第1 この記事が扱う範囲1 検討の対象と時点2 「高次脳機能障害」という語の三つの用法3 使える制度の一覧第2 高次脳機能障害者支援法1 成立の経緯と施行の時期2 政令が定める定義と四つの除外3 高次脳機能障害者支援センター4 地域協議会,専門的な医療機関及び司法手続における配慮5 国会審議で確認された適用範囲6 令和8年度診療報酬改定による退院支援の義務付け第3 診断の基準と障害者手帳1 行政的診断基準の令和5年版2 精神障害者保健福祉手帳の等級判定基準3 手帳を要する制度と要しない制度第4 障害年金1 器質性精神障害としての認定基準2 等級判定ガイドラインと考慮要素の借用3 就労している場合の評価4 支分権の消滅時効第5 労働者災害補償保険及び公務災害1 四つの能力による障害等級の認定2 画像所見がない場合の第14級の9第6 障害福祉サービス,医療及び介護保険1 障害者総合支援法による給付2 支給量の決定に対する司法審査3 自立支援医療と介護保険との関係第7 就労及び差別の解消1 合理的配慮と法定雇用率2 障害を理由とする差別の解消第8 自動車の運転第9 相談窓口及び期間の制約1 支援センターと大阪府内の窓口2 期間に関する制約の整理出典1 法令2 行政通知3 認定基準・診断基準4 裁判例5 公的資料第1 この記事が扱う範囲1 検討の対象と時点
この記事は,記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害等の認知機能の障害を負った人が利用できる公的な制度を,令和8年8月21日の時点で整理するものである。令和8年4月1日に高次脳機能障害者支援法(令和7年法律第96号)が施行され,同法に基づく実施要綱及び関係通知が同年4月から5月にかけて発出されたことにより,従前は予算事業と個別の給付制度に分かれていた支援の枠組みが,一つの法律を頂点とする体系に組み替えられた。もっとも,実際に金銭給付やサービスを受ける根拠となるのは,従前と同じく障害者手帳,障害年金,労働者災害補償保険及び障害者総合支援法であり,支援法はこれらを置き換えるものではない。
この記事では,交通事故の加害者に対する損害賠償請求を扱わない。高次脳機能障害を理由とする後遺障害等級の認定と,その等級を前提とする賠償額の算定については,高次脳機能障害で後遺障害等級7級4号を認定してもらうための具体的な主張立証方法で扱っている。ここで取り上げるのは,加害者がいるかどうかにかかわらず利用できる制度,すなわち脳血管疾患,低酸素脳症,脳炎,脳腫瘍等の疾病によって障害を負った場合にも同じように使える制度である。厚生労働省は,同法の対象となる患者数を令和4年の調査に基づき全国で約23万人と推計している。本記事はAIを用いて作成し,一次資料への到達性を優先した。記載内容は,令和8年8月時点でe-Gov法令検索により確認した現行条文,厚生労働省,内閣府,日本年金機構及び国立障害者リハビリテーションセンターが公表している通知及び資料,並びに裁判所ウェブサイト及び国立国会図書館国会会議録検索システムで確認した裁判例及び議事録に基づく。
2 「高次脳機能障害」という語の三つの用法
制度を調べるときに最初につまずくのは,「高次脳機能障害」という語が,法令上の定義,行政的な診断基準,個々の給付制度の認定基準という三つの層でそれぞれ別に定義されており,除外される範囲も一致していないことである。第一の層は高次脳機能障害者支援法2条1項及び同法施行令(令和8年政令第60号)1条であり,これは支援法の対象を画する。第二の層は,平成13年度に開始された高次脳機能障害支援モデル事業に由来する行政的診断基準であり,医師が診断書に「高次脳機能障害」と記載するときの基準として機能する。第三の層は,障害年金の障害認定基準,労災保険の障害等級認定基準といった,給付ごとの物差しである。
三つの層は目的が違うため,一方に該当することが他方に該当することを意味しない。支援法施行令1条は認知症を明文で除外しているが,障害年金の障害認定基準は「症状性を含む器質性精神障害(高次脳機能障害を含む。)」という区分の中に認知症も併せて含めている。逆に,労災保険の障害等級認定基準は,画像所見が得られない場合であっても第14級の9として等級を認める余地を明文で残しているのに対し,行政的診断基準は検査所見を診断の要件として掲げている。制度ごとに使う物差しが違うという前提を置かずに一つの基準だけで判断すると,本来受けられる給付を取りこぼすことになる。
3 使える制度の一覧
以下は,この記事で取り上げる制度を,利用したい場面ごとに整理したものである。実施主体と根拠条文を併記したのは,令和8年4月15日障精発0415第1号が各自治体に対して相談窓口の明確化と周知を求めていることからも分かるとおり,窓口が明確でないことが制度利用の入口の問題として認識されているためである。
場面制度(実施主体)根拠相談先を確保する高次脳機能障害者支援センター(都道府県知事又は指定都市市長が指定し,又は自ら実施)高次脳機能障害者支援法19条1項障害があることを公証する精神障害者保健福祉手帳(都道府県知事)精神保健福祉法45条麻痺・失語がある身体障害者手帳(都道府県知事)身体障害者福祉法15条生活費を得る障害基礎年金・障害厚生年金(厚生労働大臣)国民年金法30条,厚生年金保険法47条業務上の負傷による場合障害補償給付(労働基準監督署長)労働者災害補償保険法15条通院の自己負担を下げる自立支援医療(精神通院医療。市町村)障害者総合支援法5条25項生活訓練・機能訓練を受ける自立訓練(市町村の支給決定)同法5条12項住まいを確保する共同生活援助(市町村の支給決定)同法5条18項施設・病院から地域へ移る地域移行支援(市町村の地域相談支援給付決定)同法5条21項就労に向けた訓練を受ける就労選択支援・就労移行支援・就労継続支援(市町村の支給決定)同法5条13項ないし15項職場で配慮を受ける合理的配慮の提供(事業主)障害者雇用促進法36条の2ないし36条の4事業者から配慮を受ける合理的配慮の提供(事業者)障害者差別解消法8条2項外出を支援してもらう移動支援事業(市町村)障害者総合支援法5条27項,77条1項8号日中の居場所を得る地域活動支援センター(市町村)同法5条28項,77条1項9号
注 支給決定を要する制度については,市町村への申請と障害支援区分の認定が前提となる場合がある。
第2 高次脳機能障害者支援法1 成立の経緯と施行の時期
高次脳機能障害者支援法は,衆議院厚生労働委員長提出の法律案として令和7年12月5日に同委員会で起草・可決され,同月8日に衆議院本会議,同月16日に参議院本会議で可決されて成立し,同月24日に令和7年法律第96号として公布された。施行日は令和8年4月1日であり(附則1項),国は施行後3年を目途として施行の状況について検討を加え,必要があると認めるときは所要の措置を講ずるものとされている(附則2項)。提出者である田畑裕明議員は,同委員会において,超党派の議員連盟を設立して関係者からのヒアリングを重ねた結果として本案を取りまとめた旨を説明しており,内閣提出法案ではなく議員立法として成立した経緯がある。
法律は全4章31条から成り,第1章に目的,定義,基本理念及び責務を,第2章に個別の支援施策を,第3章に高次脳機能障害者支援センター等を,第4章に雑則を置く。基本理念(3条)として掲げられているのは,①意思を尊重しつつ自立及び社会参加の機会が確保され,尊厳を保ちつつ他の人々と共生することを妨げられないこと,②社会的障壁の除去に資すること,③個々の性別,年齢,障害の状態及び生活の実態に応じ,関係機関及び民間団体相互の緊密な連携の下に,意思決定の支援に配慮しつつ,医療の提供から地域での生活支援を経て社会参加の支援に至るまで切れ目なく行われること,④居住する地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられるようにすること,の四つである。
