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企業法務・民事実務

地震後に私物を取りに職場へ戻った際のガス爆発は労災か(AI作成)

第1 結論と記事の対象
第2 業務災害の判断枠組み

1 業務遂行性と業務起因性
2 避難と再入場は分けて考える
3 再入場禁止マニュアル違反

第3 私物の携帯電話を取りに戻った目的の評価

1 純粋な私物回収は否定方向である
2 私物であっても業務上必要な場合がある
3 店舗の鍵返却等との混合目的

第4 地震とガス爆発の位置付け

1 地震であることは一律の除外理由ではない
2 施設内にいたことだけでは足りない場合

第5 関連裁判例・裁決例とその射程

1 主要な裁判例
2 厚生労働省公開裁決例の全件確認

第6 個別事案で優先して確認する証拠

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令和8年改正個人情報保護法に基づき,民間企業の個人情報保護規程で対応が必要な事項(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と改正期限

1 令和10年7月17日は一律の施行日ではない
2 令和9年1月17日までに先行させる対応がある

第2 個人情報保護規程を改定する基本方針

1 規程の名称より具体的な取扱規律が必要である
2 必須・条件付き・推奨・下位規範待ちを分ける
3 高リスク処理を漏えいだけで判断しない

第3 全社共通で先に見直す事項

1 責任者・データ台帳・高リスク案件の承認
2 従業者の禁止行為とアクセス権限
3 漏えい等・行政対応・課徴金の証拠

第4 取扱いがある企業に必要となる特則

1 同意例外と統計・AI
2 16歳未満・未成年者と特定生体個人情報
3 委託・連絡可能情報・オプトアウト提供

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令和8年12月1日施行の改正公益通報者保護法に基づき,民間企業で対応が必要な事項(AI作成)

目次

第1 施行日と企業対応の全体像

1 令和8年12月1日施行
2 法定の公益通報と社内通報制度の範囲
3 301人以上と300人以下の違い
4 規程改定だけでは足りない理由

第2 改正法が企業実務を変える六つの点

1 フリーランス及び契約終了後1年以内の者の追加
2 内部公益通報対応体制の周知
3 通報妨害の禁止
4 通報者探索の禁止
5 通報後1年以内の解雇・懲戒に関する推定
6 刑事罰及び行政措置の強化

第3 施行までに民間企業が実施する事項

1 適用判定と責任体制の確定
2 規程・契約・雛形の横断改定
3 窓口・周知・通知
4 従事者指定と情報管理
5 受付・調査手順
6 人事・契約判断の報復防止
7 記録・評価・行政調査への備え

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大規模商業施設のガス爆発事故―初動・証拠保全・法的責任の実務(AIリライト)

目次

第1 ガス爆発事故を検討する順序

1 本記事の対象

2 漏えい・滞留・着火・被害拡大を分ける

3 責任判断の四つの軸

4 郡山飲食店爆発事故判決が示すもの

第2 事故直後の初動

1 救命と二次爆発の防止

2 初動体制と情報の一元化

3 現物と電子記録を同時に保全する

4 負傷者の診療記録

第3 証拠保全と原因立証

1 事故時系列と争点表を先に作る

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米国株の配当金にかかる二重課税を解消し,税金の還付を受ける方法(AI作成)

米国株式の配当は,米国と日本の双方で源泉徴収を受けるため,そのままでは同一の所得に二重に課税される。
この重複を解消する中心的な手段は,確定申告により外国税額控除を適用し,米国で課された税を日本の所得税,復興特別所得税及び住民税から控除することである。
本記事は,個人が国内の証券会社を通じて米国の上場株式(現物)を保有する場合を対象として,二重課税の生じ方,外国税額控除の要件と限度額,申告方式の選択,投資信託との取扱いの相違及び確定申告の実務上の留意点を,現行法令及び行政資料に即して整理する。
目次

第1 米国株配当の二重課税が生じる仕組み

1 米国側の源泉徴収と日米租税条約による限度税率
2 日本側の課税と特定口座における課税ベース

第2 外国税額控除による二重課税の解消

1 所得税からの控除と控除限度額
2 復興特別所得税及び住民税からの控除・控除順序・繰越し
3 配当控除が米国株には適用されないこと

第3 申告方式の選択

1 申告不要・総合課税・申告分離課税の分岐
2 住民税の課税方式の一本化

第4 投資信託・上場投資信託と個別株の取扱いの相違
第5 確定申告の実務と依頼者対応

1 確定申告の要否と必要書類
2 NISA口座では米国源泉税を回収できないこと

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東弁リブラ2026年7・8月号掲載の竹内浩史 元裁判官寄稿の「プロ野球界を救った東京高裁決定」を踏まえた東京高裁平成16年9月8日決定の論評(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と射程
第2 本決定の概要と事案

1 事案と手続の経緯
2 決定の結論・合議体・掲載

第3 本決定の判断構造

1 被保全権利——団体交渉権と義務的団交事項
2 保全の必要性——「団交に応じていた」ことと将来の見通し

第4 寄稿の叙述に対する論評

1 労働法の観点——義務的団交事項の説明と使用者性
2 民事保全の観点——理由中で権利を認めつつ棄却する手法
3 スポーツ法の観点——当事者適格と「救った」という評価
4 裁判の独立と法曹倫理の観点

第5 実務への示唆
出典

第1 本記事の対象と射程
本記事は,東弁リブラ2026年7・8月号掲載の寄稿「プロ野球界を救った東京高裁決定」(寄稿者は39期の竹内浩史 元裁判官。以下「本寄稿」という。)を踏まえ,そこで取り上げられた東京高裁平成16年9月8日決定(平成16年(ラ)第1479号)[裁1]を,決定文に即して検討し,あわせて本寄稿の叙述を論評するものである。本決定は,団体交渉を求め得る地位を仮に定めることを求めた仮処分の抗告審であり,集団的労働法(団体交渉・不当労働行為)と民事保全とが交錯する。

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会社法(平成17年法律第86号)の改正経緯(AI作成)

会社法の改正史は,平成17年法律第86号の成立,平成26年法律第90号及び令和元年法律第70号による二度の大改正だけでは完結しない。
信託法,非訟事件手続法,民法,民事執行法,民事訴訟法,譲渡担保法制及び成年後見制度の改正も,会社法の実体規律又は会社関係事件の手続を順次変更しているからである。
AIで作成した本記事は,会社法本文の実質的な変更を網羅した上で,直接改正ではあるものの用語又は引用条項の整理にとどまる改正も完全沿革表に収録し,公布済み未施行改正及び現在の法制審議会における検討を区別して説明する。

目次

第1 会社法改正史の読み方

1 「改正」を三つの層に分ける
2 会社法の発展を三期に分ける
3 実務では行為時点の法令を確定する

第2 平成17年会社法の制定

1 独立法典化までの経緯
2 制定時の実質的変更

(1) 会社類型及び設立法制
(2) 定款自治,資金調達及び剰余金分配
(3) 機関設計,責任及び会計
(4) 組織再編及び特別清算

3 成立,公布及び段階施行

第3 平成26年改正

1 立法経緯,法律番号及び施行日

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従業員持株会における株式譲渡価格の税務上の取扱い(AI作成)

◯本ブログ記事は専らAIで作成したものです。
目次

第1 結論と検討の順序

1 結論

(1) 持株会価格と税務上の時価は別の概念であること
(2) 最初に当事者と株式の流れを確定すること

2 本記事の射程

(1) 一般論であること
(2) 基準日を固定して検討すること

第2 従業員持株会の法的構造と納税義務者

1 民法上の組合として運営される場合

(1) 会員による共同保有
(2) 退会時の取引の実質

2 人格のない社団等と扱われる余地

(1) 名称ではなく実態による判定

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公正証書作成手続のデジタル化-遺言公正証書はウェブ会議で作成できるか(AI作成)

目次

第1 この記事の対象と結論1 対象2 調査の基準日及び適用時点3 結論第2 公正証書作成手続のデジタル化1 施行日及び指定公証人2 電磁的記録による作成が原則である3 インターネットによる嘱託4 正本及び謄本に相当するもの第3 遺言公正証書をウェブ会議で作成できるか1 法令上の根拠(1) 口述の聴取(2) 読み聞かせ及び承認(3) 証人の立会い2 施行規則が遺言公正証書を名指しで想定している3 適用が除外されるのは保証意思宣明公正証書だけである4 成年被後見人の遺言は対象外である第4 リモート方式の要件及び手続1 三つの要件2 相当性の判断3 申込み及び本人確認4 必要な機材5 場所の要件第5 証人及び操作を補助する者の取扱い1 証人の欠格事由は民法974条による2 欠格者はパソコンの操作のためにも出席できない3 証人が同席する場合の記載第6 電子データ等による新たな遺言制度との区別第7 参考-遺言公正証書の作成件数第8 出典・参考資料1 法令2 所管行政機関の資料3 日本公証人連合会の資料4 参考文献
第1 この記事の対象と結論
1 対象

この記事は,令和7年10月1日に施行された公正証書の作成手続のデジタル化を扱う。
中心に置くのは,遺言公正証書をウェブ会議(リモート方式)によって作成することができるか,できるとして,どのような要件,手続及び制約があるかである。

公正証書の作成手数料の改定については,別稿の令和7年10月1日施行の公証人手数料令改正で扱っているため,この記事では触れない。
公正証書遺言の「口授」の要件については,公正証書遺言の「口授」とは-要件・判例・無効訴訟の実務を参照されたい。

2 調査の基準日及び適用時点

この記事の調査の基準日は,令和8年9月2日である。
法令は,同日現在のe-Gov法令検索で確認した現行条文による。
公証人法施行規則については,令和8年3月10日施行の現行版のほか,令和7年10月1日施行版も確認した。
法務省が公表する指定公証人一覧は令和8年8月3日現在のものである。

3 結論

遺言公正証書は,ウェブ会議によって作成することができる。
遺言であることを理由に一律に排除されているわけではない。

公証人法上,ウェブ会議による作成が明文で排除されているのは保証意思宣明公正証書だけである(公証人法37条3項)。
これに加えて,公証人法施行規則24条10号は,ウェブ会議の方法によって遺言公正証書を作成する場合に証書へ記載すべき事項を定めている。
すなわち,法令は遺言公正証書をこの方法で作成することを正面から予定している。

もっとも,実際に利用できるかどうかは公証人の個別の判断による。
日本公証人連合会は,遺言のように本人の意思の確認が重要なものについては慎重に判断されるとしている。
また,成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時にする遺言は,書面での作成が前提となるため,デジタル化及びリモート方式の対象外である。

第2 公正証書作成手続のデジタル化
1 施行日及び指定公証人

令和7年10月1日,公正証書の作成手続のデジタル化に関する改正公証人法が施行された。

公証人法及び他の法令により公証人が行うこととされた電磁的記録に関する事務は,法務大臣の指定した公証人(指定公証人)が取り扱い,その指定は告示によって行われる(公証人法7条ノ2)。
したがって,デジタル化された手続を利用できるのは指定公証人の役場に限られる。

法務省が公表する指定公証人の一覧は,「電磁的記録の認証等」に係る指定と「公正証書の作成」に係る指定とを別の欄で表示している。
このうち「公正証書の作成」に係る指定の効力発生日は,東京法務局管内で令和7年10月1日から同年11月28日まで,横浜地方法務局及びさいたま地方法務局管内で同年11月10日,札幌法務局,高松法務局,徳島地方法務局,高知地方法務局及び松山地方法務局管内で同年12月15日というように,役場ごとに定められている。
全国一斉に始まったものではない。

2 電磁的記録による作成が原則である

公証人は,嘱託があった場合には,電磁的記録をもって公正証書を作成することにつき困難な事情がある場合を除き,電磁的記録によって公正証書を作成する(公証人法36条)。
嘱託人が紙と電磁的記録のいずれかを選択できる制度ではない。

日本公証人連合会は,電磁的記録による作成が困難な事情の例として,①法律上書面で作成することが前提となっている場合(列席者の署名押印が義務づけられている保証意思宣明公正証書及び成年被後見人の遺言公正証書,券面又は付箋への記載が必要な手形・小切手の拒絶証書など),②技術的・物理的に困難な場合(PDF化することが困難な大きな図面を添付する必要があるとき,機材の故障により電磁的記録としての作成ができないときなど)を挙げている。

列席者は,パソコン上でタッチペンを用いて氏名を手書きする電子サインを行い,押印は不要である。
身体の障害等により電子サインができない列席者については,公証人がその旨を記録する(公証人法40条5項,公証人法施行規則27条)。
公証人は,電子サインに加えて,官職証明書に係る電子証明書による電子署名を行う。

3 インターネットによる嘱託

嘱託人は,公正証書の作成を嘱託する場合には,官公署の作成した印鑑に関する証明書又は署名用電子証明書等を提供する方法その他の法務省令で定める方法により,嘱託人が本人であることを明らかにしなければならない(公証人法28条)。
従来の来所及び印鑑証明書による本人確認に加えて,嘱託に係る情報に電子署名をし電子証明書を付してインターネットから送信する方法を利用できるようになった。

4 正本及び謄本に相当するもの

嘱託人,その承継人又は利害関係を有する第三者は,電磁的記録で作成された公正証書について,記録されている事項の全部又は一部を出力した書面の交付の請求又は当該事項を記録した電磁的記録の提供の請求をすることができる(公証人法43条1項2号・3号)。
嘱託人又はその承継人は,公正証書に記録されている事項を記載した書面又は記録した電磁的記録であって,その内容が公正証書の記録事項と同一であることを公証人が法務省令で定める方法により証明したものの交付又は提供の請求をすることができる(公証人法44条1項2号・3号)。

令和7年の法改正により,従来の「正本」及び「謄本」は,書面で作成される公正証書について用いる用語となった。
電磁的記録で作成される公正証書については,従来の正本に相当するものが「公正証書正本情報」(電磁的記録の場合)又は「同一事項証明書面」(書面の場合),従来の謄本に相当するものが「公正証書証明情報」(電磁的記録の場合)又は「全部事項出力書面」(書面の場合)と呼ばれる。
交付を受けた書面の表題がこれらの用語になっている場合,それは当該公正証書が電磁的記録によって作成されたことを意味するのであって,ウェブ会議によって作成されたことを意味するものではない。

第3 遺言公正証書をウェブ会議で作成できるか
1 法令上の根拠

遺言公正証書をウェブ会議で作成できることは,次の三つの規定の組合せから導かれる。

(1) 口述の聴取

公証人は,嘱託人からの申出があり,かつ,当該申出を相当と認めるときは,法務省令で定めるところにより,公証人及び列席者が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって,聴取した陳述その他の自己の実験した事実の実験を行うことができる(公証人法37条2項)。
公正証書によって遺言をするには,遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授することを要するところ(民法969条1項2号),この口述の聴取は同項にいう事実の実験に当たる。

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公正証書遺言の保存期間及び検索方法-必要書類,謄本請求及び手数料(AI作成)

目次

第1 公正証書遺言の保存期間

1 法令上の原則は20年であること
2 遺言公正証書は長期間保存されること
3 原本の二重保存及び電子原本の保存

第2 公正証書遺言を検索できる範囲

1 昭和64年1月1日以後の遺言公正証書が対象であること
2 検索で判明する事項と判明しない事項
3 検索を申し出ることができる者,申出先及び費用

第3 遺言検索の必要書類

1 相続人本人が申し出る場合
2 相続人以外又は代理人が申し出る場合

第4 検索後の謄本請求

1 検索と謄本請求は別の手続であること
2 謄本は郵送でも請求できること
3 令和7年10月1日以後の交付手数料
4 検認の要否と検索制度の限界

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公正証書遺言の作成手数料-現行額と計算例(AIリライト)

目次

第1 公正証書遺言の費用を構成する項目

1 法定の公証人手数料と別途費用

2 目的の価額と必要資料

第2 目的の価額に応じた基本手数料

1 令和7年10月1日改定後の料金表

2 受益者ごとに算定して合算する方法

3 遺言加算

第3 枚数加算と証明情報の交付費用

1 公正証書の枚数等による加算

2 書面交付と電磁的記録による提供

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公正証書遺言の原本,正本等及び謄本等―電子化後の違いと請求できる人(AI作成)

目次

第1 公正証書遺言の原本

1 令和7年10月1日以後の原本は原則として電磁的記録であること

2 書面で作成される場合及び施行前の原本

3 原本は公証人側で保存されること

第2 原本,正本等及び謄本等の対応関係

第3 公証人法43条の謄本等

1 嘱託人,承継人及び利害関係を有する第三者が請求できること

2 附属書類及び一部の情報も対象となること

3 遺言者の生存中と死亡後の取扱い

第4 公証人法44条の正本等

1 請求できる者は嘱託人又はその承継人であること

2 電磁的原本に対応する書面と公正証書正本情報

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予備的遺言

1 遺言において,①「遺言者は,その有する△△の財産を,長男に相続させる」という条項(主位的な遺言)とともに,②「遺言者は,長男が遺言者に先立って,又は遺言者と同時に死亡したときは,長男に相続させるとした財産を、長男の子供に相続させる」という条項(予備的な遺言)を記載しておけば,長男が遺言者よりも先に死亡したときに,長男に相続させようとした財産は,長男の子供に相続させることができることになります(日本公証人連合会HPの「Q2.予備的な遺言について、説明してください。」参照)。

2 最高裁平成23年2月22日判決は,相続させる遺言に関して以下のとおり判示しましたから,予備的遺言をしておいた方がいいです。
  遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は,当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係,遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから,遺言者が,上記の場合には,当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り,その効力を生ずることはない。

遺言書は、遺言者の権利関係を死後整理するための命令を書いたコードそのものなので、もしバグがあったら権利関係が整理されず混乱が生じます。
「遺言があるんです!」と持ってこられた遺言にバグが含まれていることは多々あります。
遺言作成は、紛争を予期して作らないと、リスク低減しづらいです。 https://t.co/toTpWhXcKS

