メインコンテンツへスキップ
       

令和7年10月の厚生労働省制度変更―育児,教育訓練,最低賃金,生活保護及び医療の実務確認(AI作成)

第1 対象時点と7つの変更

厚生労働省の「令和7年10月」制度変更一覧は,令和7年(2025年)10月に実施された変更をまとめた資料である。
この記事では,掲載された7項目について,企業の就業規則の見直し,労働者への説明,後見・生活支援の相談で確認すべき事項を整理する。
確認日は令和8年(2026年)10月4日である。制度開始当時の金額と現在の金額は区別し,リンク先が更新されている場合には,対象年度と適用日を確認する必要がある。

制度令和7年10月の変更実務での確認事項
育児との両立柔軟な働き方の措置,個別周知・意向確認,意向聴取・配慮子の年齢,会社の選択措置,面談の時期と記録
教育訓練休暇給付金在職中の無給休暇に対する給付を創設被保険者区分,加入期間,自発性,連続30日以上の休暇
リ・スキリング融資雇用保険給付の対象外となる人への融資を開始求職・訓練の要件,申込前の費用,金融機関審査と返済
地域別最低賃金令和7年度の改定を地域ごとに順次実施就業地域,発効日,対象となる賃金,時間額への換算
生活扶助特例加算を月額1,500円/人へ見直し当時の基準と現行の基準,従前額保障,入院・入所の例外
就労選択支援就労先・働き方の選択を支えるサービスを開始本人の希望,支給決定,利用順序,地域の事業所
後期高齢者医療2割負担に伴う外来の負担増への配慮措置を終了対象者,受診月,通常の高額療養費との区別

第2 育児期の柔軟な働き方と個別対応

1 会社が2つ以上の措置を用意する

令和7年10月1日から,事業主は,3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対し,始業時刻等の変更,テレワーク等,保育施設の設置運営等,養育両立支援休暇,短時間勤務制度の5つから2つ以上を選択して講ずる必要がある。
労働者は,会社が講じた措置の中から1つを選択して利用する。会社が措置を選択する際には,過半数労働組合又は過半数代表者の意見を聴く必要がある(育児・介護休業法23条の3)。
テレワーク等は月10日以上,養育両立支援休暇は年10日以上利用できる制度とし,いずれも原則として時間単位で利用できるようにする。適用除外を設ける場合には,法律・省令と労使協定の内容を別途確認する。

これに対し,3歳未満の子を養育する労働者のためのテレワーク導入は,令和7年4月からの努力義務である。
対象年齢と施行時期を混同して,全員にテレワークを選択させる義務があると説明してはならない。

2 制度の利用意向と勤務条件の希望を分けて聴く

子が3歳になる前の所定の期間に,会社が選択した制度の内容,申出先,残業免除等の制度を個別に周知し,利用意向を確認する必要がある。
さらに,本人又は配偶者の妊娠・出産等の申出時と子が3歳になる前に,勤務時間帯,勤務地,制度の利用期間,業務量その他の就業条件に関する意向を聴き,その意向に配慮する必要がある(同法21条2項・3項,23条の3第5項・第6項)。

厚生労働省の改正ポイントのリーフレット4頁・5頁は,周知・聴取の時期を,3歳の誕生日の1か月前までの1年間と示している。
制度の利用を控えさせるための周知・意向確認は認められない。
実務上は,対象者の抽出,面談日程,説明した制度,本人の希望,検討した対応,回答内容を記録することが有用である。これは義務を実行し,後日の説明を可能にするための実務上の整理である。

第3 教育訓練休暇給付金と融資を使い分ける

1 在職中の教育訓練休暇給付金

教育訓練休暇給付金は,雇用保険の一般被保険者が,離職せず,自発的に教育訓練へ専念するために取得する休暇中の生活を支える制度である。
就業規則等に基づき,事業主と合意して連続30日以上の無給休暇を取得することに加え,休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があること,休暇開始前の雇用保険加入期間が5年以上あること等を要する。
会社の業務命令による研修や,有給休暇をそのまま給付対象にする制度ではない。

受給すると,休暇開始前の被保険者期間等が基本手当などの算定で通算できなくなる。他方,育児休業等給付・介護休業給付のみなし被保険者期間と,教育訓練給付金の支給要件期間には影響しないと案内されている。
休暇を申し込む前に,過去の受給歴,加入期間,対象訓練,他の給付への影響をハローワークで確認する必要がある。
手続,規程と失業給付への影響は,教育訓練休暇給付金の実務解説で詳しく整理する。

2 雇用保険給付の対象外となる人への融資

リ・スキリング等教育訓練支援融資は,雇用保険の被保険者でも受給資格者でもない人等について,ハローワークで求職・訓練の必要性等を確認し,労働金庫が融資する制度である。
雇用保険に加入していないという事実だけで利用できるものではなく,求職申込み,就労意思・能力,過去の就労経験,キャリアコンサルティング,年齢等の要件と金融機関の審査がある。

公式案内では,教育訓練費用と生活費について,それぞれ年間120万円まで,最大2年間の融資枠を示している。ただし,年収200万円未満の場合等は最大1年間である。
利率は信用保証料を含め年2%の固定金利と案内されている。
申請前に支払った費用は,所定の受験料の例外を除き融資対象外となるため,入学金等の支払前に相談する必要がある。

