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休職と年次有給休暇の関係――休職前の取得,年5日の時季指定,出勤率及び2年の時効(AI作成)

休職に入れば労働義務のない日となるため,年次有給休暇を取得することも,使用者が時季を指定して与えることもできなくなる。休職の開始日を決める場面では,年休の残日数,次の基準日の出勤率及び時効を併せて確認しておく必要がある。

第1 年休・欠勤・休職の日付を分ける

診断書の作成日,療養を要するとされた期間の初日,実際の欠勤開始日及び就業規則上の休職開始日は,同じとは限らない。

年休の申出と残日数,欠勤期間の算定方法及び休職への移行条件を別々に確認し,開始日と満了予定日を計算する。

最終出勤日,欠勤開始日,休職開始日,休職期間の満了予定日,他の休職事由へ移行する場合の移行日,退職日及び社会保険の資格喪失日は,いずれも別の概念である。これらを一覧にして定義し,通知書,社会保険の届出及び賃金計算の各書面をその一覧に合わせる。同一の事案について書面ごとに日付が食い違うと,後に事実関係の確認が困難になる。また,当初の休職期間を規程より短く定めて後に発令し直すと,起算日が後ろにずれて満了時期が当初の想定より遅くなることがあるため,発令前に勤続年数と適用条項を確定させる。

労働基準法39条5項は,原則として労働者の請求する時季に年休を与える仕組みを定めている。

病気による欠勤を自動的に年休へ振り替えたり,年休を全て消化した日を当然の休職開始日としたりせず,本人の申出と適用規程を確認することが必要である。

他方,同法39条7項は,年10労働日以上の年休が付与される労働者について,そのうち5日を,基準日から1年以内の期間に,労働者ごとに時季を定めて与えなければならないとしており,この義務は同法120条1号の罰則の対象とされている。同条8項により,同条5項又は6項の規定によって既に与えた年休の日数(5日を超えるときは5日)については,時季を定めて与えることを要しない。

休職に入れば労働義務のない日となり,使用者が時季を指定して年休を与えることはできなくなるほか,本人が請求して取得することもできない。労働基準法施行規則24条の7の年次有給休暇管理簿により,当該労働者の基準日と当年度の取得実績を休職開始前に確認しておく必要がある。

また,同法39条10項が出勤したものとみなすのは,業務上の負傷若しくは疾病による療養のための休業,育児休業,介護休業及び産前産後の休業の各期間であり,私傷病による欠勤及び休職の期間はこれに含まれない。欠勤が長期化すると次の基準日に全労働日の8割以上出勤したという要件を満たさないことがある。他方,年次有給休暇の請求権は,労働基準法115条により2年で時効消滅する(賃金の請求権と異なり,同法143条3項による当分の間の読替えの対象ではない。)。年休を消化せずに残すかどうかを本人が判断する場面では,次の基準日の出勤率と併せて,この点も説明するのが適切である。

未消化の年休を多く残したまま休職に入ると,休職期間の満了や退職の場面で,その消化又は代償を求められることがある。年次有給休暇の買取りは,労働基準法39条が定める年次有給休暇の趣旨に反するため,原則として許されないと解されている。残日数の多い労働者について休職を検討するときは,休職開始前の取得の意向を確認し,回答期限を定めて書面で受け取っておくのが適切である。

年5日の時季指定義務の具体的な計算方法及び時季変更権については,年次有給休暇の付与日数,取得方法,年5日義務及び時季変更権(AIリライト)で整理している。

第2 関連記事

休職の開始時に確認すべき事項の全体像は,社員が私傷病休職を開始する際に使用者が注意すべき事項(AI作成)で整理している。

年休の付与日数,取得方法,年5日義務及び時季変更権は,年次有給休暇の付与日数,取得方法,年5日義務及び時季変更権(AIリライト)で整理している。

第3 出典・参考資料

1 法令

e-Gov法令検索「労働基準法」13条,19条,24条,26条,39条,115条,120条,143条

e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」5条1項1号の3,24条の7