メインコンテンツへスキップ

AI・リーガルテック

AIで時短した職員を損させない法律事務所の評価制度-隠れた生産性,品質指標及び余力配分(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 AI時短を処理件数だけで評価しない2 本記事の根拠と限界第2 調査から分かることと分からないこと1 日本の就業者調査2 海外の「隠れた生産性」調査3 顧客対応業務の実証研究4 法律事務所への当てはめには限界がある第3 AIで速くなっても職員が申告しにくい理由1 追加案件だけが返ってくる2 確認・教育・改善の仕事が見えにくい3 利用実態が地下化する第4 法律事務所で測るべき五群の指標1 総作業時間と処理量2 品質と手戻り3 依頼者への提供価値4 組織への貢献5 人間側の能力維持6 利用量を単独の評価指標にしない第5 短縮時間の配分を先に決める第6 評価制度を設計する手順1 対象業務と基準線を決める2 個人評価とチーム評価を組み合わせる3 効率化を直ちに恒久ノルマへ変えない4 説明・見直し・異議申出の経路を置く第7 研修・確認作業と労働時間第8 導入時のチェックリスト第9 本記事で確認できていないこと第10 関連記事第11 出典・参考資料

第1 この記事の対象と結論

1 AI時短を処理件数だけで評価しない

生成AIによって定型的な整理,要約又は初稿作成の時間が短くなっても,その職員に追加案件だけを配分すればよいとは限らない。
件数だけで評価すると,職員には改善成果を申告せず,自分だけの方法として保持する誘因が生じ得る。他方で,AI利用に伴う根拠確認,修正,他の職員への支援及びテンプレート整備は,処理件数には表れにくい。

法律事務所では,①確認・修正を含む総作業時間,②重大な見落とし及び手戻り,③依頼者への説明と納期,④他者支援,教育及び業務改善への貢献を組み合わせて評価することが考えられる。
また,短縮された時間を,追加案件,分析の深化,研修・業務改善又は休息・納期余裕のいずれに配分するかを,評価期間の前に定めることが望ましい。

本記事の評価項目と配分方法は,法令上当然に義務付けられた唯一の制度ではなく,後記の調査結果と法律事務の特性を踏まえた実務上の提案である。

2 本記事の根拠と限界

本記事は,①日本の就業者を対象とするパーソル総合研究所の調査,②海外のオフィスワーカー等を対象とするIvantiの調査,③顧客対応担当者を対象とする実証研究及び④厚生労働省の労働時間ガイドラインを主な根拠とする。
ただし,①及び②は主として回答者の申告に基づく調査であり,AI導入が特定の結果を生じさせたという因果関係を直接証明するものではない。③は法律事務所を対象とする研究ではない。

本記事は,これらの資料から直接確認できる事実を「調査結果」として記載し,法律事務所への当てはめを「実務上の提案」として区別する。裁判例の判示を根拠とする記事ではないため,判例秘書による裁判例検索は実施していない。

AIで同じ品質の仕事を早く終えたことと,労働契約上の賃金を減額できることも,別の問題である。
月給,時給,手当及び賞与では支給条件が異なり,作業の短縮率をそのまま月給の減額率にすることはできない。
賃金額の変更,既存の等級・評価制度による査定,就業規則の変更及び勤務時間の変更のどれに当たるのかを確認する必要がある。

契約と給与規程の根拠,労働条件の変更及び評価資料の確認については,「人事評価・能力等級の引下げと賃金減額―懲戒降格との違い,根拠規程と裁量審査(AI作成)」の第2の4を参照されたい。
時短した職員への評価制度を設計することと,既存の労働条件を変更するための法的な検討は,分けて行う。

第2 調査から分かることと分からないこと

1 日本の就業者調査

(続きを読む...)AIで時短した職員を損させない法律事務所の評価制度-隠れた生産性,品質指標及び余力配分(AI作成)

AIサービスを導入する前のベンダー審査-資本関係,顧客集中,クラウド依存,循環的資金調達及び出口計画(AI作成)

目次第1 この記事の目的と結論1 性能,価格及び守秘義務だけでは足りない2 本記事は倒産又はサービス終了を予測するものではない第2 最初に依存関係を一枚にする1 契約当事者と実際の提供者を分ける2 表面上の複数社が共通基盤に集中していないかを見る第3 資本関係,顧客集中及び循環的資金調達を読む1 出資,売上,債権及び購入義務を別々に確認する2 MicrosoftとOpenAIの開示は複数の関係を同時に示す3 AmazonとAnthropicの公表も資本と購買を併記している4 循環的資金調達は追加検証の標識である5 非連結の事業体に関する契約上の負担も確認する第4 財務・事業継続性の審査1 単年の売上又は資金調達額だけで判断しない2 モデル分析と確認済み事実を混同しない3 企業価値評価とrun-rate revenueを分けて読む4 契約総額,受注残,当期売上及び入金額を区別する第5 契約で確保する出口1 通知と変更管理を具体化する2 データ,設定及び評価記録を持ち出せるようにする3 代替サービスと手作業への復帰を準備する4 解除権と移行権を分ける第6 契約前質問票と定期監視1 契約前に質問する事項2 少なくとも年一回及び重要変更時に見直す3 安全標準と外部評価制度も審査する第7 法律事務でのリスク別運用1 利用目的と情報の機密度で段階を分ける2 一次資料へ戻る経路を残す第8 確認済み事項,推論及び不明を分ける1 確認済み事項と資料の記述2 実務上の推論と現在の不明第9 出典・関連記事1 公的機関・一次資料2 企業の提出書類・公式発表3 関連記事
第1 この記事の目的と結論
1 性能,価格及び守秘義務だけでは足りない

AIサービスの導入審査では,回答精度,料金,個人情報・秘密情報の取扱い及び学習利用の有無が重視される。これらに加えて,契約相手がどのモデル,クラウド,半導体,データセンター及び資金提供者に依存しているかを確認しなければ,サービス終了,モデル廃止,容量不足又は急な価格改定が業務へ与える影響を十分に評価できない。

したがって,導入時には,①依存関係を図にすること,②資本・購買・顧客の関係を分けて読むこと,③財務数値を単独で断定材料にしないこと,④データと設定を持ち出せるようにすること,⑤代替サービス又は手作業へ戻る訓練をすることが重要である。

2 本記事は倒産又はサービス終了を予測するものではない

本記事は,ベンダーの信用力又は将来の存続を格付けするものではない。また,投資関係,顧客集中又は循環的資金調達が存在することだけから,取引が不当,架空又は違法であると判断するものでもない。

目的は,公開一次資料と公的ガイドラインを利用して,契約前の追加質問,契約条項,運用上の代替手段及び定期監視の対象を決めることである。個別の解除権,損害賠償,倒産手続における契約の扱い又はデータ返還請求の可否は,契約文言,準拠法及び事実関係ごとに別途検討する必要がある。

倒産,株式譲渡による支配権変更,事業譲渡及び合併・会社分割は,契約上の地位が移る仕組み及び解除権への影響が異なる。また,著作権又は特許のライセンスが承継後も存続することと,SaaS,API,クラウド又は保守が実際に動き続けることは同じではない。これらの日本法上の取扱い,データ返還・削除及び損害賠償は,「AIベンダーの倒産・支配権変更・事業譲渡に備える契約実務」で扱う。

第2 最初に依存関係を一枚にする
1 契約当事者と実際の提供者を分ける

利用者が契約する相手と,基盤モデルを開発する会社,クラウドを運営する会社及びデータを処理する再委託先は同一とは限らない。中継サービス又は業務ソフトを通じてAIを利用する場合,利用者から見える契約相手の先に複数の事業者が連なる。

審査表には,少なくとも,①契約・請求主体,②基盤モデル提供者,③クラウド及びリージョン,④半導体・計算資源,⑤データセンター,⑥中継・監視・ログ保管事業者,⑦重要な再委託先を記載する。契約相手だけを代替できても,同じクラウド又は同じ基盤モデルへ依存するなら,障害又は供給制約が同時に及ぶ可能性がある。

2 表面上の複数社が共通基盤に集中していないかを見る

複数のAIサービスを採用しても,いずれも同じモデル,クラウド,認証基盤又はデータセンターに依存すれば,実質的な分散にはならない。逆に,一つのサービスの中で複数モデルを選べても,障害時に自動で切り替わるのか,利用者が手動で変更するのか,データの保存場所及び利用条件が変わるのかによって実効性が異なる。

依存関係図は,契約締結時だけでなく,モデル追加,基盤クラウド変更,事業譲渡,合併又は重要な再委託先変更の際に更新する。NISTのAI Risk Management Frameworkは,第三者のリスク管理,代替手段及び廃止の計画を統治と運用の双方で扱っている。

第3 資本関係,顧客集中及び循環的資金調達を読む
1 出資,売上,債権及び購入義務を別々に確認する

同じ二社の間に,出資,クラウド利用料,収益分配,融資,保証又は長期購入契約が併存することがある。この場合,売上高だけを見ても,外部の最終顧客から得た需要と,投資先が投資者のサービスを購入する関係とを区別できない。

確認すべき資料は,監査済み財務諸表,関連当事者注記,売掛金・契約資産,投資及び持分法損益,設備投資,長期購入義務,リース・保証,顧客集中並びに資金調達条件である。公開会社では有価証券報告書又はSEC提出書類を優先し,プレスリリースは契約の全条項を示さないものとして扱う。

実務上の確認表:信用補完を調べるときは,次の役割を法人ごとに分ける。同じ企業グループに属することや,出資者として名前が挙がっていることだけで,他の法人の債務を負うとは扱わない。

役割実務上,確認する事項出資者株式等への投資額・払込状況と,追加出資の法的義務の有無借主返済義務を負う法人,借入残高,満期及び借換条件保証人保証対象債務,上限額,期間,履行請求の条件及び免責・例外担保提供者担保を提供する法人,対象資産,順位及び実行時の影響顧客・代金支払者実際の契約当事者,購入義務,支払時期及び解約・返金条件

出資の発表だけでは,将来の追加出資,借換え,救済買収又は返済保証の約束までは確認できない。保証を信用補完として評価する場合は,保証書等によって,上表の対象債務・上限額・期間・請求条件・例外を確かめる。

2 MicrosoftとOpenAIの開示は複数の関係を同時に示す

Microsoftの2026年Form 10-Kによれば,同社はOpenAIについて,転換後ベースで約25%の持分となる持分法投資を有し,総額130億ドルの資金拠出を約束し,2026年6月30日までに119億ドルを拠出した。同年度には,収益分配支払を含むOpenAIとの商業上の取決めから241億ドルの収益を計上し,同日現在のOpenAIに対する売掛金は60億ドルであった。

これらはMicrosoft自身の監査済み提出書類による確認事項である。他方,241億ドルを全てクラウド売上又は外部最終需要とみなすことも,この関係だけから回収不能又は不適切な取引と評価することもできない。審査では,金額の大きさより,出資者,重要顧客,債権者及び技術提供者という役割が重なることによる依存関係を把握する。

3 AmazonとAnthropicの公表も資本と購買を併記している

Amazonの2026年公表資料は,AmazonがAnthropicへ直ちに50億ドル,条件に応じて将来さらに最大200億ドルを投資すること,Anthropicが10年間に1000億ドルを超えるAWS技術を利用する約束をすること及び最大5GWのTrainium容量を確保することを記載している。

これは両社が公表した関係の規模を示すが,最終契約の解約条件,価格調整条項,最低購入額又は全ての信用補完を示すものではない。利用者側では,この関係を直ちに信用不安と読むのではなく,特定クラウド及び特定半導体への依存,供給能力,価格改定並びに代替モデルの実効性を質問する端緒とする。

4 循環的資金調達は追加検証の標識である

(続きを読む...)AIサービスを導入する前のベンダー審査-資本関係,顧客集中,クラウド依存,循環的資金調達及び出口計画(AI作成)

ChatGPTの広告・計測と弁護士の情報管理―会話,Cookie,外部サイト及び守秘義務(AI作成)

目次第1 この記事の結論第2 ChatGPT内に表示される広告1 広告が表示される利用者2 広告は回答と分離される第3 広告選定に使われる情報と広告主に渡る情報1 ChatGPT内にとどまる広告選定シグナル2 広告主に渡る情報第4 外部サイト上の広告とコンバージョン計測1 OpenAIが外部サイトで自社を宣伝する場合2 広告主サイトにおけるコンバージョン計測第5 弁護士業務で特に注意すべきこと1 守秘義務の出発点2 広告設定は守秘対策の代替にならない第6 法律事務所の確認チェックリスト第7 出典・参考資料
第1 この記事の結論

ChatGPTの広告については,①ChatGPT内でどの広告を表示するかという広告選定,②広告主に渡る広告実績,③OpenAIが自社サービスを外部サイトで宣伝するための情報共有,④広告クリック後の外部サイトにおけるコンバージョン計測を分けて理解する必要がある。

OpenAIは,広告主にChatGPTの会話,履歴,メモリ又は個人情報を提供せず,広告主に提供するのは,現時点の案内では広告の表示回数及びクリック数等の集計された非識別情報であるとしている。他方,ChatGPT内の広告選定には現在の会話の文脈が用いられ,広告のパーソナライズを有効にしている場合には,過去の会話及びメモリ等の一部のシグナルも利用され得る。

したがって,「広告主に会話本文が渡らない」ことと,「会話の文脈が広告選定に一切使われない」ことは同じではない。弁護士は,広告の有無だけでなく,入力内容,契約プラン,データ設定,外部サイトへの遷移及び事務所端末の運用を一体として管理すべきである。

第2 ChatGPT内に表示される広告
1 広告が表示される利用者

OpenAIの案内では,広告はFree及びGoプランの利用者に表示される場合があり,Plus,Pro,Business,Enterprise及びEduの各プランには表示されない。米国では令和8年(2026年)2月9日から段階的なテストが始まっており,対象地域及び利用条件は今後変更され得る。

Temporary Chatには広告が表示されない。また,個人の健康,メンタルヘルス又は政治等のセンシティブ若しくは規制対象の会話の近くには広告を表示しないとしている。

2 広告は回答と分離される

OpenAIは,広告が回答内容に影響せず,広告主は回答を形成し,順位付けし,又は変更できないとしている。広告は回答の末尾の下部に,スポンサー表示を伴って回答と視覚的に分離して表示される。

もっとも,広告が回答から分離されていることは,広告の選定に会話の文脈が使われないことを意味しない。広告システムは,現在の会話の文脈及び意図,広告のリンク先,見出し,広告文,広告主が提供した情報等を考慮すると説明されている。

第3 広告選定に使われる情報と広告主に渡る情報
1 ChatGPT内にとどまる広告選定シグナル

広告選定には,現在の会話で何を話しているかのほか,一般的な地域又は言語等の基本的な文脈が使われ得る。広告のパーソナライズを有効にしている場合には,現在の会話,パーソナライズされた回答,広告への反応,過去の会話及びメモリも広告の関連性の判断に使われ得る。

パーソナライズを無効にしても広告自体が消えるわけではなく,現在の会話スレッドの文脈に基づく広告は表示され得る。過去の会話及びメモリの利用を避けたい場合には,広告設定とメモリ設定を確認し,必要に応じてTemporary Chatを利用する。

2 広告主に渡る情報

OpenAIは,広告主に会話,会話履歴,メモリ,氏名,メールアドレス,正確な位置情報,IPアドレス又はセンシティブ情報を提供しないとしている。広告主に提供されるのは,現時点では広告の総表示回数又はクリック数等の集計された非識別情報である。

ただし,広告から広告主に直接メッセージを送る機能を利用した場合,利用者が直接送信したメッセージは広告主に見える。また,広告をクリックして広告主のサイトに移動した後は,当該サイト及び同サイトが利用するCookie,タグその他の計測技術の取扱いが別途問題となる。

したがって,「個人データを広告主に売らない」ことと,サービス提供者が利用者情報を保持したまま広告選定に利用することは区別しなければならない。
米国のMeta判決で「データを売らない」との表示等が問題となった経緯は,メタに約4兆円の制裁金―ケンブリッジ・アナリティカ事件と4389万件の「違反」の数え方で整理している。

第4 外部サイト上の広告とコンバージョン計測
1 OpenAIが外部サイトで自社を宣伝する場合

OpenAIは,自社サービスを他社のサイト又はアプリで広告するため,選定した広告パートナーにCookie ID,IPアドレス又はハッシュ化したメールアドレス若しくは電話番号等の識別子を共有する場合があるとしている。また,Freeプランに登録したこと又は特定のOpenAI製品ページを閲覧したこと等の基本的な商業・閲覧情報を共有する場合がある。

会話又はアップロードした文書,画像,動画その他の内容は,この目的で広告パートナーに共有しないとしている。対象となる利用者は,設定のData ControlsにあるMarketing Privacy等からオプトアウトできると案内されている。

2 広告主サイトにおけるコンバージョン計測

OpenAIのConversion Termsでは,広告主又は第三者のサイトで発生する訪問,アプリのインストール,購入その他の行動又は取引に関する情報をConversion Dataとして扱う。広告主は,必要な通知,利用者の同意その他の適法な根拠を確保し,禁止データを送信しない責任を負う。

したがって,法律事務所が広告主となる場合には,広告管理画面の設定だけでなく,事務所サイトのCookie,タグ,問い合わせフォーム及び外部送信先を確認し,広告クリック後に送信される情報を具体的に把握する必要がある。外部送信の確認方法は,mintsのGoogle Tag Manager(GTM)と外部送信情報―利用目的の不開示と実測確認(AI作成)も参照されたい。

第5 弁護士業務で特に注意すべきこと
1 守秘義務の出発点

(続きを読む...)ChatGPTの広告・計測と弁護士の情報管理―会話,Cookie,外部サイト及び守秘義務(AI作成)

TreeeSは家事・倒産・民事執行でいつ使えるか―対象手続,施行期限と調達仕様書段階の区別(AI作成)

目次第1 結論第2 令和8年9月22日現在の境界1 民事訴訟はmints2 民事執行・倒産・労働審判・人事訴訟・家事事件は別第3 令和5年法律第53号の施行時期1 全面施行は令和10年6月まで2 令和8年5月21日に先行施行された部分第4 TreeeSの調達仕様書が示すこと1 第3次開発の契約期間2 令和10年3月の工程と法施行日を混同しない第5 手続別の確認ポイント1 家事事件・人事訴訟2 民事執行・民事保全3 破産・民事再生その他の倒産手続4 労働審判・非訟事件等第6 法律事務所の準備第7 確認済み・予定・未確認第8 出典
第1 結論

令和8年9月22日現在,民事執行,倒産,労働審判等の非訟手続,人事訴訟及び家事事件は,同年5月21日に始まった民事訴訟のオンライン申立て等の対象外である。裁判所は,これらの手続について,令和10年6月までにオンライン申立て等の対象となる予定であると案内している。

最高裁判所の調達仕様書では,家事事件手続等へTreeeS・RoootSを拡張する第3次開発が進められている。しかし,調達仕様書の工程は,法令の全面施行日,各手続の利用開始日又は本番稼働を確定する資料ではない。「令和10年3月に改修予定」と「同日にすべての手続でTreeeSが使える」は同じ意味ではない。

第2 令和8年9月22日現在の境界
1 民事訴訟はmints

改正民事訴訟法等は令和8年5月21日に全面施行され,弁護士等の所定の訴訟代理人には電子申立てが原則として義務付けられた。現在,裁判所は,民事訴訟の電子申立て,書類の受領,システム送達及び電子記録の閲覧等にmintsを案内している。

TreeeSは,令和9年1月に名古屋高等裁判所本庁,名古屋地方裁判所本庁・支部及び同地裁管内の簡易裁判所で先行導入される予定であり,全庁導入は令和9年度中が目標とされている。これはまず民事訴訟の切替えに関する日程である。

2 民事執行・倒産・労働審判・人事訴訟・家事事件は別
手続令和8年9月22日現在今後の目安民事訴訟オンライン申立て等の対象。現在はmints令和9年1月にTreeeS先行導入予定民事執行・民事保全民事訴訟フェーズ3のオンライン申立て等の対象外令和10年6月までに対象化予定破産・民事再生等同上同上家事事件・人事訴訟同上同上。第3次開発の対象労働審判・非訟事件等同上同上

ただし,民事執行等では,令和8年5月21日からウェブ会議等を利用できる期日の拡充や,電子的に作成された債務名義の正本等の提出省略など,一部の規定が先に施行されている。オンライン申立て等の全面対象化とは分けて考える。

第3 令和5年法律第53号の施行時期
1 全面施行は令和10年6月まで

令和5年法律第53号は,民事訴訟以外の民事裁判手続について,インターネットを利用した申立て・資料提出・送達,事件記録の原則電子化,オンライン閲覧等を整備する。公布日は令和5年6月14日であり,全面施行日は公布から5年以内の政令で定める日である。

法務省及び裁判所は,令和8年9月22日現在,具体的な全面施行日は今後決定され,令和10年6月までにオンライン申立て等の対象となる予定であると案内している。「5年以内」は期限であり,令和10年6月14日に自動的に施行されるという意味ではない。

2 令和8年5月21日に先行施行された部分

ウェブ会議等を利用した期日への参加,民事執行手続における電子債務名義の正本等の提出省略を可能にする仕組み等は,令和8年5月21日に施行された。したがって,「一部のデジタル化が始まっている」ことと「オンライン申立て・電子記録が全面施行された」ことを区別する。

第4 TreeeSの調達仕様書が示すこと
1 第3次開発の契約期間

最高裁判所の令和7年7月2日付調達仕様書は,家事事件手続等のデジタル化に伴い,e事件管理システム(RoootS)及びe提出・e記録管理システム(TreeeS)を改修する第3次開発を定める。契約期間は令和7年9月1日から令和10年3月31日までとされている。

同仕様書では,TreeeSを,RoootS,e提出・e記録管理システム及びe法廷のウェブ会議アプリケーションとの連携機能等により「3つのe」を実現するシステム群の総称として用いている。

2 令和10年3月の工程と法施行日を混同しない

令和8年4月3日付及び同年6月9日付の追加改修仕様書には,令和10年3月を本番反映又はサービス提供の工程として想定する記載がある。これは開発・試験・移行の目標を示す重要な資料であるが,政令による法施行日,裁判所ごとの開始日,対象事件の経過措置及び最終操作を確定するものではない。

第5 手続別の確認ポイント
1 家事事件・人事訴訟

家事審判・家事調停,人事訴訟等は第3次開発の中心的な対象である。家事事件では,秘匿性,当事者・利害関係人の閲覧範囲,調停委員・参与員等の関与,紙媒体の取扱いなど,民事訴訟と異なる要件がある。民事訴訟用TreeeSの画面・権限をそのまま当てはめない。

2 民事執行・民事保全

民事執行・民事保全では,申立ての電子化だけでなく,債務名義,執行文,送達証明,担保,財産開示期日等の扱いを確認する必要がある。令和8年5月21日に一部制度が施行されていても,全面オンライン申立ての開始日とは限らない。

また,事件の取扱庁を本庁等へ集約することと,システムを導入することは別の変更である。集約が先に行われても,取扱庁が変わったことだけで電子申立てや電子記録の閲覧ができるようになるわけではない。取扱庁・担当係と,提出・受領・閲覧の方法を分けて把握し,それぞれの変更の開始日と係属中の事件の扱いを確認する必要がある。

オンラインで対応できる範囲も,機能ごとに確認する。①ウェブ会議等による手続の説明や協議,②申立書等の正式な提出,③事件記録の閲覧・複写は,それぞれ別の機能であり,①が使えることから②や③も使えると判断しない。不動産競売の申立てから配当までの流れと,取扱庁の変更時に工程ごとに確認する事項は,不動産競売の手続の流れと期間で整理している。

(続きを読む...)TreeeSは家事・倒産・民事執行でいつ使えるか―対象手続,施行期限と調達仕様書段階の区別(AI作成)

法律調査AIの検索・再順位付けをどう評価するか-正解資料の取りこぼしと人の確認負荷(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論第2 法律調査AIを四つの工程に分ける1 検索で候補集合を作る2 再順位付けで確認順序を整える3 回答作成で法的な意味を説明する4 原典確認で回答を閉じる第3 X投稿で報告された税務法令実験をどう読むか1 投稿者が報告した結果2 確認できたことと未確認のこと第4 最低限記録する四つの評価指標1 候補保持率と偽陰性2 適合率と人の確認負荷3 再現性と安定性4 時間,費用及び障害時の挙動第5 比較実験の条件を固定する1 調整用と評価用の問題を分ける2 再現に必要な条件を凍結する3 モデルが知らない法的前提を試す4 法的メタデータを評価例に付ける第6 確信度を正解保証として使わない1 確信度と個別の正しさを分ける2 不明と人の確認への経路を置く第7 法律事務所での導入手順第8 既存記事との関係第9 出典・参考資料
第1 この記事の対象と結論

本記事は,法律調査にAIを組み込む場合に,検索結果の順位又は最終回答の見栄えだけで性能を判断せず,検索,再順位付け,回答作成及び原典確認を別々に評価する方法を整理するものである。
結論として,法律調査AIの導入判断では,①正解資料を候補集合へ入れられたか,②候補を人が確認できる範囲へ絞っても正解資料を残せたか,③回答が原典の射程を正しく説明したか,④人による最終確認まで含む総作業時間が短くなったかを分けて測る必要がある。

特に,再順位付けは,最初の検索が拾わなかった資料を後から復活させる処理ではない。
検索段階の取りこぼしと,再順位付け段階の取りこぼしを同じ「AIの誤り」として集計すると,改善すべき工程を誤る。

本記事は,AI又は特定サービスが法律調査を自動的に完結できると述べるものではない。
法令,裁判例,通達その他の法的根拠は,利用可能な公式資料又は原典で人が確認することを前提とする。
裁判例を根拠とする法的命題は扱っていないため,裁判所ウェブサイト又は判例秘書による裁判例の確認は行っていない。

第2 法律調査AIを四つの工程に分ける
1 検索で候補集合を作る

第1工程は,データベース又は文書群から候補を広く拾う検索である。
キーワード検索,BM25,ベクトル検索又はこれらの併用により,全文書を数十件から数百件の候補へ絞る。

この工程で重要なのは,1位に正解を置くことだけではなく,後続工程が見る候補集合のどこかに正解資料を残すことである。
最初の候補集合に正解資料が入っていなければ,再順位付けも回答作成もその資料を利用できない。

2 再順位付けで確認順序を整える

第2工程は,検索が出した候補を問いとの適合度により採点し,並べ替え,又は一定数へ絞る再順位付けである。
検索が語句又は意味の近さで候補を広く集め,再順位付けが個々の候補と問いを直接比較するという役割分担が考えられる。

TypeSafeの公式クックブックは,米国裁判所意見のデータセットを用いた40件の照会で,BM25が3,565件から30件の候補を作り,Jevが照会と各候補を個別に評価する例を示している。
同クックブックの結果では,正解資料が上位1件に入る割合は5%から18%へ,上位10件に入る割合は38%から62%へ上昇した。
もっとも,これは提供者が選定したデータ,照会,設定及びモデルによる公式実演であり,日本法の実務又は別の文書群で同じ結果になることを示す独立検証ではない。

3 回答作成で法的な意味を説明する

第3工程は,残った資料を読み,問いへの回答,根拠,例外及び留保を文章にする工程である。
候補の関連性を採点する能力と,条文の適用関係,裁判例の射程又は複数資料の矛盾を解く能力は同じではない。

定められた形式の判定を安定して返すことは,法的推論が正しいことを意味しない。
検索又は再順位付けに向くモデルと,長い理由付け又は起案に向くモデルを分け,後者にも確認済みの候補資料だけを渡す方法が考えられる。

4 原典確認で回答を閉じる

第4工程は,人が引用元を開き,書誌,本文,基準時,改廃,射程及び回答との対応を確認する工程である。
AIの回答が自然であること,候補の点数が高いこと又は出力形式が崩れていないことは,この確認を代替しない。

法律調査の完了条件には,少なくとも,①使用したデータベース又は資料群,②検索日,③検索語又は検索条件,④確認した原典,⑤確認できなかった事項,⑥反対資料又は例外,⑦最終確認者を含めることが望ましい。

(続きを読む...)法律調査AIの検索・再順位付けをどう評価するか-正解資料の取りこぼしと人の確認負荷(AI作成)

TreeeSの開発会社と契約額―日立社会情報サービスの受注範囲と「30億円超」報道の検証(AI作成)

目次第1 結論1 TreeeSの開発会社はどこか2 TreeeS全体の単独開発会社・総額までは確定できない第2 日立社会情報サービスとの16億1616万4000円の契約1 契約公表資料の記載2 この契約から分かる範囲第3 TreeeSと関連調達を分ける1 e提出・e記録管理システム2 RoootS・クラウド・工程管理等3 追加改修第4 「30億円超」という説明をどう検証するか1 今回確認できたこと2 単純合算できない理由第5 令和8年の追加契約第6 確認済み・推論・未確認の区別第7 出典
第1 結論
1 TreeeSの開発会社はどこか

最高裁判所の令和5年度契約公表資料によれば,最高裁判所は令和5年4月3日,「民事訴訟手続のデジタル化に係るe提出・e記録管理システムの設計・開発及び賃貸借保守」を株式会社日立社会情報サービスと契約し,契約金額は16億1616万4000円である。

したがって,少なくとも,利用者側の電子提出・電子記録管理を担う中核システムの設計・開発及び賃貸借保守について,同社が受注したことは公式資料で確認できる。

2 TreeeS全体の単独開発会社・総額までは確定できない

他方,TreeeSは,資料によって,e提出・e記録管理システムを指す場合と,裁判所内部のe事件管理システム(RoootS)及びe法廷との連携まで含むシステム群の総称として使われる場合がある。クラウド,工程管理,運用保守,追加機能改修及び他システム連携も別契約になり得る。

そのため,「TreeeSの開発会社は日立社会情報サービス1社である」,「TreeeSの総開発費は16億円である」とまではいえない。本記事では,契約名と受注範囲を明示して整理する。

第2 日立社会情報サービスとの16億1616万4000円の契約
1 契約公表資料の記載
契約日令和5年4月3日契約件名民事訴訟手続のデジタル化に係るe提出・e記録管理システムの設計・開発及び賃貸借保守契約相手方株式会社日立社会情報サービス契約金額1,616,164,000円公表資料最高裁判所「令和5年度公共調達の適正化に係る契約情報の公表(物品役務等)」7頁
2 この契約から分かる範囲

