第1 この記事の対象と結論
1 対象と基準日
本記事は,成年後見・保佐・補助(以下「後見等」という。)の事件記録を,後見人等,本人,親族,相続人等が家庭裁判所で閲覧し,又は謄写(コピー)する手続と,後見人等が提出書類に含まれる情報を一定の者に見せたくない場合に行う「非開示の申出」について,大阪家庭裁判所の運用を中心に説明するものである。
基準日は令和8年9月19日であり,法令は同日時点の現行条文をe-Gov法令検索で確認した。
令和8年法律第45号(民法等の一部を改正する法律)による改正後の条文は,法務省の新旧対照条文,法律案本文及びe-Gov法令検索の未施行版で確認した。
素材として,大阪家庭裁判所後見センター編『大阪家庭裁判所後見センターだより』(大阪弁護士協同組合,2025年。以下「本書」という。)309頁~317頁を用いた。
本書は,月刊大阪弁護士会の連載を再編したものであり,原則として各回の初出当時の運用を記載したものである(本書1頁)。
本記事で扱う部分は,連載第33回(令和4年12月号初出)の「事件記録の閲覧謄写について,非開示希望の申出について」(本書309頁~316頁)と,連載第20回(令和2年8月号初出)の小窓「非開示希望の申出」(本書317頁)である。
大阪家庭裁判所の現在の運用は,同庁の成年後見のページ,「成年後見人・保佐人・補助人ハンドブック(Q&A付き)」(令和8年2月1日版。以下「大阪家裁ハンドブック」という。),現在掲載されている「非開示の申出書(後見事件用)」等で確認できた範囲で書き,確認できなかった点は本書の記載として区別する。
2 結論
①後見等事件の記録は,家事事件手続法47条により,「当事者」又は「利害関係を疎明した第三者」が,家庭裁判所の許可を得て閲覧・謄写を請求できる。
②後見等事件で「当事者」に当たるのは基本的に申立人(及び参加人)であり,本人は申立人又は参加人でない限り当事者ではない。
当事者の申立ては原則として許可され(同条3項),却下されれば即時抗告ができる(同条8項)。
③後見人等,後見監督人等,本人,親族,相続人等は「利害関係を疎明した第三者」として申し立てることになり,家庭裁判所が相当と認めるときに許可される(同条5項)。
却下されても即時抗告はできない。
④本書によれば,弁護士が後見人等として申し立てた場合は相当広範囲で許可されている一方,親族の手続代理人として申し立てた場合とは許可される範囲が異なる。
⑤後見等の記録は,開始事件,監督事件,報酬付与事件等の事件ごとに作られ,当事者に当たるかどうかも事件ごとに判断される。
最高裁令和4年6月20日決定を踏まえると,開始事件の申立人であっても,開始後に後見人等が提出した財産目録や報告書については第三者として申し立てるにとどまると考えられる。
⑥大阪家裁ハンドブックは,本人や親族から閲覧謄写の請求があった場合,特別の事情がある場合を除いて裁判官が許可をすれば閲覧・コピーができるとし,後見人等に対し,見られる可能性を前提に書類を作成するよう求めている。
⑦開示されたくない情報(本人・親族の住所,居所,就業場所,虐待に至る経緯等)があるときは,大阪家庭裁判所の「非開示の申出書(後見事件用)」を提出する。
申出は書類を提出する都度必要であるが,現在の書式では,既に提出した書面を日付や名称で特定して申し出ることもできる。
⑧非開示の申出は,家庭裁判所が閲覧謄写の許否を判断する際の資料であって,必ず非開示になるわけではない。
⑨これとは別に,家事事件手続法38条の2により,民事訴訟法の住所・氏名等の秘匿制度が家事事件にも一部準用されている。
⑩令和8年改正は家事事件手続法47条の文言を変えていない。
他方,民事関係手続のIT化に伴う改正により,同条は「非電磁的家事審判事件記録」の閲覧等の規定に改められ,電磁的記録の閲覧等の規定(47条の2)が新設される予定である(基準日現在は未施行)。
第2 家事事件手続法47条の仕組み
1 手続の非公開と記録の閲覧等
家事事件手続法33条は,「家事事件の手続は、公開しない。ただし、裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。」と定める。
後見等の事件記録には,本人の病状,財産,家族関係,施設や住所等の情報が多く含まれるから,誰でも自由に見られるものではない。
他方で,後見人等が事務を行うには過去の記録を把握する必要があり,本人や親族にとっても,記録は自分に関わる情報に接する重要な手段である。
本書309頁は,閲覧等の要請とプライバシー等の利益との調整を図るのが家事事件手続法の閲覧等の規律であると説明している。
家事事件手続法47条1項は,「当事者又は利害関係を疎明した第三者は、家庭裁判所の許可を得て、裁判所書記官に対し、家事審判事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は家事審判事件に関する事項の証明書の交付(第二百八十九条第六項において「記録の閲覧等」という。)を請求することができる。」と定める。