2 政令が定める定義と四つの除外
同法2条1項は「高次脳機能障害」を,疾病の発症又は事故による受傷による脳の器質的病変に起因すると認められる記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害,失語,失行,失認その他の認知機能の障害として政令で定めるものと定義し,同条2項は「高次脳機能障害者」を,高次脳機能障害がある者であって,高次脳機能障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限を受けるものと定義する。原因となる疾病や受傷の種類を限定していないため,厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長は,令和7年12月5日の衆議院厚生労働委員会において,循環器病対策基本法が循環器病という疾患に着目しているのに対し,本法は原疾患を問わず高次脳機能障害のある者の支援を対象としている旨を説明している。
政令に委任された部分を定めるのが高次脳機能障害者支援法施行令1条であり,同条は,記憶障害以下の認知機能の障害から,①先天性疾病による認知機能の障害,②周産期における胎児又は新生児が受けた脳の損傷による認知機能の障害,③介護保険法5条の2第1項に規定する認知症に該当する認知機能の障害,④発達障害者支援法2条1項に規定する発達障害に該当する認知機能の障害の四つを除いている。除外されているのはこの四つだけであり,進行性の疾患を原因とする場合が一律に除外されているわけではない。この点は,後述する行政的診断基準の平成16年版が「進行性疾患」を除外項目に掲げていたのと異なっており,除外項目から進行性疾患を落とした令和5年版の診断基準と整合する定め方になっている。
3 高次脳機能障害者支援センター
同法19条1項は,都道府県知事が,①高次脳機能障害者及びその家族その他の関係者に対する専門的な相談,情報の提供又は助言,②円滑な社会生活を促進するための特性に対応した専門的な支援,③関係機関及び民間団体並びにこれに従事する者に対する情報の提供及び研修,④これらの機関及び団体との連絡調整,⑤これらに附帯する業務を,高次脳機能障害者支援センターに行わせ,又は自ら行うことができると定める。指定は申請により行われ(同条2項),都道府県知事は,地域の実情を踏まえつつ,可能な限り身近な場所で必要な支援を受けられるよう適切な配慮をするものとされている(同条3項)。センターについては,役職員等の秘密保持義務(20条),報告の徴収等(21条),改善命令(22条)及び指定の取消し(23条)が置かれている。指定都市においては,31条及び施行令2条により,指定都市市長が同様の事務を処理する。
運用上の細目を定めるのは,令和8年4月7日障発0407第19号「高次脳機能障害者支援事業の実施について」の別紙1「高次脳機能障害者支援事業実施要綱」と,令和8年4月15日障精発0415第1号「高次脳機能障害者支援法の施行に伴う留意事項について」である。実施主体は都道府県又は指定都市とされ,事業の全部又は一部を団体等に委託することができる。センターは同一都道府県等の区域内に複数箇所設置することができ,指定数の上限は設けられておらず,都道府県と指定都市が同一の機関を指定することも可能である。都道府県知事等が指定をせずに自ら業務を担う場合も国庫補助の対象となり,「高次脳機能障害者支援センター」の名称を使用することは差し支えないとされている。
センターに配置される支援コーディネーターについて,留意事項通知は,社会福祉士,精神保健福祉士,保健師,作業療法士,公認心理師,言語聴覚士等のほか,高次脳機能障害者やその家族等で,自らの経験を活かして適切に相談支援を行うことができるものが想定されると述べている。当事者や家族による支援を国家資格保持者と並べて明記した点は,同種の相談支援の要綱の中では特徴的である。なお,従前の予算事業である「高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業」(平成19年5月25日障発0525001号)は上記の新通知により廃止されたが,実施要綱第6は経過措置を置き,センターが指定されるまでの間は従前の支援拠点機関が業務の一部又は全部を引き続き実施することができ,当該業務はセンターが指定された日をもって終了するものとしている。留意事項通知は,やむを得ない事情で直ちに指定することが困難な場合には,令和8年度内に指定することを前提として,指定手続が完了するまでの期間も国庫補助の対象とすることができるとしている。
4 地域協議会,専門的な医療機関及び司法手続における配慮
同法25条1項は,都道府県に対し,支援の体制の整備を図るため,高次脳機能障害者及びその家族,学識経験者その他の関係者並びに医療,保健,福祉,教育,労働等に関する業務を行う関係機関及び民間団体等により構成される高次脳機能障害者支援地域協議会を置くよう努めなければならないと定め,同条2項は,協議会が,支援体制に関する課題についての情報共有,関係者の連携の緊密化及び地域の実情に応じた体制の整備に関する協議を行うものとしている。同法24条1項は,都道府県に対し,専門的に高次脳機能障害の診断,治療,リハビリテーション等を行うことができると認める病院又は診療所を確保するよう努めなければならないとし,同条2項は,国及び地方公共団体が医療機関の相互協力を推進し,医療機関に対して情報提供その他必要な援助を行うものとする。
司法手続との関係で置かれているのが15条であり,同条は,高次脳機能障害者が刑事事件若しくは少年の保護事件に関する手続その他これに準ずる手続の対象となった場合,又は裁判所における民事事件,家事事件若しくは行政事件に関する手続の当事者その他の関係人となった場合において,その権利を円滑に行使できるようにするため,個々の特性に応じた意思疎通の手段の確保のための配慮その他の適切な配慮をするものとすると定める。刑事司法の手続と民事・家事・行政の各手続を並べて配慮の対象とした点に特徴がある。これと対をなすのが29条であり,同条は,国及び地方公共団体が研修を実施すべき対象として,医療,保健,福祉,教育,労働等に関する業務に従事する者と並べて「捜査及び裁判に関する業務に従事する者」を挙げている。
5 国会審議で確認された適用範囲
条文だけからは判然としないのが,画像検査で脳の器質的病変を確認できない場合に法の対象となるかという問題である。令和7年12月5日の衆議院厚生労働委員会において,田村貴昭議員は,画像所見がなくても神経学的な診断等により医学的に脳に器質的病変があると診断される患者及び軽度外傷性脳損傷(MTBI)の患者が本案の対象となるかを提出者に質した。これに対し,提出者側の早稲田ゆき議員は,器質的病変の確認方法としてはMRI,CT,脳波等の検査所見によることが原則であるとした上で,受傷や疾病の事実が確認され,かつ認知障害を主たる原因として日常生活や社会生活に制約があるにもかかわらず検査所見で器質的病変を明らかにできない症例については,慎重な評価によって器質的病変が存在しているとの確認ができる場合には高次脳機能障害と診断され得るのであり,その場合には当然に本案の対象になると答弁した。
同議員は,軽度外傷性脳損傷についても,意識消失の時間の長短にかかわらず,高次脳機能障害と認められるものであれば当然に本案の対象に含まれる旨を述べている。もっとも,これは支援法の適用対象に関する立法者の説明であり,個別の給付の等級が認められるかどうかは各制度の認定基準によることに変わりはない。同じ委員会において,田村議員は,画像所見が認められない高次脳機能障害について労災保険の障害給付が請求された場合には各労働局が本省に協議することとされており,厚生労働省から示された資料によれば過去13年間の協議件数171件に対して支給決定は38件であったと述べている。この数値については政府参考人から明示の確認がされておらず,公表資料により裏付けられたものとして扱うことはできないが,法の対象となることと給付を受けられることとが同義ではないという点は,答弁の全体からうかがわれる。