契約名に「設計・開発及び賃貸借保守」とあるため,単発のソフトウェア購入ではなく,設計・開発から賃貸借保守までを含む契約であることが分かる。ただし,公表表の1行だけでは,機能別の金額内訳,外注先,再委託先,著作権等の帰属又は追加改修費を確認できない。

第3 TreeeSと関連調達を分ける
1 e提出・e記録管理システム

e提出は,利用者ポータル,裁判資料の電子提出,手数料の電子納付及び外部システムとの連携等を担う。e記録管理は,電子記録の整理・保管,アクセス権限の管理並びに利用者による検索・閲覧・複写を担う。日立社会情報サービスとの上記契約は,契約名上,この部分を対象にしている。

2 RoootS・クラウド・工程管理等

RoootSは,事件番号,担当部,当事者及び期日等を裁判所内部で管理するe事件管理システムである。最高裁判所の契約公表資料には,e提出・e記録管理システム以外にも,クラウドサービスやプロジェクト管理支援等の関連契約が掲載されている。

これらは民事裁判手続のデジタル化に関係するが,契約件名・目的・期間が異なる。関連契約をすべて「TreeeS開発費」と呼ぶには,各契約の仕様書と対象範囲を突き合わせる必要がある。

3 追加改修

最高裁判所は,家事事件手続等への拡張,法人ベース・レジストリ連携,後見法改正対応その他の追加機能改修を別に調達している。令和7年7月2日付及び令和8年4月3日付・同年6月9日付の仕様書は,将来の改修内容と工程を確認する資料であり,契約額又は本番実装済みの事実を当然に示すものではない。

第4 「30億円超」という説明をどう検証するか
1 今回確認できたこと

インターネット上には,TreeeSの開発費を「30億円超」と説明する記事がある。しかし,令和8年9月22日までに確認した公開一次資料からは,「TreeeS総開発費30億円超」という名称・範囲・集計期間が一致する公式集計表を確認できなかった。

これは30億円超という説明が直ちに誤りであるという意味ではない。複数年度の設計・開発,クラウド,運用保守,RoootS,追加改修等を一定の基準で合算した可能性があるが,その計算過程と一次資料が示されなければ検証できないという意味である。

2 単純合算できない理由

契約額を集計するときは,①契約件名,②対象システム,③契約期間,④当初契約か変更契約か,⑤再調達・更新契約か,⑥税込・税抜,⑦一部が他の裁判所システムにも共用されるかを確認する必要がある。これをせずに検索結果の金額を足すと,重複計上又は範囲の混同が生じる。

第5 令和8年の追加契約

日本貿易振興機構の政府公共調達データベースには,最高裁判所が令和8年1月30日,「e提出・e記録管理システムの法人ベース・レジストリ連携改修業務」を株式会社日立社会情報サービスと6799万1000円で契約した旨が掲載されている。互換性確保のための随意契約とされている。

この契約は,日立社会情報サービスが中核システムの追加改修も受注していることを示す一方,令和5年契約とは件名・時期・範囲が異なる。両者を紹介するときは,別契約であることを明示する。

(続きを読む...)TreeeSの開発会社と契約額―日立社会情報サービスの受注範囲と「30億円超」報道の検証(AI作成)

TreeeSで手数料を納付する方法―納付番号,インターネットバンキング,ATM及び合算納付(AI作成)

目次第1 結論1 提出と納付は別の処理である2 手数料額の計算は利用者が確認する第2 納付番号の確認1 提出後に表示される情報2 事件台帳へ記録する第3 インターネットバンキングとATM1 インターネットバンキング2 ATM第4 複数申立ての合算1 合算できる範囲2 照合作業第5 納付後の確認1 金融機関側とTreeeS側2 エラー又は二重操作を避ける第6 手数料計算との役割分担1 計算記事2 訴訟提起の記事第7 出典と限界1 確認した資料2 未確認事項
第1 結論
1 提出と納付は別の処理である

TreeeS資料では,訴状等の提出後,入力した手数料額に応じて納付番号等が発行され,インターネットバンキング又はPay-easy対応ATM等から納付する流れが示されている。
提出完了画面が表示されても,手数料の納付が完了したことにはならない。反対に,納付結果だけでは対象事件への提出内容を証明できない。

2 手数料額の計算は利用者が確認する

フォームの自動計算は入力補助であり,資料上,正しい手数料額は利用者が確認するものとされる。訴額,申立ての種類,併合・附帯申立て等により金額が異なる場合は,法令及び裁判所の案内と照合する。

第2 納付番号の確認
1 提出後に表示される情報

納付画面又は提出結果画面に表示される収納機関番号,納付番号,確認番号,金額及び納付期限等を保存する。画面を閉じる前に,対象事件及び申立てとの対応を確認する。

2 事件台帳へ記録する

事務所の事件台帳には,①提出日時,②申立て,③受付結果,④納付番号,⑤金額,⑥納付担当者,⑦納付日時,⑧納付結果を別々の欄で記録する。
番号だけをメール又はチャットで転送すると対象事件を取り違えやすいため,裁判所・当事者・申立て名と組み合わせる。

第3 インターネットバンキングとATM
1 インターネットバンキング

資料上,納付番号を用いてインターネットバンキングから支払う経路が示されている。利用する金融機関がPay-easyに対応しているか,利用時間,振込限度額及び認証方法を事前に確認する。

2 ATM

Ver.2.0資料上74頁・76頁は,印刷した帳票により金融機関のATM等で納付できる一方,コンビニエンスストアに設置されている共用ATMは利用できないと説明している。
利用する金融機関の対応ATM,利用時間及び認証方法を事前に確認する。

第4 複数申立ての合算
1 合算できる範囲

TreeeS資料は,複数の申立てについて手数料を合算して納付する機能を示している。ただし,どの申立てを同一の納付に含めるかを確認し,個別の納付番号と合算後の金額との対応を保存する。

2 照合作業

合算納付では,申立てごとの金額の合計と納付額を照合し,対象外事件の混入,二重納付又は納付漏れを防ぐ。納付後の画面又は利用明細を事件記録へ保存する。

第5 納付後の確認
1 金融機関側とTreeeS側

金融機関側の取引結果とTreeeS上の納付状況を照合する。
Ver.2.0資料上174頁は,納付済みのときは[納付日]へ完了日が表示され,未納付のときは「-」が表示されると説明している。
反映が不明な場合は,直ちに納付を繰り返さず,取引結果と現在の納付情報を確認する。

2 エラー又は二重操作を避ける

(続きを読む...)TreeeSで手数料を納付する方法―納付番号,インターネットバンキング,ATM及び合算納付(AI作成)

TreeeSのシステム送達と期限管理―受信一覧,閲覧・ダウンロード,1週間及び送達状況(AI作成)

目次第1 結論1 通知メールだけで期限を決めない2 TreeeSの画面表示と法的効果を分ける第2 システム送達の法的仕組み1 受送達者への通知2 効力発生の三つの時点3 責めに帰することができない事由第3 受信一覧と30日1 受信一覧の表示期間2 事務所保存第4 事務職員が閲覧する場合1 GビズIDメンバーの閲覧2 システム送達受取人第5 期限管理の実務1 記録する時刻2 複数人がアクセスできる場合第6 システム直送との違い1 送達と直送を混同しない2 到達の証拠第7 出典と判例確認1 一次資料2 判例秘書等
第1 結論
1 通知メールだけで期限を決めない

システム送達の効力は,通知メールを読んだ時だけに生ずるものではない。民事訴訟法109条の3第1項によれば,送達対象を閲覧した時,端末のファイルへ記録した時又は通知が発せられた日から1週間を経過した時のうち,最も早い時に効力を生ずる。

2 TreeeSの画面表示と法的効果を分ける

TreeeSの受信一覧,ダウンロード操作及び送達状況画面は,事実確認のための重要な資料である。しかし,画面の「送達済み」等の表示だけを切り取らず,通知発信,閲覧,記録及び責めに帰することができない事由の有無を法令に当てはめる。

第2 システム送達の法的仕組み
1 受送達者への通知

民事訴訟法109条の2は,受送達者へ送達対象を閲覧又はファイルへ記録できる措置を講じ,その旨を通知する仕組みを定める。通知は入口であり,送達効そのものと同義ではない。

2 効力発生の三つの時点

効力発生の候補は,①閲覧時,②ファイルへの記録時,③通知発信日から1週間経過時である。最も早い時点が基準になるため,担当者が先に閲覧又はダウンロードすると,1週間を待たずに送達効が発生し得る。

3 責めに帰することができない事由

同条2項は,受送達者の責めに帰することができない事由で閲覧又は記録ができない期間を1週間に算入しないと定める。システム障害等がある場合は,障害情報,発生時刻,エラー画面,問合せ内容及び復旧時刻を保存する。

第3 受信一覧と30日
1 受信一覧の表示期間

Ver.2.0資料上59~60頁は,受信したファイルを受信日から30日経過後に受信一覧へ表示しなくなると説明している。
この期間は,送達効の発生時期又は上訴期間ではない。
通知一覧で通知が見つからないときは,未読分のみの初期表示と[既読分も表示する]も確認する(資料上188頁)。

2 事務所保存

受信担当者は,対象事件,書面名,通知時刻,閲覧・ダウンロード時刻及び取得ファイルを事件記録へ保存する。受信一覧が表示されなくなった後も期限計算の根拠を説明できるようにする。

第4 事務職員が閲覧する場合
1 GビズIDメンバーの閲覧

Ver.2.0資料上192頁は,GビズID利用プライムアカウントで送達送付状況確認画面を開き,[補助者]へカーソルを合わせると,送達実施後に最初に閲覧又はダウンロードしたメンバーの氏名が表示されると説明している。
表示された操作者と時刻を記録し,法的な効力発生時期は送達対象,実際の閲覧・記録,通知及び適用法令から判断する。

2 システム送達受取人

システム送達受取人は,事件について送達を受ける役割である。サポーターとして提出できることや,訴訟記録一覧を閲覧できることとは別の権限である。
詳しくは,TreeeSで事務職員ができることを参照されたい。

第5 期限管理の実務
1 記録する時刻

通知発信時刻,最初の閲覧時刻,最初のダウンロード時刻,送達状況表示及び担当弁護士への連絡時刻を別々に記録する。通知メールの受信時刻だけを期限計算表へ転記しない。

(続きを読む...)TreeeSのシステム送達と期限管理―受信一覧,閲覧・ダウンロード,1週間及び送達状況(AI作成)

TreeeSのサポーターとは―登録・提出権限,事件記録の閲覧及び送達受取人との違い(AI作成)

目次第1 結論1 事件単位で提出を補助する役割である2 送達受領・常時閲覧とは別である第2 登録の対象1 職員自身のアカウント2 事件ごとの指定第3 できること1 書面提出の補助2 本人の依頼・承諾第4 できないこと又は別登録が必要なこと1 訴訟記録一覧の常時閲覧2 システム送達の受領3 サポーター兼送達受取人第5 登録・解除の確認1 登録時2 解除時第6 GビズIDメンバーとの違い1 組織アカウントではない2 事務所方式を先に決める第7 出典と限界1 確認した資料2 未確認事項
第1 結論
1 事件単位で提出を補助する役割である

令和7年7月2日付の公開調達資料62頁は,外部ユーザを当事者・代理人,サポーター,送達受取人等に分け,サポーターの例として法律事務所事務員等を挙げる。
これは役割の区分を示す調達資料であり,職員の職位又は訴訟代理人資格そのものではない。

2 送達受領・常時閲覧とは別である

サポーターであるだけでは,システム送達受取人にはならず,訴訟記録一覧から事件記録を常時閲覧できるとも説明されていない。「提出できる」「記録を見られる」「送達を受ける」を分ける。

第2 登録の対象
1 職員自身のアカウント

GビズIDを使わない方式では,事務職員が自分のTreeeS個人アカウントを取得し,対象事件へサポーターとして関連付ける方法が示されている。共用アカウントを用いない。

2 事件ごとの指定

サポーターの権限は個別事件に結び付く。担当事件が変わった場合,新事件への登録と旧事件からの解除をそれぞれ確認する。

第3 できること
1 書面提出の補助

資料上,サポーターは事件内へ直接書面を提出できる役割として整理されている。ただし,提出する書面の内容,提出期限,代理権及び弁護士の承認は別問題である。

2 本人の依頼・承諾

Ver.2.0の訴状フォームは,サポーターが提出する場合,本人の承諾書を添付資料としてアップロードすると説明している(資料上99頁,PDF103頁)。
承諾書,事件への関連付け及び弁護士の提出内容の承認を分けて確認する。

第4 できないこと又は別登録が必要なこと
1 訴訟記録一覧の常時閲覧

同調達資料62頁の注記では,サポーターのオンライン提出,事件記録の閲覧及び送達受領は別に扱われている。
提出した書面や送達対象文書へのアクセスと事件記録全体の閲覧を分け,最終的な操作範囲は本番の公開案内で確認する。

2 システム送達の受領

送達を受けるには,システム送達受取人としての役割が必要である。提出補助だけを依頼する職員に送達受領まで付与するかを事件ごとに判断する。

3 サポーター兼送達受取人

資料上,サポーターとシステム送達受取人を兼ねる区分がある。この場合でも,訴訟記録一覧の常時閲覧とは別である。

第5 登録・解除の確認
1 登録時

①対象事件,②本人又は代理人,③サポーター本人,④提出権限,⑤送達受領権限,⑥依頼・承諾書面を確認する。

2 解除時

(続きを読む...)TreeeSのサポーターとは―登録・提出権限,事件記録の閲覧及び送達受取人との違い(AI作成)

TreeeSで訴訟記録を閲覧・ダウンロードする方法―記録一覧,記録外,関連事件及び電子署名(AI作成)

目次第1 結論1 事件詳細画面には複数の領域がある2 画面表示と閲覧権限を区別する第2 各一覧の役割1 訴訟記録一覧2 証拠一覧3 記録外一覧第3 関連事件と表示の切替え1 関連事件を取り違えない2 一覧の並び順を保存証拠にしない第4 ダウンロードと電子署名1 表示用データと電子署名付きデータ2 ファイルの保存方法第5 閲覧権限と事務職員1 GビズIDメンバー2 サポーター等第6 30日表示との違い1 受信一覧と提出一覧2 法的な記録保存期間ではない第7 関連記事と出典1 関連記事2 一次資料と未確認事項
第1 結論
1 事件詳細画面には複数の領域がある

TreeeSの事件詳細画面では,訴訟記録一覧,証拠一覧及び記録外一覧等が区別される。表示されているファイルを一括して「事件記録」と呼ぶと,法的な訴訟記録,証拠及び事務処理用の参考資料を混同する。

2 画面表示と閲覧権限を区別する

システム上のリンクが表示されることと,法令上その記録を閲覧・複写できることは同じではない。当事者・代理人,サポーター,システム送達受取人等の地位によりアクセス範囲が異なる。

第2 各一覧の役割
1 訴訟記録一覧

訴訟記録一覧には,裁判所が事件の電子記録として整理した書面等が表示される。提出直後のファイルが直ちに確定的な訴訟記録として表示されるとは限らず,裁判所による立件・関連付け・記録整理の段階を区別する。

2 証拠一覧

証拠一覧では,書証番号等を手掛かりに証拠及び関連データを確認する。証拠説明書,翻訳文,音声・動画等の関連データと元の証拠との対応を,画面表示だけでなく事務所の証拠台帳にも残す。

証拠一覧の出力では,画面上の表示がすべて保存されるとは限らない。
Ver.2.0資料上168頁(PDF172頁)は,証拠一覧からPDF又はCSVを出力した場合,訴訟記録一覧と異なり,「紙記録」「閲覧制限」などのシール表示部分は出力されないと注意している。
出力ファイルに表示がないことだけから,紙記録や閲覧制限の有無を判断しない。
事務所で一覧を保存・引き継ぐ場合は,該当する画面表示も確認し,元の事件・資料との対応を残す。

3 記録外一覧

記録外一覧は参考書面を管理する領域であり,フォルダへアクセスできる当事者は裁判所が設定する。
当該一覧から直接アップロードするのではなく,[その他の申立てや書面の提出(汎用)]で対象フォルダを選んで提出する(Ver.2.0資料上156頁)。
記録外の選択は,法律上の秘匿措置又は閲覧等制限の代替ではない。

第3 関連事件と表示の切替え
1 関連事件を取り違えない

同じ当事者間の関連事件,併合前後の事件その他の関連事件へ切り替えられる場合,画面上部の裁判所,事件番号,事件名及び当事者を確認する。
ダウンロードする前に,現在開いている事件と目的の記録が一致するか確認し,保存先フォルダも事件単位で分ける。

2 一覧の並び順を保存証拠にしない

一覧の表示順,検索結果又は絞込み条件は,記録の法的な順序や完全性を当然に示すものではない。必要な期間・書面種別を確認し,漏れが疑われる場合は裁判所へ確認する。

第4 ダウンロードと電子署名
1 表示用データと電子署名付きデータ

電子署名付きデータは,Ver.2.0資料上155~156頁によれば,[PDFファイルを結合しない]かつ[詳細情報を含まない]を選ぶか,ファイル詳細画面から個別にダウンロードする。
結合又は詳細情報の付加でデータが書き換わると,電子署名を検証できなくなる可能性があると注意されている。
署名を保持する取得物と,閲覧用に加工した資料は分けて保管する。

(続きを読む...)TreeeSで訴訟記録を閲覧・ダウンロードする方法―記録一覧,記録外,関連事件及び電子署名(AI作成)

TreeeSの招待キーを使う方法―当事者本人,訴訟代理人,委任状及びシステム送達の届出(AI作成)

目次第1 結論1 招待キーは事件への入口である2 事件と当事者を照合する第2 当事者本人による入力1 招待キー情報2 関連付け後の確認第3 訴訟代理人が関与する場合1 代理人情報と委任状2 複数代理人第4 答弁書の提出1 事件詳細画面から提出する2 PDFと入力欄第5 システム送達の届出1 事件への関連付けとは別である2 送達受取人第6 事務所内の確認表1 登録時2 登録後第7 関連記事と出典1 関連記事2 確認範囲
第1 結論
1 招待キーは事件への入口である

Ver.2.0資料上178頁は,招待キーを,アカウントを特定事件の当事者へ関連付ける一度だけ使える認証キーと説明している。
当事者本人について発行され,代理人には発行されず,代理人は本人のキーを使用して代理人として関連付ける。
同じ画面で送達の届出や委任状の提出を行うため,入力した事実と届出・提出の完了を分けて確認する。

2 事件と当事者を照合する

入力前に,裁判所,事件番号,事件名,原告・被告及び招待キーの宛先を確認する。別事件又は別当事者の招待キーを使用しない。

第2 当事者本人による入力
1 招待キー情報

通知された招待キー,事件情報その他の入力事項を,裁判所から届いた書面又は公式画面と照合する。招待キーをメール等で転送する場合は,誤送信及び第三者利用を防ぐ。

2 関連付け後の確認

関連付け後に表示された裁判所,事件番号,当事者及び利用できる機能を確認する。事件が表示されたことと,訴訟記録の全範囲を閲覧できること又は代理人として登録されたことを同一視しない。

第3 訴訟代理人が関与する場合
1 代理人情報と委任状

訴訟代理人は,代理人情報を登録し,委任状その他の代理権を証する書面を提出する。事務職員が操作を補助する場合も,職員のアカウント上の役割と弁護士の訴訟代理権を区別する。

2 複数代理人

複数の代理人がいる場合は,各代理人の登録状況,送達受領者及び担当範囲を確認する。代表者又は最初の登録者だけを確認して終えない。

第4 答弁書の提出
1 事件詳細画面から提出する

事件に関連付いた後は,事件詳細画面から答弁書の提出フォームへ進む。事件情報が自動表示される場合でも,提出直前に裁判所,事件番号,当事者及び提出者を確認する。

2 PDFと入力欄

答弁内容をPDFで登録する場合,フォームへ直接入力した内容との上書き関係に注意する。確認画面又は生成帳票で,答弁の趣旨,認否及び主張が欠けていないか読む。

第5 システム送達の届出
1 事件への関連付けとは別である

システム送達を受ける旨の届出は,招待キー入力又は答弁書提出とは別に確認する。民事訴訟法109条の4は,届出義務がある者が届出をしていない場合についても所定の送達を可能とするため,届出をしなければ送達されないと考えてはならない。

2 送達受取人

事務職員等をシステム送達受取人にする場合は,事件単位の役割,受信一覧へのアクセス及び最初の閲覧時刻の管理を確認する。詳しくは,TreeeSで事務職員ができることを参照されたい。

第6 事務所内の確認表
1 登録時

(続きを読む...)TreeeSの招待キーを使う方法―当事者本人,訴訟代理人,委任状及びシステム送達の届出(AI作成)

TreeeSで係属事件に書面を提出する方法―事件詳細画面,同時提出,下書き保存及び受付確認(AI作成)

目次第1 結論1 事件詳細画面から始める2 提出完了を一つの状態にまとめない第2 提出する書面と入口1 通常の事件書面2 参考書面と記録外領域3 事件に関連付いていない場合第3 同時提出と一時保存1 複数書面の同時提出2 一時保存は提出ではない第4 誤事件提出を防ぐ確認1 提出直前の確認項目2 フォーム入力とPDFの上書き第5 提出後の証拠化1 受付結果を保存する2 相手方への到達とは別である第6 関連記事1 操作索引2 事務職員の権限第7 出典と限界1 確認した資料2 未確認事項
第1 結論
1 事件詳細画面から始める

係属中の事件は,対象事件の詳細画面から書面提出へ進むのが基本である。
Ver.2.0資料上106~107頁は,準備書面について[準備書面作成]から進む手順を説明している。
一般の入口である[事件の申立て・書面の提出]から各フォームへ進むと,裁判所・事件番号等が入力された状態となる(資料上63~65頁)。
専用入口を使っても,提出直前に事件・当事者・提出者を照合する。

2 提出完了を一つの状態にまとめない

下書き保存,送信操作,システム受領,裁判所による事件への関連付け及び相手方への直送又は送達は別である。画面上の一つの表示だけで,すべてが完了したと扱わない。

第2 提出する書面と入口
1 通常の事件書面

準備書面,証拠申出書その他の事件書面は,対象事件の詳細画面から該当フォームを選ぶ。提出者,書面名,提出先フォルダ及び相手方への送付関係を確認する。
書証は専用フォームを使い,証拠説明書の入力項目と併せて処理するため,TreeeSでの書証の提出を参照されたい。

2 参考書面と記録外領域

和解条項案その他の訴訟記録としない資料について,TreeeS資料は「参考書面」として記録外フォルダへ提出する経路を示している。
記録外フォルダへ提出することは,法律上の秘匿決定又は閲覧等制限を当然に生じさせるものではない。資料の性質,閲覧させる相手及び必要な申立てを別に検討する。

3 事件に関連付いていない場合

Ver.2.0の3.4は,まだ関連付けられていない事件でも,裁判所と事件番号を特定して提出できると説明している。
ユーザポータルの[新規申立て・書面提出]から進み,補助参加申出書等の対象フォームを選ぶ(資料上126~128頁)。
提出者が事件に関連付いているかと,提出済み書面が事件記録へ編成されているかは別々に確認する。

第3 同時提出と一時保存
1 複数書面の同時提出

同時提出は,提出前の確認画面に表示されたリンクから対象フォームへ移る方法で行う。
画面に表示されない申立て・書面は,同時提出の対象として選択できない。
同時提出しようとするフォームを一時保存すると同時提出できなくなるため,各書面の保存・提出状態を確認する(Ver.2.0資料上72頁)。

2 一時保存は提出ではない

フォームを下書き保存しても,裁判所へ提出されたことにはならない。
Ver.2.0資料上68~70頁は,保存書面の確認・編集と,下書きの件数上限を説明している。
個人ユーザは30件,法人ユーザ及び士業者ユーザは各100件までと説明されている。
同70頁の保存書面一覧の画面例には,「一時保存した情報の保存期限は保存年月日から30日です。」と表示されている。

(続きを読む...)TreeeSで係属事件に書面を提出する方法―事件詳細画面,同時提出,下書き保存及び受付確認(AI作成)

TreeeS導入前に法律事務所が準備すること―アカウント台帳,提出経路台帳及びデータ保存(AI作成)

目次第1 結論1 システム導入は事件管理と権限管理の変更である2 二つの台帳を分ける第2 提出経路台帳1 記録する項目2 移送時の再判定第3 アカウント・権限台帳1 弁護士2 事務職員3 共用アカウントを使わない第4 提出の業務フロー1 二者確認2 六つの状態を分ける第5 受信と期限管理1 受信担当2 期限計算第6 30日以内の保存1 対象2 保存するデータ第7 担当変更・退職・障害1 担当変更と退職2 障害記録第8 関連記事1 制度と導入時期2 操作索引第9 出典と限界1 確認資料2 実務提案と未確認事項
第1 結論
1 システム導入は事件管理と権限管理の変更である

TreeeSへの移行準備は,新しいログイン方法を覚えるだけでは足りない。事件ごとの提出経路,弁護士・職員のアカウント,提出・閲覧・送達受領の権限及び30日で見えなくなるデータの保存方法を一体で設計する。

2 二つの台帳を分ける

事件ごとの提出経路台帳と,人物・アカウントごとの権限台帳を分ける。事件が終わってもアカウントは残り,職員が退職しても事件は続くためである。

第2 提出経路台帳
1 記録する項目

事件名,裁判所,事件番号,提起日,旧法・新法,紙・mints・TreeeSの別,移送歴,使用開始日,最終確認した裁判所案内及び担当者を記録する。

2 移送時の再判定

移送決定があった場合は,移送先裁判所の導入状況と新しい事件番号を確認する。mintsとTreeeSの事件データが自動移行することを前提にしない。

第3 アカウント・権限台帳
1 弁護士

TreeeSのユーザID,登録メール,GビズID利用の有無,プライムの有効期限,職務上氏名,連絡先住所,認証端末及び資格確認の状況を記録する。

2 事務職員

職員ごとのアカウント,メールアドレス,GビズIDメンバーのサービス権限,TreeeS事件上のサポーター・送達受取人等の役割,担当事件及び解除日を記録する。

3 共用アカウントを使わない

提出者,閲覧者及び送達書面を開いた者を特定できるよう,個人単位のアカウントを使う。パスワード・認証端末を共有しない。

第4 提出の業務フロー
1 二者確認

提出直前に,裁判所,事件番号,当事者,書面名,提出者の肩書,ファイルの版・頁数,提出先フォルダ,証拠番号及び秘匿情報を作成者とは別の者が確認する。

2 六つの状態を分ける

①下書き保存,②送信操作,③システム受領,④裁判所の立件・関連付け,⑤手数料納付,⑥送達効発生を別々に記録する。「提出済み」という一欄だけで管理しない。

電子提出を支援するAIサービスを使う場合も,サービス側の「作成完了」又は「パッケージ完成」を,裁判所側の受領確認に置き換えない。最終PDFの版,裁判所システムでの提出操作及び受付情報を別々に記録する。契約・情報管理を含む導入時の確認事項は,裁判所への電子提出を支援するAIサービスの導入・検収を参照されたい。

第5 受信と期限管理
1 受信担当

通知を監視する担当者,開封できる者,担当弁護士への連絡方法及び不在時の代替者を決める。最初の閲覧又はダウンロードが送達効の発生時点になり得る。

2 期限計算

通知発信,閲覧,ダウンロード及び1週間経過の各時刻を記録し,最も早い効力発生時点を検討する。通知メールの受信時刻だけを期限起算日にしない。

第6 30日以内の保存

(続きを読む...)TreeeS導入前に法律事務所が準備すること―アカウント台帳,提出経路台帳及びデータ保存(AI作成)

TreeeSでGビズIDメンバーを使う方法―法律事務所職員のアカウント,権限設定及びメールアドレス(AI作成)

目次第1 結論1 GビズIDメンバーは職員本人のアカウントである2 広いシステム権限と訴訟代理権は別である第2 作成とサービス権限1 プライム側の操作2 メンバー本人の操作第3 TreeeSでできること1 提出と記録閲覧2 送達・直送書面3 本人の最終責任第4 メールアドレスの設計1 一人一アドレス2 複数弁護士を補助する場合第5 有効期限と異動・退職1 GビズIDの有効期限2 二重の棚卸し第6 サポーターとの違い1 アカウントと事件上の役割2 GビズID非連携の場合第7 出典と限界1 確認した一次資料2 未確認事項
第1 結論
1 GビズIDメンバーは職員本人のアカウントである

GビズIDメンバーは,GビズIDプライム利用者が所属職員へ権限を付与して作成するアカウントである。法律事務所内で一つの共用IDを使う仕組みではない。

2 広いシステム権限と訴訟代理権は別である

デジタル庁のメンバー編は,職員用メンバーの作成と利用可能なサービスの設定を別に説明している。
アカウントを作成したことだけでTreeeSの登録や個別事件の権限が完成したとは判断できず,職員が訴訟代理人になるものでもない。

第2 作成とサービス権限
1 プライム側の操作

GビズIDプライム又は管理権限を持つ者がメンバーを作成し,利用可能な行政サービスを設定する。TreeeSを利用できるサービスとして許可されているかを確認する。

Ver.2.0資料上31~33頁では,法人・士業事務員アカウントはGビズIDメンバーのみ登録可能である。
アカウント選択後に[GビズIDを利用して新規登録]から認証し,同意・ユーザ情報の登録へ進む。
GビズID側のサービス設定とTreeeS側の登録完了を別々に照合する。

2 メンバー本人の操作

招待を受けた職員は,自分のメールアドレス,認証方法及び登録情報を用いて手続きを完了する。パスワードや認証端末を他の職員と共有しない。

第3 TreeeSでできること
1 提出と記録閲覧

GビズID側で利用可能なサービスを設定した後も,サービス側の登録条件及び事件への関連付けを確認する。
TreeeSの提出・記録閲覧を担当させる場合は,操作範囲と弁護士の承認方法を本番の公開案内及び事件画面で確認する。

