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契約不適合責任の期間制限―1年以内の通知,5年・10年の消滅時効及び旧瑕疵担保責任の判例(AI作成)

第1 本記事の対象と結論

1 結論

売買の目的物の種類又は品質が契約の内容に適合しない場合,買主は,不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ,履行の追完,代金の減額,損害賠償及び契約の解除のいずれも請求できなくなる(民法566条本文)。
請負の仕事の目的物についても,注文者に同じ1年以内の通知が求められる(民法637条1項)。

この1年は「通知」の期間であり,1年以内に訴えを起こす必要はない。
他方,通知をしても,それとは別に民法166条1項の消滅時効が進行し,権利を行使することができることを知った時から5年,権利を行使することができる時から10年のいずれか早い方で時効が完成する。

したがって,契約不適合責任には,①不適合を知った時から1年以内の通知,②知った時から5年の消滅時効,③引渡しの時から10年の消滅時効(改正前民法下の最高裁平成13年11月27日判決の考え方による)という三つの期間制限が重なって働く。
通知を済ませたから安心ということにはならず,特に引渡しから長い年月が経ってから不適合が見つかった場合には,③の10年が先に来ることがある。

売主が引渡しの時に不適合を知っていたか,重大な過失によって知らなかったときは,①の通知期間の制限は働かないが,②③の消滅時効は働く。
数量不足や移転した権利の不適合には①の通知期間の制限は無く,②③の消滅時効だけが働く。

令和2年4月1日より前に締結された売買・請負には,改正前民法の瑕疵担保責任の規定が適用される(平成29年法律第44号附則34条1項)。
その場合,売買では,瑕疵を知った時から1年以内の権利行使(除斥期間)と,引渡しの時から10年の消滅時効が問題となる(最高裁平成4年10月20日判決,最高裁平成13年11月27日判決)。
請負では,改正前民法637条・638条の存続期間(原則として引渡しから1年,土地の工作物は引渡しの後5年又は10年)が問題となる。

2 本記事の対象と調査基準日

本記事は,民法の売買・請負の契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)について,期間制限だけを扱う。
不適合の有無,追完・減額・解除の要件及び損害額の算定は扱わない。

調査基準日は令和8年9月19日である。
条文はe-Gov法令検索(法令API)で取得した現行条文及び令和2年3月31日時点の条文と照合し,裁判例は裁判所ウェブサイトの裁判例検索で判決全文を確認した。
消滅時効全般の論点は,ハブ記事の消滅時効に関するメモ書きで整理している。

第2 現行民法の三つの期間制限

1 1年以内の通知(民法566条・637条)

(1) 売買

民法566条は,「売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」と定める。
同条ただし書は,「売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。」とする。

この規定の要点は次のとおりである。
①起算点は引渡しの時ではなく,買主が不適合を「知った時」である。
②期間内にすべきことは「その旨を売主に通知」することであり,条文上,裁判上の請求や損害額の特定までは求められていない。
③制限を受けるのは,履行の追完(民法562条),代金の減額(民法563条),損害賠償(民法564条・415条)及び解除(民法564条・541条・542条)の全部である。
④売主が悪意又は重過失の場合は適用されない。

対象は「種類又は品質」の不適合に限られる。
数量の不足(民法562条1項)や,移転した権利が契約の内容に適合しない場合(民法565条)には民法566条の通知期間は及ばず,民法166条1項の消滅時効だけが問題となる。

売買以外の有償契約にも,性質が許さない限り売買の規定が準用される(民法559条)。

(2) 請負

民法637条1項は,請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(民法636条本文に規定する場合)について,「注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。」と定める。
同条2項は,引渡しの時(引渡しを要しない場合は仕事が終了した時)に請負人が不適合を知り,又は重大な過失によって知らなかったときは,1項を適用しないとする。

