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弁護士制度・実務

平成29年10月当時の,弁護士法人アディーレ法律事務所の状況

目次
1 弁護士法人アディーレ法律事務所
2 アディーレの池袋本店及び支店における修習期の分布及び社員の配置状況
3 アディーレの支店設置時期
4 アディーレ及びそのグループ法人
5 関連記事

1 弁護士法人アディーレ法律事務所
(1) 弁護士法人アディーレ法律事務所(以下「アディーレ」といいます。)は平成17年4月1日に設立登記がされ,平成29年10月11日現在,本店のほか,85の支店があります。
(2) 法人登記簿によれば,アディーレの主たる事務所は,東京都豊島区東池袋3丁目1-1 サンシャイン60にあります。
(3)ア 法人登記簿によれば,平成24年7月17日,代表社員であった石丸幸人弁護士が社員となり,同年8月1日に資格変更の登記がなされています。
    そのため,同日以降,弁護士法人アディーレ法律事務所には代表社員がいないみたいです。
イ インターネットアーカイブに保存されているアディーレHPの「当事務所の弁護士・司法書士の紹介」(平成29年8月6日時点のもの)には,石丸幸人弁護士が代表弁護士になっています。
(4) 代表社員の定めがない場合,業務を執行する社員が各自弁護士法人を代表します(弁護士法30条の13第1項)。
    そのため,石丸幸人弁護士その他の幹部弁護士はアディーレの定款で業務を執行する社員とされている(弁護士法30条の12参照)から,代表権を持っているのかも知れません。
(5) 平成29年10月11日現在,アディーレの弁護士数は185人であり,そのうちの92人が社員でありますところ,修習期別は以下のとおりです。
55期:社員 1人
56期:社員 1人
59期:使用人1人
60期:社員 1人,使用人 2人
61期:社員 1人,使用人 4人
62期:社員 3人,使用人 3人
63期:社員11人,使用人 4人
64期:社員 9人,使用人 7人
65期:社員11人,使用人 9人
66期:社員11人,使用人 3人
67期:社員16人,使用人14人
68期:社員14人,使用人21人
69期:社員13人,使用人25人

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弁護士法人アディーレ法律事務所に対する懲戒処分(平成29年10月11日付)(AIリライト)

第1 本件懲戒処分の概要

1 平成29年10月11日の処分

2 本記事で区別する手続

第2 期間限定広告と消費者庁の措置命令

1 三段階の広告表示

2 平成28年2月16日付措置命令

第3 東京弁護士会の懲戒処分

1 法人に対する業務停止2月

2 石丸幸人弁護士に対する業務停止3月

3 法人全体が処分対象となったこと

第4 業務停止の法的効果

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弁護士法人の懲戒事例(AIリライト)

第1 本記事の対象と一覧の読み方第2 弁護士法人に対する懲戒の制度1 法人と個人は別の懲戒対象である2 処分の種類と支店への処分3 移転・解散と懲戒手続の関係第3 平成22年から平成29年までの事例1 アディーレ法律事務所――破産申立事件の処理2 かすが総合――依頼者に対する別事件の受任3 協立法律事務所――広告と事務職員の監督4 片山会――事務職員への対応の委任と事件紹介5 公尽会――事件放置と預り金の未清算6 ひいらぎ綜合法律事務所――面談・説明・和解の協議7 十枝内総合法律事務所――上告期限の徒過8 美咲総合法律税務事務所――職務上請求書の利用目的9 北斗――預り金の管理と破産事件の遅延10 菅谷法律事務所――遺産分割事件等の未清算11 アディーレ法律事務所――広告表示と後続の裁決12 クローザー法律事務所――非弁提携第4 令和2年以降の事例1 ベリーベスト法律事務所――業務停止期間の変更と裁判2 清源法律事務所――職場のセクシュアル・ハラスメント3 あゆみ共同法律事務所――2件の除名公告4 東京ミネルヴァ法律事務所――預り金の不正流用等5 フィード――動産の誤廃棄6 日本橋さくら法律事務所――事件紹介の対価7 フェニックス――官報で確認できる処分内容第5 処分情報を確認するときの留意点第6 出典1 法令2 懲戒処分・裁決・判決確定の公告3 裁判書

第1 本記事の対象と一覧の読み方

本記事は,弁護士法人に対する懲戒処分について,法人名,処分の効力発生日,処分内容及び理由の要旨を整理するものである。
『自由と正義』の懲戒公告を中心に,令和8年8月31日までに確認できた資料を用い,日弁連の裁決による変更・取消しや裁判の結果が確認できるものは,原処分と区別して示す。

