調べる

令和8年10月1日現在の役職と生年月日又は生年月・修習期を調べる場合は,法務・検察幹部名簿(令和8年10月1日現在)―ポスト・生年月日・修習期で探す(AI作成)を参照できる。法務省本省等に加え,検事総長・次長検事,8高検の検事長・次席検事及び50地検の検事正・次席検事を掲載し,ポスト順の表に生年月日順・修習期順の索引を付けている。掲載範囲と各項目の出典は同記事の第1・第6に示している。

同じ基準日のポスト順,生年月日順及び修習期・生年月日順の3記事は,同じ人物・項目を並べ替えたものである。
現在は基準日ごとの1記事に,全項目のポスト順の表と,生年月日順・修習期順の索引をまとめている。

令和2年7月17日現在の法務・検察幹部名簿(107人)
平成31年4月17日現在の法務・検察幹部名簿(111人)

平成31年・令和2年のテキスト版には氏名,修習期,生年月日,年齢,現職就任日,現職及び前職を掲載している。
収録人数は当該テキスト版の人数であり,検察官全員の人数ではない。

法務省作成の検事期別名簿は,司法修習期を手掛かりに検事を調べる別系列の資料である。
検事の修習期・生年月日の開示と幹部略歴の公表では,不開示判断の対象文書・情報と,公表通知の対象職を区別して整理している。

第4 人事文書の決裁区分と幹部略歴の公表
1 平成30年掲載版の大臣決裁

法務省行政文書取扱規則(平成30年12月17日版)のPDF31頁・32頁は,当該掲載版の任免及び懲戒処分の文書施行名義者・決裁者を示している。
現在の決裁区分を確定するには,その後の改正を確認する必要がある。任命権者と文書の内部決裁者は,同じ意味の用語ではない。

同掲載版の表の7には,次の検察官を含む職員の任免及び懲戒処分について,文書施行名義者・決裁者をともに大臣とする区分がある。

(続きを読む...)法務・検察幹部名簿―平成24年から令和5年のPDF一覧とテキスト版(AI作成)

保釈中の被告人が罪証隠滅に成功した事例等に関する文書は存否応答拒否の対象となること

目次
第1 「保釈中の被告人が保釈保証金を没取されることなく罪証隠滅に成功した事例に関する文書」については存否応答拒否になるとした,令和元年5月の法務大臣の理由説明書の記載
第2 「保釈中の被告人が事件関係人に接触した結果,事件関係人の供述を自己に有利に変更して無罪判決を獲得した事例に関する文書」については存否応答拒否になるとした,令和元年5月の法務大臣の理由説明書の記載
第3 カルロス・ゴーンの保釈条件
第4 関連記事

第1 「保釈中の被告人が保釈保証金を没取されることなく罪証隠滅に成功した事例に関する文書」については存否応答拒否になるとした,令和元年5月の法務大臣の理由説明書の記載
1 本件対象文書について
   具体的な事件に関し,当該事件を担当する地方検察庁等から法務大臣に対して報告がなされた場合の文書には,例えば,刑事関係報告規程(昭和62年法務省刑総訓秘第28号)第2条及び同規程別冊第1事件報告一覧表に基づく事件報告によるものがある。
   同規程による事件報告の対象となるのは,特定の罪名の事件や,特定の身分を有する者の事件等のほか,犯罪捜査上参考となる事件や公判遂行上参考となる事件とされている。
2 存否応答拒否について
   本件開示請求は, 「保釈中の被告人が保釈保証金を没取されることなく罪証隠滅に成功した事例に関して法務省が作成し,又は取得した文書(直近の事例に関するもの)」であるが,特定の具体的かつ詳細な状況を前提とした事案について,法務省において把握しているか否かを明らかにすることは,検察庁において,そのような事案として把握しているか否か,また当該事案を刑事関係報告規程等に基づき犯罪捜査や公判遂行上参考になるものなどとして,法務省が把握すべき事件であると認めたか否かという事実の有無を明らかにする結果を生じさせるものと認められる。
   当該文書が存在することを明らかにした場合,本件請求に係る内容が相当限定的なものであることも踏まえると,例えば,既iこ報道されている情報や公開の法廷等で明らかにされている情報等.(保釈保証金の没取の有無や当該被告人の罪証隠滅等の行動等)と結び付けて理解されることで,特定の事件において保釈中の被告人による罪証隠滅行為について,検察庁が, 「成功した」もので,法務省に報告すべき事件と評価していることが明らかとなる結果,当該罪証隠滅行為は実効的であるなどとの評価,誤解,憶測等を招くおそれがある。
   他方,当該文書が存在しないことを明らかにした場合,例えば,被告人による罪証隠滅行為が行われたことを個人的に把握している者において,検察庁が当該罪証隠滅行為を把握していないなどと考え,当該罪証隠滅行為は検察に露見することなくなし得るものという評価,誤解,憶測等を招くおそれがあり, さらには,それらが世間一般に拡散するおそれもある。
   そして, これらの評価,誤解,憶測等を招いた結果,現に保釈中の被告人や被疑者による罪証隠滅行為を誘発するとともに,それらの手口の巧妙化が進むおそれがある。
   いったん罪証隠滅行為が行われれば,捜査機関の証拠収集活動や公判立証への影響はきわめて大きく,請求に係る文書の存否情報は, これを公にすることにより,犯罪の予防,鎮圧又は捜査,公訴の維持,刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由があると認められ,法第5条第4号の不開示情報に該当するものと認められる。
   したがって,請求に係る文書の存否情報を回答するだけで,法第5条第4号の不開示情報を開示することとなるため,法第8条による存否応答拒否により対応することが相当であると考えられる。

日本も参考にしたはずのドイツ法下では、罪証隠滅の危険を理由とする勾留はわずか6.9%で、捜査未了、共犯者未検挙、黙秘や否認、証人への不当でない接触は罪証隠滅に該当しないようです(斎藤司「ドイツにおける身体拘束制度と保釈制度とその現状」『保釈 理論と実務』45p〜)。結構日本と違いますね。 https://t.co/wLIQDnY3jD

— 西愛礼@元裁判官 (@Yoshiyuki_JtoB) December 29, 2022

このご指摘は正にその通りだと思います。私は、『任意捜査が先行していたとしても、逮捕勾留されたことで危機感を持っただろうから、罪証隠滅と逃亡の可能性が任意捜査段階よりも高まった』という趣旨のことを裁判官から言われました。 https://t.co/uGRerP9pJN

— とーしょくぱみゅぱみゅ (@to_pamyu) January 3, 2023

第2 「保釈中の被告人が事件関係人に接触した結果,事件関係人の供述を自己に有利に変更して無罪判決を獲得した事例に関する文書」については存否応答拒否になるとした,令和元年5月の法務大臣の理由説明書の記載
1 本件対象文書について
   具体的な事件に関し,当該事件を担当する地方検察庁等から法務大臣に対して報告がなされた場合の文書には,例えば,刑事関係報告規程(昭和62年法務省刑総訓秘第28号)第2条及び同規程別冊第1事件報告一覧表に基づく事件報告によるものがある。
   同規程による事件報告の対象となるのは,特定の罪名の事件や,特定の身分を有する者の事件等のほか,犯罪捜査上参考となる事件や公判遂行上参考となる事件とされている。
2 存否応答拒否について

(続きを読む...)保釈中の被告人が罪証隠滅に成功した事例等に関する文書は存否応答拒否の対象となること

令和元年5月現在,文部科学大臣の日程表は1週間程度で廃棄されていることに関する国会答弁

1 令和元年5月8日の衆議院文部科学委員会において,以下の国会答弁がありました。

○川内委員 最後、あと三分残っておりますので、大臣の日程表のことについて。
この前、あるマスコミで、大臣の日程表は廃棄されているという記事が出ておりました。大臣の日程表ってめっちゃ大事じゃんと私は思うんですけれども、それを廃棄すると。どのぐらいで廃棄しているのか、どういうふうに廃棄しているのかということを教えていただきたいと思います。
○生川政府参考人 お答えいたします。
御指摘の報道のありました情報公開請求についてでございますが、二〇一七年度及び二〇一八年度の文部科学大臣の日程表に係る請求があったところでございます。これに対しまして、文部科学省としては、請求文書に該当する行政文書を、請求があった時点で保有をしていなかったということで不開示とさせていただきました。
これは、今委員から御指摘がありましたように、作成をした大臣日程表を情報公開請求を受けた時点では既に廃棄をしていたということで、その時点では保有をしていなかったという趣旨でございます。
加えて、その廃棄の方法、それから期間についてのお尋ねがございました。
大臣の日程表の廃棄の方法につきましては、基本的には、紙媒体のものにつきましてはシュレッダーにより廃棄をし、電子媒体についてはデータ自体を消去するということで廃棄をしているところでございます。
 また、大臣日程表を廃棄するまでの期間でございますけれども、政府の行政文書の管理に関するガイドライン及び文部科学省行政文書管理規則におきまして、定型的、日常的な業務連絡及び日程表等の保存期間を一年未満とすることができるというふうに定められております。これに基づきまして、日程表をおおむね一週間程度で廃棄をさせていただいているというところでございます。
○川内委員 大臣、大臣の日程表、一週間で廃棄されるんですよ。大臣の日程表ですよ。私は、めちゃめちゃ歴史的な価値のある公文書であるというふうに思いますけれどもね。
では、廃棄しているということなんですけれども、大臣本人あるいは秘書官あるいはSPあるいは秘書課のその他の職員で、大臣日程表を個人で保有していらっしゃる方がいるのではないかということを確認してくださいときのう質問レクで申し上げておきましたが、御確認をいただきましたでしょうか。
○生川政府参考人 お答えいたします。
昨日、質問レクの際に委員の方から、大臣の日程表について、本来の廃棄すべき時期を過ぎても個人的に保有している職員はいないか尋ねてほしい、そういう趣旨の御質問をいただいたというふうに認識をいたしております。
これを受けまして、お問い合わせいただきましたことについて確認をさせていただいたところでございます。
今回調べた範囲では、個人的に保有している職員はいませんでしたということでございますので、その旨、御報告をさせていただきます。
○亀岡委員長 時間が過ぎております。
○川内委員 今回調べた範囲ではと限定をおつけになりましたけれども、私が聞いたのは、職員の方々の中で大臣の日程表をと、限定をつけずに聞いておりますけれども、もう少し誠実な御答弁をいただければありがたかったなというふうに思いますが。
最後に、大臣、大臣の日程表は価値がないと言われているんですよ。歴史的公文書ではないという判断を文科省はしているわけです。私は重要だと思いますよ。これは、大臣が、大臣の日程表ぐらいきちんと保存しておきなさいと指示すれば、ずっと保存されるんですよ。これは、行政が政治をめっちゃばかにしているんですよ。
○亀岡委員長 時間が過ぎているので、簡潔に。
○川内委員 だから、最後、大臣、指示すると言ってください。日程表ぐらいちゃんと保存しないと。
○亀岡委員長 時間が過ぎております。
○柴山国務大臣 とにかく朝から晩までスケジュールはびっちりでありますし、しかも、具体的に必要なやりとりそのものについてはきちんと保管をされておりますので、私自身、日程はこんなにすぐたまっちゃいますので、ばんばん自分自身も捨てておりますから、職員に、ちょっと自分で無理なことをやれというふうに指示をするつもりはありません。
○川内委員 残念です。