改正前民法では,請負人の担保責任の存続期間は原則として仕事の目的物の引渡しから1年であり(改正前民法637条1項),建物その他の土地の工作物については引渡しの後5年,石造・コンクリート造等については10年とされていた(改正前民法638条1項)。
現行民法ではこの改正前民法638条から640条までは削除され,建物についても民法637条の知った時から1年以内の通知に一本化された。

2 5年・10年の消滅時効(民法166条1項)

契約不適合を理由とする追完請求権,代金減額請求権及び損害賠償請求権は,いずれも債権であるから,民法166条1項の消滅時効に服する。
民法166条1項は,債権は「債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき」(1号)又は「権利を行使することができる時から十年間行使しないとき」(2号)に時効によって消滅すると定める。

5年の主観的起算点(1号)は,通常,買主が不適合を知った時と重なると考えられる。
そうすると,1年以内の通知期間と5年の消滅時効は,ほぼ同じ時点から同時に進行を始めることになる。

10年の客観的起算点(2号)について,改正前民法の下で最高裁平成13年11月27日判決は,瑕疵担保による損害賠償請求権の消滅時効は「買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行する」と判示した(第3の1)。
現行民法の下でも,契約不適合を理由とする権利は引渡しによって行使可能となるから,客観的起算点は引渡しの時と考えられる。
不適合に気付かない限り買主の権利が永久に存続するのは売主に過大な負担を課するという同判決の理由付けも,現行法にそのまま当てはまる。

債権の消滅時効期間の全体像は,債権の消滅時効は何年か―5年・10年の原則,短期消滅時効の廃止及び分野別の時効期間で扱う。

3 三つの期間の重なりと具体例

三つの期間制限を並べると,次のとおりである。

期間制限起算点期間内にすべきこと根拠
通知期間不適合を知った時1年以内に不適合の旨を通知する民法566条・637条
主観的な消滅時効権利を行使することができることを知った時5年以内に権利を行使する(訴えの提起等)民法166条1項1号
客観的な消滅時効権利を行使することができる時(引渡し)10年以内に権利を行使する民法166条1項2号

期間は初日を算入せず(民法140条本文),末日の終了をもって満了する(民法141条)。
次の例は,いずれも令和3年3月1日に売買契約を締結し,同年4月1日に目的物の引渡しを受けた場合である。

具体例①として,買主が令和7年6月1日に雨漏りの原因となる施工不良を知ったとする。
通知期間は令和8年6月1日に満了するから,それまでに売主へ通知しなければならない。
通知をした場合でも,5年の消滅時効は令和12年6月1日に満了し,10年の消滅時効(令和13年4月1日満了)より先に来る。

具体例②として,買主が令和10年12月1日に不適合を知ったとする。
通知期間は令和11年12月1日に満了し,5年の消滅時効は令和15年12月1日に満了する計算になるが,引渡しから10年の消滅時効が令和13年4月1日に満了する。
この場合,通知を済ませた後も,令和13年4月1日までに訴えの提起等で時効の完成を止めなければ,売主は消滅時効を援用することができる。

具体例③として,売主が引渡しの時に不適合を知っていた場合は,1年以内の通知が無くても権利は失われない。
それでも,5年・10年の消滅時効は通常どおり進行する。

4 通知をしても時効の進行は止まらない

民法566条・637条の通知は,権利を失わないための要件であり,時効の完成猶予事由でも更新事由でもない。
通知から何年経っても権利を行使できるということではなく,通知後に交渉が長引いている間にも5年・10年の消滅時効は進行する。

通知の中で追完や損害賠償の支払を求めれば,その通知は催告(民法150条1項)にも当たり得る。
ただし,催告による完成猶予は「その時から六箇月を経過するまでの間」だけであり,催告を繰り返しても延長されない(同条2項)。
交渉を続けるなら,権利についての協議を行う旨の合意を書面でする方法(民法151条)がある。
催告と協議の合意の使い方は,内容証明による催告と協議を行う旨の合意―6か月の完成猶予,再度の催告及び民法151条の使い方で扱う。

第3 旧瑕疵担保責任の判例

1 最高裁平成13年11月27日判決(消滅時効の適用と起算点)