以下は確認した事例を選んだ一覧であり,全国の全処分を網羅した統計ではない。
法人名・事務所の構成は原則として公告当時のものであり,過去の業務停止処分の掲載は,その法人が現在も業務停止中であることを意味しない。

法人名・詳細へのリンク原処分の効力発生日原処分の内容アディーレ法律事務所平成22年10月5日戒告かすが総合平成23年1月12日業務停止1月協立法律事務所平成23年3月7日戒告片山会平成23年7月6日業務停止1年公尽会平成23年11月8日除名ひいらぎ綜合法律事務所平成28年12月7日戒告十枝内総合法律事務所平成29年2月10日戒告美咲総合法律税務事務所平成29年3月28日戒告北斗平成29年8月31日業務停止1年6月菅谷法律事務所平成29年10月11日除名アディーレ法律事務所平成29年10月11日業務停止2月クローザー法律事務所平成29年12月26日業務停止1年ベリーベスト法律事務所令和2年3月12日業務停止6月。裁決で3月に変更清源法律事務所令和2年9月17日業務停止6月あゆみ共同法律事務所令和3年2月26日東京弁護士会による除名あゆみ共同法律事務所令和3年3月30日大阪弁護士会による除名東京ミネルヴァ法律事務所令和6年2月17日除名フィード令和6年7月17日戒告日本橋さくら法律事務所令和7年8月7日業務停止1月フェニックス令和8年7月9日業務停止2月

表の法人名はいずれも「弁護士法人」を省略している。
日付は雑誌の発行月や官報の掲載日ではなく,公告に記載された原処分の効力発生日であり,取消しとなった別処分などは各事例の本文で説明する。

第2 弁護士法人に対する懲戒の制度

1 法人と個人は別の懲戒対象である

弁護士法56条は,弁護士と弁護士法人の双方を懲戒の対象とし,原則として所属弁護士会が懲戒を行うと定めている。
したがって,代表弁護士個人の処分を確認しただけでは,法人に対する処分の有無や内容まで確認したことにはならない。

また,法人に対する懲戒と,社員である弁護士個人に対する懲戒では,法人への影響も異なる。
社員が業務停止・退会命令・除名の処分を受けた場合は法定脱退の事由となり,法人自身の除名や社員の欠亡は法人の解散事由となる(弁護士法30条の22第6号,30条の23第1項6号・7号)。

2 処分の種類と支店への処分

弁護士法人に対する懲戒は,次の4種類である(弁護士法57条2項)。
同じ「業務停止」という表示でも,法人全体の業務を停止する処分か,特定の法律事務所の業務を停止する処分かを確認する必要がある。

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弁護士以外の士業の懲戒制度―処分主体・申出・除斥期間の比較(AIリライト)

第1 この記事で取り上げる懲戒制度
第2 九つの資格の比較
第3 資格ごとの懲戒制度

1 公認会計士及び監査法人
2 行政書士及び行政書士法人
3 公証人
4 司法書士及び司法書士法人
5 土地家屋調査士及び土地家屋調査士法人
6 税理士及び税理士法人
7 社会保険労務士及び社会保険労務士法人
8 弁理士及び弁理士法人
9 海事代理士

第4 第三者による報告又は通知
第5 除斥期間及び制度改正
第6 処分情報を調べる場合の注意点
第7 出典・参考資料

1 法令
2 行政庁・専門職団体・裁判例
3 文献

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平成29年5月開始の大量懲戒請求事案

1(1) 朝鮮学校への高校授業料無償化の適用,補助金交付等を求める声明を出した全国の弁護士会に対し,平成29年10月12日までの時点で,弁護士会長らの懲戒を請求する懲戒請求書が4万件以上提出されています(毎日新聞HPの「懲戒請求 弁護士会に4万件超 「朝鮮学校無償化」に反発」(平成29年10月12日付)参照)。
そのため,平成29年の懲戒請求件数は,過去最高であった平成19年の9585件(うち,8095件は光市母子殺害事件の弁護団に対する懲戒請求です。)をはるかに超えています。
(2) 平成30年6月12日までの時点で,全国21弁護士会で約13万件に上っているみたいです(週プレNEWSの「弁護士への”不当懲戒請求”13万件を先導した黒幕--『余命三年』の正体とは?」(平成30年6月12日付)参照)。