— 向原総合法律事務所 弁護士向原 (@harrier0516osk) July 12, 2021

関連記事

遺言作成後に目的財産の権利関係が変わる場合の条項の見直しについては,借地権付き建物の遺言と底地取得-混同後の効力と見直し(AI作成)も参照されたい。

公正証書遺言及び遺言無効確認請求訴訟に関する関連論点は,公正証書遺言の「口授」とは―要件・判例・無効訴訟の実務の「関連記事その他」も参照してください。

遺言書の付言事項の意味と目的

1 新版 証書の作成と文例【遺言編】[三訂版]12頁には,付言に関して以下の記載があります。
  法定遺言事項以外にも、遺言者が、遺言の動機、心情、配分を定めた理由、相続人らに対する希望などを遺言書に記載するよう求めることがある。[付言]はその例を示したものである。付言は、本文末尾に記載するのが通常であるが、時に、本文の前書きとして記載することもある。表題は、「付言」のほか、「付言事項」、「付記事項」など多様である。法律上の効果を伴わないものであるが、相続人らに遺言の趣旨を理解してもらい、遺言内容の円滑な実現を図る上で有益なことがある。逆に、本文の内容と抵触したり、その解釈を混乱させるおそれがある記述は避けなければならない。また、生前贈与等について客観的な事実に反する記載をしたり、一部の相続人等に対するいたずらな非難、悪口を記載すると、紛争を誘発、助長させるおそれがあるといわれる。その意味で、付言を記載するか否か、どのような内容を記載するかについても、慎重な配慮が要請される。なお、本文の各条項に織り込んで記載することも当該条項の趣旨を明らかにする点で有用なことがあり得るが、記載の方法が不適当であると、かえって条項の趣旨を不明確にする危険もある。

2 ケース別 特殊な遺言条項 作成と手続のポイント-補充事項・付言事項,祭祀承継等102頁には,「(1) 付言事項の意味と目的」として以下の記載があります。
  遺言事項ではないことを遺言書に書いても、法的効力(強制力)がないだけで、それを書いてはいけないというものではありません。このように法的効力のない記載は「付言事項」と呼ばれています。付言事項は、遺言としての法的効力はありませんが、手紙(メッセージ)としての意味はあり、その記載内容が相続人等に伝わり、それが相続人等の行動に影響を及ぼせば、事実上の効果をもたらすことになります。
  遺言書は、相続紛争の予防を目的に作るものですから、法的効力を期待するのが本来ですが、法的効力のない付言事項が相続人等に一定の効果を及ぼして事実として紛争の予防ができるなら、遺言書に付言事項を書くことは意味があります。

3 改訂 遺言条項例300&ケース別文例集80頁には,「遺言者自身が,遺言書に特別受益の内容や価額を後日判断するための手がかりとなる事実を具体的に記載している場合は,利害関係人間の紛争を事前に予防する事実上の効果を有するから,このような事実があれば,遺言書に具体的に記載しておくとよい」と書いてあり,その条項例として以下の記載があります(同書267頁)。
  遺言者は,長女Aに対し以下のとおり生前に贈与した。遺言者が本遺言において長女Aに遺産を相続させなかったのは,以下のとおり.既に相当額の生前贈与をしたからであり、遺言者は.以上の理由により,長女Aが他の相続人に対し,遺留分減殺請求権を行使しないよう希望する。
① 平成○○年○○月○○日下記記載の土地及び建物(記載略)
② 平成××年××月××日金1000万円
③ (省略)

上記引用の「遺留分減殺請求権」は旧法上の用語です。令和元年7月1日以後に開始した相続について,遺留分権利者は,受遺者又は受贈者に対し,遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求します(民法1046条1項)。

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遺言無効確認請求訴訟における公証人の証言の取扱い及び公証人の補助参加(AI作成)

目次

第1 遺言無効確認請求訴訟における公証人の証言

1 公証人の証言の信用性
2 公証人の証言拒絶権
3 公証人に具体的な記憶がない場合の証拠評価

第2 遺言無効確認請求訴訟における公証人の補助参加

1 補助参加の要件及び手続
2 公証人による補助参加の申出を却下した裁判例
3 国家賠償請求及び国から公証人に対する求償
4 公証人の身元保証金

第3 出典
関連記事

第1 遺言無効確認請求訴訟における公証人の証言
1 公証人の証言の信用性
遺言無効確認請求訴訟では、公正証書遺言を作成した公証人の証言又は回答書が、口授の有無、作成時の遺言者の状態及び作成手順を認定するための重要な証拠となることがある。

石田明彦ほか「遺言無効確認請求事件の研究(上)」(判例タイムズ1194号44頁、54頁~55頁)は、平成7年以降に大阪地裁民事部が受理し、判決に至った遺言無効確認請求事件等40件を検討している。

その調査対象では、口授等の作成状況を認定するため、公証人又は立会証人の証言が用いられていた。

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不動産登記記録例の読み方―表題部・甲区・乙区と法務省通達(AI作成)

第1 通達の基本情報
1 発出日、文書番号及び宛先
2 改正の対象
3 改正後の記録例の位置付け

第2 別添の全体構成
1 表示に関する登記
(1) 土地の表示に関する登記
(2) 建物の表示に関する登記

2 権利に関する登記
(1) 所有権に関する登記
(2) 所有権以外の権利に関する登記
(3) 記録例の終端

第3 この通達の読み方
1 記録例番号と印字頁
2 表題部、甲区及び乙区
3 具体的な登記事項の確認方法

第4 まとめ
第5 関連記事
第6 出典

◯本ブログ記事は専らAIで作成したものです。

(続きを読む...)不動産登記記録例の読み方―表題部・甲区・乙区と法務省通達(AI作成)

貸倒損失の計上基準(AI作成)

◯本記事は,法人税及び消費税における貸倒損失(貸倒れ)の計上基準を,弁護士の実務目線(債権回収,債権放棄,破産・清算,税務争訟)からAIで整理したものです。個別事案の判断は,必ず最新の法令・通達及び顧問税理士の確認を経てください。

目次

第1 はじめに──なぜ「計上基準」が問題になるのか
1 貸倒れは「いつ・いくら」を落とせるかが争いになる
2 根拠条文は法人税法22条3項3号
第2 貸倒損失の3類型と適用順位
1 3類型の全体像
2 適用順位の考え方
(1) 法的消滅の有無による分岐
(2) 個別評価金銭債権の貸倒引当金との関係
第3 法律上の貸倒れ(法人税基本通達9-6-1)
1 4つの事実類型
2 「損金経理が不要」であることの意味
3 書面による債務免除(9-6-1(4))の3要件
(1) 債務超過の状態が相当期間継続
(2) 弁済を受けられないこと(時価ベースで判定)
(3) 書面により明らかにすること(内容証明に限らない)
第4 事実上の貸倒れ(法人税基本通達9-6-2)
1 3つの要件(全額回収不能・損金経理・担保処分後)
2 一部貸倒れが認められない理由(法人税法33条)
3 保証債務・求償権の取扱い
第5 形式上の貸倒れ(法人税基本通達9-6-3)
1 売掛債権に限定・備忘価額を残す

(続きを読む...)貸倒損失の計上基準(AI作成)

破産免責の許可・不許可の限界事例(AI作成)

目次

第1 はじめに──なぜ「限界事例」を論じるのか

1 本記事の狙いと対象読者
2 免責制度の基本的な仕組み

(1) 免責とは何か
(2) みなし免責許可の申立てと申立期間
(3) 免責の効力──自然債務化

第2 「限界」は不許可事由の有無ではなく裁量免責で決まる

1 統計が示す実像──不許可は例外中の例外

(1) 東京地裁倒産部の直近11年間の数値
(2) 大阪地裁第6民事部の数値

2 裁量免責の判断構造

(1) 破産法252条2項の趣旨
(2) 考慮すべき5類型の事情
(3) 判断の中心は不許可事由の内容・程度

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在留資格の種類・手続・審査基準――入国・在留審査要領と関連記事一覧

第1 本記事の位置付け
第2 在留資格の全体像
第3 手続の種類から探す
第4 当ブログの個別解説記事から探す
第5 「入国・在留審査要領」の読み方
第6 「入国・在留審査要領」の開示PDF
第7 出典

第1 本記事の位置付け

本記事は,在留資格の種類,在留関係の主な手続,審査で確認される基本事項,当ブログの個別解説記事及び出入国在留管理庁作成の「入国・在留審査要領」をまとめて案内するハブ記事である。

在留資格に関する情報は,入管法の別表,法務省令,告示,出入国在留管理庁の公表資料及び内部の審査要領に分散している。

また,「どの在留資格に該当するか」という問題と,「認定,変更又は更新が許可されるか」という問題は,同一ではない。

本記事では,制度全体及び手続の入口を案内し,各在留資格の詳しい要件,裁判例及び実務上の論点は個別記事に委ねる。

以下の記載は,令和8年8月26日現在で確認できる法令及び出入国在留管理庁の公表資料に基づく。

もっとも,本記事で掲載している「入国・在留審査要領」は,令和8年4月の情報公開請求に対する開示文書である。

その後の法令改正及び運用変更が反映されているとは限らないため,具体的な申請では,e-Gov法令検索及び出入国在留管理庁の最新の案内も確認する必要がある。

在留資格ごとの提出書類及び申請案内は,出入国在留管理庁の「在留資格から探す」で確認できる。

第2 在留資格の全体像
1 活動に基づく在留資格

入管法別表第一の在留資格は,日本で行うことができる活動を基準とするものである。

具体的には,外交,公用,教授,芸術,宗教,報道,高度専門職,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,技術・人文知識・国際業務,企業内転勤,介護,興行,技能,特定技能,技能実習,文化活動,短期滞在,留学,研修,家族滞在及び特定活動がある。

活動に基づく在留資格では,予定する活動が各在留資格の活動内容に該当するかを最初に確認する必要がある。

また,高度専門職,経営・管理,技術・人文知識・国際業務,企業内転勤及び特定技能等については,法務省令が定める上陸許可基準その他の要件も問題となる。

2 身分又は地位に基づく在留資格

入管法別表第二の在留資格は,日本で有する身分又は地位を基準とするものである。

具体的には,永住者,日本人の配偶者等,永住者の配偶者等及び定住者がある。

これらの在留資格には,別表第一のような就労活動の種類による制限はないが,身分又は地位への該当性や在留状況等について審査を受ける。

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公証人の任命状況(Markdown形式)(AI作成)

◯本ブログ記事の元データは「公証人の任命状況(2019年5月1日以降)→公証人への任命直前の,元裁判官,元検事等の経歴を記載したもの」です。
2026年

所属法務局
任命日

氏名
最後の職
退官理由
退官日

大阪
2026年9月1日
44期
福井美枝
大阪高裁10民判事
依願退官
2026年8月1日

福岡
2026年9月1日

堤秀昭
京都地方法務局長

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公証人一覧

1 公証人一覧を以下のとおり掲載しています。
平成30年10月1日現在,令和 2年10月1日現在,
令和 3年10月1日現在,令和 4年10月1日現在,
令和 5年 8月1日現在,令和 6年 8月1日現在,
令和 7年10月1日現在,

2 以下の記事も参照してください。
・ 公証人の任命状況(2019年5月1日以降)→公証人への任命直前の,元裁判官,元検事等の経歴を記載したもの
・ 平成18年度以降の,公証人の任命状況

自損事故の人身傷害死亡保険金と相続税―最高裁令和7年10月30日判決の射程(AI作成)

目次

第1 結論

1 最高裁判決は相続税非課税を判断していない
2 現在公表されている課税上の取扱い

第2 最高裁令和7年10月30日判決の内容

1 自損事故と相続放棄が問題となった事案
2 最高裁が示した二つの判断

(1) 死亡保険金請求権は被保険者の相続財産に属する
(2) 近親者の存在は死亡保険金額を減少させない

3 判決の射程は本件約款の解釈である

第3 平成11年国税庁回答の課税基準

1 照会本文と回答本文を一体で読む必要がある
2 保険金を二つの部分に分けて判定する

(1) 損害賠償金の性格を有する金額
(2) 損害賠償金として認められる金額を控除した残額

3 自損事故では損害賠償金部分が通常存在しない

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法律書デジタル図書館をめぐる著作権・出版権侵害訴訟―公開資料から考える法的論点と主張立証(AI作成)

本ブログ記事は主としてAIで作成したものです。

本稿は、2026年7月14日までに公表された当事者のプレスリリース、法令、文化庁資料及び関係者協議会のガイドラインを基礎としています。同日現在、訴状、答弁書その他の詳細な訴訟資料や判決は、公表資料から確認できていません。以下の「想定論点」及び当事者の主張に関する記載には、公開資料からの分析・予測が含まれます。

第1 はじめに
第2 本件訴訟の概要と背景
第3 公開資料から想定される法的論点
想定論点1:被告図書館は、著作権法第31条の権利制限の主体となる「図書館等」に該当するか。
想定論点2:被告図書館の公衆送信事業は、「営利を目的としない事業」といえるか。
想定論点3:被告図書館の公衆送信は、「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」に該当しないか。
想定論点4:送信対象は「図書館資料」といえるか。送信に先立つ複製及び出版権との関係はどうなるか。
想定論点5:被告図書館は、「特定図書館等」として求められる運用体制を具備しているか。
第4 実務上の主張立証と手続選択
第5 総括
第6 参照資料

* 文化庁HPの「著作権法の一部を改正する法律 御説明資料(条文入り)」7頁ないし14頁に「② 図書館等による図書館資料のメール送信等」(2023年6月1日施行部分)に関する解説が載っています。
第1 はじめに
2025年10月15日、中山信弘東京大学名誉教授をはじめとする有志の著作権者並びに著作権法80条1項2号に基づく出版権者である第一法規株式会社及び株式会社商事法務は、一般社団法人法律書デジタル図書館(以下「被告図書館」といいます。)に対し、著作権及び出版権の侵害を理由として、サービスの差止めと損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提起しました。株式会社有斐閣は、第一法規及び商事法務と共同でこの訴訟に関するプレスリリースを公表していますが、同リリースが表示する原告には含まれていません。

本件は、令和3年の著作権法改正によって創設された「図書館等公衆送信サービス」の制度趣旨や適用範囲の解釈が問われる、施行後の先例として注目される訴訟です。

本稿では、公開されている資料と現行法令を基礎として、当事者が公表した事実・見解と、公開資料から想定される法的論点とを区別しながら、双方の主張立証上の課題を検討します。
第2 本件訴訟の概要と背景
本件訴訟の根底には、令和3年改正著作権法で認められた図書館等による著作物の一部分の公衆送信(いわゆるメール送信やFAX送信)を可能とする権利制限規定(著作権法31条2項)の解釈があります。この制度は、利用者の調査研究を支援するため、図書館に来館せずとも資料の一部を入手できるという利便性の向上を目的としていますが、同時に、著作権者や出版権者の経済的利益を不当に害することのないよう、厳格な要件が課されています。

原告側の共同プレスリリースは、被告図書館のサービスが同制度の要件を満たさず、権利者の許諾を得ない大量の法律書・法律雑誌の複製及び公衆送信に当たるとの見解を示しています。これは原告側が公表した主張であり、訴訟において証拠により確定した事実ではありません。

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残業代請求訴訟の仮執行による仮払い-遅延損害金・源泉徴収・逆転後の返還(AIリライト)

目次第1 結論と対象範囲1 仮払い後の取扱い2 最初に区別する三つの支払経路第2 仮払い後の遅延損害金1 控訴審は仮払いを考慮しない2 実体法上は弁済の提供の効果が生じる第3 確定判決と逆転後の返還1 確定後の二重執行を防ぐ方法2 原判決又は仮執行宣言が取り消された場合第4 源泉徴収と所得区分1 残業代元本,遅延損害金及び付加金2 任意の仮払いと強制執行を区別する第5 所得年分と税務訂正1 通常の未払残業代は本来の支給年分に属する2 支払時の源泉徴収と所得の帰属年分は別である3 逆転敗訴後は会社側と従業員側を分けて処理する第6 仮払い前後の実務確認1 支払前の確認事項2 支払後の確認事項第7 関連記事第8 出典・参考資料1 法令及び裁判例2 国税庁資料及び文献
第1 結論と対象範囲
1 仮払い後の取扱い

残業代請求訴訟で仮執行宣言付判決に基づく支払をした場合,その支払には実体法上の効果が生じるため,元本に充当された部分については,原則として支払日の翌日以後の遅延損害金は発生しないと考えられる。
もっとも,控訴審は仮執行による給付を考慮しないで本案の当否を判断し,原判決又は仮執行宣言が取り消されたときは民事訴訟法260条2項の原状回復が問題となる。

税務上は,残業代元本,遅延損害金及び付加金を分ける必要がある。
残業代元本は給与所得であり,会社には原則として支払時の源泉徴収義務がある一方,遅延損害金は雑所得,付加金は一時所得として扱われ,通常は給与所得の源泉徴収の対象とならない。

2 最初に区別する三つの支払経路

本記事でいう「仮払い」には,仮執行宣言付判決を受けた会社が強制執行を避けるために任意に支払う場合と,従業員が現実に強制執行して取り立てる場合がある。
これらに加え,仮執行とは別に,控訴審係属中の弁済又は供託として支払う場合もある。

支払の法的根拠が違えば,控訴審での取扱い,源泉徴収額を執行手続上差し引けるか,返還請求の根拠及び遅延損害金の停止時点が変わり得る。
したがって,振込書面,送金案内,供託原因,受領書及び執行記録に,何に基づく支払であるかを残すことが重要である。

第2 仮払い後の遅延損害金
1 控訴審は仮払いを考慮しない

最高裁平成24年4月6日第二小法廷判決(平成22年(受)第754号,民集66巻6号2535頁)は,仮執行宣言に基づく給付があっても,控訴審はその事実を考慮せず,請求の当否を判断すべきであるとした。
その上で,給付によって生じた実体法上の効果は,仮執行宣言が効力を失わないことを条件とし,確定判決に基づく強制執行の手続で考慮されると判示した。

裁判所PDF:https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-82179.pdf

この判例は,控訴審の審理対象と,仮払いの実体法上の効果を区別したものである。
控訴審判決の主文に仮払い済みの額が反映されていないことだけから,その額を重ねて受領できるわけではない。

2 実体法上は弁済の提供の効果が生じる

知財高裁令和6年4月24日判決(令和5年(ネ)第10052号,令和5年(ネ)第10080号及び令和6年(ネ)第10002号)は,仮執行に基づく仮払金について,実体法上は弁済の提供の効果があり,その額が支払うべき元利金を上回るとして,仮払日の翌日以後の遅延損害金を認めなかった。
残業代事件の裁判例ではないものの,仮払いと遅延損害金の関係を直接示す近時の公刊裁判例として参考になる。

裁判所PDF:https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/156/093156_hanrei.pdf

したがって,仮払額が支払日時点の元本,遅延損害金及び費用を全て満たす場合,通常はその翌日以後の遅延損害金は発生しない。
一部だけを支払う場合は,支払合意又は充当指定の内容を確認し,特段の定めがなければ民法489条の費用,利息,元本の順序を踏まえて,元本に充当された額を計算する必要がある。