後見開始,後見人の選任・解任,報酬の付与,後見の事務の監督等は,いずれも同法別表第一に掲げる家事審判事件であるから,その記録の閲覧等はこの規定による。
請求できる者は「当事者」と「利害関係を疎明した第三者」の2種類であり,どちらに当たるかによって,許可の基準と不服申立ての可否が大きく異なる(後記第3・第4)。
2 許可を要しない審判書等の交付
家事事件手続法47条6項は,「審判書その他の裁判書の正本、謄本若しくは抄本又は家事審判事件に関する事項の証明書については、当事者は、第一項の規定にかかわらず、家庭裁判所の許可を得ないで、裁判所書記官に対し、その交付を請求することができる。審判を受ける者が当該審判があった後に請求する場合も、同様とする。」と定める。
後段の「審判を受ける者」には当事者でない者も含まれるから,例えば,後見人に選任された者が選任の審判書の謄本を改めて必要とする場合は,許可の申立てを経ずに交付を請求できると考えられる。
審判書以外の記録(申立書,診断書,財産目録,報告書等)については,原則どおり許可が必要である。
3 録音テープ等と執務上の制限
家事審判事件の記録中の録音テープ又はビデオテープ等については,閲覧・謄写ではなく,許可を得て複製を請求する(家事事件手続法47条2項)。
また,同条7項は,「家事審判事件の記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、家事審判事件の記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。」と定める。
4 手数料と申請書式
民事訴訟費用等に関する法律7条及び別表第三の1の項は,事件の記録の閲覧,謄写,複製又は複写の手数料を「一件につき百五十円」とし,「事件の係属中に当事者等が請求するもの」を除いている。
後見人等や親族は後記第4のとおり当事者ではない立場で申し立てることが多いから,通常はこの手数料が必要になると考えられる。
謄写の方法や費用の詳細は,申請先の家庭裁判所に確認するのが確実である。
大阪家庭裁判所は,「その他書式(各種申請書等の書式)」のページに「閲覧・謄写申請書(家事事件用)」を掲載している。
その書式は「家事事件記録等閲覧・謄写票」という表題で,事件番号,申請区分(閲覧・謄写・複製),申請人の資格(当事者・代理人・利害関係人・その他),閲覧等の目的,閲覧等の部分を記入し,印紙欄に所定額の印紙を貼る様式である。
裁判所のウェブサイトに残っている大阪家裁本庁後見センターの「よくある質問(FAQ)」(PDFの更新日は令和2年5月26日)は,後見人が提出した書面を見たい場合について,後見センターの窓口で申請書に記入して提出し,裁判官が許可すれば閲覧・謄写ができること,親族であるからといって誰に対しても許可されるわけではなく,記録の一部に限って許可される場合もあること,許可されたかどうかは後日電話か書面で連絡することを説明している。
このFAQは現在の成年後見のページからはリンクされておらず,現在も同じ取扱いであるかは確認できなかった。
第3 「当事者」からの申立て
1 後見等事件の「当事者」は誰か
本書310頁は,家事事件手続法の「当事者」は形式的な意味での当事者である申立人及び相手方を指すところ,後見等事件では対立当事者である相手方が想定されないため,当事者といえば基本的に当該事件の申立人を指すと説明している。
当事者参加人と利害関係参加人も,当事者と同じ権能により閲覧等の請求ができる。
家事事件手続法42条7項は,利害関係参加人が当事者のすることができる手続行為(申立ての取下げ等を除く。)をすることができると定めている。
もっとも,本書310頁は,後見等事件で参加の実例は少ないとしている。
注意すべきなのは本人の地位である。
本書310頁は,本人は審判の効力を受ける立場ではあるが,申立人又は参加人でない限り当事者には当たらないとしている。
したがって,本人が記録の閲覧等を求める場合は,後記第4の「利害関係を疎明した第三者」として申し立てることになる。
2 原則許可と不許可事由
(1) 条文
家事事件手続法47条3項は,「家庭裁判所は、当事者から前二項の規定による許可の申立てがあったときは、これを許可しなければならない。」と定める。
本書310頁は,当事者にとって記録の閲覧等は自らの主張や裁判資料の提出等の手続行為の前提となるもので,手続追行上重要な意義を有するから,原則として許可しなければならないとされていると説明している。
例外として,同条4項は,「家庭裁判所は、事件の関係人である未成年者の利益を害するおそれ、当事者若しくは第三者の私生活若しくは業務の平穏を害するおそれ又は当事者若しくは第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより、その者が社会生活を営むのに著しい支障を生じ、若しくはその者の名誉を著しく害するおそれがあると認められるときは、前項の規定にかかわらず、同項の申立てを許可しないことができる。事件の性質、審理の状況、記録の内容等に照らして当該当事者に同項の申立てを許可することを不適当とする特別の事情があると認められるときも、同様とする。」と定める。
