メインコンテンツへスキップ

交通事故

靱帯損傷の慰謝料・逸失利益・装具費-等級別の計算方法と示談時の注意点(AI作成)

第1 靱帯損傷の損害額は等級だけでは決まらない

1 結論
2 別々に計算する損害項目
3 本記事と後遺障害等級の記事との役割分担

第2 傷害慰謝料・後遺障害慰謝料・自賠責限度額

1 傷害慰謝料と後遺障害慰謝料の違い
2 8級・10級・12級・14級の比較
3 自賠責保険金額は民法上の損害額の上限ではない

第3 逸失利益の計算方法

1 基本式とライプニッツ係数
2 基礎収入
3 労働能力喪失率
4 労働能力喪失期間
5 同じ前提による等級別の試算

第4 靱帯損傷で逸失利益を左右する事情と資料

1 診断名ではなく仕事上の支障を具体化する
2 減収がない場合に確認する事情
3 資料収集の優先順位と停止基準

第5 装具費と将来の交換費用

(続きを読む...)靱帯損傷の慰謝料・逸失利益・装具費-等級別の計算方法と示談時の注意点(AI作成)

交通事故の靱帯損傷と後遺障害等級-膝・足首・肘・手首の認定経路と必要資料(AI作成)

目次目次第1 この記事の対象と結論1 靱帯断裂と後遺障害等級は同じではない2 最初に分ける三つの認定経路第2 動揺関節の相当等級1 下肢の動揺関節2 上肢の動揺関節3 硬性補装具の使用と医学的必要性4 ミリメートル値だけで等級を決めない第3 膝・足首・肘・手首で確認する機能1 膝の十字靱帯及び側副靱帯2 足関節外側靱帯及び遠位脛腓靱帯3 肘の内側及び外側側副靱帯4 手根骨間靱帯及びTFCC第4 後遺障害申請で揃える資料1 事故直後から治療中の記録2 構造損傷と機能障害を示す検査3 症状固定時の後遺障害診断書4 硬性補装具と生活・仕事の資料第5 非該当又は想定より低い等級となる主な理由1 事故と靱帯損傷のつながりが不明である場合2 MRI所見と残存機能がつながらない場合3 検査条件及び健側比較が不明である場合4 再建術後の状態が記録されていない場合第6 資料収集の優先順位と停止基準1 既存資料を先に揃える2 争点に対応する照会又は追加検査を選ぶ3 高負担な医学意見を検討する条件第7 被害者請求・異議申立て・請求期限1 被害者請求と判断理由の確認2 異議申立て及び紛争処理3 自賠責の3年と損害賠償請求の時効出典・参考資料1 法令・行政資料2 医学資料3 文献
第1 この記事の対象と結論
1 靱帯断裂と後遺障害等級は同じではない
本記事は,交通事故で膝,足首,肘又は手首の靱帯を損傷し,治療後も関節のぐらつき,動かしにくさ又は痛みが残った場合に,どの認定経路と資料を検討するかを扱う。
肩関節の靱帯損傷,脊椎靱帯の骨化症及びスポーツ外傷一般は対象外である。

靱帯の断裂,MRIの異常信号又は医学上の損傷Gradeだけで,自賠責の後遺障害等級が決まるわけではない。
確認すべきなのは,事故による構造損傷があり,治療後の症状固定時にも,その損傷と対応する機能障害又は神経症状が残っているかである。

認定経路は,次のように分けると見通しが立つ。

症状固定時の残存障害
主な評価内容
候補となる等級
中心となる資料

異常な方向又は正常範囲を超える動き
動揺関節
下肢は第8級7号,第10級11号又は第12級7号の相当等級,上肢は第10級10号又は第12級6号の相当等級
靱帯等の構造損傷,方向別の不安定性,硬性補装具の医学的必要性

関節の動く範囲の減少
可動域制限
上肢は第8級6号,第10級10号又は第12級6号,下肢は第8級7号,第10級11号又は第12級7号

(続きを読む...)交通事故の靱帯損傷と後遺障害等級-膝・足首・肘・手首の認定経路と必要資料(AI作成)

大腿骨骨折の後遺障害慰謝料・逸失利益-等級別の金額と短縮・疼痛・人工骨頭の喪失率・期間(AI作成)

第1 大腿骨骨折の後遺障害慰謝料と逸失利益

1 この記事の対象と結論
2 自賠責限度額・自賠責慰謝料等・裁判基準を区別する
3 等級が決まっても逸失利益は自動的に決まらない

第2 後遺障害逸失利益の計算方法

1 基礎収入・喪失率・ライプニッツ係数を掛ける
2 給与所得者・事業所得者・家事従事者の基礎収入
3 喪失期間と中間利息控除
4 人工骨頭10級11号の計算例

第3 下肢短縮の逸失利益

1 短縮量だけでは喪失率を決められない
2 逸失利益を否定した裁判例と認めた裁判例
3 短縮と職務上の支障を結ぶ証拠

第4 人工骨頭・人工股関節の逸失利益

1 10級11号の27%は出発点である
2 喪失率・期間・基礎収入を調整した裁判例
3 家事従事者・高齢者の基礎収入

第5 疼痛の12級・14級と喪失期間

1 12級10年・14級5年は法定期間ではない

(続きを読む...)大腿骨骨折の後遺障害慰謝料・逸失利益-等級別の金額と短縮・疼痛・人工骨頭の喪失率・期間(AI作成)

大腿骨骨幹部骨折の後遺障害-偽関節・回旋変形・下肢短縮を画像と測定で立証する方法(AI作成)

第1 この記事の対象と結論

1 三つの障害は立証資料が異なる
2 既存記事との役割分担
3 画像保存と期間制限

第2 自賠責の認定基準

1 偽関節は7級10号又は8級9号
2 回旋変形は12級8号
3 下肢短縮は8級5号・10級8号・13級8号
4 疼痛・関節障害との関係

第3 偽関節を経時的な画像と装具資料で立証する方法

1 治療中の癒合不全と症状固定時の偽関節を分ける
2 単純X線を基本とし必要な場合にCTを補う
3 硬性補装具の常時必要性は使用実態まで示す

第4 回旋変形を左右同条件の画像と可動域で立証する方法

1 医学上の回旋差と12級の閾値は同じではない
2 CTは測定法・基準軸・左右差を記録する
3 画像値を股関節可動域と歩容に対応させる

(続きを読む...)大腿骨骨幹部骨折の後遺障害-偽関節・回旋変形・下肢短縮を画像と測定で立証する方法(AI作成)

交通事故の後遺障害診断書で神経伝導検査・針筋電図が必要となるケース(AI作成)

第1 結論

1 後遺障害診断書の一律の必要検査ではない
2 実施判断の全体像

第2 神経伝導検査と針筋電図検査の役割

1 神経伝導検査が示すもの
2 針筋電図検査が示すもの
3 両検査は相互補完的である

第3 両検査の実施が医学的に要請される具体的ケース

1 神経根・神経叢・単神経の局在鑑別が必要な場合
2 他覚的な運動麻痺等が持続する場合
3 画像・診察・事故態様が一致しない場合
4 重症度・予後・手術時期を判断する場合
5 既往症又は既存の絞扼性障害との鑑別が必要な場合

第4 神経伝導検査を先行し,針筋電図を追加するケース

1 限局性の絞扼・圧迫性ニューロパチー
2 感覚障害が中心である場合
3 神経根症を疑う場合はNCSだけで終えない

(続きを読む...)交通事故の後遺障害診断書で神経伝導検査・針筋電図が必要となるケース(AI作成)

大腿骨骨折の後遺障害等級と認定方法――頸部・転子部・骨幹部・遠位部の違い(AI作成)

目次第1 大腿骨骨折は部位と残存障害を分けて評価する1 結論2 頸部・転子部・骨幹部・遠位部の比較3 本記事の対象は交通事故の後遺障害である第2 現行基準における認定経路1 人工骨頭・人工関節と股・膝関節の機能障害2 偽関節は骨折部位と硬性補装具で分かれる3 屈曲変形・骨端部癒合不全・回旋変形4 下肢短縮は下肢全体の実測値で判定する5 疼痛と他の障害の関係第3 大腿骨頸部骨折1 骨接合術と人工物置換で認定経路が変わる2 骨頭壊死と遅発性骨頭圧潰を確認する3 頸部短縮と法定の下肢短縮を区別する第4 大腿骨転子部骨折1 内反・スライディング・カットアウトを確認する2 歩行困難だけでなく残存障害の原因を特定する3 必要となる画像と測定資料第5 大腿骨骨幹部骨折1 骨癒合不全と硬性補装具が偽関節等級を分ける2 回旋変形は両側CTと股関節回旋で評価する3 屈曲変形と短縮を別々に測定する第6 大腿骨遠位部骨折1 関節内骨折では膝関節面と可動域が中心となる2 骨幹端部と骨端部では癒合不全の扱いが異なる3 不安定性と外傷後関節症を現在の所見で評価する第7 認定申請で揃える資料と調査の優先順位1 最初に受傷部位・術式・画像経過を確定する2 障害類型ごとに数値と資料を対応させる3 追加調査へ進む条件と停止基準第8 裁判例が示す認定上の分かれ目1 奈良地裁葛城支部平成18年12月5日判決2 大阪高裁平成18年6月23日判決3 裁判例の射程と調査範囲出典・参考資料1 法令・行政資料2 裁判例3 医学ガイドライン・ウェブ資料4 医学文献
第1 大腿骨骨折は部位と残存障害を分けて評価する
1 結論

交通事故による大腿骨骨折の後遺障害等級は,「大腿骨を骨折した」という傷病名だけでは決まらない。症状固定時に残った状態を,①人工骨頭又は人工関節,②股関節又は膝関節の機能障害,③偽関節,④長管骨変形,⑤下肢短縮,⑥疼痛に分け,それぞれの認定要件と資料を確認する必要がある。

さらに,大腿骨頸部・転子部・骨幹部・遠位部では,残りやすい障害と画像で確認すべき点が異なる。頸部骨折では人工物置換,股関節可動域及び遅発性の骨頭壊死,転子部骨折では内反・スライディング・短縮,骨幹部骨折では偽関節・回旋変形・屈曲変形,遠位部骨折では膝関節面・膝可動域・骨端部癒合不全が主な分岐となる。

2 頸部・転子部・骨幹部・遠位部の比較

骨折部位
医学上の主な問題
主に検討する自賠責後遺障害
優先して確認する資料

頸部
骨癒合不全,骨頭壊死,遅発性骨頭圧潰,人工骨頭・人工股関節
股関節8級7号・10級11号・12級7号,短縮13級8号以上,疼痛12級13号・14級9号
手術記録,インプラント情報,股関節他動可動域,経時画像・MRI

転子部
カットアウト,過度のスライディング,内反,頸部・下肢短縮
股関節機能障害,長管骨変形12級8号,短縮障害,疼痛
術前後と症状固定時の正側面画像,股関節可動域,下肢長測定

骨幹部

(続きを読む...)大腿骨骨折の後遺障害等級と認定方法――頸部・転子部・骨幹部・遠位部の違い(AI作成)

むち打ち症(頚椎捻挫)の症状固定時期——判断要素,後遺障害等級及び医学的知見(AI作成)

目次第1 むち打ち症の症状固定という論点1 検討の対象と時点第2 症状固定の法的な意味と機能1 定義の出所——労災の障害等級認定基準2 症状固定を境に損害の算定方法が転換する第3 むち打ち症の後遺障害等級と労働能力の喪失1 12級13号と14級9号の振り分け2 労働能力喪失率と喪失期間の実務上の制限3 医学資料で確認する症状と所見の対応4 12級・14級を判断した認定実例の比較5 申請・異議申立て前に資料を整理する方法第4 症状固定時期の判断——時期に争いがある場合1 医師の診断と裁判所の認定は別個の判断である2 時期を独自に認定した裁判例第5 治療拒否・未実施手術と症状固定——一般論を含む1 治療を強制することはできないという原則2 因果関係の調整方法をめぐる2つの裁判例3 症状固定・治療拒否・因果関係・損害軽減を分ける第6 むち打ち症の自然経過に関する医学的知見1 国際的な重症度分類2 自然経過に関する追跡調査と実務上の目安との緊張関係第7 症状固定と消滅時効の起算点第8 実務上の留意点出典・参考資料1 法令・通達2 裁判例3 文献4 医学文献5 関連記事

保険会社の治療費支払終了,医療上の治療終了及び症状固定は区別して確認する。慰謝料の金額はむち打ちの通院1・3・6か月と後遺障害の計算例,支払終了への対応は治療費打切りの確認事項,基準全体は交通事故の慰謝料の三つの算定基準で説明している。本記事では,固定時期の判断要素と医学的経過を検討する。

第1 むち打ち症の症状固定という論点1 検討の対象と時点

むち打ちを含む交通事故外傷について,事故直後の受診,検査,治療・リハビリテーションから症状固定までの一般的な流れは,交通事故治療の流れで整理している。

本記事は,交通事故によるむち打ち症(頚椎捻挫,外傷性頚部症候群)を負った被害者について,損害賠償額を算定する基準時となる「症状固定」の意味と,その時期がどのような要素で判断されるかを整理するものである。生成AIを用いて法令,裁判例及び医学文献の原典を確認した上で構成した。対象とする時点は2026年8月現在であり,法令・通達は現行のものを,裁判例は各判決日時点のものを扱う。

