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裁判所職員採用試験とは―受験資格・試験科目・日程・倍率・採用まで(AI作成)

第1 裁判所職員採用試験で採用される職種

1 最初に職種と試験区分を選ぶ

裁判所職員採用試験は,裁判所事務官又は家庭裁判所調査官補を採用するために,裁判所が独自に実施する試験である。
人事院が実施する国家公務員採用試験とは別の試験であり,申込み,試験日程,合格後の採用手続も裁判所の案内を確認する必要がある。

採用される職種試験の種類区分
裁判所事務官総合職試験院卒者区分・大卒程度区分
裁判所事務官一般職試験大卒程度区分・高卒者区分
家庭裁判所調査官補総合職試験院卒者区分・大卒程度区分

「裁判所職員」という名称だけで勉強を始めるのではなく,①裁判所事務官と家庭裁判所調査官補のどちらを希望するか,②総合職と一般職のどちらを受験するか,③自分がどの受験資格を満たすか,の順に確認すると整理しやすい。
総合職は政策の企画立案に係る高い能力,一般職は的確な事務処理に係る能力を重視して行う試験である。

試験区分の公式説明は,裁判所「試験の概要」及び裁判所「採用Q&A」に掲載されている。

受験区分を選ぶ前に職務を確認したい場合は,裁判所事務官とはを参照されたい。
裁判部と事務局の仕事,給与・勤務地,採用後に書記官を目指す進路を合わせて確認できる。

職員の説明や業務体験から仕事を確かめたい場合は,裁判所事務官の説明会・ワークショップを参照されたい。
参加対象・申込方法は企画ごとに確認し,イベントへの申込みと採用試験への申込みを分けて準備する必要がある。

2 裁判所書記官になるための試験との関係

裁判所事務官の採用試験に合格して採用された時点で,直ちに裁判所書記官として任命されるわけではない。
裁判所書記官になるためには,裁判所職員として一定期間勤務した後,裁判所職員総合研修所の裁判所書記官養成課程入所試験に合格し,所定の研修を受ける必要がある。総合職採用者については,採用初年度の入所試験に筆記試験の免除制度がある。

書記官を目指して受験する場合も,まずは本記事で採用試験の区分と受験資格を確認し,採用後の養成経路を分けて把握する必要がある。書記官の仕事内容,事務官との違い及び採用から任命までの流れは,裁判所書記官とは―採用から養成・任命までの経路で整理している。

家庭裁判所調査官補は,採用後,家庭裁判所調査官に任命されるための約2年間の養成研修を受ける。
仕事内容は「家庭裁判所調査官とは―仕事内容,家事・少年事件の調査と調査報告書」,研修制度は「裁判所職員総合研修所」を参照されたい。

採用後に受ける総研の入所試験について,第一部・第二部の資格,試験科目,免除及び年度の読み方を確認する場合は,裁判所職員総合研修所の入所試験(CE試験)を参照されたい。
採用試験の日程・科目と,入所試験の日程・科目を混同しないことが重要である。

3 裁判所職員の一般職と総合職の違いは何か

裁判所事務官の採用試験は,総合職2区分と一般職2区分を分けて確認すると,準備する試験の違いが分かりやすい。
次の表は令和8年度受験案内の試験種目を要約したものであり,受験資格のすべてを示す表ではない。

区分筆記試験の主な違い人物試験
総合職・院卒者基礎能力・専門多肢選択,専門記述(憲法・民法・刑法・訴訟法),政策論文。特例希望者は小論文も必要第2次の個別面接,第3次の個別面接・集団討論
総合職・大卒程度基礎能力・専門多肢選択,専門記述(憲法・民法・刑法),政策論文。特例希望者は小論文も必要第2次の個別面接,第3次の個別面接・集団討論
一般職・大卒程度基礎能力・専門多肢選択,小論文。総合職の政策論文・専門記述は課されない第2次の個別面接
一般職・高卒者基礎能力・作文。専門試験は課されない第2次の個別面接

大卒程度の基礎能力・専門多肢選択は総合職と一般職で共通問題を用いるが,その後の試験種目と配点比率は異なる。
総合職の特例制度と小論文の関係は第3の3,資格は第2,詳しい科目・配点は第3を参照されたい。
資料は令和8年度裁判所事務官の総合職・一般職大卒程度の受験案内3~5頁及び一般職高卒者区分の受験案内2頁である。

第2 受験資格―大卒程度という名称だけで判断しない

1 令和8年度の大卒程度区分と院卒者区分

以下は令和8年度受験案内に基づく説明である。受験資格は受験する年度の案内で確認する必要があり,翌年度も同じ生年月日や卒業期限になるという意味ではない。
国籍その他の受験できない条件も定められているため,年齢及び学歴だけで受験可能と判断してはならない。

