第1 この記事が扱う対象
1 対象と時点
本記事は,骨折等により化膿性骨髄炎を併発し,引き続き慢性化膿性骨髄炎に移行した場合について,労災保険における治ゆ(症状固定)の意味,慢性化膿性骨髄炎に係るアフターケアの内容,再発したときの給付の切替え,後遺障害等級の評価方法及び交通事故における取扱いを,令和8年8月9日現在で確認できる法令,告示,通達及び裁判例により整理するものである。生成AIを用いて通達及び告示の全文,判決の全文並びに医学文献を通読し,記載した条項,数値及び判示内容を原資料と照合した上で構成した。個別の事案における判断は,傷病の部位,経過,医証の内容及び当事者の主張立証によって異なるから,本記事は一般的な情報提供にとどまり,特定の事案に対する法的助言ではない。
2 骨髄炎が症状固定の局面で問題になる理由
骨髄炎が症状固定の局面で問題になるのは,「療養の効果が期待できない」ことと「治癒した」こととが一致しないためである。骨感染の病原体として最も多い黄色ブドウ球菌は,インプラント表面のバイオフィルム,膿瘍及び骨細胞の小腔と細管が作る網目の内部に潜り込むことによって宿主の免疫と抗菌薬の双方を回避することが明らかにされており,治療のアルゴリズムと転帰はこの半世紀で漸進的にしか変化していないと評価されている。腐骨や骨破壊部分を完全に除去することが容易でないため長期にわたって細菌がとどまり,症状の増悪と緩解を繰り返すというのが慢性化膿性骨髄炎の状態である。
労災保険及び自賠責保険の制度は,療養の効果が期待できなくなった時点をもって損害を確定させる仕組みであるから,骨髄炎の被災者は,感染が体内に残ったままの状態で症状固定として扱われることになる。しかも,開放骨折又は術後感染から化膿性骨髄炎,慢性化膿性骨髄炎,ゆ合不全(偽関節)へと連鎖する経過をたどることが多く,症状固定の時期をいつと定めるかが等級,逸失利益,将来の費用及び消滅時効のすべてに波及する。この点は,事故から相当期間を経て障害が進行し得る他の傷病,たとえば交通事故による外傷性変形性足関節症と共通する構造を持つ。
第2 労災保険における治ゆ(症状固定)
1 通達が定める2要件
労災保険において傷病が「なおったとき」とは,昭和50年9月30日付け労働省労働基準局長通達(基発第565号)「障害等級認定基準について」により,傷病に対して行われる医学上一般に承認された治療方法をもってしても,その効果が期待し得ない状態(療養の終了)で,かつ,残存する症状が,自然的経過によって到達すると認められる最終の状態(症状の固定)に達したときをいうものとされている。療養の終了と症状の固定という2つの要件から成る点が重要であり,疼痛その他の症状が残っていても,療養を続けて改善する見込みがなくなり症状が安定すれば治ゆとして扱われる。障害補償の対象となるのは,傷病がなおったときに残存する当該傷病と相当因果関係を有し,かつ,将来においても回復が困難と見込まれる精神的又は身体的なき損状態であって,その存在が医学的に認められ,労働能力の喪失を伴うものである。
同通達には,長期化する傷病のための例外が置かれている。療養効果が期待し得ない状態であっても症状の固定に至るまでにかなりの期間を要すると見込まれるものについては医学上妥当と認められる期間を待って障害の程度を評価するが,「症状の固定の見込みが6カ月以内の期間において認められないものにあっては,療養の終了時において,将来固定すると認められる症状によって等級を認定する」というものである。感染が沈静化した後も骨の状態が安定するまで時間を要する骨髄炎の事案では,この例外の適用の有無自体が検討対象になる。
治ゆの時期の認定は所轄労働基準監督署長が担当医師の臨床所見を参酌して行うものとされており,患者の申出によって治ゆ時期を引き延ばすことや,自覚症状の訴えだけで漫然と診療を継続することは認められていない。症状固定後になお保険給付が請求された場合の不支給決定理由には,「症状が安定し,医学上一般に認められた医療を行っても,その医療効果が期待できない状態にあると認められる」という定型の文言が用いられる。
2 症状固定として取り扱わない場合
政府は,症状固定の意味について国会で説明したことがある。平成2年4月24日の衆議院社会労働委員会において,野崎和昭労働省労働基準局長は,労災保険にいう症状固定は治療を行ってももはやそれ以上は治療効果が期待できない状態であるとした上で,「治療によって症状の改善が認められる場合あるいは治療を中断することによって症状が悪化する場合等は,症状固定としては取り扱っていない」と答弁している。抗菌薬の投与を中断すれば増悪し得る段階にある骨髄炎について,この答弁は症状固定を否定する方向に働く。
もっとも,この答弁は振動障害に関する質疑の中でされたものであって骨髄炎について述べたものではなく,同じ答弁は,症状固定後も後遺症状が残っている場合にはアフターケア制度で診察,検査,投薬等を行っていると続けている。国会答弁は立法趣旨及び政府見解を示す資料であって法規範ではないから,この一文だけを根拠に症状固定を争うことはできない。通達が定める2要件,医証の内容及び後述するアフターケア制度の存在と併せて主張すべき性質のものである。