2 生川政府参考人は生川浩史文部科学省大臣官房長であり,柴山国務大臣は柴山昌彦文部科学大臣です。

昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除等について(平成元年2月14日付の文部省教育助成局長通知)

○文部科学省HPに掲載されている,昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除等について(平成元年2月14日付の文部省教育助成局長通知)は以下のとおりです。
昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除等について

昭和天皇の崩御に伴う大赦令及び復権令が平成元年二月一三日公布され、同月二四日から施行されることに伴い、「公務員等の懲戒免除等に関する法律」(昭和二七年法律第一一七号)に基づき、「昭和天皇の崩御に伴う国家公務員等の懲戒免除に関する政令」(平成元年政令第二九号)及び「昭和天皇の崩御に伴う予算執行職員等の弁償責任に基づく債務の免除に関する政令」(平成元年政令第三〇号)が平成元年二月一三日公布され、同月二四日から施行されることとなりました。これに伴い、総務庁人事局長等よりこれらの政令に関する通知(参考一)がなされました。また、人事院事務総長から、「懲戒が免除された職員の昇給に係る勤務成績の証明に関する取扱いの特例について」の通知(参考二)がなされました。

地方公務員の懲戒免除等については、自治事務次官等から各都道府県知事・指定都市市長等に対し、「昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除及び職員の賠償責任に基づく債務の減免について」の通知等(参考三)がなされました。

ついては、貴教育委員会におかれては、特に左記事項に十分留意され、その取扱いについて遺憾のないよう願います。

おつて貴管下市町村教育委員会に対しても周知方お願いします。

記

一 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三一年法律第一六二号)第三七条第一項に規定する県費負担教職員の懲戒免除については、都道府県の条例で定めること。

二 国においては、大赦、政令による復権の範囲との均衡等を考慮し、国家公務員等のうち、法令の規定により、昭和六四年一月七日前の行為について、平成元年二月二四日前に減給、戒告又はこれらに相当する懲戒処分を受けた者に対しては、将来に向かつてその懲戒を免除することとしているものであること。

三 懲戒の免除は、将来に向かつてなされるものであり、懲戒処分に基づく既成の効果は、これにより変更されるものではないこと。したがつて、例えば、減給処分が免除された場合であれば、免除された日が減給期間中にあるときは、その日以後解除され、減給されない給与額に戻ることとなるが、減給期間がその日前に完了しているときは、なんらの変更を受けるものではないこと。

四 懲戒が免除された場合においても、その懲戒は将来に向かつて免除されるものであり、過去において昇給が延伸された者の給与上の取扱いについては、一切影響を与えないものであること。

また、昇給が延伸された者をその後の昇給において回復させるいわゆる昇給延伸の復元は給与制度上あり得ないものであること。この点に関しては、国家公務員については平成元年二月八日の人事管理官会議幹事会において、「過去において昇給が延伸された者をその後の昇給において回復させることは、給与制度上予定されておらず、各省庁は、既に昇給が延伸されている者についてその復元を目的として特別昇給等を行うことのないよう留意すること」という確認がなされているところである。このため、今回の懲戒免除に伴い、いわゆる昇給延伸の復元を絶対に行うことのないこと。

五 平成元年四月一日以降の最初の普通昇給に係る勤務成績の証明に関する取扱いについては、現に受ける給料月額又はこれに相当する給料月額を受けるに至つた日以降に懲戒処分を受けた職員のうち今回懲戒が免除された職員(同日以降に、免除された懲戒以外の懲戒の処分を受けた職員を除く。)は、免除された懲戒処分を受けたことを事由として勤務成績についての証明が得られないものとして取り扱うことはしないものであること。

参考〔略〕

昭和天皇の崩御に伴う予算執行職員等の弁償責任に基づく債務の免除に関する政令(平成元年2月13日政令第30号)

昭和天皇の崩御に伴う予算執行職員等の弁償責任に基づく債務の免除に関する政令
内閣は、公務員等の懲戒免除等に関する法律(昭和二十七年法律第百十七号)第四条の規定に基づき、この政令を制定する。

   公務員等の懲戒免除等に関する法律第四条の規定により、次に掲げる者の同条に規定する弁償責任に基づく債務で昭和六十四年一月七日前における事由によるものは、将来に向かって免除する。

一 予算執行職員等の責任に関する法律(昭和二十五年法律第百七十二号。以下「予算職員責任法」という。)第二条第一項に規定する予算執行職員

二 特別調達資金設置令(昭和二十六年政令第二百五号)第八条又は国税収納金整理資金に関する法律(昭和二十九年法律第三十六号)第十七条の規定により予算職員責任法の適用を受ける職員
三 会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第三十八条第一項に規定する出納官吏、同法第三十九条第二項に規定する分任出納官吏及び出納官吏代理並びに同法第四十条第二項に規定する出納員(同法第四十八条第一項の規定によりこれらの者の事務を取り扱う職員を含む。)
四 物品管理法(昭和三十一年法律第百十三号)第三十一条第一項に規定する物品管理職員及び同条第二項に規定する物品を使用する職員
五 予算職員責任法第九条第一項に規定する公庫等予算執行職員、予算職員責任法第十条第一項に規定する公庫等の現金出納職員(たばこ事業法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(昭和五十九年法律第七十一号)附則第九条に規定する現金出納職員を含む。)及び予算職員責任法第十一条第一項に規定する公庫等の物品管理職員
六 日本電信電話株式会社法(昭和五十九年法律第八十五号)附則第十二条第五項又は日本国有鉄道改革法等施行法(昭和六十一年法律第九十三号)第二十九条第七項に規定する現金出納職員
附 則
この政令は、平成元年二月二十四日から施行する。

東京地検が,報道機関に対し,平成31年4月4日のカルロス・ゴーンの逮捕に関して提供した文書は,翌日までに廃棄されたこと等

1 行政文書の管理に関するガイドライン(平成23年4月1日内閣総理大臣決定)第4-3-(6)によれば,「定型的・日常的な業務連絡、日程表等」については,保存期間を1年未満とすることができます。

2(1) 平成31年3月22日付の東京地検の不開示決定通知書によれば,東京地検が,報道機関に対し,ゴーン及びケリーの逮捕等に関して提供した文書は,同年2月20日までに廃棄されました。
(2) 平成31年4月26日付の東京地検の不開示決定通知書によれば,東京地検が,報道機関に対し,平成31年4月4日のカルロス・ゴーンの逮捕に関して提供した文書は,翌日までに廃棄されました。
(3) 令和元年5月23日付の東京地検の不開示決定通知書によれば,東京地検が,報道機関に対し,平成31年4月下旬のカルロス・ゴーンの保釈の判断に関して,東京地検が報道機関に提供した文書は,同年5月7日までに廃棄されました。
(4) ちなみに,裁判所の情報公開手続では,カルロス・ゴーンの刑事手続の存在自体が個人識別情報として不開示情報とされています(「カルロス・ゴーンの刑事手続に関する文書は個人識別情報として不開示情報であること」参照)。

3 行政文書の管理に関するガイドライン第4は以下のとおりです。

第4 整理
1 職員の整理義務
職員は、下記2及び3に従い、次に掲げる整理を行わなければならない。
(1) 作成又は取得した行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定すること。
(2) 相互に密接な関連を有する行政文書を一の集合物(行政文書ファイル)にまとめること。
(3) (2)の行政文書ファイルについて分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定すること。
2 分類・名称
行政文書ファイル等は、当該行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じて系統的(三段階の階層構造)に分類(別表第1に掲げられた業務については、同表を参酌して分類)し、分かりやすい名称を付さなければならない。
3 保存期間
(1) 文書管理者は、別表第1に基づき、保存期間表を定め、これを公表しなければならない。
(2) 文書管理者は、保存期間表を定め、又は改定した場合は、総括文書管理者に報告するものとする。
(3) 1-(1)の保存期間の設定については、保存期間表に従い、行うものとする。
(4) 1-(1)の保存期間の設定及び保存期間表においては、法第2条第6項の歴史公文書等に該当するとされた行政文書にあっては、1年以上の保存期間を定めるものとする。
(5) 1-(1)の保存期間の設定及び保存期間表においては、歴史公文書等に該当しないものであっても、行政が適正かつ効率的に運営され、国民に説明する責務が全うされるよう、意思決定過程や事務及び事業の実績の合理的な跡付けや検証に必要となる行政文書については、原則として1年以上の保存期間を定めるものとする。
(6) 1-(1)の保存期間の設定においては、 (4)及び(5)の規定に該当するものを除き、保存期間を1 年未満とすることができる(例えば、次に掲げる類型に該当する
文書。)。
① 別途、正本・原本が管理されている行政文書の写し
② 定型的・日常的な業務連絡、日程表等
③ 出版物や公表物を編集した文書
④ ○○省の所掌事務に関する事実関係の問合せへの応答
⑤ 明白な誤り等の客観的な正確性の観点から利用に適さなくなった文書

(続きを読む...)東京地検が,報道機関に対し,平成31年4月4日のカルロス・ゴーンの逮捕に関して提供した文書は,翌日までに廃棄されたこと等

閣議とは―種類,決定方法,閣議書及び議事の記録(AIリライト)

目次

第1 閣議の法的位置付け

1 内閣と閣議

2 国務大臣の数

3 内閣総理大臣の指揮監督権

第2 閣議の構成員と運営

1 構成員及び陪席者

2 全員一致の慣行

第3 閣議の種類と開催場所

1 定例閣議

2 臨時閣議

3 持ち回り閣議

(続きを読む...)閣議とは―種類,決定方法,閣議書及び議事の記録(AIリライト)

法務総合研究所の組織,業務,沿革及び公開資料(AIリライト)

目次

第1 法務総合研究所の概要

1 法務省における位置付け

2 七部と五つの部門

3 全国七支所

第2 各部の業務

1 総務企画部

2 研究部

3 研修第一部,研修第二部及び研修第三部

(1) 研修第一部

(2) 研修第二部

(3) 研修第三部

4 国際連合研修協力部

(続きを読む...)法務総合研究所の組織,業務,沿革及び公開資料(AIリライト)

明治憲法時代の親任官,勅任官,控訴院及び検事局(AIリライト)

第1 親任官,勅任官及び奏任官の意味

1 親任官

2 勅任官及び奏任官

3 現在の認証官・指定職との違い

第2 司法部の親任官

1 大審院長

2 検事総長

3 行政裁判所長官

第3 判事・検事の官等と補職

1 官,補職,官等及び俸給を区別する必要

2 明治32年の判事検事官等俸給令

3 大正9年以後の勅任の司法官職

(続きを読む...)明治憲法時代の親任官,勅任官,控訴院及び検事局(AIリライト)

親任式及び認証官任命式(AIリライト)

