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パソコンを操作するAIで動画・ゲーム・3Dモデルを請け負う副業の法律問題―著作権,不正競争防止法,素材の利用規約,メールアドレスの取得及びフリーランス法(AI作成)

第1 この記事の対象

1 取り上げる四つの副業の型

令和8年9月には,パソコンの画面を見ながらアプリを操作する生成AIが公表され,これを使って動画編集,ブラウザゲームの制作,3Dモデルの制作を請け負う副業を勧める動画も公開されている。
本記事は,そのような公開動画の一つで紹介された次の四つの型を素材にして,受注する個人が契約前に確かめるべき法律上の論点を整理するものである。

①撮影素材をAIに渡し,動画編集アプリでカット,テロップ,差し込み素材の追加まで行わせる動画編集
②有名な既存ゲームに似せたゲームをAIに作らせる制作
③不動産サイトの物件写真から家の3Dモデルとバーチャル内見動画を作る制作,写真から3Dプリント用データを作る制作
④短時間で遊べるブラウザゲームを作り,遊んだ人にメールアドレスを登録してもらって商品の販売につなげる集客

本記事は令和8年10月1日時点の公開資料に基づく。
副業の勧誘そのもの(無料相談会から有料サポート契約へ進む流れ)の法律問題は,別記事の「AIで稼げる」副業の勧誘と契約トラブルで扱う。

2 パソコンを操作するAIの位置付け

OpenAIは,令和8年9月3日,GPT‑6 Astraを発表した。
同社の発表(OpenAI「GPT‑6 Astra:新世代の応答性能」)は,Astraがオンラインフォームへの入力,CRMの顧客レコードの更新,Webサイトの作成とその動作確認,ソフトウェアのインストールとテスト等を行えると説明し,作例としてゲーム開発,Blenderモデル,Unreal Engineのウォークスルー等を挙げている。

同じ発表は,安全性の確認によって作業が一時停止されることがあり,ChatGPT又はCodexでは続行の前に操作の確認を求められることがあるとし,Enterprise(法人向けプラン)では管理者が有効にするまで既定で利用できない状態にしていると説明している。
AIが自分でアプリを操作できるようになっても,何を作り,何を素材に使い,誰に渡すかを決めるのは利用者である。
以下で扱う権利侵害や契約上の責任は,AIの性能が上がったことで軽くなるものではない。

第2 動画編集を請け負う場合

1 AIが自分で探してきた素材の権利

(1) 他人の著作物である素材

AIが編集の途中でロゴ,画像,効果音,音楽を自分で探して差し込んだ場合でも,その素材に他人の著作権があれば,複製(著作権法21条)や,完成した動画を配信・投稿すること(同法23条1項の公衆送信)に権利者の許諾が要る。
素材を集めたのがAIであることは,許諾が要らない理由にならない。

(2) 編集アプリが用意している素材

編集アプリが用意している素材にも条件がある。
例えば,CapCutの利用規約(日本語版。令和8年4月15日最終更新)は,テンプレート,ステッカー,効果音等を同社のコンテンツとし,その商用利用の可否を別の素材ライセンス契約に委ねている。
同社の素材ライセンス契約(Materials License Agreement。英語版。令和8年1月22日最終更新)は,非商用に限る素材を一つでも含めた作品は非商用の範囲でしか使えないとし,一般の音楽ライブラリを個人・非商用の利用に限っている。
依頼主の会社の宣伝動画を作る仕事は商用利用に当たるので,AIが差し込んだ素材を一つずつ,出所とライセンスの条件で確かめる必要がある。

2 完成した動画の権利と納品

(1) 編集した動画が著作物になるか

撮影素材の選択,カットの配列,テロップの入れ方に創作性があれば,編集された動画は映画の著作物(著作権法10条1項7号)になり得る。
一方で,文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)39頁~40頁は,AIへの指示が表現に至らないアイデアにとどまる場合はAI生成物に著作物性は認められないとし,人が創作的に加筆・修正した部分には通常著作物性が認められるとしている。
「1回指示しただけで編集が仕上がった」動画は,人の創作的寄与がどの部分にあるかが問われることになる。
編集映像の著作物性の考え方は,固定カメラ映像・編集映像の著作物性――撮影の工夫,シーンの選択・配列及び類似映像でも扱っている。