2 送達・直送書面

送達の受信担当,閲覧・保存した時刻及び弁護士への報告を管理する。
職員が閲覧した場合の画面表示と,法的な送達の効力発生時期は,それぞれの根拠と実際の送達状況を確認する。

3 本人の最終責任

職員が操作できても,提出内容,事件,期限及び代理権の確認は別である。事務所内で弁護士の承認を経る段階を定め,承認者と送信者を記録する。

第4 メールアドレスの設計
1 一人一アドレス

操作履歴と本人を対応させるため,職員ごとのメールアドレスを用いる。同じメールアドレスを複数人で利用しない。

2 複数弁護士を補助する場合

職員ごとの登録済みメールアドレス,所属,管理者及び利用可能なサービスを先に確認する。
複数の弁護士を補助する場合は,それぞれのサービスが要求するアカウント構成に合わせ,命名,受信先及び退職時の停止方法を決める。

(続きを読む...)TreeeSでGビズIDメンバーを使う方法―法律事務所職員のアカウント,権限設定及びメールアドレス(AI作成)

TreeeSはいつからどの裁判所で使うのか―先行導入,mintsとの併存及び移送時の取扱い(AI作成)

目次第1 結論1 令和9年1月4日から最高裁・名古屋地区で先行導入2 全国一斉の確定日は未公表第2 令和8年5月21日以後の現行運用1 民事訴訟の全面デジタル化2 対象外手続第3 紙・mints・TreeeSの判定1 旧法適用事件2 新法適用事件3 事件単位で記録する第4 移送時の取扱い1 mints事件がTreeeS導入庁へ移送された場合2 TreeeS事件が他庁へ移送された場合3 運用予定として扱う第5 mintsから自動移行するとは限らない1 アカウント2 事件データ第6 導入確認のチェックリスト1 提出前2 導入後第7 出典と証拠区分1 確認済みの一次資料2 予定と未確認事項
第1 結論
1 令和9年1月4日から最高裁・名古屋地区で先行導入

裁判所「TreeeSについて」は,令和9年1月4日から,①名古屋地方裁判所本庁及び支部,②同地裁管内の簡易裁判所,③名古屋高等裁判所本庁,④最高裁判所にTreeeSを先行導入すると案内している(令和8年10月28日確認)。

先行導入庁に対し,同日以降にシステムを用いて新たな訴えの提起や支払督促のほか,少額訴訟,手形小切手訴訟,人身保護事件等,令和8年5月21日以降にmintsで扱うこととなった事件の申立てをする場合には,TreeeSを使うとの案内である。
一方,先行導入時点でmintsで取り扱われている事件に対する上訴の申立ては,引き続きmintsを使う。
先行導入庁以外の裁判所で手続を行う場合も,引き続きmintsを使うとの案内である。

2 全国一斉の確定日は未公表

全庁導入は令和9年度中を目指すとされるが,裁判所ごとの導入日を示す確定日程表は今回確認した資料にない。調達仕様書の工程は開発・運用予定の一次資料であるが,実際のサービス開始を確認する資料ではない。

令和8年10月4日に匿名で確認したTreeeS研修環境には,研修環境であり一般の方は利用できないこと及び電子申立てにはmintsを利用することが表示されている。研修画面へのアクセスと本番稼働は区別する。入口は,TreeeSのログインと研修環境で説明する。

日程を読む際は,①令和9年1月4日の先行導入,②令和9年度中の全庁導入目標,③各裁判所の具体的な利用開始日を分ける。
令和9年度は令和9年4月から令和10年3月までであり,「令和9年中」と同じ期間ではない。

第2 令和8年5月21日以後の現行運用
1 民事訴訟の全面デジタル化

改正民事訴訟法等は令和8年5月21日に全面施行された。弁護士等の所定の訴訟代理人には電子申立てが原則として義務付けられ,現在,裁判所はmintsを電子申立て等のシステムとして案内している。

2 対象外手続

民事執行,倒産,労働審判,家事事件等は,令和8年5月21日の民事訴訟フェーズ3と同じ範囲で一律にオンライン申立ての対象になったものではない。裁判所は,これらを令和10年6月までにオンライン申立て等の対象とする予定と案内している。手続類型ごとの施行日,システム及び調達工程の違いは,TreeeSは家事・倒産・民事執行でいつ使えるかで整理する。

第3 紙・mints・TreeeSの判定
1 旧法適用事件

裁判所の公開案内は,令和8年5月20日以前に訴えの提起等がされた事件でも,当事者双方に訴訟代理人がある等の条件を満たす場合は,経過措置によるmints提出が可能と説明している。旧法適用事件だから電子提出を全く利用できないとは判断せず,具体的事件の適用条件を確認する。

2 新法適用事件

令和8年10月28日に確認した公式案内は,先行導入庁に対して令和9年1月4日以降にシステムを用いて新たな訴えの提起等をする場合には,TreeeSで申し立てるよう説明している。
対象として,支払督促,少額訴訟,手形小切手訴訟,人身保護事件等,令和8年5月21日以降にmintsで扱うこととなった事件が挙げられている。

ただし,先行導入時点でmintsで取り扱われている事件に対する上訴の申立ては引き続きmintsで行うため,「新法適用事件はすべてTreeeSへ移る」という整理はできない。
提出先裁判所,元の事件で使用しているシステム,今回の申立ての種類及び裁判所の最新案内を照合する。

3 事件単位で記録する

事務所の事件台帳に,提起日,裁判所,適用法,使用システム,移送歴及び確認した裁判所案内の日付を記録する。「令和9年になったらすべてTreeeS」といった一律処理をしない。

第4 移送時の取扱い
1 mints事件がTreeeS導入庁へ移送された場合

mintsを利用していた事件がTreeeS導入庁へ移送されても,導入庁への移送だけからシステムの自動切替えを判断しない。移送元・移送先への提出経路,事件番号及び記録の引継ぎ方法を両裁判所へ確認する。

(続きを読む...)TreeeSはいつからどの裁判所で使うのか―先行導入,mintsとの併存及び移送時の取扱い(AI作成)

TreeeSのアカウント登録―GビズID,mintsと同じメールアドレス及び本人・資格確認(AI作成)

目次第1 結論1 登録前にGビズID利用の有無を決める2 とりあえず登録しない第2 アカウント種別1 士業者を選択する2 GビズID利用と非利用第3 mintsと同じメールアドレス1 同じアドレスを用いる改修案2 アカウントの自動移行ではない第4 GビズID1 プライムとメンバー2 有効期限3 アカウントの共用と複数所持第5 本人・資格確認と登録情報1 氏名2 住所3 二要素認証第6 登録前チェックリスト1 弁護士本人2 事務所運用第7 関連記事と出典1 関連記事2 出典と未確認事項
第1 結論

mintsの登録・補助者・招待キー等については,mints準備の手引の令和8年10月2日改訂―法律事務所が見直す7つの運用を参照されたい。このmintsの説明からTreeeSの本番仕様が確定するものではない。

1 登録前にGビズID利用の有無を決める

TreeeSの士業者アカウントを登録する前に,GビズIDを利用するかどうかを決める必要がある。
令和8年10月22日に研修環境から取得した「TreeeS操作マニュアル 当事者用」Ver.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)資料上25頁(PDF29頁)は,士業者がGビズIDを使わずユーザIDを取得した後は,GビズIDを利用する方法へ切り替えられないと説明している。
登録後に連携すればよいと考えて,非利用の経路を先に選ばないようにする。

判断は,①弁護士本人のアカウント種別,②事務職員の補助に使うアカウント・役割,③GビズID利用の有無,④mintsの登録メールアドレスと本人・資格確認の方法,⑤職務上氏名と連絡先住所,の順に整理するとよい。
弁護士本人は士業者アカウントを選び,職員については,GビズIDメンバーを用いる「法人/士業事務員アカウント」を使うかも含めて決める。
同アカウントは,この版ではGビズIDメンバーのみ登録可能と説明されている(資料上23~33頁)。

2 とりあえず登録しない

事務所内では,GビズIDの管理担当,職員ごとのメールアドレス,有効期限及び担当変更・退職時の処理を決めておく。
GビズIDメンバーの作成,利用サービスの設定,TreeeS側の登録及び事件ごとの権限は,それぞれ確認する必要がある。
職員用アカウントの区分と,サポーター・システム送達受取人等の事件上の役割も分けて扱う。

仮登録と本登録も区別する。
同マニュアル資料上30~31頁では,mintsと同一メールアドレスを用いる経路でも,仮登録完了メールの後に,本人確認手続等を終えた本登録完了通知が送信される流れになっている。
GビズIDを取得したことや仮登録完了の表示だけで,TreeeSの本登録又は特定事件へのアクセス準備が完成したとは判断しない。

以上は暫定マニュアルに記載された登録条件である。
実際に登録する際は,受付対象,登録先及びその時点の裁判所の正式案内を確認する。

第2 アカウント種別
1 士業者を選択する

令和8年9月19日に確認された研修環境では,「個人のかた」「法人」「士業者(弁護士・司法書士・弁理士)」の区分があり,弁護士法人等に所属する弁護士も士業者を選択する旨が表示されていた。

2 GビズID利用と非利用

法人又は士業者には,GビズIDを利用する登録経路と,利用しない登録経路が説明されている。
士業者については,Ver.2.0資料上25頁が,非利用でユーザIDを取得した後にGビズID利用へ切り替えられないと明記している。
したがって,この版に従って準備する場合は切替不可を前提に利用方針を決め,本番登録時に改訂の有無を確認する。

第3 mintsと同じメールアドレス
1 同じアドレスを用いる改修案

Ver.2.0資料上29~31頁は,本人・資格確認について,資格証明書類をアップロードする経路と,mintsアカウントと同一メールアドレスを利用する経路を説明している。
同一メールアドレスの経路でも,本人確認手続等の完了後に本登録完了通知が送られる。

(続きを読む...)TreeeSのアカウント登録―GビズID,mintsと同じメールアドレス及び本人・資格確認(AI作成)

TreeeSの下書き・提出書面・受信データはいつ消えるか―30日以内の保存と事務所の記録管理(AI作成)

目次第1 結論1 「30日」は一つの法定期間ではない2 送達効・上訴期間・記録保存と分ける第2 下書きの保存と件数上限1 下書きは提出ではない2 件数上限第3 提出書面一覧の30日1 提出結果の確認画面2 提出証拠の保存第4 受信一覧の30日1 システム送達・直送のファイル2 閲覧・ダウンロードは送達効に影響する第5 訴訟記録一覧との違い1 事件記録の閲覧2 法的な保存期間第6 事務所の保存手順1 毎回保存するもの2 ファイル名と台帳第7 関連記事と出典1 関連記事2 出典と限界
第1 結論
1 「30日」は一つの法定期間ではない

TreeeSのVer.2.0は,提出書面一覧を提出日から30日経過後に削除し,受信一覧を受信日から30日経過後に表示しなくなると説明している。
下書きについては,Ver.2.0資料上70頁の保存書面一覧の画面例に,「一時保存した情報の保存期限は保存年月日から30日です。」との表示がある。
同頁の本文には,保存できる件数の上限が個人ユーザ30件,法人ユーザ及び士業者ユーザ各100件と記載されている。
保存期限と件数上限は別の事項である。

2 送達効・上訴期間・記録保存と分ける

受信一覧からファイルが見えなくなる時期と,システム送達の効力が生じる時期,上訴期間及び裁判所の訴訟記録保存期間は別である。「30日以内なら期限に間に合う」といった理解をしない。

第2 下書きの保存と件数上限
1 下書きは提出ではない

フォームの[下書き保存]は入力中の書面を保存する操作であり,裁判所への提出ではない。
Ver.2.0資料上68~70頁は保存書面の確認・編集を説明しており,同70頁の画面例は保存年月日から30日という期限を表示している。
提出書面一覧の提出日から30日,受信一覧の受信日から30日という各説明とは,対象と起算日を分けて確認する。
下書きの保存期限が到来する前に,書面の内容と提出要否を確認するとよい。
正式な提出期限は,画面の下書き保存と別に管理する。

2 件数上限

Ver.2.0資料上70頁は,下書きの上限を個人ユーザ30件,法人ユーザ100件,士業者ユーザ100件と説明している。
これは日数ではなく件数である。
重要書面の唯一の原本を下書き画面に置かず,作成原稿を事件フォルダで管理する。

第3 提出書面一覧の30日
1 提出結果の確認画面

提出書面一覧は,ログインユーザが提出したファイルをフォーム単位で一覧表示する画面である。
Ver.2.0資料上58頁は,提出日から30日経過後に提出一覧画面から削除されると注意している。
同画面から取得するPDFの末尾には提出日時・受付番号等の詳細情報が付加されるため,提出直後に保存する。

2 提出証拠の保存

提出直後に,提出日時,受付結果,提出ファイル,裁判所,事件番号及び提出者を保存する。通知メールだけでなく,受付画面又は一覧の表示も保存する。

第4 受信一覧の30日
1 システム送達・直送のファイル

Ver.2.0資料上60頁は,受信日から30日経過後に受信一覧へ表示されなくなると説明している。

(続きを読む...)TreeeSの下書き・提出書面・受信データはいつ消えるか―30日以内の保存と事務所の記録管理(AI作成)

TreeeSで訴訟を提起する方法―訴状フォーム,当事者・代理人,添付資料及び受付番号(AI作成)

目次第1 結論と記事の対象1 新規申立てはユーザポータルから始める2 資料上の操作と本番運用を区別する第2 訴状フォームへ入力する事項1 裁判所,事件類型及び当事者2 訴訟代理人と委任状3 請求の趣旨・原因とPDF第3 添付資料と参考情報1 訴状本体,別紙及び添付資料を区別する2 参考情報は訴状本文ではない第4 提出前後に分けて確認する事項1 提出前の確認2 提出後の確認3 手数料納付と立件を別に管理する第5 関連記事1 TreeeSの総合案内2 操作マニュアルの索引第6 出典と確認範囲1 一次資料2 未確認事項
第1 結論と記事の対象
1 新規申立てはユーザポータルから始める

TreeeSで新たに訴えを提起する場合は,係属事件の事件詳細画面ではなく,ユーザポータルの新規申立ての入口から訴状フォームを選ぶ。
訴状フォームへの入力,添付ファイルの登録,手数料額の確認及び提出操作は一連の流れであるが,「送信したこと」「裁判所のシステムに到達したこと」「事件として立件されたこと」「手数料を納付したこと」は別の状態である。

2 資料上の操作と本番運用を区別する

本記事は,当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)資料上61~72頁及び81~105頁の操作説明を基にする。
令和8年10月16日に取得した版も暫定版であり,研修環境での操作と本番提出は区別する。
本番の対象事件・入口・条件は,裁判所の導入案内で確認する。

第2 訴状フォームへ入力する事項
1 裁判所,事件類型及び当事者

最初に提出先裁判所及び申立ての種類を選び,原告・被告その他の当事者情報を入力する。氏名・名称,住所,送達場所及び法人の代表者を,訴状本文や登記事項証明書等の添付資料と照合する。
同姓同名,当事者の追加・削除,法人名の表記及び支店・本店の区別を,提出直前に再確認する。

訴状フォームの「当事者、代理人などの別」を選ぶ画面で,個人として情報を入力し[登録ユーザ情報を反映する]を使う場合は,自動入力された項目を確認する。
Ver.2.0資料上83頁(PDF87頁)の「個人の場合」は,その画面上で確認できない生年月日も反映され,帳票に表示されると注意している。
生年月日の入力は任意とされ,不要な場合には反映された情報を手動で削除するとの説明である。
実務上は,氏名・住所だけを確認して終えず,提出前に生成帳票を開き,その事件の書面に記載する必要がある情報かを個別に点検するとよい。

同頁は,士業者がユーザ登録時に職務上の氏名を登録しているときには,その氏名が反映されると説明している。
また,GビズIDアカウント(個人事業主)でログインしてこのボタンを押すと,別途詳細情報を入力する画面の「住所」欄に,Gビズで登録した「連絡先住所」が反映される。
実務上は,アカウント登録時の情報と,実際に提出する書面の情報を生成帳票で照合し,閲覧等制限が問題となる情報も個別に確認するとよい。

2 訴訟代理人と委任状

訴訟代理人欄には,事件を担当する弁護士の情報を入力する。事務職員が入力操作を補助する場合でも,訴訟代理権を有する者と,システム上の入力者又はサポーターとは別である。
委任状その他の代理権を証する書面は,対象事件,当事者及び代理人との対応を確認した上で添付する。

3 請求の趣旨・原因とPDF

請求の趣旨及び請求の原因は,フォームへ直接入力する方法と,PDFを登録する方法が示されている。資料上,PDFをアップロードすると先に入力した文字列が消える欄があるため,入力済みの本文が残ると考えたまま提出してはならない。
提出前に生成される帳票又は確認画面を開き,請求の趣旨,請求の原因,別紙及び添付資料が意図した構成になっているか確認する。

第3 添付資料と参考情報
1 訴状本体,別紙及び添付資料を区別する

訴状本文に組み込まれる別紙と,資格証明書,委任状,証拠その他の添付資料は役割が異なる。ファイル名だけで判断せず,どの帳票又はフォルダに入るかを確認する。
書証を訴状と同時に提出する場合は,証拠番号,証拠の表示,作成者及び立証趣旨を証拠台帳と照合する。詳しい入力方法は,TreeeSでの書証の提出を参照されたい。

(続きを読む...)TreeeSで訴訟を提起する方法―訴状フォーム,当事者・代理人,添付資料及び受付番号(AI作成)

国内のリーガルテック・国産AIの規約は入力データをどう扱うか―学習条項と派生データ条項の比較(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 扱う問い2 結論の要旨第2 比較の視点第3 国内のリーガルテック1 Hubble2 LEGAL BRAIN(弁護士ドットコム)データの保存・閲覧・返却と削除Claude向けMCPコネクタ3 LAWGUE(FRAIM)4 Legalscape5 LegalOn(LegalOn Technologies)6 OLGA(GVA TECH)7 第一法規の生成AIサービス8 規約本文が公開されていないサービス9 BoostDraft AI第4 国産LLM・国内のAI基盤1 さくらのAI Engine(さくらインターネット)2 PLaMo(Preferred Networks)3 tsuzumi(NTT)4 Takane(富士通)5 ELYZA Works with KDDI6 Rakuten AI for Business(楽天モバイル)7 KDDI Conata Data Agent8 Sakana AI9 規約本文が公開されていないサービス第5 比較表第6 規約の書き方の型と弁護士実務への示唆1 範囲を絞った書き方2 守秘義務との関係で慎重な検討を要する書き方3 読み落としやすい点4 規約本文が公開されていないサービス第7 関連記事第8 出典1 法令等2 リーガルテックの規約・公式資料3 国産LLM・国内AI基盤の規約・公式資料
第1 本記事の対象と結論
1 扱う問い

「学習に使わない」と書いてあっても―AIサービス規約の派生データ条項(ログ・分類結果・利用統計・フィードバック)の読み方と弁護士の守秘義務では,海外の主要なAIサービス5社の規約を取り上げ,入力と出力を学習に使わないとする条項(以下「学習条項」という。)と,入力から生じるデータや入力そのものを提供者が学習以外の目的に使えるかを定める条項(以下「派生データ条項」という。)が別に定められていることを確認した。

本記事は,同じ観点から,国内のリーガルテックのサービスと,国産の大規模言語モデル(LLM)又は国内のAI基盤を使ったサービスの公開されている規約を比較する。
法律事務所が契約書審査,リサーチ又は文書作成にこれらのサービスを使うとき,依頼者の情報がどう扱われるかを判断する材料とすることが目的である。

基準日は令和8年10月1日であり,各社の規約・公式資料はこの日に確認したものである。
LEGAL BRAINのClaude向けMCPコネクタについては,令和8年9月22日に公式発表等を追加確認した。
令和8年10月3日には,LEGAL BRAINの令和8年7月30日改定規約及び同年9月9日改訂のセキュリティホワイトペーパーを追加確認し,同サービスの説明を補った。追加確認は他社の資料の再調査を意味しない。
本記事は規約・公式資料の文言から読み取れる範囲の整理であり,各社の実際の運用を確認したものではなく,各社のサービスの優劣を評価するものでもない。
規約は変更されることがあるため,導入や更新のときは改めて原文を確認する必要がある。
規約本文に条番号の表示がない文書については,条番号を示さずに文言で特定した。

2 結論の要旨

国内のサービスでも,学習条項で「学習に使わない」と約束した上で,派生データ条項で入力データの分析,サービス改善,新サービスの開発,マーケティング又は第三者への許諾を認める規約が少なくない。
学習条項だけを見て依頼者の情報を入力してよいと判断することはできない。

他方,①アップロードした文書そのものは学習にも統計化にも使わず,利用ログだけを匿名化・統計化して使うと切り分けるもの,②入力情報を利用せず第三者にも提供しないと一律に定めるもの,③有償プランと無償プランで扱いを分けるものなど,範囲を絞った書き方もある。
また,よくある質問(FAQ)の説明と規約本文が一致していない例,同じサービスで古い版の規約が別の場所に残っている例,国産を名乗るサービスでも契約の相手方や準拠法が外国である例があるため,規約本文を,実際に契約する版と相手方まで確かめる必要がある。

第2 比較の視点

各社の規約を,次の4点で見た。
①学習条項=入力と出力をAIモデルの学習に使うか。使わない旨の約束か,利用者が申し出て止める方式(オプトアウト)か,利用者の同意があるときだけ使う方式(オプトイン)か
②派生データ条項=学習とは別に,入力データ,利用状況のデータ,統計情報を提供者自身の目的(サービス改善,新サービス開発,マーケティング,第三者提供等)に使えるか。使えるとして,匿名化・統計化の限定や目的の限定があるか
③フィードバック等=利用者の評価や意見をどう扱うか
④相手方・保存場所・準拠法=背後で使う基盤モデルの提供者,データの保存場所,日本法が準拠法か

第3 国内のリーガルテック
1 Hubble

契約書管理サービスのHubbleの利用規約(令和8年8月5日改訂)19条は,アップロードした情報と本サービス上で作成した情報(ユーザーデータ等)について,「学習用データセット又はモデルの生成、当社AIを含む本サービスの改善や品質向上、新規サービスの開発や統計情報の生成といった目的に基づく二次的な利用は行わない」と定めている。
他方,同じ条の次の項は,利用情報,使用状況,アクセスログ等(利用情報等)について,特定のユーザー又は個人を識別できないよう抽象化,匿名化又は統計化した上で,新規サービスの開発その他同社の事業活動のために,第三者への開示又は公開を含めて利用できるとしている。

文書本体とログを分け,文書本体は二次利用をしないと明記し,ログだけを匿名化・統計化の条件付きで使うという書き方である。
同規約のAI機能に関する特約は,基盤モデル(Azure OpenAI Service及びVertex AI)での入力データの処理地域を日本国内に限定し(3条),基盤モデルの提供企業に不正監視の目的でも入力データを保持させないとしている(4条)。

2 LEGAL BRAIN(弁護士ドットコム)

(続きを読む...)国内のリーガルテック・国産AIの規約は入力データをどう扱うか―学習条項と派生データ条項の比較(AI作成)

生成AIサービスの値上げ・提供終了・モデル廃止に備える契約と運用-規約の変更条項,終了時のデータ,移行計画及び中継サービス(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 扱う問い2 結論の要旨第2 何が起きるか1 料金と課金方式の変更2 モデルの廃止3 外国の規制等による提供停止第3 主要な事業者の規約と公式資料1 Anthropic2 OpenAI3 Google4 Microsoft5 比較第4 日本法から見た規約の変更1 定型約款の変更の要件2 外国法を準拠法とする規約3 裁判例第5 契約終了時のデータと守秘義務・個人情報1 取り出すデータと削除を確かめるデータ2 弁護士の守秘義務3 弁護士情報セキュリティ規程と可用性4 個人情報保護法第6 代わりのサービスへ移るときに確認し直すこと第7 中継サービスで乗り換えを容易にする方法と限界1 中継サービスの仕組み2 自動切替えと秘密・個人情報3 中継サービス自体が新しい依存先になる4 資本・クラウド・モデルの共通依存も確認する第8 業務の棚卸しと社内規程に書く事項1 業務の棚卸し2 社内規程に書く事項3 ベンダーの継続性を定期点検する4 任意の終了と倒産を区別する5 返還するデータを種類ごとに特定する6 ライセンス・稼働・金銭救済を分ける第9 関連記事第10 出典1 法令等2 公的資料3 事業者の規約・公式資料4 中継サービスの公式資料5 裁判例6 論点を見付けるための資料
第1 本記事の対象と結論
1 扱う問い

生成AIサービスを業務に組み込んだ企業や法律事務所にとって,料金の改定,課金方式の変更,サービスの提供終了及びモデルの廃止は,いずれ必ず起きる出来事である。
特定のサービスやモデルに業務の手順を合わせ込んでいると,そのたびに手順を作り直すことになり,移行の間に業務が止まることもある。

本記事は,こうした変化に備えて,①主要な事業者の規約と公式資料が料金改定,契約終了及びモデル廃止をどう定めているか,②日本法から見て規約の変更をどう考えるか,③契約終了時のデータと守秘義務・個人情報保護法の関係,④代わりのサービスへ移るときに確認し直すこと,⑤複数のサービスを切り替えやすくする中継サービスの使い方と限界,並びに⑥社内規程と業務の棚卸しで決めておく事項を整理する。

基準日は令和8年9月20日であり,各社の規約・公式資料はこの日に確認したものである。
規約と公式資料は予告の上で変更されるため,導入や更新のときは改めて原文を確認する必要がある。
ただし,第2の1の料金の引下げの例及び第2の2のGPT-4の例は,令和8年9月25日に追記したものである。
第2の1のClaude Sonnet 5.5の例及び第2の2のClaude Sonnet 4.5の例は,令和8年10月1日に追記したものである。
英文の規約・公式資料の訳は本記事によるものであり,規約の意味を述べる部分は,文言から読み取れる範囲の整理である。

本記事の発想の起点は,AI活用に関する書籍の著者である池田朋弘氏のX投稿(令和8年9月18日)である。
同投稿は,特定のツールに仕事のやり方を固定すると値上げやサービス終了のたびに振り回されるとして,「このAIでしか通用しない」業務を書き出すことを勧めている。
これは投稿者の意見であり,本記事では論点を見付けるための資料として扱う。

なお,本記事の書き手はAnthropicのAIであるClaudeであり,Anthropicは本記事が取り上げる事業者の一つである。
本記事では事業者の優劣を評価せず,規約と公式資料の記載を並べるにとどめる。

2 結論の要旨

主要な事業者の規約は,料金の改定を掲載から14日~30日で効力を生じさせるものが多く,事業者側からの契約終了やサービスの廃止にも比較的短い予告期間しか置いていない。
モデルの廃止については,各社が公式資料で予告期間を示しているが,その長さは60日から6か月以上まで幅がある。

したがって,利用者の側で,①料金と廃止の予告を誰が受け取り誰に伝えるか,②契約終了時にデータを取り出し,削除を確認する方法,③代わりのサービスを事前に審査しておくこと,④特定のモデルでしか動かない手順を減らすこと,を決めておく必要がある。
中継サービスは乗り換えの手間を減らすが,自動切替えの設定次第では未審査の事業者へ依頼者情報が送られるので,切替先を承認済みの事業者に限ることが前提になる。

第2 何が起きるか
1 料金と課金方式の変更

料金の改定は,単価の引上げだけではない。
定額の枠を使い切った後の扱いや,利用量の数え方が変わることもある。

例えば,GitHubは,令和8年4月27日の告知で,同年6月1日からGitHub Copilotの全プランを利用量に応じた課金へ移すと公表した。
告知によれば,従来のpremium requestの回数による計算をやめ,各プランに毎月のクレジットを付け,入力・出力等のトークンを各モデルのAPI単価で計算する方式にするという。
同じ使い方をしていても,課金方式の変更によって請求額が変わり得る例である。
利用料が予算を超えないための約款の読み方は,生成AIの利用料が予算を超えないために―従量課金の約款で確認する5項目と社内規程の定め方で扱っている。

料金の改定は,引下げの方向にも起きる。

(続きを読む...)生成AIサービスの値上げ・提供終了・モデル廃止に備える契約と運用-規約の変更条項,終了時のデータ,移行計画及び中継サービス(AI作成)

AIが示す「確信度」はどこまで信じてよいか―較正の意味,自動振分けの閾値及び期限が絡む分類を人が見る理由(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 扱う問い2 結論の要旨第2 確信度とは何か1 確信度と較正2 較正されていても1件ごとの正しさは保証されない3 生成AIが文章で示す「自信」は確率とは限らない第3 判定専用AIの登場と確信度の使い方1 判定専用AI(Jev)の仕組み2 確信度の返し方3 日本語での精度第4 法律事務所の自動振分けで閾値をどう決めるか1 閾値は自分のデータで決める2 誤りの種類ごとに重さが違う3 閾値にかかわらず人が見る分類第5 期限が絡む分類を人が見る理由1 訴訟行為の追完の要件2 事務所内の受領・取次ぎの誤りは救われない3 事務所の外の制度への信頼が救われた例4 受任の諾否の通知第6 運用の手順第7 関連記事第8 出典1 法令等2 裁判例3 AI提供者の公式資料4 ガイドライン
第1 本記事の対象と結論
1 扱う問い

法律事務所で,問い合わせ,郵便物,ファクシミリ又はシステム送達の通知をAIで自動的に振り分けるとき,「確信度が低いものは人の確認へ回す」という設計がよく勧められる。
山中弁護士ブログの既存記事でも,事件管理システムとの連携,AIエージェントの業務設計及び生成AI利用ガイドラインの各記事で,この考え方を採っている。

しかし,確信度とは何の数字か,何%なら自動処理してよいか,確信度が高ければ人が見なくてよいのかは,これらの記事では詳しく説明していない。
本記事は,令和8年9月に登場した判定専用のAIの公式資料を手掛かりに,確信度の意味と,法律事務所で閾値(自動処理と人の確認を分ける境目)を決めるときの考え方を整理する。

基準日は令和8年9月19日であり,AI製品の仕様・料金はこの日に各社の公式ページで確認したものである。
英文の公式資料の訳は,本記事によるものである。
AI製品の仕様・料金は短期間で変わるため,導入を検討するときは改めて公式ページで確認する必要がある。