3 治ゆした後に使える3つの制度
治ゆした後に労災保険の枠内で利用できるのは,アフターケア,外科後処置及び再発の3つであり,それ以外は自己負担となる。外科後処置は,治ゆした者について義肢装着のための断端部の再手術,醜状の軽減のための再手術等を行う制度であり,障害補償給付の支給決定を受けた者のうち,外科後処置により喪失した労働能力を回復し,又は醜状を軽減し得る見込みのある者を対象とする。植皮術は,療養の過程で行われるものであれば療養の範囲として認められるが,一旦治ゆした後の植皮術は外科後処置の対象になるものと整理されている。労災保険の給付の種類と内容の全体像は,労災保険の給付内容で整理している。
第3 慢性化膿性骨髄炎に係るアフターケア
1 制度の根拠と位置付け
アフターケアは,労働者災害補償保険法29条1項の社会復帰促進等事業として行われるものであり,平成19年4月23日付け基発第0423002号「社会復帰促進等事業としてのアフターケア実施要領の制定について」がその根拠である。同要領の別紙「傷病別アフターケア実施要綱」は20の対象傷病を掲げており,その第9が慢性化膿性骨髄炎である。同要綱は,その趣旨として「骨折等により化膿性骨髄炎を併発し,引き続き慢性化膿性骨髄炎に移行した者にあっては,症状固定後においても骨髄炎が再燃するおそれがあることにかんがみ,アフターケアを行うものとする」と定める。症状固定後の再燃を国自身が制度の前提として明示している点は,治療の打切りを迫られる場面で反論の素材になる。
アフターケアは保険給付ではなく社会復帰促進等事業であるから,業務災害,複数業務要因災害又は通勤災害でなければ利用できない。この位置付けについても政府の説明があり,平成2年5月25日の衆議院社会労働委員会において,野崎労働基準局長は,症状固定とされた者について労災保険ではもはや治療としては続けられず,健康保険の適用を受けることも困難であるという事情を考慮してアフターケア制度を設けたものであり,その費用は労働福祉事業費から支出していると述べ,「こういう形で谷間ができないように配慮いたしている」と説明している。裏を返せば,労災保険が適用されない純然たる交通事故の被害者には,この谷間を埋める制度が存在しないことになる。
同要領は,令和6年3月25日付け基発0325第3号により「健康管理手帳」の名称が「アフターケア手帳」に改められ,令和7年3月31日付け基発0331第7号による改正が最終改正である。もっとも,令和7年改正の内容は様式への薬剤料欄の追加と精神障害に係るアフターケアの対象者の明確化であり,第9の慢性化膿性骨髄炎に係る要綱の内容自体は変更されていない。
2 対象者と措置範囲
対象者は,業務災害又は通勤災害による骨折等により化膿性骨髄炎を併発し,引き続き慢性化膿性骨髄炎に移行した者であって,障害補償給付若しくは障害給付を受けている者又は受けると見込まれる者(症状固定した者に限る。)のうち,医学的に早期にアフターケアの実施が必要であると認められる者である。ここで注意すべきは,第9には障害等級の下限が置かれていないことである。同じ要綱の第10(虚血性心疾患等)及び第12(脳の器質性障害)が「障害等級第9級以上」を要件としているのと対比すると,慢性化膿性骨髄炎については障害補償給付を受けていること又は受ける見込みがあることで足りる。
措置範囲は次のとおりである。①診察は,原則として症状固定後3年を限度として1か月から3か月に1回程度必要に応じて行うが,医学的に更に継続する必要のある者についてはその必要な期間継続することができる。②保健指導は診察の都度必要に応じて行う。③保健のための処置として,抗菌薬(抗生物質及び外用薬を含む。)並びに鎮痛薬及び消炎薬(外用薬を含む。)を支給することができる。④検査は,末梢血液一般・生化学的検査を1か月から3か月に1回程度,細菌検査を診察の都度必要に応じて,CRP検査を1年に2回程度,エックス線検査を3か月から6か月に1回程度行うことができ,シンチグラム,CT,MRI等の検査は医学的に特に必要と認められる場合に限られる。
CRP検査が加えられた理由は,同要領の制定通達の本体に明記されている。せき髄損傷,尿路系障害,人工関節・人工骨頭置換,慢性化膿性骨髄炎及び循環器障害については,「個別に感染を繰り返しやすいリスクを持った状態において,指標として用いることは適切である」というのがその説明である。慢性化膿性骨髄炎が感染を繰り返しやすい状態であるという評価が,制度の設計段階で明示されていることになる。
3 手帳の有効期間と再発との関係