(2) 納品時に約束する内容

依頼主から著作権の譲渡を求められても,AIが生成した部分に著作権が生じていなければ,譲渡する権利がその部分には存在しないことになる。
文化庁著作権課「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)21頁(3-1-6)も,AI生成物を著作物であることを前提にライセンス契約等の取引の対象とする場合には,AIを利用したAI生成物であることや著作物性等について関係者に適切に説明することが求められるとしている。
クラウドワークスの利用規約(令和8年7月14日改定)18条は,成果物の著作権は譲渡の合意がない限り作成者に帰属するとし,第三者の権利を利用するときは受注者が許諾を得ることを定めている。
契約では,①AIを使うこと,②素材の出所とライセンス,③譲渡する権利の範囲(「著作権が生じている部分について譲渡する」等),④第三者から権利侵害を主張された場合の対応を,あらかじめ文章で決めておくのが安全である。

第3 既存の有名ゲームに似せたゲームを作る場合

1 似せてよい部分と似せてはいけない部分

(1) 翻案の判断の枠組み

最高裁平成13年6月28日第一小法廷判決(平成11年(受)第922号,民集55巻4号837頁,裁判所HP)は,翻案(著作権法27条)を「既存の著作物に依拠し,かつ,その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ,具体的表現に修正,増減,変更等を加えて,新たに思想又は感情を創作的に表現することにより,これに接する者が既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできる別の著作物を創作する行為」と定義し,アイデア等の表現それ自体でない部分で同一性があるにすぎない場合は翻案に当たらないとした。
この判決は言語の著作物についてのものであるが,ゲームの画面の類似が争われた事件でも同じ判断の枠組みが用いられている。

(2) ゲームの仕組みと具体的な表現

ゲームについては,東京地裁令和3年2月18日判決(平成30年(ワ)第28994号,裁判所HP)が,携帯電話機等で遊ぶゲームについて「ゲームのシステムないしルール自体はアイデアそのものであり,著作物ということはできず」と述べ,その控訴審の知財高裁令和3年9月29日判決(令和3年(ネ)第10028号,裁判所HP)も控訴を棄却した。
また,知財高裁平成24年8月8日判決(平成24年(ネ)第10027号,裁判所HP)は,釣りゲームの魚の引き寄せ画面について,第1審の侵害の判断を取り消し,アイデア等で同一性があるにすぎず本質的な特徴を直接感得できないから翻案に当たらないとした。

これらの裁判例からは,「村を育てて攻め合う」「巨大な竜を大剣で狩る」といったゲームの仕組みやジャンルを借りることと,画面の構成,キャラクターの外観,音楽,効果音といった具体的な表現を写すこととは区別されることが分かる。
もっとも,翻案に当たるかは表現ごとの具体的な比較で決まり,裁判例も事案によって結論が分かれている。
「そっくり」「忠実に再現」を目標にする依頼は,具体的な表現まで写すことを求めるものになりやすい。

2 作品名やキャラクター名をAIに指示する危険

文化庁のチェックリスト&ガイダンス21頁(3-1-7)は,業務で生成AIを利用する者について,生成AIへの指示として既存の著作物の題号やキャラクター名などの固有名詞を入力した場合は,既存の著作物を認識していたことを推認させる間接事実となり,依拠性が認められやすくなるとしている。
同じ箇所は,依拠性がないことを説明できるよう,生成に用いたプロンプト等を確認できる状態にしておくことを勧めている。

「(既存の有名ゲームの題名)のようなゲームを本物に忠実に作って」という指示は,作品名を入力する典型例である。
AIが自分で画面を作ったから依拠していない,という説明は通りにくい。
受注者としては,既存の作品名を指示に入れない,できたものが既存の作品と似ていないかを検索等で確かめる,指示と生成の記録を残す,という三つの手当てが考えられる。

3 名称,ロゴ及び商品の外観

(1) 名称とロゴ

作品名やロゴは著作権より不正競争防止法と商標法で問題になる。
不正競争防止法2条1項1号は,需要者の間に広く認識されている他人の商品等表示と同一又は類似の表示を使って他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為を,同項2号は,他人の著名な商品等表示と同一又は類似のものを自己の商品等表示として使う行為を,それぞれ不正競争としている。
有名ゲームの題名やロゴを自作ゲームの名称や画面に使えば,これらに当たるおそれがある。