6 令和8年度診療報酬改定による退院支援の義務付け
支援法自体には罰則を伴う義務規定が乏しい。センターの設置は「行わせ,又は自ら行うことができる」という規定であり,地域協議会の設置と専門的医療機関の確保は努力義務である。これに対し,実際の医療機関の行動を規律する形で置かれたのが,令和8年度診療報酬改定(令和8年6月1日適用)における回復期リハビリテーション病棟入院料及び特定機能病院リハビリテーション病棟入院料の施設基準である。令和8年5月8日障精発0508第1号「高次脳機能障害者への退院支援に関する診療報酬の改定等について」によれば,これらの入院料を算定する保険医療機関は,次のアからウまでの要件をいずれも満たすこととされた。
アは,当該地域において高次脳機能障害の患者に適したサービスを提供するもの,すなわち①支援法19条1項の高次脳機能障害者支援センター,②他の保険医療機関,③障害者総合支援法に基づく生活介護,自立訓練,就労継続支援,自立生活援助,共同生活援助,相談支援,計画相談支援等の障害福祉サービス等を提供する事業所又は施設,④児童福祉法に基づく指定障害児通所支援事業者,指定障害児入所施設等及び指定障害児相談支援事業者について,所在地,連絡先及び提供サービス等の情報をあらかじめ把握できる体制を整備することである。イは,基本診療料の施設基準等の別表第9に掲げる「高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害,重度の頸髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷の場合」に該当する患者の退院時に,患者又はその家族等退院後に患者の看護に当たる者に対して,アの情報を説明の上で提供できる体制を整備することである。ウは,退院後に他の保険医療機関でのリハビリテーション,介護保険によるリハビリテーション又は障害福祉サービスによるリハビリテーションへの移行を予定している患者について,同意が得られた場合には,移行先に対して3月以内に作成したリハビリテーション総合実施計画書等を文書により提供できる体制を整備することである。
同通知は,これと対応させて,高次脳機能障害者支援センターが,高次脳機能障害の患者に適した医療機関及び障害福祉サービス事業所等の情報を把握して一覧を作成し,これを医療機関に情報提供することを求めている。制度の設計としては,センターが地域の受け皿の一覧を作り,回復期リハビリテーション病棟がその一覧を退院時に患者と家族へ渡す,という流れが想定されていることになる。したがって,回復期リハビリテーション病棟から退院するに際してこの種の情報提供を受けていない場合には,施設基準の充足について医療機関に確認を求める余地があると考えられる。
第3 診断の基準と障害者手帳1 行政的診断基準の令和5年版
医師が診断書に「高次脳機能障害」と記載する際に用いられる行政的診断基準には,平成13年度の高次脳機能障害支援モデル事業に由来する平成16年版と,国際疾病分類のICD-10からICD-11への改訂に合わせて作成された令和5年版とがある。国立障害者リハビリテーションセンターの高次脳機能障害情報・支援センターのウェブサイトには現在も平成16年版が掲載されており,両者は構造こそ同じであるものの,実務に影響する差異がある。
条項平成16年版令和5年版Ⅱ 検査所見MRI,CT,脳波などにより器質的病変の存在が確認されているか,あるいは診断書により脳の器質的病変が存在したと確認できる脳MRI,頭部CT,脳波などにより確認されているか,あるいは医学的に十分に合理的な根拠が示された診断書等により確認できるⅢ 除外項目3先天性疾患,周産期における脳損傷,発達障害,進行性疾患を原因とする者を除外先天性疾患,発達障害,周産期における脳損傷を原因とする者を除外(進行性疾患の記載なし)Ⅲ 除外項目2受傷又は発症以前から有する症状と検査所見は除外する発症又は受傷以前から症状や検査所見が存在する場合には,発症又は受傷後に新たに現れた症状や検査所見に基づき診断し,それらが十分とは言えない者を除外する軽度外傷性脳損傷記載なし単回のMTBIについて,病歴,神経心理学的検査による評価及び診断基準の対象とならない精神疾患の除外から総合的に判定する必要があると明記国際疾病分類ICD-10のF04,F06,F07が対象ICD-11ではF0に対応する大分類が消滅し,6D72,6D7,6E6に分散していることを明記
注 いずれも診断基準の本体は「Ⅰ主要症状等」「Ⅱ検査所見」「Ⅲ除外項目」「Ⅳ診断(令和5年版は診断に際しての留意事項)」の四つで構成される。
令和5年版が実務上重要なのは,解説部分において,脳損傷の存在が診断の必要条件であるとしつつ,高次脳機能障害の臨床症状を呈しながらも頭部CTや脳MRIを用いた画像診断において有意な異常所見が得られないケースが多々あるとして,「脳損傷の可視化は決して必要条件ではない」と明言した点である。同版は,画像診断で有意な異常所見が得られないケースにおいては臨床経過と神経心理学的検査の所見が極めて重要になり,ケースによっては神経心理学的検査の所見が診断の決め手になることがしばしばあると指摘している。ただし,この場合には神経心理学的検査の専門家による精密な検査施行と結果の解釈が必須であるとも述べており,検査を受けさえすれば足りるという趣旨ではない。なお,除外項目から進行性疾患が落ちた理由について,同版は,本診断基準が行政的な支援対策推進を目的とするものであるから,他の行政的支援が拡充されている病態(認知症等)については除外する形を取っていると説明している。
2 精神障害者保健福祉手帳の等級判定基準
高次脳機能障害を理由として取得する手帳は,精神保健福祉法45条に基づく精神障害者保健福祉手帳である。同条1項により居住地の都道府県知事に交付を申請し,同条2項により政令で定める精神障害の状態にあると認められれば交付を受けるが,同条4項により2年ごとに,政令で定める精神障害の状態にあることについて都道府県知事の認定を受けなければならない。等級の判定は,平成7年9月12日健医発第1133号「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」によるところ,平成23年3月3日障発0303第1号による一部改正(平成23年4月1日適用)によって,「⑥器質性精神障害(高次脳機能障害を含む)」の(b)として高次脳機能障害の定義が明記された。
同改正が定義するところによれば,高次脳機能障害とは,①脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認され,②日常生活又は社会生活に制約があり,その主たる原因が記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害等の認知障害であるものをいい,ICD-10コードではF04,F06又はF07に該当する。等級の判定基準は,器質性精神障害によるものについて,記憶障害,遂行機能障害,注意障害及び社会的行動障害のいずれかがあり,そのうち一つ以上が高度のものを1級,一つ以上が中等度のものを2級,いずれも軽度のものを3級としている。判定は,(1)精神疾患の存在の確認,(2)精神疾患(機能障害)の状態の確認,(3)能力障害(活動制限)の状態の確認,(4)精神障害の程度の総合判定という順を追って行われるものとされており,診断書に記載された機能障害の状態と活動制限の状態の双方を審査することが求められている。