2 日弁連は,平成29年12月25日,全国各地における弁護士会員多数に対する懲戒請求についての会長談話を出しました。

3(1) BLOGOSに「熱心なネトウヨ、実は中高年が中心? 弁護士への不当な懲戒請求、「40代後半から50代が多い。女性も3~4割いる」 」が載っています。
(2) 大量懲戒請求事件につき,一部の弁護士が懲戒請求者に対して損害賠償請求訴訟の提起を予告しています(事実を整えるブログの「弁護士への「大量」不当懲戒請求:余命信者と佐々木・北弁護士の和解の論点」(平成30年6月7日付)参照)。
(3) クローズアップ現代HPに「なぜ起きた?弁護士への大量懲戒請求」(平成30年10月29日放送分)が載っています。

4 弁護士に対する業務妨害(濫用的懲戒請求を含みます。)とその対策については,「弁護士に対する業務妨害と対策――日弁連の宣言,濫用的懲戒請求,国選弁護人の解任及び法律事務所のカスハラ対策」を参照してください。

https://twitter.com/yamanaka_osaka/status/1179765030654365697

会務活動における弁護士の秘密保持義務-適用範囲,個別規則及び裁判例(AIリライト)

目次

第1 会務で知った情報の取扱いに関する結論1 「会務で知った」という名称だけでは決まらないこと2 確認の順序第2 弁護士法23条と弁護士職務基本規程23条1 弁護士法23条2 弁護士職務基本規程23条3 二つの規定を同じものとして扱わないこと第3 大阪高裁平成19年2月28日判決1 事案の概要2 第1審と控訴審の判断3 判決の射程第4 会務の中に法律事務が含まれる場合1 法律相談その他の対外的活動2 内部の審査,調査及び委員会活動第5 日弁連の特別委員会規則1 規則12条の内容2 個別規則を先に確認する意味第6 違反した場合に問題となる責任1 懲戒責任2 民事責任及び刑事責任第7 綱紀委員会議事録と文書提出命令1 最高裁平成23年10月11日決定2 決定全文第8 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 弁護士会等の規程及び公表資料4 文献5 関連記事
第1 会務で知った情報の取扱いに関する結論
1 「会務で知った」という名称だけでは決まらないこと

弁護士会の会務で知った情報であるというだけで,弁護士の秘密保持義務が一律に否定されるわけではない。
まず,情報を取得した具体的な活動が弁護士の法律事務に当たるかを確認し,次に,所属弁護士会又は日本弁護士連合会の会則,会規,規則,委嘱条件その他の個別の根拠を確認する必要がある。

弁護士会が運営する活動であっても,担当弁護士が市民の法律相談を受ける場面では,弁護士として法律事務を行っている場合がある。
例えば,東京弁護士会は,公益通報相談窓口のQ&Aにおいて,同会の相談窓口に来たこと及び相談内容について,弁護士法23条に基づく秘密保持義務があると説明している。

2 確認の順序

会務情報を外部に開示し,又は別の目的に利用する前には,少なくとも次の順序で検討する必要がある。
①情報を取得したときの立場と具体的な活動
②相談者,申立人,関係者等との信頼関係及び秘密性
③適用される法令,会則,会規,規則,委嘱条件及び内部決定
④開示先,開示目的,開示範囲及び必要性
⑤本人の同意,法令上の根拠又は権限者の承認の有無
⑥より限定的な代替手段及び情報セキュリティ上の措置

第2 弁護士法23条と弁護士職務基本規程23条
1 弁護士法23条

弁護士法23条は,弁護士及び弁護士であった者について,職務上知り得た秘密を保持する権利と義務を定め,法律に別段の定めがある場合を例外としている。
同条の文言は,秘密の帰属主体を「依頼者」に限定していない。

2 弁護士職務基本規程23条

弁護士職務基本規程23条は,弁護士が,正当な理由なく,依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし,又は利用することを禁じている。
同条は,秘密の漏えいだけでなく利用も明示的に対象としている。

3 二つの規定を同じものとして扱わないこと

両規定は,対象者,秘密の帰属主体,禁止される行為及び例外の表現が同一ではない。
弁護士法23条は秘密を保持する権利と義務を定めるのに対し,弁護士職務基本規程23条は依頼者についての秘密の漏えい又は利用を規律している。