(2) 画面や商品の形態の模倣

不正競争防止法2条1項3号は,他人の商品の形態(商品の機能を確保するために不可欠な形態を除く。)を模倣した商品を譲渡等する行為を不正競争とし,令和5年の改正(令和6年4月1日施行)で「電気通信回線を通じて提供する行為」も対象に加えた(経済産業省「不正競争防止法 直近の改正(令和5年)」)。
同条5項は,「模倣する」を「他人の商品の形態に依拠して、これと実質的に同一の形態の商品を作り出すこと」と定義している。
この保護は,日本国内で最初に販売された日から3年を経過した商品には及ばない(同法19条1項6号イ)。
デジタルの商品も対象になったので,発売から3年以内のゲームの画面デザインやデジタルアイテムに実質的に同一のものを作って売ることは,著作権とは別にこの規定で問題になり得る。

第4 写真から3Dモデルや内見動画を作る場合

1 建物そのものを3Dにすること

(1) 一般の住宅は建築の著作物に当たりにくいこと

一般の住宅は,建築の著作物(著作権法10条1項5号)に当たらないとされることが多い。
大阪高裁平成16年9月29日判決(平成15年(ネ)第3575号,裁判所HP)は,建築会社が一般人向けに同種の設計で多数建築することを予定したモデルハウスについて,建築の著作物に当たらないと判断した。

(2) 建築の著作物に当たる建物の利用

建築の著作物に当たる建物であっても,著作権法46条は,「建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合」(同条2号)等を除き,建築の著作物を「いずれの方法によるかを問わず、利用することができる」としている。
建物の外観を3Dモデルにすることや内見動画にすることは,建築による複製ではないので,建物の著作権との関係では同条によって許される場合が多いと考えられる。

2 物件写真を素材にすること

問題は,建物ではなく物件の写真である。
知財高裁平成18年3月29日判決(平成17年(ネ)第10094号,裁判所HP)は,静物や風景を撮影した写真でも構図,光線,背景等に独自性が表れることが多く,創作性を肯定し得る場合があるとし,創作性の程度によって保護の範囲が変わるとした。
不動産サイトの物件写真は,撮影者や不動産会社に著作権がある写真の著作物(著作権法10条1項8号)になり得るので,その写真をAIに読み込ませて3Dモデルや内見動画を作り,依頼主に納品したり公開したりすることには,写真の権利者の許諾の有無を確かめる必要がある。
依頼主が物件の売主や仲介会社で,写真の権利を持っている(又は利用の許諾を受けている)なら問題は小さいが,「このサイトの物件ページから作って」とだけ言われた場合は,写真の権利の所在を確かめてから受けるべきである。

3 写真から3Dプリント用データを作ること

人物の写真,キャラクターのフィギュア,市販の商品の写真から3Dプリント用データを作る仕事も,素材ごとに権利が違う。
キャラクターのフィギュアを立体で再現すれば,キャラクターの絵や造形の複製又は翻案(著作権法21条・27条)の問題になり,市販の商品の形を再現すれば,前記の不正競争防止法2条1項3号が問題になり得る。
人物を立体化する場合は,本人の同意と肖像の扱いを別に考える必要がある。
キャラクターの利用については小説の登場人物をTシャツ・SNSスタンプに使えるか――キャラクター,翻案権及び二次的著作物の新規部分,声や肖像の模倣についてはAIによる声・肖像の無断模倣――パブリシティ権,不正競争防止法及び今後の法改正でも扱っている。

第5 ゲームでメールアドレスを集める場合

1 個人情報保護法

(1) メールアドレスが個人情報に当たる場合

個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」2-1は,ユーザー名とドメイン名から特定の個人を識別できるメールアドレスは,それだけで個人情報に当たるとしている。
同委員会の「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q1-4も,同じ考え方を示し,それ以外のメールアドレスも他の情報と容易に照合して特定の個人を識別できれば個人情報に当たるとしている。
ゲームの登録フォームでメールアドレスを集める者は,個人情報取扱事業者として扱われることを前提に設計するのが安全である。

(2) 利用目的の特定と明示

個人情報保護法17条1項は,個人情報を取り扱うに当たって利用目的を「できる限り特定しなければならない」としている。
同法21条2項は,本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記載された個人情報を取得する場合は,「あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない」としている。
ゲームの画面でメールアドレスを入力してもらう場合はこれに当たるので,入力欄の近くに「新商品の案内メールを送るために使う」等の具体的な利用目的を示す必要がある。
「ゲームの結果を送る」とだけ示して集めたメールアドレスに商品の宣伝を送れば,示した利用目的の範囲を超えることになる。