アフターケアを受けるにはアフターケア手帳の交付を受ける必要があり,手帳の有効期間は,新規の交付が交付日から起算して3年間,更新による再交付が更新前の手帳の有効期間が満了する日の翌日から起算して1年間である。更新は,有効期間が満了する日の1か月前までに申請し,主治医の意見等に基づき,なお医学的にアフターケアを継続して行う必要があると認められる場合に行われる。手帳の交付決定及び不交付決定には処分性が認められるため,行政事件訴訟法,行政不服審査法及び行政手続法の適用があり,審査請求の対象となる。この審査は都道府県労働局長の上級庁である厚生労働大臣が行い,再審査請求をすることはできない。保険給付に係る不服申立てとは仕組みが異なる点に注意を要する(保険給付についての不服申立ては労災保険の審査請求及び再審査請求を参照)。
アフターケアは治ゆした後の制度であるから,傷病が再発して療養補償給付を受けることとなれば,その間はアフターケアの対象ではなくなる。なお,手帳自体の取扱いについては,有効期間が満了した場合,汚損等により再交付を受けた場合又は傷病の再発等により手帳が不要となった場合でも,所轄局長から返還を求められた場合を除き返納は要しないものとされている。返納を要すると記載する資料は令和7年改正前の版に基づくものである可能性があるため,時点の確認が必要である。
第4 再発したときの給付の切替え
1 再発の3要件
傷病がいったん治ゆとなった後に再び発症した場合,①その症状の悪化が当初の業務又は通勤による傷病と相当因果関係があると認められること,②治ゆの時の状態からみて明らかに症状が悪化していること,③療養を行えばその症状の改善が期待できると医学的に認められることのいずれの要件も満たすときは,再発として再び療養補償給付等を受けることができる。単なる経過観察は再発に当たらない。再発と認められない場合の不支給決定理由には,「治ゆ時の状態からみて悪化しているとは認められず,療養によってその症状が改善される見込みがあるとは医学的に認められません」という定型の文言が用いられるから,審査請求や取消訴訟では,どの要件が否定されたのかを通知書の文言から逆算することができる。
2 障害(補償)年金の失権と療養期間の通算
再発は,障害補償年金を受けている者にとって単純に有利な事象ではない。平成27年12月22日付け基補発1222第1号「障害(補償)年金を受ける者が再発により傷病(補償)年金又は休業(補償)給付を受給する場合の事務処理上の留意点について」は,「再発の場合,障害(補償)年金を受ける者は,当該障害(補償)年金の受給権を失権することとなる」と明示した上で,障害の状態によっては傷病補償年金の支給要件を満たす可能性があるとしている。
傷病補償年金の支給要件を判断する際の療養期間は,障害補償年金に係る障害の原因となった傷病の療養開始から治癒までの期間が1年6か月を超えているかによって確認し,当該障害につき再発と治癒を繰り返している場合はすべての療養期間を通算する。増悪と緩解を繰り返す慢性化膿性骨髄炎では,この通算の規定が実際に意味を持つ。加えて,傷病等級の認定は6か月以上の期間にわたって治癒しないで存する障害の状態により行うため,再発に係る療養に6か月以上要する見込みであることを主治医の診断書等により確認する運用になっている。
傷病補償年金の支給要件を満たさない場合は休業補償給付に切り替わるが,同通達は,介護補償給付を受けていた者について,休業補償給付を受給する間は介護補償給付を支給することができない旨を懇切丁寧に説明するよう求めている。給付の切替えによって介護に係る給付が止まる場面があることは,見落とされやすい。なお,療養補償給付及び休業補償給付を受ける権利は,これらを行使することができる時から2年を経過したときに時効により消滅する(労働者災害補償保険法42条1項)から,再燃を長く放置してから請求すると,遡及する部分が時効にかかる。障害補償給付及び遺族補償給付の時効は5年である。
3 治ゆに至らないまま長期化した場合
慢性化膿性骨髄炎は,治ゆに至らないまま療養が長期化する傷病の典型である。療養の開始後1年6か月を経過した日において,負傷又は疾病が治っておらず,かつ,障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当するときは,請求によらず職権で傷病補償年金が支給される(同法12条の8第3項)。さらに,療養の開始後3年を経過した日において傷病補償年金を受けている場合等には,労働基準法19条1項の適用については同法81条の打切補償を支払ったものとみなされる(同法19条)から,解雇制限が外れることになる。
この期間の区切りは,単なる期間制限ではなく立法上の選択の結果である。昭和35年3月30日の参議院社会労働委員会において,澁谷直藏労働省労働基準局長は,労働基準法75条の療養補償の期限について「使用者も無過失賠償責任というものの範囲を一体どこで切るかという問題になる」とし,これを画するのが同法81条の打切補償であると説明している。その後,昭和51年5月18日の同委員会において,藤繩正勝労働省労働基準局長は,打切補償では必ずしも適当でないことから労災保険では順次年金化を進めてきたのであり,傷病補償年金がまさにそれであると述べている。打切補償の年金化という経緯を踏まえると,1年6か月と3年という区切りは,使用者の無過失責任の外延をどこに置くかという問題の現れであることが分かる。