したがって,会務に弁護士法23条が直接適用されるかという問題と,個別の会則,会規又は規則に基づく秘密保持義務があるかという問題は,分けて検討すべきである。
また,規程違反が直ちに懲戒処分になるわけではないものの,弁護士法56条1項は,法令又は会則への違反,所属弁護士会の秩序若しくは信用を害する行為その他の品位を失うべき非行を懲戒事由としている。

第3 大阪高裁平成19年2月28日判決
1 事案の概要

この判決は,弁護士会の委員会活動そのものを対象とした事件ではない。

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弁護士法56条1項の「品位を失うべき非行」-判断枠組みと50の懲戒例(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と資料の範囲1 対象2 50例の位置付け第2 「品位を失うべき非行」の判断枠組み1 弁護士法56条1項と懲戒の種類2 最高裁判所が示した考慮事情3 弁護士職務基本規程82条第3 平成24年版ハンドブックに掲載された50例1 表の読み方2 50例と原出典第4 後発の公表例と懲戒しないとされた例1 事件放置と連絡・報告懈怠の公表例2 外形が似ていても懲戒しないとされた例第5 50例を参照するときの確認事項第6 関連記事第7 出典1 法令2 裁判例及び懲戒処分の公表資料3 職能団体の規程4 文献
第1 この記事の対象と資料の範囲
1 対象

弁護士法56条1項の「品位を失うべき非行」は,職務上の行為だけでなく,職務外の行為にも適用され得る懲戒事由である。
本記事は,2026年9月7日現在の法令・会規と公表資料を確認し,AIを用いて判断枠組み,過去の50例,その後の公表例及び懲戒しないとされた境界事例を照合・整理したものである。

2 50例の位置付け

第3の50例は,日本弁護士連合会調査室『弁護士業務ハンドブック』(平成24年)45頁~48頁が,弁護士法56条1項に関する懲戒議決の例として掲げたものを,原出典と対応させて要約したものである。
同書自体が一部の例を紹介する資料であるため,この50例は網羅的な懲戒事由一覧ではない。
また,同種の行為でも具体的事情により結論が異なるため,個々の例を現在の事案に機械的に当てはめることはできない。

第2 「品位を失うべき非行」の判断枠組み
1 弁護士法56条1項と懲戒の種類

弁護士法56条1項は,弁護士又は弁護士法人につき,弁護士法違反,所属弁護士会・日弁連の会則違反,所属弁護士会の秩序・信用を害する行為その他職務の内外を問わず品位を失うべき非行があったときを懲戒事由としている。
同法57条1項が定める懲戒は,戒告,2年以内の業務停止,退会命令及び除名の4種類である。
懲戒事由の全体像は,弁護士の懲戒事由で別途整理している。

2 最高裁判所が示した考慮事情

最高裁平成18年9月14日第一小法廷判決(平成15年(行ヒ)第68号,裁決取消請求事件,集民221号87頁)は,受領した解決金の一部について依頼者に虚偽の報告をし,追加立退料の受領を報告せず秘匿した弁護士に対する業務停止3月の処分が問題となった事件である。
同判決は,非行の内容・程度,被害や社会的影響,弁護士の社会的評価に与える影響,本人に及ぼす影響,弁護士の使命の重要性その他の諸般の事情を総合考慮する判断枠組みを示した。
その上で,非行に当たるか,どの懲戒処分を選ぶかは弁護士会の合理的な裁量に委ねられ,その判断が全く事実の基礎を欠くか,社会通念上著しく妥当性を欠くときに限り,裁量権の逸脱又は濫用として違法となると判断した。

3 弁護士職務基本規程82条

弁護士職務基本規程82条は,同規程の解釈適用に当たり,弁護士の職務の多様性と個別性を考慮し,その自由と独立を不当に侵害することのないよう,実質的に解釈・適用しなければならない旨を定めている。
また,特に同規程5条の刑事弁護活動への解釈適用には,被疑者・被告人の防御権や適正手続の保障などに十分に留意しなければならない旨も定めている。
したがって,行為の外形だけでなく,当時の職務上の地位,受任の範囲,当事者間の利害,主観的態様,被害及び事後対応を具体的に確認する必要がある。

第3 平成24年版ハンドブックに掲載された50例
1 表の読み方

「原出典」欄は,『弁護士業務ハンドブック』45頁~48頁の注記を基に,「同」とされた巻名を補って表示したものである。
事実の要約は一覧性のために簡略化しており,懲戒の可否や量定を確認するときは,当該議決例の事実認定と理由を直接確認する必要がある。