症状固定は,むち打ち症に限らずあらゆる傷病の損害賠償額算定に関わる概念であるが,むち打ち症は他覚的所見(画像上の異常や神経学的検査所見)を伴わないことが多く,症状固定の時期及びその有無そのものが争われやすい類型である。以下では,症状固定の法的な意味(第2),むち打ち症に特有の後遺障害等級との関係(第3),時期の判断枠組みと裁判例(第4),症状固定の有無自体が争われる場合の枠組み(第5),症状固定の医学的な裏付け(第6),消滅時効との関係(第7)の順に検討する。

症状固定を検討する際には,保険会社が治療費を支払う期間と,担当医が考える治療の必要性・改善の見込みを分けて確認する。
残る痛みがあることだけから症状固定を否定することも,事故から一定月数が経過したことだけから症状固定を肯定することも適切でない。

確認先確認する内容担当医現在の症状,これまでの治療効果,今後の治療と改善の見込み保険会社支払終了を提案する理由,終了予定日,提出する資料と連絡方法手元の記録事故・初診・転院等の経過,症状の変化,診断書・画像・検査の有無

支払終了の具体的な対応は治療費打切りと慰謝料,通院期間別の慰謝料はむち打ちの慰謝料の検討,申請・等級の全体は交通事故の後遺障害の総合案内で説明している。
14級各号と神経症状の確認は後遺障害14級の認定・慰謝料・逸失利益を参照されたい。
第5の未実施手術・治療拒否には傷病全般に関する論点も含まれ,通常のむち打ち症で一律に手術を受けるべきことを述べるものではない。

第2 症状固定の法的な意味と機能1 定義の出所——労災の障害等級認定基準

症状固定は,法律に規定された概念ではない。人身損害賠償訴訟において損害賠償額を算定する際に,実務上一般的に用いられている概念である。その定義は,自動車損害賠償責任保険の支払基準(平成13年金融庁・国土交通省告示第1号)が後遺障害等級の認定について準用する,労働者災害補償保険における「障害等級認定基準」(昭和50年9月30日付基発第565号,労働省労働基準局長通達)の「なおったとき」の定義に由来する。同通達は次のように定める。

「なお,ここにいう『なおったとき』とは,傷病に対して行われる医学上一般に承認された治療方法(以下『療養』という。)をもってしても,その効果が期待し得ない状態(療養の終了)で,かつ,残存する症状が,自然的経過によって到達すると認められる最終の状態(症状の固定)に達したときをいう。したがって,障害程度の評価は,原則として療養効果が期待し得ない状態となり,症状が固定したときにこれを行うこととなる。」

この定義を踏まえ,さいたま地方裁判所平成14年1月24日判決は,右肩鎖関節損傷の症状固定日が争われた事案において,「損害賠償訴訟における症状固定とは,負傷に対して行われる医学上一般に承認された治療方法をもってしても,その効果が期待し得ない状態で,かつ,残存する症状が,自然的経過によって到達すると認められる最終の状態に達することをいうのであり,必ずしも『治癒』と同義ではない」と判示している。すなわち,症状固定は,症状が完全に消えて治ったことを意味するのではなく,それ以上の医学的な改善が見込めなくなった状態を指す。むち打ち症のように症状が緩やかに軽快していく傷病では,この「これ以上は改善しない」という状態がいつ訪れたかの認定が,そのまま賠償額の帰趨を左右することになる。

2 症状固定を境に損害の算定方法が転換する

症状固定が実務上重要視される最大の理由は,症状固定の前後で,同じ費目であっても損害の算定方法が根本的に転換する点にある。

費目症状固定まで症状固定後治療費事故と相当因果関係のある実費全額原則として相当因果関係が否定される(治療を続けても症状を改善させないため)休業損害・逸失利益休業損害(就労制限の程度が徐々に減少するものとして算定)後遺障害逸失利益(固定時に認定された労働能力喪失率が就労可能年齢まで継続するものとして算定)慰謝料傷害慰謝料(入通院期間を基礎に算定)後遺障害慰謝料(認定された等級に応じて類型的に算定)

症状固定時期を後ろにずらせば,その分だけ治療費や休業損害の対象期間が延びる一方,症状固定を早めても,その後に発生し得た治療費・休業損害・傷害慰謝料が加わらなくなるだけで,後遺障害部分の損害が当然に増減するわけではない。したがって,症状固定時期を早期化・遅延化させることが,被害者又は加害者の一方に一律に有利に働くとは限らず,具体的な事案ごとに,症状の推移や治療内容を踏まえて争う実益の有無を見極める必要がある。なお,骨折後の骨髄炎など他の傷病類型における症状固定の考え方については,別稿「骨折後の骨髄炎と症状固定——労災の慢性化膿性骨髄炎アフターケア,後遺障害等級及び交通事故での取扱い(AI作成)」で扱っている。

第3 むち打ち症の後遺障害等級と労働能力の喪失1 12級13号と14級9号の振り分け

むち打ち症が完全には軽快せず後遺障害として残存する場合,自動車損害賠償保障法施行令別表第二が定める「局部の神経症状」の等級に該当することが多い。同別表は,第12級13号を「局部に頑固な神経症状を残すもの」,第14級9号を「局部に神経症状を残すもの」と定める。

12級・14級の検討では,残存症状の内容,画像・神経学的検査等による裏付け,事故との関係及び治療経過を確認する。医学的に症状を「証明」できるか,又は「説明可能」かという整理が用いられるが,この表現自体が施行令の条文にあるわけではない。MRIに異常があるだけで12級に決まり,異常がなければ14級又は非該当に決まるという振り分けでもない。具体的な資料の見方と認定実例は,以下の3・4で比較する。

頚椎の可動域が狭い場合でも,8級2号の脊柱の運動障害には角度だけでなく器質的原因等が問題となる。詳しくは,頚椎(頸椎)の可動域制限と後遺障害8級2号で説明している。

2 労働能力喪失率と喪失期間の実務上の制限

後遺障害等級は労働能力喪失率を検討する目安となるが,訴訟上の喪失率や期間は,残存症状と具体的な就労への影響等により判断され,等級だけで一律に決まるものではない。労働能力喪失率表は,「民事損害賠償が行われた際の労災保険給付の支給調整に関する基準(労働者災害補償保険法第67条第2項関係)について」(昭和56年6月12日付発基第60号,労働事務次官通達)別表第2に定められており,第12級は100分の14,第14級は100分の5である。

もっとも,むち打ち症による神経症状は,他の器質的な後遺障害と異なり,時間の経過とともに軽快していく可能性があるという特殊性を踏まえ,労働能力喪失期間についても,12級で10年程度,14級で5年程度に制限する裁判例が多いとされる。これは,脊柱の変形障害や関節の機能障害のように将来にわたって労働能力の制限が固定的に継続すると見込まれる後遺障害とは異なり,むち打ち症の神経症状が生涯にわたって同じ強度で持続するとは限らないという医学的な理解を反映したものである。もっとも,自賠責保険では,後遺障害と認定されたものは14級でも将来回復が困難と見込まれる(永久残存性)ものとして,就労可能年限までの逸失利益が前提とされており,期間の制限は訴訟上の扱いである。その背景には,馴化(いわゆる慣れ)のほか,疼痛を直接判定する検査方法がないことも影響していると考えられている(小松初男ほか編『後遺障害入門』21頁~22頁・175頁)。装具費用や将来の買替費用など,後遺障害に伴う将来の損害の考え方については,別稿「交通事故で装具が必要になったときの費用——治療用装具の療養費,労災の義肢等補装具費及び将来の買替費用(AI作成)」でも扱っている。

3 医学資料で確認する症状と所見の対応

日本整形外科学会「むち打ち症」は,「むち打ち」を首の外傷に関する呼び方として説明し,頚椎捻挫,神経根症,脊髄損傷等を診察・検査により区別している。したがって,診断名だけで神経障害の有無や等級を決めることはできない。

同学会「頚椎症性神経根症」は,腕や手の痛み・しびれ,筋力低下,感覚障害等を挙げ,神経根の圧迫がMRIでは必ずしも容易に確認できないことも説明する。他方,同学会「外傷性頚部症候群」は,画像に写る加齢性変化と新しい外傷性病変を区別する必要を説明している。画像で圧迫がはっきりしないことだけから症状を否定することも,事故後に撮った画像の異常をすべて事故で生じたものとすることも適切ではない。

比較する資料確認する内容評価上の注意診療録・症状の記録痛み・しびれの左右,部位,出現時期,持続・変化及び受診間隔。初診から症状固定までを比較する。症状が軽快した時期や受診の空白も理由とともに記録する。X線・CT・MRIと読影報告病変の部位,左右,程度,撮影時期及び事故前の画像との違い。画像上の形態変化,その変化が症状を説明するか,事故が変化又は発症を生じさせたかは別の問題である。筋力・腱反射・感覚等の診察所見左右差,検査した筋・感覚領域,検査日ごとの結果と症状の対応。陽性・陰性を一つだけ抜き出さない。後日の低下所見と事故直後の正常所見が異なる場合は,医師の説明も確認する。医師の診断・意見考えられる病態,画像と診察の整合,残存症状及び改善の見込み。医師の医学的評価と,認定機関・裁判所の等級判断を分ける。必要な検査は医師の判断による。

この表は医学資料と以下の裁判例を踏まえた資料整理の観点であり,特定の検査を受ければ12級になるという認定条件の一覧ではない。

4 12級・14級を判断した認定実例の比較

以下は,裁判所ウェブサイトの判決原文で確認した3例である。自賠責の認定結果と裁判所の判断は区別して記載する。古い事故の判決にある12級12号・14級10号は,当時の自賠責等級表の番号であり,現行の12級13号・14級9号と番号が異なる。

判決・等級判断医学資料と経過裁判所が重視した点広島高裁平成16年5月26日判決
12級12号(当時)を肯定。事故後MRIで頚椎椎間板ヘルニアを確認。後遺障害診断書には筋力・腱反射の低下があるが,事故当日及び途中の診察では正常所見もあった。ヘルニアは既往症とし,後日の筋力・反射低下の事故起因性も否定した。他方,既往症に事故による頚椎捻挫が加わった頚部痛等は事故と関係するとし,診断内容等を総合して12級と評価した。甲府地裁平成17年10月12日判決
14級10号(当時)を肯定,12級12号を否定。軽度の椎間板ヘルニア,椎間孔の狭小化等があった。頚部痛等のほか,眼科医として手術する際の左手の振戦が残った。他覚所見が皆無とはしなかったが,残存症状に直接関係する明確な他覚所見がないと判断した。画像異常の存在だけでは12級を根拠づけない例である。名古屋地裁令和4年10月5日判決
自賠責は非該当。裁判所は14級9号を肯定,12級13号を否定。MRIに比較的軽度の椎間孔狭窄があった。手のしびれには軽快があったが,頚部痛は事故後から症状固定まで一貫して訴えられていた。狭窄は事故前からのものとする医師の見解等により12級を否定。他方,診療録,残存疼痛,事故の強い衝撃及び運転職の身体的負担を検討し,事故と狭窄が相まった疼痛を14級と評価した。

出典箇所は,順にPDF2頁~4頁,4頁~5頁,4頁及び6頁~9頁である。広島高裁の例は,既往症の寄与による50%減額,過失相殺及び既払金控除の結果,最終的には被害者の請求を棄却している。「12級を認めた」ことと追加の賠償金が認められたことを混同してはならない。他方,名古屋地裁の例では素因減額は否定されており,画像上の既往変化があることだけで一律に減額されるものでもない。

3例の比較からは,画像の有無,痛みの強さ又は通院月数だけを等級の決め手とせず,症状を裏付ける資料,事故との関係及び治療経過を併せて検討する必要があるといえる。これは個別判決の比較であり,同じ画像所見なら同じ等級になるという予測や,自賠責の申請が必ず通るという説明ではない。

12級・14級だけでなく,画像所見があっても事故による後遺障害が否定された京都地裁平成28年8月30日判決(平成26年(ワ)第2685号)を含む比較は,むち打ち症の後遺障害―12級・14級・非該当を分けた裁判例の比較に記載している。
自賠責の非該当と裁判所による後遺障害否定を区別し,症状の経過,画像と診察所見,職業上の支障及び減額・既払金を対応させて読む必要がある。

5 申請・異議申立て前に資料を整理する方法

まず,事故日,初診日,各検査日及び症状固定日を一列に並べ,その日ごとの症状,画像所見,筋力・反射・感覚の所見及び治療内容を対応させる。事故前の同じ部位の受診歴・症状・画像がある場合も整理する。事故で新しい病変が生じたという説明と,既存の病変が事故を契機に症状を生じたという説明を混ぜないことが大切である。

診断書にない検査結果や,診療録と異なる記載がある場合は,元の記録を添えて主治医に確認する。検査していない項目を「正常」と扱わず,主治医に特定の等級に合わせた記載を求めるのでもなく,医学的に説明できる範囲と説明できない範囲を明らかにする。仕事への支障は,担当作業,できなくなった動作,勤務時間・業務変更等の記録で具体化する。