第5 骨髄炎の後遺障害等級
1 障害等級表に骨髄炎という類型はない
労災保険の障害等級認定基準(昭和50年9月30日付け基発第565号)及びせき柱及びその他の体幹骨,上肢並びに下肢の障害に関する障害等級認定基準(平成16年6月4日付け基発第0604003号)の全文を検索しても,「骨髄炎」という語は現れない。障害等級表そのものにも骨髄炎という項目はない。したがって,骨髄炎それ自体に固有の等級が付くことはなく,骨髄炎が残した結果を既存の障害類型に落として評価することになる。この構造を理解していないと,骨髄炎が残っているのに等級が低いという不満がどこから生じているのかを説明できない。
2 偽関節,機能障害,短縮及び神経症状への振分け
振り分ける先は,①変形障害(偽関節),②関節の機能障害,③短縮障害,④神経系統の機能の障害(疼痛等),⑤醜状障害である。このうち骨髄炎から最も等級が上がりやすいのは偽関節である。労働者災害補償保険法施行規則別表第一及び自動車損害賠償保障法施行令別表第二は,いずれも第7級(上肢は9号,下肢は10号)に「一上肢に偽関節を残し,著しい運動障害を残すもの」及び「一下肢に偽関節を残し,著しい運動障害を残すもの」を,第8級(上肢は8号,下肢は9号)に「一上肢に偽関節を残すもの」及び「一下肢に偽関節を残すもの」を,第12級8号に「長管骨に変形を残すもの」を掲げている。
この3段階を分けるのが硬性補装具の要否である。平成16年6月4日付け基発第0604003号は,上腕骨の骨幹部若しくは骨幹端部にゆ合不全を残すもの,橈骨及び尺骨の両方の骨幹部等にゆ合不全を残すもの,大腿骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもの,脛骨及び腓骨の両方の骨幹部等にゆ合不全を残すもの又は脛骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもののうち,常に硬性補装具を必要とするものを第7級とし,橈骨又は尺骨のいずれか一方の骨幹部等にゆ合不全を残し時々硬性補装具を必要とするものを含め,それ以外のものを第8級とする。硬性補装具を必要としないものは第12級8号にとどまる。可動域と画像所見だけを追うと,この分岐を落とすことになる。骨折部位ごとの当てはめについては,大腿骨顆部・顆上骨折及び脛骨天蓋骨折で整理している。
3 準用等級の一般則と裁判例
瘻孔からの常時排膿のように,いずれの障害類型にも当てはまらない障害が残った場合は,労働者災害補償保険法施行規則14条4項により,障害等級表に掲げるもの以外の身体障害についてその障害の程度に応じ同表に掲げる身体障害に準じて等級を定める,いわゆる準用等級によることになる。準用の一般則は,いかなる障害の系列にも属さない場合には,その障害によって生ずる労働能力の喪失の程度を医学的検査結果等に基づいて判断し,最も近似している系列の障害における労働能力の喪失の程度に相当する等級を準用するというものである。骨髄炎,瘻孔又は排膿を名指しした準用の定めは,通達にも実務書にも見当たらない。運用が不明なのではなく,個別の定めがないため一般則によるほかない,というのが正確な理解である。
実際の帰結として,骨髄炎による障害が神経症状の等級に落ち着いた例がある。京都地方裁判所平成16年5月26日判決(平成14年(ワ)第3665号)は,歯科治療における亜砒酸パスタの過剰な使用により左下顎骨骨髄炎及び左オトガイ神経麻痺が生じた事案について,これらが後遺障害等級12級12号に該当することは当事者間に争いがないとした。ここでいう12級12号は労災保険の障害等級表における「局部にがん固な神経症状を残すもの」であり,自動車損害賠償保障法施行令別表第二では同じ内容が第12級13号に置かれている。労災と自賠責とで号数がずれるため,書面で号数を引くときはどちらの表によるものかを確かめる必要がある。
もっとも,同判決は逸失利益を0円と判断している。原告が現に喫茶店の接客や接骨院の受付業務に従事できていたこと,エックス線透過像が次第に薄くなり骨は治癒傾向にあって腐骨も吸収してきているとの診断がされていたことなどが理由である。等級が認められることと逸失利益が認められることとは別であり,骨髄炎の事案でも,就労状況と画像上の推移が逸失利益の認定を左右する。
4 自賠責が労災の認定基準に準じて行う根拠
自賠責保険において後遺障害等級が労災保険の基準によって認定される根拠は,「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」(平成13年金融庁・国土交通省告示第1号)の第3にある。同告示第3は,後遺障害による損害は逸失利益及び慰謝料等とし,自動車損害賠償保障法施行令2条並びに別表第1及び別表第2に定める等級に該当する場合に認めるとした上で,「等級の認定は,原則として労働者災害補償保険における障害の等級認定の基準に準じて行う」と定めている。文言は「準用」ではなく「準じて行う」であり,しかも「原則として」という留保が付いている。労災保険の障害等級認定基準の解釈をそのまま自賠責に持ち込む主張は,この留保の範囲でしか通らない。