本書は,この列挙事由を「不許可事由」と呼んでいる。
(2) 後見等事件での例
本書310頁は,不許可事由の例として,本人が親族から虐待を受けていたため居所を明かせない場合や,親族間紛争が激しく,一方親族の住所等を明かすと対立親族からの攻撃的な言動が予想される場合を挙げている。
例えば,親族の一人が後見開始を申し立てたが,その申立人から本人が虐待を受けていた疑いがあり,本人が施設に保護されている場合には,申立人は当事者であっても,施設名や所在地が記載された部分については許可されないことがあり得る。
3 却下に対する即時抗告
当事者がした閲覧等の許可の申立てを却下した裁判に対しては,即時抗告をすることができる(家事事件手続法47条8項)。
ただし,その即時抗告が家事審判の手続を不当に遅滞させることを目的としてされたものであると認められるときは,原裁判所はその即時抗告を却下しなければならず(同条9項),この却下の裁判に対しても即時抗告ができる(同条10項)。
第4 「利害関係を疎明した第三者」からの申立て
1 誰が第三者として申し立てるか
本書311頁は,申立人が利害関係を疎明した第三者に当たるかは家庭裁判所が事案に応じて判断するとした上で,後見人等や後見監督人等は事務遂行のために事件記録の閲覧が必要であるから利害関係が認められ,利害関係を疎明した第三者として閲覧等の許可を申し立てることになるとしている。
そのほか,実務上,本人,親族,本人の破産管財人,本人死亡後の相続人や相続財産管理人,本人の相続人の不在者財産管理人等が,利害関係を疎明した第三者として申し立てる例がみられるとしている。
本書の「相続財産管理人」は,令和5年4月1日施行の改正後は,民法897条の2の相続財産の管理人又は民法952条の相続財産の清算人と読むことになる。
2 相当と認めるときの許可
家事事件手続法47条5項は,「家庭裁判所は、利害関係を疎明した第三者から第一項又は第二項の規定による許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。」と定める。
本書311頁は,当事者のような手続保障の要請がないことから,原則許可するという定めにはなっておらず,許否の判断は事案に応じた家庭裁判所の適正な裁量に委ねられていると説明している。
(1) 後見人等として申し立てる場合
本書311頁は,弁護士が後見人等として閲覧等の許可を申し立てたときは,実務上,相当広範囲で許可しているものと思われるとし,その理由を,後見人等が適切に後見等事務を遂行するためには本人の個人的な情報を広く,正しく把握することが必要不可欠と考えられるからであると説明している。
同頁の注3は,実感としては,ほとんど制限なく閲覧等を許可している印象であるとまで述べている。
例えば,前任の後見人から交代して就任した場合や,後見監督人から後見人に変わった場合には,開始事件の申立書,診断書,鑑定書,親族の意見書,過去の定期報告等を閲覧・謄写して,本人の生活歴,財産の内容,親族関係の経緯を把握しておくことが考えられる。
後見人等の交代の手続は成年後見人等の辞任と交代――正当な事由,後任選任の同時申立て,市民後見人へのリレーで扱う。
(2) 親族等の立場で申し立てる場合
本書311頁は,同じ利害関係を疎明した第三者であっても,弁護士がその他の立場(親族の手続代理人等)で閲覧等の許可を申し立てた場合とは,おのずと許可される範囲は異なるとしている。
つまり,許可の範囲は申立代理人が弁護士であるかどうかではなく,誰の立場で,何のために閲覧するのかによって決まる。
他方,大阪家裁ハンドブック35頁は,初回報告の必要書類の説明の中で,「本人や親族から裁判所が保管している記録の閲覧謄写の請求があった場合、特別の事情がある場合を除いて、裁判官が許可をすれば、本人や親族は、それを見たり、そのコピーをとることができます。」と述べ,同36頁~37頁の定期報告の説明でも同じ趣旨を述べている。
この記載は後見人等に向けた注意喚起であり,本人や親族からの請求が常に許可されることを約束するものではないが,後見人等の側は,本人や親族が報告書や財産目録を見る可能性があることを当然の前提として事務を行う必要がある。
3 即時抗告はできない
家事事件手続法47条8項が即時抗告を認めているのは,同条3項の申立て,すなわち当事者からの申立てを却下した裁判だけである。
本書311頁も,利害関係を疎明した第三者の閲覧等許可申立てを却下した裁判に対しては,即時抗告をすることができないとしている。
したがって,後見人等,本人,親族,相続人等の申立てが却下され,又は一部しか許可されなかった場合,その裁判に対して不服を申し立てる手段はない。