2 50例と原出典

番号
行為の要約
原出典


母親が差入営業をする店舗の奥に法律事務所を置いた事例
議決例集第1集241頁・2頁

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弁護士の懲戒事由-弁護士法56条の4類型と判断基準(AI作成)

目次

第1 弁護士法56条1項が定める懲戒事由第2 四つの懲戒事由の内容1 弁護士法に違反したとき2 弁護士会又は日本弁護士連合会の会則に違反したとき3 所属弁護士会の秩序又は信用を害したとき4 その他,品位を失うべき非行があったとき第3 弁護士職務基本規程と懲戒事由の関係1 個別規定の役割2 形式的違反だけで決めないこと3 行動指針又は努力目標とされる規定第4 懲戒事由該当性と処分の判断基準1 最高裁平成18年9月14日判決2 懲戒しないことが明らかな場合3 具体例を見るときの注意点第5 懲戒判断と私法上・刑事上の評価1 契約等の私法上の効力とは別の問題であること2 民事責任及び刑事責任とも区別されること第6 期間制限と関連記事1 懲戒手続の除斥期間2 懲戒手続等の記事第7 出典1 法令,会則及び会規2 裁判例3 公的機関の解説
第1 弁護士法56条1項が定める懲戒事由

弁護士法56条1項は,弁護士及び弁護士法人の懲戒事由を,①弁護士法違反,②所属弁護士会又は日本弁護士連合会の会則違反,③所属弁護士会の秩序又は信用を害する行為,④その他職務の内外を問わない品位を失うべき非行という四つの類型で定めている。
前三者に該当しない行為であっても,具体的事情に照らして④に当たることがあり,複数の類型に同時に該当することもある。

「職務の内外を問わず」と定められているため,受任事件の処理だけが審査対象になるわけではない。
もっとも,弁護士に好ましくない行為があれば直ちに懲戒されるという意味ではなく,懲戒事由該当性,懲戒の要否及び処分の種類は,事案ごとに判断される。

本記事は,令和8年9月7日現在の法令等に基づき,懲戒事由とその判断枠組みを説明するものである。
懲戒請求の手続,処分の種類及び処分歴の公表については,第6に掲げる関連記事で扱っている。

第2 四つの懲戒事由の内容
1 弁護士法に違反したとき

弁護士法には,秘密保持義務,非弁護士との提携の禁止,係争権利の譲受けの禁止等,弁護士の職務及び身分に関する規律が置かれている。
個別行為が弁護士法違反に当たるかは,各条文の要件に即して判断する必要がある。

2 弁護士会又は日本弁護士連合会の会則に違反したとき

弁護士は,所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会則を守らなければならない(弁護士法22条)。
日本弁護士連合会会則29条は,弁護士が所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会則,会規及び規則を守る義務を定めているため,弁護士職務基本規程を含む各規律の内容を確認することになる。

3 所属弁護士会の秩序又は信用を害したとき

所属弁護士会の組織秩序又は社会的信用を害する行為は,独立の懲戒事由である。
弁護士個人の行為について,所属弁護士会との関係及び信用への影響を具体的に検討する必要がある。

4 その他,品位を失うべき非行があったとき

「品位を失うべき非行」は,個別の禁止規定に形式的に該当する行為だけに限られない。
弁護士の使命,職務の公共性及び社会的信頼との関係から,職務上又は私生活上の行為が実質的に評価される包括的な懲戒事由である。

第3 弁護士職務基本規程と懲戒事由の関係
1 個別規定の役割

弁護士職務基本規程は,依頼者との関係,相手方との関係,共同事務所における規律,非弁護士との関係その他の職務上の行為準則を定めている。
利益相反についても,公職就任中の職務を対象とする同規程81条だけでなく,職務を行い得ない事件を定める同規程27条及び28条等,場面に応じた個別規定を確認する必要がある。

2 形式的違反だけで決めないこと

弁護士職務基本規程82条1項は,弁護士の職務の多様性と個別性に鑑み,弁護士の自由と独立を不当に侵すことのないよう,同規程を実質的に解釈し適用しなければならないとしている。
したがって,弁護士職務基本規程に関する懲戒判断は,個々の条文の文言だけで完結せず,具体的な職務及び行為の実質を検討する必要がある。