民法:https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/

第3 確定判決と逆転後の返還
1 確定後の二重執行を防ぐ方法

仮払い後も控訴審判決の主文が全額の支払を命じる形になった場合,支払済み部分は確定判決に基づく執行の段階で調整する。
従業員が同じ部分について強制執行を申し立てたときは,会社は支払資料を示して執行の対象額を争い,必要に応じて民事執行法35条の請求異議の訴え及び執行停止を検討する。

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東京国税局の考査課情報及び情報公開事務整理簿(AI作成)

第1 この記事の対象第2 東京国税局考査課の所掌と考査課情報1 考査課の所掌2 考査課情報の性質と保存期間第3 考査課情報の年度別資料1 令和2年分から令和7年分まで2 OB税理士との会合に関する個別資料3 非行とスマートフォンに関する個別資料第4 OB税理士との会合に関する取扱いの変遷1 各資料が示す変遷2 令和7年分で再確認された主な取扱い3 資料を読む際の留意点第5 情報公開事務整理簿1 情報公開事務整理簿の意味2 年度別の情報公開事務整理簿3 税務署分が付された年度4 保存期間と公表資料の限界第6 行政文書開示請求の手続1 開示請求と決定期限2 請求方法と手数料第7 行政文書の取扱い及び研修資料1 行政文書の取扱いに関する資料2 確定申告期の審理事務研修資料第8 関連資料第9 出典1 法令2 国税庁の公表資料3 本記事に掲載した東京国税局関係資料
第1 この記事の対象

この記事は,東京国税局の「考査課情報」と「情報公開事務整理簿」について,令和8年9月7日現在で確認できた公開資料を年度別に整理するものである。
考査課情報は職員向けの不祥事防止その他の注意喚起資料であり,情報公開事務整理簿は開示請求の受付及び処理の経過を記録した行政文書であるため,両者は性質が異なる。

考査課情報については令和2年分から令和7年分までを,情報公開事務整理簿については平成24年度分,平成30年度分及び令和元年度分から令和7年度分までを掲載する。
平成25年度分から平成29年度分までの情報公開事務整理簿及び令和8年分の考査課情報は確認できなかったが,これは文書が存在しないことを意味しない。

第2 東京国税局考査課の所掌と考査課情報
1 考査課の所掌

財務省組織規則453条は,東京国税局総務部に考査課を置くものとしている。
同規則456条3号及び4号並びに457条によれば,考査課は,国税局所属職員についての職務上必要な身分上の調査並びに表彰及び儀式を所掌する。

2 考査課情報の性質と保存期間

掲載資料の上欄では,考査課情報は「情報通信類」とされている。
国税庁標準文書保存期間基準は,情報通信その他これらに類するものを暦年で管理し,保存期間を3年としている。

したがって,本記事の年別表示は各資料に記載された年分に従う。
ただし,本記事が保有しているPDFの範囲を示すものであり,その年に作成された考査課情報をすべて収録していると断定するものではない。

第3 考査課情報の年度別資料
1 令和2年分から令和7年分まで

①令和2年分(13頁)
②令和3年分(21頁)
③令和4年分(7頁)
④令和5年分(23頁)
⑤令和6年分(34頁)
⑥令和7年分(13頁)

令和7年分は,令和7年1月の第1号から同年12月の第12号までを収録している。
令和7年4月の第6号は,OB税理士との会合に関する注意点を改めて説明し,令和6年7月の第8号も参照するよう求めている。

2 OB税理士との会合に関する個別資料

①令和元年6月・第128号「OB税理士との会合の自粛等について」(4頁)
②令和3年7月・第145号「OB税理士との会合について」(5頁)
③令和5年6月・第164号「OB税理士との会合について【新ガイドライン】」(6頁)
④令和6年7月・第8号「OB税理士との会合について【新ガイドライン】」(10頁)

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通達の法的性質・拘束力と争い方-最高裁判例を中心に(AI作成)

第1 通達の意味と法的性質1 通達は通常,行政組織内部の命令である2 国民と裁判所を直接拘束する法規ではない3 名称ではなく根拠・内容・効果を確認する第2 通達が関わる場合の争い方と主要判例1 争う対象を先に特定する2 通達自体の取消し-最高裁昭和43年12月24日判決3 通達に基づく課税と個別決定-最高裁昭和33年判決・平成15年判決4 将来処分の差止めと公法上の確認-最高裁平成24年2月9日判決5 信義則と平等原則-最高裁平成19年2月6日判決・令和4年4月19日判決6 違法な通達と国家賠償-最高裁平成19年11月1日判決第3 通達と行政手続法1 審査基準・処分基準・行政指導指針に当たる場合2 意見公募手続の対象と例外第4 裁判所内部の規則・規程・通達等1 最高裁判所規則と司法行政上の監督2 裁判所内部の通達・通知・事務連絡第5 個別の通達を確認する順序1 原文と根拠法令を確認する2 不利益を生じさせる行為を特定する第6 関連記事第7 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 裁判所内部資料4 文献
第1 通達の意味と法的性質
1 通達は通常,行政組織内部の命令である

国家行政組織法14条2項は,各省大臣,各委員会及び各庁の長官が,所掌事務について命令又は示達をするため,所管の諸機関及び職員に対して訓令又は通達を発することができると定めている。
通達は,通常,上級行政機関が下級行政機関又はその職員に対して,法令の解釈,事務の取扱い又は行政運営の方針を示す行政組織内部の命令である。
もっとも,同法は省及びその外局について定めるものであり,内閣府に置かれる委員会及び庁については,内閣府設置法(平成11年法律第89号)58条7項が同じ趣旨を定めている。
例えば警察庁は,警察法(昭和29年法律第162号)15条により国家公安委員会に置かれ,同委員会は内閣府設置法64条により内閣府に置かれる委員会であるから,警察庁長官が通達を発する根拠は内閣府設置法58条7項である。
警察庁の通達がどこに,どのような形で掲載されているかは,別の記事である警察庁の通達の調べ方で扱っている。

本記事は,令和8年9月7日現在の法令,裁判所ウェブサイト掲載判例及び公開資料をAIで照合し,通達の法的性質と権利救済の関係を整理したものである。
個別の通達については,発出権限,名宛人,根拠法令,内容及び通達に基づいて実際に行われる行為を別々に確認する必要がある。

2 国民と裁判所を直接拘束する法規ではない

最高裁昭和43年12月24日第三小法廷判決(昭和39年(行ツ)第87号,民集22巻13号3147頁)は,通達は原則として法規の性質を持たず,関係機関及び職員に対する行政組織内部の命令にすぎないとした。
そのため,一般の国民は通達に直接拘束されず,裁判所も通達に示された法令解釈に拘束されない。

通達に反する行政処分であるという事情だけで,その処分の効力が左右されるわけでもない。
裁判所は,通達とは異なる法令解釈を採り,通達に定める取扱いが法令に反するときは,その違法を独自に判断できる。

3 名称ではなく根拠・内容・効果を確認する

「通達」という名称が付されていても,その名称だけで国民に対する法的効果又は取消訴訟の対象性が決まるわけではない。
反対に,通知,要領,基準又は指針という名称であっても,法令上の根拠と内容によっては,個別の処分又は行政手続法上の基準として重要な意味を持つ。

判断の順序は,①誰が誰に発出したか,②どの法令と権限に基づくか,③国民の権利義務を直接変える内容か,④後続する処分又は決定があるか,⑤行政実務でどのように反復適用されているか,の順が分かりやすい。
事実上の影響が大きいことは重要な事情であるが,それだけで直ちに通達自体が法規又は行政処分となるものではない。

第2 通達が関わる場合の争い方と主要判例
1 争う対象を先に特定する

通達に不利益を感じる場合でも,訴訟で何を対象とするかは一つではない。
通達自体,通達に基づく個別処分,将来予定される処分,公法上の法律関係又は違法な取扱いによる損害を区別する必要がある。

通達が関わる場合の主な争い方
争う対象主な訴訟類型又は法的統制中心となる確認事項
通達自体処分取消しの訴え国民の権利義務に直接具体的な法律上の影響を及ぼすか通達に基づく個別の処分又は決定取消訴訟等個別行為が行政事件訴訟法上の処分に当たるか,根拠法令に適合するか将来予定される処分差止めの訴え重大な損害を生ずるおそれと,他に適当な方法がないことが認められるか行政処分以外の継続的な不利益公法上の法律関係に関する確認の訴え確認対象が明確であり,現実の危険に対する有効適切な争訟方法であるか違法な通達又は取扱いによる損害国家賠償請求公務員の職務上の注意義務違反,違法性,故意又は過失及び損害が認められるか

2 通達自体の取消し-最高裁昭和43年12月24日判決

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高年齢者雇用安定法の60歳・65歳・70歳ルールと制度の沿革(AIリライト)

第1 現行法の全体像1 この記事の対象と基準日2 60歳未満の定年は禁止される3 65歳までの雇用確保措置は義務である4 70歳までの就業確保措置は努力義務である第2 65歳までの高年齢者雇用確保措置1 三つの措置2 希望者全員を対象とする原則と例外3 継続雇用先の範囲4 契約期間・賃金・勤務時間5 行政上の措置と個別契約上の効果第3 70歳までの高年齢者就業確保措置1 五つの選択肢2 創業支援等措置の手続第4 制度の沿革1 60歳定年の努力義務から義務化まで2 65歳までの雇用確保措置3 希望者全員の継続雇用4 70歳までの就業機会第5 高年齢雇用継続給付1 制度の対象2 最大支給率3 賃金自体の保障とは別の制度である第6 継続雇用制度と個別の労働契約1 津田電気計器事件最高裁判決2 判決の射程第7 統計から見た企業の対応1 令和4年就労条件総合調査2 令和7年高年齢者雇用状況等報告3 二つの統計は分母が異なる第8 関連記事第9 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 法定指針・基本方針4 行政資料5 統計
第1 現行法の全体像
1 この記事の対象と基準日

高年齢者雇用安定法は,正式には「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」という。
本記事では,令和8年9月3日現在の法令等に基づき,定年を定める場合の最低年齢,65歳までの雇用確保義務,70歳までの就業確保の努力義務及び高年齢雇用継続給付を整理する。

同法は,船員職業安定法上の船員には適用されない。
また,国家公務員及び地方公務員には,定年の引上げ及び継続雇用制度等を定める同法第2章などが適用されない(同法7条)。

2 60歳未満の定年は禁止される

事業主が定年を定める場合,その年齢は原則として60歳を下回ることができない(高年齢者雇用安定法8条)。
これは60歳定年を義務付ける規定ではなく,定年を定めるならば原則として60歳以上にしなければならないという最低年齢の規定である。

3 65歳までの雇用確保措置は義務である

65歳未満の定年を定めている事業主は,①定年の引上げ,②継続雇用制度の導入,③定年の廃止のいずれかを講じなければならない(同法9条1項)。
この高年齢者雇用確保措置は企業規模にかかわらない法的義務であるが,直ちに65歳定年制を採用しなければならないという意味ではない。

4 70歳までの就業確保措置は努力義務である

65歳以上70歳未満の定年を定めている事業主又は70歳未満までの継続雇用制度を導入している事業主は,65歳から70歳までの就業機会を確保するよう努めなければならない(同法10条の2)。
65歳までの措置が雇用の確保を内容とする法的義務であるのに対し,70歳までの措置は雇用以外の選択肢も含む努力義務である。

第2 65歳までの高年齢者雇用確保措置
1 三つの措置

65歳未満定年の事業主が選択できる高年齢者雇用確保措置は,①定年を65歳まで引き上げること,②65歳までの継続雇用制度を導入すること,③定年制を廃止することである。
継続雇用制度には,定年後に改めて雇用契約を締結する再雇用制度と,同一の雇用契約を定年後も存続させる勤務延長制度が含まれる。

2 希望者全員を対象とする原則と例外

継続雇用制度を選ぶ場合,原則として定年後も働くことを希望する者全員を対象にしなければならない。
平成25年4月1日の改正法施行前に労使協定で設けた対象者基準を老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢に合わせて用いることができた経過措置は,令和7年3月31日に終了した。

もっとも,心身の故障により業務に堪えない場合又は勤務状況が著しく不良で職責を果たせない場合など,就業規則に定める解雇事由又は退職事由に該当するときは,継続雇用しないことができる。
この場合も,年齢に関する事由を用いることはできず,継続雇用しないことについて客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当であることを要する(厚生労働省「高年齢者雇用安定法Q&A」Q1-1)。

3 継続雇用先の範囲

65歳までの継続雇用制度には,自社で引き続き雇用する制度のほか,法令上の特殊関係事業主が引き続き雇用する制度も含まれる。
この仕組みを利用するには,元の事業主と特殊関係事業主との間で,定年後の雇用を約する契約を締結する必要がある(高年齢者雇用安定法9条2項)。

4 契約期間・賃金・勤務時間

継続雇用後の労働時間,賃金及び待遇は,定年前と同一でなければならないわけではなく,関係法令を守った上で労使が話し合って定めることになる。

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有期労働契約の期間・更新・雇止め・無期転換ルール(AI作成)

第1 この記事が扱う有期労働契約1 契約期間の定めがある労働契約2 契約期間より先に契約単位を確定する3 1回の契約期間の上限第2 締結時及び更新時に明示される事項1 令和6年4月から追加された明示事項2 更新上限を新設又は短縮する場合3 現行の雇止め基準第3 契約期間途中の解雇及び退職1 使用者による期間途中の解雇2 労働者による期間途中の退職第4 無期転換申込権1 発生要件及び申込みができる期間2 申込みの効果及び無期転換後の労働条件3 無契約期間による通算の中断4 申込権の事前放棄及び特例第5 雇止めを制限する労働契約法19条1 雇止め法理の適用要件2 更新期待の合理性を判断する事情3 更新上限及び不更新条項4 雇止め理由とは別の禁止規定第6 主要裁判例が示す区別1 雇止め法理の形成と法定化2 有期契約の更新と無期契約への移行3 期間途中の解雇と期間満了第7 待遇及び実務上の確認事項1 有期契約労働者の待遇2 使用者及び労働者が確認する資料第8 出典・参考資料1 法令・告示2 裁判例3 厚生労働省資料第1 この記事が扱う有期労働契約1 契約期間の定めがある労働契約

有期労働契約とは,契約の終了日が定められた労働契約である。「契約社員」「パート」「アルバイト」「嘱託」等の呼称ではなく,労働契約に期間の定めがあるかによって判断する。派遣労働者の場合,原則として労働契約上の使用者は派遣元であるため,派遣先との労働者派遣契約の終了と,派遣元との有期労働契約の終了を区別する必要がある。

本記事は,民間企業等における有期労働契約について,契約期間の上限,令和6年4月以降の労働条件明示,期間途中の解雇・退職,無期転換及び雇止めの順に,令和8年8月15日現在の制度を整理するものである。個別事案では契約書,就業規則,更新経過及び使用者の説明によって結論が変わるため,本記事は特定の事案に対する法的助言を目的とするものではない。

2 契約期間より先に契約単位を確定する

短期又は一日単位の勤務では,契約期間の上限や雇止めを検討する前に,各勤務ごとに独立した契約が成立するのか,将来の勤務枠まで含む包括的・継続的な有期契約が成立するのかを確定する必要がある。労働契約は当事者の合意により成立し(労働契約法6条),署名押印は一般的な成立要件ではない。

各回の新たな募集・依頼・承諾,双方の拒否の自由,勤務日の変動,他の労働者への代替及び回ごとの条件変更は,一勤務ごとの契約を示す事情となり得る。固定曜日の継続担当,勤務枠の恒常的確保,シフトへの自動的な組込み,将来分の一括合意及び更新を期待させる具体的説明は,包括的な契約を示す事情となり得る。

確定済みの一勤務を使用者が取り消す場合は,成立済みの有期契約の期間途中の終了として労働契約法17条が問題になり得る。これに対し,将来分の包括契約がなく,まだ個別の依頼・承諾もない勤務を依頼しない場合は,終了対象となる契約が存在するかを先に確認する。短期契約が反復されたときは,契約単位が短いという理由だけで同法19条の適用可能性がなくなるものではない。

医師のスポット勤務に即した判断事情及び証拠は,スポット勤務医師の労働契約は一勤務ごとか―定期非常勤との区別,確定シフトの取消し・雇止め・証拠(AI作成)参照。

3 1回の契約期間の上限

労働基準法14条により,1回の有期労働契約の期間は原則として3年を超えることができない。高度の専門的知識等を有する労働者及び満60歳以上の労働者については5年までとすることができ,一定の事業の完了に必要な期間を定める契約については,その事業の完了に必要な期間を定めることができる。

この上限は1回の契約期間に関するものであり,更新後を含む通算契約期間の一般的上限ではない。1回の契約期間,更新回数又は通算契約期間について使用者が設ける更新上限,労働契約法18条の通算5年ルールは,それぞれ別の制度である。

第2 締結時及び更新時に明示される事項1 令和6年4月から追加された明示事項

労働基準法15条及び労働基準法施行規則5条により,使用者は,労働契約の締結時に賃金,労働時間,契約期間その他の労働条件を明示しなければならない。令和6年4月1日以降は,全ての労働者について,就業場所及び業務の「変更の範囲」を締結時と有期労働契約の更新時に明示する必要がある。

有期労働契約については,更新上限,すなわち通算契約期間又は更新回数の上限の有無及び内容を,契約締結時と更新時ごとに明示する必要がある。無期転換申込権が発生する契約の更新時には,無期転換を申し込むことができる旨及び無期転換後の労働条件を明示しなければならない。申込権を行使しない意向を労働者が示した場合も,申込権が発生する更新時ごとの明示が必要である。具体的な記載例は,厚生労働省の令和6年4月からの労働条件明示ルール変更案内及び改正労働基準法施行規則等に係るQ&Aで確認できる。

2 更新上限を新設又は短縮する場合

契約締結後,契約の変更又は更新に際して更新上限を新設し,又は従前の上限を短縮しようとする場合,使用者は,あらかじめその理由を労働者に説明しなければならない。説明方法は法令上限定されていないが,説明した内容及び時期を後から確認できるよう,書面等の記録を残すことが紛争防止に資する。

更新上限を労働条件通知書に記載しなかったことだけから,直ちに私法上の上限が存在しないという結論が生じるとは限らない。他方,明示又は説明を欠いたことは,労働基準法上の問題となるほか,更新上限に関する合意の有無や,後述する更新期待の合理性を判断する事情になり得る。