閲覧の必要性や利害関係は,最初の申立ての段階で具体的に説明しておくことが重要である。
第5 事件ごとに記録が分かれることの意味
1 積み重なる後見等事件
本書312頁は,後見等事件は,後見等開始審判申立事件に始まり,職権で立件される監督処分事件,後見人等が申し立てる報酬付与申立事件や居住用不動産処分許可申立事件等,様々な事件が積み重なっていくという特徴があるとしている。
家事事件手続法別表第一でみても,後見開始(1の項),成年後見人の解任(5の項),成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可(11の項),成年後見人又は成年後見監督人に対する報酬の付与(13の項),成年後見の事務の監督(14の項)は,それぞれ別の審判事項である。
成年後見の事務の監督の根拠である民法863条1項は,「後見監督人又は家庭裁判所は、いつでも、後見人に対し後見の事務の報告若しくは財産の目録の提出を求め、又は後見の事務若しくは被後見人の財産の状況を調査することができる。」と定めている。
毎年の定期報告で提出される後見等事務報告書や財産目録は,この監督の事件の記録に綴られることになる。
2 当事者性は事件ごとに判断される
本書312頁は,これらはいずれも同一の本人に関する後見等の事件であるが,あくまで個別の事件であり,事件ごとに事件記録が作成されるから,申立人が「当事者」と「利害関係を疎明した第三者」のいずれに当たるかは事件ごとに判断されるとしている。
職権で立件された監督処分事件のように,当事者がいない事件もある。
そのため,後見等開始審判申立事件の申立人であっても,自身が申し立てていないその後の事件の記録については,利害関係を疎明した第三者として申し立てることができるにとどまり,却下されても不服申立てはできない。
3 事実の調査がされた部分
本書312頁~313頁は,別事件の記録であっても,家庭裁判所がその記録について事実の調査(家事事件手続法56条以下)を行った場合には,調査した部分は当該事件の判断の基礎となり,その記録の一部として扱われるから,その部分については当事者として閲覧等を請求できるとしている。
例えば,親族が後見人の解任を申し立て,家庭裁判所が別事件である監督処分事件の記録中の財産目録を解任事件の判断資料として事実の調査をした場合,解任事件の申立人はその財産目録について当事者として閲覧等を請求できる。
解任の事由と手続は成年後見人の解任理由で扱っている。
なお,家庭裁判所は,事実の調査の結果をすべて当事者に伝えるわけではない。
家事事件手続法63条は,「家庭裁判所は、事実の調査をした場合において、その結果が当事者による家事審判の手続の追行に重要な変更を生じ得るものと認めるときは、これを当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。」と定める。
本書313頁の注4は,解任事件の申立人が後見人の財産管理の不正を解任事由として主張していたところ,これを否定する内容の別事件の財産目録等について事実の調査をした場合に,反論や追加資料提出の機会を与えるため,申立人に当該事実の調査の結果を通知することが考えられるとしている。
4 最高裁令和4年6月20日決定
(1) 事案
最高裁令和4年6月20日決定(令和3年(許)第13号,民集76巻5号1146頁)は,記録の範囲と当事者性の関係について判断した許可抗告事件である。
決定文によれば,抗告人は,令和2年10月,千葉家庭裁判所に実母についての後見開始の審判を申し立て,同年11月に申立ての趣旨を保佐開始に変更するとともに,財産の管理者の選任等を求める審判前の保全処分を申し立てた。
家庭裁判所は弁護士を財産の管理者に選任するなどの審判をし,その後,財産の管理者は,管理すべき財産の目録及び財産の状況についての報告書を家庭裁判所に提出した。
抗告人がこれらの書面一式の謄写の許可を申し立てたところ却下され,即時抗告も,抗告人は当事者に該当しないとして却下され,原審(東京高等裁判所)もこれを是認した。
(2) 判断
最高裁は,保佐開始の審判事件を本案とする財産の管理者の選任等の保全処分は,保佐開始の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間,暫定的に法律関係を形成して被保佐人となるべき者の保護を図ることを目的とするものであるから,その保全処分の事件は,保全処分を命ずる審判の確定により終了するというべきであるとした。
その上で,財産の管理者が提出する財産の目録及び財産の状況についての報告書は,選任後の財産管理事務の適正を期することを目的として提出を求められるものであるから,保全処分の事件についての裁判所及び当事者の共通の資料となり得るものではないとし,これらの書面は保全処分の事件の記録には当たらないと判断した。