皇居で行われる親任式は,内閣総理大臣と最高裁判所長官を天皇陛下が任命される儀式です。認証官任命式は,国務大臣や最高裁判所判事など,任免に天皇の認証を要する官職(認証官)の任命式です。
この記事では,2つの儀式の意味,憲法・法律上の根拠,認証官となる官職の一覧,式の手順,実施が遅れ又は中断した事例,及び任命と認証の違いに関する政府答弁を,一次資料に基づいて整理します。

目次

第1 親任式と認証官任命式の概要

1 2つの儀式の位置づけ
2 根拠となる一次資料

第2 親任式

1 対象と憲法上の根拠
2 内閣総理大臣の親任式
3 最高裁判所長官の親任式

第3 認証官任命式

1 認証官とは
2 認証官となる官職の一覧
3 認証官任命式の手順

(1) 国務大臣の例

(続きを読む...)親任式及び認証官任命式(AIリライト)

在日米軍基地の法的根拠,施設数,日米地位協定及び主要裁判例(AIリライト)

第1 在日米軍基地を理解するための基本事項

1 この記事の対象
2 「専用施設」と「一時使用施設」は別の集計である

第2 在日米軍基地の法的根拠

1 日米安全保障条約6条
2 日米地位協定2条と日米合同委員会
3 日本の米軍基地は治外法権なのか
4 占領終了から現行条約までの沿革5 行政協定から地位協定への変更点

第3 在日米軍施設・区域の数と沖縄への集中

1 令和7年1月1日現在の施設数と面積
2 統計の基準日後にも提供・返還は行われる
3 主な専用施設

第4 日米地位協定が定める主要事項

1 施設・区域の管理と日本法の尊重
2 刑事裁判権と身柄の取扱い
3 民事請求と外国国家免除
4 環境補足協定と施設への立入り
5 軍属補足協定

(続きを読む...)在日米軍基地の法的根拠,施設数,日米地位協定及び主要裁判例(AIリライト)

日韓請求権協定とは-個人請求権・措置法・韓国大法院判決(徴用工判決)・仲裁手続(AIリライト)

本記事の結論

日韓請求権協定は,1965年に日本と大韓民国との間の財産・請求権問題を国家間で「完全かつ最終的に解決」した協定です。ただし,「個人請求権がすべて実体法上消滅した」と一括して説明することは正確ではありません。日本法上は,①措置法によって消滅した特定の財産権,②協定の対象となり,日本政府が「請求に応ずべき法律上の義務が消滅し,救済が拒否される」と説明する請求権,③そもそも協定の対象に含まれるかが争われる請求権を分けて検討する必要があります。

2018年10月30日の韓国大法院全員合議体判決は,原告らが主張した強制動員慰謝料請求権を協定の対象外と判断しました。日本政府は,韓国側の対日請求要綱,交渉記録及び協定文言を根拠に,旧朝鮮半島出身労働者の請求を含めて解決済みであるとの立場を採っています。したがって,現在の中心的な争点は,単に「個人請求権が消えたか」ではなく,各請求の原因・性質が協定の事項的範囲に含まれるか,含まれる場合にどのような国内法上の効果が生じるかです。

2018年判決後の消滅時効と日本の会社更生手続による免責をめぐる韓国大法院判決は,後続判例の解説記事で判決ごとに検討しています。これらは協定の対象範囲とは別個の抗弁であり,各事件の請求原因と手続資料を確認する必要があります。

本記事の本文は,令和8年(2026年)7月15日現在の法令,裁判例及び公表資料を基準とし,後続判例への案内を同年10月2日に,実務上の確認事項を同月3日に追記しました。同月11日に,日韓法的地位協定との比較及び外務省の請求権協定PDFへのリンクを補正しました。法令・条約の引用部分は,内容を変えず,数字及び読点を本記事の表記に整えています。

目次

第1 日韓請求権協定の全体像と個人請求権に関する結論

1 日韓請求権協定とは何か
2 「個人請求権は消滅したのか」に対する回答

(1) 国家間の解決
(2) 措置法による財産権の消滅
(3) 協定の対象となる請求権の法的効果
(4) 韓国大法院が協定外とした慰謝料請求権

3 弁護士が最初に確認すべき事項

第2 協定の成立,経済協力及び交渉の構造

(続きを読む...)日韓請求権協定とは-個人請求権・措置法・韓国大法院判決(徴用工判決)・仲裁手続(AIリライト)

在外財産補償問題(AIリライト)

目次

第1 在外財産補償問題の全体像

1 結論と法的枠組み

(1) 在外財産の損失について一般的な個別補償請求権は認められていないこと
(2) 4つの問題を区別する必要があること
(3) 国内措置は損失額の填補ではなく政策的給付として実施されたこと

2 用語と対象範囲

(1) 本稿における「在外財産」
(2) 「引揚者」と「在外財産所有者」は一致しないこと
(3) 現在の国外財産を意味する用法との区別

3 現在も確認すべき実務上の問題

(1) 税関に預けられた通貨・証券等の返還
(2) 相続人による照会

第2 平和条約等による在外財産・請求権の処理

1 サンフランシスコ平和条約の構造

(続きを読む...)在外財産補償問題(AIリライト)

国家公務員採用総合職試験(院卒者試験)法務区分の実績,廃止及び後継の選考採用(AIリライト)

目次

第1 法務区分の位置付け及び現在の制度

1 法務区分は令和7年度試験を最後に廃止されたこと

2 令和8年度から選考採用に移行したこと

第2 法務区分の創設から廃止まで

1 平成24年度の創設

2 令和2年度の延期及び令和5年度の実施休止

3 令和6年度及び令和7年度の春試験

4 制度改正に対する意見

第3 旧法務区分の受験資格及び試験内容

1 令和4年度受験案内における受験資格

2 第1次試験及び第2次試験

3 最終合格と採用は別であったこと

(続きを読む...)国家公務員採用総合職試験(院卒者試験)法務区分の実績,廃止及び後継の選考採用(AIリライト)

法務省の進路説明会

目次
1 総論
2 過去の開催日程
3 平成27年度進路説明会に関する文書
4 平成27年度進路説明会の実施内容
5 関連記事その他

1   総論
・ 検察庁HPの検事採用情報サイトの「説明会・イベント情報」に説明会情報が載っています。

2 過去の開催日程
◯令和6年度
・ Microsoft Teamsによるオンライン開催は12月13日(金)午後2時から午後4時まで
◯令和5年度
・ Microsoft Teamsによるオンライン開催は12月1日(金)午後2時から午後4時まで
◯令和4年度
・ Microsoft Teamsによるオンライン開催は9月30日(金)午後2時から午後4時まで
◯令和3年度
・ Microsoft Teamsによるオンライン開催(定員290人)は10月1日(金)午後2時から午後3時45分まで
◯令和2年度
・ Microsoft Teamsによるオンライン開催(定員240人)は令和3年2月26日(金)午後2時から午後3時半まで
◯令和元年度
・ 東京会場(定員160人・法務省)は10月4日(金)午後2時から午後5時まで
・ 申込期間につき,当初の締切は9月23日(月)でしたが,その後,9月29日(日)に締め切りが延長されました。
◯平成30年度
・ 東京会場(定員160人・法務省)10月5日(金)午後2時から午後5時
・ 大阪会場での開催はありませんでした。
◯平成29年度
・ 東京会場(定員160人・法務省)は10月6日(金)午後2時から午後5時
・ 大阪会場(定員60人・大阪中之島合同庁舎)は10月13日(金)午後2時から午後5時まで

(続きを読む...)法務省の進路説明会

参議院議員の選挙制度の推移(最高裁大法廷平成29年9月27日判決からの抜粋)