2 特定電子メール法

(1) 事前の同意と表示

広告や宣伝のメールを送るときは,特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)も問題になる。
同法3条1項は,あらかじめ送信に同意した者等以外の者に対する特定電子メールの送信を禁じ,同条2項は同意を証する記録の保存を,同法4条は送信者の氏名又は名称や,送信をしないよう求める通知(同法3条3項)を受けるための電子メールアドレス等の表示を,それぞれ求めている。
営業を営む個人が自己の営業の広告のために送るメールも,特定電子メールに当たり得る(同法2条2号)。

(2) ガイドラインが示す同意の取り方

総務省・消費者庁「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」(平成23年8月)は,同意の有無を,受信者が広告・宣伝のメールが送られることを認識した上で賛成の意思を表示したといえるかで判断するとし,ウェブフォームで同意を取る場合には同意の欄にあらかじめチェックを入れない方式(デフォルトオフ)を推奨している。
ゲームの結果画面の最後に小さく「メールマガジンを受け取る」とあらかじめチェックした欄を置くだけの設計は,避けるべきである。

第6 受注する個人の契約上の立場

1 依頼どおりに作っても責任を負う場合

成果物の制作を請け負う契約には,売買の契約不適合責任の規定が準用される(民法559条・562条)。
民法636条本文は,注文者の指図によって生じた不適合については注文者が追完請求等をできないとするが,同条ただし書は,請負人がその指図が不適当であることを「知りながら告げなかったとき」は,この限りでないとしている。
依頼主に「既存ゲームとそっくりに」と言われて作った結果,納品物が権利侵害を理由に公開できなくなった場合,受注者が権利侵害のおそれを知りながら告げていなければ,指図に従ったことだけでは責任を免れないことになり得る。
同法637条1項は,注文者が不適合を知った時から1年以内に通知しないと追完請求等ができなくなるとしている。

2 フリーランス法と取適法

(1) フリーランス法の主な義務

従業員を使用しない個人は,事業者から情報成果物の作成を委託されたとき,特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法。令和6年11月1日施行)の「特定受託事業者」に当たる(同法2条1項・3項)。
発注した事業者は,給付の内容,報酬の額,支払期日等を書面又は電磁的方法で直ちに明示しなければならず(同法3条1項),従業員を使用する発注事業者は,原則として給付を受領した日から60日以内に支払期日を定めなければならない(同法4条1項)。

(2) 副業と仲介サイトの扱い

公正取引委員会の「フリーランス・事業者間取引適正化等法Q&A」は,会社員が副業として業務委託を受ける場合もその範囲では特定受託事業者に当たり得るとし(Q14),発注者が事業のためでなく消費者として依頼する場合は対象外であるとしている(Q21)。
仲介サイトを通じた取引については,仲介事業者が受注者と業務委託契約を結ばず事務手続を代行しているだけなら,業務委託事業者は発注者であるとしている(Q29)。
スキルマーケットで個人が私用の動画編集を頼む場合は,フリーランス法の保護の対象にならないことがある。

(3) 取適法

令和8年1月1日に施行された製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法。旧下請法)は,情報成果物作成委託を対象とし,資本金の基準に加えて従業員数の基準を設けた(公正取引委員会・中小企業庁「中小受託取引適正化法テキスト」(令和7年11月)7頁・10頁)。
一定規模の会社から動画やゲームの制作を受注する場合は,取適法も適用され得る。
受注者の労働者性やフリーランス法の適用範囲は,税務・労働法・社会保険・フリーランス法における労働者性の判定で扱っている。

3 仲介サイトとAIサービスの利用規約

(1) 仲介サイトの利用規約

ココナラの利用規約(令和7年12月19日改定)は,契約が出品者と購入者の間で成立し同社は当事者にならないとし(9条2項),出品者に第三者の権利を侵害しないことを保証させ(21条1項),第三者から請求を受けた同社に弁護士費用を含めて賠償することを会員に求めている(82条3項・4項)。
同社のヘルプ「知的財産権、著作権等を侵害するサービス」は,AIにより生成したイラスト画像と,それを素材として一部使用した成果物の出品を控えるよう求めている。
クラウドワークスは,同社のAIポリシー(令和6年7月31日)で,AIの利用を禁止しない一方,ワーカーに対し,事前にクライアントへ利用の可否を確認し,利用を意図的に隠さないよう呼びかけている。
同社は,令和8年9月29日,コンペ形式の仕事で生成AIの使用の可否を確認し,使用を申告できる機能を設けた。