非該当又は14級の結果に不服がある場合は,認定理由と提出済み資料を照合し,どの症状・所見・経過が評価されなかったのか,追加資料で何を説明できるのかを検討する。診断書の項目は交通事故の後遺障害診断書,手続の選択は後遺障害非該当への異議申立て等を参照されたい。慰謝料の金額についてはむち打ちの慰謝料と後遺障害の計算例で,等級が認められることを前提とした目安を説明している。

本項の医学資料・認定実例の比較は,令和8年10月4日に原資料を確認して追記した。

第4 症状固定時期の判断——時期に争いがある場合1 医師の診断と裁判所の認定は別個の判断である

後遺障害診断書に記載された症状固定日(医師の判断)を,そのまま損害賠償額算定における症状固定日として認定する裁判例が多いが,これと異なる日を認定する裁判例も相当数存在する。医師の「これ以上改善しない」という医学的な判断と,裁判所の「症状が自然的経過によって到達すると認められる最終の状態に達した」という法的な判断は,別個の判断である。医師の判断は基本的に尊重されるべきであるが,絶対的なものではなく,損害賠償訴訟の観点から合理的かどうかが裁判所において検討される。

この合理性の検討に当たっては,①傷害及び症状の内容(神経症状のみか等),②症状の推移(改善の有無,一進一退か),③治療・処置の内容(相当な治療か,対症療法的なものか,治療内容に変化があるか),④治療経過(通院頻度の変化,治療中断の有無),⑤検査結果(他覚的所見の有無),⑥当該症状につき症状固定に要する通常の期間,⑦交通事故の状況(衝撃の程度)といった要素が考慮される(東京地方裁判所民事第27部・髙木健司裁判官「症状固定について」〔日弁連交通事故相談センター東京支部講演,平成24年9月29日〕による整理)。特に,被害者が承諾しないために医師が考える固定日よりも遅い日を記載した後遺障害診断書や,事故後相当期間が経過してから初めて受診した病院で最終通院日を固定日とした後遺障害診断書は,合理性がより慎重に検討される類型とされる。

通院頻度や治療中断が入通院慰謝料に及ぼす影響は,「通院日数が少ない場合の入通院慰謝料」で整理している。

2 時期を独自に認定した裁判例

症状固定時期そのものが正面から争点となり,裁判所が医師の診断書記載日とは異なる時期を認定した裁判例は少なくない。

広島高等裁判所平成14年3月13日判決(平成12年(ネ)第521号)は,追突事故によって頚椎捻挫に伴う頭痛・項部痛等の神経症状(後遺障害等級14級10号相当)を残した事案において,後遺障害診断書上の症状固定日(平成11年4月19日)の記載経緯を認定した。この診断書は,主治医が診療録から平成8年秋ころを症状固定の時期と考えていたにもかかわらず,被害者及びその父親が強く求めたために記載された日付であったことが認定されており,裁判所は,主治医の意見や症状の推移,治療経過等を総合し,後遺障害診断書の記載日ではなく,平成8年9月末を実質的な症状固定時期として独自に認定した。

佐賀地方裁判所平成13年12月18日判決(平成13年(ワ)第21号)は,頚部捻挫等の傷害を負い後遺障害等級14級10号(頚部の神経症状)が認定された事案で,被害者が主張する医師の診断日(平成11年1月11日)を採らず,通院頻度が退院後は月1回程度まで減少していた治療経過を踏まえて「遅くとも平成10年9月29日には症状固定したものと認めるのが相当である」と,医師の診断より早い時期を独自に認定した。前記広島高等裁判所判決及び本判決にいう14級10号は,いずれも平成16年6月30日以前に発生した事故に適用されていた号数であり,現行の14級9号に当たる(後遺障害等級の号数の読み方参照)。

横浜地方裁判所平成31年4月23日判決(平成28年(ワ)第1702号,判例秘書登載)は,バス運転士が対向車線からの衝突事故で頚椎捻挫の傷害を負った事案において,事故日から約2年9か月後のリハビリテーション終了日を,後遺障害等級14級9号相当の神経症状を残す症状固定日と認め,被告側の素因減額の主張を排斥した。

これらの裁判例は,いずれも後遺障害診断書に記載された症状固定日を機械的に採用するのではなく,通院頻度,治療内容の変化,主治医の見解の経緯等を個別に認定した上で症状固定時期を判断するという手法が,複数の裁判所で採られていることを示している。

第5 治療拒否・未実施手術と症状固定——一般論を含む

以下の橈骨遠位端骨折及び大腿骨骨折の裁判例は,むち打ち症固有の裁判例ではない。侵襲を伴う治療を受けるかどうかという自己決定と,医学上の改善可能性が残る場合の賠償法上の症状固定を示す一般論として掲載する。

1 治療を強制することはできないという原則

前記第4は,症状固定したこと自体には争いがなく,その時期だけが争われる場面を扱ったものである。これに対し,更に治療を続ければ改善する可能性が医学上残っているにもかかわらず,被害者がその状態で症状固定を主張し,加害者側が「いまだ症状固定していない(治療を続ければより軽い後遺障害で済む)」と争う場面がある。加害者側がこのように争う実益は,治療を継続すればより軽度の後遺障害しか残らない可能性がある点にある。

東京地方裁判所平成24年3月16日判決(平成22年(ワ)第34315号,交通事故民事裁判例集45巻2号334頁)は,自転車同士の衝突事故により橈骨遠位端骨折の傷害を負った被害者が,変形治癒による手関節可動域制限(健側の2分の1以下)を後遺障害等級10級10号として損害賠償を請求したのに対し,加害者が,変形矯正手術を受ければ症状が改善する可能性があるから症状固定していないなどと争った事案である。裁判所は,「治療(特に手術)は,その性質上,身体への侵襲を伴うものであり,また,その効果の確実性を保障することができないものであるから,交通事故の被害者に対し,治療を受けることを強制することはできない」とした上で,被害者が更なる治療を受けないと判断した場合には,それを前提として症状固定をしたものと判断するほかないと判示した。もっとも,本件では,手関節の変形癒合が生じたのは事故直後には手術適応であったにもかかわらず適切な時期に手術を受けなかったことが原因であるという特殊な事情があったため,後遺障害による損害の90パーセントの限度でのみ交通事故との相当因果関係を認めた。

2 因果関係の調整方法をめぐる2つの裁判例

東京地方裁判所平成24年7月17日判決(平成22年(ワ)第9991号,交通事故民事裁判例集45巻4号792頁,自保ジャーナル1879号25頁)は,普通自動二輪車で交差点に進入した被害者が対向車線から右折進入してきた自動車と衝突し,大腿骨骨折等の傷害を負い,後遺障害等級表第8級9号に相当する後遺障害が残存したとされた事案である。受傷から相当期間が経過しても骨癒合に至らなかったところ,被告らは,骨折部位への腸骨移植等を内容とする手術(偽関節手術)を受ければ症状が改善する可能性があるから被害者はいまだ症状固定していない,仮に症状固定であるとしても手術を受けなかったことを理由に過失相殺すべきである,などと争った。裁判所は,「症状固定とは,医学上相当な治療期間を経過してもなお残存する症状については後遺障害として評価することとして,特定の時点で,賠償の対象とすべき将来の損害の範囲を画するための法律上の概念であり,純粋に医学的な見地からは症状改善の可能性がある場合であっても,賠償法上は症状固定と扱われるべき事案があることは当然予定されているし,実際にむち打ち症のケースなどでそのような事案は多く存在する」と判示した上で,偽関節手術は身体への侵襲を伴うものであるからこれを受けるか否かは被害者が自己決定権に基づいて選択すべき事柄であって法的に強制すべきではないとし,手術を受けなかったことを理由とする症状固定に関する過失相殺の主張を認めなかった。もっとも,本件事故の発生態様自体(右折車と直進車の優先関係)については別途過失相殺がされている。

この2つの裁判例を対比すると,症状固定の有無自体が争われる場面では,症状固定を否定する方向ではなく,症状固定を肯定した上で,治療を受けなかった経緯を相当因果関係の範囲や過失相殺の当否の判断において考慮するという枠組みが採られている点で共通する。他方,因果関係を制限するか否かの結論が分かれた背景には,前者の事案では事故直後の手術適応の時期に手術を受けなかったという特殊な経緯があったのに対し,後者の事案では医師の治療方針を踏まえた被害者の判断に合理性が認められた,という事案ごとの違いがある。治療拒否と過失相殺・素因減額の一般的な考え方については,別稿「素因減額の要件・判例・主張立証と計算方法(AI作成)」も参照されたい。

3 症状固定・治療拒否・因果関係・損害軽減を分ける

実務では,①残存症状を後遺障害として評価するための症状固定時期,②侵襲や効果の不確実性を伴う治療を受けるかという被害者の自己決定,③治療を受けなかったことと残存障害との相当因果関係,④治療を受けなかった事情を損害軽減又は過失相殺の問題として評価するか,を分けて検討する必要がある。手術を受けない選択が尊重されることと,事故と全損害との相当因果関係が当然に認められることは同じではない。

橈骨遠位端骨折の治療経過,変形治癒,可動域制限及び立証資料については,別稿「橈骨遠位端骨折の後遺障害」も参照されたい。

第6 むち打ち症の自然経過に関する医学的知見1 国際的な重症度分類

むち打ち症の国際的な重症度分類として広く用いられているのが,ケベック・タスクフォースによる分類(Whiplash-Associated Disorders,WAD分類)である。同分類は,むち打ち症を,頸部の訴えも身体所見もないもの(グレード0),頸部の痛み,こわばり又は圧痛の訴えのみで身体所見を伴わないもの(グレード1),可動域制限や圧痛点等の筋骨格系の所見を伴うもの(グレード2),深部腱反射の減弱・消失や筋力低下,感覚障害等の神経学的所見を伴うもの(グレード3),骨折又は脱臼を伴うもの(グレード4)に区分する。

この分類は,頚部痛,筋骨格所見及び神経学的所見によってむち打ち関連障害の臨床的重症度を整理するものであり,日本の後遺障害等級との換算表ではない。
WADグレード3の神経学的所見があっても,症状固定時の残存所見,画像との対応及び事故との関係を別に検討する必要があるため,直ちに12級13号になるわけではない。

また,WADグレード0から2までの事案でも,レントゲン又はMRIに加齢性変化その他の所見が写る場合がある。
画像所見の有無だけで12級13号と14級9号を分けるのではなく,所見の事故起因性,症状との対応及び神経学的所見との整合性を検討する必要がある。
詳しくは「後遺障害14級9号でも画像所見はあるのか―レントゲン・CT・MRIの異常と12級13号との違い(AI作成)」を参照されたい。

2 自然経過に関する追跡調査と実務上の目安との緊張関係

国内の文献では,頸椎捻挫症状の軽傷例は大部分が1か月以内に軽快し,頸椎の運動制限を伴う重症例でも大部分は3か月以内に軽快し,残りも1年以内にほとんど症状が消失するといわれてきた。症状による分類(いわゆる土屋の分類)でも,最も予後のよい頸椎捻挫型は大方が1.5か月ないし3か月以内に治癒するとされる一方,根症状型やバレ・リュー症状型は他覚的所見に乏しく慢性化しやすいとされる(小松初男ほか編『後遺障害入門』167頁~169頁)。

症状固定の判断は,本来,むち打ち症の医学的な自然経過(治療を続けてもどの程度の期間で症状が落ち着くのが通常か)を踏まえたものであるべきである。この点について,海外の前向き追跡調査には,受傷後3か月の時点における症状の有無が,その後2年間の転帰をかなり高い精度で予測するとの報告があり,発症後おおむね3か月前後が予後の分かれ目として臨床的な意味を持つことを示している。他方で,同じ追跡調査では,受傷後3か月の時点で無症状であった者の割合は限定的であったとも報告されており,複数の系統的レビューでも,受傷後1年が経過した時点でなお頸部痛の症状を訴える者が相当数に上るとされている。日本人のむち打ち症患者を対象とした研究でも,受傷後90日以内に治療が終了した者の割合は過半数にとどまっており,これらの知見は,むち打ち症の多くが短期間で高い確率で治癒するという単純な理解には必ずしも当てはまらないことを示している。

これらの追跡調査を踏まえると,むち打ち症の症状固定の判断において,受傷後の経過月数だけを機械的な物差しとするのではなく,前記第4の1で述べた症状の推移や治療内容の変化といった個別の要素を丁寧に当てはめることが,医学的な知見とも整合的な実務運用であるといえる。また,受傷後の心理社会的な要因(初期の症状の強さや機能障害の程度等)が,その後の回復の遅速を左右する予測因子として複数の研究で指摘されている点は,症状の遷延に対する被害者側の主観的な要因をめぐる争い(心因的要因による素因減額の当否)とも関係し得る視点である。最高裁昭和63年4月21日判決(民集42巻4号243頁)は,軽微な追突事故後10年以上入通院を続けた被害者について,事故後3年間の損害に限って相当因果関係を認めた上で,心因的要因の寄与を理由に民法722条2項を類推適用して4割を減額した原審の判断を是認している。