〇最高裁大法廷平成29年9月27日判決は,参議院議員の選挙制度の推移について以下のとおり判示しています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
1 参議院議員選挙法(昭和22年法律第11号)は,参議院議員の選挙について,参議院議員250人を全国選出議員100人と地方選出議員150人とに区分し,全国選出議員については,全都道府県の区域を通じて選出されるものとする一方,地方選出議員については,その選挙区及び各選挙区における議員定数を別表で定め,都道府県を単位とする選挙区において選出されるものとした。
そして,選挙区ごとの議員定数については,憲法が参議院議員につき3年ごとにその半数を改選すると定めていることに応じて,各選挙区を通じその選出議員の半数が改選されることとなるように配慮し,定数を偶数として最小2人を配分する方針の下に,各選挙区の人口に比例する形で,2人ないし8人の偶数の議員定数を配分した。昭和25年に制定された公職選挙法の定数配分規定は,上記の参議院議員選挙法の議員定数配分規定をそのまま引き継いだものであり,その後に沖縄県選挙区の議員定数2人が付加されたほかは,平成6年法律第47号による公職選挙法の改正(以下「平成6年改正」という。)まで,上記定数配分規定に変更はなかった。
なお,昭和57年法律第81号による公職選挙法の改正(以下「昭和57年改正」という。)により,参議院議員252人は各政党等の得票に比例して選出される比例代表選出議員100人と都道府県を単位とする選挙区ごとに選出される選挙区選出議員152人とに区分されることになったが,この選挙区選出議員は,従来の地方選出議員の名称が変更されたものにすぎない。
その後,平成12年法律第118号による公職選挙法の改正(以下「平成12年改正」という。)により,参議院議員の総定数が242人とされ,比例代表選出議員96人及び選挙区選出議員146人とされた。
2(1) 参議院議員選挙法制定当時,選挙区間における議員1人当たりの人口の最大較差(以下,各立法当時の「選挙区間の最大較差」というときは,この人口の最大較差をいう。)は2.62倍(以下,較差に関する数値は,全て概数である。)であったが,人口変動により次第に拡大を続け,平成4年に施行された参議院議員通常選挙(以下,単に「通常選挙」といい,この通常選挙を「平成4年選挙」という。)当時,選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大較差(以下,各選挙当時の「選挙区間の最大較差」というときは,この選挙人数の最大較差をいう。)が6.59倍に達した後,平成6年改正における7選挙区の定数を8増8減する措置により,平成2年10月実施の国勢調査結果による人口に基づく選挙区間の最大較差は4.81倍に縮小した。
その後,平成12年改正における3選挙区の定数を6減する措置及び平成18年法律第52号による公職選挙法の改正(以下「平成18年改正」という。)における4選挙区の定数を4増4減する措置の前後を通じて,平成7年から同19年までに施行された各通常選挙当時の選挙区間の最大較差は5倍前後で推移した。
(2)   しかるところ,当裁判所大法廷は,定数配分規定の合憲性に関し,最高裁昭和54年(行ツ)第65号同58年4月27日大法廷判決・民集37巻3号345頁(以下「昭和58年大法廷判決」という。)において後記3(1)の基本的な判断枠組みを示した後,平成4年選挙について,違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態が生じていた旨判示したが(最高裁平成6年(行ツ)第59号同8年9月11日大法廷判決・民集50巻8号2283頁),平成6年改正後の定数配分規定の下で施行された2回の通常選挙については,上記の状態に至っていたとはいえない旨判示した(最高裁平成9年(行ツ)第104号同10年9月2日大法廷判決・民集52巻6号1373頁,最高裁平成11年(行ツ)第241号同12年9月6日大法廷判決・民集54巻7号1997頁)。
その後,平成12年改正後の定数配分規定の下で施行された2回の通常選挙及び平成18年改正後の定数配分規定の下で平成19年に施行された通常選挙のいずれについても,当裁判所大法廷は,上記の状態に至っていたか否かにつき明示的に判示することなく,結論において当該各定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえない旨の判断を示した(最高裁平成15年(行ツ)第24号同16年1月14日大法廷判決・民集58巻1号56頁,最高裁平成17年(行ツ)第247号同18年10月4日大法廷判決・民集60巻8号2696頁,最高裁平成20年(行ツ)第209号同21年9月30日大法廷判決・民集63巻7号1520頁)。
もっとも,上掲最高裁平成18年10月4日大法廷判決においては,投票価値の平等の重要性を考慮すると投票価値の不平等の是正について国会における不断の努力が望まれる旨の,上掲最高裁平成21年9月30日大法廷判決においては,当時の較差が投票価値の平等という観点からはなお大きな不平等が存する状態であって,選挙区間における投票価値の較差の縮小を図ることが求められる状況にあり,最大較差の大幅な縮小を図るためには現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となる旨の指摘がそれぞれされるなど,選挙区間の最大較差が5倍前後で常態化する中で,較差の状況について投票価値の平等の観点から実質的にはより厳格な評価がされるようになっていた。
3 平成22年7月11日,選挙区間の最大較差が5.00倍の状況において施行された通常選挙(以下「平成22年選挙」という。)につき,最高裁平成23年(行ツ)第51号同24年10月17日大法廷判決・民集66巻10号3357頁(以下「平成24年大法廷判決」という。)は,結論において同選挙当時の定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえないとしたものの,長年にわたる制度及び社会状況の変化を踏まえ,参議院議員の選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難く,都道府県が政治的に一つのまとまりを有する単位として捉え得ること等の事情は数十年間にもわ
たり投票価値の大きな較差が継続することを正当化する理由としては十分なものとはいえなくなっており,都道府県間の人口較差の拡大が続き,総定数を増やす方法を採ることにも制約がある中で,都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の要求に応えていくことはもはや著しく困難な状況に至っているなどとし,それにもかかわらず平成18年改正後は投票価値の大きな不平等がある状態の解消に向けた法改正が行われることのないまま平成22年選挙に至ったことなどの事情を総合考慮すると,同選挙当時の最大較差が示す選挙区間における投票価値の不均衡は,違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった旨判示するとともに,都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど,現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講じ,できるだけ速やかに違憲の問題が生ずる上記の不平等状態を解消する必要がある旨を指摘した。
4(1) 平成24年大法廷判決の言渡し後,平成24年11月16日に公職選挙法の一部を改正する法律案が成立し(平成24年法律第94号。以下「平成24年改正法」という。),同月26日に施行された(以下,同法による改正後,平成27年法律第60号による改正前の定数配分規定を「本件旧定数配分規定」という。)。
平成24年改正法の内容は,平成25年7月に施行される通常選挙に向けた改正として選挙区選出議員について4選挙区で定数を4増4減するものであり,その附則には,同28年に施行される通常選挙に向けて,選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い,結論を得るものとする旨の規定が置かれていた。
(2)   平成25年7月21日,本件旧定数配分規定の下での初めての通常選挙が施行された(以下「平成25年選挙」という。)。同選挙当時の選挙区間の最大較差は4.77倍であった。
5 平成25年9月,参議院において同28年に施行される通常選挙に向けた参議院選挙制度改革について協議を行うため,選挙制度の改革に関する検討会の下に選挙制度協議会が設置された。同協議会においては,平成26年4月に選挙制度の仕組みの見直しを内容とする具体的な改正案として座長案が示され,その後に同案の見直し案も示された。
これらの案は,基本的には,議員1人当たりの人口の少ない一定数の選挙区を隣接区と合区してその定数を削減し,人口の多い一定数の選挙区の定数を増やして選挙区間の最大較差を大幅に縮小するというものであるところ,同協議会において,同年5月以降,上記の案や参議院の各会派の提案等をめぐり検討と協議が行われた(上記各会派の提案の中には,上記の案を基礎として合区の範囲等に修正を加える提案のほか,都道府県に代えてより広域の選挙区の単位を新たに創設する提案等が含まれていた。)。
そして,同協議会において,更に同年11月以降,意見集約に向けて協議が行われたが,各会派の意見が一致しなかったことから,同年12月26日,各会派から示された提案等を併記した報告書が参議院議長に提出された。
6 このような協議が行われている状況の中で,平成25年選挙につき,最高裁平成26年(行ツ)第155号,第156号同年11月26日大法廷判決・民集68巻9号1363頁(以下「平成26年大法廷判決」という。)は,平成24年大法廷判決の判断に沿って,平成24年改正法による前記4増4減の措置は,都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを維持して一部の選挙区の定数を増減するにとどまり,現に選挙区間の最大較差については上記改正の前後を通じてなお5倍前後の水準が続いていたのであるから,投票価値の不均衡について違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態を解消するには足りないものであったといわざるを得ず,したがって,平成24年改正法による上記の措置を経た後も,選挙区間における投票価値の不均衡は違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった旨判示するとともに,都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなどの具体的な改正案の検討と集約が着実に進められ,できるだけ速やかに,現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置によって上記の不平等状態が解消される必要がある旨を指摘した。
7(1) 選挙制度の改革に関する検討会は,前記(5)の報告書の提出を受けて協議を行ったが,各会派が一致する結論を得られなかったことから,平成27年5月29日,各会派において法案化作業を行うこととされた。
そして,各会派における検討が進められた結果,各会派の見解は,人口の少ない選挙区について合区を導入することを内容とする①「4県2合区を含む10増10減」の改正案と②「20県10合区による12増12減」の改正案とにおおむね集約され,同年7月23日,上記各案を内容とする公職選挙法の一部を改正する法律案がそれぞれ国会に提出された。
上記①の改正案に係る法律案は,選挙区選出議員の選挙区及び定数について,鳥取県及び島根県,徳島県及び高知県をそれぞれ合区して定数2人の選挙区とするとともに,3選挙区の定数を2人ずつ減員し,5選挙区の定数を2人ずつ増員することなどを内容とするものであり,その附則7条には,平成31年に行われる通常選挙に向けて,参議院の在り方を踏まえて,選挙区間における議員1人当たりの人口の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い,必ず結論を得るものとするとの規定が置かれていた。
(2)   平成27年7月28日,上記①の改正案に係る公職選挙法の一部を改正する法律案が成立し(平成27年法律第60号。以下「平成27年改正法」という。),同年11月5日に施行された(以下,同法による改正後の定数配分規定を「本件定数配分規定」という。)。
同法による公職選挙法の改正(以下「平成27年改正」という。)の結果,平成22年10月実施の国勢調査結果による人口に基づく選挙区間の最大較差は2.97倍となった。
8 平成28年7月10日,本件定数配分規定の下での初めての通常選挙として,本件選挙が施行された。
本件選挙当時の選挙区間の最大較差は3.08倍であった。

衆議院議員の選挙制度の推移(最高裁大法廷平成27年11月25日判決からの抜粋)