3 行動指針又は努力目標とされる規定

同規程82条2項が列挙する規定は,弁護士の職務の行動指針又は努力目標を定めたものとして解釈し適用することになる。

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弁護士の懲戒制度の概要(AI作成)

第1 制度の目的とこの記事の範囲第2 懲戒事由と処分の種類1 懲戒事由2 弁護士に対する4種類の処分3 弁護士法人に対する処分第3 懲戒請求から処分までの流れ1 誰がどこへ請求するか2 綱紀委員会の調査と懲戒委員会の審査3 日弁連が自ら手続を開始する場合第4 懲戒請求者による異議申出1 異議申出の対象と期間2 日弁連綱紀委員会と日弁連懲戒委員会の役割3 綱紀審査会第5 懲戒を受けた弁護士側の不服申立て第6 3年の除斥期間第7 懲戒処分の判断1 懲戒権者の裁量2 行政手続法12条との関係第8 懲戒請求の限界第9 通知,公告及び処分歴情報第10 関連記事第11 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 職能団体の制度案内・運用資料
第1 制度の目的とこの記事の範囲

本記事は,令和8年9月7日現在の弁護士法に基づき,弁護士に対する懲戒制度の目的,懲戒事由,処分の種類,手続,不服申立て及び公表の概要を説明するものである。
個別の弁護士会が定める提出書式その他の運用は異なり得るため,実際に懲戒請求をするときは,提出先となる弁護士会の最新案内も確認する必要がある。

最高裁昭和49年11月8日判決は,弁護士の懲戒制度について,弁護士会又は日本弁護士連合会の自主的な判断に基づき,弁護士の綱紀,信用及び品位等を保持することを目的とする制度であると述べている。
懲戒請求権と異議申出権は,この目的を適正に達成するという公益的見地から認められたものであり,懲戒請求者個人の損害賠償,返金その他の私的救済を実現するための制度ではない。

第2 懲戒事由と処分の種類
1 懲戒事由

弁護士法56条1項は,①弁護士法又は所属弁護士会若しくは日弁連の会則に違反したとき,②所属弁護士会の秩序又は信用を害したとき,③職務の内外を問わず品位を失うべき非行があったときに,弁護士及び弁護士法人が懲戒を受けると定めている。
懲戒は,原則として対象となる弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会が行う。

2 弁護士に対する4種類の処分

弁護士法57条1項が定める弁護士に対する懲戒処分は,次の4種類である。
①戒告は,規律違反を戒める処分である。
②業務停止は,2年以内の期間,弁護士業務を行うことを禁止する処分である。
③退会命令は,弁護士の身分を失わせるが,弁護士となる資格までは失わせない処分である。
④除名は,弁護士の身分を失わせ,弁護士法7条3号により,処分の日から3年を経過しない間は弁護士となる資格も失わせる処分である。

3 弁護士法人に対する処分

弁護士法人に対しても,戒告,2年以内の業務停止又は法律事務所の業務停止,退会命令及び除名が定められているが,従たる法律事務所だけを有する地域か,主たる法律事務所を有する地域かによって処分の範囲が異なる。
各処分の効果は,弁護士の戒告,業務停止,退会命令及び除名の記事で詳しく説明している。

第3 懲戒請求から処分までの流れ
1 誰がどこへ請求するか

弁護士法58条1項により,何人も,懲戒事由があると思料するときは,その事由の説明を添えて,対象となる弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会に懲戒を求めることができる。
事件の依頼者又は相手方であることは要件ではないが,個人が最初から日弁連へ懲戒請求をすることはできない。

提出方法,書式及び本人確認資料は,提出先の弁護士会の案内を確認することになる。
例えば,大阪弁護士会の案内は,書面による懲戒請求書と本人確認書類の提出を求めている。

2 綱紀委員会の調査と懲戒委員会の審査

所属弁護士会は,懲戒請求を受けたとき,対象となる弁護士等を懲戒の手続に付し,綱紀委員会に事案を調査させなければならない。
綱紀委員会が懲戒委員会に審査を求めないことを相当と議決したときは,弁護士会が懲戒しない旨を決定する。

綱紀委員会が懲戒委員会に審査を求めることを相当と議決したときは,弁護士会が懲戒委員会に審査を求める。
懲戒委員会は,懲戒するかどうか及び懲戒する場合の処分内容を審査して議決し,弁護士会はその議決に基づいて懲戒又は懲戒しない旨の決定をする。

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弁護士法(昭和8年5月1日法律第53号)