第6 交通事故における取扱い
1 術後感染及び骨髄炎と相当因果関係
交通事故による骨折の手術に伴って感染が生じ骨髄炎に至った場合,事故と骨髄炎との相当因果関係が争われる。鹿児島地方裁判所鹿屋支部令和4年2月7日判決(令和2年(ワ)第10号)は,右寛骨臼骨折等を負った被害者が手術に伴いMRSAに院内感染し,化膿性股関節炎及び骨髄炎を発症して高次脳機能障害を残した事案について,本件事故による骨折はその治療の際にMRSAに院内感染する危険性を有するものであり,その危険が現実化して高次脳機能障害に至ったとして,事故と後遺障害との間の因果関係を認めた。大学病院の医師の意見として,化膿性股関節炎及び骨髄炎は同骨折後のやむを得ない合併症であるとされたことも判断の基礎になっている。院内感染対策に不備がうかがわれないことが,かえって加害者の責任を基礎づける形になっている点は,構造として押さえておくとよい。骨折後の感染は,人工関節置換術の事案でも同様に争点となる。
反対方向の判断もある。東京地方裁判所平成30年12月20日判決(平成28年(行ウ)第510号)は,私病に由来する慢性化膿性骨髄炎を有していた大型トラック運転手が,業務中に運転席のステップから転落したことにより骨髄炎が急性増悪し右脛骨骨幹部が再骨折したとして療養補償給付及び休業補償給付を請求した事案について,請求を棄却している。同判決は,慢性化膿性骨髄炎について,腐骨や骨破壊部分の完全な除去が容易ではないため長期にわたって細菌がとどまり症状の増悪及び緩解を繰り返す状態であること,感染により骨の脆弱性を来し病的骨折を来すこともあること,疲労や体調不良によって増悪し糖尿病等の基礎疾患も増悪因子であることを認定した上で,事故当時に緩解状態にあったとは認められないこと,顕著な臭気のある排膿は感染が継続して時間をかけて増悪して生ずるものであり発生から24時間も経過していない事故が直接的な原因になるとは考え難いこと,長期の罹患により骨の脆弱性を来していたからもともと病的骨折を来すことがあり得たことを理由に,因果関係を否定した。増悪と緩解を繰り返すという疾患の本態そのものが,因果関係を否定する側の論拠になり得る。
2 既往の骨髄炎による減額の二層構造
既往の骨髄炎がある被害者については,自賠責保険の段階と訴訟の段階とで減額の根拠が異なる。自賠責保険の段階では,前記の支払基準第6の2が,被害者が既往症等を有していたため死因又は後遺障害発生原因が明らかでない場合等,受傷と死亡との間及び受傷と後遺障害との間の因果関係の有無の判断が困難な場合について,5割の減額を行うと定めている。これは寄与度を個別に審査した結果ではなく,判断が困難であることを理由とする定型的な処理である。
訴訟の段階では,寄与度が個別に認定される。東京高等裁判所昭和50年3月31日判決(昭和49年(ネ)第1596号)は,9歳のときに左大腿骨骨髄炎及び化膿性股関節炎に罹患したことのある被害者が,交通事故による骨折等の外傷の後に長期の臥床で体力が衰え,職場復帰後に患側大腿部の負担が大きくなったことが誘因となって骨髄炎が再発した事案について,事故と再発との因果関係を否定し得ないとしつつ,被害者の余病の発生が事故を唯一の原因とするものでない場合において,その余病に基づく全損害を事故に基づくものとするのは損害の公平な負担という立場からみて不当であるとして,事故が余病の発生に対し寄与したと認められる限度で賠償責任を負担させるのが相当であるとした。同判決は,相当因果関係の認められる範囲内では,その損害を特別事情による損害として加害者に当該事情についての予見があったか否かを考慮する余地はないとも判示している。寄与の程度は50パーセントとされ,該当する入院に関する損害額の5割が認容された。
自賠責の告示にいう5割と,この裁判例の寄与度50パーセントとは,数値が一致しているだけで根拠がまったく異なる。自賠責の認定において5割の減額がされている場合,それは因果関係の判断が困難であるという定型処理を経たにすぎないから,訴訟では改めて寄与度を主張立証する余地がある。素因減額の一般的な要件と計算方法については,素因減額の要件・判例・主張立証と計算方法で整理している。
既往の骨髄炎は,加重の問題としても現れる。既に後遺障害のある者が傷害を受けたことによって同一部位について後遺障害の程度を加重した場合,自賠責の保険金額は,当該後遺障害の等級に応ずる金額から既にあった後遺障害の等級に応ずる金額を控除した金額となる(自動車損害賠償保障法施行令2条2項)。労災保険にも同旨の定めがある(労働者災害補償保険法施行規則14条5項)。広島高等裁判所平成16年5月26日判決(平成15年(ネ)第94号)の事案では,交通事故により頚椎椎間板ヘルニアを負った被害者の後遺障害診断書の既存障害欄に「左大腿骨慢性骨髄炎」と記載されており,被害者は事故前から左下肢機能全廃で身体障害者3級の認定を受けていた。受任の初期に既存障害欄の記載を確認しておくべき理由がここにある。