第7 症状固定と消滅時効の起算点

症状固定は,損害賠償額の算定基準としてだけでなく,後遺障害に基づく損害賠償請求権の消滅時効の起算点としても機能する。最高裁判所第二小法廷平成16年12月24日判決(平成14年(受)第1355号,集民第215号1109頁)は,交通事故による後遺障害に基づく損害賠償請求権の消滅時効は,遅くとも症状固定の診断を受けた時から進行するとした事例である。同判決は,自賠責保険の後遺障害等級の事前認定が非該当となり,異議申立てによって等級認定を受けたという経緯があったとしても,消滅時効は遅くとも症状固定の診断時から進行するとの判断を示した。症状固定時期の認定を争う実益は,賠償額の多寡にとどまらず,消滅時効の成否にも及び得る点に注意を要する。

第8 実務上の留意点

第1に,保険会社から治療費の打切りや症状固定への切替えを打診された場合,これに応じるかどうかは,通院を継続することによる症状改善の見込みについての主治医の治療方針を踏まえて判断すべき事柄である。前記第4の7要素のうち,特に症状の推移や治療内容の変化,検査結果の有無は,主治医との診療の中で確認できる事項であり,早期に症状固定として扱われることに疑問がある場合には,主治医に治療継続の必要性について確認し,診療録上にその判断の根拠を残しておくことが有用である。

第2に,後遺障害等級の認定手続としては,任意保険会社を通じた事前認定と,自賠責保険に対する被害者請求のいずれかを選択できる。認定結果に不服がある場合には,自賠責保険会社(事前認定の場合は任意保険会社)を通じて損害保険料率算出機構に異議申立てをすることができ,これは請求権が時効で消滅するまで何度でも可能である。また,一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構に紛争処理(調停)を申請することもできるが,こちらは原則として書面審査であり,申請は1回に限られる(小松初男ほか編『後遺障害入門』18頁~19頁)。これらとは別に,訴訟で後遺障害の有無・程度を争うこともできる。もっとも,訴訟において自賠責保険の等級認定に拘束されるものではないとされているとはいえ,実務上はその認定内容が相当程度重視される傾向にある。

第3に,本記事は症状固定に関する一般的な法的枠組みを整理するものであり,個別の事案における症状固定時期の当否は,通院頻度,治療内容,検査所見等の具体的な事情によって異なる。ギプス固定期間中の傷害慰謝料の評価等,症状固定に至るまでの損害費目の算定方法については,別稿「ギプス固定期間は入通院慰謝料でどう評価されるか(AI作成)」も参照されたい。

出典・参考資料1 法令・通達

①民法(明治29年法律第89号)709条・710条・722条2項(e-Gov法令検索)
②自動車損害賠償保障法施行令(昭和30年政令第286号)2条・別表第二12級13号・14級9号(e-Gov法令検索)
③「障害等級認定基準について」(昭和50年9月30日付基発第565号,労働省労働基準局長通達)第1の1「なおったとき」の定義(厚生労働省法令等データベース)
④「民事損害賠償が行われた際の労災保険給付の支給調整に関する基準(労働者災害補償保険法第67条第2項関係)について」(昭和56年6月12日付発基第60号,労働事務次官通達)別表第2「労働能力喪失率」(厚生労働省法令等データベース)

2 裁判例

①最高裁判所第一小法廷昭和63年4月21日判決(昭和59年(オ)第33号,民集42巻4号243頁,裁判所ウェブサイト)
②最高裁判所第二小法廷平成16年12月24日判決(平成14年(受)第1355号,集民第215号1109頁,裁判所ウェブサイト)
③さいたま地方裁判所平成14年1月24日判決(平成11年(ワ)第474号,裁判所ウェブサイト)
④広島高等裁判所平成14年3月13日判決(平成12年(ネ)第521号,裁判所ウェブサイト)
⑤佐賀地方裁判所平成13年12月18日判決(平成13年(ワ)第21号,裁判所ウェブサイト)
⑥横浜地方裁判所平成31年4月23日判決(平成28年(ワ)第1702号。裁判所HP未掲載。判例秘書により全文確認)
⑦東京地方裁判所平成24年3月16日判決(平成22年(ワ)第34315号,交通事故民事裁判例集45巻2号334頁。裁判所HP未掲載。判例秘書及び第一法規D1-Law判例体系により確認)
⑧東京地方裁判所平成24年7月17日判決(平成22年(ワ)第9991号,交通事故民事裁判例集45巻4号792頁,自保ジャーナル1879号25頁。裁判所HP未掲載。判例秘書及び第一法規D1-Law判例体系により全文確認)

⑨広島高裁平成16年5月26日判決(平成15年(ネ)第94号,PDF2頁~4頁)
⑩甲府地裁平成17年10月12日判決(平成15年(ワ)第438号,PDF4頁~5頁)
⑪名古屋地裁令和4年10月5日判決(令和3年(ワ)第1305号,PDF4頁・6頁~9頁)。いずれも裁判所ウェブサイトの判決原文及び公式検索結果により確認。

3 文献

①髙木健司「症状固定について」(東京地方裁判所民事第27部)『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 下巻〔講演録編〕』(日弁連交通事故相談センター東京支部,2013年版)7頁~21頁
②小賀野晶一・古笛惠子編『交通事故医療法入門〔第2版〕』(勁草書房,2023年)142頁~143頁・159頁
③小松初男・小林覚・西本邦男編『後遺障害入門 認定から訴訟まで』(青林書院,2018年)18頁~19頁・21頁~22頁・167頁~169頁・175頁

4 医学文献

①Spitzer WO, Skovron ML, Salmi LR, et al. Scientific monograph of the Quebec Task Force on Whiplash-Associated Disorders: redefining "whiplash" and its management. Spine. 1995;20(8 Suppl):1S-73S.
②Gargan MF, Bannister GC. The rate of recovery following whiplash injury. Eur Spine J. 1994;3(3):162-164.
③Carroll LJ, Holm LW, Hogg-Johnson S, et al. Course and prognostic factors for neck pain in whiplash-associated disorders. Eur Spine J. 2008;17(Suppl 1):83-92.
④Yamashita Y, Kogo H, Inoue T, Higashi T. Predictors of Delayed Recovery in Japanese Patients With Whiplash-Associated Disorders. Cureus. 2024;16(8):e66435.

⑤日本整形外科学会「むち打ち症」
⑥同学会「頚椎症性神経根症」
⑦同学会「外傷性頚部症候群」(ウェブ資料は令和8年10月4日確認)。

5 関連記事

①骨折後の骨髄炎と症状固定——労災の慢性化膿性骨髄炎アフターケア,後遺障害等級及び交通事故での取扱い(AI作成)
②交通事故で装具が必要になったときの費用——治療用装具の療養費,労災の義肢等補装具費及び将来の買替費用(AI作成)

(続きを読む...)むち打ち症(頚椎捻挫)の症状固定時期——判断要素,後遺障害等級及び医学的知見(AI作成)

交通事故で装具が必要になったときの費用――治療用装具の療養費,労災の義肢等補装具費及び将来の買替費用(AI作成)

第1 この記事の対象と装具費用の枠組み

1 症状固定の前後で費用の出どころが変わること
2 治療用装具と更生用装具の区別が実務上重要である理由

第2 症状固定前の装具費用

1 健康保険による場合は償還払いの療養費となる
2 支給額の算定と,価格に上乗せされている消費税相当分
3 手続書類は後遺障害の立証資料にもなる
4 労災保険及び自賠責保険による場合

第3 症状固定後の装具費用

1 労災保険の義肢等補装具費
2 障害者総合支援法の補装具費
3 労災保険と障害者福祉制度とでは支給の厚みが異なる

第4 将来の買替費用の算定

1 実務基準における位置付け
2 耐用年数は告示第528号を出発点とすること
3 年少者は耐用年数ではなく使用年数で組むこと
4 骨格構造義肢は完成用部品ごとに積むこと
5 買替回数,中間利息の控除及び終期

(続きを読む...)交通事故で装具が必要になったときの費用――治療用装具の療養費,労災の義肢等補装具費及び将来の買替費用(AI作成)

交通事故による足指の欠損障害・機能障害と後遺障害等級――認定基準,測定方法,併合準用及び裁判例(AI作成)

第1 本記事の対象

1 取り上げる範囲

2 足指の関節の呼称

第2 等級表の構造と号のずれ

1 欠損障害及び機能障害の各6段階

2 自賠責と労災の号のずれ

3 平成16年7月1日より前の事故の号数

第3 認定基準の正本と足指への当てはめ

(続きを読む...)交通事故による足指の欠損障害・機能障害と後遺障害等級――認定基準,測定方法,併合準用及び裁判例(AI作成)

交通事故による偽関節(骨癒合不全)の後遺障害等級――7級・8級・12級を分ける硬性補装具の要否と立証資料(AI作成)

第1 この記事の対象と,偽関節の等級を決める規範

1 対象と射程

2 等級表における偽関節の位置と給付の断層

3 自賠責が労災の障害等級認定基準に従う根拠

第2 認定基準の構造――上肢と下肢で階梯が違う

1 上肢の三階梯

2 下肢には「時々硬性補装具」の階梯がない

3 腓骨だけが12級8号にとどまる理由

4 平成16年7月1日より前に支給事由が生じた事案

5 長管骨以外の骨に偽関節が残った場合

第3 「常に硬性補装具を必要とする」の判断

1 「常に」「時々」を判定する公式の方法は定められていない

(続きを読む...)交通事故による偽関節(骨癒合不全)の後遺障害等級――7級・8級・12級を分ける硬性補装具の要否と立証資料(AI作成)

交通事故によるリスフラン関節・ショパール関節損傷の後遺障害等級――第7級8号の欠損障害,可動域制限の評価対象外及び神経症状による構成(AI作成)

第1 この記事が扱う対象1 リスフラン関節とショパール関節2 射程と時点
第2 欠損障害――第7級8号及び第4級7号1 等級表の文言と保険金額2 認定基準による切断部位の画し方3 等級表の原型としての労働基準法施行規則別表第二
第3 ショパール関節における離断には明文がないこと1 認定基準の文言との関係2 他の公的障害認定制度との対比3 相当等級による構成とその限界
第4 可動域制限は等級評価の対象外であること1 認定基準の構造2 足関節の可動域制限として拾えるか
第5 神経症状による構成1 第12級13号と第14級9号2 立証資料
第6 裁判例1 リスフラン関節靱帯損傷につき第14級9号とされた事例2 裁判所ウェブサイトにおける掲載状況
第7 損害論1 労働能力喪失率2 後遺障害慰謝料3 労働能力喪失期間4 異議申立て及び紛争処理の見込み
出典・参考資料1 法令・告示・通達2 裁判例3 公的資料4 文献5 関連記事

第1 この記事が扱う対象
1 リスフラン関節とショパール関節

リスフラン関節は,足根中足関節ともいい,5本の中足骨と,足根骨の遠位列である内側・中間・外側の三つの楔状骨及び立方骨との間にある関節である。ショパール関節は,横足根関節ともいい,距舟関節と踵立方関節とを併せた関節複合体を指す。いずれも足の中央部にあって,足部のアーチを保ち,歩行時に足を剛にしたり柔らかくしたりする役割を担っており,交通事故では,足部の轢過,車内での足部の挟圧,バイク事故における足部の直達外力等によって,脱臼骨折又は靱帯損傷を生じる。

この二つの関節は,後遺障害等級の当てはめにおいて特異な位置にある。等級表には「リスフラン関節」という語が置かれているにもかかわらず,それは足を失った場合の欠損障害の基準としてのみ用いられており,関節としての動きが失われた場合の機能障害の項目は,リスフラン関節についてもショパール関節についても存在しない。本記事は,この構造を出発点として,欠損障害としてどこまでが第7級8号となるか,機能障害として拾えない場合にどの号で構成するか,そのためにどのような資料が必要かを整理する。本記事の内容は生成AIを用いて作成した一般的な情報提供であり,個別の事案に対する法的助言ではない。

2 射程と時点

等級の文言は,令和8年8月8日時点でe-Gov法令検索により確認した自動車損害賠償保障法施行令別表第二及び労働者災害補償保険法施行規則別表第一による。認定基準は,平成16年6月4日基発第0604003号「せき柱及びその他の体幹骨,上肢並びに下肢の障害に関する障害等級認定基準」及びその別添「関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領」による。自賠責保険がこの労災の基準に準拠する根拠は,平成13年金融庁・国土交通省告示第1号(自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準)第3が,等級の認定は原則として労働者災害補償保険における障害の等級認定の基準に準じて行う旨を定めていることにある。

足関節の可動域制限による第12級7号の一般的な枠組み,踵骨骨折及び距骨骨折そのものの等級認定,距骨下関節を固定した場合の当てはめについては,それぞれ別の記事で扱っている。本記事は,これらと重複する説明を避け,リスフラン関節及びショパール関節という中足部の関節に固有の問題に絞る。