① 大卒程度区分では,裁判所事務官の総合職・一般職及び家庭裁判所調査官補の総合職とも,平成8年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた者が受験資格の一つとして掲げられている。
この生年月日の範囲では,「大卒程度」という試験名から大学卒業が一律に必要と解してはならない。

② 平成17年4月2日以降に生まれた者については,卒業又は令和9年3月までの卒業見込み等の条件がある。
裁判所事務官の総合職及び家庭裁判所調査官補の総合職では大学卒業等,裁判所事務官の一般職では大学に加えて短期大学・高等専門学校の卒業等も受験資格の対象となる。同等資格の取扱いは各受験案内を確認する必要がある。

③ 院卒者区分では,平成8年4月2日以降に生まれた者で,大学院の修士課程又は専門職大学院の課程を修了した者,令和9年3月までに修了する見込みの者等が対象となる。
総合職について,大学院修了者又は修了見込みの者には院卒者区分を受験するよう案内されている。

詳しくは,令和8年度裁判所事務官の受験案内2頁及び令和8年度家庭裁判所調査官補の受験案内2頁を参照されたい。

2 令和8年度の高卒者区分

一般職試験の高卒者区分では,令和8年4月1日において,高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して2年を経過していない者,及び令和9年3月までに卒業する見込みの者が主な対象となる。
前者には,令和6年4月1日以降に卒業した者が該当すると案内されている。

中学校卒業,高等専門学校第3学年の課程修了,高等学校卒業程度認定試験等に関する条件も別に定められている。
単に「高卒である」「何歳である」という情報だけでは足りないため,令和8年度一般職試験・高卒者区分の受験案内2頁及び9頁の確認用フローチャートを利用するのが確実である。

卒業日と受験年度を照合する方法,受験資格となる学歴と最終学歴の違い,高卒者区分の科目・配点及び採用後の進路は,高卒で裁判所事務官になるにはで詳しく説明している。
自分の区分の受験案内を使って確認されたい。

3 社会人・法学部以外の出身者の確認事項

既卒者や社会人であることと,受験資格を満たすこととは別の問題である。通常の採用試験についても,まず自分の生年月日,卒業・修了状況及びその他の条件を確認する必要がある。
また,法学部出身であることは一律の受験条件ではない。裁判所事務官の試験には法律科目があるが,家庭裁判所調査官補の専門試験では法律学以外の分野を選択して受験することもできる。

通常の総合職・一般職試験と,別途案内される経験者採用等の選考は,申込条件や手続が同一とは限らない。募集情報は裁判所の採用情報で確認されたい。

第3 試験科目と配点―一般職,大卒程度区分を中心に

1 裁判所事務官・一般職,大卒程度区分

令和8年度の一般職試験(裁判所事務官,大卒程度区分)は,次の4種目である。

試験種目内容・時間配点比率
基礎能力試験知能24題・知識6題の計30題。2時間20分5/20
専門試験憲法10題・民法10題と,行政法・刑法・経済理論から1科目10題。1時間30分5/20
論文試験(小論文)1題。1時間2/20
人物試験個別面接8/20

専門試験の選択科目は,試験当日に問題を見た上で選択できる。
人物試験は配点比率が40%であり,筆記試験だけで最終合格が決まるものではない。一方,この40%をそのまま「面接だけで逆転できる確率」と読み替えることもできない。

小論文は第2次試験の種目であるが,第1次試験日に実施される。面接の日に初めて小論文を書くと誤解すると準備や当日の予定を誤る。
科目,時間及び配点の出典は,令和8年度裁判所事務官の受験案内5頁である。

2 総合職・高卒者区分との違い

裁判所事務官の総合職試験には,第1次試験の基礎能力・専門の多肢選択式試験に加え,第2次試験の政策論文,専門記述及び個別面接,第3次試験の集団討論・個別面接がある。
専門記述の出題や解答数は院卒者区分と大卒程度区分で異なるため,一般職の科目表をそのまま勉強計画に使ってはならない。

家庭裁判所調査官補の総合職試験は,第1次試験が基礎能力試験,第2次試験が専門記述,政策論文,人物試験Ⅰ・Ⅱである。
令和8年度の専門記述は,心理学,教育学,福祉,社会学,法律学の各領域から出題される15題のうち,任意の2題を選択する。人物試験Ⅱには集団討論及び個別面接が含まれる。

裁判所事務官の一般職・高卒者区分は,基礎能力試験,作文及び個別面接であり,大卒程度区分と同じ専門試験を受験する制度ではない。
令和8年度の基礎能力試験は知能24題・知識21題で1時間40分,作文は1題で50分である。配点比率は基礎能力9/20,作文3/20,人物8/20とされている。

