メインコンテンツへスキップ

AI・リーガルテック

裁判官が生成AIを使うリスクと安全条件―自動化バイアス・独立判断・監査可能性(AI作成)

目次第1 結論第2 出力そのもののリスク1 重要事項の脱落2 ハルシネーション及び誤帰属3 出力の揺れ4 学習データ及び公開データの偏り第3 自動化バイアス1 整った形式が信頼を高めること2 初期判断の固定3 確認作業の形骸化第4 制度上の位置によって危険度が変わること1 弁護士による利用2 地裁裁判官の争点整理3 事件選別及び入口支配4 終局判断及び理由形成第5 AI利用前の安全条件1 作業を危険度別に分類する2 利用目的及び禁止範囲を定める3 情報区分及び利用環境を確認する第6 AI利用中の安全条件1 原典位置を必須にする2 反対仮説を強制する3 変更差分を残す4 当事者の知らない論点を直接採用しない第7 AI利用後の安全条件1 人間が結論及び理由を引き受ける2 ログ及び再現環境を保存する3 無作為監査及び並行審査を行う4 異議及び訂正の経路を用意する5 研究会が検討した透明性と当事者の関与6 保存・監査と当事者への開示を区別する第8 政府ガイドラインとの関係第9 関連記事出典

裁判官が生成AIを使う場合、「人間が最後に確認する」という一文だけでは安全条件として不十分である。

整ったAI出力を先に読めば、その後の争点設定、事件選別、証拠評価及び理由形成が無意識に出力へ引きずられる可能性があるからである。

安全な利用には、人間が独立して考える時点、原資料へ戻る経路、AI利用を争い又は訂正できる手続及び後から再現できるログを、作業の危険度に応じて設計する必要がある。

第1 結論

裁判官による生成AI利用のリスクは、出力の誤りだけではない。

① 出力の脱落、幻覚、偏り及び不安定性

② AI出力が人間の判断を固定する自動化バイアス

③ 事件選別、争点設定及び理由形成へ見えない形で流入する制度的影響

④ 機密性、サービス停止、モデル更新及び外部事業者への依存

⑤ 当事者及び上級審がAI利用の影響を検証しにくい不透明性

安全条件は、AI利用の前、利用中及び利用後に分け、原典接地、独立判断、差分、ログ、当事者の反論機会及び監査を組み合わせるべきである。

第2 出力そのもののリスク
1 重要事項の脱落

要約が全体として正しく見えても、勝敗を左右する一つの間接事実又は証拠が落ちることがある。

最高裁側の生成AI検証でも、重要事実及び証拠の拾い漏れが報告された。

2 ハルシネーション及び誤帰属

存在しない裁判例、実在する裁判例への誤った命題の帰属、条番号の誤り及び記録にない事実の補完は、流暢な文章の中に混入し得る。

出典が実在することだけでなく、その箇所が当該命題を実際に支えているかを確認する必要がある。

3 出力の揺れ

同じ入力及び指示でも出力が変わると、事件ごと又は実行ごとの一貫性を説明できない。

司法利用では、モデル名だけでなく、版、設定、入力、検索資料、システム指示、出力及び実行日時を保存する必要がある。

4 学習データ及び公開データの偏り

公表裁判例は、和解、取下げ、非公表判決、当事者の全主張及び証拠並びに評議過程を含まない。

選択された過去データだけを学習すれば、過去の偏り及び公表選択を固定する可能性がある。

第3 自動化バイアス
1 整った形式が信頼を高めること

表、見出し及び法的用語が整った出力は、内容の正確性とは無関係に信頼されやすい。

商事法務研究会の取りまとめ別添5も、便利であるほどAIの出力だけを見るようになるおそれを記録している(別添5・PDF90頁)。

2 初期判断の固定

(続きを読む...)裁判官が生成AIを使うリスクと安全条件―自動化バイアス・独立判断・監査可能性(AI作成)

AIの勝訴予測は訴訟を萎縮させるか―和解圧力・司法アクセス・新判例への影響(AI作成)