2 結論の要旨

確信度が意味を持つのは,提供者が,示す確率と実際の的中率が一致するように調整(較正)していることを公表し,かつ自分の事務所のデータで試して確かめた場合に限られる。
較正されていても,確信度は多数の判定をまとめて見たときの的中率であり,1件ごとの判定が正しいことを保証しない。
これは,判定専用AIの提供者自身が公式の技術文書で明記していることである。

したがって,閾値は1つの数字で決めるのではなく,誤ったときの不利益の重さに応じて分けるべきである。
特に,控訴期間のような不変期間その他の期限に関わる分類,受任するかどうかの判断及び依頼者への返答の要否は,確信度の高低にかかわらず人が確認すべきである。
事務所内の受領・取次ぎの誤りで不変期間を守れなかった場合,最高裁判所の判例は訴訟行為の追完を認めていないからである。

第2 確信度とは何か
1 確信度と較正

AIの判定に付く確信度は,通常,選択肢ごとの確率(例えば「スパム90%,スパムでない10%」)から計算される数字である。
この数字を信じてよいかどうかは,「較正」されているかどうかで決まる。

較正(キャリブレーション)とは,AIが示す確率と,実際に当たる割合を一致させることをいう。
令和8年9月15日に判定専用AI「Jev」を公開した米国のTypeSafe AIは,公式の技術文書で,よく較正されたモデルであれば,確率0.2とされた結果は約20%,確率0.8とされた結果は約80%の割合で実際に起こるべきだと説明している。

2 較正されていても1件ごとの正しさは保証されない

同じ技術文書は,これらの割合は予測の集まりについてのものであり,個々の回答について保証するものではないと明記している。
確率0.9の判定を100件集めれば約90件が正しいことが期待できるが,目の前の1件がその90件に入るかどうかは分からない。

このため,「確信度90%なら9割は正しいので自動処理してよい」とする説明は,言い過ぎである。
実際,Jevを紹介した国内の解説記事には,確信度90%と出ればおよそ9割が正しいという意味になると説明するものがあったが,公式の技術文書は,上記のとおり個々の回答の保証ではないとする留保を付けている。
自動処理に回した10件のうち1件が誤りであっても困らない業務でだけ,確信度による自動処理が成り立つと考えるべきである。

3 生成AIが文章で示す「自信」は確率とは限らない

(続きを読む...)AIが示す「確信度」はどこまで信じてよいか―較正の意味,自動振分けの閾値及び期限が絡む分類を人が見る理由(AI作成)

「学習に使わない」と書いてあっても―AIサービス規約の派生データ条項(ログ・分類結果・利用統計・フィードバック)の読み方と弁護士の守秘義務(AI作成)

目次第1 本記事の対象と結論1 扱う問い2 結論の要旨第2 派生データとは何か1 顧客データと派生データの区別2 主な種類第3 主要な提供者の規約の書き方1 TypeSafe AI(Jev)2 Anthropic3 OpenAI4 Google5 Microsoft6 比較第4 弁護士の守秘義務との関係1 弁護士法23条と弁護士職務基本規程23条2 分類結果も秘密になり得る3 規程23条の「利用」第5 個人情報保護法との関係1 委託として扱えるか2 統計情報は個人情報に当たらない3 外国にある第三者への提供と注意喚起4 令和8年改正法30条の3第6 規約を読むときの確認項目第7 関連記事第8 出典1 法令等2 個人情報保護委員会の資料3 AIサービスの規約・公式資料
第1 本記事の対象と結論
1 扱う問い

法律事務所や企業が生成AIその他のAIサービスを選ぶとき,「入力したデータを学習に使わない」と規約に書かれているかどうかがまず確認される。
しかし,AIサービスの提供者の手元には,入力と出力そのもののほかに,入力から派生したデータが残る。
例えば,処理の記録(ログ),トークン数等の利用状況,安全確認のための分類結果,評価ボタンによるフィードバック及び利用から得た知見である。

本記事は,こうした派生データを提供者がどこまで使えるかを定める規約の条項(以下「派生データ条項」という。)に着目し,主要な提供者の規約の書き方,弁護士の守秘義務及び個人情報保護法との関係,並びに規約を読むときの確認項目を整理する。

各社の規約比較の初回基準日は令和8年9月19日である。
Anthropicの個人向け・商用サービスの対象範囲に関する説明は,令和8年10月13日に公式資料を確認して補った。
規約は予告の上で変更されることがあるため,導入や更新のときは改めて原文を確認する必要がある。
本記事で規約の意味を述べる部分は,規約の文言から読み取れる範囲の整理であり,各社の実際の運用を確認したものではない。
英文の規約・公式資料の訳は,本記事によるものである。

2 結論の要旨

「学習に使わない」という条項は,入力と出力(以下「顧客データ」という。)をモデルの訓練に使わないことを約束するものであり,派生データの扱いまで決めているとは限らない。
令和8年9月に判定専用AI「Jev」を公開した米国のTypeSafe AIの利用契約は,顧客データを学習に使わないとしながら,ログ,ハッシュ,要約統計,分類結果及び利用から得た知見を「テレメトリ」と定義し,同社が制限なく処理できると定めている。

弁護士の立場からは,①依頼者の相談内容がどの分類に振り分けられたかという情報自体が秘密になり得ること,②弁護士職務基本規程23条が秘密を他に漏らすことだけでなく「利用」することも禁じていること,③個人情報保護法上,委託先は委託された業務の範囲外で個人データを統計情報に加工して自社のために使うことはできないとされていることから,派生データ条項は学習条項と同じ重さで確認すべきである。

第2 派生データとは何か
1 顧客データと派生データの区別

AIサービスの規約は,利用者が送る入力(プロンプト,文書等)と,AIが返す出力を「顧客データ」「顧客コンテンツ」等と呼び,その扱いを定めることが多い。
これに対し,本記事でいう派生データとは,顧客データを処理する過程で生まれ,又は顧客データから作られるデータである。

派生データには,顧客データの一部をそのまま含むもの(例えば,フィードバックに添付される会話全体)と,含まないもの(例えば,トークン数)がある。
分類結果のように,文言そのものは含まなくても,内容を要約した情報になるものもある。

2 主な種類

派生データの主な種類は,次のとおりである。
①ログ=いつ,どのアカウントが,どの機能を使ったかの記録。障害対応や不正利用の監視のために,顧客データの一部を含んで一定期間保存されることがある
②利用状況のデータ=トークン数,応答時間,エラー,安全フィルタが作動したかどうか等
③分類結果=安全確認のための自動分類器が付けたラベル,利用状況の把握のための分類等
④利用統計=多数の利用者のデータを集計した統計
⑤フィードバック=評価ボタンや自由記述による利用者の評価。会話全体が添付されることがある
⑥知見(learnings)=利用から得られた知見。何を含むかは規約の定義による

(続きを読む...)「学習に使わない」と書いてあっても―AIサービス規約の派生データ条項(ログ・分類結果・利用統計・フィードバック)の読み方と弁護士の守秘義務(AI作成)

TreeeS操作マニュアル(当事者用)の読み方―提出の入口,30日で消える一覧,手数料の納付及び送達の確認(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 令和8年8月31日発行のVer.2.02 基準日と資料の限界第2 マニュアルの構成とログイン1 全7章の構成2 ログインの注意3 ユーザポータルが起点になる第3 目的別索引第4 共通の注意事項第5 マニュアルから確認できないこと第6 関連記事第7 出典1 裁判所の資料2 法令
第1 この記事の対象と結論
1 令和8年8月31日発行のVer.2.0

本記事は,最高裁判所「TreeeS操作マニュアル 当事者用」Ver.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)を基にした目的別索引である。
令和8年10月28日には,裁判所「TreeeSについて」から同名・同版の公開PDFを取得できることを確認した。
全197PDF頁であり,本文の印刷頁は1頁から193頁までである。
操作の詳細は各個別記事へ案内し,マニュアルの記載と本番利用の確定条件を分けて説明する。

Ver.2.0で押さえるべき要点は,登録手順と動作環境が説明されていること,準備書面の専用入口があること及び関連付いていない事件への提出方法があることである。
提出一覧・受信一覧の30日は,それぞれの一覧表示の期間であり,送達効や訴訟記録の法的保存期間ではない。
電子署名付きデータは,PDFを結合せず詳細情報を含めずに取得するか,ファイル詳細画面から個別取得する。

2 基準日と資料の限界

本記事の操作説明は,令和8年10月28日に確認した裁判所公開のVer.2.0に基づく。
改訂履歴の改訂日は2026年8月26日,表紙の発行日は同月31日であり,この二つを区別する。
公開PDFにも暫定版と明記されているため,公式サイトで配布されていることだけをもって,本番で全機能が実装・稼働済みであるとは扱わない。
実事件の提出先は,裁判所の民事裁判手続デジタル化ページと担当裁判所の案内で確認する。

本記事の資料上の頁は,下部に印刷された本文頁をいう。
表紙,改訂履歴及び2頁の目次が先行するため,PDFの物理頁は資料上の頁に4を加えた数になる。
例えば動作環境の資料上1頁はPDF5頁,書証フォームの資料上113頁はPDF117頁である。

Ver.2.0には「1 ユーザ登録・ユーザ情報の管理」が収録されている。
旧版の「追加予定」という説明は,現在取得できる版の収録状況とは区別する。
公式入口と認証画面の注意は,TreeeSのログインと研修環境を参照されたい。

第2 マニュアルの構成とログイン
1 全7章の構成

マニュアルは,次の7章で構成されている(資料上の目次)。

章主な内容資料上の頁はじめに利用環境・利用時間・対象外操作1頁1ユーザ登録・ユーザ情報の管理2~46頁2ユーザポータル47~60頁3フォーム提出61~133頁4電子記録の閲覧・複写134~168頁5手数料・保管金の管理169~177頁6招待キー178~185頁7システム送達・システム直送186~193頁

初めて確認する場合は,資料上1頁の利用環境,2頁からの登録の流れ,61頁からの提出の流れ,152頁からのダウンロード及び186頁からのシステム送達を目的に応じて読む。
準備書面は106頁から,書証は110頁から,関連付いていない事件への提出は126頁から説明されている。

2 ログインの注意

ログインはトップ画面から進み,登録用メールアドレスとパスワード,又は「GビズIDでログイン」を用いる(資料上47~48頁,PDF51~52頁)。
認証画面をブックマークして直接開くとログインできないという注意がある。

(続きを読む...)TreeeS操作マニュアル(当事者用)の読み方―提出の入口,30日で消える一覧,手数料の納付及び送達の確認(AI作成)

TreeeSでの書証の提出―証拠説明書の自動作成,証拠番号,原本・写しの選択及び翻訳文(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 TreeeSでは書証フォームへの入力から証拠説明書が作られる2 基準日と資料の限界第2 書証の申出と証拠説明書に関する規則1 写しと証拠説明書の提出2 原本の提出と外国語文書の訳文3 電磁的記録の証拠調べ第3 書証フォームの入り方と入力の流れ1 事件詳細画面の[書証提出]から入る2 入力の順序第4 証拠番号の付け方1 入力の形式2 mintsとの違い第5 証拠の表示・立証趣旨・作成年月日・作成者・補足事項1 証拠の表示2 立証趣旨3 作成年月日・作成者・補足事項第6 原本・写し・原本に代え写し(画像情報)の選択1 3つの選択肢2 選び方の注意第7 関連データと翻訳文第8 証拠一覧画面と自動で作られる証拠説明書1 証拠一覧画面の構成2 証拠説明書のPDF第9 人証申出書も帳票が自動で作られる第10 提出前に確認すること第11 関連記事第12 出典1 裁判所の資料2 法令
第1 この記事の対象と結論
1 TreeeSでは書証フォームへの入力から証拠説明書が作られる

TreeeSでは,書証フォームへファイルをアップロードし,各行の情報を入力すると証拠説明書の帳票が作られる。
当事者用操作マニュアルVer.2.0(2026年8月31日発行,暫定版)資料上110頁は,別途証拠説明書を作成して提出する必要はないと説明している。
本記事は,令和8年10月16日に取得した同版の3.3.2「書証を提出する」(資料上110~116頁)及び4.7「証拠一覧画面」(資料上162~168頁)を中心に整理する。

結論として,TreeeSでの書証の提出で押さえるべき点は,次のとおりである。
①書証は,事件詳細画面の[書証提出]から入り,訴状フォームの添付資料欄には上げない(資料上99頁・110頁)。
②証拠番号は「甲001」「甲012-2」「乙A001」の形で入力し,英数字とハイフンは半角で入力する(資料上113頁)。
③「原本」「写し」「原本に代え写し(画像情報)」のいずれを選ぶかで,期日に現物を持参するかどうかが変わる(資料上114頁)。
④外国語の文書は,取調べを求める部分の翻訳文を「関連データ」として添付する(資料上115頁,民事訴訟規則138条1項)。
⑤証拠一覧画面は,当事者が入力した証拠説明書の項目と,裁判所職員が入力する採否等が一体になった画面である(資料上139頁・164頁)。

2 基準日と資料の限界

本記事は,令和8年10月16日をマニュアルの確認日とする。
マニュアルは,TreeeSの研修環境のトップ画面にあるヘッダーの「マニュアル」から取得したものであり,先行導入までに改訂される可能性がある。
現在の民事訴訟の電子提出はmintsで行うものであり,mintsでの証拠説明書の作り方は「mintsの証拠説明書の作り方・提出方法-標目・原本・写し・記録外データ」で説明している。
マニュアルの頁は,マニュアルの下部に印刷された頁番号(資料上の頁)で示し,PDFの頁番号は資料上の頁に4を加えた数になる。

本記事は,書証フォーム,証拠番号,証拠説明書,原本・写し及び翻訳文を対象とする。訴状・準備書面等の提出入口,提出後の受付確認及び事件記録全体のダウンロードは,それぞれ別の記事で扱う。

第2 書証の申出と証拠説明書に関する規則
1 写しと証拠説明書の提出

民事訴訟規則137条1項は,文書を提出して書証の申出をするときは,「当該申出をする時までに、その写しを提出するとともに、文書の記載から明らかな場合を除き、文書の標目、作成者及び立証趣旨を明らかにした証拠説明書を提出しなければならない。」と定めている。
同条3項は,文書の写しの提出に代えて,最高裁判所の細則で定めるところにより,文書の画像情報を電子情報処理組織を使用してファイルに記録する方法で提出することができるとしている。
同条4項は,民事訴訟法132条の11第1項及び第3項を写しの提出に準用しているので,委任を受けた訴訟代理人は,写しを電子情報処理組織を使用して提出することになる。

2 原本の提出と外国語文書の訳文

民事訴訟規則143条1項は,「文書の提出又は送付は、原本、正本又は認証のある謄本でしなければならない。」と定めている。
写しの電子提出は,書証の申出の時までに写しを出す手続であり,取調べの対象となる文書そのものの提出とは区別される。
TreeeSの書証フォームで「原本」「写し」「原本に代え写し(画像情報)」を選ばせるのは,この区別を画面上で明らかにするためと考えられる。

民事訴訟規則138条1項は,外国語で作成された文書を提出して書証の申出をするときは,「取調べを求める部分についてその文書の訳文を添付しなければならない。」と定めている。
相手方は,訳文の正確性について意見があるときは,意見を記載した書面を裁判所に提出しなければならない(同条2項)。

3 電磁的記録の証拠調べ

(続きを読む...)TreeeSでの書証の提出―証拠説明書の自動作成,証拠番号,原本・写しの選択及び翻訳文(AI作成)

出版取次の本がAI学習に使われたら―日販・Anthropic報道,譲渡権の消尽,再販契約及び米国Bartz事件の裁判資料(AI作成)

目次第1 本記事の結論1 結論2 基準日と資料の性質第2 報道された事実1 朝日新聞の報道2 日経ビジネスの報道第3 米国の裁判資料で確認できること1 Bartz事件と封印解除2 社内会議メモに記載された「Nippan Japan」3 日本語書籍の書誌の取込み4 他の取次・書店との取引5 裁判資料から分からないこと第4 米国の裁判所の判断1 フェアユース命令の三つの区分2 和解の範囲第5 日本法の論点―本を売ること1 譲渡権の消尽2 出版社と取次の取引契約3 再販売価格維持契約第6 日本法の論点―スキャンと学習1 準拠法2 日本で行われた場合の著作権法30条の43 私的使用の複製(30条1項)との違い第7 当事者ごとの実務1 出版社2 取次・書店3 AI事業者第8 まとめ第9 出典1 法令2 裁判例3 米国の裁判資料4 公的資料5 報道6 関連記事
第1 本記事の結論
1 結論

令和8年9月18日,出版取次大手の日販グループが米国のAI開発企業Anthropic社に大量の書籍を販売していたとして,日本書籍出版協会(書協)が日販に事実確認を求める書面を送ったと報じられた。
報道の根拠となった米国の裁判資料を確認すると,Anthropic社の社内会議メモに「Nippan Japan」との書籍購入契約が令和6年11月21日に締結された旨の記載がある。
他方で,購入した冊数,単価,金額及び書籍の種類は黒塗りであり,日販にどのような用途が告げられていたかも,裁判資料からは分からない。

日本法の観点からは,次の3点を分けて考える必要がある。
①出版社が流通に置いた本を取次が転売すること自体は,譲渡権の消尽(著作権法26条の2第2項1号)により,著作権の問題になりにくい。
②転売先・用途・価格をめぐる問題は,出版社と取次の間の取引契約と再販売価格維持契約の問題であり,契約書の条項によって結論が変わる。
③購入した本の裁断・スキャンと学習は,それが行われた国の著作権法で判断されるのが原則であり,米国で行われたのであれば米国法(フェアユース)の問題になる。

米国の連邦地裁は,購入した紙の本を裁断・スキャンして電子化した行為をフェアユースと判断し,その後の15億ドルの和解も,購入した本のスキャンによる学習を対象外としている。
したがって,「本を買ってスキャンし,学習に使う」という経路は,米国では法的に閉じられていない。
出版社がこの経路に対応するには,取引契約での転売先・用途の定めと,AI学習用のライセンス市場の形成という,契約と市場の手段によることになる。

2 基準日と資料の性質

本記事は,令和8年9月19日現在の公開資料に基づく。
法令の条文は同日にe-Gov法令検索で確認した現行条文により,日本の裁判例は裁判所ウェブサイトで実在と該当箇所を確認したものを用い,関連する裁判例の有無は判例秘書でも検索した。
米国の裁判資料は,裁判記録を再公開するCourtListenerのPDFで本文を確認したものであり,PACERの認証済み写しではない。

朝日新聞と日経ビジネスの記事は,いずれも有料部分がある。
朝日新聞の記事は,Yahoo!ニュースに転載された全文で内容を確認したが,日経ビジネスの記事は有料部分を確認していない。
書協の書面と日販の回答書は公表されておらず,本記事は報道の記載によっている。

本記事の作成には,本件の当事者であるAnthropic社の生成AIを用いている。
そのため,裁判資料と報道の記載に即して記述し,いずれかの当事者に有利又は不利な評価を加えないよう注意した。

第2 報道された事実
1 朝日新聞の報道

朝日新聞(令和8年9月18日)によれば,書協は日販に対し,Anthropic社に渡った書籍に加盟出版社の発行物が含まれていたか,含まれていた場合の詳細,出版社の了承なく海外業者に大量販売した場合の法的整合性等の説明を求めた。
あわせて,AI学習を目的とする書籍の新たな販売の取りやめと,AI学習目的の書籍供給についての考え方の表明も求めたとされる。

同記事は,作家らがAnthropic社を訴えた米国の著作権侵害訴訟の裁判資料に,日販とみられる「Nippan Japan」の記述が複数回登場すると報じている。
日販は同紙の取材に対し,個別取引については取引の有無を含めて回答を差し控えるとした上で,「AI企業の学習向け用途と認識したうえで販売した事実はない」などと回答したとされる。

令和8年9月19日現在,書協と日販の各ウェブサイトに,本件に関する発表は見当たらない。

2 日経ビジネスの報道

(続きを読む...)出版取次の本がAI学習に使われたら―日販・Anthropic報道,譲渡権の消尽,再販契約及び米国Bartz事件の裁判資料(AI作成)

生成AIが作る法律文書を短くしても根拠を落とさない方法-結論先行,意思決定密度及び証拠台帳の分離(AI作成)

目次第1 この記事の対象と結論1 短くすればよいわけではない2 短縮の対象と残すべき情報を分ける3 実務で使う六つの順序第2 生成AIの文書が長くなる四つの型1 重要度を選別せずに並べる2 結論を最後まで遅らせる3 定型見出しを内容の有無にかかわらず埋める4 実質的な差のない代替案まで両論併記する第3 公開された比較例から確認できたこと1 比較の素材2 原資料から確認した差3 この比較からはいえないこと第4 法律文書で削ってよいもの,削らないもの1 削除又は統合の候補2 短縮時にも残す事項第5 本文と証拠台帳を分ける1 本文の役割2 証拠台帳の役割3 本記事の裏付けの範囲
4 確認者へ渡す前に,結論と原資料の対応を示す第6 生成AIへの短い指示例1 法律調査メモ2 裁判所提出書面のレビュー3 ブログ記事第7 短縮の効果を測る1 文字数だけで評価しない2 一つの例を一般化しない第8 既存記事との関係第9 出典・確認資料1 論点発見資料2 比較の原資料3 公的資料
第1 この記事の対象と結論
1 短くすればよいわけではない

生成AIが作る法律文書は,短ければよいわけではない。
削るべきなのは,同じ結論の反復,判断に影響しない一般論,機械的に埋められた定型見出し及び実質的な差のない代替案である。
反対材料,例外,根拠の強弱,未確認事項及び次の確認行動まで削ると,読みやすく見えても法的判断には使いにくくなる。

本記事では,読み手が判断するために必要な情報の割合を「意思決定密度」と呼ぶ。
これは法令上又は学術上の用語ではなく,本記事における業務設計上の呼称である。
以下では,本文を結論先行で短くしつつ,確認経路を失わないよう,本文と証拠台帳を分ける方法を説明する。

2 短縮の対象と残すべき情報を分ける

生成AIが作った法律文書を短くするときは,文章量そのものではなく,読み手の判断を変える情報かどうかで採否を決める必要がある。

本文には,原則として,次の事項をこの順で置く。
①結論
②主要な理由
③結論を変え得る反対材料又は留保
④実質的な代替案
⑤未確認事項
⑥次に行う確認

同じ結論の言い換え,争点と関係の薄い背景説明,自明な長所・短所及びファイル一覧のような作業報告は,読み手の判断に必要でなければ削る。

他方,一次資料の書誌,確認箇所,検索範囲,採否理由及び確認履歴は,本文から消すのではなく,証拠台帳又は検証記録へ分ける。
本文を短くすることと,裏付けを捨てることは同じではない。

3 実務で使う六つの順序

最初の指示は,次の六項目まで短くできる。
①目的――誰が何を判断するための文書か
②結論――現時点の推奨又は暫定結論
③主要根拠――結論を支える重要度の高い根拠
④留保――不利益資料,例外,反対説及び未確認事項
⑤代替案――結論を変え得る現実的な案だけ
⑥次の行動――誰が何を確認すれば判断が進むか

(続きを読む...)生成AIが作る法律文書を短くしても根拠を落とさない方法-結論先行,意思決定密度及び証拠台帳の分離(AI作成)

mintsで裁判所が注意を促している誤り―当事者情報CSV,訴状PDFの当事者表示,法人番号,書面提出,証拠説明書及び裁判所限りの上申書(AI作成)

目次第1 本記事の対象と要点1 対象2 要点第2 新規申立てフォームの入力1 10名以内なのに当事者情報CSVファイルを提出しない2 訴状PDFに当事者情報を重ねて記載しない3 「法人番号」欄に会社法人等番号を入力しない第3 書面の提出方法1 訴訟代理人は原則としてmintsで提出し,書面提出では法定例外を確認する2 出力書面の提出を求められたら速やかに提出する3 「裁判所限り」のつもりの上申書等をmintsにアップロードしない第4 証拠の提出1 新法適用事件では新しい証拠説明書の書式を使う2 証拠番号のルールに沿って提出する第5 期日とアカウントの注意1 法廷で電子記録を確認する場合は自己のパソコン等を持参する2 同じ電話番号で短時間に何度も認証しない3 士業者登録番号を入力しておく第6 事務所で使う確認表1 新規申立ての前2 書面・証拠の提出の前3 訴え提起後・期日・アカウント第7 関連記事第8 出典
第1 本記事の対象と要点

令和8年10月3日追補:本記事に関係する準備の手引の10月2日改訂事項を反映した。改訂の全体と事務所内の確認方法は,mints準備の手引の令和8年10月2日改訂―法律事務所が見直す7つの運用を参照されたい。

1 対象

令和8年5月21日に改正民事訴訟法が全面施行され,委任を受けた訴訟代理人は,mintsを使って申立て等をしなければならなくなった(民事訴訟法132条の11第1項1号)。

最高裁判所事務総局民事局は,令和8年8月31日付けで「フェーズ3後の民事訴訟手続における留意点」と題する1枚の資料を作成し,施行後の訴訟代理人による提出に見られる誤りを8項目挙げている。
この資料は日本弁護士連合会の会員専用サイトに掲載されたものであり,令和8年9月17日の時点で,裁判所ウェブサイトの「民事裁判手続のデジタル化」,「民事訴訟手続のデジタル化に関する参考資料」及び「mintsについて」の各ページには掲載を確認できなかった。

本記事は,この資料が挙げる8項目について,裁判所ウェブサイトで公表されている資料の該当箇所を確かめ,法律事務所で同じ誤りを防ぐための確認事項を整理する。
あわせて,日本弁護士連合会の会員向け案内が注意を促しているサインインの制限と,mintsアカウントの自動削除を扱う。

本記事の基準日は令和8年9月17日であり,令和8年10月28日までに公表された更新資料を確認した。
法律の条文はe-Gov法令検索で確認した。
mintsの運用は,最高裁判所事務総局民事局「民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引」(令和8年10月2日更新。以下「準備の手引」という。),裁判所「民事裁判書類電子提出システム操作マニュアル~当事者ユーザ編~」(バージョン2.3,令和8年7月15日改訂。以下「操作マニュアル」という。)及び「mintsご利用に関するQ&A」(令和8年10月28日確認。以下「Q&A」という。)で確認した。
本記事の論点について判断した裁判例は,本記事の作成に当たって参照した資料には挙げられていない。

2 要点

① 当事者と代理人の合計が10名以内なら,当事者情報CSVファイルではなく新規申立てフォームに直接入力する。
② 請求の趣旨・原因をPDFで提出する場合でも,当事者情報はフォームにだけ入力し,PDFには記載しない。
③ mintsの「法人番号」欄には,国税庁が指定する13桁の法人番号を入力し,商業登記簿の12桁の会社法人等番号を入力しない。
④ 委任を受けた訴訟代理人は,原則として答弁書等をmintsで提出し,書面提出を検討するときは法定例外と必要な添付書面を確認する。
⑤ システム送達をしない場合には出力書面の提出が必要であり,裁判所から連絡を受けたら速やかに提出する。
⑥ 裁判所だけに見てもらうつもりの上申書等をmintsにアップロードすると,「記録外」を選んでも相手方が閲覧できる。提出方法は,アップロードする前に係属する裁判所に確認する。
⑦ 新法適用事件では,裁判所ウェブサイトに掲載された新しい証拠説明書の書式を使う。
⑧ 証拠番号は準備の手引29頁のルールに沿って付ける。
⑨ 法廷等でmintsの電磁的訴訟記録にアクセスする場合は,自己のパソコン等を準備・持参する。
⑩ 同じ電話番号で短時間に何度も二段階認証をすると,一時的に認証が制限されることがある。

第2 新規申立てフォームの入力
1 10名以内なのに当事者情報CSVファイルを提出しない

最高裁判所事務総局民事局の資料は,当事者と代理人の合計が10名以内であるにもかかわらず当事者情報CSVファイルが提出される例があるとし,10名以内の場合はフォームに入力するよう求めている。

準備の手引12頁・13頁は,当事者・代理人の合計人数が10名以内の場合にはフォームに直接入力し,10名を超え200名以内の場合には当事者情報CSVで提出すると説明している。
多数当事者のPDFによる提出では,入力者である原告代理人又は原告1名の情報をフォームに入力し,「添付書類」として当事者目録のPDFを提出する。
当事者・代理人の合計人数について,10月2日更新版の手引12頁はPDFの当事者目録を用いる場合を「201名を超える場合」,13頁は「200名を超える場合」と記載している。
201名ちょうどの扱いは資料内で一致しておらず,本記事では確定できないため,この境界に当たる事件では提出先裁判所に提出方法を確認する。

Q&A4頁は,システム上は10名未満でもCSVファイルを利用できるが,可能な限りフォーム入力を利用するよう求めている。
また,準備の手引12頁によれば,当事者情報CSVファイルを提出する場合には,フォームの「システム送達届出」のトグルをオンにできないので,別に「システム送達を受ける旨の届出」を提出する必要がある。

(続きを読む...)mintsで裁判所が注意を促している誤り―当事者情報CSV,訴状PDFの当事者表示,法人番号,書面提出,証拠説明書及び裁判所限りの上申書(AI作成)

判例データベースを法律事務所の生成AI・RAGに使えるか―判決本文・判例要旨・利用規約の分け方(AI作成)

第1 本記事の対象と結論

1 検討対象
2 結論

第2 法律情報を構成する四つのデータ層

1 裁判所の判決,決定,命令及び審判
2 裁判所が付した書誌情報及び編集
3 民間の判例要旨,解説,headnote及び分類体系
4 データベース全体の選択又は体系的構成

第3 日本の著作権法で確認する規定

1 著作権法13条
2 著作権法12条の2
3 著作権法30条の4
4 著作権法47条の5

第4 利用行為を六つに分けること

1 閲覧及び検索
2 ダウンロード,OCR及びローカル保存
3 RAG及び埋込みベクトル化
4 事前学習,追加学習及び評価
5 回答,要約,引用及び公開
6 ログ,バックアップ及び契約終了後の残存物