第2 欠損障害――第7級8号及び第4級7号
1 等級表の文言と保険金額

自動車損害賠償保障法施行令別表第二は,足部の欠損について二つの号を置いている。第7級8号は「一足をリスフラン関節以上で失つたもの」であり保険金額は1051万円,第4級7号は「両足をリスフラン関節以上で失つたもの」であり保険金額は1889万円である。より近位で失った場合の受け皿は,第5級5号「一下肢を足関節以上で失つたもの」(1574万円)及び第2級4号「両下肢を足関節以上で失つたもの」(2590万円)である。労働者災害補償保険法施行規則別表第一も同じ内容を定めているが,同表の第5級は,神経系統の機能又は精神の障害及び胸腹部臓器の機能の障害を「一の二」「一の三」という枝番号で掲げているため,以降の号がずれ,「一下肢を足関節以上で失つたもの」は第5級3号となる。第7級8号及び第4級7号は,自賠責と労災とで号が一致する。

両足をリスフラン関節以上で失った場合は,一足ずつを第7級8号として併合するのではなく,等級表があらかじめ定めた組合せ等級である第4級7号によることになる。認定基準は,この点を「右左の足をリスフラン関節以上で失った場合,右足をリスフラン関節以上で失ったもの(第7級の8)と左足をリスフラン関節以上で失ったもの(同前)とを併合するのではなく,障害等級表に定められた『両足をリスフラン関節以上で失ったもの』(第4級の7)となる」という例で示している。

2 認定基準による切断部位の画し方

認定基準は,「リスフラン関節以上で失ったもの」を,「足根骨(踵骨,距骨,舟状骨,立方骨及び3個の楔状骨からなる。)において切断したもの」又は「リスフラン関節において中足骨と足根骨とを離断したもの」のいずれかに該当するものと定義している。これに対し,一段階上の「下肢を足関節以上で失ったもの」は,「ひざ関節と足関節との間において切断したもの」又は「足関節において,脛骨及び腓骨と距骨とを離断したもの」と定義されている。

したがって,等級の分水嶺は距骨にある。距骨を脛骨及び腓骨から切り離せば第5級(自賠責5級5号,労災5級3号)であり,距骨より遠位で足根骨を切るか,中足骨を足根骨から切り離せば第7級8号である。この境界は,実際の手術記録及び画像で切断レベルを確定しなければ判断できないため,労災の後遺障害診断書の作成手引も,欠損障害がある場合には切断部位又は欠損部位が明確に分かるように記載することを求めている。切断レベルの記載が「足部切断」「足部離断」等と抽象的にとどまっている場合には,主治医に対して,どの骨のどの高さで切断したのか,あるいはどの関節で離断したのかを特定した記載を求めることになる。

3 等級表の原型としての労働基準法施行規則別表第二

「リスフラン関節」という語がこの等級体系に入った起点は,労働基準法施行規則別表第二(昭和22年厚生省令第23号)である。同表は,労働基準法77条の障害補償の額を定めるものであり,第4級(平均賃金の920日分)の七に「両足をリスフラン関節以上で失つたもの」,第7級(平均賃金の560日分)の八に「一足をリスフラン関節以上で失つたもの」を掲げている。自賠責及び労災の等級表は,いずれもこの表を母型としており,号の並びも基本的に一致する。

同表の備考は五項目あるが,その内容は視力の測定方法並びに「指を失つたもの」「指の用を廃したもの」「趾を失つたもの」「趾の用を廃したもの」の定義に限られており,等級表に掲げられていない障害を近い等級として扱うための規定は置かれていない。この点は,後述する相当等級の根拠を考えるうえで意味を持つ。

第3 ショパール関節における離断には明文がないこと

(続きを読む...)交通事故によるリスフラン関節・ショパール関節損傷の後遺障害等級――第7級8号の欠損障害,可動域制限の評価対象外及び神経症状による構成(AI作成)

骨折後の骨髄炎と症状固定――労災の慢性化膿性骨髄炎アフターケア,後遺障害等級及び交通事故での取扱い(AI作成)

第1 この記事が扱う対象

1 対象と時点
2 骨髄炎が症状固定の局面で問題になる理由

第2 労災保険における治ゆ(症状固定)

1 通達が定める2要件
2 症状固定として取り扱わない場合
3 治ゆした後に使える3つの制度

第3 慢性化膿性骨髄炎に係るアフターケア

1 制度の根拠と位置付け
2 対象者と措置範囲
3 手帳の有効期間と再発との関係

第4 再発したときの給付の切替え

1 再発の3要件
2 障害(補償)年金の失権と療養期間の通算
3 治ゆに至らないまま長期化した場合

第5 骨髄炎の後遺障害等級

(続きを読む...)骨折後の骨髄炎と症状固定――労災の慢性化膿性骨髄炎アフターケア,後遺障害等級及び交通事故での取扱い(AI作成)

交通事故による踵骨骨折の後遺障害逸失利益――労働能力喪失率,喪失期間及び職種別の制限(AI作成)

第1 この記事が扱う範囲

1 対象とする損害と射程
2 等級が決まっても逸失利益は決まらない

第2 労働能力喪失率の法源

1 喪失率表の正体は自賠責保険の支払基準の別表Ⅰである
2 等級認定は労災保険の認定基準に準じて行われる
3 表の数値が結論にならない場合

第3 労働能力喪失期間の法源

1 別表Ⅱ-1は52歳で線を引いている
2 裁判実務との差が生じる年齢層
3 最高裁は年齢,職業及び健康状態による個別の認定を求めている

第4 喪失率について裁判例が示した幅

1 踵部の荷重障害を第8級相当とした事例
2 併合第8級で45%を認めた事例
3 減収がなくても第12級の14%を維持した事例
4 段階的な逓減を採った事例
5 就労の実態により率を減じた事例
6 第14級の二つの事例

(続きを読む...)交通事故による踵骨骨折の後遺障害逸失利益――労働能力喪失率,喪失期間及び職種別の制限(AI作成)

交通事故証明書の取得方法――申請経路,手数料,申請期間及び記載事項の読み方(AI作成)

第1 本記事の対象と射程
第2 交通事故証明書の法的性格

1 交付の根拠と記載事項
2 センターは事故を独自に調査しない
3 届出義務の所在と被害者側の利害

第3 取得方法

1 申請することができる者
2 申請の経路及び申込用紙の記入事項
3 交付手数料
4 申請期間の制限
5 代理人による取得
6 証明書が交付されない場合の手数料の取扱い

第4 記載事項の読み方

1 主要な記載欄と用途
2 甲欄及び乙欄から過失の大小を読み取ることはできない
3 事故類型欄が事実認定に用いられた例
4 交付された事実は事故性を決定づけない

第5 交通事故証明書を取得することができない場合

(続きを読む...)交通事故証明書の取得方法――申請経路,手数料,申請期間及び記載事項の読み方(AI作成)

交通事故による距骨下関節固定術と後遺障害等級――足関節機能障害との区別,等級の当てはめ及び立証資料(AI作成)

第1 この記事が扱う対象

1 距骨下関節固定術という手術
2 射程と時点

第2 距骨下関節は等級表にいう「三大関節」ではない

1 下肢の機能障害は三段階しかない
2 認定基準が距骨下関節を評価対象から外している三つの規定
3 認定基準自身が「足関節と踵骨とは別の部位である」と述べていること

第3 裁判例

1 踵骨内の人工骨を足関節の人工関節と同視できないとした事例
2 距踵関節の不整合を疼痛としてのみ評価した事例
3 踵部の荷重障害を第8級相当とした事例と,足関節可動域制限の吸収

第4 等級の当てはめとして現実に取り得る構成

1 足関節の可動域制限による第12級7号
2 疼痛による第12級13号と併合第11級
3 相当等級による構成の限界

第5 可動域測定をめぐる実務上の注意点

(続きを読む...)交通事故による距骨下関節固定術と後遺障害等級――足関節機能障害との区別,等級の当てはめ及び立証資料(AI作成)

足関節のデグロービング損傷と後遺障害等級認定――可動域,瘢痕及び裁判例(AI作成)

第1 記事の対象と結論

1 診断名ではなく残存障害ごとに等級を検討する

2 等級認定の中心となる三つの問い

第2 損傷の医学的特徴と後遺障害評価

1 開放性損傷と閉鎖性損傷

2 初療時の外観より損傷範囲が広がることがある

3 踵及び足底では荷重機能を別に確認する

第3 後遺障害等級の評価経路

1 足関節・足部で問題となる主な自賠責等級

2 足関節可動域の測定方法

3 可動域の数値だけでは足りない

4 足趾,神経症状,醜状及び組織欠損

5 併合と重複評価

(続きを読む...)足関節のデグロービング損傷と後遺障害等級認定――可動域,瘢痕及び裁判例(AI作成)

手関節のデグロービング損傷と後遺障害等級認定―可動域・手指・瘢痕・裁判例(AI作成)

第1 デグロービング損傷の等級は診断名だけでは決まらない

1 用語と本記事の対象

2 最初に分けるべき結果障害

第2 手関節機能障害の現行基準

1 8級6号・10級10号・12級6号

2 他動値が原則であり,自動値には医学的理由を要する

第3 手関節以外に確認すべき障害

1 手指の欠損及び用廃

2 前腕回旋,神経症状,CRPS及び醜状

3 併合と同一系列・通常派生

第4 等級認定のための資料と立証順序

(続きを読む...)手関節のデグロービング損傷と後遺障害等級認定―可動域・手指・瘢痕・裁判例(AI作成)

交通事故後の人工関節置換術と後遺障害等級――上肢・下肢の8級・10級,事故起因性及び遅発性置換(AI作成)

第1 本記事は人工関節全般と事故起因性を扱う

1 人工骨頭に特化した記事との範囲の違い

2 等級判断と損害評価は三段階に分ける

第2 8級と10級を分ける現行基準

1 自賠責と労災認定基準の関係

2 一関節を置換した場合の等級

3 平成16年改正で一律8級から二段階評価へ変わった

4 可動域は他動値と比較対象を確認する

第3 事故と置換術との因果関係

1 事故直後に置換する場合

2 事故から時間を置いて置換する場合

3 既往性関節症がある場合

(続きを読む...)交通事故後の人工関節置換術と後遺障害等級――上肢・下肢の8級・10級,事故起因性及び遅発性置換(AI作成)

交通事故後の人工骨頭置換術と後遺障害等級――8級7号・10級11号,可動域及び将来手術費(AI作成)

第1 人工骨頭置換術後の等級判断で最初に確認すること

1 人工骨頭と人工股関節は同じ術式ではない

2 現行基準の結論と本記事の射程

第2 8級7号と10級11号を分ける現行基準

1 法令,支払基準及び労災認定基準の関係

2 平成16年改正前の一律8級と現行基準を混同しない

第3 股関節可動域を2分の1と比較する方法

1 主要運動と参考運動

2 他動測定,健側比較及び代償動作

第4 人工骨頭置換後の医学的経過と将来リスク

1 人工骨頭と人工股関節全置換術の選択

(続きを読む...)交通事故後の人工骨頭置換術と後遺障害等級――8級7号・10級11号,可動域及び将来手術費(AI作成)

交通事故による鎖骨骨折の変形障害と後遺障害逸失利益――12級5号の喪失率・期間と裁判例(AI作成)

第1 鎖骨の変形障害と逸失利益は別に判断される

1 本記事の対象

2 等級認定と損害算定の判断対象

第2 第12級5号の認定基準と機能障害との区別

1 裸体時に明らかな骨性変形が必要である

2 肩関節機能障害及び神経症状は別の評価経路である

第3 後遺障害逸失利益の法的判断枠組み

1 第12級の14%は出発点であって結論ではない

2 最高裁判例が示す現実の経済的不利益

3 率と期間を分ける判断要素

第4 鎖骨変形の裁判例が認めた喪失率と期間

1 判決全文を確認した主要裁判例

2 裁判例の数値を相場として転用できない理由

(続きを読む...)交通事故による鎖骨骨折の変形障害と後遺障害逸失利益――12級5号の喪失率・期間と裁判例(AI作成)

交通事故による内果・外果・後果骨折の後遺障害等級――可動域,痛み及び画像所見(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 骨折名から後遺障害等級へ直結させない

1 本記事の対象
2 内果,外果及び後果の位置と役割
3 診断,事故起因性,残存機能及び等級を分ける

第2 自賠責及び労災で問題となる等級

1 機能障害の第8級,第10級及び第12級
2 背屈と底屈の合計を原則として他動値で比較する
3 痛み,動揺性及び変形は別の認定経路となり得る

第3 内果,外果及び後果ごとの確認事項

1 内果骨折では関節面,三角靱帯及び神経を分ける
2 外果骨折では腓骨の長さ・回旋とモルティスを見る
3 後果骨折では骨片面積よりCT形態と関節適合性を重視する
4 両果・三果骨折及び脱臼骨折は各果の癒合だけで評価しない

第4 近年の医学研究が示す射程と限界

1 後果骨折の分類及び関節面段差
2 内果・外果の手術選択を後遺障害へ短絡させない

(続きを読む...)交通事故による内果・外果・後果骨折の後遺障害等級――可動域,痛み及び画像所見(AI作成)

交通事故による脛骨天蓋骨折の後遺障害等級認定と立証資料(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次