最高裁判所第三小法廷平成13年11月27日判決(平成10年(オ)第773号,民集55巻6号1311頁)は,改正前民法の下で,瑕疵担保による損害賠償請求権に消滅時効の規定が適用されるかが争われた事案である。
原審は,売主の瑕疵担保責任は法定責任であり,改正前民法167条1項の適用も準用もないとして,消滅時効の抗弁を排斥していた。

最高裁は,瑕疵担保による損害賠償請求権は売買契約に基づき法律上生ずる金銭支払請求権であって,改正前民法167条1項の「債権」に当たるとした。
そして,買主が事実を知った日から1年という除斥期間の定め(改正前民法570条・566条3項)は,法律関係の早期安定のために権利行使の期間を特に限定したものであるから,これによって同項の適用が排除されるとは解されないとした。
さらに,引渡し後であれば通常の消滅時効期間の満了までに瑕疵を発見して権利を行使することを期待しても不合理でない一方,消滅時効の適用が無いとすると買主が瑕疵に気付かない限り権利が永久に存続し,売主に過大な負担を課すると述べた。
その上で,「瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり,この消滅時効は,買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行する」と判示した。

事案は,昭和48年に宅地の引渡しを受けた買主が,平成6年に道路位置指定の存在を知って損害賠償を請求したもので,引渡しから21年余りが経過していた。
最高裁は消滅時効期間の経過を認めて原判決を破棄したが,自判はせず,消滅時効の援用が権利の濫用に当たるとの買主の再抗弁等について審理を尽くさせるため,事件を東京高等裁判所に差し戻した。
消滅時効期間が経過していても,援用が権利の濫用として許されない余地があることを前提とした差戻しである。

2 最高裁平成4年10月20日判決(1年の除斥期間と権利保存の方法)

最高裁判所第三小法廷平成4年10月20日判決(昭和63年(オ)第1543号,民集46巻7号1129頁)は,商人間の売買でストッキングの瑕疵を理由に損害賠償が請求された事案である。
同判決の裁判要旨は,①改正前民法566条3項にいう1年の期間は除斥期間であること,②瑕疵担保による損害賠償請求権を保存するには,除斥期間内に売主の担保責任を問う意思を裁判外で明確に告げることをもって足り,裁判上の権利行使をするまでの必要はないことである。

同判決は,権利を保存するには,少なくとも,売主に対し,具体的に瑕疵の内容とそれに基づく損害賠償請求をする旨を表明し,請求する損害額の算定の根拠を示すなどして,売主の担保責任を問う意思を明確に告げる必要があるとした。
また,商法526条は,買主が損害賠償請求権等を行使するための前提要件を定めたにとどまり,行使し得る権利の内容及びその消長は民法の一般原則によるとし,商法526条の要件を満たしたこととは関わりなく,改正前民法570条・566条3項の1年の期間制限が働くとした。

現行民法566条は,期間内にすべきことを「請求」から「その旨を売主に通知」することに改めた。
条文の文言からすると,現行法の通知は,平成4年判決が求めた損害額の算定根拠の提示までは要しないと読むのが自然である。
もっとも,通知の内容として何をどこまで特定すべきかを判示した最高裁判例は,調査基準日時点で確認できなかった。
実務上は,不適合の種類・範囲をできるだけ具体的に記載し,追完や損害賠償を求める意思も示しておくのが安全である。

3 改正前民法と現行民法のどちらが適用されるか

平成29年法律第44号附則34条1項は,「施行日前に贈与、売買、消費貸借(旧法第五百八十九条に規定する消費貸借の予約を含む。)、使用貸借、賃貸借、雇用、請負、委任、寄託又は組合の各契約が締結された場合におけるこれらの契約及びこれらの契約に付随する買戻しその他の特約については、なお従前の例による。」と定める。
施行日は令和2年4月1日であるから,同日より前に締結された売買・請負の担保責任には,改正前民法の瑕疵担保責任の規定(改正前民法570条・566条3項,634条・637条・638条等)が適用される。

