第1 本記事の対象と結論
1 対象
本記事は,被害者が不法行為(交通事故,過労死等)によって死亡し,その相続人が労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)に基づく遺族補償年金又は厚生年金保険法に基づく遺族厚生年金を受け取った場合に,加害者に対する損害賠償請求の遅延損害金がどう計算されるかを扱う。
調査基準日は令和8年9月19日である。
判決の内容は,裁判所HPに掲載された各判決の全文で確認した文言に基づいて説明する。
2 結論
①遺族補償年金は,逸失利益等の消極損害の元本との間で損益相殺的な調整を行い,遅延損害金との間では調整しない(最高裁大法廷平成27年3月4日判決)。
②遺族補償年金によって塡補される損害は,支給の著しい遅滞等の特段の事情のない限り,不法行為の時に塡補されたものと法的に評価される。
③その結果,遺族補償年金に相当する元本部分については,事故日(死亡日)から年金の支給日までの遅延損害金は発生しない。
④遺族補償年金の支払を受けたときはまず遅延損害金に充当されるとした最高裁平成16年12月20日判決は,平成27年判決と抵触する限度で変更された。
⑤遺族厚生年金については,最高裁が死亡事案で不法行為時塡補を直接判断した判決は,裁判所HPで確認できた限りでは見当たらない。
⑥もっとも,傷害・後遺障害事案では公的年金給付(障害基礎年金・障害厚生年金)も不法行為時に塡補されたとされており(最高裁平成22年9月13日判決),遺族厚生年金にも同じ考え方が及ぶと考えられる。
⑦自賠責保険金については,遅延損害金にまず充当するという平成16年判決の判断は変更されていない。
第2 三つの最高裁判決の流れ
1 最高裁平成16年12月20日判決(遅延損害金への先充当)
最高裁判所第二小法廷平成16年12月20日判決(平成16年(受)第525号,集民215号987頁)は,平成11年2月24日の交通事故で会社員が死亡した事案である。
相続人は,自賠責保険から3,000万3,800円の支払を受け,父は遺族補償年金合計279万7,033円及び遺族厚生年金合計265万4,342円の支給を受けていた。
判決は,これらを「本件自賠責保険金等」と総称した上で,「本件自賠責保険金等が支払時における損害金の元本及び遅延損害金の全部を消滅させるに足りないときは,遅延損害金の支払債務にまず充当されるべきものであることは明らかである(民法491条1項参照)。」と判示した。
ここでいう民法491条1項は改正前の条番号であり,現行法では489条1項(元本・利息・費用の充当)に当たる。
同判決の判示事項は,遺族厚生年金を控除すべき損害の範囲である。
判決は,遺族厚生年金は,被害者が支給を受けるべき障害基礎年金等に係る逸失利益だけでなく,給与収入等を含めた逸失利益全般との関係で控除すべきであるとした。
また,遺族厚生年金等の控除は,現にその支給を受ける受給権者についてのみ行うべきであるとして,受給権者でない相続人の損害からも控除した原審を破棄した。
2 最高裁平成22年9月13日判決(傷害・後遺障害事案)
最高裁判所第一小法廷平成22年9月13日判決(平成20年(受)第494号,民集64巻6号1626頁)は,通勤途上の交通事故で傷害を受け,右大腿切断等の後遺障害が残った事案である。
被害者は,労災保険法に基づく療養給付・休業給付・障害年金のほか,国民年金法に基づく障害基礎年金及び厚生年金保険法に基づく障害厚生年金の支給を受けていた。
原審は,療養給付・休業給付は元本と調整したが,年金給付は遅延損害金にまず充当すべきであるとしていた。
(1) 調整の対象は損害の元本
判決は,労災保険給付や公的年金制度に基づく年金給付について,「てん補の対象となる特定の損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する損害の元本との間で,損益相殺的な調整を行うべきものと解するのが相当である。」とした。
療養給付・休業給付は治療費等又は休業損害の元本と,障害年金・障害基礎年金・障害厚生年金は後遺障害による逸失利益の元本と,それぞれ調整すべきであり,遅延損害金との間で調整することは相当でないとした。