したがって,謄写の許可の申立ては第三者からの申立てであり,これを却下した裁判に対する即時抗告は不適法であるとして,抗告を棄却した。
裁判所ウェブサイトの裁判要旨は,「保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において選任された財産の管理者が家庭裁判所に提出したその管理すべき財産の目録及び財産の状況についての報告書は、上記保全処分の事件の記録には当たらない。」としている。
財産の管理者の制度は後見等開始の審判前の保全処分で扱っている。
5 後見等開始事件の申立人への当てはめ
本書314頁は,この決定は保佐開始の審判前の保全処分に関するものであるが,後見等開始審判申立事件においても同様の問題が考えられるとしている。
すなわち,後見等開始審判申立事件は後見等を開始して本人を保護する目的で申し立てられるものであるから,後見等開始の審判が確定すればその目的は達成され,同事件は終了する。
そうすると,審判確定後に後見人等が家庭裁判所に提出する財産目録,報告書,連絡票等は,後見等開始審判申立事件の記録に当たらないと考えるべきであり,開始事件の申立人がこれらの書面の閲覧等を求めても,利害関係を疎明した第三者として申し立てることができるにとどまり,却下されても不服申立てはできないと考えられる,というのが本書の見解である。
この見解は本書(連載第33回・令和4年12月号初出)の大阪家庭裁判所後見センターの見解であり,後見等開始事件そのものについて最高裁が判断したものではない。
もっとも,最高裁の決定の論理(保護を目的とする手続は審判の確定により終了し,その後の管理事務の適正のために提出される書面は別の手続の資料である)は,後見等開始事件にもそのまま当てはまると考えられる。
第6 後見人等の側からみた情報管理
1 記録は見られる前提で作る
本書316頁は,後見等は同一の本人について異なる時点・理由により様々な事件記録が積み重なっていくものであり,事件の係属中だけでなく終局後であっても,関係者が事件記録の内容について重要な利害を有することがあるから,後見人等は,様々な関係者が事件記録にアクセスする可能性があることを念頭に置いて情報管理に留意することが重要であるとしている。
大阪家裁ハンドブック35頁は,「後見等事務報告書等の書類や資料は、本人や親族に見られたり、コピーをされる可能性があることに留意して、作成してください。」とし,同37頁も財産目録等について同じ注意をしている。
後見等事務報告書の書き方そのものは令和7年4月全国統一書式による後見等事務報告書・報酬付与申立事情説明書の書き方で扱っている。
本書317頁(連載第20回・令和2年8月号初出)は,毎年提出される後見等事務報告書,財産目録,添付資料等には,本人の住所,入所施設名が記載されていたり,後見人等の職務方針が記載されていたりする場合も多いとし,特に虐待事案や親族間紛争が激しい事案では,非開示を希望する情報が含まれていないかを確認するよう求めている。
報告書に親族への評価や親族との対立の経過を書く場合は,その記載がそのまま親族の目に触れ得ることを前提に,事実を中心に簡潔に書くのが無難である。
2 不要な個人情報を出さない
本書314頁は,家庭裁判所へ書類を提出するに当たっては,まず書類に不要な個人情報が含まれていないかを確認し,不要な個人情報を事件記録に登場させないことが大原則であるとして,マイナンバーを例に挙げ,必要に応じてマスキング等の処理を施した上で提出することも検討するよう求めている。
大阪家裁ハンドブック34頁も,住所変更等の際に提出する住民票について「マイナンバーの記載がないもの」を求めている。
非開示の申出をするより前に,そもそも記録に載せないことが最も確実な情報管理である。
3 非開示の申出
(1) 対象となる情報
本書315頁は,専門職後見人又は申立手続代理人として,家庭裁判所への提出書類の中に一定の者に対し開示しないことを希望する情報(非開示希望情報)がある場合は,非開示希望の申出をすることになるとしている。
実務上,非開示希望情報としては,本人又は親族の住所,居所,就業場所等が多くみられ,申立ての背景に本人の虐待がある事案などでは,申立てに至る経緯の全部又は一部が非開示希望情報とされることもあるという。
また,後見等の事件記録には,申立書や報告書だけでなく,診断書,調査報告書,官公庁からの照会資料,財産目録及び添付資料等にも,個人情報や申立てに至る経緯に関する情報が断片的に記載されていることがあるので,改めて確認するよう求めている。
本書296頁(連載第24回・令和3年4月号初出)も,未成年後見に限らず,虐待案件等で住所や居所等を秘匿する必要性が高い事案は少なくないとして,申立ての段階から非開示の申出を検討するよう求めている。
(2) 申出書の記載事項
本書315頁は,申出書に非開示希望情報の範囲,非開示とする相手,非開示を希望する理由を記載して行うとし,非開示希望情報が具体的に特定されていない場合は,閲覧等請求に対する家庭裁判所の判断や家庭裁判所における非開示希望情報の管理に支障を来す可能性があるため,具体的に特定するよう求めている。