3 現行の雇止め基準

厚生労働大臣は労働基準法14条2項に基づき,有期労働契約の締結,更新,雇止め等に関する基準(平成15年厚生労働省告示第357号)を定めている。令和6年4月1日以降の現行基準は,次の5項目で構成される。

①契約締結後に更新上限を新設し,又は短縮する場合の事前の理由説明,②3回以上更新した者又は雇入れから1年を超えて継続勤務した者に対する原則30日前までの雇止め予告,③労働者が請求した場合の雇止め理由証明書の遅滞ない交付,④1回以上更新し,かつ,1年を超えて継続勤務した者を更新する場合に契約期間をできる限り長くする努力義務,⑤無期転換後の労働条件を定める際に均衡を考慮した事項について説明する努力義務である。

30日前予告の対象からは,あらかじめ当該有期労働契約を更新しない旨が明示されているものが除かれる。雇止め理由証明書には,単なる「契約期間満了」ではなく,担当業務の終了,事業縮小,能力・勤務成績等,更新しなかった実質的な理由を記載することが求められる。これらの手続に違反したことだけで雇止めが当然に無効となるわけではないが,労働契約法19条による雇止めの審査とは別に履行すべき基準である。

第3 契約期間途中の解雇及び退職1 使用者による期間途中の解雇

労働契約法17条1項は,使用者が有期労働契約の期間途中に労働者を解雇するためには「やむを得ない事由」が必要であると定める。この要件は,期間の定めのない労働契約における労働契約法16条の解雇権濫用法理よりも厳格であり,使用者は,残りの契約期間を含めて雇用を継続することが困難な事情を具体的に示す必要がある。

同条2項は,使用者に対し,労働者を使用する目的に照らして必要以上に短い期間を定め,その契約を反復更新しないよう配慮することも求めている。有期契約であれば終了させやすいとは限らず,期間途中の解雇と期間満了時の雇止めでは要件が異なる。

有期労働契約に試用期間を設ける場合の契約設計,期間途中の解雇及び期間満了時の取扱いについては,有期雇用契約における試用期間-設定と契約終了の法的整理(AI作成)を参照されたい。

2 労働者による期間途中の退職

労働者側が期間途中に退職する場合は,労働契約法17条1項ではなく,民法628条が基本となる。同条は,当事者にやむを得ない事由がある場合,直ちに契約を解除できるとする一方,その事由が一方当事者の過失によって生じた場合の損害賠償も定めている。

もっとも,一定の1年を超える有期労働契約については,労働基準法137条により,契約開始から1年を経過した後,労働者は使用者に申し出ることによっていつでも退職できる。一定の事業の完了に必要な期間を定めた契約及び労働基準法14条1項各号に該当する契約は,この取扱いから除かれる。

これらの法定解除とは別に,労使が合意すれば,契約期間中でも合意した日をもって退職できる。また,労働者が一定の予告により期間途中に退職できる旨の,労働者に有利な契約条項又は就業規則がある場合は,その適用を確認する。有期契約であることだけで,合意退職や約定に基づく中途退職まで否定されるものではない。

派遣労働者については,派遣元との労働契約の終了と,派遣元・派遣先間の個別派遣契約の終了は別である。退職後に派遣先へ入社する際の雇用制限,紹介手数料及び中途解約等の費用については,派遣社員の直接雇用-雇用禁止条項,紹介手数料及び紹介予定派遣(AI作成)を参照されたい。

第4 無期転換申込権1 発生要件及び申込みができる期間

労働契約法18条により,同一の使用者との間で二つ以上の有期労働契約が締結され,契約期間を通算して5年を超える場合,労働者は期間の定めのない労働契約の締結を申し込むことができる。通算対象となるのは,平成25年4月1日以後の日を契約期間の初日とする有期労働契約である。

申込権は,通算契約期間が5年を超えることになる契約の初日から発生する。例えば,1年契約を5回更新して6年目の契約を締結する場合,6年目の契約の初日から満了日まで申込みができる。5年を経過した日の翌日に自動的に無期契約へ変わる制度ではなく,労働者の申込みが必要である。申込みをしないままさらに更新した場合も,その後の更新ごとに申込権が発生する。

「同一の使用者」は原則として労働契約の当事者である法人又は個人事業主を単位として判断する。1回限りの完成事業型契約が5年を超えても,「二以上の有期労働契約」という要件を満たさないため,同条による申込権は発生しない。この点は厚生労働省の労働契約法施行通達にも明記されている。

2 申込みの効果及び無期転換後の労働条件

労働者が無期転換を申し込むと,使用者はその申込みを承諾したものとみなされ,拒否することはできない。ただし,申込み時の有期労働契約が直ちに無期契約へ変わるのではなく,その契約の満了日の翌日から無期労働契約が始まる。口頭による申込みが一律に排除されているわけではないが,申込日及び内容を確認できる書面又は電子メール等によることが望ましい。

無期転換後の労働条件は,契約期間を除き,原則として申込み時の有期労働契約と同一である。就業規則,労働協約又は個別合意に別段の定めがある場合はその定めが問題となるが,無期転換は当然に正社員化,昇給又は職務・勤務地限定の解除を意味しない。反対に,無期転換を理由として不合理に不利益な条件を設けることが当然に許されるわけでもなく,現行の雇止め基準5条は,他の労働者との均衡を考慮した事項について説明する努力義務を定めている。

3 無契約期間による通算の中断

有期労働契約の間に一定の無契約期間があると,その前の契約期間が通算されないことがある。直前までの通算契約期間が1年以上である場合は6か月以上の無契約期間が必要であり,1年未満の場合は次のとおりである。

直前までの通算契約期間通算を中断する無契約期間2か月以下1か月以上2か月超4か月以下2か月以上4か月超6か月以下3か月以上6か月超8か月以下4か月以上8か月超10か月以下5か月以上10か月超6か月以上

休職,育児休業その他の在籍したままの不就労期間は,労働契約が終了していないため,通常は無契約期間に当たらない。クーリング期間の計算例は,厚生労働省の無期転換ルールハンドブック2025で確認できる。

同一の使用者との間で引き続き有期労働契約を締結する場合,従前と異なる契約書を作成し,又は「更新」ではなく「新規契約」「再契約」と呼んだだけでは,通算契約期間が当然に中断するものではない。
通算から除外されるためには,労働契約法18条2項及び関係省令が定める無契約期間等を確認する必要がある。

更新上限後の再雇用をあらかじめ予定しながら,無期転換申込権の発生を避けるために形式的な無契約期間を設けた疑いがある場合は,使用者の同一性,業務の継続性,再雇用の約束及び制度の目的を含め,契約関係の実態を確認する必要がある。
厚生労働省の「無期転換ルールQ&A」も,契約更新上限を設けた上で形式的にクーリング期間を設定し,期間経過後の再雇用を約束して雇止めを行う場合,その雇止めが客観的に合理的な理由を欠くものとされる可能性があると説明している。

4 申込権の事前放棄及び特例

厚生労働省の労働契約法施行通達は,無期転換申込権が発生する前に,申込権を行使しないことを更新の条件とするなど,将来の申込権を放棄させる意思表示について,労働契約法18条の趣旨を没却し,公序良俗に反して無効と解されるとしている。申込権が発生した後の放棄についても,権利内容及び不利益を理解した自由な意思に基づくかを個別に確認する必要があり,定型書式への署名だけで一律に判断することはできない。

有期雇用特別措置法に基づく認定計画の対象となる高度専門職及び定年後継続雇用者には,通算契約期間の算定に関する特例がある。高度専門職については年収1,075万円以上等の要件があり,特定有期業務の期間中,最長10年まで無期転換申込権が発生しない。定年後継続雇用者についても,第二種計画の認定を受けた事業主等に定年後引き続いて雇用される期間が対象である。科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律15条の2又は大学教員任期法7条の対象となる研究者・教員等については,労働契約法18条1項の「5年」が「10年」と読み替えられるため,対象となる業務,大学等との関係及び任期に関する定めを個別に確認する必要がある。制度の対象と申請手続は,厚生労働省の無期転換ルール及び有期雇用特別措置法の案内で確認できる。

第5 雇止めを制限する労働契約法19条1 雇止め法理の適用要件

有期労働契約は原則として期間満了により終了するが,労働契約法19条は,一定の場合に使用者の雇止めを制限する。同条が対象とするのは,①過去に反復更新された契約について,雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できる場合,又は②契約期間満了時に更新されるものと労働者が期待することについて合理的な理由がある場合である。

労働者は,契約期間満了日までに更新を申し込むか,期間満了後遅滞なく有期労働契約の締結を申し込む必要がある。雇止めに異議を述べ,就労継続の意思を明らかにする行為も申込みと評価され得る。これらの要件を満たし,使用者の更新拒絶に客観的に合理的な理由がなく,社会通念上相当と認められない場合,使用者は従前の有期労働契約と同一の労働条件で申込みを承諾したものとみなされる。その効果は有期契約の更新であり,当然に無期契約又は正社員契約が成立するわけではない。

更新時に賃金又は所定労働日数を引き下げる条件が提示された場合は,変更後の条件についての合意の成否と,従前の条件による更新申込みに対する拒絶が労働契約法19条によって制限されるかを分けて検討する必要がある。単に条件が折り合わなかったというだけで契約終了と判断せず,同条の適用要件及び申込みの有無を確認する。新しい契約書が作成されている場合も,署名の有無と併せて,従前の条件による更新を求めた時期,異議又は留保の内容,説明・交渉の経過を確認することが有用である(労働契約法8条・19条)。

定年後再雇用における更新条件の切下げと雇止めの具体例,更新前の対応については,定年後再雇用の更新時に勤務日数・賃金を引き下げられるかを参照されたい。

定年後再雇用の制度については高年齢者雇用安定法に関するメモ書き,通常の労働者との待遇差については業務内容が変わらない定年後再雇用社員の賃金水準の目安も参照されたい。

2 更新期待の合理性を判断する事情

更新期待の合理性は,契約期間満了時を基準として,契約書の文言だけでなく,契約関係の全体から判断される。主な事情は,①業務が恒常的か臨時的か,②職務内容及び正社員との相違,③更新回数及び通算勤務期間,④更新手続が実質的な審査を伴っていたか又は形式化していたか,⑤採用時及び更新時の説明・言動,⑥同種労働者の更新・雇止め実績,⑦更新上限又は不更新条項の設定時期・内容・運用,⑧更新基準と実際の運用が一貫していたかである。

初回の契約でも,採用時の具体的な説明等によっては更新期待が成立する余地がある。他方,更新回数が多いことだけで労働契約法19条の適用が決まるわけではなく,業務の性質,更新審査及び契約締結時からの説明を含む総合判断となる。

3 更新上限及び不更新条項

採用時から更新上限が明確に示され,実際にも一貫して運用されている場合,上限を超える更新期待は認められにくくなる。他方,長期間の反復更新によって更新期待が形成された後に上限を新設し,労働者が不更新条項のある契約書に署名した場合も,従前の更新期待が当然に消滅するわけではない。署名しなければ直近の更新を受けられない状況,説明内容,例外運用及び労働者が雇用継続を求めた経過等を併せて検討する必要がある。

福岡地裁令和2年3月17日判決(平成30年(ワ)第1904号)は,約30年間に29回更新された契約について,平成25年以降の契約書に5年後は更新しない旨が記載されていた事案を扱った。同判決は,不更新条項のある契約書への署名だけから契約終了の明確な意思を認定せず,従前の形骸化した更新,例外を含む制度及び雇用継続を求めた経過等を踏まえて合理的な更新期待を認め,一般的な人件費削減等の理由では雇止めの合理性を肯定するには不十分であると判断した。これは個別事案の判断であり,全ての更新上限又は雇止めを無効とするものではない。

無期転換申込権の発生を避ける動機があったことだけで,更新上限又は雇止めが直ちに無効になると断定することもできない。もっとも,厚生労働省は,無期転換ルールの適用を免れる意図で申込権発生前に雇止め等を行うことは労働契約法18条の趣旨に照らして望ましくなく,従前の更新実績等によっては雇止めが許されない場合があると説明している。

4 雇止め理由とは別の禁止規定

労働契約法19条の更新期待が認められない場合でも,妊娠・出産,育児休業,介護休業又は正当な労働組合活動等を理由とする不利益取扱いが許されるわけではない。雇止めの理由が男女雇用機会均等法,育児介護休業法又は労働組合法等の禁止規定に抵触しないかは,労働契約法19条とは別に検討する必要がある。

第6 主要裁判例が示す区別1 雇止め法理の形成と法定化

最高裁昭和49年7月22日第一小法廷判決(昭和45年(オ)第1175号,民集28巻5号927頁)は,反復更新された有期契約が実質的に期間の定めのない契約と異ならない状態にあった事案で,雇止めに解雇法理を類推した。最高裁昭和61年12月4日第一小法廷判決(昭和56年(オ)第225号,裁判集民事149号209頁)は,実質的に無期契約と同視できない場合でも,更新期待に合理性があるときは雇止めが制限され得ることを示した。労働契約法19条1号及び2号は,これらの判例法理を条文化したものである。

2 有期契約の更新と無期契約への移行

最高裁平成28年12月1日第一小法廷判決(平成27年(受)第589号)は,3年の更新限度後に無期契約へ移行できる制度について,規程の内容,本人の認識,職務の性質及び無期契約へ移行しなかった者の実績等を踏まえ,当然に無期契約へ移行したとはいえないとした。有期契約が更新される期待と,期間満了後に無期契約へ移行できる期待は同一ではなく,労働契約法18条の要件又は別の合意がないまま無期契約が成立するとは限らない。

3 期間途中の解雇と期間満了

最高裁令和元年11月7日第一小法廷判決(平成30年(受)第755号)は,有期労働契約の期間途中の解雇が労働契約法17条1項に反して無効であっても,その後に契約期間が満了した場合,契約が終了したかを別途判断しなければならないとした。期間途中の解雇が無効であることから,契約期間満了後も当然に地位が継続するわけではなく,満了後については更新の合意又は労働契約法19条の要件を検討する必要がある。

第7 待遇及び実務上の確認事項1 有期契約労働者の待遇

有期契約労働者と通常の労働者との待遇差については,短時間・有期雇用労働法8条の不合理な待遇差の禁止及び9条の差別的取扱いの禁止が中心となる。旧労働契約法20条は削除されているため,現在の待遇差を同条によって説明するのは適切でない。通常の労働者への転換措置及び説明義務を含む制度の詳細は,同一労働同一賃金で整理している。

無期転換後の労働者は,契約期間の定めがなくなるため,「有期雇用労働者」ではなくなる。もっとも,週の所定労働時間が通常の労働者より短ければ短時間労働者として同法の対象となり得るほか,労働契約法,就業規則の合理性その他の規制がなくなるわけではない。

2 使用者及び労働者が確認する資料

使用者側では,①契約開始日,更新日,通算契約期間及び無契約期間を記録すること,②契約書及び労働条件通知書に更新基準・更新上限・変更の範囲を明示すること,③申込権が発生する更新時に無期転換申込機会及び転換後の労働条件を明示すること,④更新上限を新設又は短縮する前に理由を説明すること,⑤雇止め前に更新期待,禁止される理由,30日前予告及び理由証明への対応を確認することが基本となる。労働条件の一般的な明示事項は,労働基準法に関するメモ書きも参照されたい。

労働者側では,契約書,労働条件通知書,就業規則,更新通知,評価資料及び更新に関する電子メール等を保存し,更新又は無期転換を希望する場合は,申込日と内容を確認できる方法で意思を表示することが有用である。雇止め後の申込みは「遅滞なく」行う必要があり,契約満了日が迫っている場合は,行政相談又は法律相談を含む早期の確認が必要となる。

第8 出典・参考資料1 法令・告示

①e-Gov法令検索「労働基準法」14条,15条及び137条

②e-Gov法令検索「労働契約法」6条,8条及び16条~19条

③e-Gov法令検索「民法」628条

④e-Gov法令検索「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」8条,9条,13条及び14条

⑤e-Gov法令検索「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」

⑥e-Gov法令検索「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」15条の2及びe-Gov法令検索「大学の教員等の任期に関する法律」7条

⑦厚生労働省「有期労働契約の締結,更新,雇止め等に関する基準」(平成15年厚生労働省告示第357号,令和5年厚生労働省告示第114号による改正後)

2 裁判例

①最高裁判所第一小法廷昭和49年7月22日判決(昭和45年(オ)第1175号,民集28巻5号927頁,裁判所ウェブサイト)

②最高裁判所第一小法廷昭和61年12月4日判決(昭和56年(オ)第225号,裁判集民事149号209頁,裁判所ウェブサイト)

③最高裁判所第一小法廷平成28年12月1日判決(平成27年(受)第589号,裁判所ウェブサイト)

④最高裁判所第一小法廷令和元年11月7日判決(平成30年(受)第755号,裁判所ウェブサイト)

⑤福岡地方裁判所令和2年3月17日判決(平成30年(ワ)第1904号,裁判所ウェブサイト)

3 厚生労働省資料

①厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが変わります」及び「令和6年4月施行の改正労働基準法施行規則等に係るQ&A」

②厚生労働省「有期契約労働者の無期転換サイト」及び「無期転換ルールハンドブック2025」

③厚生労働省「労働契約法の施行について」の一部改正について(平成30年12月28日基発1228第17号)

④厚生労働省「無期転換ルール及び有期雇用特別措置法」

⑤厚生労働省「無期転換ルールQ&A」

労働者名簿,賃金台帳及び記録の保存(AIリライト)

第1 制度の概要と本記事の基準日1 本記事の対象2 各事業場ごとの作成義務第2 労働者名簿1 作成対象と訂正義務2 記載事項第3 賃金台帳1 作成及び記入の時期2 記載事項3 記載事項の例外及び補充4 様式と一体調製第4 電子データによる作成及び保存1 電子化に必要な機能2 本社等で一括管理する場合第5 労働関係記録の保存1 保存対象2 5年と3年の関係3 保存期間の起算日4 3年を超える保存の検討第6 違反に対する罰則1 30万円以下の罰金2 事業主に対する両罰規定第7 関連記事第8 出典・参考資料1 法令2 厚生労働省資料3 関連記事
第1 制度の概要と本記事の基準日
1 本記事の対象

本記事は,使用者が作成する労働者名簿及び賃金台帳の対象者,記載事項,様式,電子化並びに労働関係記録の保存期間を説明するものである。
内容は,令和8年9月2日現在の労働基準法及び労働基準法施行規則に基づく。