(続きを読む...)判例データベースを法律事務所の生成AI・RAGに使えるか―判決本文・判例要旨・利用規約の分け方(AI作成)

mintsで決定・命令を受け取るとき―電子決定書・電子命令書の送達,即時抗告期間1週間及び予定日が通知されない問題(AI作成)

目次第1 本記事の対象と要点1 対象2 要点第2 決定・命令の告知と電子決定書1 決定及び命令は告知によって効力を生ずる2 電子決定書・電子命令書という用語3 告知の方法と告知を受けた日第3 mintsでの送達と見落としの原因1 システム送達の効力が生じる時2 補助者が開いた時点でも送達の効力が生じる3 決定・命令の予定日は通知されない第4 即時抗告期間の管理1 即時抗告期間は1週間の不変期間である2 即時抗告ができる主な決定・命令3 起算日と末日の数え方第5 mintsで即時抗告をする方法1 提出先は原裁判所である2 mintsでは新規申立てフォームの申立種別「その他」から提出する3 抗告状に記載する事項4 抗告理由は抗告の提起後14日以内に提出する5 手数料はmintsでは1,900円である6 即時抗告には執行停止の効力がある第6 事務所内で決めておくこと第7 出典
第1 本記事の対象と要点
1 対象

本記事は,令和8年5月21日以後に提起された民事訴訟(いわゆる新法事件)で,訴訟代理人がmintsを使って事件を追行している場面を対象に,判決以外の裁判である決定及び命令を受け取るときの注意点を整理する。
判決(電子判決書)の送達と控訴期間は,mintsのシステム送達と期限管理―応訴・通知メール・電子判決書・控訴期間で説明している。
新法事件と旧法事件の見分け方は,mintsの新法事件と旧法事件の見分け方を参照されたい。

本記事の基準日は令和8年9月17日である(令和8年9月16日公開。同月17日に,告知を受けた日の考え方(第2の3),期間の計算例(第4の3),抗告状の記載事項(第5の3)及び手数料(第5の5)を加えた。)。
法律の条文はe-Gov法令検索,民事訴訟規則は裁判所ウェブサイト掲載の令和8年5月21日現在の規則,mintsの運用は最高裁判所事務総局民事局「民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引」(令和8年6月19日版。以下「準備の手引」という。)で確認した。
条文の解釈は,最高裁判所事務総局民事局監修「条解民事訴訟規則(デジタル化関係等)」(司法協会,2025年。以下「条解規則」という。)及び脇村真治編著「一問一答 新しい民事訴訟制度(デジタル化等)―令和4年民事訴訟法等改正の解説―」(商事法務,2024年。以下「一問一答」という。)を参照し,裁判例は判例秘書で確認した。

2 要点

① 決定及び命令は,相当と認める方法で告知することによって効力を生じ,即時抗告期間は判決の控訴期間(2週間)より短い1週間である(民事訴訟法119条・332条)。
② 準備の手引35頁は,電子決定書・電子命令書も基本的には告知後速やかにmintsへアップロードされ,システム送達されると説明している。
③ 同じ頁は,決定・命令がいつ出るかをmints上で知らせる機能はないとし,mintsからのメールを特定のフォルダに集めることを勧めている。
④ システム送達の効力は,閲覧した時,ダウンロードした時又は通知が発せられた日から1週間を経過した時のいずれか早い時に生じ,補助者(事務職員)の閲覧でも生じる。
⑤ 即時抗告状は原裁判所に提出し,mintsでは新規申立てフォームの申立種別「その他」から提出する(準備の手引41頁)。
⑥ mintsで通知が発せられた日にすぐ閲覧すれば,その日の翌日から1週間が即時抗告期間になる。誰も閲覧しなければ,送達の効力が生ずるまでの1週間と即時抗告期間の1週間が続くので,通知の日から約2週間後が末日になると考えられる(第4の3の計算例)。
⑦ mintsで民事訴訟法上の決定・命令に対して抗告を提起する場合の手数料は1,900円である(民事訴訟費用等に関する法律3条2項・別表第二の15の項)。

第2 決定・命令の告知と電子決定書
1 決定及び命令は告知によって効力を生ずる

民事訴訟法119条は,「決定及び命令は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。」と定めている。
判決が電子判決書に基づく言渡しと送達という決まった方式をとる(同法253条・255条)のに対し,決定及び命令の告知の方法は法律で一つに決められていない。

その代わり,民事訴訟規則50条1項は,「決定又は命令の告知がされたときは、裁判所書記官は、その旨及び告知の方法を訴訟記録上明らかにしなければならない。」と定めている。
どの方法で告知されたかは,訴訟記録で確かめることができる。

2 電子決定書・電子命令書という用語

民事訴訟法122条は,決定及び命令に,その性質に反しない限り判決に関する規定を準用している。
民事訴訟規則は,同条で準用する同法252条1項により作成される電磁的記録のうち,決定に係るものを「電子決定書」(規則50条の2),命令に係るものを「電子命令書」(規則67条1項7号)と呼んでいる。

(1) 電子決定書等を作成しないでする裁判

民事訴訟規則67条1項7号は,口頭弁論に係る電子調書に明確にすべき事項として,「電子決定書又は電子命令書」を「作成しないでした裁判」を挙げている。
決定及び命令には,電子決定書等を作らずに口頭弁論の期日で行われ,電子調書に記録されるものがある。
このような裁判は期日の場で告知されることが考えられるので,期日に出頭していた代理人は,mintsの通知を待たずに期間を管理する必要がある。

(続きを読む...)mintsで決定・命令を受け取るとき―電子決定書・電子命令書の送達,即時抗告期間1週間及び予定日が通知されない問題(AI作成)

AI・データ事業を止めない法務設計-データフロー,横断法令,代替案及び行政相談

第1 この記事の対象と結論第2 事業モデルを事実に分解する1 目的と価値を先に固定する2 データフローに最低限載せる事項3 判断と外部効果を分ける第3 横断して確認する法令と規範1 個人情報保護法及びプライバシー2 AI法及びAIガバナンス3 事業に応じて追加する法領域4 AI安全を目的とする競合企業間協調第4 代替案を比較する1 法的結論を選択肢へ変換する2 主な設計変更3 外部ベンダーの終了・承継を代替案へ組み込む第5 行政相談を事業工程へ組み込む1 PPCビジネスサポートデスク2 相談前に作る資料3 所管が複数の場合第6 制度変更への対応第7 弁護士が作る成果物第8 判例及び一次資料の確認状況第9 出典第10 関連記事

第1 この記事の対象と結論

本記事は,AI又はデータを利用する新規事業について,法務が企画を止める又は無条件に通すのではなく,事業目的を保ちながら適法かつ実行可能な設計へ変更する方法を扱う。
基準日は令和8年9月24日である。

結論として,最初に作るべきものは長い法律意見書ではなく,①事業目的,②関係者,③データの流れ,④AIの入力・出力,⑤人又はシステムが行う判断,⑥外部へ生じる効果を一枚で確認できる図である。
その上で,個人情報保護法だけでなく,事業に応じてAI法,知的財産法,業法,消費者法,競争法及び契約を横断し,禁止又は許可の二択ではなく複数の代替案を比較する。

第2 事業モデルを事実に分解する

1 目的と価値を先に固定する

法令名から検討を始めると,事業上なくてはならない機能と,変更できる実装とが混同されやすい。
まず,誰のどの課題を解決し,どの機能が収益又は利用価値を生み,どの処理は代替できるかを確認する必要がある。

例えば,個人別の推薦精度を上げることが目的であっても,実名を保持すること,社外データを結合すること,結果を自動的に本人へ適用することの全てが不可欠とは限らない。
事業目的を固定し,データ項目,処理場所,保持期間及び人の関与を可変要素として扱えば,法的リスクを下げる設計変更を検討しやすい。

2 データフローに最低限載せる事項

データフローには,①取得元,②データ項目,③本人又は対象者,④取得方法,⑤利用目的,⑥保存場所・期間,⑦アクセス者,⑧AIへの入力,⑨モデル又はサービス提供者による利用,⑩出力,⑪出力を用いる判断,⑫委託・再委託,⑬第三者提供,⑭国外処理,⑮削除及び⑯事故時の停止点を載せる。
「クラウドを使う」又は「AIを使う」という製品名だけでは,実際の取扱いを確認できない。

外部のAI又はクラウドを用いる場合は,⑰支配権変更・事業譲渡時のデータ受領者,⑱倒産又は提供停止時の出力経路,⑲別環境での復元方法及び⑳法令上の保存期間とベンダー側の削除時期もデータフローへ載せる。平時の処理だけを図示しても,終了時に誰が何を保持し,どの環境へ移せるかは分からない。

同じサービスでも,組織向けと個人向け,学習利用の有無,履歴保存,外部コネクタ,管理者権限,再委託先及び処理国が異なり得る。
契約,管理画面の設定,実際の通信及び運用手順を照合する必要がある。

データフローには,個人情報の取扱いだけでなく,既存の技術・ノウハウ,新たな成果,生産データ及び派生データについて,誰がどの目的で利用・再提供でき,誰が対価を得るかも記載する。
情報を閲覧できることと,AI学習,他社製造又は内製化へ再利用できることを分け,第三者への入力・開示と目的外利用の条件を契約へ接続する。

令和8年6月24日の知財取引指針は,産業データの無償提供と成果物・関連知財等の対価を扱っている。
目的と必要範囲,取引上の優越,利用権限及び対価の確認方法は,図面・ノウハウ・生産データを無償で求められたときを参照されたい。

3 判断と外部効果を分ける

AIが順位,予測又は文章を出力するだけの場面と,その出力によって採用,価格,勧誘,診療,融資,契約又は公表が自動的に行われる場面とでは,リスクが異なる。
出力の受領者,人が覆せる範囲,説明方法,異議申立て,誤りの訂正及び停止権限をデータフローとは別の判断フローとして記録するべきである。

第3 横断して確認する法令と規範

1 個人情報保護法及びプライバシー

個人情報,個人データ,要配慮個人情報,個人関連情報,仮名加工情報及び匿名加工情報は,適用される規律が異なる。
公開情報であることだけで,無制限な収集,結合,学習,評価又は再公表が許されるわけではない。

利用目的,適正取得,不適正利用,第三者提供,委託先監督,国外取扱い,安全管理,正確性,開示等及び漏えい等対応を,実際の処理ごとに確認する。
個人情報保護委員会は,データマッピング,責任者・責任部署及びPIAを,民間事業者のデータガバナンスに役立つ自主的取組として案内している。

(続きを読む...)AI・データ事業を止めない法務設計-データフロー,横断法令,代替案及び行政相談

AIを使うほど仕事が増える理由-法律実務で使う生成前フィルタと中断後の再開カード(AI作成)

第1 この記事の対象と結論1 生成の速さと仕事全体の速さは同じではない2 資料の位置付け第2 AIを使うほど仕事が増える仕組み1 候補生成の費用だけが下がる2 生成時間と総作業時間を分ける3 否定形だけの指示では足りない第3 中断と具体的な計画について分かっていること1 中断後の再開までには別の仕事が入る2 具体的な計画は未完了目標の侵入思考を減らした3 実行の時機と場所を決めた小規模実験4 数字の合わない逸話は根拠に使わない第4 生成前フィルタの四項目1 採用する候補の条件2 生成しない候補3 必ず含める事項4 候補数の上限と順位付け第5 法律調査では探索と説明を分ける1 探索完了前に不利益資料を削らない2 一次資料の本文確認とデータベースの状態を分ける第6 法律実務での指示例1 裁判例調査2 裁判所提出書面のレビュー3 契約書レビュー4 ブログ記事の監査5 生成後フィルタ――意思決定密度を上げる第7 中断後の再開カード1 五つの記録項目2 法律調査の記載例第8 導入効果の測り方1 量と品質を分けて記録する2 再開カードの効果を実測する3 学びをナレッジ又はSkillへ昇格させる基準第9 既存記事との関係第10 出典・参考資料1 原著論文及び原典2 公式資料及び論点発見資料

第1 この記事の対象と結論

1 生成の速さと仕事全体の速さは同じではない

生成AIは,候補の列挙,要約,比較及び初稿作成を短時間化できる。
しかし,候補が増えるほど,重複の整理,採否の判断,一次資料の確認,文章の統合及び手戻りも増え得るため,一つの出力が速く作られたことだけでは,仕事全体が速くなったとはいえない。

本記事は,AIへ指示する前に,①採用する候補の条件,②生成しない候補,③必ず含める事項,④候補数の上限及び順位付けを決める方法を「生成前フィルタ」と呼ぶ。
さらに,作業を中断するときに,①現在状態,②最後に確認した根拠,③次の一手,④未解決点,⑤停止又は確認条件を残す記録を「再開カード」と呼ぶ。
いずれも法令上の用語ではなく,本記事における法律実務上の提案である。

2 資料の位置付け

検討の端緒は,生成AIに肯定条件より先に除外条件を与えること及び未完了作業の次の一手を具体化することを提案したX投稿である。
X投稿は論点発見資料であり,法律事務所における効果を証明する一次資料ではない。

本記事は,中断された情報労働,未完了目標に関する計画及び実行意図を扱った原著論文を確認し,法律実務への応用部分を提案として区別した。
本記事が扱う中心は業務設計であり,特定の法令解釈又は裁判例の判旨を主張するものではないため,e-Gov法令検索,裁判所ウェブサイト及び判例秘書による判例検索は実施していない。
これは関係する裁判例が存在しないことを意味しない。

第2 AIを使うほど仕事が増える仕組み

1 候補生成の費用だけが下がる

AIは,同じ問いについて,多数の論点,見出し,表現,反対仮説又は関連記事候補を短時間で生成できる。
このとき下がるのは主として候補を作る費用であり,どれを採用し,どれを捨て,どの根拠で確定するかという判断の費用まで自動的に下がるわけではない。

候補が多いほどよい場面もあるが,採用基準がないまま候補だけを増やすと,似た案の比較,重複の除去及び「念のため」の確認が増える。

(続きを読む...)AIを使うほど仕事が増える理由-法律実務で使う生成前フィルタと中断後の再開カード(AI作成)

大阪高裁民事部主任決議集を令和8年の民事訴訟で使う方法―mints後も残る実務と旧紙運用(AI作成)

目次第1 結論及び資料の位置付け1 結論2 対象資料第2 令和8年5月21日前後で取扱いを分ける必要1 新事件2 旧事件3 民事執行等第3 旧紙運用を現在の実務へ読み替える方法1 提出方法,手数料及び郵便費用2 送達及び通知3 副本及び記録送付4 閲覧制限,秘密保持及び記録保存第4 電子化後も有用な主任決議集の学び1 書面の表題より内容を見ること2 当事者及び参加人ごとに期限を管理すること3 上訴理由書を自己完結させること4 記録の所在と緊急性を引き継ぐこと5 証明書等は目的から逆算すること第5 法律事務所の確認チェックリスト1 事件及び適用法令2 提出及び送達3 記録及び証拠第6 一次資料による裏付けの状況1 確認できた事項2 資料に記載されているが,現在の運用とは限らない事項3 本記事の推論4 未確認事項第7 関連記事及び出典1 関連記事2 出典
第1 結論及び資料の位置付け
1 結論

大阪高裁民事部の主任決議集からは,書類の題名ではなく内容に応じて処理すること,当事者及び参加人ごとに送達・提出期限を管理すること,記録の所在を確かめて緊急処理を引き継ぐことなど,電子化後も有用な実務上の視点を学ぶことができる。

他方,同決議集には,紙の事件記録,郵便切手,ファクシミリ,書類の編てつ及び紙の副本を前提とする記載が多い。令和8年5月21日に施行された改正民事訴訟法及び改正民事訴訟規則の下では,これらを現在の取扱いとしてそのまま用いることはできない。

したがって,同決議集は,現在の法令又は大阪高裁の現行運用を証明する資料ではなく,令和3年3月15日時点の内部事務資料として読み,現行法令及び裁判所の公式案内と照合して利用すべきである。

2 対象資料

本記事の対象は,大阪高裁民事部の主任決議集(令和3年3月15日改訂)である。

このPDFは,大阪高裁民事部における主任書記官の決議又は申合せを集約したものと読める。しかし,裁判所ウェブサイトで公開された法令・通達又は裁判例ではなく,大阪高裁の現行版原本との同一性も確認できていない。

そのため,個別事件で裁判所の取扱いを予測する資料としては有用であるものの,法的根拠を示す場合は,民事訴訟法,民事訴訟規則,裁判所の公式案内及び必要に応じて判例を別途確認する必要がある。

第2 令和8年5月21日前後で取扱いを分ける必要
1 新事件

裁判所の「改正民訴法等で変わる民事訴訟手続の概要」によれば,令和8年5月21日に改正民事訴訟法及び改正民事訴訟規則が施行された。

改正後の新事件では,弁護士等の訴訟代理人は原則としてオンラインで申立てその他の提出をし,手数料及び裁判所が定める費用も電子納付する。裁判所のシステムを利用した送達,電子訴訟記録の閲覧及び事件管理が制度の中心となる。

したがって,新事件について,主任決議集の郵便切手,紙の正本・副本,ファクシミリ提出,紙記録の編てつ順序等の記載を現在の通常運用として引用するのは適切でない。

2 旧事件

令和8年5月21日より前に提起された事件には経過措置がある。旧事件の上訴であっても,手続の各場面について新旧いずれの規定が適用されるかを,施行日だけで一律に判断することはできない。

とりわけ,上告,上告受理申立て,抗告並びに費用の予納については,改正後の民事訴訟規則及び附則に個別の経過措置がある。そのため,事件の第一審提起日,現在の審級及び対象手続を組み合わせて確認する必要がある。

3 民事執行等

裁判所の公式案内によれば,民事訴訟のデジタル化が全面施行された後も,民事執行,民事保全,倒産及び家事事件等のデジタル化は別の施行日程に従う。

主任決議集の内容を検討するときは,「民事訴訟がデジタル化されたから,全ての関連手続が同じ取扱いになった」と考えず,対象となる手続類型を先に確定する必要がある。

第3 旧紙運用を現在の実務へ読み替える方法
1 提出方法,手数料及び郵便費用

主任決議集では,窓口又は郵送による提出,収入印紙,郵便切手及びファクシミリを前提とする記載が多い。

現在は,まず事件が新事件か旧事件か,提出者がオンライン提出義務者か,対象書面がシステム提出の対象かを確認する。その上で,手数料及び費用の電子納付の要否,紙提出が許される例外並びに旧事件の取扱いを確認する。

上訴の具体的な提出先,提出時期及びmints上の操作は,mintsで控訴・上告・上告受理申立てをする方法で整理している。

2 送達及び通知

主任決議集の郵便送達及びファクシミリ送信に関する記載は,現在のシステム送達へ機械的に置き換えることはできない。

現行の民事訴訟規則189条は,上告提起通知書について,原則として裁判所の使用に係る電子計算機から送達すべき電子書類を当事者のファイルへ記録する方法を定める。もっとも,システム送達の通知メールは送達そのものではなく,送達の効力発生時点は法令に従って別に判定する必要がある。

期限管理では,メール受信日時だけでなく,事件管理画面の送達記録及び対象書類を確認する。詳しくは,mintsのシステム送達と期限管理で説明している。

(続きを読む...)大阪高裁民事部主任決議集を令和8年の民事訴訟で使う方法―mints後も残る実務と旧紙運用(AI作成)

mints時代の民事訴訟における証拠の状態管理―提出・申出・採否・取調べ・電子調書(AI作成)

目次第1 結論―証拠はアップロードしただけでは終わらない第2 証拠の八つの状態第3 証拠状態管理表第4 期日前の確認第5 期日中の確認第6 期日後の確認第7 新法適用事件と旧法適用事件第8 誤提出・不一致が判明した場合第9 根拠と資料レベル第10 関連記事

mintsでは証拠ファイルをアップロードできますが,アップロードの完了は,証拠申出,裁判所の採否,証拠調べの実施又は電子調書・証拠目録への反映と同じではありません。本記事は,民事訴訟の証拠を「受領・保全」から「調書・目録・返還」まで八つの状態に分け,期日前・期日中・期日後に何を確認し,どの記録を残すかを整理します。法令及び裁判所の公表資料で確認できる事項と,大阪高等裁判所民事部の内部資料から導いた事故防止策とを区別して記載します。2026年9月16日現在の内容です。

第1 結論―証拠はアップロードしただけでは終わらない

証拠管理で最も重要なのは,「ファイルがmintsにある」という事実だけで事件処理が完了したと判断しないことです。次の各段階は,互いに関連しますが同一ではありません。

裁判所へデータを提出したこと
相手方へ直送され,閲覧可能になったこと
期日又は準備手続で証拠申出をしたこと
相手方が成立の真正,採否等について意見を述べたこと
裁判所が採否を判断したこと
原本,写し又は電磁的記録について証拠調べが行われたこと
その結果が証拠目録,期日調書その他の訴訟記録へ正しく反映されたこと

したがって,事務所の事件台帳又は証拠管理表には,単なる「提出済み」ではなく,現在の状態と次に確認すべき事項を記録する必要があります。

第2 証拠の八つの状態

受領・保全―依頼者,第三者又は外部機関から受領した原本・元データを特定し,上書きせず保全した段階です。
提出準備―事件番号,当事者,号証,標目,作成者,作成年月日,立証趣旨,マスキング及びファイル名を点検した段階です。
裁判所提出―正しい事件,タブ及びファイル種別を選び,mintsへのアップロード又は所定の方法による提出が完了した段階です。
直送・閲覧―相手方ごとの直送方法を確認し,mints上の表示その他の方法で閲覧可能性を確認した段階です。
証拠申出―期日又は準備手続において,書証又は電磁的記録に記録された情報の内容に係る証拠調べを申し出た段階です。
相手方意見―成立の真正,原本の存在,採否,必要性その他の意見が示された段階です。
採否・取調べ―裁判所が採否を判断し,採用した証拠について原本,写し又は電磁的記録を取り調べた段階です。
目録・調書・返還―証拠目録及び期日調書等への反映を確認し,原本の返還又は継続保管を処理した段階です。

第3 証拠状態管理表

(続きを読む...)mints時代の民事訴訟における証拠の状態管理―提出・申出・採否・取調べ・電子調書(AI作成)

Claude Code・Codexでパソコンがフリーズする原因-メモリ8GB・16GB・32GB・64GBの違い(AI作成)

目次第1 結論及び本記事の対象第2 「フリーズ」を六つに分ける1 Windows全体が重くなる場合2 Claude Code又はCodexだけが応答しない場合3 応答又はツールの完了を待っている場合4 画面全体が停止し再起動を要する場合5 遠隔画面又は表示系だけが停止する場合6 Chromeとの接続だけが停止する場合第3 ローカルのパソコンに負荷が生じる仕組み1 AIモデルと作業環境は別であること2 検索,編集,ビルド及びテスト3 並列セッション及びサブエージェント4 MCP,WSL及びDocker第4 メモリ不足で操作が止まる仕組み1 物理メモリとコミット済みメモリ2 ページングとSSDの待ち時間3 容量差は比例ではなく閾値として表れること第5 メモリ8GB・16GB・32GB・64GBの違い1 Claude Codeの公式要件が示す範囲2 8GBの場合3 16GBの場合4 32GB及び64GBの場合第6 フリーズ発生時に記録する項目1 発生時刻と停止範囲2 タスクマネージャーで見る数値3 Windowsの記録4 Event 41及び6008が示す範囲5 最後のコマンドとプロセス別I/Oを突き合わせる第7 再発を減らす対策1 最初に同時実行数を減らすこと2 不要なMCP及び残存プロセスを止めること3 ページファイルと空き容量を確認すること4 WSL及びクラウド環境を使い分けること5 変更の危険度を分けること6 メモリ以外の負荷を分けること第8 メモリ増設が有効かを判断する方法1 増設が有効と考えられる場合2 増設だけでは解決しにくい場合第9 関連記事1 パソコンを新たに選ぶ場合2 Codexの長時間・並列利用を見直す場合3 フリーズ後にログから原因を調べる場合第10 出典・参考資料1 事業者及びOS提供者の公式資料2 公開Issue
第1 結論及び本記事の対象

Claude Code又はCodexを使ったときにパソコンが固まりやすくなる主な理由は,AIモデルの計算そのものよりも,手元のパソコンで同時に動くエージェント本体,検索,ファイル処理,ビルド,テスト,ブラウザ,Office,WSL,Docker及びMCPサーバー等の負荷が積み重なることにある。
メモリを増やすと,空きメモリ不足とページングによる停止は起こりにくくなるが,アプリ固有の不具合,CPU又はSSDの飽和,ドライバー障害及び通信待ちは解消しない。
令和8年9月15日現在,メモリ容量別のフリーズ発生率を同一条件で比較した信頼できる公開統計は確認できないため,本記事では「8GBなら1日に何回」等の数値を示さず,容量ごとの余裕と原因の切分け方を説明する。

第2 「フリーズ」を六つに分ける
1 Windows全体が重くなる場合

マウスポインター,タスクバー及び他のアプリまで遅くなり,SSDの使用率が高い状態が続く場合は,物理メモリ不足に伴うページング又はCPU・ストレージの飽和が有力な候補となる。
この場合はClaude Code又はCodexだけを見るのではなく,ブラウザ,Word,Excel,PDF処理,ウイルス対策ソフト,WSL及びDockerを含むパソコン全体の使用量が確認対象となる。

完全に固まる前に,文字が遅れて表示される,変換候補が出るまで待たされる,又は複数のアプリの操作が重くなる場合もある。
次の表で遅れている範囲を先に分けると,入力設定とPC全体の負荷を同時に変更することを避けやすい。

症状最初に分けて確認すること複数のアプリで文字表示や操作が遅いPC全体のCPU・メモリ・ディスクと,同時に動く検索・変換・検査・同期AIアプリの入力欄だけ遅い他のアプリの反応,そのアプリの処理・描画と発生時刻日本語変換だけ遅い文字の表示自体の遅れか,変換候補の表示の遅れか特定のキーが反応しない,又は取りこぼす他の入力欄でも同じか,接続・設定・入力機器の状態マウスポインターは動くがクリック後の反応が遅い複数アプリに共通する遅れか,一つのアプリの処理・描画だけかを分け,CPU・ディスクと同じ時刻で照合する

この表は確認先を絞るための運用例であり,症状だけで原因を確定する診断表ではない。
空きメモリが十分でも,他の資源やアプリの処理を確認する必要があり,直ちにメモリ増設へ進むものではない。

2 Claude Code又はCodexだけが応答しない場合

他のアプリが通常どおり動くのに,ターミナル又はCodexのウィンドウだけが数秒以上操作できない場合は,画面描画,長い会話履歴,アプリ内部の処理又は個別の不具合を分けて考える。
OpenAIの公開Issueには,Windowsの他のアプリが反応している状態でCodexの画面だけが停止したという報告があるが,これは利用者による個別報告であり,すべての環境に共通する原因又は発生率を示すものではない。

3 応答又はツールの完了を待っている場合

画面操作はできるが回答が進まない場合は,AIサービスとの通信,ウェブ取得,MCP接続,外部コマンド又は長時間のビルドを待っている可能性がある。
この状態はメモリ不足とは限らないため,タスクマネージャーの数値が平常であれば,実行中の処理,ネットワーク及びサービス側の障害情報を確認することになる。

Codexの画面にHTTP 429又は「Too Many Requests」が表示され,Windows及び他のアプリを通常どおり操作できる場合は,メモリ不足によるフリーズよりも,ChatGPTプラン又はAPIの利用上限を先に確認する。
同じアカウント又は同じAPI組織・プロジェクトのまま別IP・別PCへ移っても通常の上限はリセットされないため,原因別の確認方法は,Codexで429エラーが出る原因と対策-別IP・別PCで回避できるか(AI作成)を参照されたい。

4 画面全体が停止し再起動を要する場合

画面が停止し,音声が途切れ,又はブルースクリーンや突然の再起動が生じる場合は,メモリ不足のほか,GPUドライバー,熱,電源,SSD又はハードウェア障害も検討対象となる。
特定のアプリを終了するだけで回復する停止と,Windows自体を再起動しなければ回復しない停止を同じ現象として記録すると,原因を誤りやすい。

5 遠隔画面又は表示系だけが停止する場合

自宅PCの遠隔画面だけが止まり,事務所PCのWindows及びアプリが動き続けている場合は,遠隔セッション又は通信経路の障害と,事務所PC全体のフリーズを区別する。
反対に,画面の点滅又は黒画面とともにDesktop Window Manager,GPUドライバー又はLiveKernelEventの記録がある場合は,メモリ不足とは別に表示系を確認する。

遠隔操作は,デスクトップ画像の取得,GPU又はCPUによる処理及び転送を伴うため,表示系の追加要因にはなり得るが,遠隔接続中にフリーズしたという一回の同時発生だけで原因とは断定できない。
直接操作日と遠隔操作日について,画面数,解像度,同時タスク数及び表示系ログを同じ条件で比較し,業務上の初動は弁護士・税理士のAI業務用PCがフリーズしたときの初動-期限管理,送信成否,ログ保全及び安全な再開(AI作成)を参照されたい。

(続きを読む...)Claude Code・Codexでパソコンがフリーズする原因-メモリ8GB・16GB・32GB・64GBの違い(AI作成)

法律事務所の生成AI利用ガイドラインの作り方-許可サービス,入力情報,出力確認,委託先及び事故対応(AI作成)

