第1 この記事の対象第2 税務調査1 税務調査と行政指導2 質問検査権と「任意」の意味3 事前通知と無予告調査4 調査終了時の手続5 本ブログ掲載資料と詳説記事第3 予定納税1 対象者と予定納税基準額2 通知と二回の納付3 予定納税額の減額申請4 確定申告での精算第4 国税の納付方法1 選択できる納付手段2 スマホアプリ納付3 納期限と納付記録第5 電子帳簿等保存制度1 三つの区分2 電子取引データの保存3 オンライン購入の領収書4 税務調査に備えた確認第6 関連記事第7 出典・参考資料1 法令2 国税庁資料
第1 この記事の対象
本記事は,所得税,法人税,地方法人税及び消費税等について,税務調査の基本手続,個人の所得税の予定納税,国税の納付手段並びに電子取引データの保存を横断的に確認するための案内記事である。
調査の基準日は令和8年9月9日であり,法令は同日施行法令,国税庁資料は同日までに確認できた最新版を基準としている。
税額計算,記帳代行,給与計算,資本金別の税制上の取扱い及び個別の不服申立ては,制度と検索意図が異なるため扱わない。
税務調査の詳しい準備と対応は,税務調査に関するメモ書き-事前通知,帳簿データ,質問応答記録書及びAI活用(AI作成)で説明している。
第2 税務調査
1 税務調査と行政指導
国税庁は,特定の納税者の課税標準等又は税額等を認定する目的で質問検査等を行い,申告内容を確認するものを「調査」と説明している。
これに対し,申告書の計算誤り,転記誤り又は記載漏れ等について自発的な見直しを求め,必要に応じて修正申告書の提出を要請する連絡は,行政指導として行われることがある。
税務署から連絡を受けた場合は,まず調査と行政指導のいずれであるか,対象税目及び対象期間を確認する必要がある。
両者は手続上の位置付けが異なるためである。
2 質問検査権と「任意」の意味
国税通則法74条の2は,所得税,法人税,地方法人税及び消費税等の調査について,質問,帳簿書類その他の物件の検査並びに物件の提示又は提出の要求を定めている。
通常の税務調査は令状による直接強制を伴う犯則調査ではないが,同法128条は,正当な理由のない不答弁,虚偽答弁,検査の拒否等について罰則を定めている。
したがって,通常の税務調査が「任意調査」と呼ばれることは,適法な質問検査に自由に応じなくてよいことを意味しない。
他方,質問検査等の権限は犯罪捜査のために認められたものではないと同法74条の8が定めており,行政調査と犯則調査又は刑事捜査は区別する必要がある。
3 事前通知と無予告調査
実地の調査を行う場合,国税通則法74条の9により,原則として調査開始日時,場所,目的,対象税目,対象期間及び対象となる帳簿書類等が事前に通知される。
通知された日時又は場所について合理的な理由を付して変更を求めたときは,税務署長等は協議するよう努めるものとされている。
もっとも,事前通知により違法又は不当な行為を容易にし,正確な税額等の把握を困難にするおそれその他調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合は,同法74条の10により事前通知をしないことがある。
無予告で職員が来訪した場合も,身分証明書,調査の根拠,対象税目及び対象期間を確認し,その場で判断できない事項は税理士等へ連絡して対応を整理するのが実務的である。
4 調査終了時の手続
国税通則法74条の11によれば,更正決定等をすべきと認められない場合は,その時点でその旨が書面により通知される。
更正決定等をすべきと認める場合は,調査結果の内容及び理由が説明され,修正申告又は期限後申告が勧奨されることがある。
修正申告は納税者自身の申告であるため,その修正申告自体に不服申立てをすることはできないが,更正の請求をすることができる旨の説明と書面交付が予定されている。
提出前に,増差税額,加算税,対象年分,事実認定及び法令適用を確認することが重要である。
5 本ブログ掲載資料と詳説記事
本ブログには,税務調査とその周辺手続を確認するための次の開示文書等を掲載している。
調査における法律的知識(わかりやすくマンガで解説!!)(平成27年6月の東京国税局課税第二部法人課税課の文書)質問応答記録書作成の手引(平成29年6月の国税庁課税総括課作成の文書)税務官署から事件記録等の閲覧謄写の要請があった場合の取扱いについて(平成3年10月31日付の最高裁判所総務局長の事務連絡)