2 各事業場ごとの作成義務

使用者は,労働者名簿及び賃金台帳を,企業全体で一つではなく各事業場ごとに調製しなければならない(労働基準法107条及び108条)。
労働者名簿は日々雇い入れられる者を作成対象から除くのに対し,賃金台帳は日々雇い入れられる者についても作成する点が異なる。

第2 労働者名簿
1 作成対象と訂正義務

使用者は,各事業場ごとに,日々雇い入れられる者を除く各労働者について労働者名簿を調製しなければならない(労働基準法107条1項)。
記載事項に変更があった場合には,遅滞なく訂正しなければならない(同条2項)。

2 記載事項

労働者名簿の記載事項は,次のとおりである(労働基準法107条1項,労働基準法施行規則53条1項及び様式第19号)。
① 氏名
② 生年月日
③ 履歴
④ 性別
⑤ 住所
⑥ 従事する業務の種類
⑦ 雇入れの年月日
⑧ 退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇である場合は,その理由を含む。)
⑨ 死亡の年月日及びその原因

常時30人未満の労働者を使用する事業では,⑥の従事する業務の種類を記載する必要はない(労働基準法施行規則53条2項)。

第3 賃金台帳
1 作成及び記入の時期

使用者は,各事業場ごとに賃金台帳を調製し,賃金計算の基礎となる事項,賃金額その他の法定事項を,賃金支払の都度,遅滞なく労働者各人別に記入しなければならない(労働基準法108条及び労働基準法施行規則54条1項)。
給与計算システムにデータが存在するだけでは足りず,法定事項を各労働者について確認できる賃金台帳として整える必要がある。

2 記載事項

賃金台帳の記載事項は,次のとおりである(労働基準法施行規則54条1項)。

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労働協約(AIリライト)

第1 総論
第2 労働協約の有効期間
第3 労働協約の規範的部分及び債務的部分

1 規範的部分
2 債務的部分

第4 労働協約の規範的効力の限界

1 労働組合の目的を逸脱した締結
2 既に発生した権利の遡及的処分の禁止

第5 労働協約の拡張適用

1 工場事業場単位の拡張適用(労働組合法17条)
2 拡張適用の限界
3 地域的拡張適用(労働組合法18条)

第6 ユニオン・ショップ協定
第7 就業規則と一体となった労働協約
第8 労働協約と労使協定の違い

1 趣旨・目的
2 締結主体
3 効力要件

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時間外労働,休日労働及び深夜労働と残業代請求(AIリライト)

目次

第1 この記事の対象と割増率の全体像1 対象範囲と基準日2 割増率と支払総額第2 労働時間に当たるか1 使用者の指揮命令下という基準2 待機,仮眠及び休憩中の対応3 労働時間の記録4 在宅勤務の打刻と残業許可制第3 法定労働時間と36協定1 1日8時間及び1週40時間2 36協定の役割と残業命令3 時間外労働の上限第4 時間外労働,休日労働及び深夜労働の区別1 法定内残業と法定時間外労働2 法定休日と所定休日3 深夜労働と割増率の重なり4 月60時間超と代替休暇第5 残業代の計算1 基本となる計算式2 基礎賃金から除外される手当3 出来高払制その他の請負制4 端数処理第6 適用除外と固定残業代1 管理監督者2 その他の適用除外と高度プロフェッショナル制度3 医療機関の宿日直許可4 固定残業代の判断第7 未払残業代を請求するときの確認事項1 請求の基礎となる資料2 請求手段と停止基準3 消滅時効と付加金4 遅延損害金第8 関連記事第9 出典・参考資料1 法令2 裁判例3 所管行政機関の解説・運用資料
第1 この記事の対象と割増率の全体像
1 対象範囲と基準日

この記事は,労働基準法上の時間外労働,休日労働及び深夜労働の区別,割増賃金の計算並びに未払残業代を請求するときの確認事項を扱うものである。
調査の基準日は令和8年9月15日であり,同日現在の法令を前提とする。
実際の計算では,労働契約,就業規則,賃金規程,変形労働時間制等の有無及び各賃金支払期に適用される法令を個別に確認する必要がある。

一般に「残業代」と呼ばれるものには,所定労働時間を超えた労働に対する通常の賃金と,労働基準法37条による割増賃金とが含まれる。
所定労働時間を超えたからといって,直ちに法定の割増率が適用されるわけではない。

2 割増率と支払総額

次の表の「割増率」は通常の1時間当たり賃金へ上乗せする割合であり,「未払時の合計率」は通常の賃金部分も支払われていない場合の合計である。
既に月給等によって通常の賃金部分が支払われているかどうかにより,追加して支払う額は異なる。

労働の区分法定の割増率通常の賃金部分も未払の場合の合計率

法定内残業0%100%
月60時間以内の法定時間外労働25%以上125%以上
月60時間を超える法定時間外労働50%以上150%以上
法定休日労働35%以上135%以上
深夜労働25%以上125%以上
月60時間以内の法定時間外労働かつ深夜労働50%以上150%以上
月60時間を超える法定時間外労働かつ深夜労働75%以上175%以上
法定休日労働かつ深夜労働60%以上160%以上

法定休日には1日8時間という時間外労働の区分を重ねず,法定休日の35%と深夜の25%だけを必要に応じて重ねる。
月60時間の算定には法定休日労働の時間を含めない。
就業規則又は労働契約が法定率より高い率を定めている場合は,その定めも確認する必要がある。

第2 労働時間に当たるか
1 使用者の指揮命令下という基準

最高裁平成12年3月9日第一小法廷判決は,労働基準法上の労働時間を,労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間であるとした。
該当性は,労働契約,就業規則等の名称又は定めだけで決まるのではなく,労働者の行為を使用者の指揮命令下に置かれたものと客観的に評価できるかによって決まる。

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就業規則とは―記載事項・作成届出・周知・変更・懲戒の基本(AIリライト)

第1 就業規則の二つの役割

1 労働基準法上の作成・届出ルール
2 労働契約法上の労働条件としての効力

第2 作成・届出義務が生じる事業場

1 常時10人以上かは事業場ごとに判断する
2 10人未満でも労働契約上の効力が生じ得る

第3 就業規則に記載する事項

1 必ず記載する事項
2 制度を設ける場合に記載する事項
3 賃金規程などの別規程も就業規則の一部になり得る

第4 作成・変更・届出の手続

1 過半数組合又は過半数代表者から意見を聴く
2 過半数代表者の選出方法
3 労働基準監督署への届出と電子申請
4 本社一括届出

第5 周知と労働契約上の効力

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年次有給休暇の付与日数,取得方法,年5日義務及び時季変更権(AIリライト)

第1 年次有給休暇が発生する要件と日数1 6か月の継続勤務と8割以上の出勤2 通常の労働者の付与日数3 短時間労働者の比例付与4 出勤率の計算と出勤したものとみなされる日第2 労働者による年次有給休暇の取得1 年休は使用者の承認によって発生するものではない2 利用目的は原則として労働者の自由である3 半日単位年休と時間単位年休4 欠勤後の振替,退職前の取得及び労働義務のない日第3 使用者による年5日の取得義務1 対象となる労働者2 使用者の時季指定と労働者の意見3 年次有給休暇管理簿と罰則第4 計画年休1 労使協定で計画的に付与できる範囲2 年休が不足する労働者と計画日の変更3 所定休日及び会社休業日との区別第5 使用者の時季変更権1 事業の正常な運営を妨げる場合2 直前の申出と事後の時季変更3 代替要員の確保と具体的事情4 長期連続年休と集中的訓練第6 年休中の賃金,不利益取扱い,買上げ及び時効1 年休中の賃金2 不利益取扱い3 未取得年休の買上げ4 年休権の時効第7 労災保険の休業給付及び健康保険の傷病手当金との関係1 労災保険の休業補償給付等2 健康保険の傷病手当金第8 実務上確認すべき事項1 労働者が確認する事項2 使用者が確認する事項3 関連記事第9 出典1 法令2 行政資料3 裁判例
第1 年次有給休暇が発生する要件と日数
1 6か月の継続勤務と8割以上の出勤

本記事は,令和8年9月2日現在の法令及び公表資料に基づき,労働基準法上の年次有給休暇を整理したものである。
使用者は,雇入れの日から6か月間継続して勤務し,その期間の全労働日の8割以上出勤した労働者に,原則として10労働日の年次有給休暇を与えなければならない(労働基準法39条1項)。
雇用形態が正社員か,契約社員か,パートタイマーかによって,この権利の有無が決まるものではない。

継続勤務は,契約の形式だけでなく,実質的に使用関係が続いているかによって判断される。
そのため,有期労働契約が更新された場合や,同じ使用者の下でパートタイマーから正社員へ転換した場合も,実質的な使用関係が継続していれば,転換前の期間を通算するのが原則である。

2 通常の労働者の付与日数

週5日以上勤務する労働者,週所定労働時間が30時間以上の労働者又は年間所定労働日数が217日以上の労働者については,継続勤務年数に応じて次のとおり付与される(厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」)。

継続勤務年数6か月1年6か月2年6か月3年6か月4年6か月5年6か月6年6か月以上付与日数10日11日12日14日16日18日20日

各基準日前の1年間について8割以上出勤したときに,次の年の年休が発生する。
したがって,6か月経過時に10日が発生した後は,原則として1年ごとに出勤率と付与日数を判定する。

3 短時間労働者の比例付与

週所定労働日数が4日以下で,週所定労働時間が30時間未満の労働者には,週又は年間の所定労働日数に応じて比例付与が行われる。
法定の付与日数は次のとおりである。

週所定労働日数年間所定労働日数6か月1年6か月2年6か月3年6か月4年6か月5年6か月6年6か月以上4日169日~216日7日8日9日10日12日13日15日3日121日~168日5日6日6日8日9日10日11日2日73日~120日3日4日4日5日6日6日7日1日48日~72日1日2日2日2日3日3日3日

勤務日数が年度によって定まらない場合は,基準日における労働契約の内容を確認する必要がある。
また,週4日以下でも週所定労働時間が30時間以上であれば,比例付与ではなく通常の労働者の日数表が適用される。

4 出勤率の計算と出勤したものとみなされる日

出勤率は,原則として,出勤日数を全労働日で除して計算する。
業務上の負傷又は疾病による療養のために休業した期間,産前産後休業期間,育児休業・介護休業期間及び年次有給休暇を取得した日は,出勤したものとみなされる(労働基準法39条10項)。

使用者が正当な理由なく就労を拒否した期間について,最高裁平成25年6月6日判決は,無効な解雇によって就労できなかった日を全労働日と出勤日数の双方に算入すべきものとした(平成23年(受)第2183号・民集67巻5号1187頁)。
他方で,使用者の責めに帰すべき事由による休業日を含め,労働者に就労義務がなかった日を全労働日に含めるかは,休業の原因と法的性質を区別して判断する必要がある。

第2 労働者による年次有給休暇の取得
1 年休は使用者の承認によって発生するものではない

年休権は,労働基準法所定の要件を満たすことによって法律上発生する。
労働者が休む日を指定すると,使用者が適法に時季変更権を行使しない限り,その日の就労義務が消滅するのであり,使用者の承認を得て初めて年休になるものではない(最高裁昭和48年3月2日判決・昭和41年(オ)第848号・民集27巻2号191頁)。

もっとも,就業規則で年休申請の期限や手続を定めることは,使用者が事業運営への支障を検討するための合理的な範囲で認められる。
期限に遅れた申請が当然に無効になるわけではないが,直前の申請は,使用者が時季変更権を判断する余裕や代替要員を確保する可能性に影響する。

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職場のハラスメント防止-種類・事業主の措置義務・主要最高裁判例(AIリライト)

目次

第1 この記事の対象と法制度の全体像1 基準日と対象2 法律上の類型と通称の区別3 四つの判断枠組み第2 法律上の主なハラスメント1 パワーハラスメント2 セクシュアルハラスメント3 妊娠・出産及び育児・介護休業等に関するハラスメント4 フリーランスに対するハラスメント第3 パワーハラスメントの三つの要素1 優越的な関係を背景とした言動2 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動3 就業環境が害されること4 職場及び労働者の範囲第4 パワーハラスメントの六つの代表的類型1 身体的な攻撃及び精神的な攻撃2 人間関係からの切り離し3 過大な要求及び過小な要求4 個の侵害第5 事業主が講ずべき措置1 方針の明確化と周知・啓発2 相談体制の整備3 事後の迅速かつ適切な対応4 プライバシー保護と不利益取扱いの禁止5 匿名性と反論機会を両立させる調査方法6 相談窓口の設置と実効性は別である7 行政上の援助と紛争解決第6 精神障害の労災認定との関係1 令和5年認定基準2 パワーハラスメントの評価3 ハラスメントを理由とする休職と休職期間満了による退職第7 主要最高裁判例1 最高裁平成27年2月26日第一小法廷判決2 最高裁令和4年6月14日第三小法廷判決3 最高裁令和4年9月13日第三小法廷判決4 最高裁令和7年9月2日第三小法廷判決(停職処分)5 最高裁令和7年9月2日第三小法廷判決(懲戒免職処分)6 各判決の射程第8 令和8年10月1日施行の改正1 カスタマーハラスメント対策2 求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策第9 関連記事第10 出典・参考資料1 法令2 行政資料3 裁判例4 解説資料
第1 この記事の対象と法制度の全体像
1 基準日と対象

本記事は,令和8年9月6日現在の法令及び公表資料に基づき,職場のハラスメントの法的区分,パワーハラスメントの判断要素,事業主の措置義務,調査実務,精神障害の労災認定並びに主要最高裁判例を整理するものである。
令和8年10月1日に施行される改正については,現行制度と区別して第8で取り上げる。

職場のハラスメントという名称だけで,民事上の違法性,労災認定,懲戒処分の有効性又は事業主の措置義務違反が直ちに決まるものではない。
それぞれの制度ごとに,適用される法令,指針及び判断要素を確認する必要がある。

2 法律上の類型と通称の区別

職場のハラスメントについては,主として,①パワーハラスメント,②セクシュアルハラスメント,③妊娠・出産に関するハラスメント,④育児・介護休業等に関するハラスメントの防止措置が法律上定められている。
また,業務委託の相手方であるフリーランスに対しては,特定の発注事業者に別の措置義務が定められている。

アルコールハラスメント,時短ハラスメントその他の通称は,問題となる言動の特徴を示すことはあっても,それ自体が独立した法律上の類型であるとは限らない。
通称だけで結論を出さず,実際の言動と当事者の関係を各法令の要件に当てはめる必要がある。

3 四つの判断枠組み

実務では,少なくとも,①事業主に防止措置義務があるか,②個別の言動について民事上の責任が生じるか,③精神障害が労災として認定されるか,④行為者に対する懲戒処分等が有効かを区別する必要がある。
例えば,パワーハラスメント防止措置の対象となる言動と,精神障害の労災認定で心理的負荷を評価する出来事とは,目的も判断方法も同一ではない。

第2 法律上の主なハラスメント
1 パワーハラスメント

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律30条の2第1項は,職場における優越的な関係を背景とした言動であって,業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより労働者の就業環境が害されることのないよう,事業主が必要な措置を講じなければならないと定めている。
この三つの要素は,第3で説明する。

同条2項は,労働者が相談したこと又は事業主による事実確認に協力して事実を述べたことを理由とする解雇その他の不利益取扱いを禁止している。
同法30条の3は,国,事業主及び労働者の責務を定めている。

2 セクシュアルハラスメント

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律11条1項は,職場における性的な言動に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受け,又は性的な言動により就業環境が害されることのないよう,事業主が必要な措置を講じなければならないと定めている。
被害を受ける者の性別を問わず,同性に対する言動も対象となり得る。

同条2項は,相談又は事実確認への協力を理由とする不利益取扱いを禁止している。
同条3項は,他の事業主から事実確認等に必要な協力を求められた場合に,事業主がこれに応ずるよう努めることを定めている。

3 妊娠・出産及び育児・介護休業等に関するハラスメント

男女雇用機会均等法11条の3第1項は,女性労働者が妊娠又は出産に関する制度若しくは措置を利用したこと,妊娠したこと又は出産したこと等に関する言動により就業環境が害されることのないよう,事業主が必要な措置を講じなければならないと定めている。
同条2項は,相談又は事実確認への協力を理由とする不利益取扱いを禁止している。

育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律25条1項は,育児休業,介護休業その他の制度又は措置の利用に関する言動により就業環境が害されることのないよう,事業主が必要な措置を講じなければならないと定めている。
同条2項は,相談又は事実確認への協力を理由とする不利益取扱いを禁止している。

4 フリーランスに対するハラスメント

特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律14条は,特定業務委託事業者に対し,業務委託に係る特定受託業務従事者について,性的な言動,妊娠又は出産に関する言動及び取引上の優越的な関係を背景とした言動による就業環境の侵害を防ぐため,相談対応その他の必要な体制整備等を義務付けている。
同条2項は,相談又は事実確認への協力を理由とする契約解除その他の不利益取扱いを禁止している。

この制度は,雇用される労働者を対象とする前記各法とは対象者及び義務主体が異なる。
契約の名称だけで判断せず,法律上の定義を確認する必要がある。

第3 パワーハラスメントの三つの要素
1 優越的な関係を背景とした言動

優越的な関係を背景とした言動とは,言動を受ける労働者が行為者に対して抵抗又は拒絶することが困難である関係を背景として行われるものをいう。
典型は上司から部下への言動であるが,同僚又は部下であっても,業務上必要な知識若しくは経験を持つ者である場合又は集団による行為で抵抗が困難な場合等には該当し得る。

2 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動

業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動かどうかは,言動の目的,言動を受けた労働者の問題行動の有無及び内容,言動の態様,頻度及び継続性,労働者の属性及び心身の状況,行為者との関係等を総合して判断される。
客観的にみて業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示又は指導は,パワーハラスメントには当たらない。

3 就業環境が害されること

就業環境が害されるとは,言動により労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ,就業環境が不快なものとなったため,能力の発揮に重大な悪影響が生じる等,就業する上で看過できない程度の支障が生じることをいう。
判断に当たっては,平均的な労働者の感じ方を基準としつつ,言動の内容及び状況を個別に検討する。

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労働安全衛生法の概要,労働時間の状況把握及び令和7年改正(AIリライト)

第1 この記事の対象及び労働安全衛生法の目的1 この記事の対象2 法律の目的3 主な規制分野第2 事業者及び注文者等の責務1 事業者の責務2 仕事を他人に請け負わせる者の配慮3 安全衛生管理体制第3 労働時間の状況の把握義務1 把握義務の目的及び対象者2 把握方法及び記録の保存3 労働基準法上の労働時間との違い第4 労働災害防止計画1 法律上の根拠2 第14次労働災害防止計画第5 令和7年改正及び近時の施行事項1 令和7年法律第33号の概要2 小規模事業場のストレスチェック3 熱中症を生ずるおそれのある作業への対応第6 関連記事第7 出典・参考資料1 法令2 所管行政機関の解説・運用資料3 裁判例
第1 この記事の対象及び労働安全衛生法の目的
1 この記事の対象