(2) AIサービスの利用規約

OpenAIの利用規約(Terms of Use。令和8年1月1日発効)は,出力についての同社の権利があれば利用者に譲渡するとする一方,他の利用者に似た出力が出ることがあるとし,他人の権利を侵害する使い方を禁じている。
AIの利用規約が出力の権利を利用者に渡すとしていても,それは第三者の権利を侵害しないことの保証ではない。

第7 受注前の確認事項

次の事項は,四つの型に共通して,受注する前に依頼主と確かめておくことが考えられる。

①依頼主が事業者か消費者か(フリーランス法・取適法の適用の有無)
②素材の出所と,写真・映像・音楽ごとの権利者及び許諾の範囲
③既存の作品名,キャラクター名,ロゴを指示や成果物に入れることを求められていないか
④AIを使うことと,使うAIサービスの規約の条件を依頼主に説明したか
⑤編集アプリや素材サイトの素材が商用利用できるか
⑥譲渡する権利の範囲と,AI生成部分の扱い
⑦第三者から権利侵害を主張された場合の対応と費用の負担
⑧メールアドレス等を集める場合の利用目的の表示と,広告メールの同意の取り方
⑨指示,生成の過程,素材の出所の記録を残す方法
⑩仲介サイトの規約で禁止された出品・納品に当たらないか

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第9 出典

1 法令

e-Gov法令検索「著作権法」(2条1項1号,10条1項,21条,23条1項,27条,46条)
e-Gov法令検索「不正競争防止法」(2条1項1号~3号・5項,19条1項6号イ)
e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」(17条1項,21条2項)
e-Gov法令検索「民法」(559条,562条,636条,637条)
e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(2条,3条1項,4条1項)
e-Gov法令検索「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(2条2号,3条,4条)
令和8年10月1日の確認時にはe-Gov法令検索がメンテナンス表示であったため,条文は判例秘書の「現行法令アーカイブ」(令和8年8月1日現在の現行法令)で照合した。

2 裁判例

最高裁平成13年6月28日第一小法廷判決(平成11年(受)第922号)(民集55巻4号837頁)
知財高裁平成24年8月8日判決(平成24年(ネ)第10027号)
東京地裁令和3年2月18日判決(平成30年(ワ)第28994号)
知財高裁令和3年9月29日判決(令和3年(ネ)第10028号)
大阪高裁平成16年9月29日判決(平成15年(ネ)第3575号)
知財高裁平成18年3月29日判決(平成17年(ネ)第10094号)

3 所管行政機関等の資料

文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)(39頁~40頁)
文化庁著作権課「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)(21頁)
経済産業省「不正競争防止法 直近の改正(令和5年)」
個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(2-1)
個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」(Q1-4)
総務省・消費者庁「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」(平成23年8月)
公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法Q&A」(Q14,Q21,Q29)
公正取引委員会・中小企業庁「中小受託取引適正化法テキスト」(令和7年11月)(7頁,10頁)

4 事業者の公表資料・利用規約(令和8年10月1日確認)

OpenAI「GPT‑6 Astra:新世代の応答性能」
OpenAI「利用規約」
CapCut「利用規約」
CapCut「Materials License Agreement」
ココナラ「利用規約」
ココナラ「知的財産権、著作権等を侵害するサービス」
クラウドワークス「利用規約」
クラウドワークス「AIポリシー」
クラウドワークス「コンペ形式のお仕事で、生成AIの使用可否を確認・申告できるようになりました!」(令和8年9月29日)

第10 別の機会に掘り下げる点

本記事では,次の点を十分に検討していない。

①ゲームの画面,キャラクター及び効果音ごとの翻案の判断を,近時の裁判例で比較すること
②3Dモデルの著作物性と,3Dプリント用データの販売に関する裁判例の調査
③AIが自分で集めた素材について,受注者と依頼主の過失の分担をどう考えるか
④人物を立体化する場合の肖像権とパブリシティ権の整理
⑤海外の依頼主から受注する場合の準拠法と,海外のゲームの権利者からの請求