麻痺や失語がある場合には,身体障害者福祉法15条に基づく身体障害者手帳を別に申請することができ,身体症状と精神症状を併せ持つ場合には2種類以上の手帳を同時に取得することが可能である。障害者手帳の等級は制度ごとに意味が異なり,同じ「3級」でも手帳と障害年金では要件が違うことに注意を要する。この点は,別の傷病を素材とするものであるが,大腿骨骨折の障害者手帳と障害年金――「3級」の違いと人工骨頭の認定基準でも整理している。
3 手帳を要する制度と要しない制度
手帳がなければ制度を利用できないという理解は,制度の根拠規定と一致しない。手帳の所持を要件とするかどうかは制度ごとに定め方が異なっており,条文又は基本方針まで立ち返って確認する必要がある。
制度手帳の要否根拠障害福祉サービスの支給申請不要自立支援医療受給者証又はICD-10コードの記載のある医師の診断書によることができる(国立障害者リハビリテーションセンター掲載の関係通知)障害を理由とする差別の解消不要障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針が,法の対象となる障害者はいわゆる障害者手帳の所持者に限られないとし,高次脳機能障害は精神障害に含まれると明記雇用における合理的配慮の提供条文上は不要障害者雇用促進法36条の2ないし36条の4は「障害者」について定めており,37条2項の「対象障害者」とは別の概念である障害者雇用率における算定必要同法37条2項は,対象障害者たる精神障害者を精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているものに限っている障害年金不要国民年金法30条及び厚生年金保険法47条は手帳の所持を支給要件としていない
注 手帳を取得することにより,税の控除,公共料金の減免,公営住宅の入居の優遇等を受けられる場合があるが,その範囲は自治体により異なる。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針は,法の対象範囲を説明する箇所において,法が対象とする障害者はいわゆる障害者手帳の所持者に限られないとした上で,「なお,高次脳機能障害は精神障害に含まれる。」と述べている。障害者基本法2条1号が「精神障害(発達障害を含む。)」としか規定していないのに対し,基本方針が高次脳機能障害を精神障害に含まれると明示していることは,学校や事業者との交渉において最初に確認すべき点である。
第4 障害年金1 器質性精神障害としての認定基準
障害年金における高次脳機能障害の取扱いは,国民年金・厚生年金保険障害認定基準の第3第1章第8節「精神の障害」のうち「B 症状性を含む器質性精神障害」による。同節は,症状性を含む器質性精神障害(高次脳機能障害を含む。)を,先天異常,頭部外傷,変性疾患,新生物,中枢神経等の器質障害を原因として生じる精神障害に,膠原病や内分泌疾患を含む全身疾患による中枢神経障害等を原因として生じる症状性の精神障害を含むものと定義し,高次脳機能障害については,脳損傷に起因する認知障害全般を指し,日常生活又は社会生活に制約があるものが認定の対象となると定める。
等級は,高度の認知障害,高度の人格変化,その他の高度の精神神経症状が著明なため常時の援助が必要なものを1級,認知障害,人格変化,その他の精神神経症状が著明なため日常生活が著しい制限を受けるものを2級,認知障害及び人格変化は著しくないがその他の精神神経症状があり労働が制限を受けるもの又は認知障害のため労働が著しい制限を受けるものを3級とし,認知障害のため労働が制限を受けるものを障害手当金とする。同節は,脳の器質障害については精神障害と神経障害を区分して考えることはその多岐にわたる臨床症状から不能であり,原則としてそれらの諸症状を総合して全体像から総合的に判断して認定するとしており,症状を要素ごとに切り分けて評価する建て付けを採っていない。
見落としやすいのが失語の扱いである。同節は,高次脳機能障害の主な症状として失語,失行,失認のほか記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害などを挙げた上で,失語の障害については本章第6節「音声又は言語機能の障害」の認定要領により認定すると定めている。したがって,失語がある場合には第8節と第6節の双方が問題となり,併合認定によって上位の等級となる余地がある。また同節は,障害の状態が代償機能やリハビリテーションにより好転も見られることから療養及び症状の経過を十分考慮するとしており,症状固定を前提とする後遺障害等級とは異なり,経過を通じた評価が予定されている。
制度の入口として決定的なのは,初診日にどの年金制度に加入していたかである。国民年金法30条2項は障害等級を1級及び2級とし,厚生年金保険法47条2項は1級から3級までとしているから,3級及び障害手当金は厚生年金保険にしかない。同じ障害の状態であっても,初診日に国民年金の第1号被保険者であった場合は2級に届かなければ支給されないことになる。
2 等級判定ガイドラインと考慮要素の借用
障害基礎年金の不支給割合に都道府県間の差があることが確認されたことを受けて策定されたのが,平成28年9月の「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」である。同ガイドラインは,診断書の記載項目のうち「日常生活能力の程度」の5段階評価と「日常生活能力の判定」の4段階評価を1から4の数値に置き換えた平均とを組み合わせた表1により障害等級の目安を示し,表2に掲げる考慮要素を踏まえて認定医が総合的に判定する仕組みを採る。
高次脳機能障害について注意を要するのは,表2に器質性精神障害のための独立の考慮要素欄が置かれていないことである。ガイドラインは第3の3(3)②において,障害認定基準に規定する「症状性を含む器質性精神障害」について総合評価を行う場合は,「精神障害」「知的障害」「発達障害」の区分にとらわれず,各分野の考慮すべき要素のうち該当又は類似するものを考慮して評価すると定めており,他の区分の考慮要素を借用する建て付けになっている。この規定を前提とすれば,知能検査の結果が正常範囲であるにもかかわらず社会的行動障害によって生活が破綻している事案では,発達障害の欄に置かれた「知能指数が高くても日常生活能力が低い(特に対人関係や意思疎通を円滑に行うことができない)場合は,それを考慮する」という要素を,該当又は類似するものとして援用することができると整理される。
3 就労している場合の評価
就労していることが不支給の理由になるかという点については,認定基準とガイドラインの双方が明文で釘を刺している。障害認定基準第8節は,Bの(6)において,日常生活能力等の判定に当たっては身体的機能及び精神的機能を考慮の上,社会的な適応性の程度によって判断するよう努めるとした上で,現に仕事に従事している者については,労働に従事していることをもって直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず,その療養状況を考慮するとともに,仕事の種類,内容,就労状況,仕事場で受けている援助の内容,他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認した上で日常生活能力を判断することと定めている。
等級判定ガイドラインの表2「④就労状況」の共通事項も同旨を定めた上で,「援助や配慮が常態化した環境下では安定した就労ができている場合でも,その援助や配慮がない場合に予想される状態を考慮する」とし,就労継続支援A型・B型及び障害者雇用制度による就労並びに就労移行支援については1級又は2級の可能性を検討するとし,障害者雇用制度を利用しない一般企業や自営・家業等で就労している場合でも,これらと同程度の援助を受けて就労している場合は2級の可能性を検討するとしている。