この記事は,令和8年9月2日現在の法令及び厚生労働省の公表資料に基づき,労働安全衛生法の目的と主な規制,労働時間の状況の把握,第14次労働災害防止計画及び令和7年改正の施行状況を整理するものである。
安全管理者,衛生管理者,産業医,健康診断及び残業代の個別論点は,後掲の関連記事で詳しく取り扱う。

2 法律の目的

労働安全衛生法1条は,労働基準法と相まって,労働災害防止のための危害防止基準の確立,責任体制の明確化及び自主的活動の促進等により,職場における労働者の安全と健康を確保し,快適な職場環境の形成を促進することを目的としている。
労働災害が発生した後の補償だけでなく,危険又は健康障害を発生させないための管理体制及び具体的措置を定める法律である。

3 主な規制分野

労働安全衛生法が定める主な事項は,次のとおりである。
①事業場の規模及び業種に応じた安全衛生管理体制並びに安全委員会及び衛生委員会の設置である。
②機械,爆発性物質,電気,作業方法等による危険及び原材料,ガス,粉じん,騒音,振動等による健康障害を防止する措置である。
③雇入れ時等の安全衛生教育及び一定の危険又は有害な業務についての就業制限である。
④作業環境測定,健康診断,長時間労働者に対する面接指導その他の健康確保措置である。
⑤国が重点的に取り組む事項を定める労働災害防止計画である。

第2 事業者及び注文者等の責務
1 事業者の責務

労働安全衛生法3条1項は,事業者に対し,法令上の最低基準を守るだけでなく,快適な職場環境の実現及び労働条件の改善を通じて,労働者の安全と健康を確保するよう求めている。
個別の義務は事業場の業種,規模,設備及び作業内容によって異なるため,法律だけでなく,労働安全衛生法施行令及び労働安全衛生規則も確認する必要がある。

2 仕事を他人に請け負わせる者の配慮

令和7年法律第33号による改正後の労働安全衛生法3条3項は,建設工事の注文者その他の仕事を他人に請け負わせる者に対し,施工方法,作業方法,工期,納期等について,安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないよう配慮することを求めている。
令和7年改正により,令和7年5月14日から,この配慮規定が建設工事以外の仕事を他人に請け負わせる者にも広く適用されることが明確化された。

3 安全衛生管理体制

総括安全衛生管理者,安全管理者,衛生管理者,産業医,安全衛生推進者及び衛生推進者の選任要件は,職種ごとに対象業種,事業場の労働者数,資格,専任又は専属の要否及び職務が異なる。
これらの詳細は,総括安全衛生管理者,安全管理者,衛生管理者及び産業医並びに安全衛生推進者及び衛生推進者を参照されたい。

第3 労働時間の状況の把握義務
1 把握義務の目的及び対象者

平成31年4月1日以降,事業者は,長時間労働者に対する医師の面接指導等を適切に実施するため,労働安全衛生法66条の8の3及び労働安全衛生規則52条の7の3に基づき,労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。
ここでいう労働時間の状況の把握は,労働者がいかなる時間帯にどの程度の時間,労務を提供し得る状態にあったかを健康確保の観点から把握するものである。

厚生労働省の働き方改革関連法に関するパンフレット6頁~7頁によれば,対象には,管理監督者,事業場外労働のみなし労働時間制の適用者及び裁量労働制の適用者も含まれる。

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職業安定法と採用活動-職業紹介,求人情報,社員紹介及び公正採用選考(AIリライト)

目次

第1 この記事の対象と基準日1 この記事で扱う事項2 最初に区別すべき三つの場面第2 職業紹介の定義及び許可・届出1 職業紹介の定義2 有料職業紹介及び無料職業紹介3 職業紹介に関する最高裁判例第3 募集情報等提供及び求人情報の表示1 募集情報等提供事業2 求人情報の的確な表示3 令和6年4月から追加された明示事項4 令和7年4月からの金銭等の提供及び利用料金の表示5 インターネット上の募集広告に表示する事項第4 社員紹介制度1 社員紹介と職業紹介事業の区別2 紹介した社員に対する報奨3 中間搾取の禁止との関係第5 公正な採用選考1 適性及び能力に基づく選考2 性別,年齢及び障害に関する規制3 履歴書様式及び採用時の質問第6 応募者の個人情報1 職業安定法上の取扱い2 要配慮個人情報及び第三者提供3 身元調査,SNS及びAIを利用した選考第7 出典1 法令及び省令2 裁判例3 法令に基づく指針4 所管行政機関の解説及び資料5 文献及び関連記事
第1 この記事の対象と基準日
1 この記事で扱う事項

この記事では,採用活動のうち,職業紹介と募集情報等提供の区別,求人情報の表示,社員紹介制度,公正な採用選考及び応募者の個人情報の取扱いを説明する。
法令及び行政資料は令和8年9月2日現在の内容に基づく。
募集後の面接,健康情報,内定,試用期間及び本採用拒否については,「中途採用における使用者側の留意点――募集・選考・内定・試用期間の実務(AI作成)」で詳しく説明している。

2 最初に区別すべき三つの場面

採用に関するサービスは,①求人者と求職者との雇用関係の成立をあっせんする職業紹介,②求人情報又は求職者情報を提供する募集情報等提供,③使用者が自ら労働者を募集する直接募集に大別できる。
名称が求人サイト,スカウト又は社員紹介であるかではなく,誰が,どの情報を,どのように選別,加工又は伝達し,雇用関係の成立にどこまで関与するかを確認する必要がある。

第2 職業紹介の定義及び許可・届出
1 職業紹介の定義

職業安定法4条1項は,職業紹介を,求人及び求職の申込みを受け,求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることと定義している。
単に求人情報を掲載するだけの場合と異なり,事業者が求人者又は求職者を選別し,両者の意思疎通を中継し,又は採用条件の調整に関与する場合は,職業紹介に該当する可能性がある。

厚生労働省の「職業紹介事業と募集情報等提供事業の区分」は,提供する情報を事業者の判断で選別すること,求人者又は求職者に応じて情報を加工すること及び意思疎通の内容を加工することなどを区分上の考慮要素として示している。
検索条件に従った機械的な絞込み又は利用者の閲覧履歴に基づく表示が直ちに職業紹介となるわけではないが,サービスの実態を個別に確認する必要がある。

2 有料職業紹介及び無料職業紹介

有料職業紹介事業を行うには,職業安定法30条に基づく厚生労働大臣の許可が必要である。
無料職業紹介事業についても同法33条の許可が原則であるが,学校等は33条の2,特別の法律により設立された法人等は33条の3,地方公共団体は29条に,届出等の特則が設けられている。33条の4は,公共職業安定所が学校等による職業紹介を援助する旨の規定である。

したがって,無償であれば常に許可又は届出が不要になるわけではない。
サービスの反復継続性,利用料その他の対価,事業者の関与方法及び適用される主体別の特則を確認する必要がある。

有料職業紹介の許可や届出手数料表があることと,特定の求人者に手数料の支払義務があることは別である。手数料に関する規制(職業安定法32条の3)及び明示義務(32条の13)を踏まえ,個別契約の料率,算定基礎,対象となる採用及び支払条件を確認する。手数料表の上限が,そのまま合意した料率になるわけではない。

派遣先が派遣労働者を直接雇用する場合の紹介手数料及びその他の費用については,派遣社員の直接雇用-雇用禁止条項,紹介手数料及び紹介予定派遣(AI作成)で説明している。

有料職業紹介における紹介手数料,直接採用・中抜き時の違約金,令和7年4月以後の明示義務及び条項例については,人材紹介の紹介手数料・違約金-直接採用条項の有効性と条項例(AI作成)で説明している。

3 職業紹介に関する最高裁判例

最高裁昭和29年3月11日判決(昭和27年(あ)第3626号,刑集8巻3号240頁)は,職業安定法上の雇用関係について,必ずしも民法上の雇用契約に限られないとの趣旨を示した。
職業紹介に該当するかを契約の名目だけで判断できないことを示す判例である。

最高裁平成6年4月22日判決(平成3年(オ)第1943号,民集48巻3号944頁)は,求人企業から依頼を受けて対象者を探索し,転職を勧誘して雇用関係の成立をあっせんするいわゆるスカウト行為が職業紹介に含まれ得ることを前提として,手数料に関する契約の効力を判断した。
同判決が参照した当時の定義規定は旧5条1項であり,現行法では4条1項に置かれている。

第3 募集情報等提供及び求人情報の表示
1 募集情報等提供事業

募集情報等提供とは,求人情報又は求職者情報を労働者になろうとする者又は求人者等に提供する事業であり,令和4年10月施行の改正職業安定法により規律が整備された。
求職者に関する情報を収集して募集情報等を提供する特定募集情報等提供事業者は,職業安定法43条の2に基づく届出を要する。

特定募集情報等提供事業者には,労働者になろうとする者への金銭等の提供に関する規制,事業概況報告,事業情報の公開,苦情処理及び個人情報の適正な管理等が課される。
制度の全体像及び届出様式は,厚生労働省の「募集情報等提供事業」で確認できる。

2 求人情報の的確な表示

職業安定法5条の4は,求人者,職業紹介事業者及び募集情報等提供事業者等に対し,求人等に関する情報について虚偽又は誤解を生じさせる表示をしてはならないと定めている。
また,正確かつ最新の内容に保つための措置を講じなければならない。

求人を終了したのに掲載を続けること,実際の業務と著しく異なる名称を用いること,又は固定残業代を基本給と区別せずに表示することは,応募者に誤解を生じさせる原因となる。
求人情報の掲載後も,募集の終了,労働条件の変更及び求人者からの訂正依頼を反映する運用が必要である。

3 令和6年4月から追加された明示事項

令和6年4月1日から,求人時に明示すべき労働条件として,①従事すべき業務の変更の範囲,②就業場所の変更の範囲及び③有期労働契約を更新する場合の基準が追加された。
更新上限がある場合は,通算契約期間又は更新回数の上限も明示する必要がある。

厚生労働省の「令和6年4月より,募集時等に明示すべき事項が追加されます」には,求人票の記載例が掲載されている。
求人広告,職業紹介事業者への求人申込み及び自社ウェブサイトの募集要項を同じ基準で点検するのが実務上有用である。

4 令和7年4月からの金銭等の提供及び利用料金の表示

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安全衛生管理体制の選任基準-総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医等(AIリライト)

第1 選任制度の全体像1 この記事の対象2 常時使用する労働者数の数え方3 六つの役割の比較4 選任期限及び届出第2 総括安全衛生管理者1 選任が必要となる事業場2 資格及び職務第3 安全管理者1 選任が必要となる業種及び規模2 資格3 専属と専任4 職務,巡視及び権限第4 衛生管理者1 選任人数及び資格2 専属,専任及び衛生工学衛生管理者3 職務,巡視及び権限第5 産業医1 選任人数,専属及び欠格事由2 資格要件3 職務,情報提供,勧告及び権限4 巡視及び50人未満の事業場第6 安全衛生推進者及び衛生推進者1 選任が必要となる事業場2 能力,専属及び周知3 職務及び能力向上教育第7 未選任の罰則及び統括安全衛生責任者との違い1 未選任の罰則2 統括安全衛生責任者との違い第8 労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタントの試験区分第9 関連記事第10 出典・参考資料1 法令2 行政資料及び試験案内
第1 選任制度の全体像
1 この記事の対象

事業者は,事業場の業種及び常時使用する労働者数に応じて,総括安全衛生管理者,安全管理者,衛生管理者,産業医,安全衛生推進者又は衛生推進者を選任する必要がある。
本記事は,令和8年9月2日現在の労働安全衛生法,労働安全衛生法施行令及び労働安全衛生規則に基づき,これらの選任基準,資格,職務,巡視,届出及び罰則を整理するものである。

選任義務は,企業全体の人数ではなく,工場,支店,店舗等の「事業場」を単位として判断する。
同じ会社に複数の事業場がある場合,各事業場について業種及び労働者数を確認する必要がある。

2 常時使用する労働者数の数え方

厚生労働省は,「常時使用する労働者の数」とは,日雇労働者,パートタイマー等の臨時的労働者を含む,常態として使用する労働者の数であるとしている。
派遣中の労働者は,原則として派遣先と派遣元の双方で数えるが,安全管理者については選任義務が派遣先事業場にだけ課されるため,派遣先において数える。

3 六つの役割の比較
役割主な選任対象主な役割総括安全衛生管理者業種に応じて常時100人,300人又は1000人以上安全管理者,衛生管理者等を指揮し,安全衛生業務を統括する。安全管理者法定の業種で常時50人以上安全に関する技術的事項を管理する。衛生管理者全業種で常時50人以上衛生に関する技術的事項を管理する。産業医全業種で常時50人以上医学的立場から労働者の健康管理等を行う。安全衛生推進者安全管理者の選任対象業種で常時10人以上50人未満安全及び衛生に関する業務を担当する。衛生推進者上記以外の業種で常時10人以上50人未満衛生に関する業務を担当する。

安全管理者,衛生管理者及び産業医は,いずれも常時50人以上のすべての事業場で一律に必要となるわけではない。
安全管理者は業種による限定があるのに対し,衛生管理者及び産業医は業種を問わず必要となる点に注意を要する。

4 選任期限及び届出

総括安全衛生管理者,安全管理者,衛生管理者及び産業医は,選任すべき事由が生じた日から14日以内に選任し,遅滞なく所轄労働基準監督署長へ報告する必要がある。
令和7年1月1日以降,これらの選任報告を含む労働安全衛生関係の一部手続は,原則として電子申請によることが義務化されている。

安全衛生推進者及び衛生推進者も,選任すべき事由が生じた日から14日以内に選任する必要があるが,労働基準監督署長への選任報告は不要である。
ただし,選任した者の氏名を事業場の見やすい箇所に掲示するなどして,関係労働者に周知しなければならない。

第2 総括安全衛生管理者
1 選任が必要となる事業場

総括安全衛生管理者の選任基準は,次のとおりである。

業種常時使用する労働者数林業,鉱業,建設業,運送業及び清掃業100人以上製造業(物の加工業を含む。),電気業,ガス業,熱供給業,水道業,通信業,各種商品卸売業,家具・建具・じゅう器等卸売業,各種商品小売業,家具・建具・じゅう器小売業,燃料小売業,旅館業,ゴルフ場業,自動車整備業及び機械修理業300人以上その他の業種1000人以上
2 資格及び職務

総括安全衛生管理者には,特別の免許又は国家資格は要求されていない。
もっとも,事業の実施を実質的に統括管理する権限及び責任を有する者を選任しなければならないため,形式的な肩書だけで判断することはできない。

総括安全衛生管理者は,安全管理者,衛生管理者又は労働安全衛生法第25条の2第2項に基づく技術的事項を管理する者を指揮するとともに,労働者の危険又は健康障害を防止する措置,安全衛生教育,健康診断その他の健康保持増進措置,労働災害原因の調査及び再発防止対策等を統括管理する。
総括安全衛生管理者が旅行,疾病等により職務を行うことができないときは,代理者を選任する必要がある。

第3 安全管理者
1 選任が必要となる業種及び規模

安全管理者は,常時50人以上の労働者を使用する事業場のうち,次の業種で選任する必要がある。
①林業,鉱業,建設業,運送業及び清掃業
②製造業(物の加工業を含む。),電気業,ガス業,熱供給業,水道業,通信業,各種商品卸売業,家具・建具・じゅう器等卸売業,各種商品小売業,家具・建具・じゅう器小売業,燃料小売業,旅館業,ゴルフ場業,自動車整備業及び機械修理業

2 資格

安全管理者は,安全管理者選任時研修を修了し,大学又は高等専門学校の理科系課程卒業後2年以上,高等学校又は中等教育学校の理科系課程卒業後4年以上等の産業安全の実務経験を有する者のほか,労働安全コンサルタントその他厚生労働大臣が定める者から選任する。
学歴,専攻,実務経験及び研修の組合せには細かな要件があるため,個別の候補者について法令及び研修実施機関の案内を確認する必要がある。

3 専属と専任

安全管理者は,原則としてその事業場に専属の者を選任する。
安全管理者を2人以上選任する場合において,そのうち1人を労働安全コンサルタントから選任するときは,当該コンサルタントについて専属要件の例外が認められる。

「専属」はその事業場に所属することを意味し,「専任」は通常の勤務時間を専ら安全管理者の職務に充てることを意味する。
次の事業場では,安全管理者のうち少なくとも1人を専任とする必要がある。

業種等常時使用する労働者数等建設業,有機化学工業製品製造業及び石油製品製造業300人以上無機化学工業製品製造業,化学肥料製造業,道路貨物運送業及び港湾運送業500人以上紙・パルプ製造業,鉄鋼業及び造船業1000人以上その他の安全管理者選任対象業種2000人以上で,過去3年間の休業1日以上の死傷者数の合計が100人を超える事業場
4 職務,巡視及び権限

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労働者派遣法の基本-禁止業務,期間制限,派遣契約及び違法派遣(AIリライト)

第1 労働者派遣法の対象と基本構造

1 この記事の対象と基準日
2 派遣元,派遣先及び派遣労働者の関係
3 労働者供給,請負及び在籍型出向との違い

第2 労働者派遣法の沿革

1 制定から対象業務の原則自由化まで
2 平成15年,平成24年及び平成27年改正
3 令和2年以降の均等・均衡待遇

第3 禁止又は制限される労働者派遣

1 港湾運送業務,建設業務及び警備業務
2 病院等における医療関係業務
3 日雇派遣
4 労働争議中の派遣及び有害業務

第4 労働者派遣契約

1 法定の記載事項
2 基本契約と個別契約
3 派遣労働者を特定する行為
4 中途解除と費用負担

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従業員の健康診断-対象者・検査項目・費用・事後措置(AIリライト)