(2) 不法行為の時に塡補されたと評価
判決は,これらの給付が損害の現実化に対応して定期的に支給されることが予定されていること等を考慮し,支給の著しい遅滞等の特段の事情のない限り,塡補の対象となる損害は不法行為の時に塡補されたものと法的に評価すべきであるとした。
その上で,本件では「そのてん補の対象となる損害は本件事故の日にてん補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をするのが相当である。」と判断し,年金給付を遅延損害金に先に充当した原審の判断を破棄した。
平成16年判決については,「事案を異にし,本件に適切でない。」と述べるにとどめ,変更はしていない。
3 最高裁平成22年10月15日判決と補足意見
最高裁判所第二小法廷平成22年10月15日判決(平成21年(受)第1932号,集民235号65頁)も,傷害・後遺障害事案で,労災保険法に基づく休業給付及び障害一時金について同じ判断をした。
この判決には補足意見が付されており,平成16年判決が遺族補償年金と遺族厚生年金(両者を併せて「遺族年金給付」と呼んでいる。)を遅延損害金に先に充当した点について,死亡事案でも逸失利益の元本と調整し,不法行為の時に塡補されたと評価する考え方があり得ることを指摘し,「これらの点については,今後,更なる検討を要するといえよう。」と結んでいた。
4 最高裁大法廷平成27年3月4日判決(死亡事案・判例変更)
(1) 事案
最高裁判所大法廷平成27年3月4日判決(平成24年(受)第1478号,民集69巻2号178頁)は,長時間の時間外労働等による心理的負荷の蓄積で精神障害を発症した会社員が,過度の飲酒による急性アルコール中毒で死亡した事案である。
父母である相続人は,原審の口頭弁論終結の日までに,遺族補償年金として,一人が合計868万9,883円,もう一人が合計151万6,517円の支給を受け,又は支給を受けることが確定していた。
上告人らは,平成16年判決を引用して,遺族補償年金は遅延損害金にまず充当されるべきであると主張した。
(2) 遅延損害金とは調整しない
大法廷は,遺族補償年金は遺族の被扶養利益の喪失を塡補することを目的とし,その塡補の対象とする損害は被害者の死亡による逸失利益等の消極損害と同性質であり,かつ,相互補完性があるとした。
他方で,遅延損害金については,「損害の元本に対する遅延損害金に係る債権は,飽くまでも債務者の履行遅滞を理由とする損害賠償債権であるから,遅延損害金を債務者に支払わせることとしている目的は,遺族補償年金の目的とは明らかに異なるものであって,遺族補償年金による塡補の対象となる損害が,遅延損害金と同性質であるということも,相互補完性があるということもできない。」と判示した。
したがって,遺族補償年金は,逸失利益等の消極損害の元本との間で損益相殺的な調整を行う。
(3) 不法行為の時に塡補されたと評価
大法廷は,遺族補償年金が定められた額を定められた時期に定期的に支給されるものであることは,被扶養利益の喪失が現実化する都度ないし現実化するのに対応して支給することを制度上予定しているものであるとし,「制度の趣旨に沿った支給がされる限り,その支給分については当該遺族に被扶養利益の喪失が生じなかったとみることが相当である。」とした。
その上で,「被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り,その塡補の対象となる損害は不法行為の時に塡補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をすることが公平の見地からみて相当であるというべきである」と判示した。
(4) 平成16年判決の変更
大法廷は,最後に「所論引用の当裁判所第二小法廷平成16年12月20日判決は,上記判断と抵触する限度において,これを変更すべきである。」と述べた。
これにより,死亡事案の遺族補償年金についても,傷害・後遺障害事案の平成22年9月13日判決と同じく,元本との調整及び不法行為時の塡補という扱いに統一された。
なお,この事案では葬祭料の支給もあったが,判決文で判断の対象として論じられているのは遺族補償年金である。