大阪家庭裁判所の成年後見のページには,現在,「非開示の申出書(後見事件用)」がPDFとWordの形式で掲載されている(PDFの右上の版表示は「R041001」)。
その書式は,非開示を希望する対象として,①別添の書面の全部,②別添の書面のうちマーカーで色付けした部分,③既に提出した書面(日付・作成者・名称で特定する。)の全部,④既に提出した書面のうち特定の部分の4つから選び,非開示とする相手として「利害関係人」又は特定の人物名を選んだ上で,非開示を希望する理由を記載する様式である。
書面の一部について非開示を希望する場合は該当部分をマーカー等で色付けし,非開示を強く求める書面は申出書の下にステープラーで留めて一体にして提出するよう指示されている。
4 提出の都度の申出と既提出書面の特定
本書315頁及び317頁は,非開示希望の申出は,非開示希望情報を含む書類を提出する都度,個別に行う必要があるとし,例えば,昨年の報酬付与申立時に申出をしていても,今年の報酬付与申立時に申出がない場合は,同じ情報が記載されていても,今年の提出分について当然に非開示希望がされているのと同じ扱いにはならないと注意している。
毎年の定期報告,報酬付与の申立て,各種の許可申立ての際に,そのたびに申出書を添付するのが基本である。
もっとも,現在の書式は,既に提出した書面を日付や名称で特定して非開示を申し出る欄を設けている。
申出を付け忘れた書類がある場合は,後から既提出書面を特定して申し出ることができると考えられる。
ただし,申出の前に閲覧等が許可されてしまえば取り返しがつかないから,提出の時点で申し出るのが原則であることに変わりはない。
5 申出の効果と限界
本書315頁~316頁は,非開示希望の申出及びその内容は,家庭裁判所が閲覧等の許否を判断するに当たっての判断材料となり,当事者の申立てにあっては不許可事由に当たるかどうかを判断するための資料,利害関係を疎明した第三者の申立てにあっては開示を相当と認める範囲を判断するための資料となるとしている。
その上で,申出の内容や非開示を希望するに至った事情を十分に考慮して許否を判断しているが,手続における申立人の利害や手続保障の重要性に鑑み,必ずしも要望どおりに非開示情報として扱われるとは限らないこと,従前非開示情報として閲覧等を不許可としていた情報であっても,事情の変化や手続における重要性等に鑑み,非開示情報として扱われなくなる場合もあり得ることを注意している。
現在の申出書の注記も,「当事者ではない利害関係人に対しては原則非開示ですが,例外的に裁判官が閲覧・謄写請求を許可することがあります。」,「本書面を提出した場合でも,裁判官の判断で許可することがあります。」としている。
つまり,非開示の申出は,家庭裁判所に判断材料を提供するものであって,閲覧等を法的に禁止する効果を持つものではない。
なお,本書316頁の注5は非開示を希望する必要がなくなったときは申出の撤回を考慮すべきであるとし,現在の申出書の注記も,非開示を希望する理由がなくなった場合は裁判所に撤回の連絡をするよう求めている。
第7 親族・相続人の側からみた閲覧謄写
1 親族
後見人等は,親族に対して後見事務の内容を説明する法律上の義務を負うわけではない。
親族の意向の法的な位置付けは成年後見事件における親族の意向の取扱いで扱っている。
もっとも,親族は,利害関係を疎明した第三者として家事事件手続法47条5項により記録の閲覧等の許可を申し立てることができ,後見人等の説明がなくても,許可を得れば報告書や財産目録を見ることができる。
他方で,前記第4の3のとおり,許可されなかった場合に不服を申し立てる手段はない。
申立てに当たっては,本人との関係,閲覧を必要とする具体的な理由(例えば,本人の財産が適切に管理されているかを確認し,必要であれば解任の申立てを検討したいこと)と,閲覧を求める記録の範囲を具体的に書くことが考えられる。
なお,記録の閲覧とは別に,本人の配偶者又は四親等内の親族は,法務局で後見登記の登記事項証明書の交付を請求できる(後見登記等に関する法律10条1項3号)。
後見人等が誰であるか,代理権の範囲等は,この証明書で確認できる。
2 本人死亡後の相続人
本人が死亡すると後見等は終了し,後見人等は管理していた財産を相続人に引き継ぐ。
相続人は,引き継がれた財産の内容を確認するため,又は後見人等の管理に問題がなかったかを確認するため,記録の閲覧等を求めることがある。
本書311頁は,本人死亡後の相続人や相続財産管理人が利害関係を疎明した第三者として申し立てる例がみられるとしている。
後見等が終了した後であっても,相続人は,その事件の申立人であった場合を除き,第三者として許可を得る必要があり,却下されても即時抗告はできない。