第1 本記事の対象と基準日第2 職場の健康診断の種類1 一般健康診断2 特殊健康診断第3 健康診断の対象となる労働者1 「常時使用する労働者」2 短時間・有期契約の労働者3 派遣労働者第4 雇入時の健康診断1 目的と時期2 検査項目3 3か月以内の健康診断結果の利用第5 定期健康診断1 実施頻度と検査項目2 項目を省略できる場合3 現行の血糖検査第6 労働者の受診義務と他の医師の利用第7 健康診断の費用と受診時間の賃金1 法定健康診断の費用2 受診に要する時間の賃金第8 結果の通知・保存・医師の意見及び事後措置1 結果の通知と5年間の保存2 医師等の意見の聴取3 就業上の措置と保健指導第9 労働基準監督署への結果報告第10 健康情報の取扱い1 収集・保管・使用の範囲2 取扱者と社内共有の限定第11 健康診断に関する裁判例1 最高裁昭和61年3月13日第一小法廷判決2 千葉地裁平成12年6月12日判決第12 令和9年4月1日からの改正第13 人間ドックの税務と関連記事1 人間ドック費用の給与課税2 関連記事第14 出典・参考資料1 法令・告示・通達2 裁判例3 行政資料
第1 本記事の対象と基準日

本記事は,一般の事業場における雇入時の健康診断と定期健康診断を中心に,対象者,検査項目,費用,結果に基づく事後措置及び健康情報の取扱いを整理するものである。
有害業務ごとの特殊健康診断は種類が多く,業務ごとに根拠法令と項目が異なるため,本記事では概要にとどめる。

本記事は,令和8年9月2日現在施行されている法令及び同日までに公表された行政資料に基づく。
令和9年4月1日からの検査項目の変更は公布済みであるが,まだ施行されていないため,第12で現行制度と区別して説明する。

第2 職場の健康診断の種類
1 一般健康診断

労働安全衛生法66条1項に基づく一般健康診断には,雇入時の健康診断,定期健康診断,特定業務従事者の健康診断,海外派遣労働者の健康診断等がある。
事業場附属の食堂又は炊事場で給食業務に従事する労働者には,雇入れ又は配置換えの際の検便も必要である。

種類主な対象実施時期雇入時の健康診断常時使用する労働者雇入れの際定期健康診断常時使用する労働者1年以内ごとに1回特定業務従事者の健康診断深夜業を含む業務等に常時従事する労働者配置換えの際及び6か月以内ごとに1回海外派遣労働者の健康診断6か月以上海外へ派遣する労働者派遣前及び帰国後給食従業員の検便事業場附属の食堂又は炊事場の給食従事者雇入れ又は配置換えの際
2 特殊健康診断

労働安全衛生法66条2項及び3項等に基づく特殊健康診断は,有機溶剤,鉛,特定化学物質,電離放射線,石綿等の有害業務に伴う健康障害を早期に把握するためのものである。
定期健康診断だけを実施しても,該当する有害業務の特殊健康診断に代えることはできない。

第3 健康診断の対象となる労働者
1 「常時使用する労働者」

雇入時の健康診断と定期健康診断の対象は,「常時使用する労働者」である。
対象となるかは正社員,契約社員,パートタイマー又はアルバイトという名称ではなく,契約期間と週所定労働時間によって判断する。

2 短時間・有期契約の労働者

短時間労働者については,次の①及び②の両方を満たす場合,法定の一般健康診断の対象となる。

①期間の定めのない労働契約により使用される者,又は有期契約であっても,契約期間が1年以上である者,更新により1年以上使用される予定の者,又はすでに1年以上引き続き使用されている者であること。
特定業務に従事する短時間労働者については,この期間は6か月である。
②1週間の労働時間数が,同じ事業場で同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。

①を満たし,週所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満であっても,おおむね2分の1以上である者については,一般健康診断を実施することが望ましいとされている。
この判断基準は,健康保険・厚生年金保険の加入要件とは別のものである。

3 派遣労働者

派遣労働者の雇入時健康診断や定期健康診断などの一般健康診断は,原則として派遣元事業者が実施する。
これに対し,派遣先の有害業務に係る特殊健康診断は派遣先事業者が実施するため,両者の連絡調整が必要である。

第4 雇入時の健康診断
1 目的と時期

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令和8年10月1日施行の改正同一労働同一賃金ガイドラインに基づき,民間企業で対応が必要な事項(AI作成)

第1 改正の対象と企業対応の出発点

1 令和8年10月1日に変わるもの
2 対象となる労働者を先に分類する
3 最初に作成すべき待遇一覧表

第2 新たに明記された六つの待遇と記載が拡充された待遇

1 六つの新規項目
2 賞与及び病気休職・病気休暇
3 六項目以外の待遇も点検する

第3 雇入れ時の明示と待遇差の説明方法

1 労働条件通知書等への追加事項
2 説明資料に必要な内容
3 説明不足が実体判断にも影響する

第4 待遇差を判断する法的枠組み

1 待遇ごとに性質・目的を認定する
2 規程と人事運用の実態を一致させる
3 抽象的な人材確保目的は免責理由にならない
4 定年後再雇用及び無期転換

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「労働者性」の判断基準-労基法・労契法・労組法の違いと主要判例(AIリライト)

第1 この記事の対象と調査の基準日1 この記事が扱う労働者性2 契約書の名称だけでは決まらないこと第2 労基法・労契法上の労働者の定義1 労働基準法9条と同法11条2 労働契約法2条1項第3 昭和60年報告の判断枠組み1 使用従属性の2つの柱2 指揮監督下の労働を示す事情3 報酬の労務対償性4 判断を補強する要素第4 労基法上の主要な最高裁判例1 結論だけでなく判断事実を比較すること第5 業種・働き方に応じた判断1 建設業の手間請け従事者と芸能関係者2 フリーランスとチェックリスト3 プラットフォーム就労と検討中の論点第6 労組法上の労働者性1 労基法とは目的が異なること2 平成23年報告の6つの判断要素3 労組法上の主要な最高裁判例4 労働者性と使用者性を分けること5 プラットフォーム配達員の例第7 労災保険・雇用保険その他の法律との関係1 労災保険と特別加入2 在宅勤務者の雇用保険3 労働安全衛生法と最低賃金法の定義上の除外第8 労働者性を検討するための資料1 判断要素と客観資料を対応させること2 外形的な取扱いの限界第9 関連記事第10 出典・参考資料1 法令2 裁判例・労働委員会命令・行政処分3 所管行政機関の報告・解説・運用資料4 文献
第1 この記事の対象と調査の基準日
1 この記事が扱う労働者性

この記事は,労働基準法・労働契約法上の労働者と,労働組合法上の労働者の定義,判断要素及び主要な裁判例を整理するものである。
税務,健康保険・厚生年金保険及びフリーランス法との横断的な関係は,税務・労働法・社会保険におけるフリーランスの労働者性で別に整理している。

この記事は,令和8年9月2日現在の法令,裁判例及び公開行政資料に基づく。
厚生労働省の「労働基準法における『労働者』に関する研究会」は同日現在で検討中であり,後述の「これまでの議論の整理(案)」は現行法を変更する最終報告ではない。

2 契約書の名称だけでは決まらないこと

請負,委任,準委任,業務委託又はフリーランスという契約名称だけで,労働者性は決まらない。
契約条項と実際の運用が異なるときは,仕事を断る自由,具体的な指示,時間・場所の拘束,報酬の計算方法,代替性,機械器具・経費の負担及び損益の帰属等の就労実態を総合して判断する。

労働者性と,労働契約がどの期間について成立したかは別の問題である。例えば,医師が確定済みの当直中は病院の指揮命令下で診療する労働者であっても,将来の当直依頼を自由に断れることなどから,将来の勤務枠を含む継続契約が成立していない場合がある。反対に,将来のシフトを断る自由があるという一事情だけで,実施済みの勤務中の労働者性が否定されるわけではない。スポット勤務における契約単位の判断は,スポット勤務医師の労働契約は一勤務ごとか―定期非常勤との区別,確定シフトの取消し・雇止め・証拠(AI作成)参照。

第2 労基法・労契法上の労働者の定義
1 労働基準法9条と同法11条

労働基準法9条は,労働者を,職業の種類を問わず,事業又は事務所に使用される者で,賃金を支払われる者と定義している。
同法11条は,賃金を,名称にかかわらず,労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものと定義している。

したがって,労基法上の中心的な問いは,①他人の指揮監督下で労務を提供しているか及び②その労務の対償として報酬を受けているかである。
契約当事者が使用する名称や,請求書・開業届の有無は,この問いに代わるものではない。

2 労働契約法2条1項

労働契約法2条1項は,労働者を,使用者に使用されて労働し,賃金を支払われる者と定義する。
同項は労基法9条のように「事業又は事務所」に使用されることを要件としていないが,その他の基本的な判断枠組みは労基法上の労働者性と共通すると解されている。

第3 昭和60年報告の判断枠組み
1 使用従属性の2つの柱

労働基準法研究会の昭和60年12月19日報告は,「指揮監督下の労働」と「報酬の労務対償性」からなる使用従属性を中心とし,事業者性や専属性等を補強要素とする判断枠組みを示した。
個々の要素の有無を数えるのではなく,契約,仕事の性質及び実際の運用を踏まえて総合判断する。

2 指揮監督下の労働を示す事情
判断要素主に確認する事実評価上の留意点仕事の依頼等に対する諾否の自由個別の仕事を断れるか,拒否時の不利益,過去の拒否実績契約上は断れても,拒否後に発注を停止する運用があれば実質的な自由は乏しい業務遂行上の指揮監督作業内容・方法の指示,報告,検査,評価,規律及び不利益措置注文内容,安全上の注意又は施設利用時間の指定のように,請負等でも必要となる指示かどうかを分ける時間的・場所的な拘束始業・終業時刻,休憩,休日,勤務場所の指定及び勤怠管理業務の性質から当然に必要な制約か,労務の利用に対する管理かを確認する代替性本人の判断で補助者又は代替者を使えるか,代替実績本人が自ら労務を提供しなければならないことは,指揮監督関係を補強する
3 報酬の労務対償性

時給,日給又は月給のように労務提供の時間を基礎とし,欠勤控除や残業手当に相当する仕組みがあることは,報酬の労務対償性を肯定する方向に働く。
他方,成果物の完成と検収に対して報酬が発生し,成果未完成の危険を受託者が負う仕組みは,独立した事業者性を示す事情となり得る。

報酬が時間単価で計算されることは重要な事情であるが,それだけで労働者性が決まるものではない。

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公益通報者保護法と公益通報制度―通報先・証拠保全・令和7年改正(AI作成)

1 総論
2 令和4年6月1日施行の改正公益通報者保護法の概要
3 令和7年改正法の概要(令和8年12月1日施行)
4 通報先の選択,証拠保全及び紛争対応

(1) 通報先の選択
(2) 通報書面及び証拠の作り方
(3) 不利益な取扱いを争う場合の主張立証
(4) 事業者が通報を受けた場合の初動

5 消費者庁の指針に関するパブコメへの意見
6 消費者庁の指針及びその解説

(5) コーポレートガバナンス・コード原則2-3と内部通報制度

7 消費者庁が指針に関して内閣法制局に説明していた内容
8 公益通報制度に関する弁護士会の懲戒事例
9 裁判所の公益通報制度,関連裁判例その他

1 総論
公益通報者保護法の保護を受けるための要件は,通報先と通報者の立場によって異なります。本稿はAIで作成したものであり,令和4年6月1日施行改正後の現行法,令和8年12月1日に施行される令和7年改正法,通報先の選択,証拠保全,不利益な取扱いを争う場合の立証及び事業者の初動対応を整理します。

(1) 公益通報者保護法(平成16年6月18日法律第122号)は平成18年4月1日に施行されました。
(2) 公益通報者保護制度は,国民生活の安心や安全を脅かすことになる事業者の法令違反の発生と被害の防止を図る観点から,労働者,派遣労働者,通報日前1年以内の退職者及び役員が,不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく,勤務先等における一定の法令違反を通報した場合に,解雇その他の不利益な取扱いから保護する制度です。通報先には,①事業者内部,②処分又は勧告等をする権限を有する行政機関等及び③一定の要件を満たす場合の報道機関等があり,通報先ごとに保護要件が異なります(e-Gov法令検索「公益通報者保護法」及び消費者庁HPの「通報者の方へ」参照)。
(3) 消費者庁消費者制度課が令和2年2月及び3月に内閣法制局に提出した,公益通報者保護法の一部を改正する法律案に関する説明資料及び用例集を掲載しています。

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男女雇用機会均等法の内容・改正経過・主要判例(AIリライト)

第1 男女雇用機会均等法の対象と全体像

1 法律の目的と適用場面
2 労働基準法等との役割分担

第2 性別差別及び不利益取扱いの禁止

1 直接差別
2 間接差別
3 ポジティブ・アクション
4 婚姻,妊娠及び出産等を理由とする不利益取扱い

第3 事業主が講ずべき措置

1 職場のセクシュアルハラスメント
2 妊娠・出産等に関するハラスメント
3 母性健康管理,均等推進者及び派遣先

第4 令和8年10月1日施行の改正

1 求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策
2 指針が定める十一の措置
3 条番号の繰下げ

第5 紛争解決及び履行確保

1 自主的解決,労働局長の援助及び調停
2 報告徴収,企業名公表及び過料

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個人事業税とは-弁護士(第三種事業)の税率・事業主控除・確定申告時の申告要否(AIリライト)

目次第1 個人事業税とは1 課税対象となる事業と弁護士業の区分2 税率と事業主控除第2 所得税の確定申告をしていれば個人事業税の申告は不要であること第3 個人事業税額の計算と納付後の扱い1 事業主控除の月割額と自動計算ツール2 納付した個人事業税は必要経費に算入できること出典
第1 個人事業税とは
1 課税対象となる事業と弁護士業の区分

個人事業税は,都道府県内に事務所又は事業所を設けて,地方税法72条の2第3項が定める第一種事業,第二種事業又は第三種事業のいずれかを営む個人に課される都道府県税である。同条第8項は物品販売業,不動産貸付業,製造業等37業種を第一種事業と定め,第9項は畜産業,水産業,薪炭製造業の3業種を第二種事業と定め,第10項は医業,弁護士業,税理士業,公認会計士業等30業種を第三種事業と定めている。弁護士業は同項8号に掲げられており,第三種事業に区分される。

2 税率と事業主控除

個人事業税の額は,事業所得等から必要経費及び各種控除を差し引いた課税標準額に,事業区分ごとの税率を乗じて算出する(地方税法72条の49の17)。標準税率は,第一種事業が5%,第二種事業が4%であり,第三種事業も原則5%であるが,あん摩・マッサージ又は指圧,はり,きゅう,柔道整復その他の医業に類する事業及び装蹄師業に限り3%とされている。弁護士業は第三種事業のうち5%の対象業種であるから,弁護士は,事業所得の金額から事業主控除額290万円を控除した金額の5%を,個人事業税として納付することになる。

事業主控除額は,事業を行った期間が1年に満たない場合には月割りとなる(地方税法72条の49の14)。また,所得税の青色申告特別控除額は,個人事業税の課税標準の計算上考慮されないため,所得税の確定申告書に記載された事業所得の金額(青色申告特別控除後の金額)に青色申告特別控除額を加算した,いわば青色申告特別控除前の所得金額を基準に,事業主控除額290万円を超えるかどうかを判断することになる。個人事業税の対象業種一覧及び税率は,大阪府「個人事業税」のページ及び東京都主税局「個人事業税」のページにも一覧表の形で掲載されている。

第2 所得税の確定申告をしていれば個人事業税の申告は不要であること

個人事業税の納税義務者は,原則として,当該年度の初日の属する年の3月15日までに,前年中の事業の所得等を,事務所又は事業所所在地の都道府県税事務所(東京都の場合は都税事務所・支庁)に申告しなければならない(地方税法72条の55第1項)。もっとも,当該納税義務者が前年分の所得税の確定申告書又は個人住民税の申告書を提出した場合には,当該申告書が提出された日に個人事業税の申告があったものとみなされる(同法72条の55の2第1項)。この点について,東京都主税局「個人事業税」のページは次のとおり案内している。

個人で事業を営んでいる方は、毎年3月15日までに前年中の事業の所得などを、都税事務所(都税支所)・支庁に申告することになっています。ただし、所得税の確定申告や住民税の申告をした方は個人の事業税の申告をする必要はありません。この場合には、それぞれの申告書の「事業税に関する事項」欄に必要事項を記入してください。

なお、上記に関わらず年の中途で事業を廃止した場合は、所得税の確定申告や住民税の申告とは別に、廃止の日から1か月以内(死亡による廃止の場合は4か月以内)に個人の事業税の申告をしなければなりません。

したがって,所得税の確定申告又は住民税の申告を行っている個人事業主は,個人事業税について別途の申告書を提出する必要はなく,各申告書の「事業税に関する事項」欄に必要事項を記載すれば足りる。ただし,年の中途で事業を廃止した場合は,所得税の確定申告や住民税の申告とは別に,廃止の日から1か月以内(納税義務者の死亡による廃止の場合は4か月以内)に,個人事業税の申告をしなければならない点に注意を要する。

第3 個人事業税額の計算と納付後の扱い
1 事業主控除の月割額と自動計算ツール

事業を行った期間が1年に満たない場合の事業主控除額は,290万円に事業を行った月数を乗じて12で除した金額となり(地方税法72条の49の14第2項),1か月に満たない端数は1か月として計算する(同条第3項)。月数ごとの事業主控除額は,次のとおりである。

事業を行った月数事業主控除額

1か月242,000円
2か月484,000円
3か月725,000円
4か月967,000円
5か月1,209,000円
6か月1,450,000円
7か月1,692,000円
8か月1,934,000円
9か月2,175,000円
10か月2,417,000円
11か月2,659,000円

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開業届・青色申告承認申請書・青色事業専従者給与届-違いと期限(AI作成)

目次

第1 3種類の書類の違い1 本記事の対象2 対象・期限・効果の一覧第2 個人事業の開業・廃業等届出書1 対象となる事実2 現在の提出期限3 開業届と所得区分の関係第3 所得税の青色申告承認申請書1 対象者と提出期限2 令和8年分までの主な効果3 少額減価償却資産の特例4 令和9年分以後の青色申告特別控除第4 青色事業専従者給与に関する届出書1 親族への給与に関する原則と例外2 届出期限と必要経費になる範囲3 届出内容を変更する場合4 所得税法56条に関する最高裁判例第5 給与を支払う場合等の追加手続1 開業時の条件別チェック2 弁護士が独立開業する場合第6 間違えやすい点1 3種類の書類は一括の届出ではないこと2 青色申告者でなくても記帳が必要であること3 期限内提出と実際の処理を分けて確認すること第7 関連記事第8 出典1 法令2 所管行政機関の解説・手続案内3 裁判例
第1 3種類の書類の違い
1 本記事の対象