基礎疾患の管理状況が争点になることもある。広島高等裁判所松江支部平成15年1月29日判決(平成13年(ネ)第31号)の事案では,糖尿病患者の足部の創傷から骨髄炎に至り切除術を受けたことについて,医師側が,患者が永年にわたり血糖値の自己管理を怠っていたこと,創傷部の安静と清潔を保つよう指導した注意を無視したこと,入院の勧めを無視したこと等を過失相殺の事由として主張している。骨髄炎の危険因子として医学的に確立している事情は,そのまま訴訟上の減額主張の材料になる。
3 症状固定後の治療費
症状固定後の治療費は,原則として損害と認められない。大阪地裁における交通損害賠償の算定基準は,「症状固定後の治療費は,原則として認めないが,症状の内容・程度に照らし,必要かつ相当なものは認める」としている(この算定基準の全体像については大阪地裁の交通損害賠償の算定基準を参照)。例外が認められる場面については,東京地方裁判所民事第27部の裁判官による講演録が,症状固定の意義が治療の効果が期待し得ない状態であることを前提にする以上,症状固定後の治療費を相当因果関係のある損害ということはできないのが原則であるとした上で,遷延性意識障害になったときに生命を維持するために必要な場合,症状の悪化を防止するために必要な場合及び強い身体的苦痛を軽減するために必要な場合などに,治療の必要性が認められて相当因果関係が肯定されることはある,と説明している。
慢性化膿性骨髄炎の症状固定後の管理は,このうち症状の悪化を防止するために必要な場合に当たり得る類型である。しかも,必要な管理の内容と頻度は,前記のアフターケア実施要綱第9の措置範囲が定型として示している。もっとも,アフターケアは社会復帰促進等事業であって損害賠償の基準ではないから,労災であればこれだけ給付されるから同額を賠償せよという主張は成り立たない。同要綱は,症状固定後の医学的管理が必要であることを国が制度として認めていることを示す間接事実として用い,具体的な管理計画の内容と費用は当該事案の医証によって立証するという構成をとるべきである。
4 消滅時効の起算点
後遺障害に基づく損害賠償請求権の消滅時効について,最高裁判所第二小法廷平成16年12月24日判決(平成14年(受)第1355号)は,交通事故により負傷した者が後遺障害について症状固定の診断を受け,これに基づき自動車保険料率算定会に対して自賠責保険の後遺障害等級の事前認定を申請したときは,その結果が非該当であり,その後の異議申立てによって等級認定がされたという事情があったとしても,当該後遺障害に基づく損害賠償請求権の消滅時効は遅くとも症状固定の診断を受けた時から進行するとした。骨髄炎の事案では,当初の申請で等級が認められず後に異議申立てを重ねる経過をたどることがあるが,その経過は起算点を後ろにずらさない。
期間そのものは,民法724条1号により被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年であるが,人の生命又は身体を害する不法行為については同法724条の2により5年と読み替えられる。労災保険給付との関係では,療養補償給付及び休業補償給付が2年,障害補償給付が5年である(労働者災害補償保険法42条1項)。労災保険給付と損害賠償との調整については,損益相殺と労災保険給付の控除で整理している。
第7 症状固定の時期をどう定めるか
1 医師の判断と裁判所の判断
症状固定の時期については,当該傷害に対する医学上一般に承認された治療方法にどのようなものがあり,それがどのような効能を有するのか,当該傷害については一般的にどの程度改善する可能性があり,それにどの程度の期間を要するのかなどの医学的知見を踏まえ,当該被害者がどのような症状経過をたどってきたのか,一般的な症状経過のどの段階にあるのかを検討した上で,症状がこれ以上改善しないとした医師の判断を基本的に尊重すべきである,というのが前記講演録の整理である。もっとも,同講演録は,治療によって少しでも症状の改善を目指そうとする医師がこれ以上改善しないと判断することと,損害賠償訴訟において裁判所が症状が最終の状態に達したと判断することとは別個のことであり,当該医師の判断が訴訟の観点から見ても合理的かどうかは検討しておく必要があるとも述べている。
文献上も,後遺障害診断書の作成日を症状固定日としている例が多いが,症状固定日は症状の推移等を総合的に判断して決めるべきであるとの指摘がある。後遺障害診断書に記載された日付をそのまま前提とするのではなく,診療録における検査値と処置の推移から症状固定の時期を組み立て直す作業が必要になる。
2 追加手術が予定されている場合
骨髄炎の事案では,デブリードマン,骨移植又は抜釘といった追加手術が予定されていることが多い。医学の側からは,手術などの治療法によって改善する余地が残されている場合には症状固定と判定されないが,現実には患者本人の意思が尊重されることになる,との整理が示されている。他方,労災保険の運用は,骨折部にキュンチャー等を装着したためそれが機能障害の原因となる場合には当該除去を待って等級の認定を行い,機能障害の原因とならない場合は創面の治ゆをもって等級の認定を行う,というものである。