目次

第1 本記事の対象と結論1 対象2 結論第2 法令・会規と行政資料の位置付け1 弁護士法及び弁護士職務基本規程2 弁護士情報セキュリティ規程3 行政資料は実装例として用いる第3 対象者・責任者・対象サービス1 対象者2 責任者3 背景で動くAIも対象にする第4 許可サービス台帳1 台帳に記録する項目2 許可・条件付許可・禁止を分ける3 変更時に再確認する第5 入力情報の区分1 公開情報2 匿名化又は仮名化した内部情報3 依頼者・相手方・事件の秘密情報4 必要最小限にする第6 許可業務・禁止業務1 比較的利用しやすい業務2 一次資料の確認を要する業務3 弁護士の判断又は承認を要する業務4 禁止業務5 謝罪・感謝・重要説明等の対人関係的文書6 外部資料中の指示を命令へ昇格させない7 AIに業務用プログラムを作らせる場合第7 出力確認と一次資料1 法令2 裁判例3 事実・資料・計算4 著作権・個人の権利・偏り第8 送信・提出・公開・削除1 読む・検索する・下書きを作る権限を分ける2 承認は外部効果の直前に置く3 記録原本と読戻し第9 委託先・再委託先1 契約及び技術条件2 再委託先及び処理国3 委託先がAIを利用する場合第10 事故対応1 停止・保全・影響範囲の確認2 最初に記録する事項3 連絡及び報告4 再発防止5 停止後の再実行6 AIが使えない間も期限管理と受付を続ける第11 研修・点検・更新1 トレースと評価データセットを分ける2 同じ課題で検証能力と総所要時間を測る4 利用ガイドラインと許可サービス台帳を分ける第12 普通の法律事務所向けの優先順位1 第1順位-利用開始前に必ず決める4項目2 第2順位-利用開始直後に整える事項3 第3順位-秘密情報・外部連携等の高度利用前に確認する事項4 優先順位の意味5 起案者と最終確認者が同じ一人事務所の運用例第13 判例及び一次資料の確認状況第14 関連記事第15 出典・参考資料1 法令・会規2 行政機関・地方公共団体の資料3 学術文献4 生成AIの評価・観測に関する資料5 AIエージェントの安全運用に関する資料6 生成AI事業者のDPA及びデータ条件第1 本記事の対象と結論1 対象

本記事は,法律事務所が生成AIの利用ガイドラインを作る場合に,最低限どの事項を定めればよいかを整理するものである。
対象には,弁護士が会話画面から直接利用する生成AIだけでなく,事務職員が利用するサービス,OS・ブラウザ・電子メール・OCR・翻訳・議事録作成・クラウドストレージ・事件管理システム等に組み込まれたAI及び外部サービスを操作するAIエージェントを含める。

2 結論

ガイドラインは,製品名の一覧又は「個人情報を入力しない」という一文だけでは足りない。
少なくとも,①対象者及び責任者,②許可するサービスと利用環境,③入力情報の区分,④許可業務と禁止業務,⑤出力の確認方法,⑥送信・提出・公開等の承認,⑦委託先及び再委託先の確認,⑧ログ及び記録原本,⑨事故対応並びに⑩研修・点検・更新を定める必要がある。

本記事で参照する郡山市,デジタル庁及び総務省の資料は,行政機関又は地方公共団体の内部運用を対象とする資料であり,民間の法律事務所を直接拘束する法令又は会規ではない。
もっとも,利用可能なサービス,入力可能な情報,責任者,委託先,ログ,研修及び事故報告を具体的な様式へ落とし込む方法を学ぶための資料として有用である。

普通の法律事務所がこれらを一度に整備するのは容易でない。そこで,第12では,利用開始前に必ず決める事項,利用開始直後に整える事項及び秘密情報・外部連携等の高度利用前に確認する事項に分けて,実施の優先順位を示す。

導入時には,詳細な規程を一度に完成させるよりも,次の入口を決め,秘密情報や外部操作を追加する前に確認を進める方法が考えられる。
第12の優先順位と一人事務所の運用例に,開始前・開始直後・高度利用前の順序を示している。

入口小規模事務所の記入例許可サービスサービス・契約プラン・機能・モデルを台帳に記録し,未確認の機能は利用しない入力資料最初の試行は公開資料又は合成資料。事件の秘密情報は適用契約・権限等を確認してから別途判断出力の確認担当弁護士が原資料と照合し,確認者・確認日・修正箇所を記録外部への操作メール送信,裁判所提出,公開は下書き作成と別に承認。承認された版を記録事故時の連絡気付いた者が処理を止め,責任者へサービス・日時・情報・操作を報告して記録を保全

この表は法定の統一書式ではなく,公開資料を使って開始する場合の運用例である。
「許可」の記入だけで,将来の新機能,コネクタ,再委託先又は別モデルまで一括して認めたものとせず,変更時は第4・第9・第11の条件を再確認する。

AI法律相談の使い方,費用,弁護士の役割を先に確認したい場合は,AI弁護士とはを参照されたい。

第2 法令・会規と行政資料の位置付け1 弁護士法及び弁護士職務基本規程

弁護士法23条は,弁護士又は弁護士であった者の秘密保持義務を定める。
弁護士職務基本規程23条も秘密保持義務を定め,同規程19条は事務職員等に対する指導監督を求めている。
生成AIの利用ガイドラインは,これらの義務を各事務所の端末,アカウント,業務及び作業手順へ落とし込む文書である。

2 弁護士情報セキュリティ規程

日本弁護士連合会の弁護士情報セキュリティ規程は,令和6年6月1日に施行された。
同規程3条は,取扱情報の種類,性質等に応じた危険を踏まえ,法律事務所の規模及び業務の種類,態様等に応じた基本的な取扱方法を定めることを求めている。
生成AI利用ガイドラインは,この基本的な取扱方法の一部として定める方法と,これに付属する別紙として定める方法が考えられる。

3 行政資料は実装例として用いる

郡山市の「生成AI活用ガイドライン(第6版)」は,市が利用を許可したシステム,情報の機密性による入力制限,職員による出力確認及び委託先を含む運用を定めている。
デジタル庁の「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(第2.0版)」は,国の行政機関における調達及び利活用の考え方を示している。
総務省の「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック<導入手順編>(第4版)」は,責任者,情報区分,ライフサイクル,委託先,研修及び事故対応を具体化する資料を提供している。

これらを引用するときは,「行政機関の運用例であること」と「法律事務所に当てはめた実務上の提案であること」を明記する。
行政資料を参照したというだけで,弁護士法,弁護士職務基本規程,個人情報保護法又は依頼者との契約上の義務を満たしたことにはならない。

第3 対象者・責任者・対象サービス1 対象者

対象者には,所属弁護士,事務職員,司法修習生,派遣労働者,業務委託先その他事務所の取扱情報へ接する者を含める。
共同事務所では,弁護士ごとに許可範囲が異なると事務職員に判断を委ねることになるため,共通部分と弁護士別の例外を分けて記録する。

2 責任者

小規模事務所であっても,AI利用の責任者を明示する。
責任者は,全ての出力を確認する者である必要はないが,許可サービス台帳の更新,事故時の連絡先,定期点検及び例外承認の所在を引き受ける者である。

3 背景で動くAIも対象にする

利用者が「生成AIを開いた」と認識しない機能も対象に含める。
例えば,音声入力,常時待機型又は会議・通話の文字起こし,画面参照型AI,画面内容の要約,電子メールの返信候補,OCR後の分類,クラウド内検索,画像生成,ブラウザの支援機能及び事件管理システムの自動抽出である。
OS又は標準アプリの更新によってAI機能が追加又は有効化されることもあるため,製品名ではなく,読取り,推論,保存,外部送信及び実行という機能単位で点検する。

第4 許可サービス台帳1 台帳に記録する項目

許可サービスは,名称だけでなく実際の利用環境を一行ずつ記録する。
最低限の項目は,①サービス名,②モデル又は機能,③プラン,④利用アカウント,⑤利用者,⑥接続先,⑦保存先,⑧入力データの学習又はサービス改善への利用,⑨提供者による人的アクセス,⑩保存期間及び削除方法,⑪操作ログ,⑫再委託先,⑬処理国又は保存国,⑭事故通知,⑮入力可能な情報区分,⑯許可業務,⑰承認者並びに⑱最終確認日である。

DPAが適用される場合は,台帳に,⑲DPAの名称・版・確認日,⑳利用契約への組込み方法,㉑管理者・処理者等の役割,㉒監査資料,㉓再委託先変更の通知・異議手続,㉔契約終了時の返還・削除及び㉕国外処理の根拠も記録する。さらに,学習利用,通常ログ,安全監視ログ,アプリケーション状態,ゼロデータリテンション,データ所在地,実際の推論処理場所及び外部コネクタは,同じ契約資料にすべて記載されているとは限らないため,項目を分けて出典URL又は設定画面を紐付ける。DPAが存在するという一項目だけを「秘密情報入力可」の根拠にしない。

⑧とは別に,処理の記録(ログ),分類結果,利用統計,フィードバック等の派生データを提供者が自社の目的に使えるかも台帳で確認する。
入力データを学習に使わないとする規約でも,派生データは制限なく処理できるとするものがあるからである。
派生データ条項の読み方は,「学習に使わない」と書いてあっても―AIサービス規約の派生データ条項(ログ・分類結果・利用統計・フィードバック)の読み方と弁護士の守秘義務(AI作成)で整理している。
国内のリーガルテックと国産AIのサービスの規約の比較は,国内のリーガルテック・国産AIの規約は入力データをどう扱うか―学習条項と派生データ条項の比較(AI作成)で整理している。

「有料版である」,「学習オフである」又は「大手企業のサービスである」という一項目だけでは,秘密情報を入力できることの根拠にならない。
同じ名称のサービスでも,個人向けと組織向け,無料と有料,通常機能と外部コネクタ付き機能では,情報の流れ及び契約条件が異なることがある。
例えば,組織向けのプランでも,初期設定のままでは会話やプロジェクトが無期限に保存されるものや,利用者の端末に保存される会話履歴を管理者が一元的に管理又は削除できない機能があるので,⑦保存先と⑩保存期間及び削除方法は,機能ごとに確認する。
法律事務所ではない一般の会社が社内向けの法務AIアシスタントを作る場合の確認事項は,会社が社内向けの法務AIアシスタントを作るときの法的チェックリスト―弁護士法72条のガイドライン,個人情報保護法,営業秘密,データの保存期間及び誤判定への備え(AI作成)で整理している。

一つの窓口から複数のAI事業者へ処理を振り分ける中継サービス(例えば,OpenRouterや,令和8年9月にLinux Foundation傘下のAgentic AI Foundationへ移管されたオープンソースの「Agent Router」)を使う場合は,窓口のサービスだけでなく,実際に処理する事業者ごとに一行を設ける。
障害時等に別の事業者へ自動で切り替える設定があるときは,自動切替えを認めるか,認める場合の切替先をどの事業者に限るかも台帳に書く。
中継サービスを事業者に預ける形(ホスティング)で使うときは,その事業者自体も入力を取り扱い得る委託先として一行を設ける。
自動切替えと秘密保持の関係は,学習オフの生成AIに秘密情報を入力することは第三者開示に当たるか(AI作成)で整理している。

有料又は会員限定の資料を入力する場合は,AIサービス台帳とは別に,資料名・版,取得元,適用規約の版・確認日,取得方法,処理対象の範囲,外部送信先・目的・保存条件,許諾の確認状況及び成果物の公開・再利用範囲を紐付ける。
利用者が処理を認めたことと,資料提供者が処理を許諾したことを同じ欄で扱わない。
許諾未確認は確認状況を示すものであり,許諾済み又は一律禁止を意味しない。
実際に確認できた制限に沿って処理範囲を定める。

2 許可・条件付許可・禁止を分ける

台帳では,単純な許可又は禁止だけでなく,条件付許可を用いる。
例えば,「公開情報のみ許可」,「匿名化した内部情報まで許可」,「秘密情報は指定された組織アカウント及び指定機能に限り責任弁護士の承認を要する」,「外部送信機能は利用禁止」といった形である。

3 変更時に再確認する

モデル,プラン,利用規約,データ処理条件,コネクタ,再委託先,保存国又はOSの権限が変わった場合は,同じ製品名であっても再確認する。
定期確認の時期だけでなく,変更通知を受けた者が誰へ伝えるかも定める。

料金の改定,課金方式の変更,サービスの提供終了及びモデルの廃止も,変更として台帳で扱う。
主要な事業者が料金改定やモデル廃止をどれだけ前に予告するとしているか,契約終了時にデータを取り出し又は削除できるか,及び代わりのサービスへ移るときに何を確認し直すかは,生成AIサービスの値上げ・提供終了・モデル廃止に備える契約と運用-規約の変更条項,終了時のデータ,移行計画及び中継サービス(AI作成)で整理している。

第5 入力情報の区分1 公開情報

法令,裁判所が公開する裁判例,官公庁の公表資料,自ら公開済みの記事その他一般に公開されている情報である。
公開情報であっても,著作権,利用規約,取得方法及び情報の新しさは別に確認する。

2 匿名化又は仮名化した内部情報

氏名を削除しただけでは,事件類型,地域,日時,金額,勤務先及び家族関係の組合せから当事者を特定できることがある。
匿名化又は仮名化の可否は,入力する断片だけでなく,AIサービスが既に参照できる電子メール,クラウド資料,会話履歴及び外部コネクタとの組合せで判断する。

自動匿名化機能を利用する場合は,機能名だけで安全と判断せず,①検出対象となる氏名・会社名・住所・日付・金額・口座・案件番号等,②匿名化漏れ及び過剰匿名化,③原文と匿名化後データの対応表の保存場所,④AIへ送信する段階,⑤応答を元の名称へ戻す段階,⑥原文・匿名化後本文・対応表・プロンプト・応答・ログ・キャッシュ・バックアップの各保存先及び削除方法並びに⑦文脈からの再識別可能性を,公開情報又は合成データで試験する。
自動匿名化は入力情報を減らす一手段であり,サービスの契約条件,送信先,保持,人的アクセス及び再委託先の確認を置き換えるものではない。具体的な実機テストは,AI契約書レビューを法律事務所で導入する前の実機テスト(AI作成)で整理している。

3 依頼者・相手方・事件の秘密情報

依頼者,相手方,証人その他関係者の個人情報,未公表の紛争内容,契約書,証拠,交渉方針及び事件の帰趨に影響する情報は,最も厳しい区分で扱い,入力を認めるサービスを台帳で特定する。
入力を認める場合は,サービス名だけでなく,利用目的,契約条件,アカウント,機能,処理経路,保存,削除,人的アクセス,再委託先,国外取扱い,管理画面の実設定,依頼者との関係及び代替手段を確認し,事件又は情報区分ごとの承認を記録する。
入力を学習に使わない設定(いわゆる学習オフ)は重要な条件であるが,秘密情報を入力できることを単独で決める条件ではない。応答生成以外の利用,ログ・キャッシュ・バックアップ,障害調査時の人的アクセス,再委託先及び保存期間等を確認した上で,対象事件,情報区分及び機能を限定して許可する。
当ブログは,これらの確認を経た許可サービスでは,固有名詞を機械的に記号へ置き換えることが人物又は時系列の取り違えを招く場合があると考えている。他方,自動匿名化又は実名入力のどちらが適切かは,作業目的,サービスのデータフロー,文脈からの再識別可能性及び依頼者との関係を踏まえて個別に決める(学習オフ設定のClaudeコード及びGoogle AI Ultraの利用は弁護士の守秘義務等に違反しないという個人的意見(AIリライト))。

4 必要最小限にする

入力が許可された情報であっても,目的に必要な部分だけを入力する。
全文を入力しなくても作業できる場合は,争点,条項又は文書の一部に限定する。
もっとも,氏名や日付を削ると人物の同定や時系列の整理ができなくなる作業では,許可したサービスである限り,識別情報を削らずに入力する方が正確である。
作業に関係しない口座番号,マイナンバーその他の情報は入力しない。

再利用する知識も,①公開できる一般手順,②事務所内だけで使う雛形・判断基準,③事件ごとの秘密資料,④送信・公開等の操作権限を分ける。
共通の手順や雛形には原資料,版,更新日,承認者,閲覧権限,保存期限及び使用を避ける条件を記録し,事件資料を共通ナレッジへ転記しない。これは入力情報の区分を,保存と再利用の段階にも適用するための運用案である。

保存先の区分を定めた後は,権限の境界が検索と生成にも反映されるかを合成データで試す。例えば,別案件の共有フォルダー,共通ナレッジ,チャット履歴及び外部サービスとの連携について,その案件を担当しない利用者が固有の語句を検索したときに,本文,引用,検索候補又は回答の要約へ内容が現れないかを確認する。

担当変更・退職・案件終了によって権限を外した後も,同じ試験を行う。問題が見つかった場合は,該当する検索・連携機能の利用を止め,入力データと出力の範囲を調べる。試験記録には利用者の権限,対象サービス・機能,試験日時,合成データ及び結果を残す。

これはアクセス権限を実際の利用場面で点検するための運用提案である。情報を隔離できれば,利益相反に関する受任制限が当然に解消されるという意味ではない。受任の可否と,受任後の情報管理は別に判断する。LIBRA令和8年7・8月号17~18頁は,AIサービス内の情報共有を含む守秘義務・利益相反の問題を検討している。

公開・内部・秘密という情報区分とは別に,著作権及び資料提供者との契約に基づく利用権限を確認する。
例えば,秘密情報を含まない有料解説であっても,外部AIへの送信,詳細な要約の交付又は知識庫への保存に条件が設けられていることがある。
顧客資料の取扱いに関する同意が,その有料資料の権利まで処分できるとは限らない。

弁護士ドットコムLIBRARYを使う場合は,利用規約上の閲覧・取得方法,複製・アップロード等の制限及びサービス内AIの短文の外部利用制限をそれぞれ確認する。
規約確認の工程は,有料の法律・税務資料を生成AIで分析するときの利用権限で,税理士事務所における顧客資料・公表資料・有料解説の区分は,税理士事務所で生成AIを使うときの入力資料の分け方で整理している。

第6 許可業務・禁止業務1 比較的利用しやすい業務

公開資料の分類,見出し案,論点候補,文章の校正,質問事項の洗い出し及び定型文の下書きは,比較的利用しやすい。
ただし,出力をそのまま法的結論又は事実認定として採用せず,後記の確認を行う。

2 一次資料の確認を要する業務

法令,裁判例,期限,官公庁の手続,統計,引用,固有名詞及びURLを含む出力は,一次資料又はこれに準ずる資料で確認する。
検索結果の要約,生成AIの引用表示又は第三者の記事を開いただけでは,元の法令,判決本文又は統計表を確認したことにならない。

3 弁護士の判断又は承認を要する業務

受任の可否,利益相反,請求又は抗弁の選択,和解条件,依頼者への助言,裁判所提出書面の確定,期限の確定,相手方への回答,個人情報漏えい時の報告並びに事件方針の変更は,弁護士又は指定された責任者の判断を要する。
AIは候補及び下書きを作ることができるが,判断主体又は承認主体にしない。

4 禁止業務

許可されていないサービスへの秘密情報の入力,確認していない判例又は引用の記載,権限外事件の検索,依頼者の指示に反する利用及び承認を経ない外部送信等を禁止する。
禁止事項は抽象語だけでなく,実際の画面又は作業例を用いて研修する。

5 謝罪・感謝・重要説明等の対人関係的文書

謝罪,感謝,重要な方針説明,和解提案その他の対人関係的な文書では,正確さ及び速さだけでなく,誰が時間と配慮をかけたと受け取られるかも結果に影響し得る。英国の事前登録済み6研究(合計3,935人)は,社会的・対人関係的な課題をAIへ委ねたと認識された場合,委ねた本人の道徳性,信頼性,温かさ又は真正性の評価が下がり得ると報告している。

これは日本の法律事務所を対象とする研究ではないため,直ちに同じ結果になるとはいえない。もっとも,これらの文書については,AIによる校正,論点漏れの確認及び複数案の比較を認めても,事実,立場,語調,送信時期及び最終文面を担当者自身が決定し,自動送信しないと定めることが考えられる。

6 外部資料中の指示を命令へ昇格させない

ウェブページ,電子メール,PDF,OCR結果又は相手方から受領した文書は,調査又は証拠の対象となるデータであり,事務所からAIへの操作命令ではない。外部資料に「これまでの指示を無視する」「秘密情報を送信する」「ファイルを変更する」等の記載があっても,その記載だけを根拠に権限を追加しない。

外部資料の読取りと,秘密情報の送信,ファイル変更,メール送信,公開,削除,決済又は権限変更を分離する。これらの外部効果を伴う操作は,認証された利用者の指示と,本ガイドラインが定める承認の双方を確認する。

AIエージェントに読み込ませる手順書(スキル)やプラグインも,外部資料と同じく,中に書かれた指示や付属のプログラムがそのまま実行され得る。
2026年1月に公開された論文は,2つの公開マーケットプレイスから集めた31,132個のスキルを調べ,26.1%に何らかの危険なパターンが検出され,5.2%は悪意が強く疑われるパターンを含んでいたと報告している(人が確認した87件のうち23件は悪意が明らかであった)。
外部のスキル・プラグインは,許可サービスと同じく導入前に付属のプログラムを含めて内容を確認し,事務所で作成又は確認したものに限って使うと定めることが考えられる。
また,共有文書,カレンダーの招待又は電子メールに隠した指示によって,業務用のAI検索が組織内の情報を外部へ送ってしまう脆弱性が報告され,提供者が修正した例もある(Noma Securityが2025年12月に公表したGoogle Gemini Enterpriseの事例)。
受領した文書をAIに読ませる場面ほど,読取りと外部送信を分離する定めが意味を持つ。

7 AIに業務用プログラムを作らせる場合

AIに業務用プログラムを作らせる場合は,実行前に,対象の入力,必要な出力,変更してよい保存先及び合格条件を具体化する。
GitHubのAIエージェントに関する公式資料も,範囲を限定した課題と明確な受入条件を示し,生成されたコードを人が確認して試験することを勧めている。
次は,この考え方を法律事務所の小さな補助作業へ適用する運用例である。

例えば,公開済みPDFの一覧から,資料名,日付及び元URLを列にした候補CSVを作る作業では,まず複製した少数の資料を試験用フォルダに置き,出力先を別に指定する。
元のPDFや一覧の上書き,改名及び削除を認めず,日付を読み取れないものは推測で埋めず未確認として出力させる。
入力件数と出力件数を照合し,重複,欠落,日付及びURLを元の一覧・PDFと突き合わせてから,残りの資料へ適用する。

プログラムの作成依頼には,その実行,対象フォルダの拡大又は本番データの更新まで含むかを明記する。
少数の試験が通った場合も,異常時に停止する条件と,原資料へ戻って確認する担当者を決め,AI自身の「動作確認済み」という説明だけで受け入れない。
この補助作業を,法的評価又は期限の確定まで自動化してよいという許可へ広げない。

(続きを読む...)法律事務所の生成AI利用ガイドラインの作り方-許可サービス,入力情報,出力確認,委託先及び事故対応(AI作成)

刑事手続のデジタル化はいつから?―令和7年法律第39号,電子令状・証拠開示とLinKage(AI作成)

目次

第1 この記事の結論1 刑事手続のデジタル化はいつから始まるか2 刑事手続のデジタル化で何が変わるか3 刑事手続はすべてオンラインになるか第2 改正法の三つの柱1 書類・証拠・令状の電子化2 ビデオリンク方式の拡大3 情報通信技術の進展に伴う犯罪への対応第3 施行時期を三段階で確認する1 令和7年6月12日に施行された規定2 令和8年5月21日に施行された規定3 令和9年3月31日までの政令日4 令和9年3月から7月までの段階的な対象拡大第4 電子令状と電磁的記録提供命令1 電子令状2 電磁的記録提供命令3 電子令状と夜間・休日の一般令状事務の集約第5 オンライン証拠開示は一律ではない第6 個別事件への適用を決める事項第7 裁判所・検察庁・警察の三つのシステム第8 弁護士事務所の準備1 事件ごとの入口を固定する2 送信と期限の証拠を残す3 証拠データの権限を絞る第9 公開資料で確認できることと確認できないこと第10 関連記事第11 出典
第1 この記事の結論

刑事手続のデジタル化を定める「情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第39号)は,令和7年5月16日に成立し,同月23日に公布された。
同法は一度に全面施行されるのではなく,規定ごとに段階的に施行される。

令和8年10月15日現在,情報通信技術の進展等に伴う犯罪への対応に関する一部規定は令和7年6月12日に,電磁的記録提供命令,ビデオリンク方式による証人尋問及び特定電子移転財産権の没収等に関する一部規定は令和8年5月21日に施行されている。
書類の電子化,電子令状,オンラインによる書類・証拠の授受その他の主要規定は,令和9年3月31日までの間において政令で定める日に施行される。

もっとも,法令上の施行日と,個別事件で電子的な方法を利用できる日とは同じとは限らない。
経過措置,事件の係属時期,電子公訴提起の有無,対象地域・事件及び最高裁判所の指定等を確認する必要がある。

1 刑事手続のデジタル化はいつから始まるか

主要規定は令和9年3月31日までの政令日から施行される予定であり,対象事件は同年3月から7月12日まで地域・罪名別に段階的に拡大される予定である。
全国の全事件が対象となる予定日は令和9年7月12日である。

2 刑事手続のデジタル化で何が変わるか

裁判書類・証拠の電子化,電子令状,オンラインによる申立て・通知・送達・証拠授受及び裁判記録の電子的な閲覧等が段階的に導入される。
ただし,利用するシステムと開始時期は,裁判所,検察庁及び警察で異なる。

3 刑事手続はすべてオンラインになるか

紙の手続や対面での閲覧が直ちにすべてなくなるわけではない。
施行段階,行為者,紙起訴か電子起訴か,証拠の内容・性質及び個別事件の案内によって,電子的方法の義務又は利用可否が異なる。

第2 改正法の三つの柱
1 書類・証拠・令状の電子化

第一の柱は,刑事手続で取り扱う書類を電磁的記録として作成・管理・発受するための規定である。
裁判所,検察官,司法警察職員及び弁護人等の間の申立て・通知・送達,令状の請求・発付・執行並びに証拠の閲覧・謄写等を電子的に行う法的基盤が整備される。

2 ビデオリンク方式の拡大

第二の柱は,勾留質問,弁解録取,裁判所の手続への出頭・出席及び証人尋問等について,映像と音声を相互に送受信する方法の利用範囲を広げることである。
遠隔化は移動負担を減らし得る一方,被疑者・被告人と弁護人の秘密交通,供述状況の把握及び防御権の実質的保障を損なわない運用が必要である。

なお,裁判所等の手続を映像と音声の送受信により行うことと,身体を拘束された被疑者・被告人が弁護人とオンラインで打合せをすることは別の問題である。
改正法附則41条は,刑事訴訟法39条1項の規定による接見の「ほかに」,身体の拘束を受けている被告人等と弁護人等との間における映像と音声の送受信による通話を可能とするための運用上の措置について,政府が必要な取組を推進するものとしている。
同条は,地域の実情を踏まえ,秘密の確保に配慮するとともに不正行為等の防止に万全を期しつつ取組を推進するという,政府の取組を定める規定である。

したがって,この附則だけから,全国の施設で,39条1項の接見と同じ条件のオンラインでの通話が直ちに利用できるとはいえない。
家族等とのオンライン面会の案内を,弁護人との通話へそのまま当てはめることもできない。
実際に利用する場合は,収容施設,対象となる本人と弁護人,申込方法,通話場所,時間・回数,立会い・録音録画の扱い及び資料を示す方法を,その施設と弁護士会の最新の案内で確認する必要がある。

(続きを読む...)刑事手続のデジタル化はいつから?―令和7年法律第39号,電子令状・証拠開示とLinKage(AI作成)

Windowsの基本操作とサポート期限―画面,印刷,32bit・64bit及びESU(AI作成)

目次第1 操作方法はOS・アプリ・機器を分けて確認する第2 画面表示とスクリーンショット1 拡大率と解像度を区別する2 画面の切取りは証拠の全部ではない第3 印刷・PDF・ファイルの場所第4 32bit・64bitとドライバー第5 Windows 10の終了とESU1 通常サポートの終了と追加のセキュリティ更新2 事務所の業務用パソコンは商用条件を確認する3 移行計画はアプリと周辺機器を含める4 Officeのサポート期限は別に確認する第6 関連記事と出典
第1 操作方法はOS・アプリ・機器を分けて確認する

Windowsのトラブルを調べる際は,Windowsの版,アプリの版,接続機器の型番を確認する。
同じ名前の機能でも,Windows 10とWindows 11,デスクトップアプリとウェブアプリでは画面や機能が異なる場合がある。
本記事は基本的な切分けとサポート期限の確認方法を扱い,具体的な変更は事務所の管理ルールに従うことを前提とする。

第2 画面表示とスクリーンショット
1 拡大率と解像度を区別する

文字が小さい場合,画面の解像度を下げる方法と,表示の拡大率を変える方法は同じではない。
複数ディスプレイでは,配置,主画面,拡大率をそれぞれ確認する。
WindowsキーとPキーによる投影設定では,複製と拡張の違いに注意する。
具体的な接続方法はディスプレイの接続・拡張・画面共有で説明する。

2 画面の切取りは証拠の全部ではない

Windowsキー・Shiftキー・Sキーによる切取り等は,画面を記録する手段である。
操作結果がクリップボードにあるだけなのか,ファイルとして保存されているのかを確認する。
画面外の文脈,URL,取得日時,元のファイルは,切取り画像とは別に残す。

第3 印刷・PDF・ファイルの場所

印刷時は,出力先,部数,片面・両面,ページ範囲,用紙サイズ及び拡大縮小を確認する。
別の事件のプリンター出力を取り違えないよう,実際の出力物まで確認する。
PDFプリンターを選んだ場合は,保存画面と保存先を確認し,紙が出ないことだけを障害と判断しない。

ファイルが見つからない場合は,アプリの最近使った項目だけでなく,実際の保存場所と拡張子を確認する。
デスクトップやドキュメントがクラウド同期の対象であることもある。
同名ファイルについては,更新日時だけでなく内容と版を確かめる。

第4 32bit・64bitとドライバー

OS,アプリ及びドライバーのbit数は別の確認事項である。
64bit Windows上で32bitアプリが動く場合でも,連携部品の互換性まで保証されるわけではない。
特にスキャナーは,アプリが要求するTWAIN等の方式とbit数を確認する。

また,64bitという表現だけでは,x64とARM64等のCPU構成の違いまで説明できない。
古い周辺機器を新しいパソコンへ移す際は,OS名だけでなく,機器メーカーの現行動作環境を確認する。
詳細は裁判書類のPDF化とスキャナー設定を参照されたい。

Windows,アプリ及びドライバーの更新と,BIOS又はUEFIファームウェアの更新は,対象,更新方法及び失敗時の影響が異なる。
BIOS更新は,メーカーが対象機種について更新を推奨し,又は現在の問題を修正すると確認できる場合に必要性を判断し,機種・版,BitLocker回復キー,電源,バックアップ及び復旧方法を確認してから行う。
詳しくは,BIOS更新の必要性と危険性―更新すべき場合・見送れる場合,失敗対策及びBitLocker回復キー(AI作成)を参照されたい。