本記事は,令和8年9月7日現在,個人が事業を始めるときに関係する「個人事業の開業・廃業等届出書」,「所得税の青色申告承認申請書」及び「青色事業専従者給与に関する届出書」の役割,提出期限及び効果を説明するものである。
これらは相互に代用できず,青色申告を選ぶか,生計を一にする親族へ給与を支払うかによって必要な書類が変わる。

2 対象・期限・効果の一覧

3種類の書類の基本的な違いは,次のとおりである。

書類主な対象主な提出期限主な効果
個人事業の開業・廃業等届出書事業所得,不動産所得又は山林所得を生ずべき事業を新たに開始した人事業開始等の事実があった日の属する年分の所得税の確定申告期限まで事業を開始した事実等を税務署へ届け出る所得税の青色申告承認申請書青色申告の承認を受けたい人原則として青色申告をしようとする年の3月15日まで。ただし,その年の1月16日以後に業務を開始した場合は開始日から2か月以内承認後,青色申告書を提出できる青色事業専従者給与に関する届出書生計を一にする親族への給与を青色事業専従者給与として必要経費に算入したい青色申告者原則として適用を受ける年の3月15日まで。ただし,その年の1月16日以後に開業し,又は新たに専従者がいることとなった場合はその日から2か月以内届出内容に従って実際に支払った相当な給与について,必要経費算入の前提を満たす

提出期限が土曜日,日曜日又は祝日等に当たる場合は,原則としてその翌日が期限となる。
相続による事業承継には青色申告承認申請の特則があるため,通常の開業と同じ期限で処理しないことが必要である。

第2 個人事業の開業・廃業等届出書
1 対象となる事実

開業届の正式名称は,「個人事業の開業・廃業等届出書」である。
所得税法229条は,国内で不動産所得,事業所得又は山林所得を生ずべき事業を新たに開始した場合のほか,当該事業の事務所等を設け,移転し,又は廃止した場合などを届出の対象としている。

国税庁の「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」には,書式,記載要領,提出先及び提出方法が掲載されている。
提出先は原則として納税地を所轄する税務署長であり,e-Taxのほか,書面の持参又は送付による提出もできる。

2 現在の提出期限

現在の提出期限は,事業開始等の事実があった日の属する年分の所得税の確定申告期限までである。
開業の日から1か月以内とする旧い説明は,現在の新規開業についての提出期限を示すものではない。

開業届の期限と青色申告承認申請書の期限は同じではない。
例えば,その年の1月16日以後に開業して同年分から青色申告を希望する場合,青色申告承認申請書は原則として開業日から2か月以内であるため,開業届より先に期限が来ることがある。

3 開業届と所得区分の関係

開業届を提出したことだけで,その活動から生ずる所得が当然に事業所得となるわけではない。
国税庁の所得税基本通達35-2は,事業所得に当たるかどうかを,その所得を得るための活動が社会通念上事業と称するに至る程度で行われているかどうかによって判定するとしている。

同通達は,帳簿書類の保存がない場合について業務に係る雑所得とする取扱いを示しているが,帳簿を保存していることだけで事業所得になるとは定めていない。
開業届,帳簿保存及び所得区分の判定は,それぞれ別の問題である。

第3 所得税の青色申告承認申請書

(続きを読む...)開業届・青色申告承認申請書・青色事業専従者給与届-違いと期限(AI作成)

福利厚生費の税務上の取扱い-給与・交際費との区分と食事・社員旅行の基準(AI作成)

目次

第1 福利厚生費を判断する二つの軸1 本記事の対象2 給与課税と交際費等を別々に判定する第2 給与として課税しない福利厚生の基本的な考え方1 現物給付でも給与になり得る2 対象者の範囲と社会通念上の相当性3 現金支給と選択可能な給付第3 食事の支給と月額7,500円の基準1 令和8年4月1日以後の二つの要件2 要件を外れたときは会社負担額全体が給与となる3 現金による食事補助と時間外勤務の食事第4 従業員レクリエーション旅行1 旅行の内容を総合して判断する2 参加割合50%は絶対的な要件ではない3 一人当たり10万円という一律の上限は示されていない4 高額な旅行を給与とした裁決及び裁判例第5 記念品,慶弔金,福利厚生施設及び研修費1 創業記念品と永年勤続表彰2 福利厚生施設と研修費3 慶弔金及び見舞金第6 福利厚生費と交際費等との区分1 従業員を対象とする社内行事2 委託先従業員等を含む場合3 「感謝の集い」を交際費等としなかった裁判例第7 福利厚生費として扱えない場合の税務上の分岐1 給与となる場合の源泉徴収2 交際費等又は役員給与となる場合第8 支給前後に確認しておく資料1 制度設計の段階2 支出項目ごとの記録第9 出典・参考資料1 法令2 所管行政機関の通達・解説・Q&A3 裁判例・裁決4 関連記事
第1 福利厚生費を判断する二つの軸
1 本記事の対象

本記事は,令和8年9月6日現在の公表資料に基づき,会社が役員又は従業員のために支出する食事,レクリエーション旅行,記念品,慶弔金,福利厚生施設及び研修費を主な対象とする。
福利厚生費に含まれ得る支出を網羅するものではなく,個々の支出について給与課税又は交際費等の問題が生じる場面を中心に整理する。

2 給与課税と交際費等を別々に判定する

福利厚生費の税務上の取扱いには,①役員又は従業員が受けた利益を給与として課税するかという所得税の問題と,②会社の支出が交際費等に当たるかという法人税の問題がある。
会社が帳簿上「福利厚生費」としたことだけでいずれの結論も決まらず,受益者,支給方法,対象者の範囲,目的,金額及び内容をそれぞれの基準に当てはめる必要がある。

役員又は従業員が雇用関係等に基づいて受ける金銭以外の経済的利益も,所得税法28条及び36条による給与所得の対象となり得る。
他方,租税特別措置法関係通達61の4(1)-1は,福利厚生費及び給与等の性質を有するものを交際費等に含まれないものとしており,給与に当たることと交際費等に当たることは同じ判定ではない。

第2 給与として課税しない福利厚生の基本的な考え方
1 現物給付でも給与になり得る

会社が費用を直接支払い,従業員が現金を受け取らない場合でも,従業員が自己のための物品又はサービスを無償又は低額で受ければ経済的利益が生じ得る。
福利厚生という目的があることだけで直ちに非課税になるのではなく,法令及び所得税基本通達が定める非課税の取扱いに該当するかを確認することになる。

2 対象者の範囲と社会通念上の相当性

所得税基本通達36-29及び36-30は,福利厚生施設の利用又は社会通念上一般的なレクリエーション行事について,一定の場合に課税しなくて差し支えないとしている。
経済的利益が著しく多額である場合,役員だけを対象とする場合又は私的な利益の性質が強い場合には,この取扱いから外れる可能性が高くなる。

職種,勤務地,勤続年数その他の合理的な基準による区分が直ちに否定されるわけではないが,一部の者だけを恣意的に優遇する支給とは区別する必要がある。
対象者,除外理由及び支給基準をあらかじめ明確にすることは,その区分が合理的であるかを後に確認する資料となる。

3 現金支給と選択可能な給付

現金は受給者が自由に処分できるため,現物による福利厚生と同じ非課税の取扱いを当然には受けない。
レクリエーション行事に参加しなかった者への代替金,記念品に代わる現金又は現金との選択が可能な旅行は,給与課税の対象となる取扱いが示されている。

商品券その他の換金性の高い給付も,単に名称を「記念品」又は「福利厚生」とするだけでは足りない。
給付の方法を設計するときは,現物の内容だけでなく,現金選択の有無及び不参加者への取扱いも確認する必要がある。

第3 食事の支給と月額7,500円の基準
1 令和8年4月1日以後の二つの要件

国税庁タックスアンサーNo.2594によれば,令和8年4月1日以後,役員又は使用人に支給する食事が給与として課税されないためには,①本人が食事の価額の半分以上を負担し,かつ,②食事の価額から本人負担額を控除した会社負担額が1か月当たり7,500円以下であることが必要である。
7,500円以下かどうかは消費税及び地方消費税を除いた金額で判定し,10円未満の端数は切り捨てる。

食事の価額は,弁当等を購入して支給する場合には業者への購入額であり,社員食堂で会社が調理する場合には材料費及び調味料等の直接費の合計額である。
会社負担額だけを見ず,食事の価額と本人負担割合の双方を計算する必要がある。

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国税実務の基礎-税務調査,予定納税,納付方法及び電子帳簿保存(AIリライト)

第1 この記事の対象第2 税務調査1 税務調査と行政指導2 質問検査権と「任意」の意味3 事前通知と無予告調査4 調査終了時の手続5 本ブログ掲載資料と詳説記事第3 予定納税1 対象者と予定納税基準額2 通知と二回の納付3 予定納税額の減額申請4 確定申告での精算第4 国税の納付方法1 選択できる納付手段2 スマホアプリ納付3 納期限と納付記録第5 電子帳簿等保存制度1 三つの区分2 電子取引データの保存3 オンライン購入の領収書4 税務調査に備えた確認第6 関連記事第7 出典・参考資料1 法令2 国税庁資料
第1 この記事の対象

本記事は,所得税,法人税,地方法人税及び消費税等について,税務調査の基本手続,個人の所得税の予定納税,国税の納付手段並びに電子取引データの保存を横断的に確認するための案内記事である。
調査の基準日は令和8年9月9日であり,法令は同日施行法令,国税庁資料は同日までに確認できた最新版を基準としている。

税額計算,記帳代行,給与計算,資本金別の税制上の取扱い及び個別の不服申立ては,制度と検索意図が異なるため扱わない。
税務調査の詳しい準備と対応は,税務調査に関するメモ書き-事前通知,帳簿データ,質問応答記録書及びAI活用(AI作成)で説明している。

第2 税務調査
1 税務調査と行政指導

国税庁は,特定の納税者の課税標準等又は税額等を認定する目的で質問検査等を行い,申告内容を確認するものを「調査」と説明している。
これに対し,申告書の計算誤り,転記誤り又は記載漏れ等について自発的な見直しを求め,必要に応じて修正申告書の提出を要請する連絡は,行政指導として行われることがある。

税務署から連絡を受けた場合は,まず調査と行政指導のいずれであるか,対象税目及び対象期間を確認する必要がある。
両者は手続上の位置付けが異なるためである。

2 質問検査権と「任意」の意味

国税通則法74条の2は,所得税,法人税,地方法人税及び消費税等の調査について,質問,帳簿書類その他の物件の検査並びに物件の提示又は提出の要求を定めている。
通常の税務調査は令状による直接強制を伴う犯則調査ではないが,同法128条は,正当な理由のない不答弁,虚偽答弁,検査の拒否等について罰則を定めている。

したがって,通常の税務調査が「任意調査」と呼ばれることは,適法な質問検査に自由に応じなくてよいことを意味しない。
他方,質問検査等の権限は犯罪捜査のために認められたものではないと同法74条の8が定めており,行政調査と犯則調査又は刑事捜査は区別する必要がある。

3 事前通知と無予告調査

実地の調査を行う場合,国税通則法74条の9により,原則として調査開始日時,場所,目的,対象税目,対象期間及び対象となる帳簿書類等が事前に通知される。
通知された日時又は場所について合理的な理由を付して変更を求めたときは,税務署長等は協議するよう努めるものとされている。

もっとも,事前通知により違法又は不当な行為を容易にし,正確な税額等の把握を困難にするおそれその他調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合は,同法74条の10により事前通知をしないことがある。
無予告で職員が来訪した場合も,身分証明書,調査の根拠,対象税目及び対象期間を確認し,その場で判断できない事項は税理士等へ連絡して対応を整理するのが実務的である。

4 調査終了時の手続

国税通則法74条の11によれば,更正決定等をすべきと認められない場合は,その時点でその旨が書面により通知される。
更正決定等をすべきと認める場合は,調査結果の内容及び理由が説明され,修正申告又は期限後申告が勧奨されることがある。

修正申告は納税者自身の申告であるため,その修正申告自体に不服申立てをすることはできないが,更正の請求をすることができる旨の説明と書面交付が予定されている。
提出前に,増差税額,加算税,対象年分,事実認定及び法令適用を確認することが重要である。

5 本ブログ掲載資料と詳説記事

本ブログには,税務調査とその周辺手続を確認するための次の開示文書等を掲載している。

調査における法律的知識(わかりやすくマンガで解説!!)(平成27年6月の東京国税局課税第二部法人課税課の文書)質問応答記録書作成の手引(平成29年6月の国税庁課税総括課作成の文書)税務官署から事件記録等の閲覧謄写の要請があった場合の取扱いについて(平成3年10月31日付の最高裁判所総務局長の事務連絡)

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eLTAX(エルタックス)の使い方-PCdesk・電子納付・令和9年改正(AI作成)

第1 eLTAXの意味とこの記事の対象1 この記事の基準日と対象2 eLTAXとe-Taxの違い3 地方公共団体への共通窓口第2 PCdeskの種類と事前準備1 DL版,WEB版,SP版及びPCdesk Next2 利用者ID,電子証明書及び提出先の登録3 動作環境と保存すべき情報第3 eLTAXによる電子申告1 主な対象手続2 個人住民税の電子申告3 給与支払報告書の電子提出義務第4 給与支払報告書と源泉徴収票1 令和8年9月までの電子的提出の一元化2 令和9年1月1日以後のみなし提出3 30枚基準との関係第5 電子納付とeL-QR1 共通納税と地方税お支払サイト2 支払方法,手数料及び領収証書3 ダイレクト方式の事前登録4 納付完了の確認第6 令和8年9月のシステム更改1 サービス停止期間2 更改後の利用時間とログイン3 地方税以外の地方公金第7 申告・納付時の実務上の注意1 期限,受付結果及び控えを別々に確認する2 公式サイトとソフトウェアの最新版を確認する3 不審なメール等に注意する第8 主な沿革と関連記事1 主な沿革2 関連記事第9 出典1 法令2 行政機関等の資料3 関連記事
第1 eLTAXの意味とこの記事の対象
1 この記事の基準日と対象

この記事は,令和8年9月6日現在の公表資料に基づき,地方税ポータルシステムであるeLTAXの基本,PCdeskの使い分け,電子申告及び電子納付の要点を整理するものである。
令和8年9月24日に予定されるシステム更改と,令和9年1月1日以後の給与支払報告書及び源泉徴収票の取扱いも扱う。

eLTAXで利用できる手続,使用するソフトウェア及び利用時間は,税目,提出先の地方公共団体及び手続時期によって異なる。
実際に申告又は納付をするときは,納期限だけでなく,eLTAXの最新のお知らせ,対象手続及びメンテナンス予定を確認する必要がある。

2 eLTAXとe-Taxの違い

eLTAXの用語集によれば,eLTAXは,地方税に関する手続をインターネットで電子的に行うシステムである。
これに対し,e-Taxは,所得税,法人税,消費税その他の国税に関する申告,納税及び申請・届出等を扱う。

名称が似ていても,利用者ID,画面,対象税目及び受信通知の確認場所は同一ではない。
法人税の国税部分はe-Tax,法人都道府県民税及び法人市町村民税はeLTAXというように,一つの決算又は給与事務で両方を使うことがある。

3 地方公共団体への共通窓口

地方税共同機構がeLTAXを運営している。
紙であれば提出先ごとに手続をする場面でも,eLTAXでは電子的な一つの窓口から複数の地方公共団体へデータを送信できることが重要な特徴である。

ただし,一つの利用者IDを取得すれば,すべての提出先及び税目が自動的に利用可能になるわけではない。
利用届出後に提出先又は手続情報の追加が必要となる場合があるため,申告書を作り始める前に登録状況を確認する必要がある。

第2 PCdeskの種類と事前準備
1 DL版,WEB版,SP版及びPCdesk Next

PCdeskの案内では,利用目的に応じて複数の方式が用意されている。
令和8年9月6日現在の基本的な役割は,次のとおりである。

① PCdesk(DL版)は,Windowsパソコンにインストールして電子申告データの作成・送信,メッセージ照会及び共通納税等を行うソフトウェアである。
② PCdesk(WEB版)は,ブラウザから利用届出,申請・届出,利用者情報の変更,メッセージ照会及び共通納税等を行う方式である。
③ PCdesk(SP版)は,スマートフォンから一部のメッセージを確認する方式であり,DL版又はWEB版と同じ範囲の申告機能を備えるものではない。
④ PCdesk Nextは,DL版又はWEB版では作成・送信できない税目又は手続の一部を扱う別のブラウザサービスである。

どの方式でも同じ手続ができるわけではないため,「eLTAXにログインできること」と「目的の申告書を作成・送信できること」を区別しなければならない。
市販の税務・会計ソフトウェアを使う場合も,対象税目,帳票,送信結果の確認方法及び令和8年9月更改への対応状況を製品ごとに確認する必要がある。

2 利用者ID,電子証明書及び提出先の登録

初めて利用する場合は,PCdesk(WEB版)から利用届出を提出して利用者IDを取得する。
その後,暗証番号,連絡先,提出先・手続情報及び電子証明書など,利用する機能に応じた設定を行う。

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人身傷害保険金に税金はかかるか―死亡・後遺障害・医療保険金の課税関係(AIリライト)

目次

第1 人身傷害保険金の課税関係の結論

1 最初に区別する4つの事項

第2 死亡保険金の課税関係

1 保険金総額から損害賠償金として認められる額を除く

(1) 通常の二者間事故
(2) 同乗者事故及び親族間事故

2 国税庁の公表取扱いでは保険料負担者によって税目が決まる
3 人身傷害定額給付金及び搭乗者傷害死亡保険金
4 みなし相続財産となる死亡保険金の非課税限度額

第3 後遺障害保険金・医療保険金等の課税関係

1 負傷した被保険者が受け取る保険金は原則として非課税である
2 負傷者と受取人が異なる場合
3 医療費控除及び必要経費との関係
4 後遺障害保険金の未払分を相続人が受け取る場合

第4 最高裁令和7年10月30日判決と税務上の取扱い

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消滅時効に関するメモ書き――起算点,完成猶予・更新,経過措置(AIリライト)

第1 本記事の範囲と,新旧民法の適用関係

1 本記事が扱う範囲

2 時効に関する経過措置

3 論点別の詳しい記事

第2 消滅時効の期間

1 債権の消滅時効の原則と短期消滅時効の廃止

2 生命又は身体の侵害に関する特則

3 判決で確定した権利

4 分野別の時効期間

第3 契約その他の債権の起算点

1 契約不適合責任・瑕疵担保責任

2 保険金

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