裁判例にも同様の判断がある。東京地方裁判所令和4年3月18日判決(令和2年(行ウ)第58号)は,広汎性発達障害のほか既存障害として軽度の知的障害等がある者が障害者雇用枠で就職して定型的な作業又は単純な事務作業に従事していた事案において,判断を要するような行為については身のまわりのことであっても自発的かつ適正に行うことができず家族の援助や指導等が必要な状況にあったこと等を勘案し,就労を相当期間継続してきたことについては,本来であれば継続が困難であるところを周囲の理解や援助,指導等によって継続が可能となったものと評価することができるとして,障害等級2級に該当するとし,不支給処分を取り消すとともに,厚生労働大臣に対して2級の裁定をするよう命じた。高次脳機能障害の事案ではないが,就労の事実をどのように評価するかについての判断の型を示したものとして参照できる。
障害年金の認定において就労状況が考慮されることと,特定の職務について労務提供能力があるかを判断することは,同じ問題ではない。
障害者手帳・障害年金の認定と労務提供能力は同じかでは,行政上の認定,診断・症状・治療,日常生活・社会生活上の機能及び具体的職務についての労務提供能力を四つの判断層に分けて整理している。
4 支分権の消滅時効
障害年金には,見落とすと回復できない期間の制約がある。最高裁判所第三小法廷平成29年10月17日判決(平成29年(行ヒ)第44号,民集71巻8号1501頁)は,厚生年金保険法(昭和60年法律第34号による改正前のもの)47条に基づく障害年金の支分権,すなわち支払期月ごとに支払うものとされる保険給付の支給を受ける権利の消滅時効は,当該障害年金に係る裁定を受ける前であっても,厚生年金保険法36条所定の支払期が到来した時から進行すると判示した。
この判断によれば,障害認定日に遡って等級が認められたとしても,古い支払期の分から順に時効によって消滅していくことになる。障害認定日は初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内に傷病が治った場合はその日)であるから(国民年金法30条1項,厚生年金保険法47条1項),発症又は受傷から相当の年月が経過した後に相談を受けた場合には,遡及請求が可能かどうかの検討と並行して,時効により失われる範囲を早期に確定させる必要がある。障害の程度が重いほど本人による手続が困難であり,家族が制度の存在を知るまでに時間がかかりやすいという事情があるだけに,この点は最初に確認すべき事項の一つである。
第5 労働者災害補償保険及び公務災害1 四つの能力による障害等級の認定
業務上の事由又は通勤による負傷若しくは疾病を原因とする場合の障害等級は,平成15年8月8日基発第0808002号「神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準について」による。同基準は,脳の器質性障害を「高次脳機能障害」(器質性精神障害)と「身体性機能障害」(神経系統の障害)に区分した上で,両者の程度及び介護の要否・程度を踏まえて総合的に判断することとし,たとえば高次脳機能障害が第5級に相当し軽度の片麻痺が第7級に相当するからといって併合の方法を用いて準用等級第3級と定めるのではなく,その場合の全体病像として第1級の3,第2級の2の2又は第3級の3のいずれかに認定すべきものとしている。
高次脳機能障害の評価は,意思疎通能力,問題解決能力,作業負荷に対する持続力・持久力及び社会行動能力という四つの能力の喪失の程度によって行い,複数の障害が認められるときは原則として最も重篤なものに着目する。等級の対応は,生命維持に必要な身のまわり処理の動作について常に他人の介護を要するものを第1級の3,随時介護を要するものを第2級の2の2,身のまわり処理は可能であるが労務に服することができないもの(四つの能力のいずれか一つ以上が全部失われているもの又はいずれか二つ以上の大部分が失われているもの)を第3級の3,きわめて軽易な労務のほか服することができないもの(いずれか一つ以上の大部分又は二つ以上の半分程度)を第5級の1の2,軽易な労務にしか服することができないもの(いずれか一つ以上の半分程度又は二つ以上の相当程度)を第7級の3,就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの(いずれか一つ以上の相当程度)を第9級の7の2,多少の障害を残すもの(いずれか一つ以上が多少失われているもの)を第12級の12とする。
手続面では,障害補償給付請求書等の裏面の診断書の傷病名の欄等に頭部外傷又は脳血管疾患等による高次脳機能障害が想定される障害が記載されている場合について,主治医に対して様式1により,家族(あるいは家族に代わる介護者)に対して様式2により障害の状態についての意見を求めることとされている。そして同基準は,高次脳機能障害の状態について家族と主治医の意見が著しく異なる場合には再度必要な調査を行うことと定めており,本人の病識が低下していることによって主治医の把握と生活実態とがずれる場合に,家族側の意見を無視して処理することは想定されていない。労災保険の給付の全体像については,労災保険の給付内容―給付の種類,金額及び令和8年改正で扱っている。
2 画像所見がない場合の第14級の9
同基準は,「通常の労務に服することはできるが,高次脳機能障害のため,軽微な障害を残すもの」を第14級の9とし,これに該当するものとして「MRI,CT等による他覚的所見は認められないものの,脳損傷のあることが医学的にみて合理的に推測でき,高次脳機能障害のためわずかな能力喪失が認められるもの」を挙げている。画像所見が得られない場合の類型が明文で置かれている点は,前記の令和5年版診断基準が「脳損傷の可視化は決して必要条件ではない」と述べていることと方向を同じくする。
もっとも,同基準は,高次脳機能障害が脳の器質的病変に基づくものであることからMRI,CT等によりその存在が認められることが必要であるとも述べており,画像所見が不要であるという趣旨ではない。他方で同基準は,神経心理学的な各種テストの結果のみをもって高次脳機能障害が認められないと判断することなく四つの能力の障害の程度により障害等級を認定することと定め,注記において,神経心理学的な各種テスト等の検査結果は臨床判定の際の有効な手段であるが,知能指数が高いにもかかわらず高次脳機能障害のために生活困難度が高い例があると述べている。知能検査の数値が保たれていることを理由に障害を否定する判断を,基準自身が明示的に戒めている。
公務上の災害による場合は地方公務員災害補償法等によることになる。名古屋地方裁判所平成23年6月29日判決(平成20年(行ウ)第101号)は,中学校の教員が公務遂行中に脳出血により倒れて高次脳機能障害等の後遺症を負い,公務外認定処分を受けた事案において,従事した公務に量的及び質的な過重性が認められ,これにより高血圧及びもやもや病の基礎疾患が自然的経過を超えて増悪化して脳出血の発症に至ったことが推認されるとして,公務起因性を認めた。他方,岐阜地方裁判所平成23年8月4日判決(平成20年(行ウ)第1号)は障害補償の不支給処分の取消請求を棄却し,仙台地方裁判所平成24年1月12日判決(平成22年(行ウ)第25号)は,自宅療養及びそのための休業が医師の事前の指示ないし指導に基づくものでない場合であっても,医師の医学的知見に基づく判断により客観的に見て必要性が明らかであると証明された場合には休業補償給付の支給要件を満たすと解した上で,当該事案では必要性が明らかであるとは認められないとして請求を棄却している。
第6 障害福祉サービス,医療及び介護保険1 障害者総合支援法による給付
