目次
第1 法務局とは何をするところか第2 法務局でできることを目的から探す第3 市区町村・裁判所・公証役場との違い1 戸籍を取得する窓口と相続の登記窓口2 遺言書を保管することと作成・検認3 手続案内と紛争の相談第4 どこの法務局へ行けばよいか第5 予約・受付時間・来庁以外の方法第6 法務局についてよくある疑問1 法務局は何をしに行くところか2 法務局で登記簿の閲覧はできるか第7 出典・参考資料
第1 法務局とは何をするところか
法務局は,不動産や会社・法人の登記,各種証明書の交付,供託,自筆証書遺言書の保管,法定相続情報証明,人権相談などを扱う国の機関である。
「法務局へ行く」ときは,登記を申請するのか,証明書を取得するのか,手続の案内を受けるのかを先に分けると,窓口や準備する書類を選びやすい。
本記事は,令和8年10月17日に確認した法務局・法務省の公式案内に基づき,利用目的から手続を探すための入口を整理する。
同じ庁舎ですべての業務を扱うとは限らず,手続ごとに管轄と取扱庁を確認する必要がある。
第2 法務局でできることを目的から探す
したいこと主な手続・窓口最初に確認すること土地・建物の名義や抵当権などを登記する不動産登記物件の所在・地番・家屋番号,登記の目的,管轄登記所会社を設立し,役員や本店などの変更を登記する商業・法人登記会社・法人の種類,申請する登記,取扱庁登記の証明書や地図・図面を取得する登記事項証明書,地図・図面証明書などの請求提出先が求める証明書の種類,対象物件・法人,請求方法法令で認められた供託をする供託の申請,供託物の払渡請求供託の根拠,原因,金額及び管轄の供託所自分で作成した遺言書を預ける自筆証書遺言書保管制度申請できる保管所,本人による来庁,予約と必要書類相続関係を示す一覧図の認証を受ける法定相続情報証明制度自分で作成する一覧図,戸除籍謄本等,申出先帰化や国籍に関する手続をする国籍事務住所地に応じた取扱庁と手続案内人権に関する問題を相談する人権相談相談内容に合う窓口と相談方法
登記の申請と証明書の取得は,別の手続である。
例えば,土地の登記事項証明書を取って内容を調べることと,その土地の所有者の名義を変更することでは,必要書類や申請先の確認事項が異なる。
供託も,一般の預金のように自由な目的で金銭を預ける制度ではない。
法令上,供託が義務付けられ,又は認められている場合に利用するものであり,供託官による要件の審査がある(出典⑥)。
第3 市区町村・裁判所・公証役場との違い
1 戸籍を取得する窓口と相続の登記窓口
戸籍事務は市区町村で行われ,法務局は全国で正しく処理されるよう専門的な助言や指示等を行っている(出典⑦)。
相続登記や法定相続情報の申出に戸籍が必要であっても,戸籍を集めることと法務局へ申請・申出をすることは分けて準備する。
法定相続情報証明制度では,申出人側が一覧図と戸除籍謄本等を用意し,登記官が確認して認証文付きの写しを交付する(出典⑧)。
戸籍の束だけを持参すれば,法務局が一覧図を一から作ってくれる制度ではない。
申出先と提出・受取方法は,法定相続情報一覧図の申出書の書き方と窓口持参で説明している。
2 遺言書を保管することと作成・検認
法務局の自筆証書遺言書保管制度は,遺言者自身が作成した遺言書を保管する制度である。
遺言内容の相談や遺言書の作成を法務局へ依頼する制度ではなく,保管によって内容の有効性が保証されるわけでもない(出典⑨・⑩)。
公証人が関与して作成する公正証書遺言とは仕組みが異なる。
また,この保管制度を利用した遺言書について家庭裁判所の検認が不要になることと,遺言の有効性に争いがないことは同じではない。
制度の内容は,自筆証書遺言書保管制度を参照されたい。
3 手続案内と紛争の相談
登記手続案内では,登記の流れ,申請書の記載方法,添付書類の収集方法などの説明を受けられる。
一方,遺産を誰にどのように分けるか,売買契約をどのような内容で結ぶかといった判断について助言を受ける場ではない(出典③Q3)。
相続で対立がある場合は,登記書類の準備に加えて,分け方,交渉及び裁判手続への対応を検討する必要がある。
相談先の選び方は,相続は弁護士・司法書士・税理士の誰に相談するかで整理している。