両者は一致しない。骨髄炎の事案では,抜釘が機能障害の原因の除去ではなく感染源の除去という意味を持つことがあるから,機能障害の原因であるかどうかと感染源であるかどうかとが別の問題として交錯する。抜釘の予定があるから症状固定はまだであるという整理は,通達の文言からは当然には導かれない。
3 活動性か緩解かによる切分け
以上を踏まえると,骨髄炎の事案における症状固定の時期は,感染が活動性であるか,増悪と緩解のサイクルに入っているかで切り分けるのが,通達,政府答弁及びアフターケア制度の三者と最も整合すると考えられる。抗菌薬の投与を中断すれば増悪する段階であれば,治療を中断することによって症状が悪化する場合として症状固定を否定する余地がある。他方,増悪と緩解を繰り返す状態に落ち着いているのであれば,症状固定を認めた上で,症状固定後の医学的管理の必要性を別に立証する構成のほうが,制度の設計と整合する。前記の東京地方裁判所平成30年12月20日判決が,事故当時に緩解状態にあったと認められるかどうかを判断の軸に据えたのも,同じ切り口である。
この切分けを立証するために確認すべき資料は,①CRPその他の炎症所見の推移,②細菌検査の実施状況と結果,③瘻孔及び排膿の有無並びに排膿の性状の変化,④エックス線,CT及びMRIの経時的な所見,⑤抗菌薬の投与内容と中断の有無,⑥就労状況及び日常生活動作の変化である。これらはいずれも診療録及び診療報酬明細書から確認できるものであり,鑑定その他の負担の重い手段に進む前に着手すべき資料である。骨折後感染について国際的な専門家会議が定めた定義では,瘻孔若しくは洞又は創の離開,創からの膿性排液又は手術時の膿の存在,2か所以上の別個の深部組織若しくはインプラント検体の培養で表現型上区別できない病原体が同定されること,手術時に採取した深部組織に微生物が存在することが病理組織学的検査により確認されることの4つが,感染が存在すると確定してよい所見とされている。診療録に瘻孔又は排膿の記載があれば,感染の存在自体は争いにくい。
再燃の頻度は低くない。開放脛骨骨折の後に骨髄炎を発症した症例のうち再発の評価が可能であった112例を追跡した研究では,31例(28パーセント)で同一部位の骨髄炎が再び診断されており,骨の欠損又は血行不良が危険因子として挙げられている。ただし,この研究は戦傷による開放骨折を対象とするものであるから,交通事故一般にそのまま外挿することはできない。また,慢性骨髄炎に扁平上皮癌が生じた106例を対象とする系統的レビューによれば,癌と診断されるまでの罹病期間の平均は31年(範囲は3年から67年)であり,81パーセントが切断により治療されている。別の研究でも慢性創傷の悪性化までの平均潜伏期間は30年とされており,症状固定から数十年を経て重大な転帰に至り得ることは独立した複数の研究で一致している。もっとも,発症までの期間が長く発生頻度も低いことからすると,将来の費用として現在価値を積算する形での請求にはなじみにくく,後遺障害慰謝料の増額事由として位置付けるほうが実際的であると考えられる。
出典・参考資料
1 法令
①労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)12条の8第3項,19条,29条1項,42条1項(e-Gov法令検索)
②労働者災害補償保険法施行規則(昭和30年労働省令第22号)14条4項・5項,別表第一(e-Gov法令検索)
③労働基準法(昭和22年法律第49号)19条1項,75条,81条(e-Gov法令検索)
④自動車損害賠償保障法施行令(昭和30年政令第286号)2条,別表第二(e-Gov法令検索)
⑤民法(明治29年法律第89号)724条,724条の2(e-Gov法令検索)
2 告示・通達
①自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準(平成13年金融庁・国土交通省告示第1号)第3,第6の2(国土交通省)
②昭和50年9月30日付け基発第565号「障害等級認定基準について」(厚生労働省法令等データベースサービス)
③平成16年6月4日付け基発第0604003号「せき柱及びその他の体幹骨,上肢並びに下肢の障害に関する障害等級認定基準について」(厚生労働省法令等データベースサービス)
④平成19年4月23日付け基発第0423002号「社会復帰促進等事業としてのアフターケア実施要領の制定について」(最終改正 令和7年3月31日付け基発0331第7号。厚生労働省法令等データベースサービス)
⑤平成27年12月22日付け基補発1222第1号「障害(補償)年金を受ける者が再発により傷病(補償)年金又は休業(補償)給付を受給する場合の事務処理上の留意点について」(厚生労働省法令等データベースサービス)
3 裁判例