〇最高裁大法廷平成27年11月25日判決は,衆議院議員の選挙制度の推移について以下のとおり判示しています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
1(1) 昭和25年に制定された公職選挙法は,衆議院議員の選挙制度につき,中選挙区単記投票制を採用していたが,平成6年1月に公職選挙法の一部を改正する法律(平成6年法律第2号)が成立し,その後,平成6年法律第10号及び同第104号によりその一部が改正され,これらにより,衆議院議員の選挙制度は,従来の中選挙区単記投票制から小選挙区比例代表並立制に改められた(以下,上記改正後の当該選挙制度を「本件選挙制度」という。)。
(2)   本件選挙施行当時の本件選挙制度によれば,衆議院議員の定数は475人とされ,そのうち295人が小選挙区選出議員,180人が比例代表選出議員とされ(公職選挙法4条1項),小選挙区選挙については,全国に295の選挙区を設け,各選挙区において1人の議員を選出するものとされ(同法13条1項,別表第1。以下,後記の改正の前後を通じてこれらの規定を併せて「区割規定」という。),比例代表選出議員の選挙(以下「比例代表選挙」という。)については,全国に11の選挙区を設け,各選挙区において所定数の議員を選出するものとされている(同法13条2項,別表第2)。総選挙においては,小選挙区選挙と比例代表選挙とを同時に行い,投票は小選挙区選挙及び比例代表選挙ごとに1人1票とされている(同法31条,36条)。
2(1) 平成6年1月に上記の公職選挙法の一部を改正する法律と同時に成立した衆議院議員選挙区画定審議会設置法(以下,後記の改正の前後を通じて「区画審設置法」という。)によれば,衆議院議員選挙区画定審議会(以下「区画審」という。)は,衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関し,調査審議し,必要があると認めるときは,その改定案を作成して内閣総理大臣に勧告するものとされている(同法2条)。
(2)   平成24年法律第95号による改正前の区画審設置法3条(以下「旧区画審設置法3条」という。)は,上記の選挙区の区割りの基準(以下,後記の改正の前後を通じて「区割基準」という。)につき,①1項において,上記の改定案を作成するに当たっては,各選挙区の人口の均衡を図り,各選挙区の人口のうち,その最も多いものを最も少ないもので除して得た数が2以上とならないようにすることを基本とし,行政区画,地勢,交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならないものと定めるとともに,②2項において,各都道府県の区域内の選挙区の数は,各都道府県にあらかじめ1を配当することとし(以下,このことを「1人別枠方式」という。),この1に,小選挙区選出議員の定数に相当する数から都道府県の数を控除した数を人口に比例して各都道府県に配当した数を加えた数とすると定めていた(以下,この区割基準を「旧区割基準」といい,この規定を「旧区割基準規定」ともいう。)。
(3)   本件選挙制度の導入の際に上記の1人別枠方式を含む旧区画審設置法3条2項所定の定数配分の方式を定めることについて,区画審設置法の法案の国会での審議においては,法案提出者である政府側から,各都道府県への選挙区の数すなわち議員の定数の配分については,投票価値の平等の確保の必要性がある一方で,過疎地域に対する配慮,具体的には人口の少ない地方における定数の急激な減少への配慮等の視点も重要であることから定数配分上配慮したものである旨の説明がされていた。
(4) 選挙区の改定に関する区画審の勧告は,統計法5条2項本文(平成19年法律第53号による改正前は4条2項本文)の規定により10年ごとに行われる国勢調査の結果による人口が最初に官報で公示された日から1年以内に行うものとされ(区画審設置法4条1項),さらに,区画審は,各選挙区の人口の著しい不均衡その他特別の事情があると認めるときは,勧告を行うことができるものとされている(同条2項)。
3(1) 区画審は,平成12年10月に実施された国勢調査(以下「平成12年国勢調査」という。)の結果に基づき,平成13年12月,衆議院小選挙区選出議員の選挙区に関し,旧区画審設置法3条2項に従って各都道府県の議員の定数につきいわゆる5増5減を行った上で,同条1項に従って各都道府県内における選挙区割りを策定した改定案を作成して内閣総理大臣に勧告し,これを受けて,同14年7月,その勧告どおり選挙区割りの改定を行うことなどを内容とする公職選挙法の一部を改正する法律(平成14年法律第95号)が成立した。
(2)   平成21年8月30日施行の衆議院議員総選挙(以下「平成21年選挙」という。)の小選挙区選挙は,同法により改定された選挙区割り(以下「旧選挙区割り」という。)の下で施行されたものである(以下,平成21年選挙に係る衆議院小選挙区選出議員の選挙区を定めた上記改正後(平成24年法律第95号による改正前)の公職選挙法13条1項及び別表第1を併せて「旧区割規定」という。)。
4(1) 平成14年の上記改正の基礎とされた平成12年国勢調査の結果による人口を基に,旧区割規定の下における選挙区間の人口の較差を見ると,最大較差は人口が最も少ない高知県第1区と人口が最も多い兵庫県第6区との間で1対2.064(以下,較差に関する数値は,全て概数である。)であり,高知県第1区と比べて較差が2倍以上となっている選挙区は9選挙区であった。
また,平成21年選挙当日における選挙区間の選挙人数の最大較差は,選挙人数が最も少ない高知県第3区と選挙人数が最も多い千葉県第4区との間で1対2.304であり,高知県第3区と比べて較差が2倍以上となっている選挙区は45選挙区であった。
(2) このような状況の下で旧選挙区割りに基づいて施行された平成21年選挙について,最高裁平成22年(行ツ)第207号同23年3月23日大法廷判決・民集65巻2号755頁(以下「平成23年大法廷判決」という。)は,選挙区の改定案の作成に当たり,選挙区間の人口の最大較差が2倍未満になるように区割りをすることを基本とすべきものとする旧区画審設置法3条1項の定めは,投票価値の平等の要請に配慮した合理的な基準を定めたものであると評価する一方,平成21年選挙時において,選挙区間の投票価値の較差が上記のとおり拡大していたのは,各都道府県にあらかじめ1の選挙区数を割り当てる同条2項の1人別枠方式がその主要な要因となっていたことが明らかであり,かつ,人口の少ない地方における定数の急激な減少への配慮等の視点から導入された1人別枠方式は既に立法時の合理性が失われていたものというべきであるから,旧区割基準のうち1人別枠方式に係る部分及び旧区割基準に従って改定された旧区割規定の定める旧選挙区割りは憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っていたと判示した。
そして,同判決は,これらの状態につき憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず,旧区割基準規定及び旧区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないとした上で,事柄の性質上必要とされる是正のための合理的期間内に上記の状態を解消するために,できるだけ速やかに旧区割基準中の1人別枠方式を廃止し,旧区画審設置法3条1項の趣旨に沿って旧区割規定を改正するなど,投票価値の平等の要請にかなう立法的措置を講ずる必要があると判示した。
5(1) その後,平成23年大法廷判決を受けて行われた各政党による検討及び協議を経て,平成24年6月及び7月に複数の政党の提案に係る改正法案がそれぞれ国会に提出され,これらの改正法案のうち,旧区画審設置法3条2項の削除及びいわゆる0増5減(各都道府県の選挙区数を増やすことなく議員1人当たりの人口の少ない5県の各選挙区数をそれぞれ1減ずることをいう。以下同じ。)を内容とする改正法案が,同年11月16日に平成24年法律第95号(以下「平成24年改正法」という。)として成立した。
平成24年改正法は,附則において,旧区画審設置法3条2項を削除する改正規定は公布日から施行するものとする一方で,各都道府県の選挙区数の0増5減を内容とする改正後の公職選挙法の規定は次回の総選挙から適用する(公職選挙法の改正規定は別に法律で定める日から施行する)ものとし,上記0増5減を前提に,区画審が選挙区間の人口の較差が2倍未満となるように選挙区割りを改める改定案の勧告を公布日から6月以内に行い,政府がその勧告に基づいて速やかに法制上の措置を講ずべき旨を定めた。
上記の改正により,旧区画審設置法3条1項が同改正後の区画審設置法3条(以下「新区画審設置法3条」という。)となり,同条においては前記2①の基準のみが区割基準として定められている(以下,この区割基準を「新区割基準」という。)。
(2)   平成24年改正法の成立と同日に衆議院が解散され,その1か月後の平成24年12月16日に衆議院議員総選挙(以下「平成24年選挙」という。)が施行されたが,同選挙までに新たな選挙区割りを定めることは時間的に不可能であったため,同選挙は平成21年選挙と同様に旧区割規定及びこれに基づく旧選挙区割りの下で施行されることとなった。
6(1) 平成24年改正法の成立後,同法の附則の規定に従って区画審による審議が行われ,平成25年3月28日,区画審は,内閣総理大臣に対し,選挙区割りの改定案の勧告を行った。この改定案は,平成24年改正法の附則の規定に基づき,各都道府県の選挙区数の0増5減を前提に,選挙区間の人口の較差が2倍未満となるように17都県の42選挙区において区割りを改めることを内容とするものであった。
(2)   上記勧告を受けて,平成25年4月12日,内閣は,平成24年改正法に基づき,同法のうち上記0増5減を内容とする公職選挙法の改正規定の施行期日を定めるとともに,上記改定案に基づく選挙区割りの改定を内容とする公職選挙法の改正事項(旧区割規定の改正規定及びその施行期日)を定める法制上の措置として,平成24年改正法の一部を改正する法律案を国会に提出し,平成25年6月24日,この改正法案が平成25年法律第68号(以下「平成25年改正法」という。)として成立した。
平成25年改正法は同月28日に公布されて施行され,同法による改正後の平成24年改正法中の上記0増5減及びこれを踏まえた区画審の上記改定案に基づく選挙区割りの改定を内容とする公職選挙法の改正規定はその1か月後の平成25年7月28日から施行されており,この改正により,各都道府県の選挙区数の0増5減とともに上記改定案のとおりの選挙区割りの改定が行われた(以下,上記改正後の公職選挙法13条1項及び別表第1を併せて「本件区割規定」といい,本件区割規定に基づく上記改定後の選挙区割りを「本件選挙区割り」という。)。
(3)   上記改定の結果,本件選挙区割りの下において,平成22年10月1日を調査時とする国勢調査(以下「平成22年国勢調査」という。)の結果によれば選挙区間の人口の最大較差は1対1.998となるものとされたが,平成25年3月31日現在及び同26年1月1日現在の各住民基本台帳に基づいて総務省が試算した選挙区間の人口の最大較差はそれぞれ1対2.097及び1対2.109であり,上記試算において較差が2倍以上となっている選挙区はそれぞれ9選挙区及び14選挙区であった。
(4)   平成24年改正法が成立した日の衆議院解散により施行された平成24年選挙につき,最高裁平成25年(行ツ)第209号,第210号,第211号同年11月20日大法廷判決・民集67巻8号1503頁(以下「平成25年大法廷判決」という。)は,同選挙時において旧区割規定の定める旧選挙区割りは平成21年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが,前記5のような平成24年選挙までの間の国会における是正の実現に向けた取組が平成23年大法廷判決の趣旨を踏まえた立法裁量権の行使として相当なものでなかったとはいえないから,憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず,旧区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないとした上で,国会においては今後も新区画審設置法3条の趣旨に沿った選挙制度の整備に向けた取組が着実に続けられていく必要があると判示した。
7(1) 平成26年11月21日の衆議院解散に伴い,同年12月14日,前記0増5減の措置による改定を経た本件選挙区割りの下において本件選挙が施行された。本件選挙当日における選挙区間の選挙人数の較差を見ると,選挙人数が最も少ない選挙区(宮城県第5区)と比べて,選挙人数が最も多い選挙区(東京都第1区)との間で1対2.129であり,その他12の選挙区との間で較差が2倍以上となっていた(なお,本件選挙当日において,東京都第1区の選挙人数は,宮城県第5区,福島県第4区,鳥取県第1区,同第2区,長崎県第3区,同第4区,鹿児島県第5区,三重県第4区,青森県第3区,長野県第4区,栃木県第3区及び香川県第3区の12選挙区の各選挙人数のそれぞれ2倍以上となっていた。)。
(2)   このような状況において本件選挙区割りの下で施行された本件選挙について,本件区割規定が憲法に違反するとして各選挙区における選挙を無効とすることを求める選挙無効訴訟が8高等裁判所及び6高等裁判所支部に提起され,平成27年3月から同年4月までの間に,本件の原判決を含む各判決が言い渡された。
上記各判決のうち,4件の判決においては,前記0増5減の措置による改定を経た本件選挙区割りは憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったとはいえないとされ,13件の判決においては,上記改定後も本件選挙区割りは憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったとされ,後者のうち,12件の判決においては,憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず,本件区割規定は憲法の規定に違反するに至っているとはいえないとされ,1件の判決においては,憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとして,本件区割規定は憲法の規定に違反するに至っており,本件選挙の違法を宣言すべきであるとされた。
8 平成25年改正法の成立の前後を通じて,国会においては,今後の人口異動によっても憲法の投票価値の平等の要求に反する状態とならないようにするための制度の見直しについて,総定数の削減の要否等を含め,引き続き検討が続けられ,平成26年6月には,衆議院に,有識者により構成される検討機関として衆議院選挙制度に関する調査会が設置され,同調査会において衆議院議員選挙の制度の在り方の見直し等が進められており,衆議院議院運営委員会において同調査会の設置の議決がされた際に,同調査会の答申を各会派において尊重するものとする旨の議決も併せてされている。
同調査会においては,同年9月以降,本件選挙の前後を通じて,定期的な会合が開かれ,投票価値の較差の更なる縮小を可能にする定数配分等の制度の見直しを内容とする具体的な改正案などの検討が行われている。

閉会中の衆議院解散は可能か―昭和54年の内閣法制局長官答弁と先例(AIリライト)

目次

第1 結論

1 閉会中解散の法的可能性
2 「閉会中」と「本会議が開かれていない時」の違い

第2 昭和54年3月19日の内閣法制局長官答弁

1 答弁が行われた会議と経緯
2 閉会中解散を理論上可能とした理由
3 閉会中解散を仮定した伝達手続
4 正式照会ではなかったことと憲法69条の説明

第3 制憲議会における金森徳次郎国務大臣の答弁

1 理論上の可能性と慎重な運用
2 現実の機会は理論より狭いこと

第4 憲法上の根拠と現在の政府見解

1 日本国憲法の規定
2 平成30年の政府答弁

第5 解散の先例と解散詔書の伝達

(続きを読む...)閉会中の衆議院解散は可能か―昭和54年の内閣法制局長官答弁と先例(AIリライト)

一票の格差是正前でも衆議院を解散できるか―政府答弁・裁判例と平成24年の実例(AIリライト)

第1 結論
第2 政府見解の法的構造

1 憲法上の位置付けと決定主体
2 「法律上可能」と「政治的に適切」の区別

第3 昭和59年から昭和61年までの政府答弁

1 昭和59年12月20日答弁―法律上可能だが慎重に対処
2 最高裁昭和60年7月17日大法廷判決
3 昭和60年12月11日答弁
4 昭和61年4月23日答弁
5 実際には8増7減後に解散