第3 損益相殺的調整の対象と範囲
1 調整の相手は同性質・相互補完性のある損害の元本
遺族補償年金と調整するのは,被害者の逸失利益等の消極損害の元本である。
遺族厚生年金についても,最高裁平成16年判決は,給与収入等を含めた逸失利益全般から控除すべきであるとしている。
これに先立つ最高裁判所第二小法廷平成11年10月22日判決(平成9年(オ)第434号,民集53巻7号1211頁)も,障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が死亡した事案で,相続人が取得した遺族基礎年金及び遺族厚生年金は財産的損害のうちの逸失利益から控除すべきであるとしている。
2 慰謝料・遅延損害金とは調整しない
平成27年判決が調整の相手としたのは「逸失利益等の消極損害の元本」であり,慰謝料(精神的損害)は含まれていない。
また,同判決により,遅延損害金との間でも調整しない。
したがって,逸失利益の元本を超える年金の支給があっても,その超過分を慰謝料や遅延損害金から差し引くことはできないと解される。
3 口頭弁論終結時までに支給され又は支給が確定したもの
平成22年9月13日判決及び平成27年判決は,いずれも原審の口頭弁論終結の日までに支給され,又は支給を受けることが確定していた年金を調整の対象としている。
将来支給される見込みにとどまる年金は,控除の対象にならない。
支給が確定しているかどうかは,口頭弁論終結の時点の支払期月との関係で個別に確認することになる。
4 受給権者である相続人の損害からだけ控除する
平成16年判決は,遺族厚生年金等の控除は現にその支給を受ける受給権者についてのみ行うべきであるとした。
相続人が複数いても,年金を受給していない相続人の損害賠償請求権からは控除しない。
被害者の逸失利益の損害賠償請求権をいったん相続分で分けた上で,受給権者の取得分から控除する順序になる。
5 「特段の事情」
不法行為時の塡補という評価には,「制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情」という留保が付いている。
平成22年9月13日判決と平成27年判決は,いずれもその事案で特段の事情はないとした。
どのような事情があれば特段の事情に当たるかについて,両判決は具体例を示していない。
第4 遺族厚生年金はどうなるか
1 平成16年判決は遺族厚生年金も遅延損害金に先充当していた
平成16年判決が遅延損害金への先充当を判示した「本件自賠責保険金等」には,自賠責保険金,遺族補償年金及び遺族厚生年金の三つが含まれていた。
平成27年判決が変更したのは,平成16年判決のうち「上記判断と抵触する限度」である。
2 平成27年判決が直接判断したのは遺族補償年金
平成27年判決の事案で問題となったのは労災保険法に基づく遺族補償年金であり,判決の理由も,労災保険法1条,16条の2から16条の4まで,9条3項及び16条の3第1項を参照して組み立てられている。
遺族厚生年金について不法行為時に塡補されたとみるかどうかを,同判決は直接判示していない。
一般社団法人日本共済協会「共済と保険」2016年9月号の判例評釈も,遺族厚生年金及び自賠責保険金については平成27年判決が直接判示するものではないとした上で,遺族厚生年金については同様の判断をすることに問題はないとの見方を示している。
3 平成22年9月13日判決は公的年金給付を含む
平成22年9月13日判決は,傷害・後遺障害事案ではあるが,労災保険給付だけでなく,国民年金法に基づく障害基礎年金及び厚生年金保険法に基づく障害厚生年金についても,元本との調整及び不法行為時の塡補を認めた。
公的年金給付であることは,不法行為時塡補の妨げになっていない。
4 遺族厚生年金にも同じ考え方が及ぶと考えられる理由
①遺族厚生年金を受けることができる遺族は,被保険者等の死亡の当時「その者によつて生計を維持したもの」とされており(厚生年金保険法59条1項),遺族補償年金と同じく遺族の被扶養利益の喪失に対応する給付である。