本人死亡後に後見人等が家庭裁判所へ提出する書類は本人死亡後に成年後見人が家庭裁判所へ出す報告書類――死亡の連絡,死亡時3点セット,収支報告書,引継書と期限で,後見人等が死亡後にできる事務は成年被後見人が死亡した後に元後見人ができることで扱っている。
3 解任を求める場合
親族が後見人の財産管理に疑問を持つ場合,まず第三者として監督の事件の記録の閲覧等を申し立てることが考えられる。
解任の申立て(民法846条)をした後は,解任事件の申立人は解任事件の当事者であり,その記録については当事者として閲覧等を請求できる。
前記第5の3のとおり,家庭裁判所が監督の事件の財産目録等を解任事件で事実の調査の対象とした場合には,その部分も解任事件の記録として当事者の立場で閲覧等を請求できる。
第8 秘匿制度との違い
1 家事事件手続法38条の2
本書316頁は,令和5年2月に施行された改正民事訴訟法133条以下(令和4年法律第48号)により,当事者間における氏名等の秘匿制度が設けられ,家事事件にも一部適用されていると紹介し,対立当事者が想定されない後見等事件でこの制度が利用される場面はあまりないかもしれないが,非開示希望の申出との間で要件・効果の違いを検討して,事案にふさわしい手続を利用するよう求めている。
家事事件手続法38条の2は,家事事件の手続における申立て等について,民事訴訟法133条,133条の2第1項並びに133条の4第1項から第3項まで,第4項(第1号に係る部分に限る。)及び第5項から第7項までの規定を準用している。
民事訴訟法133条1項は,申立て等をする者又はその法定代理人の住所,居所その他その通常所在する場所の全部又は一部が当事者に知られることによって,その者が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあることにつき疎明があった場合には,裁判所は,申立てにより,決定で,住所等の全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができるとし,氏名等についても同様とする。
秘匿決定があると,届け出た部分の閲覧等を請求できる者は秘匿対象者に限られる(民事訴訟法133条の2第1項の準用)。
家事事件では,同法133条1項の「当事者」は,当事者若しくは利害関係参加人又はこれらの者以外の審判を受ける者となるべき者と読み替えられている。
また,秘匿事項届出部分以外の部分について閲覧等の制限を求める民事訴訟法133条の2第2項は準用されていない。
2 非開示の申出との比較
| 項目 | 非開示の申出 | 秘匿決定 |
|---|---|---|
| 根拠 | 法律上の制度ではなく大阪家裁の運用(書式あり) | 家事事件手続法38条の2,民事訴訟法133条 |
| 対象となる情報 | 住所,居所,経緯等に限定されない | 申立て等をする者又はその法定代理人の住所等・氏名等 |
| 要件 | 非開示を希望する理由の記載 | 社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれの疎明 |
| 効果 | 閲覧等の許否を判断する資料になる | 届出部分の閲覧等は秘匿対象者に限られる |
後見等事件では,秘匿したい情報の多くは本人や親族の住所,施設名,申立てに至る経緯等であり,後見人等自身が申立て等をする者として住所等を秘匿する場面は少ない。
本書の指摘どおり,通常は非開示の申出で対応し,秘匿制度は,例えば,申立人自身がDV等の被害を受けていて住所を他の親族に知られたくない場合など,要件を満たす例外的な場面で検討することになると考えられる。
第9 本書の記述と現在の違い
本書309頁~317頁の記述は,家事事件手続法47条の各項,38条の2,56条及び63条について,基準日現在の条文と食い違いはない。
変わった点,補足が必要な点は次のとおりである。
①本書311頁の「相続財産管理人」は,令和5年4月1日施行の改正後は,民法897条の2の相続財産の管理人又は民法952条の相続財産の清算人と読む。
②本書は最高裁令和4年6月20日決定の掲載誌を記載していないが,同決定は民集76巻5号1146頁に掲載され,裁判所ウェブサイトにも掲載されている。
③本書315頁・317頁は申出を「提出の都度」行うよう求めているが,現在の申出書(R041001版)は,既に提出した書面を日付や名称で特定して申し出る欄を設けている。
④本書317頁は申出書の書式が後見サイトに掲載されているとするが,現在は大阪家庭裁判所の成年後見のページの「申立書の書式及び記載例のダウンロード」欄に掲載されている。
⑤大阪家裁ハンドブック(令和8年2月1日版)は,本人や親族からの閲覧謄写について,特別の事情がある場合を除いて裁判官が許可すれば閲覧・コピーができると明記しており,本書よりも後見人等への注意喚起が具体的になっている。
第10 今後の法改正
1 令和8年改正
令和8年法律第45号により,法定後見は補助に一元化され,後見と保佐は廃止される。
