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特採品で不具合・事故が起きたら誰が責任を負うか―検査不合格品の受入条件(AI作成)

第1 特採の承認だけで責任の範囲は決まらない

特採とは,本記事では,通常の検査基準には合格しない製品について,対象や条件を定めて例外的に受け入れる取扱いをいう。社内での呼び方だけでなく,実際に何を例外的に受け入れたかを確認する。

「特採で受け入れたのだから,後の不具合はすべて発注者の責任である」「不合格品なのだから,承認後も受注者がすべて負担する」と一律に決めることは適切ではない。何を不合格とし,どの範囲で受入れを承認したか,契約と実際の記録を確認する必要がある。

例えば,塗装の色差だけを承認した場合と,強度の不足を認識して用途を限定した場合では,承認対象も必要な安全確認も異なる。対象ロット,逸脱した仕様及び使用条件を曖昧にしないことが出発点となる。

第2 特採品で分けて確認する3つの関係

1 発注者と受注者の契約上の関係

まず,承認した逸脱について契約内容を変更したのか,仕様は維持したまま一部の請求を行わないと合意したのか,選別・手直しを条件に受け入れただけなのかを確認する。これらは同じ処理ではない。

承認書に「使用可」とだけ記載されている場合には,承認の対象が生産ラインへの投入だけなのか,最終製品での使用や出荷まで含むのかも問題になる。品質部門の承認と,価格変更・責任分担について合意する権限も区別しておく必要がある。

2 完成品の利用者その他の第三者との関係

発注者・受注者間で責任分担を決めても,その合意だけで第三者の権利を処分できるわけではない。

製造物責任法は,製造物の欠陥により生命,身体又は他の財産に生じた損害について,法律所定の製造業者等の責任を定めている。被害が当該製造物だけにとどまる場合は,同法3条の責任の対象から除かれる。契約責任等の検討とは分ける必要がある。

部品メーカー,完成品メーカー,輸入者又は表示をした事業者が同法上のどの立場になるかも,実際の製造・輸入・表示等に即して確認する。特採承認書に「発注者が一切責任を負う」と書くだけで,この検討を省略することはできない。

3 事故後の当事者間の費用精算

第三者への対応と,発注者・受注者間で最終的にどの費用を負担するかは,別に整理する。

事故調査,選別,回収,代替品,修理,出張及び廃棄等のどの費用が発生したかを記録し,原因との関係,契約上の合意及び対応を決めた経緯を確認する。「特採品に関する費用」という名目だけで,すべてを一方に請求する扱いは避けるべきである。

第3 承認書に残しておきたい事項

承認書は,後日の責任争いだけでなく,現場で誤った製品を使わないための記録でもある。少なくとも次の事項を対応させることを検討されたい。

– 品名,品番,図面の版,ロット及び数量
– 適合しなかった基準と,実測値・写真・試験結果
– 承認する逸脱の範囲及び承認しない事項
– 使用できる用途・条件・期間と,出荷前に必要な確認
– 選別・手直しの内容,担当者,費用及び完了確認
– 単価・数量・納期の変更の有無
– 保証や事故対応について残る義務と,別途協議する事項
– 申請者,技術・品質面の承認者及び契約条件の合意者

承認の対象を「今回のロットの外観上の色差に限る」と具体化すれば,別の強度不足や将来のロットまで承認したかという争いを減らしやすい。ただし,この記載例だけで安全性を判断できるわけではなく,必要な技術的評価は別に行う。

第4 特採に伴う減額は別に検討する

特採を理由に値引きする場合には,不合格となった原因,受注者の責任,合意内容及び減額の根拠を確認する。特採承認書に定率の値引きを書いたというだけで,当然に適法になるものではない。

取適法の適用がある取引では,公正取引委員会の運用基準に従い,減額禁止との関係を検討する必要がある。同委員会のQ&Aには,事前の合意があっても,中小受託事業者に責任がない減額は問題になることが示されている。

「特採なら代金の5%を引く」といった一律の運用を先に決めず,不具合の内容と客観的な根拠を記録する。商流上の呼称だけで取適法の適用の有無を判断することも避ける。

第5 不具合が発生したときの進め方

まず,対象品の識別と使用・出荷の状況を確認し,被害拡大の防止に必要な措置を検討する。原因が未確定の段階で,特採という言葉だけを根拠に責任を確定させない。

特採前の検査記録,申請書,承認書,試験結果,現物,使用条件,製造記録及び事故後の調査結果を照合する。承認済みの逸脱そのものが原因なのか,別の不具合なのか,発注者側の使用条件が変わったのかを区別する。

契約書の責任条項だけでなく,通知先,調査への協力,対外説明の窓口及び費用を暫定的に支出する際の扱いも確認する。緊急対応の合意と最終的な責任の承認を分けて記録する方法も考えられる。

第6 根拠資料と関連記事

法律上の枠組みはe-Govの民法及び製造物責任法,取適法の運用は公正取引委員会の運用基準とQ&Aを参照されたい。

基本契約全体の審査は,製造委託の取引基本契約書を受注者側から審査するポイント―取適法・損害賠償・相殺・契約終了(AI作成),通知期限等の整理は,契約不適合責任の期間制限―1年以内の通知,5年・10年の消滅時効及び旧瑕疵担保責任の判例(AI作成)を参照されたい。