②遺族厚生年金は,「年金は、毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれその前月分までを支払う。」(厚生年金保険法36条3項)とされ,遺族補償年金(労災保険法9条3項)と同じく定められた時期に定期的に支給される。
③平成16年判決も,遺族厚生年金は逸失利益全般から控除すべきであるとしており,塡補の対象が逸失利益の元本であることは遺族補償年金と共通する。
④平成22年10月15日判決の補足意見は,遺族補償年金と遺族厚生年金を一括して「遺族年金給付」と呼び,遺族年金給付には生活保障的な政策目的があり前提が異なる余地を認めつつも,死亡事案でも元本との調整及び不法行為時の塡補とする考え方があり得るとし,更なる検討を要するとしていた。
元記事「遅延損害金に関するメモ書き」も,平成27年判決の判断内容からすれば,遺族厚生年金についても不法行為時から支給日までの遅延損害金は発生しないことになるとの見解を述べている。
本記事も同じ結論が相当であると考えるが,これは最高裁の直接の判断ではなく,判決の理由から導かれる解釈である。
5 最高裁の直接の判断の有無(調査結果)
裁判所HPの裁判例検索で,最高裁判所の判例を対象に「遺族厚生年金」と「遅延損害金」,「遺族厚生年金」と「損益相殺」,「遺族厚生年金」と「てん補」等を組み合わせて全文検索したところ,ヒットした最高裁判所の判決は,平成11年10月22日判決,平成16年判決及び平成22年10月15日判決であった。
平成27年判決の後に,遺族厚生年金について不法行為時の塡補を直接判断した最高裁判決は,この検索では確認できなかった。
裁判所HPに掲載されていない判決があり得るため,これは不存在を意味しない。
下級審の裁判例がどのように扱っているかは,別途の調査を要する。
第5 自賠責保険金は変更されていない
平成16年判決のうち,自賠責保険金を遅延損害金にまず充当するという部分は,平成27年判決によって変更されていない。
平成27年判決の理由は遺族補償年金の目的と支給の仕組みに基づくものであり,自賠責保険金には及んでいない。
平成22年9月13日判決でも,年金給付等は元本と調整した一方で,結論として,自動車損害賠償責任保険契約に基づく損害賠償額の支払の日の翌日である平成17年4月1日からの遅延損害金を認めている(充当方法を理由中で論じたものではない)。
したがって,死亡事故で自賠責保険金と遺族補償年金の双方を受け取った場合,自賠責保険金は支払時までの遅延損害金にまず充当し,遺族補償年金は不法行為の時に逸失利益の元本を塡補したものとして扱うことになる。
自賠責保険金と任意保険の支払の充当の違いは,交通事故の既払金は元本と遅延損害金のどちらに充当されるかで説明している。
第6 計算例
1 設例
令和3年4月1日に業務中の交通事故で被害者が死亡し,相続人は配偶者一人であるとする。
事故日が令和2年4月1日以後なので,遅延損害金の利率は年3%である(利率の決まり方は遅延損害金の利率は年3%か年5%かを参照)。
損害は,逸失利益(元本)5,000万円と慰謝料2,000万円の合計7,000万円とする。
配偶者は遺族補償年金を受け取っており,口頭弁論終結時までに支給され又は支給が確定した額は合計500万円とする。
計算を単純にするため,事故日から加害者の支払日までの期間を1,095日(3年)とし,日割りは365日で割る。
過失相殺,葬儀費用,弁護士費用その他の損害は考えない。
2 平成27年判決の方法(元本と調整)
遺族補償年金500万円は,事故日に逸失利益の元本を塡補したものと扱う。
逸失利益の元本は5,000万円-500万円=4,500万円となり,損害元本の合計は4,500万円+2,000万円=6,500万円となる。
遅延損害金は,6,500万円×3%×1,095日÷365日=585万円である。
加害者の支払額は,6,500万円+585万円=7,085万円となる。
遺族補償年金500万円に相当する部分には,事故日から年金の支給日までの遅延損害金が発生しない。
3 平成16年判決の方法(遅延損害金に先に充当)
比較のため,平成27年判決前の方法で,遺族補償年金500万円を支払日にまとめて遅延損害金に充当したと単純化して計算する。