各区分の詳細は,裁判所事務官受験案内3~5頁,家庭裁判所調査官補受験案内3頁及び高卒者区分受験案内2頁を参照されたい。

家庭裁判所調査官補を志望する場合の受験資格,専門記述の選択,人物試験の配点及び令和8年度の倍率は,家庭裁判所調査官になるにはで,職種に絞って説明している。
同記事では,最終合格から調査官補としての採用,約2年間の養成,調査官への任命という段階と,初任給の例及び全国異動も区別している。

3 併願と総合職の特例制度

令和8年度の裁判所事務官の受験案内は,家庭裁判所調査官補との併願はできないと明記している。
また,裁判所事務官の総合職には,申込時に特例を希望し,各試験種目を有効に受験した場合,一般職・大卒程度区分の受験者としても合否判定を受けられる制度がある。

特例希望者には小論文が追加され,試験を一つでも欠席したり棄権したりすると特例は適用されない。
申込受付後の特例希望の変更は認められないため,申込みの時点で希望の有無と必要な受験種目を確認する必要がある。特例は一般職での合格や採用を保証するものではない。

第4 令和8年度の日程と申込みの注意点

1 令和8年10月8日時点の進行状況

令和8年度の総合職及び一般職・大卒程度区分は,既に最終合格発表まで進んでいる。一般職・高卒者区分は,10月6日の第1次試験合格発表後,人物試験及び最終合格発表を予定している。
以下は令和8年度の日程であり,これから受験する年度の申込期間を示すものではない。

試験区分申込み・第1次試験最終合格発表
事務官・総合職3月13日~4月6日申込み。5月9日第1次試験7月29日
調査官補・総合職3月13日~4月6日申込み。5月9日第1次試験7月9日
事務官・一般職,大卒程度3月13日~4月6日申込み。5月9日第1次試験7月29日
事務官・一般職,高卒者7月1日~10日申込み。9月13日第1次試験11月13日

令和8年度の一般職・高卒者区分の第1次試験合格者は,人物試験前の手続にも注意が必要である。公式申込サイトの令和8年10月6日付案内は,面接カード及び勤務希望地等調査票の入力・登録を10月13日(火)までに済ませるよう案内している。

第1次合格者は,マイページから合格通知書(第2次試験受験票)をダウンロードし,指定された日時・試験場及び持参物を確認する。面接カード等を「一時保存」しただけでは登録完了ではない。内容を確認して登録し,それぞれの欄に「登録完了」と表示されていることまで確かめる必要がある。

操作は高卒者区分の操作手順書の印刷頁36以降を参照されたい。この登録期限は令和8年度の高卒者区分についての案内であり,翌年度や大卒程度区分の期限として使ってはならない。

一般職・高卒者区分の人物試験は10月16日~29日のうち指定される日に実施される。
総合職・一般職の各筆記試験,人物試験及び発表日の詳細は,裁判所の令和8年度試験日程及び受験票で確認されたい。令和9年度を受験する場合は,令和8年度の日程を推測で置き換えず,令和9年度の公式案内を確認する必要がある。

2 申込み完了と試験地の確認

インターネット申込みは「事前登録」と「申込受付」の2段階である。事前登録をしただけでは申込みは完了しない。
顔写真のアップロード等にも期限があるため,当該年度の受験案内,申込サイトのマニュアル及び受付結果を確認する必要がある。

筆記試験の試験地と,勤務を希望する地域は同じ概念ではない。また,人物試験の試験地には,希望勤務地を管轄する高等裁判所や第1次試験地との関係で条件がある。
申込受付後は,試験の種類,特例希望の有無,希望する勤務地を管轄する高等裁判所及び試験地の変更が認められないと案内されているため,送信前に確認されたい。

出典は,裁判所「受験から採用までの流れ」及び「採用Q&A」である。

第5 倍率の見方と勉強・面接の準備

1 倍率では分母と分子を確かめる

裁判所公表の令和8年度一般職試験(裁判所事務官,大卒程度区分)の全国計は,第1次試験の有効受験者8131人,最終合格者1821人,倍率4.5倍である。
この倍率は,第1次試験の有効受験者数を最終合格者数で割ったものであり,申込者数を分子とした倍率ではない。公表人数には総合職の特例希望者が含まれる。

同じ資料で,東京高等裁判所管内は3.4倍,大阪高等裁判所管内は8.3倍とされている。
もっとも,地域別倍率が低いことだけで自分が採用されやすいと判断してはならない。受験者の構成,試験成績,希望勤務地及び採用段階の欠員状況は別に考える必要がある。