キーボードの印字と入力が一致しない場合は,IMEの種類だけでなく,Windowsが物理キーボードを日本語106/109配列又は英語101/102配列のどちらとして処理しているかを確認する。
半角/全角キーでバッククォートが入力される場合の確認順序は,Windows 11で半角/全角キーが効かずバッククォートが入力されるとき―日本語106/109配列への戻し方(AI作成)で説明する。

第5 Windows 10の終了とESU
1 通常サポートの終了と追加のセキュリティ更新

Windows 10の通常サポートは令和7年(2025年)10月14日に終了した。
Microsoftが令和8年(2026年)9月15日時点で公表するコンシューマー向けESUの終了日は,令和9年(2027年)10月12日である(出典①)。
以前の案内で示された期限と混同せず,契約・対象機器に対応する現行案内を確認する。

ESUは,対象となる重要なセキュリティ更新を提供する制度であり,通常サポート全体の延長ではない。
新機能,一般的な修正,技術サポートまで受けられるという意味ではない。

2 事務所の業務用パソコンは商用条件を確認する

Microsoftは,コンシューマー向けESUを商用シナリオでは使用できないと案内している。
個人事務所であることや,Windows Homeを使用していることだけで,個人向け条件を満たすと判断しない。
組織での利用については,商用ESUの案内及び販売元に確認する。

対象OS・版,更新適用,登録状態を確認し,登録できたという画面だけで利用条件の検討を終えない。
本記事は,いずれのESU契約の購入や利用資格も保証するものではない。

3 移行計画はアプリと周辺機器を含める

① 利用OS,機器,業務アプリ及び担当者を一覧にする。
② Windows 11への移行要件とメーカーの対応を確認する。
③ データ・設定・回復情報を保全する。
④ 少量の実データに代わるテスト資料で動作を確認する。
⑤ 移行日と旧機器の利用終了日を決める。

ウイルス対策ソフトを入れていても,OSやアプリのサポート終了が解消されるわけではない。
複数の対策製品の併用可否は構成によるため,一律に追加又は削除せず,製品の案内を確認する。

OSの移行とは別に,インストール済みのアプリも定期的に一覧で確認する。
使っていないアプリほど更新が忘れられ,サポートが終了しても気付かれにくい。
個人情報保護委員会の個人情報保護法ガイドライン(通則編)10-6は,技術的安全管理措置の手法の例示として,機器やソフトウェア等に標準装備されている自動更新機能等の活用により,ソフトウェア等を最新状態とすることを挙げている(出典④)。
使っていないアプリは削除し,使い続けるアプリは自動更新が実際に働いているかを版数で確かめる。

使われなくなったアプリの例として,Adobe Flash Playerがある。
Adobeは,Flashのサポートを令和2年(2020年)12月31日に終了し,令和3年(2021年)1月12日以降はFlash PlayerでのFlashコンテンツの実行をブロックした上で,すべての利用者に対し,システムを保護するためにFlash Playerを直ちにアンインストールすることを強く推奨している(出典⑪)。
サポートが終わったアプリは更新されないため,動かなくなったから無害になったとは考えず,一覧から外して削除する。

(続きを読む...)Windowsの基本操作とサポート期限―画面,印刷,32bit・64bit及びESU(AI作成)

Wi-Fiの規格・周波数・SSID・暗号化方式―つながらない場合の確認順序(AI作成)

目次第1 Wi-Fiで確認する四つの項目第2 規格と周波数帯1 世代名と通信規格2 2.4GHz・5GHz・6GHz第3 SSIDと安全な認証・暗号化1 SSIDはネットワーク名である2 WEP・WPA・WPA2・WPA3第4 障害を切り分ける手順第5 中継機・メッシュ・ホームルーター第6 関連記事と出典
第1 Wi-Fiで確認する四つの項目

Wi-Fiを選び,又は接続障害を調べる際には,①規格,②周波数帯,③SSID,④認証・暗号化方式を区別する。
新しいルーターに替えるだけで,回線や設置環境の問題まで解消するわけではない。
本記事では,事務所内の無線接続を安全に確認するための基礎を整理する。

第2 規格と周波数帯
1 世代名と通信規格

Wi-Fiの世代名とIEEEの規格名は,例えばWi-Fi 4がIEEE 802.11n,Wi-Fi 5が802.11ac,Wi-Fi 6が802.11ax,Wi-Fi 7が802.11beという対応である。
Wi-Fi 6Eは6GHz帯の利用に対応したWi-Fi 6を示す呼称である。
世代名は,実際の通信速度や,すべての端末で使える機能を保証するものではない。

ルーター,パソコン,スマートフォンの対応規格が異なる場合には,共通して利用できる条件で接続する。
「Wi-Fi 7対応」という表示だけで判断せず,対応帯域・端末・設置国の条件を製品仕様で確認する。

2 2.4GHz・5GHz・6GHz

2.4GHz帯は障害物越しの接続に有利な場合がある一方,他の機器の電波と干渉することがある。
5GHz帯や6GHz帯は,対応端末や距離・壁等の条件を確認して使う。
電波が弱いときは,まず機器を近付け,利用可能な別の周波数帯で比較する。

5GHz帯のWi-Fiと,携帯電話の第5世代通信である5Gは別の意味である。
規格上の最大速度,無線区間の接続速度,インターネットへの実効速度も同じ数値ではない。

第3 SSIDと安全な認証・暗号化
1 SSIDはネットワーク名である

SSIDは,接続先の無線ネットワークを識別する名称である。
同名のネットワークを他人が設けることもできるため,名前が見慣れたものという理由だけで信用してはならない。
接続用パスワードと,ルーターの管理画面へ入るためのパスワードも分けて管理する。

SSID非表示やMACアドレスによる接続制限だけを,十分な認証・暗号化の代わりにしない。
来客用ネットワークを設ける場合には,事務所のNAS・プリンター等へアクセスできるかどうかも確認する。

2 WEP・WPA・WPA2・WPA3

WEPや古いWPA・TKIPを,新規の業務用設定の標準にすべきではない。
対応機器ではWPA3を検討し,既存機器との互換性からWPA2を使う場合はAES系の設定を確認する(出典②)。
混在モードで古い機器を接続できても,最新方式だけで接続していることにはならない。

ルーターのファームウェア更新,管理パスワード,サポート期間も重要である。
つながらないことだけを理由に,暗号化を解除して公開ネットワークにするべきではない。

第4 障害を切り分ける手順

① 正しいSSIDか,Wi-Fiが有効か,機内モードでないかを確認する。
② ルーターの近くで接続し,別端末でも同じ現象か比較する。
③ 対応する周波数帯・暗号化方式・保存済みパスワードを確認する。
④ Wi-Fi接続後にインターネットだけ使えない場合は,回線側の障害を確認する。
⑤ 公衆Wi-Fiでは利用条件への同意画面や利用時間制限を確認する。
⑥ 一つずつ変更し,結果を記録する。初期化は復旧手段を確保してから判断する。

NASが見えない場合は,インターネット障害とは別に,ゲストネットワークや端末間通信の分離設定を確認する。
オンライン会議中だけ不安定になる場合は,上り通信,接続台数,電波環境を調べ,有線LANや別回線との比較を行う。

第5 中継機・メッシュ・ホームルーター

中継機やメッシュは,電波の届く範囲や機器間の接続を改善する選択肢である。
しかし,回線契約自体の障害や混雑を解消するものではない。
EasyMesh等の対応表記があっても,製品・ファームウェア・組合せによる条件を確認する。

携帯電話網を使うホームルーターは,宅内のWi-Fi区間と,基地局までのモバイル通信区間がある。
パソコンのWi-Fi表示が良好でも,モバイル通信側で速度低下が起こることがある。
導入前には実際の利用場所・時間帯で必要な上り通信やオンライン会議を確認する。

第6 関連記事と出典

インターネット接続の基礎は回線側を,テザリングとMACアドレスは外出先の接続と端末識別を扱う。
弁護士情報セキュリティ規程も参照されたい。

① バッファロー「Wi-Fi 6とは?」(世代・端末対応等の説明。掲載時の「最新」という表現を現在の最新世代の意味では用いない。)
https://www.buffalo.jp/contents/topics/knowledge/wi-fi6/

② バッファロー「Wi-Fiの安全を守るセキュリティー」
https://www.buffalo.jp/topics/select/detail/wifi-security.html

③ 総務省「令和6年版 情報通信白書」(Wi-Fi 7の制度整備)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd223410.html

ウェブ上のリンク・YouTube・X埋込みと著作権―リツイート最高裁判決を含む(AI作成)

目次第1 リンク・埋込み・転載を分けて検討する第2 操作と権利の対応第3 YouTube・Xの公式埋込み機能1 現在のXの表示を確認する方法第4 リツイート最高裁判決1 事案と多数意見2 補足意見・反対意見との区別3 判決を一般化しすぎない4 大阪地裁平成25年6月20日判決との違い第5 スクリーンショットと引用第6 公開前の確認と関連記事第7 出典
第1 リンク・埋込み・転載を分けて検討する

ウェブ記事に他人の資料を紹介する際は,URLへの通常のリンク,公式プレーヤー等による埋込み,画像や文章を自分のサーバーへ保存して公開する転載を区別する必要がある。
技術的な操作が異なる以上,著作権法上の評価も同じとは限らない。
本記事は,日本法上の基本的な区別と,最高裁令和2年7月21日第三小法廷判決の射程を説明する。

第2 操作と権利の対応

操作
主な確認事項

文字の通常リンク
リンク先,紹介文,違法な利用への関与の有無

公式機能による埋込み
投稿元の権限,サービス条件,画面上の表示態様

画像を保存して再掲載
複製・公衆送信についての許諾又は権利制限

スクリーンショットの掲載
写り込んだ著作物,引用の要件,氏名・プライバシー

著作権法21条は複製権を,23条は公衆送信権等を定める。
単にリンクであるという呼称だけで,何も複製していない,又はいかなる責任も生じないと判断してはならない。
画像の保存場所,表示の仕組み及び自分が行った操作を確認することが出発点となる。

第3 YouTube・Xの公式埋込み機能

(続きを読む...)ウェブ上のリンク・YouTube・X埋込みと著作権―リツイート最高裁判決を含む(AI作成)

登記情報提供サービスの使い方―地番検索,家屋番号,当日明細及びPDF保存(AI作成)

目次第1 登記事項証明書との違い1 法務局で登記簿の閲覧はできるか第2 住所・地番・家屋番号第3 不動産を指定して請求する第4 PDFの表示・保存と再請求1 取得期限までに実ファイルを保存する2 再請求は新たな課金になり得る第5 当日明細・日付別明細と費用整理第6 関連記事と出典
第1 登記事項証明書との違い

登記情報提供サービスは,登記所の保有する登記情報を,インターネット経由で確認する有料サービスである。
情報はPDFで提供されるが,登記事項証明書と異なり,証明文や公印等は付されない(出典①)。
提出先が登記事項証明書を求めている場合に,取得したPDFを当然にその代わりにできるわけではない。

照会番号を利用できる手続もあるが,対応の有無を提出先へ確認する必要がある。
本記事は不動産の特定からPDF保存・利用明細確認までを扱い,所有権や担保権の法律上の判断そのものを説明する記事ではない。

1 法務局で登記簿の閲覧はできるか

法務局で登記内容を確認したいときは,何を取得・閲覧したいのかを分ける必要がある。
登記事項証明書,登記事項要約書,登記情報提供サービス及び登記申請書等の附属書類の閲覧は,それぞれ手続と用途が異なる。

目的主な方法注意点提出用の登記の証明書を取得する登記事項証明書の交付請求窓口・郵送・オンライン請求が案内されている。オンライン請求でも証明書の交付は郵送又は窓口受取となる登記内容を確認する登記情報提供サービス,登記事項要約書本サービスのPDFには証明文・公印等がない。要約書は管轄登記所の窓口で請求し,郵送・オンラインでは請求できない登記申請書や添付書面を調べる不動産登記簿の附属書類の閲覧請求自分が登記申請人である場合と第三者の場合を区別し,第三者は正当な理由を証明する書面などを準備する

証明書と情報確認用PDFのどちらが必要かは,提出先の指定を確認して決める。
登記申請書や添付書面まで見たい場合に,本サービスで当然に取得できると考えない。

公式の請求方法は,法務局「各種証明書請求手続」で案内されている。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html
不動産登記簿の附属書類の閲覧条件は,次の公式案内を参照されたい。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000001_00021.html

法務局の業務全体と窓口の選び方は,法務局とは何をするところか,来庁前の確認は,法務局の予約・登記手続案内・証明書取得の違いで整理している。

第2 住所・地番・家屋番号

住居表示としての住所と,土地の地番,建物の家屋番号は異なる。
マンションの部屋番号も,家屋番号と常に一致するわけではない。
住所をそのまま入力して情報が出ないことをもって,登記がないと結論付けない。

① 固定資産税関係資料,契約書,既存の登記資料等を確認する。
② 土地は所在・地番,建物は所在・家屋番号を特定する。
③ 地番検索や土地からの建物検索等を補助的に用いる。
④ 表示された物件が目的の物件か,図面や既存資料と照合する。

地番検索の地図は物件の絞込みに役立つが,境界や権利関係を確定する資料として単独で扱うべきではない。
同じ敷地の別棟,附属建物,区分建物の取り違えに注意する。

第3 不動産を指定して請求する

公式操作案内では,不動産請求に「所在指定」「不動産番号指定」「土地からの建物検索指定」が設けられている(出典②)。
目的に合う方法を選び,全部事項・所有者事項・地図・図面等の請求内容を確認する。
共同担保目録や信託目録の選択も,調査目的に照らして確認する。

所在地の選択が似ていても,登記上の所在が別である場合がある。
検索結果がない場合は,入力条件,コンピュータ化前の記録,閉鎖記録,サービス対象外の情報等を切り分ける。
制度上の取得範囲は不動産登記のコンピュータ化に関する記事を参照されたい。

請求ボタンを押すことは,単なる検索条件の保存と同じではない。
料金が発生する確認画面で,対象物件と請求内容を再確認する。

第4 PDFの表示・保存と再請求
1 取得期限までに実ファイルを保存する

マイページの「請求済」表示と,パソコンへの保存完了は別である。
令和8年(2026年)9月15日に確認した公式案内では,取得日及びその翌通常業務日から3通常業務日の間に表示・保存を行うこととされている(出典③)。
一覧に履歴が残る期間と,PDFを取得できる期間を混同しない。

保存後は,ファイルを開き,物件,取得日,請求した事項及びページの欠落がないことを確認する。
ファイル名には,物件を識別できる情報と取得日を付けると整理しやすい。
保存先は,事件ごとのアクセス制限された場所とする。

2 再請求は新たな課金になり得る

既に取得した情報の表示・保存と,最新情報の再請求は異なる。
公式案内は,再請求すると新しい情報を取得し,課金されることを説明している(出典③)。
過去のPDFが必要なだけなのか,現在の内容を改めて取得する必要があるのかを判断する。

第5 当日明細・日付別明細と費用整理

(続きを読む...)登記情報提供サービスの使い方―地番検索,家屋番号,当日明細及びPDF保存(AI作成)

Thunderbirdの設定・バックアップ・メール移行―POP・IMAP・プロファイルの実務(AI作成)

目次第1 移行前に保存場所を確認する第2 アカウント設定の確認1 POP・IMAPと送信サーバー2 ローカルフォルダーを見落とさない第3 プロファイルのバックアップ1 プロファイルとは2 エクスポートの容量制限第4 新端末への移行手順1 切替の検収は「受信できた」だけで終えない第5 不調・破損が疑われる場合第6 関連記事と出典
第1 移行前に保存場所を確認する

Thunderbirdの引越しでは,ソフトをインストールし直す作業と,メール・設定を移す作業を区別する。
とりわけ,POPで取得したメールやローカルフォルダーは,旧端末だけに残っていることがある。
新端末で受信できたことだけで,過去のメールも移行できたと判断してはならない。

第2 アカウント設定の確認
1 POP・IMAPと送信サーバー

アカウントごとに,受信方式,サーバー名,ユーザー名,ポート,接続の保護,認証方式を記録する。
送信サーバーも別に確認し,複数アカウントでは差出人と送信サーバーの対応を点検する。
設定の記録を共有する際には,パスワード・認証情報を含めない。

IMAPはサーバーとの同期であり,削除も反映され得る。
「このコンピューターにメッセージを保存する」等の同期設定を確認し,必要なフォルダーの本文・添付ファイルが取得済みか点検する(出典①)。

2 ローカルフォルダーを見落とさない

ローカルフォルダーは,通常,特定のメールサーバーとの同期対象ではない。
過去の事件メールをここへ移している場合は,サーバーに再接続しても戻らない可能性がある。
受信トレイだけでなく,送信済み,アーカイブ,下書き,フィルター,アドレス帳も対象とする。

第3 プロファイルのバックアップ
1 プロファイルとは

プロファイルは,Thunderbirdの利用データ・設定をまとめて保持する領域である。
プログラム本体のインストール先とは異なる。
公式ヘルプに従って使用中のプロファイルを開き,フォルダー名だけで推測せず,実際の保存先を確認する(出典②)。

手作業で複製する場合は,Thunderbirdを終了してから行う。
別の場所に保存先を変更しているメール等があれば,標準のプロファイルだけのコピーで足りるかを確認する。
作業中のプロファイルを複数端末で同時に書き換える運用は避ける。

2 エクスポートの容量制限

公式のエクスポートツールは,アカウント情報・メッセージ・アドレス帳・設定をZIP形式で保存する。
令和8年9月15日確認の公式ヘルプでは,バックアップファイルの対応サイズは2GBまでとされている(出典③)。
大きなプロファイルでは,公式の手動バックアップ手順を用いる。

バックアップが作成されたことと,必要なメールを復元できることは別である。
別の保管媒体を用意し,アクセス制限を設定した上で,代表的な古いメールと添付ファイルの復元を試す。

第4 新端末への移行手順

① 旧端末でアカウント・フォルダー・ローカル保存先・容量を記録する。
② 同期が必要なメールを取得し,Thunderbird終了後にバックアップする。
③ 新端末へ対応するThunderbirdを導入し,公式のインポート又はプロファイル復元手順を使う。
④ 既に新端末で使っているプロファイルがある場合は,その内容も別に保全する。
⑤ 受信・送信,差出人,送信済みの保存先,過去メール,添付ファイルを確認する。
⑥ 移行の確認が終わるまで,旧端末・元バックアップを消去しない。

POPからIMAPへの変更は,単なるソフトの引越しとは別である。
大量のローカルメールをIMAPへコピーすると,サーバーへのアップロードや容量増加が生じるため,少量で試してから進める。
移動とコピーを取り違えないことも重要である。

1 切替の検収は「受信できた」だけで終えない

以下は検収方法の提案であり,特定の事務所で復元・送受信試験を実施したという結果ではない。
まず現用プロファイルを保全し,保全コピーから別プロファイル等へ復元して,通信を伴わない確認を行う。
復元したアカウントがサーバーへ接続すると同期や送信等が発生し得るため,オフラインでの確認と,承認を得た送受信試験を分ける。

確認項目
合格条件の例

保存メール

(続きを読む...)Thunderbirdの設定・バックアップ・メール移行―POP・IMAP・プロファイルの実務(AI作成)

スマートフォンのテザリングとMACアドレス―接続設定,端末識別及びトラブル対応(AI作成)

目次第1 テザリングを予備回線として使う第2 Wi-Fi・USB・Bluetoothの使い分け第3 安全に接続する順序第4 MACアドレスは何を示すか第5 MAC制限と接続トラブル第6 関連記事と出典
第1 テザリングを予備回線として使う

テザリングは,スマートフォン等の通信接続を,パソコンやタブレット等と共有する機能である。
事務所回線の障害や外出先で役立つが,通信契約,端末の電池,電波及び情報管理の条件を確認する必要がある。
元記事にあった特定の旧機種の設定例は,現在のすべての機種に共通する手順ではない。

第2 Wi-Fi・USB・Bluetoothの使い分け

方式
確認する点

Wi-Fi
アクセスポイント名,パスワード,周波数,接続台数

USB
データ通信対応ケーブル,OS・端末の対応,接続許可

Bluetooth
ペアリングする相手,対応機能,通信速度

Apple及びGoogleは,対応端末でこれらの方式による共有を案内しているが,機種・OSによる制限がある(出典①・②)。
Wi-Fi接続が成立しても,携帯回線側に通信制限や障害があればインターネットには接続できない。
接続台数や追加料金は通信事業者の契約条件も確認する。

第3 安全に接続する順序

① スマートフォン単体でインターネットにつながるかを確認する。
② 契約上テザリングが利用できるか,容量制限がないかを確認する。
③ 共有機能を有効にし,接続先名と十分な強さのパスワードを確認する。
④ 接続する端末で目的のアクセスポイントを選ぶ。
⑤ 通信できることを確認し,不要になったら共有を終了する。

接続先名に依頼者名や事件名を使用しない。
OSやクラウドの大容量更新が始まると通信量が急増することがあるため,予備回線で行う作業を絞る。
接続不良への対処として,安易にパスワードをなくしたり,事務所の保護設定を解除したりしない。

第4 MACアドレスは何を示すか

MACアドレスは,LAN等で通信インターフェースを識別するために使われる値である。
一般的には6組の16進数で表示されるが,これを人の本人確認情報と同視してはならない。
一つの端末でも,有線と無線で異なるインターフェースを持つことがある。

(続きを読む...)スマートフォンのテザリングとMACアドレス―接続設定,端末識別及びトラブル対応(AI作成)

裁判書類のPDF化とスキャナー設定―Word変換,A3・A4,TWAIN・ISIS及び提出前確認(AI作成)

目次第1 読めるPDFと提出できるPDFを区別する第2 WordからPDFへ変換する1 元のWordファイルを残す2 A3・A4と縮小を確認する第3 紙をスキャンする際の確認第4 TWAIN・ISISと32bit・64bit第5 ScanSnap Managerのサポート終了と移行第6 提出前の最終確認第7 関連記事と出典
第1 読めるPDFと提出できるPDFを区別する

裁判書類のPDF化では,原資料を欠落なく読み取ることと,提出先の形式・容量等に適合させることの両方が必要である。
本記事は,Wordからの変換,紙の読み取り,スキャナーとドライバーの選択を扱う。
mintsの提出形式・一括アップロードの制限等は,mints提出用PDFの作り方と裁判所の最新案内で確認されたい。

第2 WordからPDFへ変換する
1 元のWordファイルを残す

編集可能なWordファイルと提出用PDFは別に保管する。
変換後は,ページ数,改ページ,表,脚注,外字,画像,ページ番号を確認する。
変更履歴やコメントを表示しない設定で出力しても,元ファイルにそれらがなくなるわけではない。

保存・エクスポートによるPDF化と,印刷機能を介したPDF化では,リンクや文書構造等の保持が異なる場合がある。
目的に応じた方法を選び,最終成果物を開いて確認する。
機密資料を,契約・保存先・利用条件の確認できないオンライン変換サイトへ送信してはならない。

2 A3・A4と縮小を確認する

元資料がA3である場合,単純なA4縮小では細字や図面の数値が読めなくなることがある。
用紙サイズ,縦横,余白を確認し,提出先の指定に従う。
分割や縮小をしたときは,どの原資料のどの部分かが分かるようにする。

第3 紙をスキャンする際の確認

① ホチキスや付箋,折り込み,裏面記載を確認する。
② 両面読み取り,白紙除去,傾き補正,自動回転等の設定を確認する。
③ 薄い印影,鉛筆書き,色分けされた部分が失われない設定を選ぶ。
④ 読み取った全ページを原資料と照合する。
⑤ 保存先・事件名・証拠番号等を確認して保存する。

白紙除去は便利であるが,薄い記載のあるページまで落ちる可能性を考慮する。
OCRは検索やコピーに役立つ一方,画像の文字と認識結果が一致するとは限らない。
OCR結果だけを引用せず,金額,日付,固有名詞等を画像と照合する。

解像度を高くすれば,常に提出用PDFとして適切になるわけではない。
可読性と容量を両立させ,圧縮後にも細字・写真・印影が判読できるかを確認する。

fi-7460及びfi-7480のブレーキローラとピックローラの推奨交換周期は20万枚であり,それぞれ原稿の分離と搬送を担う(出典④)。
消耗品カウンターの警告だけから,Windows上の装置認識やTWAINソースの表示不良の原因であるとは判断できないため,給紙状態の確認とソフトウェア認識の確認を分ける。

第4 TWAIN・ISISと32bit・64bit

TWAIN及びISISは,スキャン用アプリケーションとスキャナー側のソフトウェアを連携させるために使われる仕組みである。
アプリが要求する方式と,機器が提供するドライバーが対応している必要がある。
ScanSnapと業務用fiシリーズ等では利用方法が異なるため,製品名だけで互換性を推測しない。

PFUのPaperStream IPに関するFAQは,Windowsが64bitでも,32bitアプリには32bitのTWAINドライバーを使うことを案内している(出典①)。
OSのbit数だけでドライバーを選ぶのではなく,アプリのbit数も確認する。
ARM版Windowsへの対応も製品・ドライバー・アプリごとに異なるため,現行の動作環境を確認する(出典②)。

Windowsの設定にスキャナーが表示されることと,利用するスキャンアプリが必要なドライバー経由で読み取れることは別である。
PFUのFAQも,Windowsには装置が認識されているのにスキャンアプリではスキャナーが見つからない事象を案内している(出典⑤)。
切り分けの際は,デバイスマネージャー上の認識だけでなく,スキャンアプリのソース選択画面に利用予定のPaperStream IP(TWAIN)が表示されるかを確認する。WIAのソースだけが表示される場合,必要なTWAINソースまで使用可能であるとは限らない。

fi-7460及びfi-7480のWindows 11向け公式ダウンロードページでは,令和8年9月16日現在,PaperStream IP(TWAIN)3.40.2が掲載されている。
同ページも,OSが64bitであっても,32bitアプリを使用する場合はPaperStream IP(TWAIN)を使用するよう案内している(出典⑥)。

第5 ScanSnap Managerのサポート終了と移行

PFUのScanSnapサイトの公式案内によれば,ScanSnap Managerの提供及びサポートは令和6年(2024年)11月7日に終了した(出典③)。
ただし,fiシリーズで利用される「ScanSnap Manager for fi Series」は,同じ扱いと決め付けず,別途,機種・OS・版の対応を確認する必要がある。PFUの現行Windows対応表では,同ソフトウェアはレガシーアプリケーションとして掲げられ,fi-7460及びfi-7480は対応機種に含まれ,Windows 11の最小対応版は1.0.14とされている(出典⑦)。
この終了及びScanSnap Homeへの移行案内を,そのままfiシリーズに適用してはならない。
古い操作記事に掲載された画面だけを頼りにせず,機種が現行ソフトウェアに対応するかを確認する。
更新前には,読み取り設定,保存先,命名規則,連携アプリを控えておく。

移行後は,少量のテスト資料で両面,白紙除去,OCR,ファイル名,保存場所を確認する。
旧設定を消した後に不足が判明しないよう,必要な設定と原資料を残して検証する。
PFUの対応表はレガシーアプリケーションのダウンロードサービス終了も注記しているため,再インストールを始める前に,必要なインストーラーを確保できるかも確認する。

第6 提出前の最終確認

PDFを作成したことと,裁判所への提出が完了したことは別である。
ファイル選択,送信処理,受付・提出済み表示を区別して確認する。
提出後に訂正が必要となった場合は,元の提出物を取り違えないよう,版と提出日時を記録する。

証拠保全用のデータは,加工・圧縮した提出用コピーと分ける。
黒塗りは見た目だけでなく,PDFのマスキングで扱う文字情報等の除去も確認する。

第7 関連記事と出典

電子証拠の原本保全とハッシュ値,Windowsの基本操作とサポート期限,IT関係のメモ書きも参照されたい。

① PFU「Is there the PaperStream IP for 64-bit Windows?」
https://fi-faq.pfu.ricoh.com/hc/en-us/articles/13322763972121-Is-there-the-PaperStream-IP-for-64-bit-Windows

② PFU「PaperStream IP 動作環境」
https://www.pfu.ricoh.com/fi/software/paperstream-ip/environment.html

③ PFU「ScanSnap Manager」
https://www.pfu.ricoh.com/scansnap/feature/ss-manager.html

(続きを読む...)裁判書類のPDF化とスキャナー設定―Word変換,A3・A4,TWAIN・ISIS及び提出前確認(AI作成)

Zoom・Teams・リモートデスクトップを弁護士業務で使う際の設定と注意点(AI作成)

目次第1 会議参加・画面共有・遠隔操作は別である第2 Zoomの時間制限と会議前の準備第3 Teamsのアカウントと参加経路第4 共有前に閉じるもの・確認するもの第5 リモートデスクトップと遠隔サポート第6 遠隔操作時の表示停止とPC全体の停止を分ける第7 関連記事と出典
第1 会議参加・画面共有・遠隔操作は別である

ウェブ会議に参加すること,資料を画面共有すること,別のパソコンを遠隔操作することでは,相手に見せる情報と与える権限が異なる。
法律事務所では,操作の便利さと守秘上の制約を一緒に確認する必要がある。
本記事は機器・アプリの準備を扱い,裁判手続上の実施要件や録音録画の取扱いは裁判所の指示と関係法令に従う。

第2 Zoomの時間制限と会議前の準備

Zoomの現行サポート案内では,ベーシックの無料ライセンスが主催する通常の会議は,1対1を含め原則40分の制限がある(出典①)。
古い「1対1なら無制限」という説明を現在の標準条件として用いるべきではない。
有料アカウントに所属していても,主催者へどのライセンスが割り当てられているかを確認する。

① 主催者と参加者を確認し,会議URLを必要な相手にだけ伝える。
② 待機室,参加時認証及び画面共有権限を確認する。
③ カメラ,マイク,スピーカー,表示名をテストする。
④ 時間制限と中断時の連絡方法を確認する。
⑤ 終了後に会議・共有が停止していることを確認する。