消滅時効の期間についても,施行日前に債権が生じた場合(施行日以後に債権が生じた場合で,その原因である法律行為が施行日前にされたときを含む。)には改正前民法による(同附則10条4項)。
施行日前に締結された売買であれば,引渡しや瑕疵の発見が施行日以後であっても,改正前民法167条1項の10年の消滅時効が問題となる(商人間の売買等では,改正前商法522条の5年が及ぶかも検討を要する。)。
経過措置の振り分けの詳細は,消滅時効は改正前民法と改正後民法のどちらで判断するか―附則10条・35条の経過措置と振り分け表で扱う。

第4 特則と特約

1 商人間の売買(商法526条)

商法526条1項は,商人間の売買において,買主は目的物を受領したときは遅滞なく検査しなければならないと定める。
同条2項は,検査により種類,品質又は数量に関する不適合を発見したときは「直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ」,追完請求,代金減額請求,損害賠償請求及び解除をすることができないとし,直ちに発見することができない不適合については「買主が六箇月以内にその不適合を発見したときも、同様とする。」と定める。
売主が不適合につき悪意であった場合には適用されない(同条3項)。

商人間の売買では,民法566条の知った時から1年の通知期間より前に,受領後の遅滞ない検査と直ちの通知が求められ,受領から6か月を過ぎて見つかった不適合については,同項による権利行使ができなくなる。
平成4年判決の説示に照らせば,商法526条は権利行使の前提要件であり,その要件を満たしても,民法上の期間制限(現行法では民法566条の通知期間と民法166条1項の消滅時効)は別に働くと考えられる。

2 新築住宅(住宅の品質確保の促進等に関する法律)

住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号。以下「品確法」という。)94条1項は,住宅を新築する建設工事の請負契約において,請負人は,注文者に引き渡した時から10年間,住宅の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものの瑕疵について担保の責任を負うと定める。
同法95条1項は,新築住宅の売買契約の売主についても,買主に引き渡した時(請負人から売主に引き渡されたものである場合はその引渡しの時)から10年間,同じ責任を負うとする。
これらの規定に反する特約で注文者又は買主に不利なものは無効である(同法94条2項・95条2項)。

品確法でいう「瑕疵」は「種類又は品質に関して契約の内容に適合しない状態」と定義され(同法2条5項),「新築住宅」は,新たに建設された住宅でまだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から1年を経過したものを除く。)をいう(同条2項)。
対象部分は,基礎,壁,柱,土台,床版,屋根版等の構造耐力上主要な部分と,屋根・外壁・開口部の建具及び一定の排水管等の雨水の浸入を防止する部分である(住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令5条)。

品確法の10年の責任期間が適用される場合でも,民法637条・566条の知った時から1年以内の通知は読替えの上で適用される(品確法94条3項・95条3項)。
また,同法97条により,担保責任を負うべき期間を引渡しから20年以内まで伸長する特約をすることができる。

品確法の10年の責任期間と民法166条1項2号の10年の消滅時効は,いずれも引渡しを基準とするため,引渡しから10年近く経って瑕疵が見つかった場合には,通知だけでなく時効の完成猶予の手段も並行して検討する必要がある。

3 特約による免責・期間の短縮

民法572条は,担保責任を負わない旨の特約をしたときであっても,売主は「知りながら告げなかった事実」等についてはその責任を免れることができないと定める。
期間を短縮する特約も,売主が知りながら告げなかった不適合については効力が制限されると考えられる。

宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買では,宅地建物取引業法40条1項により,民法566条に規定する期間について目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き,民法の規定より買主に不利となる特約をすることができず,これに反する特約は無効である(同条2項)。
実務で「引渡しから2年間」の通知期間が多く見られるのは,この規定による。

消費者契約では,事業者の債務不履行による損害賠償責任の全部を免除する条項等は無効である(消費者契約法8条1項)。
ただし,契約不適合の場合に事業者が履行の追完又は代金・報酬の減額の責任を負うこととされているとき等は,同項1号・2号の適用が除外される(同条2項)。