○弁護士法(昭和24年6月10日法律第205号)(現在の弁護士法です。)によって廃止された,弁護士法(昭和8年5月1日公布の法律第53号)(いわゆる「旧弁護士法」です。)の条文は末尾のとおりです。
○旧弁護士法は,弁護士法(明治26年3月4日公布の法律第7号)(いわゆる「旧々弁護士法」です。)と比べて以下の点が異なりました。
① 弁護士の職務について,従前は法文上,訴訟に限定していたのを,あらゆる法律事務に拡張したこと。
② 女性に弁護士資格を認めたこと。
③ 弁護士試補制度が設けられたこと。
○弁護士による法律事務の独占は,昭和11年4月1日施行の法律事務取扱ノ取締ニ関スル法律(昭和8年5月1日法律第54号)によって定められました。

弁護士法(昭和8年5月1日法律第53号)

第一章 弁護士ノ職務及資格

第一条
弁護士ハ当事者其ノ他ノ関係人ノ委嘱又ハ官庁ノ選任ニ因リ訴訟ニ関スル行為其ノ他一般ノ法律事務ヲ行フコトヲ職務トス

第二条
1 左ノ条件ヲ具フル者ハ弁護士タル資格ヲ有ス
一 帝国臣民ニシテ成年者タルコト
ニ 弁護士試補トシテ一年六月以上ノ実務修習ヲ了へ考試ヲ経タルコト
2 前項第二号ノ実務修習及考試二関スル事項ハ司法大臣之ヲ定ム

第三条
1 弁護士試補タルニハ成規ノ試験二合格スルコトヲ要ス
2 前項ノ試験二関スル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

第四条
左二掲グル者ハ前二条ノ規定二拘ラズ弁護士タル資格ヲ有ス
一 判事又ハ検事ダル資格ヲ有スル者
二 三年以上専任行政裁判所長官又ハ専任行政裁判所評定官タリシ者
三 三年以上陸軍法務官又ハ海軍法務官タリシ者

(続きを読む...)弁護士法(昭和8年5月1日法律第53号)

弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(1993年以降の分)(AIリライト)

第1 弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(原資料)第2 全国の弁護士に対する懲戒請求・懲戒処分の推移(1993年~2025年)第3 日弁連に対する審査請求等の推移第4 弁護士賠償責任保険の支払実績第5 関連記事出典・参考資料1 裁判例2 公的資料

第1 弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(原資料)

日本弁護士連合会(日弁連)は,各弁護士会に対する懲戒請求,日弁連に対する審査請求,異議申出及び綱紀審査申出の件数を毎年集計し,「懲戒請求事案集計報告」として自由と正義誌及び日弁連ウェブサイトで公表している。この公表は毎年3月中旬から下旬にかけて行われ,直近10年分の推移がまとめて掲載されるのが通例である。日弁連ウェブサイトの「基礎的な統計情報」は,2026年8月時点で2010年版から2025年版まで毎年更新されているが,そこに掲載されている懲戒統計のグラフも,新受件数の推移は2008年分から,懲戒処分率の推移は2002年分からしか遡っていない。本記事は,日弁連が毎年公表する当該年分の集計報告を通算し,1993年分から2025年分までを一覧化したものである。1993年から2002年までの分は,現在の日弁連ウェブサイトでは個別の集計報告として公開されておらず,自由と正義誌のバックナンバーによって確認した。

日弁連が公表している各年分の集計報告(2015年分以降,日弁連ウェブサイトで確認できる分)は次のとおりである。

2015年分
2016年分
2017年分
2018年分
2019年分
2020年分
2021年分
2022年分
2023年分
2024年分
2025年分

第2 全国の弁護士に対する懲戒請求・懲戒処分の推移(1993年~2025年)

次の表は,各年の懲戒請求の新受件数,懲戒処分の内訳(戒告,業務停止,退会命令,除名)及びその合計,並びに懲戒処分率をまとめたものである。懲戒処分率は,日弁連の懲戒委員会で審査が開始された事案のうち,実際に懲戒処分に至った事案の割合であり,日弁連が公表資料で示す「懲戒請求の新受件数に対する処分件数の割合」(2024年分で3.1%)とは分母が異なる別の指標である点に注意されたい。年度のずれ(弁護士会での受付年と日弁連の集計年のずれ)は無視して示している。

年新受戒告業務停止退会命令除名懲戒計処分率

20253,04959514111549.4%

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