第4 平成23年大法廷判決と政府答弁書

1 最高裁平成23年3月23日大法廷判決
2 平成23年5月17日答弁書
3 同年6月7日及び17日答弁書

第5 平成24年の是正前解散と裁判

1 0増5減法の成立日と同日の解散
2 東京地裁平成24年12月12日判決
3 最高裁平成25年11月20日大法廷判決

第6 平成28年以降の政府答弁

(続きを読む...)一票の格差是正前でも衆議院を解散できるか―政府答弁・裁判例と平成24年の実例(AIリライト)

日本国憲法下の衆議院の解散一覧-令和8年までの27回の解散日,内閣,総選挙までの日数及び呼称(AIリライト)

目次第1 衆議院の解散の回数と根拠1 令和8年までに27回解散された2 解散に関する憲法及び公職選挙法の規定3 解散詔書の文言4 解散の効力と司法審査第2 解散一覧表1 一覧表の見方2 令和及び平成の解散(第15回~第27回)3 昭和の解散(第1回~第14回)第3 各解散の概要1 令和の解散(第25回~第27回)2 平成の解散(第15回~第24回)3 昭和の解散(第1回~第14回)第4 解散をめぐる記録と類型1 解散から総選挙までの日数2 召集日の解散3 会議が開かれない日に詔書が伝達された解散4 内閣不信任決議案と解散5 詔書の朗読と「万歳」6 「〇〇解散」という呼称の性格7 国民審査の回数との関係第5 関連記事第6 出典1 法令2 裁判例3 国会・政府資料4 文献等
第1 衆議院の解散の回数と根拠
1 令和8年までに27回解散された

日本国憲法が施行された昭和22年5月3日以降,衆議院は27回解散された。
最初の解散は昭和23年12月23日,直近の解散は令和8年1月23日である。
この間の衆議院議員総選挙は,第24回(昭和24年1月23日)から第51回(令和8年2月8日)までの28回であり,任期満了による総選挙は昭和51年12月5日の第34回だけである。
以上は,衆議院の「衆議院議員総選挙一覧表」による。

昭和22年3月31日の解散は,大日本帝国憲法下の第92回帝国議会で行われたものであり,本記事の対象外とする。
本記事は,令和8年9月15日時点で確認した衆議院の資料,国会会議録及び首相官邸の記者会見録等に基づく。
各総選挙の党派別の当選者数は本記事では扱わない。
第44回以降の総選挙の結果は,総務省の「衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果調」で確認できる。

2 解散に関する憲法及び公職選挙法の規定
(1) 日本国憲法の規定

日本国憲法には,衆議院の解散に言及する規定として,7条3号,45条,54条及び69条がある。
7条は,天皇が内閣の助言と承認により行う国事に関する行為の一つとして,「衆議院を解散すること。」(3号)を掲げる。
45条は,「衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。」と定める。
54条1項は,「衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。」と定める。
69条は,「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。」と定める。

(2) 公職選挙法の規定

公職選挙法31条3項は,「衆議院の解散に因る衆議院議員の総選挙は、解散の日から四十日以内に行う。」と定める。
同条4項は,「総選挙の期日は、少なくとも十二日前に公示しなければならない。」と定める。
同法256条本文は,「衆議院議員の任期は、総選挙の期日から起算する。」と定める。

3 解散詔書の文言
(1) 第1回の解散詔書

昭和23年12月23日の第1回の解散では,内閣不信任決議案が可決された後,松岡駒吉議長が「衆議院において、内閣不信任の決議案を可決した。よつて内閣の助言と承認により、日本國憲法第六十九條及び第七條により、衆議院を解散する。」との詔書を朗読した(第4回国会衆議院本会議第21号)。
衆議院憲法審査会事務局の衆憲資第104号『「衆議院の解散」に関する資料』(令和7年5月。以下「衆憲資104号」という。)22頁~23頁によれば,当時,GHQ側は解散が69条所定の場合に限られると解し,日本政府側は7条のみを根拠として解散できると解していた。
そのため,野党が提出した内閣不信任決議案を可決させた上で解散するという妥協案が採られた。

(2) 第2回以降の解散詔書

第2回以降の解散詔書は,69条所定の場合に当たるかどうかを問わず,「日本国憲法第七条により、衆議院を解散する。」という文言である(衆憲資104号20頁)。
内閣不信任決議案が可決された後の昭和28年3月14日及び平成5年6月18日の解散でも,本会議で朗読された詔書はこの文言であったことが,各日の本会議録から確認できる。

(続きを読む...)日本国憲法下の衆議院の解散一覧-令和8年までの27回の解散日,内閣,総選挙までの日数及び呼称(AIリライト)

衆議院の解散―憲法上の根拠,手続及び先例(AIリライト)

第1 衆議院解散の意味と法的効果

1 この記事が扱う対象

2 解散によって生じる効果

第2 憲法7条と69条の関係

1 政府実務における7条解散

2 解散権の根拠に関する三つの見解

3 69条非限定説と解散権の限界

第3 衆議院解散と司法審査

1 苫米地事件

2 苫米地判決が判断しなかった事項

第4 衆議院解散の手続

(続きを読む...)衆議院の解散―憲法上の根拠,手続及び先例(AIリライト)

一票の格差是正に関する公職選挙法の一部を改正する法律等の一覧―一票の格差を争う選挙無効訴訟の実務を含む―(AIリライト)

本記事は,令和8年7月15日現在,一票の格差是正のために最高裁大法廷平成23年3月23日判決後に成立した公職選挙法等の改正を衆議院・参議院別に整理するとともに,国政選挙の一票の格差を公職選挙法204条の選挙無効訴訟で争う場合の出訴期間,当事者,主張立証及び想定反論を解説するものです。

第2の令和7年参院選訴訟に関する説明は,令和8年10月12日に追記しています。

目次

第1 最高裁大法廷平成23年3月23日判決以後に成立した,一票の格差是正に関する公職選挙法の一部を改正する法律等の一覧1 衆議院に関するもの(議員定数は480人→475人→465人)2 参議院に関するもの(議員定数は242人→245人→248人)3 平成30年改正に伴う条文の引用ずれとその是正第2 一票の格差を争う選挙無効訴訟の実務1 訴訟の選択,出訴期間及び当事者2 主張立証の組み立て3 想定される反論とその備え4 違憲判断と選挙無効の関係第3 関連する最高裁判例・関連記事
第1 最高裁大法廷平成23年3月23日判決以後に成立した,一票の格差是正に関する公職選挙法の一部を改正する法律等の一覧
最高裁大法廷平成23年3月23日判決(平成22年(行ツ)第129号,集民236号249頁)は,平成21年8月30日総選挙当時,一人別枠方式に係る区割基準及びこれに従って定められた選挙区割りが,憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っていたと判断しました。ただし,憲法上要求される合理的期間内に是正されなかったとはいえないとして,区割規定自体を違憲とはしませんでした。以下の改正は,この判決後の国会の対応を衆議院と参議院に分けて整理したものです。
1 衆議院に関するもの(議員定数は480人→475人→465人)
① 衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律(平成24年11月26日法律第95号)
→ 野田首相が党首討論で衆議院の解散を表明した平成24年11月14日の翌日に衆議院で可決し,同月16日(解散日)に参議院で可決・成立した法律です。
小選挙区の一人別枠方式の規定が削除されたほか,衆議院小選挙区定数に関する「0増5減」が実施されることとなりました。
② 衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律(平成25年6月28日法律第68号)(改正後の議員定数は475人)
→ 17都県42選挙区で選挙区の区割りが変わったほか,衆議院小選挙区定数に関する「0増5減」が実施された結果,小選挙区選出議員の定数が300人から295人となりました。平成24年法律第95号の成立直後に行われた平成24年12月16日総選挙は従前の区割りで実施され,「0増5減」に対応する新しい区割りが初めて用いられたのは平成26年12月14日総選挙でした。
③ 衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律(平成28年5月27日法律第49号)
→ 衆議院小選挙区定数に関する「0増6減」及び比例代表定数の4人削減が実施されることとなりました。また,この法律は,10年ごとの大規模国勢調査の結果に基づく都道府県別の小選挙区定数配分にアダムズ方式を導入し,令和2年国勢調査から適用することとしました。「0増6減」及び比例代表定数の4人削減は,アダムズ方式の初適用までの措置として行われたものです。
④ 衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律(平成29年6月16日法律第58号)(改正後の議員定数は465人)
→ 19都道府県97選挙区で選挙区の区割りが変わったほか,衆議院小選挙区定数に関する「0増6減」が実施された結果,小選挙区選出議員の定数が295人から289人となりました。
また,比例代表選出議員の定数が180人から176人となりました。この区割りは,平成29年10月22日総選挙から用いられました。
⑤ 公職選挙法の一部を改正する法律(令和4年11月28日法律第89号)(改正後の議員定数は465人)
→ 令和2年国勢調査の日本国民の人口にアダムズ方式を初めて適用した結果に基づき,小選挙区の都道府県別定数について「10増10減」が行われ,25都道府県140選挙区の区割りが変更されました。比例代表についても,南関東ブロックを1人及び東京ブロックを2人増やし,東北,北陸信越及び中国の各ブロックを1人減らす「3増3減」が行われました。小選挙区289人,比例代表176人及び総定数465人という合計は変わりません。
同法は令和4年12月28日に施行され,施行日以後初めて総選挙の期日が公示された令和6年10月27日総選挙から新しい区割りが用いられました。令和2年国勢調査人口による最大人口較差は,改定前の2.096倍から改定後の1.999倍となりました(衆議院議員選挙区画定審議会の改定案の概要参照)。
2 参議院に関するもの(議員定数は242人→245人→248人)
① 公職選挙法の一部を改正する法律(平成24年11月26日法律第94号)
→ 参議院(選挙区)定数に関する「4増4減」が実施されました。具体的には,福島県及び岐阜県の定数を各2人減らし,神奈川県及び大阪府の定数を各2人増やしたものであり,総定数242人は変わりませんでした。平成25年通常選挙から適用されました。
② 公職選挙法の一部を改正する法律(平成27年8月5日法律第60号)
→ 参議院(選挙区)定数に関する「10増10減」,鳥取・島根及び徳島・高知の合区等が実施されました。総定数242人は変わらず,平成28年通常選挙から適用されました。
③ 公職選挙法の一部を改正する法律(平成30年7月25日法律第75号)(改正後の議員定数は248人)
→ 参議院選挙区選出議員の定数を148人(改正前146人)とした上で,埼玉県選挙区の改選定数を4人(改正前3人)としたり,参議院比例代表選出議員の定数を100人(改正前96人)としたり,特定枠制度が導入されたりしました(総務省HPの「参議院議員選挙制度における公職選挙法改正の概要」参照)。ただし,定数増は2回の通常選挙に分けて実施され,令和元年通常選挙では比例代表98人,選挙区147人の合計245人となり,令和4年通常選挙で比例代表100人,選挙区148人の合計248人となりました。
3 平成30年改正に伴う条文の引用ずれとその是正
(1) 平成30年法律第75号により公職選挙法142条の4第4項が新設され,従前の同条6項が7項に繰り下がりました。しかし,同法244条1項2号の2が引用する項番号は6項のまま残されました。平成30年12月の総務省と参議院法制局との電子メール(PDF)では,参議院法制局がこの点を改正漏れと認めています。
(2) その後,令和3年法律第51号により,同法244条1項2号の2の引用は「第百四十二条の四第六項」から「第百四十二条の四第七項」に改められ,同法は令和3年6月2日に施行されました。現行の公職選挙法244条1項2号の2は,同法142条の4第7項の表示義務に違反した者を1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する旨を定めています。したがって,条文の引用ずれは現在では解消されています。