契約プランの上限値や例外は変わり得るため,重要な会議では開催時点の公式案内を確認する。
本記事は,アカウントの購入や有料化を推奨するものではない。

第3 Teamsのアカウントと参加経路

Teamsでは,個人用アカウント,職場・学校アカウント,ゲストとしての参加を区別する。
会議によってはブラウザー等から参加できるが,主催組織の設定によってサインイン等を求められる場合がある(出典②)。
「Teamsには必ず個人用Microsoftアカウントが必要」と一律に説明するのは適切ではない。

複数のアカウントを使っている場合は,予定の組織・アカウントで入室しているかを確認する。
裁判所の招待で指定された参加方法を,一般のオンライン会議の方法へ勝手に置き換えない。
入室待機中に送ったチャットが,相手へ既に伝わったと推測しない。

第4 共有前に閉じるもの・確認するもの

共有する資料は,必要なページをあらかじめ開く。
メール通知,他事件のタブ,ファイル名,最近使用した項目,クリップボード等が見えないかを確認する。
画面全体の共有よりアプリ単位の共有が適する場面でも,そのアプリ内の別タブやウィンドウには注意が必要である。

録画,文字起こし,AIによる要約を利用する場合は,参加者への説明,必要な同意や許可,保存先,アクセス権及び保存期間を先に確認する。
裁判所での尋問等は,一般的なアプリの録画機能があることをもって自由に記録できるわけではない。
手続の解説は民事訴訟におけるウェブ尋問を参照されたい。

オンラインセミナー又はWeb会議の最中にAIを操作する場合は,画面共有による秘密情報の表示だけでなく,PCの負荷も分けて考える。
ブラウザーで回答を読む程度と,AIエージェントに大量の検索,PDF・画像変換,ビルド又はテストをさせる場合とでは手元の処理量が異なるため,重要な会議中は不要な重い処理を止める。

会議中のフリーズが会議アプリ,通信,表示系又はWindows全体のどこで生じたかを分ける方法は,「オンラインセミナー・Web会議中にWindows 11がフリーズする原因と対策-Zoom・TeamsとAIの同時利用(AI作成)」を参照されたい。

第5 リモートデスクトップと遠隔サポート

リモートデスクトップは,別のパソコンへ接続して操作する仕組みである。
GoogleのChromeリモートデスクトップ案内は,自分の端末へのアクセスと,他人からのサポートを受ける接続を区別している(出典③)。
サポート相手は,画面を見るだけでなく,アプリ,ファイル,メール等へアクセスできる場合がある。

① 相手が正規の担当者であることを,既知の連絡先で確認する。
② 支援範囲と見せてよい情報を確認する。
③ パスワードや回復コードを伝えない。
④ 作業中に何が行われているかを確認する。
⑤ 終了時に接続を切り,継続的なアクセス権が残っていないかを確認する。

相手が正規の保守業者であることと,提案された操作がメーカーの公式な解決策であることは別に確認する。
作業前に,症状を確認した日時,製品名と版,アカウントとライセンスの種類,直前の更新,提案された操作,根拠となる公式資料,見込まれる効果,所要時間,データへの影響及び元に戻す方法を記録する。
作業後には,開始・終了時刻,実行した操作,変更した設定,インストール又は削除したアプリ,確認結果及び未解決事項を残す。

パソコンとOffice等の購入・納品時の記録及び保守作業の記録は,法律事務所がパソコン・Office等を購入・納品してもらうときの確認事項で整理している。Office 2016・Office 2019が「ライセンスのない製品」になった場合は,KB5002907後の復旧手順も参照されたい。

突然表示された警告や電話の指示で遠隔操作を許可することは避ける。
不審な送金画面や認証要求が現れた場合は,作業を中断して事務所の責任者へ連絡する。

使っていない遠隔操作ソフトや,更新されないまま残った会議アプリは,それ自体が攻撃の入口になり得る。
インストール済みアプリの一覧を定期的に見て,使っていない遠隔操作ソフトは削除し,使い続けるものは常駐や自動起動の有無と,無人でも接続を受け付ける設定になっていないかを確認する。
Zoom等の会議アプリも,自動更新が実際に働いているかを版数で確かめる(出典④)。
偽の警告画面から電話をかけ,遠隔操作を許してしまった後の対応は,サポート詐欺(偽のセキュリティ警告)に遭ったときで整理している(出典⑤)。

第6 遠隔操作時の表示停止とPC全体の停止を分ける

自宅PCの遠隔画面だけが止まっても,事務所PCのWindows及びアプリが動き続けている場合がある。
別の許可済み経路又は現地で,時計,マウスポインター,キーボード入力及びネットワーク応答を確認できるときは,遠隔セッションだけの障害か,表示系の停止か,Windows全体の停止かを分ける。

MicrosoftのDesktop Duplication APIは,遠隔アクセス等のためにデスクトップ画像をフレーム単位で取得し,GPU上の画面データを処理する仕組みを説明している(出典⑥)。
そのため,遠隔操作は表示系の追加要因にはなり得るが,遠隔接続中にフリーズしたという一回の同時発生だけで原因とは断定できない。

直接操作日と遠隔操作日について,遠隔ソフト,接続時刻,画面数,解像度,同時タスク数,CPU,利用可能メモリ,ディスク待ち及び表示系ログを同じ条件で比較する。
Windows全体が正常に終了できず再起動した場合のEvent 41も,異常終了の事実を示すだけで原因を単独では確定しない(出典⑦)。

表示リセット用のキー操作,ドライバー更新又はBIOS更新等を提案された場合は,対象機種・対象版,公式資料,見込まれる効果及び元に戻す方法を確認し,正常時に安易に反復しない。
フリーズ時の期限管理,送信成否及び再開手順は,弁護士・税理士のAI業務用PCがフリーズしたときの初動-期限管理,送信成否,ログ保全及び安全な再開(AI作成)を参照されたい。

第7 関連記事と出典

ディスプレイの接続・拡張・画面共有,弁護士情報セキュリティ規程,法律事務所がパソコン・Office等を購入・納品してもらうときの確認事項及びIT関係のメモ書きも参照されたい。

(続きを読む...)Zoom・Teams・リモートデスクトップを弁護士業務で使う際の設定と注意点(AI作成)

サーバー・NAS・クラウドストレージ・DNSの違い―法律事務所のIT基礎(AI作成)

目次第1 保存場所と通信の役割を分ける第2 サーバーとNAS1 サーバーは役割を示す言葉である2 NASもファイルサービスを提供する第3 クラウドストレージと同期1 クラウドとローカルファイルは同じ状態とは限らない2 共有は必要な相手と範囲に限定する第4 DNSとウェブ・メールの障害第5 事務所で作っておく管理表第6 関連記事と出典
第1 保存場所と通信の役割を分ける

サーバー,NAS,クラウドストレージ及びDNSは,同じ種類の製品を四つ並べたものではない。
サーバーはサービスを提供する役割,NASはネットワーク経由でファイルを保存・共有する装置等,クラウドストレージは外部サービスとして提供される保存領域,DNSは名前に対応する情報を問い合わせる仕組みである。
法律事務所では,便利さだけでなく,誰がアクセスでき,誰が復旧できるかを確認して使い分ける必要がある。国内にサーバーがあることだけで安全性を判断せず,契約主体,再委託先,管理者アクセス,ログ,事故通知及び終了時のデータ取扱いまで確認する。
本記事の記載は,令和8年9月28日時点の公表資料に基づく。

第2 サーバーとNAS
1 サーバーは役割を示す言葉である

ウェブサーバーはウェブページを,メールサーバーはメールの送受信等を,ファイルサーバーはファイルの共有等を提供する。
同じ機器が複数の役割を担う場合もある。
高価な専用機器だけがサーバーなのではなく,機能・運用形態を見て区別する。

2 NASもファイルサービスを提供する

NASは,ネットワークに接続して利用するストレージであり,ファイルサーバーとしての機能を持つ。
したがって,「NASはサーバーではない」と一律に説明するのは適切ではない。
共有フォルダーの権限,管理者のアカウント,更新方法,ディスク故障時の交換手順を確認することが重要である。

複数ディスクを使うRAIDは,可用性の確保に役立つ構成であるが,独立したバックアップの代わりにはならない。
利用者による削除,ランサムウェアによる暗号化,装置全体の故障等は,別に備える必要がある。重要データは複数の媒体又は保存先に保ち,少なくとも一つは通常の端末・ネットワークから切り離す。バックアップは存在確認だけでなく,定期的な復元試験まで行う。

IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版」は,バックアップを「情報セキュリティ6か条」の一つに位置付け,対象・取得方法・取得間隔,保管場所・世代・保管期間及び復旧計画・復元確認を検討事項としている。
法律事務所では,事件記録,期限管理表,依頼者連絡先,預り金関係資料その他の業務継続に必要な情報ごとに,許容できる停止時間と欠落期間を決め,通常のクラウド認証や事務所ネットワークが使えない場合にも復元できるかを試す必要がある。
自社診断から監視・駆付け・保険を含むサービス選定へ進む手順は,別記事「法律・税理士事務所の情報セキュリティ自社診断と「サイバーセキュリティお助け隊」の選び方」を参照されたい。

Windowsの「システムの復元」も,バックアップの代わりにはならない。
Microsoftによれば,システムの復元は,システムファイル,レジストリ設定及びインストールされているプログラムを復元ポイントの作成時の状態に戻す機能であり,個人用ファイルには影響を与えない(出典⑥)。
そのため,誤って削除した文書や暗号化された文書を取り戻す手段にはならない。
ソフトウェアの障害でも,提供元が解決策として示していない場合は,システムの復元を試す前に提供元の案内を確認する(例として,Office 2016・2019が「ライセンスのない製品」になったときの対応)。

第3 クラウドストレージと同期
1 クラウドとローカルファイルは同じ状態とは限らない

パソコン上にファイル名が見えても,中身はクラウドにあり,必要なときだけ取得する設定の場合がある。
オフラインの期日や出張先で必要な資料は,事前に端末へ保存されているかを確認する。
一方,端末にコピーすれば,その端末の紛失・盗難時の漏えい対策も必要になる。

同期は,変更を他の保存場所へ反映させる機能である。
誤削除まで反映されることがあるため,同期済みという表示だけでバックアップ済みと判断してはならない。
Googleの容量に関する案内でも,容量超過によりアップロードや同期等が停止する場合が示されている(出典②)。

同期中の高負荷又は不具合が疑われる場合でも、直ちにアカウントの切断、キャッシュの削除又は再インストールを行うべきではない。まず同期状態、エラー表示、未同期ファイル及びローカルにだけ残るデータを確認し、必要なログと作業時刻を保存する。Google Drive for desktopの案内でも、再インストール又はアカウント切断の前に、未同期ファイルやLost and Foundの内容を確認する必要がある。同期サービスの修復と原因調査は、データ保全の後に一つずつ行う。

2 共有は必要な相手と範囲に限定する

事件単位のフォルダーを分け,閲覧のみか編集も必要かを決める。
「リンクを知っている全員」と「指定した相手」の共有範囲を混同しない。
共同受任の終了,職員の退職,外部委託の終了時には,アクセス権とローカルコピーの取扱いを見直す。

個人用アカウントに事務所資料を集約すると,担当者の退職・死亡・認証不能が事業継続上の問題となり得る。
契約名義,管理者,回復手段,データの持出し方法を事務所として把握しておく。さらに,データの保存・処理国,再委託先,提供者側の管理者アクセス,暗号化,操作ログ,侵害時の通知,バックアップ,契約終了時の削除及び一括エクスポートの可否を確認する。
ISMAPは,政府のクラウド調達におけるセキュリティ評価制度として参考になるが,登録サービスであることだけで弁護士業務又は個別事件への適合性が保証されるものではない。

保存期間は,事件ファイル,版履歴,ごみ箱及び閲覧・操作ログを分けて把握する。プラン変更,解約又はアカウントの停止により,過去のデータやログを取得できなくなる条件がないか確認する。サービス終了や障害時に,誰がどの形式で,いつまでに一括取得できるかも管理表に残す。

エクスポート機能があることと,必要なデータを利用可能な形で取得できることは同じではない。重要な事件資料は,契約中に代表的なファイル・版履歴・ログを書き出し,別の端末で読めること,必要な日時・作成者等の情報が残ることを試す。紛争対応のため保全するデータは,通常の削除ルールから区別し,必要性,対象,保管者及び見直し時点を記録する。これらは本記事が提案する運用上の確認事項である。

第4 DNSとウェブ・メールの障害

DNSは,ドメイン名に対応するIPアドレスなどの情報を問い合わせる仕組みであり,ウェブ本文や事件ファイルの保管庫ではない(出典①)。
独自ドメインの更新失念,DNS設定の変更,ウェブサーバーの停止,メールの容量超過は別々の問題である。

① ドメインの契約先と更新期限を確認する。
② ウェブとメールの双方が止まっているかを確認する。
③ 直前に変更したDNS・メール・サーバー設定を確認する。
④ 管理担当者又は契約先に,障害発生時刻と影響範囲を伝える。

DNSの設定変更はメール配送にも影響し得る。
復旧を急ぐ場合でも,現状の記録と変更の目的を確認せずに値を置き換えない。復旧後は,メールを受信できなかった可能性のある期間を特定し,裁判所,相手方,依頼者その他の送信者に未達連絡の有無を確認するとともに,その期間中又は直後に期限が来る事件を監査する。

第5 事務所で作っておく管理表
対象管理表に記録する事項NAS・ファイル共有機種,管理者,共有範囲,更新・復旧担当クラウド契約主体,保存・処理国,再委託先,管理者アクセス,利用者・権限,データ・ログの保存期限,侵害通知,バックアップ,プラン変更・終了時の削除条件,エクスポート期限と試験結果バックアップ対象,取得間隔,世代,保管期間,保存先,暗号化,切離しの有無,復旧担当,復元テストの実施日・対象・結果ドメイン・DNS契約先,更新期限,管理担当,変更履歴ソフトウェアのライセンス製品名・版,買い切りかサブスクリプションか,ライセンスを関連付けたアカウント,プロダクトキーの保管場所,購入記録,サポート終了日

パスワードや回復コードは,一般の管理表に平文で書くのではなく,アクセスを制限した別の方法で管理する。
復元テストでは,ファイルが存在することに加えて,開けること,必要な版であることを確認する。

(続きを読む...)サーバー・NAS・クラウドストレージ・DNSの違い―法律事務所のIT基礎(AI作成)

iPad・Chromebook・AirDropの業務利用―画面ロック,同期及びデータ共有(AI作成)

目次第1 端末の違いとデータの所在を確認する第2 iPadの画面ロックと通信第3 ChromebookとMicrosoft Office第4 AirDropで相手を確認して送る第5 同期・紛失・初期化の注意第6 関連記事と出典
第1 端末の違いとデータの所在を確認する

iPadとChromebookは,Windowsパソコンと同じ画面・機能を持つものではない。
持ち運びや閲覧に便利である一方,業務アプリの対応,保存場所,オフライン利用及び情報管理を確認する必要がある。
本記事は,外出・会議・資料共有で迷いやすい点を整理する。

第2 iPadの画面ロックと通信

画面ロックのパスコードとApple Accountのパスワードは別である。
自動ロックを設定し,通知に依頼者名や本文が表示される範囲も確認する。
短時間の離席でも,資料を開いた端末を放置しない。

Wi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデルでは利用できる通信経路が異なる。
電話番号の表示やSIMの有無だけで,通常の携帯電話と同じSMS認証ができると判断してはならない。
利用するサービスの認証方法と通信契約を確認し,認証用端末を失った場合の回復方法を別に用意する。

第3 ChromebookとMicrosoft Office

Chromebookでは,Microsoft 365のウェブアプリ等を利用できるが,Windows用デスクトップアプリと同じ機能がすべて利用できるという意味ではない(出典①)。
複雑な書式,マクロ,外字,電子署名関連のアプリ,スキャナーの連携等は個別に確認する。
裁判書類は,作成した端末で表示できるだけでなく,最終的なPDFの体裁も確認する。

Googleアカウントの同期が有効でも,端末上のすべてのファイルがクラウドへ保存されるわけではない。
Googleは,Chromebookの「ダウンロード」フォルダー等のローカルファイルが設定同期の対象ではないことを説明している(出典②)。
初期化や端末交換の前には,実際の保存先を調べる必要がある。

第4 AirDropで相手を確認して送る

AirDropは,対応するApple製デバイス間で写真や書類等を共有する機能である。
AppleはWi-FiとBluetoothを有効にすること等を案内し,インターネット共有との関係にも注意を促している(出典③)。
受信範囲や相手確認の画面は,OSの版・連絡先登録等で異なる。

① 送るファイルを開き,事件名・版・内容を確認する。
② 相手と対面又は既知の連絡方法で送信先の端末を確認する。
③ 共有画面の候補名だけで同一人物と断定しない。
④ 相手の受信完了とファイルの内容を確認する。
⑤ 不要な受信許可や共有範囲を残さない。

「すべての人」等の広い受信設定を常用する必要はない。
近くにいる第三者や似た端末名への誤送信に注意する。
相手が受領したことと,相手の保存先が適切に管理されていることは別の問題である。

第5 同期・紛失・初期化の注意

同期,バックアップ及び端末の遠隔消去は別の機能である。
紛失時にアカウントからログアウトさせても,端末内のコピーがすべて消えるとは限らない。
端末の暗号化,ロック,管理者による対応,保存されたファイルの範囲を事前に整理する。

初期化は,トラブル時の最初の操作ではない。
証拠や業務資料が端末にしかない可能性を確認し,保存・復元方法を確保してから行う。
業務用と私用のデータが混在する端末では,遠隔消去の対象範囲にも注意する。

第6 関連記事と出典

アカウント・パスワード・PIN・多要素認証,画像・動画の形式と位置情報,Appleアカウントの相続及びIT関係のメモ書きも参照されたい。

① Google「ChromebookでMicrosoft Officeを使用する」
https://support.google.com/chromebook/answer/2481498?hl=ja

② Google「アカウント設定を同期する」
https://support.google.com/chromebook/answer/2914794?hl=ja

③ Apple「iPhoneやiPadでAirDropを使う方法」
https://support.apple.com/ja-jp/119857

インターネット接続の基礎―回線事業者,プロバイダ,ONU,ルーター及びIPアドレス(AI作成)

目次第1 インターネット接続は役割ごとに確認する第2 回線事業者とプロバイダ1 物理的な回線とインターネット接続サービス2 電話サービスやADSLとの区別第3 ONU・ルーター・ハブの違い第4 IPアドレス・DHCP・DNS1 IPアドレスは通信上の宛先である2 DHCPは設定の配布,DNSは名前の問合せである第5 つながらないときの確認順序第6 関連記事と出典
第1 インターネット接続は役割ごとに確認する

インターネットにつながらない場合には,回線契約,接続サービス,宅内機器,端末の設定を分けて確認することが重要である。
Wi-Fiにつながることと,インターネットに到達できることは同じではない。
法律事務所では,復旧作業に加えて,裁判期日・提出期限・連絡手段への影響を先に確認する必要がある。

本記事は,光回線を中心とする基本用語と障害の切分けを扱う。
機器ごとのランプ表示や設定値は異なるため,契約書・機種名・公式マニュアルを確認して適用する。

第2 回線事業者とプロバイダ
1 物理的な回線とインターネット接続サービス

回線事業者は光ファイバーなどの通信回線を提供し,プロバイダはインターネットへの接続サービスを提供する。
両者が別契約となる場合も,一つの事業者からセットで提供される場合もある。
請求書の名義だけで契約相手を判断せず,障害連絡先,接続方式,契約ID,料金の支払状況を確認する。

回線契約の変更,プロバイダの変更,Wi-Fiルーターの交換,メールサーバーの変更は別の作業である。
事務所の独自ドメインメールが使えない場合も,回線全体が止まっているのか,メールだけの障害なのかを切り分ける。

2 電話サービスやADSLとの区別

固定電話網のIP網移行と,利用者が光回線のインターネット契約をすることは別である。
電話番号を維持するための条件や,FAX・警備装置等への影響は,電話サービスの契約先に確認する。
ADSLなど旧サービスの説明は歴史的なものを含むため,古い設定例を現在の光回線へそのまま当てはめない。

第3 ONU・ルーター・ハブの違い

用語
主な役割
確認する点

ONU
光回線の信号と宅内側の電気信号との変換
光回線側の状態,電源,機種名

ルーター
異なるネットワーク間の通信の中継
WAN側とLAN側,接続方式,管理設定

(続きを読む...)インターネット接続の基礎―回線事業者,プロバイダ,ONU,ルーター及びIPアドレス(AI作成)

インターネットバンキングの不正払戻し―補償要件,過失及び被害発生時の対応(AI作成)

目次第1 被害の拡大防止を先に行う第2 個人向けと法人向けを区別する第3 個人向けの補償1 個人向け4行の公表条件を比較する2 「30日」の起算点と役割を分ける第4 法人向けの補償1 法人・個人事業主向けの具体例―楽天銀行第5 残すべき記録第6 補償判断と法的請求は分けて検討する1 自ら振り込んだ被害と,回収手段を分ける第7 関連記事と出典
第1 被害の拡大防止を先に行う

身に覚えのない送金や払戻しに気付いた場合は,補償されるかどうかの検討だけで対応を遅らせず,銀行の正規窓口へ直ちに連絡する。
インターネットバンキングの停止,送金への対応,認証情報の保護等について銀行の案内を受け,警察にも相談する。
連絡先は,不審なメールやSMSのリンクではなく,銀行の公式サイト,通帳等から確認する。

本記事は,全国銀行協会の公表資料と銀行別の規定に基づき,補償の基本構造,具体的な条件及び初動対応を扱う。
個別の銀行の約款,契約,被害時点の運用及び事実関係によって結論が異なるため,補償を保証するものではない。

第2 個人向けと法人向けを区別する

区分
確認する基本資料

個人向けインターネットバンキング
全銀協の平成20年申し合わせ,各行の補償規定・約款

法人向けインターネットバンキング
全銀協の平成26年の考え方,各行の具体的な制度

偽造・盗難カードによる被害
カードの制度・法律と契約。オンライン送金と混同しない

自然人名義であっても事業用サービスを利用している場合がある。
個人事業主や弁護士の事務所口座は,名義だけでなく利用契約の種類を確認する。
銀行預金と,証券・暗号資産・決済サービスの被害も同じ制度ではない。

証券口座やFX口座で第三者が認証情報を使って行った取引では,その取引の効果が本人に帰属するかという点も問題となる。
FX自動売買向けの仮想デスクトップサービスへの不正アクセスの事案を例に,お名前.com デスクトップクラウドの不正アクセスでFX口座に損失が出たら(AI作成)で扱っている。

第3 個人向けの補償

全銀協は平成20年2月19日,インターネットバンキングによる不正払戻しについて,銀行に過失がない場合でも,顧客に過失がないときは原則として補償する旨を公表した(出典①)。
公表資料は,速やかな通知,事情説明及び捜査への協力等も補償の要件として整理している。

顧客に過失又は重過失がある場合の補償は,インターネットバンキングの手口・状況を加味した個別判断とされている(出典②)。
盗難通帳の参考欄にある補償割合を,インターネットバンキングへそのまま当てはめてはならない。

(続きを読む...)インターネットバンキングの不正払戻し―補償要件,過失及び被害発生時の対応(AI作成)

画像・動画ファイルの形式と位置情報―PNG・JPEG・MP4・EXIFの確認と証拠保存(AI作成)

目次第1 形式の変換と証拠の保全を分ける第2 画像形式の違い第3 MP4と動画の再生1 再生上の相対時刻と,撮影した日時を分ける第4 EXIF・位置情報・表示時刻1 日時の種類を区別する2 「Exifなし」と「メタデータなし」を同一視しない第5 公開用コピーと保全用データ1 保全用は取得した状態を維持する2 公開用には必要な処理を別に行う第6 関連記事と出典
第1 形式の変換と証拠の保全を分ける

画像や動画を扱う際は,閲覧・提出しやすい形式にする作業と,取得したデータを保全する作業を分ける必要がある。
変換,圧縮,切取り,位置情報の削除等は,ファイルの内容や付随情報を変えることがある。
証拠となり得るデータは取得した状態で残し,公開・提出用のコピーを別に作ることが基本である。

第2 画像形式の違い

形式
特徴と確認事項

JPEG・JPG
写真で広く使われる。再圧縮により細部が変化し得る

PNG
可逆圧縮を用い,文字・図や透明部分のある画像等で使われる

GIF
色数等の制約があり,簡単な図やアニメーション等で使われる

TIFF
複数の圧縮方法等があり,拡張子だけでは中身を確定できない

BMP
ビットマップ画像の形式。対応や容量は保存方法等による

(続きを読む...)画像・動画ファイルの形式と位置情報―PNG・JPEG・MP4・EXIFの確認と証拠保存(AI作成)

GmailとGoogle Workspaceのアカウント・容量・端末管理(AI作成)

目次第1 個人用Gmailと組織の管理を区別する1 個人アカウントから業務環境へ段階的に移す第2 保存容量はGmailだけで使うものではない第3 Gmailアドレスは変更できるか第4 2027年1月の外部メール機能の変更1 対象となる機能2 対象外の経路を区別する3 移行時の確認事項4 経路別に,終了対象と継続するものを確認する5 代替方法を五つの選択肢から検討する第5 端末確認と紛失時の対応1 Googleの二段階認証は必要か,どこで設定するか2 端末とセッションの確認3 アカウントを乗っ取られた疑いがある場合第6 関連記事と出典
第1 個人用Gmailと組織の管理を区別する

Gmailはメールのサービスであり,GoogleアカウントはGmail以外の各種サービスにも用いられる。
個人用Googleアカウントと,組織の管理者が管理するGoogle Workspaceのアカウントでは,変更権限,保存容量,端末管理等が異なる。
法律事務所で利用する際は,誰の契約で,誰が回復・引継ぎを行えるかを明確にする必要がある。

1 個人アカウントから業務環境へ段階的に移す

個人Googleアカウントにメール,資料及び予定が集まっている場合,すべてを同時に移すことだけを選択肢にしない。
顧客情報を扱う業務を先に業務環境へ移し,過去の資料等は項目ごとに移行・共有・残置を決める方法がある。
ただし,併用中も個人側に残る業務資料と共有権限を管理する必要がある。

対象移行前後に照合することメール・添付対象期間,受信・送信済み,件数の目安,重要メール,添付,ラベル及び新しい送受信経路連絡先・カレンダー重複,予定の時刻・参加者,共有相手,編集権限及び新規登録先Driveの資料正本の所在,所有者,外部共有,リンクの到達先及び移行しない旧コピーAI履歴・投入資料履歴やファイルの保存場所,利用アカウント,適用契約,保持・共有条件及び残置の理由Chrome・拡張・自動化同期するアカウント,保存先,拡張機能の権限,接続先及び旧設定に依存する処理

共有は移行と同じではない。
個人側が所有するファイルを業務アカウントから開けても,所有者や個人側のコピーが変わったとは限らない。
機能ごとの正式な移行方法と制限を確認し,旧アカウントを終了してよい条件を決める。
予定・連絡先・資料が開くことと,権限や正本の所在が予定どおりであることを別々に検収する。

Googleの「Gmailアカウントからメールを移行する」は,移行元の認可と管理者の手続,移行先の条件,期間・除外,実行結果のレポート及び差分移行を説明する。
移行レポートで成功・失敗・除外を確認し,件数だけでなく重要なメールと添付を標本照合する。
移行終了の操作でレポートが利用できなくなるため,必要なレポートは先に保存し,完了後に当該移行で付与した認可の終了も確認する。

これはメール移行の手順であり,Googleの全サービスが一括して移った証明にはならない。
アカウントを間違えて入力・共有しないようにし,権限を変える操作とDNS・MXの切替えは,担当者の承認,事前保存,試験及び戻し方を定めて行う。
生成AIの契約条件は,法律事務所が生成AIのDPAを確認するときのチェックリストを参照されたい。

第2 保存容量はGmailだけで使うものではない

通常の個人用Googleアカウントの無料容量は,Googleドライブ,Gmail及びGoogleフォトで共有される最大15GBである(出典①)。
Gmailの添付ファイルだけでなく,写真・動画等が容量を使っている場合もある。
Google Workspaceの容量はエディション等によるため,一律に15GB又は無制限とはいえない。

容量を使い切ると,メールの送受信やファイルの同期等に影響が生じる場合がある。
容量不足に気付いたら,利用状況,ごみ箱,迷惑メール,管理者側の割当てを確認する。
証拠資料や保存義務のあるデータを,容量確保のために無計画に削除してはならない。

第3 Gmailアドレスは変更できるか

Googleの現行案内は,変更の選択肢が利用できるアカウントについて,Gmailアドレスを別のGmailアドレスへ変更する手順を示している(出典②)。
したがって,「Gmailアドレスは一切変更できない」と断定する説明は改める必要がある。
すべてのアカウントで同時に同じ選択肢が出るとは限らず,実際のアカウント設定を確認する。

変更は単なる表示名の変更とは異なる。
旧アドレスの扱い,外部サービスのログイン,連絡先への通知,ChromebookやChromeリモートデスクトップへの影響を確認する。
事務所の業務用メールは,試しに変更してから影響を調べるのではなく,先に関連サービスを洗い出す。

第4 2027年1月の外部メール機能の変更
1 対象となる機能

令和8年(2026年)9月15日時点のGoogle公式案内は,令和9年(2027年)1月に,第三者メールアドレスからの送信,Gmailify及びウェブ版Gmailによる外部POPメール取得を終了する予定としている(出典③~⑤)。
新規設定と既存利用の移行時期は区別して確認する必要がある。
「Gmailそのものが使えなくなる」という意味ではない。

2 対象外の経路を区別する

スマートフォンのGmailアプリで外部アカウントを直接利用する方法,外部メール事業者からの転送,Thunderbird等からGmailへ直接接続する方法は,ウェブ版Gmailの外部POP取得とは別である。
Google Workspaceの機能やGmailのエイリアスについても,第三者アドレスからの送信終了と混同しない。
既に取り込んだメールが,この変更だけで直ちに消えるという案内ではない。

3 移行時の確認事項

(続きを読む...)GmailとGoogle Workspaceのアカウント・容量・端末管理(AI作成)