第1 この記事の対象と判断の順序

1 脛骨天蓋骨折に固有の問題
2 画像から等級までの四段階

第2 脛骨天蓋骨折の医学的特徴

1 受傷機序と足関節果部骨折との違い
2 画像検査と骨折分類
3 段階的治療と合併症
4 長期予後に関する原著の読み方

第3 問題となる後遺障害等級

1 自賠責等級表と労災認定基準との接続
2 足関節の機能障害
3 疼痛その他の神経症状
4 長管骨変形,偽関節,短縮及び動揺性

第4 足関節可動域を評価する方法

1 他動値,健側値及び合計値
2 令和4年改訂法と平成16年通達の違い

(続きを読む...)交通事故による脛骨天蓋骨折の後遺障害等級認定と立証資料(AI作成)

交通事故による距骨骨折の後遺障害等級認定――骨壊死,足関節機能障害及び立証資料(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 本記事の対象と判断の枠組み

1 距骨骨折に固有の問題
2 四つの判断段階

第2 距骨骨折の医学的特徴

1 関節軟骨と血流
2 骨折部位,転位及び事故機序
3 単純X線で判然としない骨折
4 骨壊死と外傷性関節症の数値の読み方

第3 後遺障害等級の選択

1 自賠責等級と認定基準
2 足関節可動域の測定
3 距腿関節と距骨下関節を混同しないこと
4 疼痛の第12級と第14級

第4 事故との因果関係及び残存障害の立証

1 事故直後の資料
2 画像を時系列で比較すること

(続きを読む...)交通事故による距骨骨折の後遺障害等級認定――骨壊死,足関節機能障害及び立証資料(AI作成)

交通事故による踵骨骨折の後遺障害等級――足関節,可動域,疼痛及び立証資料(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次目次
第1 踵骨骨折の後遺障害を三つに分けて考える1 本記事の対象2 機能障害,疼痛及び変形の切分け3 踵骨は足関節を直接構成しない第2 画像で確認すべき骨折型と後遺症の機序1 初診時単純X線とCTの役割2 骨癒合と機能回復は同じではない3 分類,角度及び手術歴の限界第3 想定される後遺障害等級1 現在の自賠責等級の対応2 足関節機能障害の測定対象3 第12級13号と第14級9号の分水嶺4 足関節機能障害と踵骨部痛の併合5 踵骨変形を長管骨変形又は下肢短縮と混同しない第4 公的裁決が示す評価の分岐1 平成24年の厚生労働省裁決例2 平成28年労第533号裁決第5 症状固定前後の立証資料1 低負担の資料から時系列を作る2 可動域測定を監査する3 画像所見と症状を結ぶ質問4 追加意見を求める条件と停止基準第6 等級認定後の損害評価1 等級と労働能力喪失は別の判断である2 想定される反論と確認資料第7 出典・参考資料1 法令・行政資料2 医学文献3 書籍4 関連記事
第1 踵骨骨折の後遺障害を三つに分けて考える
1 本記事の対象
本記事は,交通事故による踵骨骨折後に荷重時痛,凹凸路での歩行困難,足関節の可動域制限又はしびれが残った場合について,自賠責保険の後遺障害等級とその立証資料を説明するものである。生成AIを用いて資料を収集し,法令,行政基準,公的裁決及び医学文献の原文と照合して作成した一般的な情報であり,特定の個別事案に対する法的助言ではない。
2 機能障害,疼痛及び変形の切分け
踵骨骨折後の訴えを一括して「足首の後遺症」と扱うと,等級の対象と医学的所見とがずれやすい。本記事では,①足関節の背屈・底屈制限という機能障害,②踵骨部又は距骨下関節部の疼痛・しびれという神経症状,③踵骨の変形治癒,距骨下関節症,外側壁膨隆又は腱・神経の障害を分けて検討する。
3 踵骨は足関節を直接構成しない
足関節は脛骨・腓骨と距骨から構成され,踵骨は足関節を直接構成しない。踵骨は距骨との間に距骨下関節を構成するため,踵骨骨折後の内がえし・外がえしの制限,凹凸路歩行時痛及び荷重時痛は,足関節よりも距骨下関節又は踵骨部に由来することがある。この解剖学的な区別が,等級認定の出発点である。

足関節の背屈・底屈と第12級7号の測定方法は,足関節の可動域制限と後遺障害12級7号で詳しく扱っている。本記事は,その一般基準を繰り返さず,踵骨骨折に固有の距骨下関節障害,疼痛及び画像との対応を中心とする。

踵骨骨折後の申請を準備する場合は,第2~第5で骨折型,残存障害と資料を対応させた上で,後遺障害診断書の作成・提出前の確認へ進むとよい。
非該当又は等級に不服がある場合は異議申立てと追加資料,認定後の仕事への影響は踵骨骨折の逸失利益で詳しく説明している。
等級・認定・慰謝料を横断して確認する場合は交通事故の後遺障害の総合案内を参照されたい。

第2 画像で確認すべき骨折型と後遺症の機序
1 初診時単純X線とCTの役割
踵骨骨折は,高所からの転落等で踵に軸圧が加わって生じることが多く,交通事故では二輪車からの転落,車体との挟圧その他の強い外力で生じ得る。高エネルギー外傷では脊椎圧迫骨折その他の合併損傷にも注意を要するが,等級認定では事故直後に撮影された踵骨側面像・軸位像とCTを確保し,関節内骨折か,後距踵関節面に段差又は陥没があるかを確認する必要がある。

単純X線は骨折,踵骨高,幅及び配列を経時的にみるために有用であり,CTは後距踵関節面の骨折線,骨片数,段差及びギャップを立体的に評価するために有用である。MRIは一律に追加する検査ではなく,腱,神経,軟部組織又は単純X線・CTでは説明しにくい症状が残る場合に,具体的な疑問を定めて検討する資料となる。
2 骨癒合と機能回復は同じではない
関節内骨折では,後距踵関節面の不整,踵骨高の低下,幅広化,内反・外反変形が,距骨下関節の運動低下,外傷後関節症,外側インピンジメント,腓骨筋腱障害及び荷重時痛につながり得る。このため,診療録に「骨癒合良好」と記載されていても,関節面の適合性,距骨下関節の動き又は疼痛まで回復したことを直ちに意味しない。

踵骨外側壁の膨隆は,腓骨筋腱との衝突,外果周辺痛又は靴装着困難を生じさせることがある。足根管周辺の脛骨神経枝,腓腹神経,足底脂肪体,手術材料又は感染が症状の主座となる場合もあるため,痛む場所,圧痛点,知覚異常及び画像上の異常を位置の面で対応させることが重要である。
3 分類,角度及び手術歴の限界
Sanders分類は,主として冠状断CTに基づいて関節内骨折の骨折線・骨片数を整理する分類であり,Böhler角は踵骨高及び後方関節面陥没をみる指標である。いずれも骨折の重症度や予後を考える重要な資料であるが,分類名,角度又は手術の有無だけで後遺障害等級は決まらない。撮影条件,関節面不整,症状固定時の画像,診察所見及び機能を併せて評価する必要がある。

典型的な閉鎖性転位関節内骨折151例を対象とした無作為化比較試験では,手術群に2年時点の機能的優越性が示されず,合併症及び再手術は多かった。他方,2023年の系統的レビューは,手術が機能又は職場復帰の一部を改善する可能性を示しつつ,証拠の確実性と有害事象に留保を付している。したがって,保存療法を選んだこと又は手術を受けたことを,それだけで治療の適否又は後遺障害の有無へ結び付けることはできない。

(続きを読む...)交通事故による踵骨骨折の後遺障害等級――足関節,可動域,疼痛及び立証資料(AI作成)

交通事故による足関節脱臼骨折の後遺障害等級――8級・10級・12級と立証方法(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 足関節脱臼骨折の等級を決める四つの判断段階

1 本記事の対象
2 診断,事故との因果関係,残存機能及び等級を分ける

第2 自賠責及び労災の機能障害等級

1 第8級,第10級及び第12級
2 足関節は背屈と底屈の合計値で判定する
3 厚生労働省通達と令和4年学会測定法の軸の違い

第3 脱臼骨折に固有の器質的原因

1 骨折型と整復前後の状態
2 可動域制限及び荷重時痛を生む病態
3 動揺関節及び痛みとの関係

第4 原典で確認できる認定例及び裁判例

1 三果骨折を伴う脱臼骨折を第12級7号とした労災決定事例
2 画像上の関節面不整がなくても第12級7号を認めた裁判例
3 完全強直を第8級7号とした裁判例

(続きを読む...)交通事故による足関節脱臼骨折の後遺障害等級――8級・10級・12級と立証方法(AI作成)

交通事故による足関節靭帯損傷の後遺障害等級――動揺関節,画像検査及び立証資料(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 足関節靭帯損傷の後遺障害認定で最初に分けること

1 MRIの靭帯断裂像と後遺障害等級は同じではない
2 可動域制限,動揺関節及び疼痛の三つの評価経路がある
3 本記事の限界

第2 どの靭帯が損傷したかを特定する

1 外側靭帯,内側靭帯及び遠位脛腓靭帯を区別する
2 交通事故の受傷機転を靭帯別に照合する
3 初診時所見と鑑別診断を保存する

第3 慢性足関節不安定症を二つに分ける

1 機械的不安定性と機能的不安定性は一致しないことがある
2 症状を具体的な動作に結び付ける

第4 動揺関節の8級,10級及び12級

1 厚生労働省の現行認定基準
2 「硬性」「必要性」「頻度」をそれぞれ立証する
3 装具を使っていない理由も検討する

(続きを読む...)交通事故による足関節靭帯損傷の後遺障害等級――動揺関節,画像検査及び立証資料(AI作成)

交通事故による脛腓靱帯損傷の後遺障害――不安定性,MRI及び等級認定(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次

第1 脛腓靱帯損傷の診断名だけで等級は決まらない

1 損傷,不安定性,機能障害及び等級を分ける
2 三つの主要な等級経路
3 本記事の範囲

第2 遠位脛腓靱帯損傷の医学的な位置づけ

1 損傷される構造
2 受傷機序と見落とされやすい骨折
3 形態損傷と動的不安定性

第3 後遺障害等級の三つの経路

1 自賠責の等級表と保険金額
2 可動域制限による第8級,第10級又は第12級
3 動揺関節としての準用等級
4 疼痛による第12級13号又は第14級9号
5 通常派生する障害の扱い

第4 診断と画像検査の証明力

1 単独の身体診察で確定又は除外しない

(続きを読む...)交通事故による脛腓靱帯損傷の後遺障害――不安定性,MRI及び等級認定(AI作成)

交通事故による総腓骨神経麻痺の後遺障害等級――下垂足・可動域・因果関係の立証(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 この記事の対象と結論

1 総腓骨神経麻痺の診断名だけでは等級は決まらない
2 この記事で扱う範囲

第2 候補となる後遺障害等級

1 まず支配器官の機能障害を評価する
2 足関節の8級7号,10級11号及び12級7号
3 神経麻痺では能動可動域が重要になる
4 足趾の機能障害
5 神経症状の12級13号及び14級9号

第3 医学的に確認すべき病変部位と原因

1 総腓骨神経の走行と典型症状
2 L5神経根障害及び坐骨神経障害との鑑別
3 交通事故で想定する発症機序

第4 診断・予後と証拠の読み方

1 診察所見と経時記録
2 神経伝導検査及び針筋電図

(続きを読む...)交通事故による総腓骨神経麻痺の後遺障害等級――下垂足・可動域・因果関係の立証(AI作成)

交通事故による脛骨神経麻痺の後遺障害等級――足関節・足指と12級13号・14級9号(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 脛骨神経麻痺の等級は診断名だけでは決まらない

1 最初に確認すべき三つの事項
2 本記事の射程

第2 現行の後遺障害等級をどう振り分けるか

1 自賠責と労災認定基準の関係
2 足関節の機能障害
3 足指の機能障害
4 12級13号と14級9号の神経症状
5 機能障害と神経症状の関係

第3 病変高位と症状分布から損傷部位を絞る

1 高位の脛骨神経損傷
2 足根管部及び足底神経枝の損傷
3 交通事故後に区別すべき他の病態
4 急性期の圧迫障害を見逃さない

第4 検査所見をどう読むか

1 神経学的診察が検査設計の基礎となる

(続きを読む...)交通事故による脛骨神経麻痺の後遺障害等級――足関節・足指と12級13号・14級9号(AI作成)

交通事故による外傷性変形性足関節症の後遺障害等級――因果関係,可動域,症状固定後の進行(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次

第1 外傷性変形性足関節症の等級認定で最初に押さえること

1 病名だけでは後遺障害等級が決まらないこと
2 本記事が扱う足関節の範囲
3 結論を左右するのは一枚の画像ではなく時系列であること

第2 外傷後に足関節症が生じる機序と医学的知見

1 関節内骨折,変形治癒及び不安定性
2 「足関節症の多くが外傷後」という統計の射程
3 骨折後の長期経過と危険因子
4 画像検査ごとに分かることと分からないこと

第3 外傷性変形性足関節症で問題となる後遺障害等級

1 可動域制限と疼痛の主な候補
2 第12級7号及び第10級11号の可動域計算
3 第8級7号と固定術・人工関節
4 疼痛の第12級13号及び第14級9号
5 令和4年からの医学的測定法と行政基準の表現差