(続きを読む...)一票の格差是正に関する公職選挙法の一部を改正する法律等の一覧―一票の格差を争う選挙無効訴訟の実務を含む―(AIリライト)

大嘗祭の裁判例――平成の国費支出・公職者参列と令和の後続訴訟(AIリライト)

第1 この記事の対象と裁判例の読み方

1 別々に検討すべき四つの問題

2 平成の裁判例から分かること

第2 憲法・皇室法制と政府の整理

1 憲法20条,89条と皇室関係法令

2 平成の大嘗祭を宮廷費で行った政府の説明

3 令和の大嘗祭と公表された異論

第3 国費支出差止等請求事件

1 大阪地裁平成4年11月24日判決

2 大阪高裁平成7年3月9日判決

第4 地方公共団体関係者の参列をめぐる裁判例

(続きを読む...)大嘗祭の裁判例――平成の国費支出・公職者参列と令和の後続訴訟(AIリライト)

公文書管理に関する経緯,公文書館に関連する法律及び国立公文書館

第1 公文書管理に関する経緯第2 公文書館に関連する法律第3 国立公文書館の役割1 保存・利用とデジタルアーカイブ2 東京本館とつくば分館3 新館の整備第4 国会・裁判所の文書と国立公文書館第5 関連記事出典

第1 公文書管理に関する経緯

① 昭和34年11月,日本学術会議会長から内閣総理大臣に対し,公文書の散逸防止と公開のための施設を必要とする勧告が出された。
② 昭和46年7月1日,国立公文書館が総理府の附属機関として,東京都千代田区北の丸公園に開館した。
③ 昭和62年12月15日,公文書館法(昭和62年法律第115号)が公布された。
④ 平成10年7月,筑波研究学園都市内につくば分館が設置され,同年10月1日に開館した。
⑤ 平成11年6月23日,国立公文書館法(平成11年法律第79号)が公布され,平成12年10月1日に施行された。
⑥ 平成13年4月1日,国立公文書館は独立行政法人となった。
⑦ 平成13年11月30日,国立公文書館アジア歴史資料センター(アジ歴)が開設された。
⑧ 平成21年7月1日,公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)が公布され,平成23年4月1日に施行された。

平成15年以降,公文書管理制度の検討が本格化し,平成20年11月の公文書管理の在り方等に関する有識者会議最終報告を経て,公文書管理法の制定に至った。
同法は,行政文書の作成から保存,移管又は廃棄までの管理を統一的に定めるとともに,特定歴史公文書等の保存及び利用の仕組みを整備した。

第2 公文書館に関連する法律

公文書館に関連する主な法律は,次の3つである。

① 公文書館法
公文書館の目的,責務,専門職員及び資料の利用等に関する基本事項を定める法律である。
② 国立公文書館法
独立行政法人国立公文書館の目的,業務の範囲,関係機関との連携等を定める法律である。
③ 公文書等の管理に関する法律
行政文書及び法人文書の作成・整理・保存・移管・廃棄と,移管後の特定歴史公文書等の保存・利用等を一体的に定める法律である。

第3 国立公文書館の役割

1 保存・利用とデジタルアーカイブ

国立公文書館は,国の機関から移管を受けた歴史資料として重要な公文書等を適切に保存し,一般の利用に供する中核機関である。
特定歴史公文書等については,目録の作成,保存に必要な措置,利用請求への対応,展示,調査研究及び普及啓発等を行っている。

国立公文書館デジタルアーカイブでは,所蔵資料の目録情報を検索でき,画像が公開されている資料はインターネット上で閲覧できる。
アジア歴史資料センターは,国立公文書館,外務省外交史料館,防衛省防衛研究所等が保管するアジア歴史資料をデータベース化し,インターネットを通じて提供する電子資料センターである。

平成26年の資料に基づく諸外国の公文書館との職員数及び所蔵量の比較は,当時の制度検討には有用であるが,現在の人員,電子記録の取扱い及び収容能力を示す数値ではない。
そのため,現在の国際比較として利用するときは,基準年,統計定義及び電子資料の含め方を揃えた最新資料による必要がある。

2 東京本館とつくば分館

国立公文書館は,東京都千代田区北の丸公園の東京本館と,茨城県つくば市のつくば分館を運用している。
つくば分館は,行政機関等から移管される紙媒体の公文書等の受入れ,くん蒸,目録作成及び保存等を行っている。

つくば分館の閲覧室は,令和2年9月1日に閉室された。
つくば分館等の書庫で保存する特定歴史公文書等は,所定の手続を行った上で,東京本館の閲覧室で閲覧する。
利用方法と搬送日程は,国立公文書館の案内で確認できる。

(続きを読む...)公文書管理に関する経緯,公文書館に関連する法律及び国立公文書館

PKO日報問題に関する特別防衛監察結果報告で示された,行政文書管理及び情報公開業務の改善策

〇南スーダン派遣施設隊が作成した日報に対する行政文書開示請求について,防衛大臣が平成28年12月2日付で不開示決定を出した問題(いわゆる「PKO日報問題」です。)については,平成29年3月17日から特別防衛監察が実施され,同年7月28日に特別防衛監察結果が公表されました(防衛省防衛監察本部HPの「防衛監察」参照)し,以下のとおり懲戒処分が実施されました。
① 黒江哲郎 事務次官:停職4日
② 岡部俊哉 陸上幕僚長:減給1か月(10分の1)
③ 堀切光彦 前陸上自衛隊中央即応集団副司令官:停職5日
④ 牛嶋 築 前陸上幕僚監部運用支援・情報部長:停職3日

⑤ 辰己昌良 統合幕僚監部総括官:停職2日

〇平成29年7月28日公表の「特別防衛監察結果報告」15頁及び16頁には,「第7 改善策」として以下の記載があります。
   防衛省・自衛隊として行政文書管理及び情報公開業務の適正な実施について努めているところであるが、これらについて十分に実施されていない状況が確認されたことから、改めて、以下の事項について徹底を図る必要がある。
1   適正な情報公開業務の実施
(1)   関係職員の意識向上を図るための教育等の徹底
   情報公開法に基づく開示請求に対し、指導的立場となる管理者を含め、情報公開業務を適正に実施するという意識が低かったことから、情報公開業務に対する意識を高めるような教育や研修を徹底する必要がある。
(2)   行政文書の不存在の際の入念な確認の徹底
   情報公開法に基づく開示請求に対し、行政文書としての日報が存在しつつも、これを十分に確認せず不存在としている状況や該当文書を個人資料と説明している状況が確認されたことから、過去に保有していたことが明らかな行政文書を不存在とする場合には、情報公開担当部署は、文書管理者等に対し、複数回の探索や探索範囲の拡大を実施させるとともに、文書の管理状況についても実際に確認するなど、「行政文書管理及び情報公開業務の適正な実施について(通達)」(防官文第11870号。24.9.6)に基づき、行政文書の確実な探索及び特定業務を徹底する必要がある。
(3)   情報公開業務に対するチェック機能の強化
   情報公開法に基づく開示請求に対し、行政文書としての日報の不存在や廃棄などの誤った判断や行為について、開示請求に係る手続の過程において是正することができなかったことから、特に不存在とした開示請求について、開示請求手続と関係のない立場の組織により、情報公開業務の検査等を実施するなど、チェック機能の強化を図る必要がある。
   なお、防衛監察本部においても、定期防衛監察を活用し、特に開示請求において不存在としている場合の手続の適正性を確認することなどにより、チェック機能の強化に努めるものとする。
2   適正な文書管理等の実施
(1)   文書管理情報等の適切な表示等
   日報が「用済み後破棄」として取り扱われていることについて、文書管理情報が表示されていないため取扱者に周知されていない状況、また、「用済み後破棄」という曖昧な保存期間満了日の設定により、日報の実態が把握されていない状況が確認されたことから、行政文書の状況が明確に把握できるよう措置する必要がある。
   また、日報が「注意文書」として取り扱われていることについて、「注意」の標記が表示されず、また、業務に関係のない多数の職員が閲覧及び取得できる状況であったことから、取扱区分を表示するとともに、配布に当たっては配布先を必要最小限にとどめるよう措置する必要がある。
(2)   複数部署において管理されている行政文書の管理要領の見直し
   日報は指揮システムの掲示板により、統幕、陸幕、陸自各部隊等の多数の部署により共有されているものの、各文書管理者により日報の管理状況が様々であり、日報の保有状況が不明確となっていることから、同一の行政文書を複数の文書管理者が保有する場合における責任を明確にするなど、行政文書の管理要領について見直す必要がある。

(続きを読む...)PKO日報問題に関する特別防衛監察結果報告で示された,行政文書管理及び情報公開業務の改善策

公文書管理法に対する,平成21年6月23日付の参議院内閣委員会の付帯決議

○司法行政文書の管理について公文書等の管理に関する法律(公文書管理法)が適用されるわけではありません(公文書管理法2条8項参照)が,裁判所は,公文書管理法の趣旨,裁判所の地位及び権能等を踏まえ,検討が行われるものとされています(公文書管理法附則13条2項)。
そして,平成23年4月1日施行の公文書管理法における,平成21年6月23日付けの参議院内閣委員会の付帯決議は以下のとおりです。