支払日までの遅延損害金は,7,000万円×3%×1,095日÷365日=630万円である。
遺族補償年金500万円を遅延損害金に充当すると,遅延損害金の残りは130万円となり,元本7,000万円はそのまま残る。
加害者の支払額は,7,000万円+130万円=7,130万円となる。
実際には年金は偶数月に分けて支給されるので,支給のつど遅延損害金への充当を計算することになる。
4 差額の意味
二つの方法の差額は,7,130万円-7,085万円=45万円である。
これは,年金500万円に相当する元本に対する3年分の遅延損害金(500万円×3%×3年)に当たる。
また,判決後に支払が遅れた場合,平成27年判決の方法では6,500万円に,平成16年判決の方法では7,000万円に遅延損害金が付くので,差は時間の経過とともに広がる。
請求の趣旨では,損害元本から遺族補償年金を控除した残額について,事故日(死亡日)から支払済みまでの遅延損害金を求めることになる。
遅延損害金の起算日の一般論は,不法行為・交通事故の遅延損害金はいつから発生するかを参照してほしい。
第7 実務上の確認事項
1 遺族厚生年金を元本と調整するときの主張
遺族厚生年金について,被害者側が平成16年判決を根拠に遅延損害金への先充当を主張し,加害者側が平成27年判決・平成22年9月13日判決の考え方による元本との調整を主張する場面が考えられる。
最高裁の直接の判断が確認できない以上,いずれの立場をとる場合も,平成27年判決が「抵触する限度」で平成16年判決を変更したことの意味と,遺族厚生年金の目的・支給の仕組みを具体的に論じる必要がある。
2 労災保険給付と損益相殺全般
損益相殺の対象となる給付・ならない給付,過失相殺との順序等の全般は,損益相殺とは―労災保険給付・年金・保険金の控除と計算順序で扱っている。
遺族補償給付を含む労災保険の給付の種類と金額は,労災保険の給付内容―給付の種類,金額及び令和8年改正を参照してほしい。
労災保険や公的年金の支給が見込まれる事案で示談をするときの注意点は,労災保険又は障害年金を支給される可能性がある事案における示談で説明している。
第8 関連記事
①遅延損害金に関するメモ書き
②不法行為・交通事故の遅延損害金はいつから発生するか―事故日起算,弁護士費用及び損害費目ごとの起算日
③遅延損害金の利率は年3%か年5%か―令和2年4月1日の経過措置,商事法定利率の廃止及び3年ごとの見直し
④交通事故の既払金は元本と遅延損害金のどちらに充当されるか―自賠責保険金と任意保険の支払の違い
⑤労災保険給付と自賠責保険の直接請求が競合する場合―最高裁平成30年9月27日判決と国への支払の効力
⑥損益相殺とは―労災保険給付・年金・保険金の控除と計算順序
⑦労災保険の給付内容―給付の種類,金額及び令和8年改正
⑧交通事故の将来介護費と公的給付――日額,平均余命,余命短縮,定期金及び年金・労災・介護保険・NASVA介護料の控除
⑨労災保険又は障害年金を支給される可能性がある事案における示談
⑩交通死亡事故の損害額
第9 出典・参考資料
1 法令
①民法489条1項,709条(e-Gov法令検索で令和8年9月19日に確認)
②労働者災害補償保険法1条,9条3項,16条,16条の2,16条の3,16条の4(同上)
③厚生年金保険法36条3項,58条,59条1項(同上)
2 裁判例
①最高裁判所第二小法廷平成11年10月22日判決(平成9年(オ)第434号,民集53巻7号1211頁)
②最高裁判所第二小法廷平成16年12月20日判決(平成16年(受)第525号,集民215号987頁)
③最高裁判所第一小法廷平成22年9月13日判決(平成20年(受)第494号,民集64巻6号1626頁)
④最高裁判所第二小法廷平成22年10月15日判決(平成21年(受)第1932号,集民235号65頁)
⑤最高裁判所大法廷平成27年3月4日判決(平成24年(受)第1478号,民集69巻2号178頁)
3 文献
①甘利公人・島智久「不法行為による死亡の際の労災保険法に基づく給付と損害賠償との損益相殺的な調整と損害が填補されたと評価すべき時期」共済と保険2016年9月号23頁~29頁(平成27年判決の射程については27頁)