4 不法行為構成との関係

建物の瑕疵については,契約関係に立たない設計者・施工者・工事監理者に対する不法行為責任が問題となることがある。
最高裁判所第二小法廷平成19年7月6日判決(平成17年(受)第702号,民集61巻5号1769頁)は,建物の建築に携わる設計者,施工者及び工事監理者は,契約関係にない居住者等に対する関係でも,建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負い,これを怠ったために建物に基本的な安全性を損なう瑕疵があり,それにより居住者等の生命,身体又は財産が侵害された場合には,特段の事情がない限り不法行為による賠償責任を負うと判示した。

不法行為構成を採る場合の期間制限は,民法566条・637条の通知期間ではなく,民法724条(損害及び加害者を知った時から3年,不法行為の時から20年)である。
人の生命又は身体を害する不法行為であれば,3年は5年となる(民法724条の2)。
建設業者の不法行為責任の全体は建設業者の不法行為責任等―建築瑕疵,契約不適合,破産及び石綿判例で,不法行為の消滅時効の起算点は不法行為の損害賠償請求権の消滅時効―3年・5年・20年と「損害及び加害者を知った時」の意義で扱う。

第5 期間管理の実務

1 買主・注文者の側

不適合に気付いたら,まず気付いた日を記録し,そこから1年以内に売主・請負人へ通知する。
通知は,後に争いとならないよう,内容証明郵便など到達と内容を証明できる方法で行い,不適合の箇所・内容,発見の経緯及び求める対応(追完・減額・損害賠償・解除)を記載する。

通知後は,知った時から5年と引渡しから10年のいずれか早い方を時効の満了日として管理する。
交渉が長引きそうなときは,協議を行う旨の合意を書面で取り交わすか,満了日の前に訴えの提起・調停の申立て等をする。
時効の完成猶予・更新の全体像は,時効の完成猶予と更新の違い―旧法の中断・停止との対応関係と事由の一覧で扱う。

2 売主・請負人の側

請求を受けたら,①契約締結日(令和2年4月1日の前か後か),②引渡日,③買主が不適合を知った日と通知の日,④商人間の売買か,⑤新築住宅に当たるか,⑥契約書の期間特約の内容を確認する。
消滅時効は援用しなければ効果が生じない(民法145条)ので,期間の経過が見込まれるときは,援用の意思表示を明確にしておく。

時効完成後に不適合を認めて修補を約束するなどすると,信義則上,時効の援用が許されなくなることがある。
この点は,時効完成後に債務を承認・一部弁済したら時効を援用できないか―最高裁昭和41年4月20日大法廷判決と再度の時効で扱う。

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①ハブ記事:消滅時効に関するメモ書き
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時効完成後に債務を承認・一部弁済したら時効を援用できないか―最高裁昭和41年4月20日大法廷判決と再度の時効
建設業者の不法行為責任等―建築瑕疵,契約不適合,破産及び石綿判例

第7 出典・参考資料

1 法令

民法140条,141条,145条,150条,151条,166条,559条,562条~566条,572条,636条,637条,724条,724条の2(e-Gov法令APIで令和8年9月19日に取得した現行条文)
②民法(令和2年3月31日時点)167条,566条,570条,572条,634条,637条~640条(e-Gov法令APIの時点指定で取得)
③民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)附則10条,34条
商法526条(現行及び令和2年3月31日時点),改正前商法522条
住宅の品質確保の促進等に関する法律2条,94条,95条,97条
住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令5条
宅地建物取引業法40条
消費者契約法8条

2 裁判例

最高裁判所第三小法廷平成4年10月20日判決(昭和63年(オ)第1543号,民集46巻7号1129頁)
最高裁判所第三小法廷平成13年11月27日判決(平成10年(オ)第773号,民集55巻6号1311頁)
最高裁判所第二小法廷平成19年7月6日判決(平成17年(受)第702号,民集61巻5号1769頁)