目次

第1 結論
第2 勝訴予測がもたらす利点
1 費用及び時間の見通し
2 合理的な和解の促進
3 司法アクセスの改善
第3 提訴を萎縮させる経路
1 過去の多数傾向が将来の限界になること
2 予測値の権威化
3 弱い当事者ほど予測へ従わされること
第4 和解圧力の問題
1 参考情報と事実上の強要の境界
2 個別事情の消失
3 裁判官の判断傾向分析
第5 新しい裁判例への影響
1 新判例が減る経路
2 新判例が増える経路
3 現時点では一方向の実証はない
第6 公表裁判例だけでは予測できないもの
1 選択されたデータであること
2 判断過程が欠けていること
第7 必要な安全条件
1 確率ではなく範囲及び限界を示す
2 足切りの自動化を避ける
3 人間へ到達できる経路を残す
4 結果を継続的に監査する
第8 関連記事
出典

(続きを読む...)AIの勝訴予測は訴訟を萎縮させるか―和解圧力・司法アクセス・新判例への影響(AI作成)

AIに判決理由を書かせてよいか―文章統合と理由形成・事後合理化の境界(AI作成)

目次

第1 結論
第2 判決理由が持つ三つの機能
1 当事者及び社会への説明
2 上級審及び外部からの検証
3 裁判官自身の自己点検
第3 民事訴訟法上の判決理由
第4 条件付きで利用を検討できる範囲
1 原判決及び定型部分の取り込み
2 固有名、呼称、証拠番号、金額及び日付の照合
3 人間が書いた理由骨子の文章統合
4 反対仮説の提示
第5 高リスクな利用
1 結論だけを与えて理由を生成させること
2 信用性評価及び間接事実からの推認
3 競合する法的構成の選択
4 当事者の主張へ応答したかの最終判断
第6 安全な起案工程
1 AIを見る前
2 AIを使う間
3 AIを使った後
第7 関連記事
出典

裁判官が結論を決めた後、生成AIに判決理由を書かせれば、判決起案を効率化できるようにも見える。

しかし、判決理由は、既に決まった結論を説明するための文章にとどまらない。

事実認定、証拠評価、法的構成及び当事者の主張への応答を文章化する過程には、裁判官が自分の結論を点検し、必要であれば修正する機能がある。

(続きを読む...)AIに判決理由を書かせてよいか―文章統合と理由形成・事後合理化の境界(AI作成)

AIは裁判官を代替できるか―機械的処理・認知補助・判断草案・国家判断の4段階(AI作成)

目次

第1 AI裁判官とは何か―日本の導入状況とメリット・デメリット
第2 第1段階―機械的処理
1 対象となる作業
2 人間の先行作業は原則として不要である
3 残る危険
第3 第2段階―認知補助
1 対象となる作業
2 必要な条件
3 現在の実証
第4 第3段階―判断草案
1 対象となる作業
2 独立判断を先行させる理由
3 文章統合との区別
第5 第4段階―国家判断
1 意味
2 現行法上の裁判官
3 民事訴訟法上の判断主体
4 現行法上の結論
第6 AI第一次判断制度は裁判官代替か
1 非拘束的な解決案
2 異議がなければ効力を生じる制度
3 直ちに国家の終局判断となる制度
4 研究仮説としての位置付け
5 検査可能性という別の軸
第7 関連記事
出典

(続きを読む...)AIは裁判官を代替できるか―機械的処理・認知補助・判断草案・国家判断の4段階(AI作成)

「AI時代における民事司法を考える研究会」取りまとめの要点と限界(AI作成)

目次第1 取りまとめの作成主体及び対象1 作成主体2 最高裁側の検証との関係3 公式資料の読み方4 開催経緯と資料の公開範囲第2 取りまとめの主要な内容1 裁判所及び法律実務家の利用場面2 裁判官が利用する場合の原則3 司法作用の代替可能性4 論点別の読み順と詳説記事第3 取りまとめの重要な意義1 便益と危険を同時に示したこと2 判断作用との境界を明示したこと3 今後の検討基盤を作ったこと第4 資料上の限界1 取りまとめ自身が認める非網羅性2 非公開資料があること3 実証資料の不足4 参加者の範囲第5 「異論なし」の読み方第6 取りまとめをどう評価すべきか1 現在の運用原則としての評価2 現在の技術評価としての評価3 将来の原理的不能論としての評価4 法曹団体による評価5 日本司法書士会連合会の会長談話第7 関連記事出典・参考資料1 研究会資料2 裁判所の公表資料3 弁護士会資料4 司法書士会資料
第1 取りまとめの作成主体及び対象

公益社団法人商事法務研究会は、令和8年8月、「AI時代における民事司法を考える研究会」の取りまとめを公表した。

同取りまとめは、裁判官、裁判所職員、弁護士、司法書士及び当事者によるAI利用を幅広く検討し、現時点では人間の裁判官が最終判断と責任を負うべきであるとの方向を示している。

