目次
第1 本記事で扱う資料と基準日1 3つの資料2 改訂の経過3 資料の性格と限界第2 令和2年3月版の構成第3 総論(1-1~1-5)1 一般広報と報道対応2 広報活動は司法行政上の事務である3 広報活動を行う理由4 中立性・公平性5 疑義がある場合の対処第4 一般広報(2-1~2-7)1 一般広報の意義2 広報のためのツール3 ウェブサイトと広報テーマ4 憲法週間と「法の日」週間5 裁判所内外の広報企画第5 平成25年4月版から令和2年3月版への主な改訂点1 改訂履歴に掲げられた項目2 本文を突き合わせて確認した変更第6 少年事件編第7 弁護士実務での読み方1 裁判所への取材と事件関係者2 判決要旨・撮影・少年事件の関連記事3 司法行政文書としての扱い第8 出典・関連記事1 出典2 関連記事
第1 本記事で扱う資料と基準日
1 3つの資料
最高裁判所事務総局広報課は,各裁判所の広報事務担当者向けに「広報ハンドブック」を作成している。
本記事では,当ブログに掲載している次の3つの資料を扱う。
① 広報ハンドブック(令和2年3月版)(PDF69頁。本文は印刷頁1頁~63頁)
② 広報ハンドブック(少年事件編)(令和2年3月版)(PDF11頁。本文は印刷頁1頁~9頁)
③ 広報ハンドブック(平成25年4月版)(PDF66頁。本文は印刷頁1頁~60頁)
以下,頁は各資料の印刷頁で示し,特に断らない限り①の令和2年3月版の頁である。
令和2年3月版のPDFでは,印刷頁に6を足した数がPDFの頁になる。
2 改訂の経過
令和2年3月版の「はじめに」は平成22年2月付けであり,その後に平成24年4月,平成25年4月及び令和2年3月の改訂の内容が順に記載されている(PDF2頁~3頁)。
平成24年4月の改訂は,平成23年度に裁判所ウェブサイトの大規模な改修を行ったことに伴うものとされている。
最高裁判所事務総長の平成31年1月8日付けの司法行政文書不開示通知書は,「最高裁判所の広報ハンドブック(平成25年5月以降の最新版)」について,作成又は取得していないことを理由に開示しないこととしている。
この通知と改訂の記載からすると,平成25年4月版の次の改訂が令和2年3月版である。
3 資料の性格と限界
広報ハンドブックは,裁判所の広報活動について基本的な事項や留意すべき事項をまとめた職員向けの参考資料である。
「はじめに」は,個々の広報事案での対応をまとめたマニュアル本ではなく,事案や状況に応じて個別に検討する必要があると述べている(PDF2頁)。
法令ではないから,報道機関や事件関係者に何らかの権利を与えるものではない。
本記事は令和2年3月版までを対象とし,その後に改訂された版があるかどうかは,公表されている資料では確認できない。
ハンドブックが挙げる記者クラブや報道機関の説明,裁判所ウェブサイトの構成等は,令和2年当時の記載である。
第2 令和2年3月版の構成
令和2年3月版は,6つの章と,目次末尾の「裁判所の広報活動のイメージ」(PDF6頁)から成る。
各章の内容と当ブログの関連記事は,次のとおりである。
章主な項目(頁)当ブログの関連記事1 総論広報活動の種類・性格・理由,中立性・公平性,疑義がある場合の対処(1頁~5頁)本記事の第32 一般広報一般広報の意義,広報ツール,ウェブサイト,広報テーマ,憲法週間・「法の日」週間,裁判所内外の広報企画(6頁~15頁)本記事の第43 報道対応の基礎報道機関の基礎知識,責任者対応・窓口一本化の原則,報道対応の種類,記者との接し方,上級庁への情報提供等(16頁~24頁)裁判所の報道対応の基礎4 報道発表等資料提供,記者レク,所長等就任記者会見,記者会見,懲戒処分の公表(25頁~33頁)裁判所の報道発表等5 取材対応念頭に置くべきこと,一般的な留意事項,即答できない場合,休日・緊急時,裁判官等・支部・検察審査会への取材(34頁~48頁)裁判所の取材対応6 裁判報道/便宜供与法廷内写真撮影,庁舎内写真撮影,判決要旨等,法廷内記者席,著名事件,少年事件(49頁~63頁)法廷内写真撮影,判決要旨等ほか(第7の2)
「裁判所の広報活動のイメージ」は,一般広報と報道対応を1枚にまとめた図である。
報道対応については,記者会見・記者レク・投げ込みによる報道発表と,個別照会への対応及び事件取材への便宜供与による取材申込みへの対応を挙げ,留意点として,適正な裁判運営への配慮,裁判所の中立性・公平性の確保及び関係者のプライバシー保護を掲げている。
第3 総論(1-1~1-5)
1 一般広報と報道対応
ハンドブックは,裁判所の広報活動を「一般広報」と「報道対応」に大別する(1頁)。