第4 交通事故との因果関係を立証する方法

(続きを読む...)交通事故による外傷性変形性足関節症の後遺障害等級――因果関係,可動域,症状固定後の進行(AI作成)

交通事故によるアキレス腱断裂後の拘縮と後遺障害等級――12級7号・10級11号の立証(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 この記事の対象と結論
第2 足関節機能障害の等級基準

1 第8級7号・第10級11号・第12級7号
2 健側比較と5度刻みの境界
3 他動値が原則で自動値は例外であること

第3 アキレス腱断裂後の拘縮と似た状態

1 真の拘縮は他動可動域にも現れる
2 延長治癒は拘縮と逆方向の所見を示し得る
3 自動運動だけの制限と疼痛を分ける

第4 測定と画像検査で確認する事項

1 等級用測定と病態鑑別用測定を分ける
2 画像は連続性・長さ・滑走を検討する資料である
3 筋力・踵上げ・歩行は可動域とは別に記録する

第5 事故との因果関係と症状固定

1 事故から残存障害までを段階に分ける
2 改善可能性が残るときは症状固定を先行させない

(続きを読む...)交通事故によるアキレス腱断裂後の拘縮と後遺障害等級――12級7号・10級11号の立証(AI作成)

交通事故による外傷性変形性膝関節症の後遺障害等級認定――事故起因性,画像及び立証(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 この記事の対象と判断の順序

1 診断名だけでは等級が決まらない
2 既存記事との役割分担

第2 外傷後変形性膝関節症の医学的意味

1 構造的な変形と症状を区別する
2 交通外傷から変形性関節症へ至る主な経路
3 手術を受けても将来の関節症がなくなるとは限らない

第3 事故起因性を判断するための時系列

1 外傷性を支持する事情
2 外傷性に慎重となる事情
3 画像は四つの証拠層に分けて読む

第4 後遺障害等級の評価分岐

1 可動域制限
2 疼痛又は神経症状
3 動揺関節
4 疼痛の包摂と等級の併合

(続きを読む...)交通事故による外傷性変形性膝関節症の後遺障害等級認定――事故起因性,画像及び立証(AI作成)

交通事故による膝蓋骨脱臼の後遺障害等級――反復性脱臼,動揺関節,可動域制限及び膝痛(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次

第1 結論――診断名ではなく四つの経路に分ける

1 膝蓋骨脱臼という病名だけでは等級が決まらない
2 等級判断の前に四つの問いを通過させる
3 検討すべき等級の全体像

第2 自然整復後の脱臼をどのように確認するか

1 脱臼位の画像がないことだけでは否定できない
2 単純X線とMRIの役割は異なる
3 画像所見の頻度は個別事件の証明率ではない
4 画像は報告書だけでなく元データを確認する

第3 反復性不安定症と動揺関節の等級

1 習慣性脱臼に準じる場合は準用第12級が問題となる
2 動揺関節は硬性補装具の必要性で三段階に分かれる
3 医学上の装具治療と行政上の基準にはずれがある

第4 可動域制限と疼痛の等級

1 膝の可動域制限は健側との比率で評価する
2 自賠責と労災では同じ内容でも号数が異なる

(続きを読む...)交通事故による膝蓋骨脱臼の後遺障害等級――反復性脱臼,動揺関節,可動域制限及び膝痛(AI作成)

交通事故による膝関節脱臼の後遺障害等級認定と立証資料(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次

第1 この記事の対象と結論

1 膝蓋骨脱臼とは区別する必要があること
2 認定の核心は症状固定時の残存機能であること

第2 膝関節脱臼及び複合靱帯損傷の医学的特徴

1 搬送時には自然整復していることがあること
2 損傷靱帯と不安定性の方向を対応させること
3 膝窩動脈損傷及び総腓骨神経損傷を見落とさないこと
4 慢性期MRIの限界を踏まえること

第3 自賠責保険における後遺障害等級

1 法令と認定基準の関係
2 動揺関節の8級,10級及び12級
3 硬性補装具と軟性装具を区別すること
4 習慣性脱臼及び弾発膝
5 可動域制限による8級7号,10級11号及び12級7号
6 疼痛,神経障害及び等級の重複

第4 動揺関節を証明する検査と資料

(続きを読む...)交通事故による膝関節脱臼の後遺障害等級認定と立証資料(AI作成)

交通事故による十字靱帯・側副靱帯損傷の後遺障害――動揺関節,MRI及び等級認定(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次第1 靱帯損傷の診断名だけでは等級は決まらない1 認定までの四つの段階2 動揺,可動域及び疼痛は別の評価経路である3 本記事の対象第2 ACL・PCL・MCL・LCL損傷と不安定性1 前十字靱帯(ACL)2 後十字靱帯(PCL)3 内側側副靱帯(MCL)4 外側側副靱帯(LCL)及び複合靱帯損傷第3 動揺関節の第8級・第10級・第12級1 自賠責の等級表2 硬性補装具の必要性による三段階3 筋力低下,可動域制限及び疼痛第4 MRI・徒手検査・ストレス撮影の役割1 MRIが示すのは主として靱帯の形態である2 MRI上の連続性と正常機能は同じではない3 徒手検査は検査名だけでなく条件を残す4 ストレス撮影は動揺を可視化する証拠方法である第5 事故との因果関係をどのように検討するか1 事故による損傷を支持する事情2 因果関係を弱める事情3 既往損傷と事故による悪化第6 症状固定までに確保する資料の優先順位1 低負担で先に確保する資料2 中間評価で不足を特定する3 高負担手段へ進む条件と停止基準第7 想定される反論と再検討事項1 「MRIで断裂がない又は連続している」という反論2 「装具は本人が念のため使用しているだけである」という反論3 「仕事を続けており減収もない」という反論第8 裁判例及び紛争処理事例から分かること1 常時硬性補装具を必要として第8級相当とした事例2 第12級の動揺性と労働能力喪失率を判断した事例3 紛争処理事例に一律のミリ数基準はない4 裁判例調査の限界第9 出典・参考資料1 法令・行政資料2 裁判例及び実務書3 診療ガイドライン及び医学文献
第1 靱帯損傷の診断名だけでは等級は決まらない
1 認定までの四つの段階
交通事故で前十字靱帯(ACL),後十字靱帯(PCL),内側側副靱帯(MCL)又は外側側副靱帯(LCL)を損傷しても,診断名やMRIの断裂像だけで後遺障害等級が決まるわけではない。

動揺関節として第8級,第10級又は第12級の認定を検討するときは,①解剖学的な靱帯損傷があること,②その損傷又は既往病変の悪化が事故によって生じたこと,③症状固定時にも機械的不安定性が残っていること,④その不安定性のために硬性補装具を必要とする場面及び頻度が等級基準に対応することを,順に検討する必要がある。

この四段階のどこが争われているかによって,集めるべき資料は異なる。MRIは主として第1段階,事故直後の症状及び受傷機転は第2段階,徒手検査・ストレス撮影・関節弛緩性の機器計測は第3段階,装具処方及び日常生活・就労状況は第4段階を支える。

サイベックス等の等速性筋力測定は,膝屈曲筋群及び伸展筋群が発揮するトルク等を測る検査であり,靱帯の弛緩又は脛骨の移動量を直接測るものではない。
筋力低下,リハビリテーションの到達度及び機能上の支障を補足する資料にはなるが,機械的不安定性を立証する検査とは区別する必要がある。
2 動揺,可動域及び疼痛は別の評価経路である
膝の靱帯損傷後には,動揺関節だけでなく,可動域制限又は疼痛・しびれが残ることがある。これらは同じ診断名から生じ得るが,等級認定上の要件は別であり,一つの所見から他の障害を当然に推定することはできない。

屈曲又は伸展の制限が中心である場合は,膝関節の可動域制限と後遺障害12級7号で説明する測定方法及び器質的原因の検討が中心となる。動揺性が等級に届かなくても,画像所見及び一貫した症状経過によって局部の神経症状として第12級13号又は第14級9号が問題となる場合がある。
3 本記事の対象
本記事は,交通事故による十字靱帯・側副靱帯損傷について,自賠責保険における動揺関節の等級,MRI及び動的検査の役割,事故との因果関係並びに証拠収集の優先順位を整理するものである。

具体的な等級は,事故態様,既往歴,治療経過,症状固定時の所見及び就労内容によって異なる。
第2 ACL・PCL・MCL・LCL損傷と不安定性
1 前十字靱帯(ACL)
ACLは,脛骨の前方移動及び回旋を抑える。損傷後には,方向転換,急停止,階段下降又は不整地歩行で膝崩れが生じることがあり,Lachman test,前方引き出しテスト,pivot shift test及びKT-1000等による前方移動量の機器計測が用いられる。

もっとも,診察時の疼痛,腫脹,防御性筋収縮,受傷からの時期及び検者の手技によって結果は変わる。したがって,「ACL断裂」という診断名,徒手検査の一回の陰性又は健患差の一つの数値だけで,症状固定時の機能を決めることはできない。
2 後十字靱帯(PCL)
PCLは,脛骨の後方移動を抑える。PCL損傷では,posterior sag sign,後方引き出しテスト,重力位・跪座位・器械負荷によるストレス撮影等によって後方不安定性を評価する。

PCLは断裂後に連続性を回復して見える場合があるが,靱帯が弛緩した位置で治癒し,後方動揺が残ることがある。したがって,MRI上の連続性と正常な制動機能は区別しなければならない。

(続きを読む...)交通事故による十字靱帯・側副靱帯損傷の後遺障害――動揺関節,MRI及び等級認定(AI作成)

交通事故による半月板損傷の後遺障害等級――12級7号・12級13号・14級9号と事故起因性(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次第1 この記事の対象と結論第2 半月板損傷で問題となる後遺障害等級1 第12級7号は他動可動域を基礎とする2 第12級13号は損傷と疼痛の対応を問う3 第14級9号は症状の一貫性が中心となる4 動揺関節及び同一膝の疼痛は分けて考える第3 MRIが証明することと証明しないこと1 半月板内の高信号だけでは真の断裂と限らない2 断裂の存在と事故起因性は別の命題である3 経時画像では変化する所見と残る所見を区別する第4 事故による半月板損傷であることの判断1 事故起因性を支持する事情2 事故起因性を弱める事情3 変性の存在と素因減額は同じ問題ではない第5 治療内容を等級判断へ使うときの限界第6 主張立証に必要な資料と優先順位1 最初に集める資料2 画像と医師照会で確認する事項3 症状固定時に確認する事項4 高負担の追加調査へ進む条件第7 裁判例から確認できる等級判断の限界1 正常可動域でも疼痛が後遺障害となり得る2 裁判例で反復して問題となる事情第8 出典・参考資料1 法令・行政資料2 裁判例3 書籍4 医学文献・ガイドライン
第1 この記事の対象と結論
半月板損傷という診断名又はMRI上の異常だけで,後遺障害等級が決まるわけではない。認定では,①真の半月板断裂が存在するか,②その断裂が交通事故によって新たに生じ,又は症状化したか,③残存する疼痛又は可動域制限がその断裂によるか,④残存障害がどの等級要件を満たすかを順に検討する必要がある。

半月板損傷で中心となる認定経路は,他動可動域の制限を評価する第12級7号,器質的損傷に裏付けられた疼痛等を評価する第12級13号及び医学的に説明可能な疼痛等を評価する第14級9号である。可動域が正常でも疼痛の等級が問題となり得る反面,MRIで断裂が見えても事故起因性又は残存症状との対応が証明できなければ認定されないことがある。

この記事は,自賠責保険及び交通事故損害賠償実務における一般的な判断枠組みを説明するものである。個別案件では,MRI画像そのもの,受傷直後の診療録,可動域の経時記録及び事故態様を確認する必要がある。

申請前は第6の資料に加えて,後遺障害診断書の記載・提出前の確認を参照されたい。
非該当又は低い等級に不服がある場合は,異議申立てと判断理由・追加資料の確認に沿って,事故起因性と残存障害のどちらが争われているかを分ける。
認定手続と損害賠償の全体は交通事故の後遺障害の総合案内で説明している。

第2 半月板損傷で問題となる後遺障害等級
自動車損害賠償保障法施行令別表第二は,膝関節の機能障害と局部の神経症状を別の項目として定めている。半月板損傷では,傷病名を等級へ置き換えるのではなく,症状固定時に残る障害の種類から認定経路を選ぶことになる。

認定経路
等級・号
法令上の障害
半月板損傷での中核事実

膝関節の機能障害
第12級7号
一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
原則として,患側の他動による屈曲・伸展の合計が健側の4分の3以下であり,器質的損傷との対応があること

(続きを読む...)交通事故による半月板損傷の後遺障害等級――12級7号・12級13号・14級9号と事故起因性(AI作成)

交通事故による脛骨顆間隆起骨折の後遺障害等級――可動域制限,動揺関節及び疼痛の認定(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次

