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株主総会資料の電子提供制度とは―対象会社,開始時期,書面交付請求と招集通知(AI作成)

第1 電子提供制度で変わること

株主総会資料の電子提供制度は,株主総会参考書類などの情報をウェブサイトに掲載し,株主が閲覧・保存できる状態に置く制度である。
資料を掲載すること,招集通知を送ること,株主が議決権を行使することは別の手続である。
電子提供をしただけで招集通知が不要になるわけでも,株主総会をオンラインだけで開催できるわけでもない。

本記事は,令和8年10月17日に確認した会社法・施行規則を基に,通常の株主総会を招集する会社と資料を受け取る株主の確認事項を説明する。
開催時期,決議事項,出席資格等の基本は,株主総会とはで説明する。

第2 対象会社と対象資料

1 定款の定めと上場会社等の義務

会社法325条の2は,電子提供措置をとる旨を定款で定めることを認めている。
振替株式を発行する会社には振替法159条の2の特則があり,上場会社等では義務的に電子提供制度を利用する仕組みとなっている。
非上場会社でも,定款の定めと招集方法を確認する必要がある。

制度は令和元年会社法改正で設けられ,電子提供関係の改正は令和4年9月1日に施行された。
現在の招集を検討するときは,導入時の経過措置と現在の定款・法令を区別する。

2 掲載する情報

対象は,株主総会参考書類,議決権行使書面,計算書類・事業報告,連結計算書類等に関する情報である。
実際の掲載事項は,書面投票・電子投票の採否,機関設計,定時総会かどうかなどによって異なり,会社法325条の3第1項各号を確認する。
修正した場合には,修正した旨と修正前の事項も電子提供の対象となる。

第3 開始日・継続期間と招集通知

1 電子提供の開始日

開始日は,株主総会の日の3週間前の日と,招集通知を発した日のうち,いずれか早い日である。
招集通知をそれより早く発送する場合は,その発送日までに掲載を始める必要がある。
掲載は株主総会の日後3か月を経過する日まで継続する(会社法325条の3第1項)。

手続基準となる時点確認事項
電子提供の開始総会の3週間前の日又は招集通知発送日の早い方資料,掲載先,修正履歴
招集通知電子提供を行う場合は総会の2週間前まで日時・場所等とアクセス方法
書面交付請求への対応招集通知に際して交付基準日までの請求と交付内容
掲載の継続総会の日後3か月を経過する日まで閲覧・保存可能性と障害記録

2 招集通知に何を記載するか

会社法325条の4は,電子提供を行う場合の招集通知の特則を定める。
日時・場所等の法定事項に加え,電子提供措置をとっている旨と,資料を閲覧・保存するために必要な事項を記載する。
会社法施行規則95条の3がアクセス方法等の内容を定めており,「当社ホームページ参照」とだけ書けば常に足りるわけではない。

所定の期限までにEDINETで有価証券報告書を提出する場合には,会社法325条の3第3項の特則がある。
対象事項・提出期限等の要件があるため,有価証券報告書を提出する会社であることだけで,全ての掲載義務がなくなるとは扱わない。

第4 紙の資料を希望する株主の書面交付請求

1 基準日までの請求

会社法325条の5第1項は,電子提供措置事項を記載した書面の交付請求権を定める。
同項は電子的な招集通知について承諾した株主を対象から除いているため,紙を希望する場合は,自分がした承諾の内容と会社の案内を確認する。

議決権行使の基準日を定めた会社では,その基準日までに請求した株主が,当該総会の交付対象となる(同条2項)。
開催直前の請求が必ず今回の総会に間に合うとは限らない。
会社は,株主名簿管理人等と受付日・対象株主・発送先を共有しておく必要がある。

2 書面の省略事項と請求の終了

同条3項は,法務省令で定める事項について,書面に記載しない旨を定款で定めることを認める。
会社法施行規則95条の4の省略対象,例外・通知及び会社の定款を確認する必要がある。
紙とウェブ上の資料に違いがあることだけで,直ちに違法とは判断できない。

書面交付請求は,1年を経過しただけで自動的に失効するものではない。
会社が交付終了の通知と1か月以上の期間を定めた異議の催告を行い,期間内に異議がない場合に効力を失う仕組みである(会社法325条の5第4項・第5項)。

第5 掲載が中断した場合と会社の準備

会社法325条の6は,掲載の中断が効力に影響しないための要件を定める。
会社の善意・重過失の不存在又は正当事由,所定の期間における中断時間の上限,中断を知った後の速やかな公表等の全てを確認する必要がある。
サーバー障害であれば常に免責されるわけではない。

掲載日時,ファイルの版,修正履歴,障害の発生・復旧時刻及び株主への案内を保存すると,後から経過を確認しやすい。
これは法定要件を検証するための実務上の提案であり,特定名称の台帳の作成を一律の法的義務とするものではない。

第6 出典と関連記事

①e-Gov法令検索「会社法」。325条の2から325条の6まで。
https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086

②e-Gov法令検索「会社法施行規則」。95条の2から95条の4まで。
https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000010012

③法務省「会社法の一部を改正する法律について」。制度の概要・施行日。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00001

④振替法159条の2。
https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000075

⑤改正全体の経緯は,会社法の改正経緯で説明する。
開催を省略する制度は,株主総会の書面決議を参照されたい。