返済免除は自動的な全額免除ではない。対象訓練の修了,雇用保険の被保険者としての就職・継続勤務,賃金上昇率等の条件を満たした場合に,残高の一定割合が上限額付きで免除される仕組みである。
ハローワークの確認を通過しても,労働金庫の審査を通過するとは限らない。訓練中も3か月ごとの報告等が必要であり,中途退校時には届出と契約変更を要する。
契約前には,受給できる給付の有無,借入総額,返済計画,免除されない場合の負担を確認すべきである。

第4 最低賃金は地域と発効日で確認する

提供資料は,令和7年度の地域別最低賃金が令和7年10月1日から順次発効し,改定後の全国加重平均が1,121円となったと説明している。
これは令和7年度の改定の説明であり,全国一律の最低賃金額ではない。

現在の地域別最低賃金の全国一覧は令和8年度の資料に更新されている。
過去の未払賃金を計算するときは,当時その事業場に適用されていた地域別又は特定最低賃金と発効日を確認し,発効日前後で期間を分ける必要がある。
現在の支払額を点検するときも,新年度の公表額が実際に発効済みか確認する。

最低賃金との比較では,残業代等を除いた対象賃金を時間額に換算する必要がある。
具体的な計算と固定残業代の扱いは,最低賃金の引上げと固定残業代を参照されたい。

第5 生活扶助の特例加算は適用月を区別する

令和7年10月の見直しでは,検証結果に基づく生活扶助基準に一人当たり月額1,500円を特例的に加算し,なお従前の基準額を下回る世帯には従前額を保障する措置が採られた。
従前の支給額に必ず1,500円を追加する仕組みではない。
入院患者・介護施設入所者の加算は月額1,000円を維持する取扱いである。

令和8年度の生活保護基準に関する厚生労働省資料本文3頁(PDF8頁)では,令和8年10月から1年間,居宅等の特例加算を一人当たり月額2,500円に引き上げ,従前額保障を継続するとしている。
確認日現在はこの適用開始後であり,令和7年10月の一覧にある1,500円を現在の額として使うことはできない。入院・介護施設入所については月額1,000円を維持する。

後見人等が保護費を点検する場合は,適用月,世帯構成,級地,入院・入所の状況,収入認定と加算の内訳を保護決定通知等で確認する。
基準額と実際の支給額は区別すべきである。
申請の代理,世帯分離及び返還の問題は,成年後見人と生活保護で整理している。

第6 就労選択支援と本人の意思

令和7年10月に始まった就労選択支援は,就労アセスメントを用いて,本人の希望,就労能力や適性等に合った就労先・働き方の選択を支援する障害福祉サービスである。
評価結果だけで本人の就職先を決めたり,雇用を保証したりする制度ではない。

厚生労働省の「就労選択支援の実施について」令和7年9月30日改正は,新たな就労継続支援B型の利用について,原則としてあらかじめ就労選択支援を利用する取扱いと,50歳以上,障害基礎年金1級受給者等の例外を示している。
A型の新規利用等に関する令和9年4月以降の取扱いは,同通知では予定として記されており,今後の通知を確認する必要がある。

相談では,本人の希望を出発点に,市町村の支給決定,地域の指定事業所,必要な利用順序と例外,関係機関への評価結果の共有方法を確認する。
高次脳機能障害の場合の他の支援制度は,高次脳機能障害者を支援するための諸制度を参照されたい。

第7 後期高齢者医療の配慮措置の終了

厚生労働省の窓口負担割合の案内によれば,2割負担の導入に伴い,外来の負担増加額を月3,000円までに抑える配慮措置は,令和7年9月30日で終了した。
2割負担の対象者について,令和7年10月以降の外来受診には,この特例を前提とした説明や計算を使えない。

終了したのは特別の配慮措置であり,高額療養費制度全体ではない。また,後期高齢者全員が2割負担となるわけでもない。
窓口負担割合,受診月,所得区分と通常の高額療養費の適用を確認し,実際の還付や負担上限は加入先の後期高齢者医療広域連合又は市町村に確認する必要がある。
同ページに残る令和8年3月までの期間限定コールセンターは,確認日現在の相談先としては使わない。

第8 確認資料と今後の検討

この記事は,公開された厚生労働省資料を根拠としている。提供一覧と各制度の公式案内を確認し,育児・介護休業法については令和7年10月1日の改正後条文21条・23条の3,教育訓練休暇給付金については「ご案内」本文1頁~10頁を確認した。
生活扶助は令和7年の当初見直しと令和8年の改定資料を照合した。就労選択支援は令和7年9月30日改正通知の対象者・利用順序の部分を確認した。
個別の給付決定,自治体ごとの運用及び金融機関の融資契約を網羅的に確認したものではない。

別途掘り下げるテーマは,①リ・スキリング融資の返済免除申請と賃金上昇率の算定,②就労選択支援の地域ごとの例外・支給決定と令和9年以降の取扱い,③後期高齢者医療の配慮措置終了後の具体的な還付計算である。
この記事では,個別契約・自治体通知・診療月ごとの計算事例及びこれらに関する裁判例までは検討していない。