第1 結論――傷病名ではなく残った障害ごとに認定する

1 脛骨顆間隆起骨折に固有の一つの等級はない
2 認定判断は四つの問いに分ける

第2 脛骨顆間隆起骨折の病態と残り得る障害

1 ACL脛骨付着部の裂離骨折である
2 成人の交通外傷では合併損傷を分けて確認する
3 症状固定時に残り得る三つの中心的障害

(1) 可動域制限
(2) 動揺性
(3) 疼痛

第3 後遺障害等級の分岐

1 主な認定経路の全体像
2 可動域制限による第8級7号,第10級11号又は第12級7号

(1) 健側との比率で判断する
(2) 原則は他動可動域で測定する

(続きを読む...)交通事故による脛骨顆間隆起骨折の後遺障害等級――可動域制限,動揺関節及び疼痛の認定(AI作成)

交通事故による膝蓋骨骨折の後遺障害等級認定――可動域制限,膝痛及び立証資料(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 膝蓋骨骨折の等級は傷病名だけでは決まらない

1 本記事の対象
2 結論の見取図

第2 検討対象となる後遺障害等級

1 膝関節の機能障害
2 他動運動と自動運動
3 疼痛の12級13号及び14級9号
4 機能障害と疼痛の関係
5 動揺関節及び手術瘢痕
6 膝蓋骨の変形癒合は長管骨の変形障害ではない

第3 骨折及び治療と残存障害との関係

1 受傷機序と伸展機構
2 画像で確認すべき事項
3 保存療法,手術及びリハビリテーション
4 骨癒合と機能回復は同じではない
5 変形性膝関節症及び将来手術

第4 可動域,筋力及び疼痛を正確に記録する方法

(続きを読む...)交通事故による膝蓋骨骨折の後遺障害等級認定――可動域制限,膝痛及び立証資料(AI作成)

交通事故による大腿骨顆部・顆上骨折の後遺障害等級認定――可動域制限,動揺関節,偽関節及び変形障害(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 この記事の対象と結論

1 大腿骨顆部・顆上骨折とは何か
2 骨折名だけで後遺障害等級は決まらない
3 既存の膝関節記事との役割分担

第2 骨折型を画像と手術記録で確定する

1 関節外・部分関節内・完全関節内を分ける
2 単純X線,CT,MRI及びストレスX線の役割は異なる
3 術後のアライメントと非癒合を分けて評価する

第3 後遺障害等級の全体像

1 主要な等級ルート
2 自賠責と労災で号数が異なる項目がある

第4 等級別の判断分岐

1 第8級7号――用廃,重度動揺又は人工関節置換後の高度制限
2 第10級11号と第12級7号――他動可動域と器質的裏付け
3 動揺関節――「装着している」と「必要とする」は異なる
4 偽関節・変形障害――非癒合の位置を固定する

(続きを読む...)交通事故による大腿骨顆部・顆上骨折の後遺障害等級認定――可動域制限,動揺関節,偽関節及び変形障害(AI作成)

交通事故による脛骨プラトー骨折の後遺障害等級認定――可動域,動揺性及び疼痛の立証(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 骨折名や手術だけでは等級は決まらない

1 脛骨プラトー骨折の位置付け
2 最初に分けるべき評価経路

第2 現行の後遺障害等級認定基準

1 自賠責は原則として労災認定基準に準拠する
2 膝関節の可動域制限
3 動揺関節
4 疼痛等の神経症状
5 人工膝関節と併存障害
6 変形障害及び偽関節

第3 病態と画像を等級の要件へ結び付ける

1 骨折型は立証の入口であって結論ではない
2 画像は種類と時系列を分ける
3 関節面の段差と外傷後変形性膝関節症

第4 公開された行政決定と裁判例

1 可動域が基準に届かなくても動揺関節となった例

(続きを読む...)交通事故による脛骨プラトー骨折の後遺障害等級認定――可動域,動揺性及び疼痛の立証(AI作成)

交通事故による寛骨臼骨折の後遺障害等級認定――可動域,疼痛,骨盤変形及び人工股関節(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次

第1 寛骨臼骨折では診断名だけで等級が決まらない

1 結論
2 本記事と股関節可動域の記事との役割分担

第2 寛骨臼骨折を関節内骨折として把握する

1 骨盤輪骨折とは評価の中心が異なる
2 受傷機序と画像の役割
3 骨折型だけで予後を決めない
4 外傷後変形性股関節症と人工股関節への移行
5 合併症を等級経路へ対応させる

第3 寛骨臼骨折で問題となる後遺障害等級

1 自賠責等級と労災認定基準との関係
2 可動域制限による8級,10級及び12級
3 人工股関節又は人工骨頭を挿入置換した場合
4 骨盤骨の変形と下肢短縮
5 疼痛,坐骨神経障害及び併合

第4 等級認定で用いる証拠を因果連鎖にする

(続きを読む...)交通事故による寛骨臼骨折の後遺障害等級認定――可動域,疼痛,骨盤変形及び人工股関節(AI作成)

交通事故による大腿骨頸部骨折の後遺障害等級――人工骨頭,股関節可動域及び下肢短縮(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 大腿骨頸部骨折の傷病名だけでは等級は決まらない

1 最初の分岐は人工骨頭・人工股関節の有無である
2 認定経路の全体像

第2 大腿骨頸部骨折に固有の医学的問題

1 関節包内骨折と不顕性骨折
2 骨接合術と人工物置換では残る問題が異なる
3 大腿骨頭壊死は遅れて現れることがある

第3 現行の後遺障害等級

1 法令と認定基準の関係
2 人工骨頭・人工股関節を挿入置換した場合
3 骨接合術又は保存療法の場合
4 疼痛,併合及び既存障害

第4 股関節可動域を証拠化する方法

1 主要運動と参考運動
2 他動測定と代償動作
3 数値の再現性と画像所見を対応させる

(続きを読む...)交通事故による大腿骨頸部骨折の後遺障害等級――人工骨頭,股関節可動域及び下肢短縮(AI作成)

交通事故による大腿骨転子部骨折の後遺障害等級――可動域,短縮,痛み及び立証資料(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次

第1 大腿骨転子部骨折の等級は骨折名だけでは決まらない

1 本記事の対象
2 股関節可動域の記事との役割分担

第2 骨折型と手術後に残り得る障害

1 安定型,不安定型及び逆斜骨折
2 骨片の滑動,内反及び近位大腿骨の短縮
3 インプラント関連痛,骨癒合不全及び再手術

第3 問題となる後遺障害等級

1 股関節機能障害8級7号・10級11号・12級7号
2 疼痛の12級13号・14級9号
3 下肢短縮8級5号・10級8号・13級8号
4 大腿骨変形12級8号と偽関節7級10号・8級9号
5 人工骨頭・人工関節と骨接合材料の区別
6 複数の障害が残る場合

第4 医学文献から分かる短縮とインプラント関連痛

1 近位大腿骨の短縮と法的短縮障害は異なる

(続きを読む...)交通事故による大腿骨転子部骨折の後遺障害等級――可動域,短縮,痛み及び立証資料(AI作成)

交通事故による大腿骨頭骨折の後遺障害等級認定――画像,股関節機能及び遅発性障害(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 大腿骨頭骨折の後遺障害は傷病名だけでは決まらない

1 結論
2 大腿骨頚部骨折との区別
3 股関節可動域の記事との役割分担

第2 受傷機転,Pipkin分類及び治療の意味

1 股関節脱臼を伴う関節内骨折
2 Pipkin分類
3 治療方法から後遺障害を逆算しない

第3 画像を時系列で読み分ける

1 単純X線,CT及びMRIの役割
2 画像所見と等級認定は別の判断である
3 既往変性と事故後変化を区別する

第4 自賠責の後遺障害等級の分岐

1 法令上の等級
2 可動域制限による10級11号又は12級7号
3 人工関節又は人工骨頭を置換した場合

(続きを読む...)交通事故による大腿骨頭骨折の後遺障害等級認定――画像,股関節機能及び遅発性障害(AI作成)

交通事故による外傷性股関節脱臼の後遺障害等級――整復時期,骨頭壊死,可動域及び立証(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次

第1 外傷性股関節脱臼の後遺障害を判断する枠組み

1 本記事の対象と既存記事との役割分担
2 後方脱臼とダッシュボード損傷

第2 急性期に確認・保存すべき医学情報

1 整復は可能な限り速やかに行う
2 整復前後の画像と診察所見
3 整復後CTの役割と限界

第3 症状固定後にも問題となる後発障害

1 大腿骨頭壊死と外傷後変形性股関節症
2 症状固定とアフターケアは両立する

第4 認定され得る後遺障害等級

1 股関節の機能障害
2 人工骨頭・人工関節
3 疼痛・神経障害,短縮及び骨盤骨変形

(続きを読む...)交通事故による外傷性股関節脱臼の後遺障害等級――整復時期,骨頭壊死,可動域及び立証(AI作成)

交通事故による大腿骨頭無菌性壊死の後遺障害等級――因果関係,症状固定及び人工股関節置換(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次

第1 大腿骨頭壊死の後遺障害は四段階で判断する

1 病名だけでは後遺障害等級は決まらない
2 「無菌性」「特発性」「外傷性」は同じ分類ではない

第2 外傷性大腿骨頭壊死の機序,診断及び時間経過

1 事故直後の骨折又は脱臼が骨頭血行を損なう
2 単純X線が正常でも初期壊死を否定できない
3 大腿骨頚部骨折後の壊死率と限界
4 股関節脱臼では早期整復が必要だが六時間は絶対的境界ではない

第3 事故と壊死との因果関係を立証する方法

1 強い事情と反対方向の事情を同じ時系列に置く
2 公的な労働保険裁決が示す否定例
3 ステロイド,大量飲酒及び既往症は個別に評価する

第4 自賠責保険で問題となる後遺障害等級

1 人工物の有無と可動域で入口が分かれる
2 股関節は主要運動が二組ある
3 疼痛,脚長差及び変形は別の評価軸である

(続きを読む...)交通事故による大腿骨頭無菌性壊死の後遺障害等級――因果関係,症状固定及び人工股関節置換(AI作成)

交通事故による外傷性変形性股関節症の後遺障害等級と立証方法(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

目次

第1 本記事の対象と結論

1 病名の確認と等級認定は別の問題であること
2 本記事の射程

第2 外傷後に変形性股関節症へ進む医学的経路

1 典型的な初発損傷

(1) 寛骨臼骨折及び股関節脱臼
(2) 関節唇・軟骨損傷及び大腿骨頭壊死

2 外傷以外の競合原因
3 画像の時系列が持つ意味

第3 自賠責保険の後遺障害等級

1 8級7号・10級11号・12級7号
2 主要運動と他動可動域
3 人工股関節又は人工骨頭への置換
4 疼痛の等級との切分け

(続きを読む...)交通事故による外傷性変形性股関節症の後遺障害等級と立証方法(AI作成)

交通事故による坐骨神経麻痺の後遺障害等級認定――等級,検査及び立証の順序(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 坐骨神経麻痺の等級認定で最初に確認すること

1 診断名だけでは等級は決まらない
2 四つの判断を分ける

第2 坐骨神経麻痺と下垂足の医学的な位置付け

1 総腓骨神経成分と脛骨神経成分
2 交通事故で問題となる受傷機序
3 近接する神経障害との区別

第3 後遺障害等級の選び方

1 足関節の機能障害
2 自動運動値を用いる例外
3 足指の機能障害と複数障害
4 神経症状としての評価

第4 事故との因果関係を確認する資料

1 受傷直後の記録と症状の連続性
2 神経伝導検査と針筋電図
3 CT,MRI,MR neurography及び超音波

(続きを読む...)交通事故による坐骨神経麻痺の後遺障害等級認定――等級,検査及び立証の順序(AI作成)

交通事故による大腿神経麻痺の後遺障害等級――膝伸展障害・神経症状と立証方法(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 大腿神経麻痺の等級は診断名だけでは決まらない

1 最初に関節機能障害を検討する
2 股関節障害は個別に判定する

第2 大腿神経麻痺の医学的特徴

1 運動・反射・感覚を一組としてみる
2 交通事故後に想定する損傷機序
3 伏在神経損傷及び外側大腿皮神経障害との区別

第3 後遺障害等級の分岐

1 自賠責の候補等級
2 8級7号の用廃
3 10級11号及び12級7号
4 他動値が原則で自動値は例外である
5 12級13号及び14級9号
6 膝折れと動揺関節を混同しない

第4 診断と鑑別に必要な検査

1 診察所見は左右差と経時変化を残す

(続きを読む...)交通事故による大腿神経麻痺の後遺障害等級――膝伸展障害・神経症状と立証方法(AI作成)

交通事故による橈骨遠位端骨折の後遺障害等級認定―可動域・画像・裁判例(AI作成)

◯山中弁護士への事件のご依頼・ご相談は「交通事故のお問い合わせ」から可能です。

第1 橈骨遠位端骨折の等級認定で最初に分ける事項

1 結論

(1) 診断名だけでは等級は決まらない
(2) 医学的評価と法的評価を分ける

2 証明対象の全体像

第2 問題となる後遺障害等級

1 手関節の機能障害
2 前腕回旋及び長管骨変形
3 疼痛,神経,腱,手指及びCRPS
4 派生関係と併合

第3 手関節可動域の正確な測定と計算

1 主要運動と参考運動
2 他動値,自動値及び境界事例
3 両側受傷又は健側に既存障害がある場合
4 計算例

(続きを読む...)交通事故による橈骨遠位端骨折の後遺障害等級認定―可動域・画像・裁判例(AI作成)