日常生活の支援は障害者総合支援法による。高次脳機能障害の事案で用いられることが多いのは,同法5条12項の自立訓練(機能訓練及び生活訓練),同条18項の共同生活援助,同条21項の地域移行支援,同条13項から15項までの就労選択支援,就労移行支援及び就労継続支援である。就労選択支援は,就労を希望する障害者等について短期間の生産活動その他の活動の機会の提供を通じて就労に関する適性,知識及び能力の評価並びに就労に関する意向及び必要な配慮の整理を行うものとして新設された。この新設によって同条の項番号が繰り下がっているため,新設前に刊行された文献の項番号をそのまま引用すると条項の指示を誤ることになる。
施設や病院から地域へ移る場面の給付である地域移行支援,共同生活援助及び自立生活援助の内容,並びに住まいの確保に用いる住宅確保要配慮者居住支援法人等の制度については,精神科病院退院者の環境調整の諸制度――退院後生活環境相談員,地域移行支援,居住支援法人及び費用負担で詳しく扱っている。高次脳機能障害の場合も同じ給付を用いることになるが,精神科病院からの退院に固有の制度である退院後生活環境相談員及び医療保護入院者退院支援委員会は,医療保護入院又は措置入院を経ていない限り適用されない。
なお,令和8年4月15日障精発0415第1号は,各自治体に対し,支援法17条を踏まえて高次脳機能障害者やその家族その他の関係者が相談できる窓口を明確化し,関係機関等との連携を図りながら十分な支援が行われるよう相談支援体制を整備するとともに,必要な周知を進めることを求めている。同通知は地方自治法245条の4第1項の規定に基づく技術的助言であり,これ自体が個々の住民に対する具体的な請求権を生じさせるものではない。
2 支給量の決定に対する司法審査
サービスの種類や支給量に不服がある場合の枠組みは,一連の裁判例によって形成されてきた。大阪地方裁判所平成22年4月23日判決(平成19年(行ウ)第200号)及びその控訴審である大阪高等裁判所平成22年12月14日判決(平成22年(行コ)第84号)は,重度訪問介護の支給量を1か月当たり318時間とする介護給付費支給決定の取消請求について,市町村がする支給要否決定並びに障害福祉サービスの種類及び支給量の決定は,その判断の基礎となる事実に重大な誤認があり,あるいはその判断内容が社会通念に照らして明らかに合理性を欠くこと等により,その裁量権の範囲を逸脱し,又は濫用にわたるものと認められるような場合に限って違法になるとした上で,違法となるかどうかは,決定に至る判断の過程において,勘案事項を適切に調査せず,又はこれを適切に考慮しないことにより,その内容が,当該障害者等の個別具体的な障害の種類及び内容並びにその程度その他の具体的事情に照らして,社会通念上当該障害者等において自立した日常生活又は社会生活を営むことを困難とするものであって,同法の趣旨目的に反するのではないかという観点から検討すべきであると判示した。
この枠組みの下でも,生活場面の切り出し方が不合理であれば違法とされる。東京地方裁判所平成30年10月12日判決(平成28年(行ウ)第369号)は,午前10時から午後2時までの時間帯をボランティア対応として昼食介助及び昼食後の歯磨き介助の時間を算定せず,重度訪問介護の支給量を1か月527時間(1日当たり17時間)を超えて算定しなかったことについて,申請者が作成した利用計画案が1日24時間の常時介助を前提として2人介助を含む1日当たり27時間30分から自助努力分として4時間を差し引いた1日当たり23時間30分を求めるものとなっており,支給決定における支給量が申請者の求める時間に満たない場合にまで4時間分全部の支給量を不要とする意向であるとは解し難いこと等の事情の下では,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるとした。
さらに,最高裁判所第一小法廷令和7年7月17日判決(令和5年(行ヒ)第276号)は,両下肢の機能の全廃及び両上肢の機能の著しい障害により1級の身体障害者手帳の交付を受け,障害支援区分4の認定を受けた上で居宅介護(身体介護月45時間及び家事援助月25時間)の支給決定を受けていた者が,同じ内容の支給決定を求めたところ却下処分を受けた事案について,処分当時65歳に達していたが介護保険法27条1項に基づく申請をしていなかったという事情の下で,処分を違法とした原審の判断には,市町村の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った結果,受けることができる介護給付のうち自立支援給付に相当するものの量を算定することができないとした市の判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められるか否かについて審理を尽くさなかった違法があるとして,原判決を破棄し差し戻した。これらはいずれも身体障害等の事案であり,高次脳機能障害の支給量を正面から争った裁判例を裁判所ウェブサイトで確認することはできなかったが,判断の枠組み自体は障害の種別を問わないものとして組み立てられている。
3 自立支援医療と介護保険との関係
通院医療費の負担軽減には,障害者総合支援法5条25項の自立支援医療(精神通院医療)を用いる。介護保険との関係では,年齢によって扱いが分かれる。介護保険法7条3項2号及び同法施行令2条は,第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)が要介護認定を受けるための特定疾病を16列挙しており,その13号に「脳血管疾患」が置かれている。したがって,40歳以上65歳未満の場合,脳血管疾患を原因とする高次脳機能障害であれば介護保険の給付を受け得るが,交通事故等による外傷性脳損傷を原因とする場合は特定疾病に当たらないため介護保険を利用することができず,障害福祉サービスによることになる。65歳以上であれば原因を問わず介護保険の被保険者となる。
もう一つ,介護保険法5条の2第1項の「認知症」との関係にも注意を要する。同項は認知症を,アルツハイマー病その他の神経変性疾患,脳血管疾患その他の疾患により日常生活に支障が生じる程度にまで認知機能が低下した状態として政令で定める状態と定義しており,高次脳機能障害者支援法施行令1条はこれに該当する認知機能の障害を支援法の対象から除いている。脳血管疾患を原因とする事案では,同じ状態が「認知症」と評価されるか「高次脳機能障害」と評価されるかによって適用される制度が分かれ得ることになるが,行政的診断基準の令和5年版が認知症を除外する理由として他の行政的支援が拡充されていることを挙げていることからすれば,いずれの制度からも漏れることを想定した仕分けではないと考えられる。
第7 就労及び差別の解消1 合理的配慮と法定雇用率
雇用の場面では,二つの制度を区別して考える必要がある。第一は合理的配慮の提供義務であり,障害者雇用促進法36条の2は,事業主に対し,労働者の募集及び採用について,障害者と障害者でない者との均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するため,募集及び採用に当たり障害者からの申出により当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならないと定め,同法36条の3は,採用後について,均等な待遇の確保又は有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するため,障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備,援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならないと定める。いずれも事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときはこの限りでないという留保が付されている。同法36条の4は,これらの措置を講ずるに当たって障害者の意向を十分に尊重すべきこと,及び障害者である労働者からの相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講ずべきことを定める。
