第1 取扱者カードとは第2 交付される場面と交付されない場合1 交付対象となる5種類の届出等2 交付しないことができる場合第3 交通事故の報告との関係1 道路交通法72条1項の報告義務2 カードを受け取れなかった場合又は紛失した場合第4 交通事故証明書との違い第5 平成28年版旧様式で確認できる記載事項第6 出典・参考資料1 法令2 大阪府警察の例規・案内3 その他の公的資料4 旧版資料
大阪府警察の取扱者カードは,遺失届,被害届,交通事故の報告などを警察職員が面接して受理した際に,担当者の所属・姓や問合せ先を知らせるためのカードです。
交通事故証明書などの警察証明ではないため,カードの役割と,警察への事故報告や交通事故証明書の取得手続とは区別する必要があります。
第1 取扱者カードとは
令和8年9月9日現在,大阪府警察が公表している「取扱者カード交付要領」は,平成14年9月26日に制定され,同年10月1日に実施されたもので,最終改正は令和7年3月21日です。
本記事は,この現行要領と,山中弁護士ブログに保存されている最終改正平成28年3月25日の旧版・旧様式を区別して整理します。
取扱者カードの交付目的は,届出等を受理した職員が,自己の所属・姓,事後の問合せ先などを記載したカードを渡すことにより,受理した職員の責任を明確にし,行政サービスの向上を図ることです。
カードは,届出内容そのものを公的に証明する書面ではありません。
第2 交付される場面と交付されない場合
1 交付対象となる5種類の届出等
現行要領は,職員が次の届出等を面接して受理したときに,所定事項を記入した取扱者カードを交付すると定めています。
遺失の届出被害の届出交通事故の報告交番,駐在所等で口頭受理した警察相談のうち,要領が対象とするもの行方不明者の届出
警察相談については,現場等で措置を講じ,かつ,完結したものなどが対象から除かれています。
電話による照会一般についてカード交付を定めた制度ではなく,要領上は「面接して受理したとき」に限られます。
2 交付しないことができる場合
届出等が粗野又は乱暴な言動により不穏に行われた場合,カードを交付すると今後の正常な業務が阻害され,又は職員に危害が及ぶことが予想される場合など,特別な事情があると認められるときは,カードを交付しないことができます。
また,届出人等が受領を拒否したときは,無理に交付する必要はないとされています。
大阪市個人情報保護審議会の答申第204号も,大阪府警察のこの例外規定を踏まえ,交通事故の報告をした者が交付を求めても,必ずしも交付されるとは限らない取扱いであることを確認しています。
これは裁判例ではなく,個人情報開示請求に関する行政上の答申です。
第3 交通事故の報告との関係
1 道路交通法72条1項の報告義務
交通事故があったとき,車両等の運転者その他の乗務員は,直ちに車両等の運転を停止し,負傷者を救護し,道路上の危険を防止するなどの必要な措置を講じなければなりません。
さらに,運転者は,事故の日時・場所,死傷者の数と負傷の程度,損壊した物とその程度,積載物,講じた措置を,現場の警察官又は直ちに最寄りの警察署の警察官に報告する必要があります。
取扱者カードは,大阪府警察が事故報告を面接して受理した後の連絡案内として交付するものです。
道路交通法上の停止,救護,危険防止及び報告の各義務そのものを代替するものではなく,カードを受け取ったことだけで報告内容の全部が公的に証明されるものでもありません。
2 カードを受け取れなかった場合又は紛失した場合
大阪府警察及び自動車安全運転センターの交通事故証明書の申請案内は,取扱者カードの提示を申請要件として挙げていません。
したがって,カードを受け取れなかった場合又は紛失した場合も,カードの有無だけで警察への事故報告の有無や交通事故証明書の取得可否を判断しないことが重要です。
後日の照会に備え,事故の日時・場所,相手方,車両番号,取扱警察署,担当部署など,分かる事項を手元に整理しておくと確認がしやすくなります。
交通事故証明書が必要なときは,警察への事故報告がされていることを確認し,自動車安全運転センターの案内に従って申請します。
第4 交通事故証明書との違い
取扱者カードと交通事故証明書は,交付主体,目的及び証明書としての性質が異なります。
比較項目取扱者カード交通事故証明書交付主体届出等を受理した大阪府警察の職員自動車安全運転センター主な目的担当者の所属・姓,事後の問合せ先などを知らせること警察から提供された資料に基づき,交通事故の事実を確認したことを証明すること証明書としての性質警察証明等ではなく,証明書としては使用できない交通事故証明書として発行される手続上の要点対象となる届出等を面接して受理したときに交付されるが,例外がある警察への事故報告が必要であり,申請できる者や申請方法が定められている
交通事故証明書の申請経路,申請期間及び記載事項については,交通事故証明書の取得方法-申請経路,手数料,申請期間及び記載事項の読み方で詳しく整理しています。
第5 平成28年版旧様式で確認できる記載事項
山中弁護士ブログに保存されている取扱者カード交付要領の平成28年版・旧様式は,最終改正日が平成28年3月25日であり,遺失届,被害届,交通事故報告,警察相談及び行方不明者届の各カード様式を収録しています。
これに対し,現在大阪府警察が公開している要領のPDFは本文1頁で,カードの現行様式を掲載していません。
旧様式の交通事故用カードには,取扱警察署・課・係,取扱者の姓,受理番号,出頭予定日時のほか,運転免許証,印鑑,診断書,修理見積書,車検証及び自賠責保険証明書などの持参物が記載されていました。
これらは平成28年版の旧様式から確認できる歴史的情報であり,現在も同一の様式又は一律の持参物が用いられていることを示すものではありません。
平成28年版・取扱者カード交付要領(1頁)
平成28年版・遺失届及び被害届の旧様式(2頁)
平成28年版・交通事故報告及び警察相談の旧様式(3頁)
(続きを読む...)大阪府警察の取扱者カードとは-交付場面,記載事項及び交通事故証明書との違い(AIリライト)