①最高裁判所第二小法廷平成16年12月24日判決(平成14年(受)第1355号,裁判集民事215号1109頁,裁判所ウェブサイト)
②東京高等裁判所昭和50年3月31日判決(昭和49年(ネ)第1596号,高等裁判所民事判例集28巻1号72頁,裁判所ウェブサイト)
③広島高等裁判所平成16年5月26日判決(平成15年(ネ)第94号,裁判所ウェブサイト)
④広島高等裁判所松江支部平成15年1月29日判決(平成13年(ネ)第31号,裁判所ウェブサイト)
⑤京都地方裁判所平成16年5月26日判決(平成14年(ワ)第3665号,裁判所ウェブサイト)
⑥鹿児島地方裁判所鹿屋支部令和4年2月7日判決(令和2年(ワ)第10号,交通事故民事裁判例集55巻1号138頁。裁判所HP未掲載。弁護士ドットコムLIBRARY収録の交通事故民事裁判例集により全文確認)
⑦東京地方裁判所平成30年12月20日判決(平成28年(行ウ)第510号。裁判所HP未掲載。判例秘書及び判例体系により全文確認)
4 公的資料
①第118回国会衆議院社会労働委員会議録第4号(平成2年4月24日。野崎和昭労働省労働基準局長答弁。国立国会図書館国会会議録検索システム)
②第118回国会衆議院社会労働委員会議録第6号(平成2年5月25日。野崎和昭労働省労働基準局長答弁。国立国会図書館国会会議録検索システム)
③第34回国会参議院社会労働委員会会議録第20号(昭和35年3月30日。澁谷直藏労働省労働基準局長答弁。国立国会図書館国会会議録検索システム)
④第77回国会参議院社会労働委員会会議録第5号(昭和51年5月18日。藤繩正勝労働省労働基準局長答弁。国立国会図書館国会会議録検索システム)
⑤厚生労働省「労災保険給付事務取扱手引(令和3年9月1日改正版)」43頁,48頁,64頁,79頁(情報公開請求により開示された行政文書)
5 文献
①日弁連交通事故相談センター東京支部編『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 2013年版(下巻)』所収,東京地方裁判所民事第27部「損害賠償額の算定について」(平成24年9月29日講演)7頁~11頁
②大阪民事交通訴訟研究会編著『大阪地裁における交通損害賠償の算定基準〈第4版〉』(判例タイムズ社,2022年)2頁,22頁
③労災サポートセンター『労災補償 障害認定必携〈第14版〉』(労災サポートセンター,2018年)82頁,248頁,270頁,353頁
④杉田雅彦「後遺障害と逸失利益」交通損害賠償の諸問題(判例タイムズ社,1999年)289頁
⑤平林洌「後遺障害等級認定にかかわる医学的基礎知識」民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準(東京三弁護士会交通事故処理委員会・日弁連交通事故相談センター東京支部,2003年)246頁
⑥Masters EA, Ricciardi BF, Bentley KLM, Moriarty TF, Schwarz EM, Muthukrishnan G. Skeletal infections: microbial pathogenesis, immunity and clinical management. Nature Reviews Microbiology. 2022;20(7):385-400.
⑦Metsemakers WJ, Morgenstern M, McNally MA, et al. Fracture-related infection: A consensus on definition from an international expert group. Injury. 2018;49(3):505-510.
⑧Petfield JL, Tribble DR, Potter BK, et al. Is Bone Loss or Devascularization Associated With Recurrence of Osteomyelitis in Wartime Open Tibia Fractures? Clinical Orthopaedics and Related Research. 2019;477(4):789-801.
⑨Corrigan RA, Barlow G, Hartley C, McNally M. Squamous cell carcinoma complicating chronic osteomyelitis: A systematic review and case series. The Surgeon. 2022;20(6):e322-e337.
⑩Esther RJ, Lamps L, Schwartz HS. Marjolin ulcers: secondary carcinomas in chronic wounds. Journal of the Southern Orthopaedic Association. 1999;8(3):181-187.