第二は障害者雇用率制度である。同法37条2項は,雇用義務の対象となる「対象障害者」のうち精神障害者について,精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているものに限ると定めており,実雇用率の算定に当たっては手帳が必要になる。したがって,手帳を取得していない高次脳機能障害者について事業主が合理的配慮を提供する義務を負う一方で,その労働者は実雇用率には算入されないという状態があり得る。法定雇用率の水準及び算定方法については,令和8年7月の障害者法定雇用率2.7%への引上げ―37.5人基準,算定方法及び企業の対応で扱っている。
支援法13条1項は,国及び地方公共団体に対し,公共職業安定所,地域障害者職業センター,障害者就業・生活支援センター,社会福祉協議会,教育委員会その他の関係機関及び民間団体相互の連携を確保しつつ,個々の特性に応じた適切な就労の機会の確保及び就労の定着のための支援に努めるべきことを定め,同条3項は,事業主に対し,高次脳機能障害者の雇用に関し,その有する能力を正当に評価し,適切な雇用の機会を確保するとともに,個々の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならないと定める。また,支援法6条は,事業主が高次脳機能障害者又はその家族の雇用の継続等に配慮するよう努めるべきものとしており,本人だけでなく介護に当たる家族の就業継続を条文上取り上げている。
2 障害を理由とする差別の解消
障害者差別解消法7条は行政機関等に,同法8条は事業者に,それぞれ不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供を義務付ける。事業者による合理的配慮の提供は,令和3年法律第56号による改正により努力義務から法的義務に改められ,同改正法は令和6年4月1日に施行された。合理的配慮の提供は,障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときに,当該障害者の性別,年齢及び障害の状態に応じて必要かつ合理的な配慮をするというものである。
前記のとおり,同法の基本方針は高次脳機能障害が精神障害に含まれること及び対象が手帳の所持者に限られないことを明記している。もっとも,同法が求めるのは意思の表明を契機とする個別の調整であり,記憶障害や社会的行動障害のために自ら配慮を求めることが難しい場合には,その意思の表明を誰がどのように補うかという問題が残る。支援法3条3項が意思決定の支援への配慮を基本理念に掲げているのは,この局面にも関わる。成年後見制度の側からの手当てについては,令和8年成年後見制度改正と関係法律61本の整備で扱っている。
第8 自動車の運転
運転免許を維持できるかどうかは,条文を追うだけでは答えが出ない領域である。道路交通法103条1項1号は,免許の取消し又は効力の停止の事由となる病気として,イ「幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの」,ロ「発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの」,ハ「イ及びロに掲げるもののほか,自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの」を掲げ,同項1号の2は認知症であることが判明したときを掲げる。同項1号ハの政令で定める病気は,道路交通法施行令38条の2第3項が同令33条の2の3第3項各号を引用しており,同項は,1号にそう鬱病,2号に重度の眠気の症状を呈する睡眠障害を掲げた上で,3号に「前二号に掲げるもののほか,自動車等の安全な運転に必要な認知,予測,判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する病気」を掲げる。高次脳機能障害は病名として列挙されておらず,この3号の包括的な規定への当てはめの問題となる。
手続としては,公安委員会は,免許を受けた者が同項1号から3号までのいずれかに該当することとなったと疑う理由があるときは,臨時に適性検査を行い,又は内閣府令で定める要件を満たす医師の診断書を提出すべき旨を命ずることができ,この場合には,免許の申請又は更新の際に提出された質問票の記載内容,法101条の5の規定による報告の内容その他の事情を考慮するものとされている(法102条4項)。また,法101条の6第1項は,医師が,その診察を受けた者が法103条1項1号,1号の2又は3号のいずれかに該当すると認めた場合において,その者が免許を受けた者であることを知ったときは,診察の結果を公安委員会に届け出ることができるとし,同条3項は,刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は,この届出をすることを妨げるものと解釈してはならないと定める。届出は義務ではないが,守秘義務違反にならないことが法律上明示されている。
質問票について注意を要するのは罰則である。法117条の4第1項3号は,法89条1項(免許の申請),法101条1項(免許証等の更新の申請)又は法101条の2第1項の質問票に虚偽の記載をして提出した者を,1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処すると定める。免許を失うことをおそれて質問票に事実と異なる記載をすることは犯罪を構成し得るのであって,運転の継続を希望する場合には,臨時適性検査又は医師の診断書の提出という手続の中で判断を求めることになる。運転の再開を支援する体制も整備されつつあり,令和8年4月7日障障発0407第1号等による高次脳機能障害支援養成研修の実施要綱は,実践研修の標準的なカリキュラムの講義科目に「自動車運転再開支援」を置き,高次脳機能障害者の自動車運転支援に関連する法制度,運転評価,課題や留意事項の理解を内容とすると定めている。
第9 相談窓口及び期間の制約1 支援センターと大阪府内の窓口
これまで見てきたとおり,制度の実施主体は国,都道府県,指定都市,市町村,労働基準監督署及び厚生労働大臣に分かれている。国立障害者リハビリテーションセンターの高次脳機能障害情報・支援センターは,都道府県別の支援拠点機関の一覧を公開しており,令和8年3月現在の大阪府については,大阪府障がい者医療・リハビリテーションセンター(大阪府高次脳機能障がい相談支援センター。大阪市住吉区大領3丁目2番36号,電話06-6692-5262)及び堺市立健康福祉プラザ生活リハビリテーションセンター(指定管理者は社会福祉法人堺市社会福祉事業団。堺市堺区旭ヶ丘中町4丁3番1号,電話072-275-5019)の2機関が掲載されている。指定都市である大阪市を実施主体とする機関は,同一覧には掲載されていない。
実施要綱によれば,センターの業務には,相談支援及び情報提供のほか,診断・評価,適切なリハビリテーション及び福祉サービス等の提供並びに情報提供という専門的な支援,関係施設・関係機関等の職員,当事者及びその家族等に対する研修,並びに普及啓発活動及び地域における実態及びニーズの把握が含まれる。相談の対象は本人に限られず,家族その他の関係者及び関係機関も含まれる。都道府県等は,センターから業務の実施状況等について少なくとも年1回の報告を聴取し,業務内容について定期的に評価を行い,必要に応じて改善を促すなど,適切な運営の確保に努めるものとされている。