年度別の資料や過去の数字は裁判所職員採用試験の年度別原資料・高裁別データを参照されたい。
上記の数字と定義の出典は,裁判所「令和8年度実施結果・一般職試験,大卒程度区分」である。

平成16年度以降の倍率を比較する場合は,合格倍率の全年度推移を参照されたい。
原資料を探す記事と,長期的な倍率・難易度を分析する記事を使い分けると調べやすい。

点数の基準を調べる場合は裁判所職員採用試験の合格最低点・合格最高点―高裁別・年度別の比較と標準点の読み方(AI作成),最終合格後の実際の採用人数を調べる場合は裁判所職員の採用者数―男女別・年度別の推移と最終合格者数との違い(AI作成)を参照されたい。最低点の比較年度と,採用者数の名簿年度・集計時点はそれぞれ異なる。

2 裁判所職員採用試験の難易度は?

裁判所事務官の一般職・大卒程度に対応する区分は,平成16年度20.9倍から令和8年度4.5倍へ下がっており,長期的には合格競争が緩和している。
全年度の人数・倍率と5年度ずつの比較は,裁判所職員採用試験の合格倍率の推移を参照されたい。
ただし,直近では令和5年度3.6倍から令和8年度4.5倍へ上昇しており,問題自体が易しくなったことや個人の合格確率まで倍率から判断することはできない。
試験区分・希望勤務地・試験科目・配点と,自分の準備状況を合わせて判断する必要がある。

一般職・大卒程度区分では,人物試験の配点比率は8/20である。
合格者決定方法は,筆記の標準点,種目ごとの下限及び人物試験の判定を用いるため,筆記と人物試験を分けて準備する必要がある。
科目と配点は令和8年度受験案内5頁,標準点・下限・最終判定は現在案内されている合格者決定方法1~2頁,人数と倍率は令和8年度実施結果1頁による。

筆記の準備では,希望する試験区分の最新の科目表と公式試験問題を先に確認し,必須科目と選択科目を区別する。
人物試験の準備では,裁判所の仕事を希望する理由,実際の経験,自分が担える仕事を整理し,面接カードと口頭の説明が食い違わないようにすることが大切である。

裁判所の採用Q&Aは,人物試験を裁判所職員としての適格性を判断するものと説明し,専門科目等の知識を問うものではないとしている。
ただし,法律知識を尋ねられないことと,職務について理解せずに受験してよいことは別である。「裁判所事務官の面接対策―司法試験との併願,面接カードと志望動機」では,司法試験との関係や志望動機の伝え方を説明している。

公式の区分別問題と正答の探し方,時間を測る演習,誤答理由の分類,論文・作文の準備は,裁判所事務官の過去問と勉強の進め方を参照されたい。
問題本文の一部が掲載されていない場合や,過年度問題と現行法の違いにも注意が必要である。

仕事の理解には,裁判部だけでなく,総務・人事・会計等の司法行政事務も含まれる。
具体例は裁判所事務官の会計業務,進路を考える勤務条件は勤務時間・残業・休暇を参照されたい。

第6 最終合格から採用までは別の手続である

最終合格者は採用候補者名簿に記載されるが,その時点で採用庁が確定するわけではない。
名簿登載後,勤務希望地,成績及び各裁判所の欠員状況等を考慮した推薦,採用諾否の意向照会等を経て,原則として試験の翌年4月1日付で採用される。

名簿の有効期間は1年間であり,希望勤務地や欠員状況によっては,有効期間内に推薦・採用されない場合もある。
また,いわゆる官庁訪問として裁判所を訪問する必要はないが,意向照会や,場合によって行われる面接への対応は必要となる。裁判所「受験から採用までの流れ」に従い,合格後に届く案内も確認されたい。

名簿の有効期間,勤務地照会,推薦,意向照会及び採用漏れの可能性は,「裁判所職員採用試験に最終合格した後は―採用候補者名簿・意向照会・採用漏れ」で詳しく説明している。

第7 公式資料と関連記事

① 裁判所・採用試験情報―当該年度の日程,各種案内及び公式情報への入口である。

② 裁判所・試験の概要―受験資格及び試験区分を確認できる。

③ 裁判所・試験の実施結果―年度別・試験別の実施結果を確認できる。

④ 裁判所・採用Q&A―受験,採用,異動及び研修に関する公式説明である。

⑤ 裁判所職員採用試験の採用案内パンフレット―過去のパンフレット等の資料をまとめた記事である。現在の受験条件は最新の公式受験案内を確認する必要がある。

⑥ 裁判所職員に関する記事の一覧―仕事,制度,研修等に関する関連記事を参照できる。