公文書等の管理に関する法律案に対する附帯決議
政府は、公文書等が、国民共有の知的資源であり、その適切な管理、体系的な保存及び利用制度の整備が、国の基本的な責務・機能であるとともに、将来の発展への基盤であることを深く認識して、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一、公文書管理の改革は究極の行政改革であるとの認識のもと、公文書管理の適正な運用を着実に実施していくこと。
二、国民に対する説明責任を果たすため、行政の文書主義の徹底を図るという本法の趣旨にかんがみ、外交・安全保障分野も含む各般の政策形成過程の各段階における意思決定に関わる記録を作成し、その透明化を図ること。また、軽微性を理由とした文書の不作成が恣意的に行われないようにするとともに、文書の組織共用性の解釈を柔軟なものとし、作成後、時間を経過した文書が不必要に廃棄されないようにすること。
三、行政機関の政策決定並びに事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるようにするため、行政機関による委託事業に係る元データが確実に取得される仕組みを検討すること。
四、行政文書の管理が適正に行われることを確保するため、作成から一定期間が経過した行政文書をその保存期間満了前に一括して保管等の管理を行う制度( いわゆる中間書庫の制度) の各行政機関への導入について検討を行うこと。
五、保存期間の満了により廃棄される行政文書の量が膨大なものであることを踏まえ、廃棄に係る行政文書の内容の審査等に要する内閣総理大臣の補佐体制を強化すること。
六、公文書の管理・利活用に関する情報を十分に公開し、その在り方について多角的な専門的知見及び幅広い国民の意見が取り入れられる機会を設けること。
七、特定歴史公文書等の適切なデジタルアーカイブ化を推進し、一般の利用を促進すること。
八、公文書の電子化の在り方を含め、セキュリティーのガイドラインの策定、フォーマットの標準化及び原本性確保等の技術的研究を推進し、電子公文書の長期保存のための十分な検討を行うこと。
九、国立公文書館等へ移管された特定歴史公文書等に対する利用制限については、利用制限は原則として三十年を超えないものとすべきとする「三十年原則」等の国際的動向・慣行を踏まえ、必要最小限のものとすること。
十、特定歴史公文書等の利用請求及びその取扱いにおける除外規定である本法第十六条に規定する「行政機関の長が認めることにつき相当の理由」の有無の判断に関しては、恣意性を排し、客観性と透明性を担保する方策を検討すること。
十一、宮内庁書陵部及び外務省外交史料館においても、公文書等について国立公文書館と共通のルールで適切な保存、利活用が行われるよう本法の趣旨を徹底すること。
十二、本法に基づく政令等の制定・改廃に際しては、十分に情報を公開し、多角的な専門的知見及び幅広い国民の意見が取り入れられる機会を設けること。
十三、公文書の適正な管理が、国民主権の観点から極めて重要であることにかんがみ、職員の公文書管理に関する意識改革及び能力向上のための研修並びに専門職員の育成を計画的に実施するとともに、専門職員の資格制度の確立について検討を行うこと。また、諸外国における公文書管理体制の在り方を踏まえ、必要な人員、施設及び予算を適正に確保すること。
十四、既に民営化された行政機関や独立行政法人等が保有する歴史資料として重要な文書について、適切に国立公文書館等に移管されるよう積極的に対応すること。また、国民共有の知的資源を永く後世に伝えるため、特定歴史公文書等の保存・修復に万全を期することができる体制を整備すること。
十五、本法の趣旨を踏まえて地方公共団体における公文書管理の在り方の見直しを支援し、また、国立公文書館と地方公文書館との連携強化を図ること。
十六、一部の地方公共団体において公文書館と公立図書館との併設を行っていることを考慮しつつ、より多くの公文書館が設置されることを可能とする環境の整備について検討すること。
十七、刑事訴訟に関する書類については、本法の規定の適用の在り方を引き続き検討すること。
十八、附則第十三条第一項に基づく検討については、行政文書の範囲をより広げる方向で行うとともに、各行政機関における公文書管理の状況を踏まえ、統一的な公文書管理がなされるよう、公文書管理法制における内閣総理大臣の権限及び公文書管理委員会の在り方についても十分検討すること。
十九、公文書等の管理に関する施策を総合的かつ一体的に推進するための司令塔として公文書管理に係る政策の企画・立案及び実施を担当する部局及び機構の在り方について検討を行うこと。
二十、行政機関のみならず三権の歴史公文書等の総合的かつ一体的な管理を推進するため、国立公文書館の組織の在り方について、独立行政法人組織であることの適否を含めて、検討を行うこと。
二十一、公文書管理と情報公開が車の両輪関係にあるものであることを踏まえ、両者が適正かつ円滑に実施されるよう万全を期すること。
右決議する。

人事院規則14-7(政治的行為),及び名古屋家裁裁判官の反天皇制に関する行為

目次
第1 人事院規則14-7(政治的行為)
第2 名古屋家裁裁判官の反天皇制に関する行為
1 平成31年3月13日付の産経新聞の記事
2 夏祭起太郎名義の2つのエッセー
第3 関連記事その他

第1 人事院規則14-7(政治的行為)
   裁判官には適用されないものの,国家公務員法102条(政治的行為の制限)の委任によって制定された人事院規則14-7(政治的行為)は以下のとおりです。

(適用の範囲)
1 法及び規則中政治的行為の禁止又は制限に関する規定は、臨時的任用として勤務する者、条件付任用期間の者、休暇、休職又は停職中の者及びその他理由のいかんを問わず一時的に勤務しない者をも含むすべての一般職に属する職員に適用する。ただし、顧問、参与、委員その他人事院の指定するこれらと同様な諮問的な非常勤の職員(法第八十一条の五第一項に規定する短時間勤務の官職を占める職員を除く。)が他の法令に規定する禁止又は制限に触れることなしにする行為には適用しない。
2 法又は規則によつて禁止又は制限される職員の政治的行為は、すべて、職員が、公然又は内密に、職員以外の者と共同して行う場合においても、禁止又は制限される。
3 法又は規則によつて職員が自ら行うことを禁止又は制限される政治的行為は、すべて、職員が自ら選んだ又は自己の管理に属する代理人、使用人その他の者を通じて間接に行う場合においても、禁止又は制限される。
4 法又は規則によつて禁止又は制限される職員の政治的行為は、第六項第十六号に定めるものを除いては、職員が勤務時間外において行う場合においても、適用される。
(政治的目的の定義)
5 法及び規則中政治的目的とは、次に掲げるものをいう。政治的目的をもつてなされる行為であつても、第六項に定める政治的行為に含まれない限り、法第百二条第一項の規定に違反するものではない。
一 規則一四―五に定める公選による公職の選挙において、特定の候補者を支持し又はこれに反対すること。
二 最高裁判所の裁判官の任命に関する国民審査に際し、特定の裁判官を支持し又はこれに反対すること。
三 特定の政党その他の政治的団体を支持し又はこれに反対すること。
四 特定の内閣を支持し又はこれに反対すること。
五 政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し又はこれに反対すること。
六 国の機関又は公の機関において決定した政策(法令、規則又は条例に包含されたものを含む。)の実施を妨害すること。
七 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)に基く地方公共団体の条例の制定若しくは改廃又は事務監査の請求に関する署名を成立させ又は成立させないこと。
八 地方自治法に基く地方公共団体の議会の解散又は法律に基く公務員の解職の請求に関する署名を成立させ若しくは成立させず又はこれらの請求に基く解散若しくは解職に賛成し若しくは反対すること。
(政治的行為の定義)
6 法第百二条第一項の規定する政治的行為とは、次に掲げるものをいう。
一 政治的目的のために職名、職権又はその他の公私の影響力を利用すること。
二 政治的目的のために寄附金その他の利益を提供し又は提供せずその他政治的目的をもつなんらかの行為をなし又はなさないことに対する代償又は報復として、任用、職務、給与その他職員の地位に関してなんらかの利益を得若しくは得ようと企て又は得させようとすることあるいは不利益を与え、与えようと企て又は与えようとおびやかすこと。
三 政治的目的をもつて、賦課金、寄附金、会費又はその他の金品を求め若しくは受領し又はなんらの方法をもつてするを問わずこれらの行為に関与すること。

(続きを読む...)人事院規則14-7(政治的行為),及び名古屋家裁裁判官の反天皇制に関する行為

法テラスの民事法律扶助業務運営細則―現行版の確認方法と実務上の注意(AIリライト)

目次

第1 現行の細則を確認する方法
第2 業務方法書との関係
第3 細則が定める主な事項
第4 法律相談・出張相談・多機関連携
第5 立替金,償還及び免除
第6 弁護士実務上の注意事項
第7 旧掲載版との関係
第8 公式資料及び関連記事

民事法律扶助業務運営細則は,日本司法支援センター(法テラス)の民事法律扶助について,法律相談,代理援助,書類等作成援助,立替費用,償還及び免除等の具体的な運用を定める規程である。

本記事は以前,平成30年4月1日施行版の細則全文を掲載していた。しかし,その後の改正により,養育費,電磁的方法,遠隔相談,償還及び免除等の取扱いが変わっている。旧版を現行規程と誤認しないよう,令和8年(2026年)9月27日現在,全文転記をやめ,現行版の確認方法と実務上重要な点を整理する。

第1 現行の細則を確認する方法

事件処理に利用する場合は,法テラスの「弁護士・司法書士の方へ 法令・規程集」で,民事法律扶助業務運営細則,別表,資力基準,立替基準,報酬基準及び様式の最新版を確認する必要がある。検索結果又は過去に保存したPDFだけでは,改正日,施行日又は経過措置を見落とすことがある。

令和8年10月25日に法テラスのサイトで確認した細則には,令和8年5月18日の令和8年細則第9号による改正が最終改正と表示されており,その附則は同月21日から施行するとしている。

法テラス「弁護士・司法書士の方へ 法令・規程集」
https://www.houterasu.or.jp/site/bengoshitou-horei-kitei/

第2 業務方法書との関係

総合法律支援法が制度の法的根拠を定め,日本司法支援センター業務方法書が援助の種類,申込み,審査,立替え,償還,免除及び不服申立て等の基本構造を定める。民事法律扶助業務運営細則は,業務方法書の委任を受け,申込み,審査,費用,報告その他の実施方法を具体化する。

(続きを読む...)法テラスの民事法律扶助業務運営細則―現行版の確認方法と実務上の注意(AIリライト)

厚生労働省の内部組織に関する訓令及び細則

目次
1 厚生労働省の設置に関する法令
2 厚生労働省の内部組織に関する訓令及び細則
3 関連記事その他

1 厚生労働省の設置に関する法令
① 厚生労働省設置法(平成11年7月16日法律第97号)
② 厚生労働省組織令(平成12年6月7日政令第252号)
③ 厚生労働省組織規則(平成13年1月6日厚生労働省令第1号)

2 厚生労働省の内部組織に関する訓令及び細則
・ 平成30年10月1日時点における,厚生労働省の内部組織に関する訓令及び細則を以下のとおり掲載しています。
① 厚生労働省の内部組織に関する訓令(平成13年1月6日厚生労働省訓第1号)
② 厚生労働省大臣官房の内部組織に関する細則
③ 厚生労働省医政局の内部組織に関する細則
④ 厚生労働省健康局の内部組織に関する細則
⑤ 厚生労働省医薬・生活衛生局の内部組織に関する細則
⑥ 厚生労働省労働基準局の内部組織に関する細則
⑦ 厚生労働省職業安定局の内部組織に関する細則
⑧ 厚生労働省雇用環境・均等局の内部組織に関する細則
⑨ 厚生労働省子ども家庭局の内部組織に関する細則
⑩ 厚生労働省社会・援護局の内部組織に関する細則
⑪ 厚生労働省老健局の内部組織に関する細則
⑫ 厚生労働省保険局の内部組織に関する細則
⑬ 厚生労働省年金局の内部組織に関する細則
⑭ 厚生労働省人材開発統括官の下に置かれる組織に関する細則
⑮ 厚生労働省政策統括官(総合政策担当)の下に置かれる組織に関する細則
⑯ 厚生労働省政策統括官(統計・情報政策、政策評価担当)の下に置かれる組織に関する細則

勉強した(ただの趣味)

(続きを読む...)厚生労働省の内部組織に関する訓令及び細則