2 期間に関する制約の整理
制度ごとに期間の定めがあり,遅れると回復できないものがある。主なものを挙げると,①障害認定日は初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内に傷病が治った場合はその日)である(国民年金法30条1項,厚生年金保険法47条1項),②障害年金の支分権は支払期の到来時から時効が進行し,裁定を受ける前であっても進行する(最高裁判所第三小法廷平成29年10月17日判決),③精神障害者保健福祉手帳は2年ごとに都道府県知事の認定を受ける必要がある(精神保健福祉法45条4項),④高次脳機能障害者支援センターの指定については,旧支援拠点機関を指定する予定であるがやむを得ない事情により直ちに指定することが困難な場合について,令和8年度内に指定することを前提とする取扱いが示されている,⑤支援法附則2項により,国は施行後3年を目途として施行の状況について検討を加えるものとされている,となる。
このうち実務上最も影響が大きいのは②であり,発症又は受傷から年月が経過してから相談に至る事案では,遡及請求の可否を検討する前に,まず時効によって失われる範囲を確定する必要がある。高次脳機能障害は外形から判断しにくく,本人が自らの障害を認識しにくいという特性があるため,制度の存在に気付くまでに時間がかかりやすい。厚生労働省が公表した支援法の概要も,この障害が外形上判断しづらくその特性の理解も進んでいない等の理由で,患者と家族が適切な支援を受けることができず日常生活や社会生活に困難を抱えているとの指摘があることを,立法の理由として挙げている。
出典1 法令
①高次脳機能障害者支援法(令和7年法律第96号)2条・3条・6条・11条・13条・15条・17条・19条・20条・21条・22条・23条・24条・25条・29条・31条・附則(e-Gov法令検索)
②高次脳機能障害者支援法施行令(令和8年政令第60号)1条・2条(e-Gov法令検索)
③精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)45条(e-Gov法令検索)
④障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)5条12項・13項・14項・15項・18項・21項・25項・27項・28項,77条1項(e-Gov法令検索)
⑤障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)36条の2・36条の3・36条の4・37条2項(e-Gov法令検索)
⑥障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)7条・8条(e-Gov法令検索)
⑦障害者基本法(昭和45年法律第84号)2条(e-Gov法令検索)
⑧発達障害者支援法(平成16年法律第167号)2条1項(e-Gov法令検索)
⑨国民年金法(昭和34年法律第141号)30条(e-Gov法令検索)
⑩厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)36条・47条(e-Gov法令検索)
⑪労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)15条(e-Gov法令検索)
⑫介護保険法(平成9年法律第123号)5条の2第1項・7条3項2号・27条1項(e-Gov法令検索)
⑬介護保険法施行令(平成10年政令第412号)2条(e-Gov法令検索)
⑭道路交通法(昭和35年法律第105号)89条1項・101条1項・101条の5・101条の6・102条4項・103条1項・117条の4第1項(e-Gov法令検索)
⑮道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)33条の2の3・38条の2(e-Gov法令検索)
⑯身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)15条(e-Gov法令検索)
2 行政通知
①厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長「「高次脳機能障害者支援法」の公布について(通知)」(障発1224第1号,令和7年12月24日)(厚生労働省)
②厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長「高次脳機能障害者支援事業の実施について」(障発0407第19号,令和8年4月7日)及び別紙1「高次脳機能障害者支援事業実施要綱」(厚生労働省)
③厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長「高次脳機能障害者支援法の施行に伴う留意事項について」(障精発0415第1号,令和8年4月15日)(厚生労働省)
④厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長・精神・障害保健課長「高次脳機能障害支援養成研修の実施について」(障障発0407第1号・障精発0407第3号,令和8年4月7日)及び別添「高次脳機能障害支援養成研修実施要綱」(厚生労働省)
⑤厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長「高次脳機能障害者への退院支援に関する診療報酬の改定等について」(障精発0508第1号,令和8年5月8日)(厚生労働省)
⑥厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長「「地域生活支援事業等の実施について」の一部改正について」(障発0407第31号,令和8年4月7日)(厚生労働省)
⑦厚生労働省労働基準局長「神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準について」(基発第0808002号,平成15年8月8日)(厚生労働省法令等データベースサービス)
⑧厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準についての一部改正について」(障発0303第1号,平成23年3月3日。平成7年9月12日健医発第1133号の一部改正)(国立障害者リハビリテーションセンター)
3 認定基準・診断基準
①日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」第3第1章第8節「精神の障害」(令和4年4月1日改正)56頁~62頁(日本年金機構)
②厚生労働省年金局「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」(平成28年9月)1頁~10頁(厚生労働省)
③「高次脳機能障害診断基準ガイドライン」(平成16年度作成版)1頁~6頁(国立障害者リハビリテーションセンター)
④「令和5年版 高次脳機能障害 診断基準 ガイドライン」1頁~9頁(日本高次脳機能障害学会)
4 裁判例
①最高裁判所第一小法廷令和7年7月17日判決(令和5年(行ヒ)第276号,裁判所ウェブサイト)
②最高裁判所第三小法廷平成29年10月17日判決(平成29年(行ヒ)第44号,民集71巻8号1501頁,裁判所ウェブサイト)
③東京地方裁判所平成30年10月12日判決(平成28年(行ウ)第369号,裁判所ウェブサイト)
④大阪高等裁判所平成22年12月14日判決(平成22年(行コ)第84号,裁判所ウェブサイト)
(続きを読む...)高次脳機能障害者を支援するための諸制度――令和8年4月施行の支援法,障害者手帳,障害年金,労災及び障害福祉サービス(AI作成)