成年後見の部分の施行日は公布の日(令和8年6月24日)から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日であり(同法附則1条),基準日現在,施行されておらず,施行期日を定める政令も公布されていない。
e-Gov法令検索の未施行版で確認したところ,家事事件手続法47条,42条及び63条の文言はこの改正によって変わらない。
したがって,改正後も,補助開始の事件,補助の事務の監督の事件等の記録について,当事者と利害関係を疎明した第三者を区別する同じ枠組みが適用される。
改正後の民法876条の20第1項は,「補助監督人又は家庭裁判所は、いつでも、補助人に対し補助の事務の報告若しくは財産の目録の提出を求め、又は補助の事務若しくは補助開始の審判を受けた者の財産の状況を調査することができる。」と定め,現行の民法863条1項に相当する監督の規定を補助に置いている。
また,改正後の民法876条の21第1項は,「補助人は、家庭裁判所の定めるところにより、毎年一回一定の時期に、補助開始の審判を受けた者の状況その他家庭裁判所の命ずる事項を家庭裁判所に報告しなければならない。」と定め,毎年の報告を法律上の義務としている。
後見人等が毎年提出する書類が記録に積み重なり,本人や親族の閲覧の対象となり得ることは,改正後も変わらないことになる。
経過措置として,施行日前に後見開始の審判を受けた成年被後見人とその成年後見人等については,原則として従前の例による(改正法附則2条1項)。
家事審判の手続についても,同条によりなお従前の例によることとされる成年被後見人,成年後見人等に関する手続は,なお従前の例による(改正法附則8条)。
2 民事関係手続のIT化
これとは別に,民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和5年法律第53号)による家事事件手続法の改正が,e-Gov法令検索に未施行の改正版として登載されている(同版の施行日欄は令和10年6月13日)。
その改正後の47条は,表題が「非電磁的家事審判事件記録の閲覧等」となり,1項の対象が「非電磁的家事審判事件記録(家事審判事件の記録中次条第一項に規定する電磁的家事審判事件記録を除いた部分をいう。以下この条において同じ。)」に改められる。
新設される47条の2は,電磁的家事審判事件記録について,家庭裁判所の許可を得て,最高裁判所規則で定める方法により表示したものの閲覧や,電子情報処理組織を使用した複写等を請求できるとし,許可の基準と即時抗告については47条3項から5項まで及び8項から10項までを準用している。
改正後の47条6項は,当事者は,自ら提出した書面等については許可を得ないで閲覧等を請求できるとしている。
当事者と利害関係を疎明した第三者の区別と,第三者については相当と認めるときに許可するという基本的な枠組みは維持されるから,本記事で述べた実務上の注意は,記録が電子化された後も基本的に当てはまると考えられる。
第11 出典・参考資料
1 法令
家事事件手続法(33条,38条の2,42条,47条,56条,63条,125条,126条,134条,別表第一) e-Gov法令検索
民事訴訟法(133条,133条の2,133条の4) e-Gov法令検索
民法(846条,863条,897条の2,952条) e-Gov法令検索
民事訴訟費用等に関する法律(7条,別表第三) e-Gov法令検索
後見登記等に関する法律(10条) e-Gov法令検索
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和5年法律第53号)による改正後の家事事件手続法(47条,47条の2) e-Gov法令検索(家事事件手続法・未施行版)
民法等の一部を改正する法律(令和8年法律第45号)による改正後の民法(876条の20,876条の21),同法附則1条,2条,8条 法務省・新旧対照条文 法務省・法律案本文
2 裁判例
最高裁令和4年6月20日決定(令和3年(許)第13号,民集76巻5号1146頁) 裁判所ウェブサイト
3 公的資料
大阪家庭裁判所「成年後見制度(後見・保佐・補助)」 裁判所
大阪家庭裁判所「非開示の申出書(後見事件用)」(R041001) 裁判所
大阪家庭裁判所「成年後見人・保佐人・補助人ハンドブック(Q&A付き)」(令和8年2月1日版)34頁~37頁 裁判所
大阪地方裁判所・大阪家庭裁判所「その他書式(各種申請書等の書式)」 裁判所
大阪家庭裁判所「閲覧・謄写申請書(家事事件用)」 裁判所
大阪家裁本庁後見センター「よくある質問(FAQ)」(令和2年5月)26頁 裁判所
4 文献
大阪家庭裁判所後見センター編『大阪家庭裁判所後見センターだより』(大阪弁護士協同組合,2025年)1頁,296頁,309頁~317頁
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