もっとも、論点を網羅した確定的な結論ではなく、技術の進展を踏まえた今後の検討課題を示す資料として読む必要がある。

1 作成主体
作成主体は最高裁判所ではなく、公益社団法人商事法務研究会に設置された研究会である。

資料等一覧によれば、研究会は令和7年11月7日から令和8年6月26日まで十二回開催され、二回の非公開分科会も行われた。

委員は学識経験者六人であり、法務省、最高裁判所、日本弁護士連合会及び日本司法書士会連合会は「関係省庁等」、デジタル庁は「オブザーバ」として委員名簿に記載されている(印字69頁・PDF73頁)。
2 最高裁側の検証との関係
東京地裁及び大阪地裁の中堅民事裁判官六人による生成AI検証は、取りまとめ本文の制度論とは別に、別添5の「最高裁検証結果」として収録されている。今崎最高裁判所長官も、令和8年憲法記念日記者会見において、前年度に裁判所内で民事裁判におけるAI利用の最初の実証・検証を行ったと説明している。

したがって、検証実施自体は最高裁判所の公表資料で確認できる一方、検証方法及び結果の具体的内容は別添5を主要な公開資料とし、研究会が行った制度的・思想的評価は、発出主体及び証拠の性質を分けて引用すべきである。

実証の詳細は、最高裁の生成AI検証で扱っている。
3 公式資料の読み方

AI時代における民事司法を考える研究会とは,民事司法の各場面でのAI利用について,便益,危険,対応策及び将来の論点を検討した,商事法務研究会に設置された研究会である。
全体像を把握する場合は概要,具体的な留保や異なる意見を確認する場合は取りまとめ本文,検討の経過を追う場合は資料等一覧と各回の議事概要を読むと,資料を選びやすい。

読みたい内容公式資料と読み方資料の所在と開催経緯研究会の資料等一覧。取りまとめ,委員名簿,各回の資料・議事概要及び非公開資料の表示を確認できる。主要論点の短い案内取りまとめ概要。まず全体像を確認し,詳しい条件や留保は本文に戻って読む。議論の詳細と評価の根拠取りまとめ本文。本文の制度的検討と,別添5の最高裁検証結果を区別する。

以下で用いる本文頁は資料に印字された頁数であり,PDFの表示順では4枚後になる。
例えば本文17頁はPDFの21枚目,別添5の本文85頁はPDFの89枚目である。
研究会の取りまとめは現行法そのものではなく,記事中の運用上の提案や評価も,研究会の一致した結論と同一視しないように読む必要がある。

4 開催経緯と資料の公開範囲

公式一覧では,本会議12回と分科会2回が別に掲載されている。
本会議の議事概要は各回の掲載先から確認できるが,資料の全てが公開されているわけではない。
次表の掲載状況は令和8年10月5日の公式一覧に基づく。

会合開催日公式一覧での掲載状況第1回令和7年11月7日委員名簿,議事次第及び議事概要。第2回令和7年11月21日議事次第及び議事概要。第3回令和7年12月12日議事次第及び議事概要。第4回令和7年12月26日委員名簿,議事次第及び議事概要。事業者提出のヒアリング資料は非公開。第5回令和8年1月21日委員名簿,議事次第及び議事概要。事業者提出のヒアリング資料は非公開。第6回令和8年1月29日議事次第及び議事概要。第1回分科会令和8年2月26日資料及び議事概要は非公開。第7回令和8年3月4日議事次第,研究会資料1・2,別添1~3及び議事概要。第2回分科会令和8年3月31日資料及び議事概要は非公開。第8回令和8年4月2日委員名簿,議事次第,研究会資料3~5及び議事概要。第9回令和8年4月24日議事次第,研究会資料6~9,参考資料1・2及び議事概要。第10回令和8年5月14日議事次第,研究会資料10~12及び議事概要。第11回令和8年6月5日議事次第,研究会資料13・14及び議事概要。第12回令和8年6月26日議事次第,研究会資料15及び議事概要。

(続きを読む...)「AI時代における民事司法を考える研究会」取りまとめの要点と限界(AI作成)

最高裁の生成AI検証―東京・大阪地裁の裁判官6人が試した争点整理補助(AI作成)

目次第1 検証の結論1 利用可能性が示された作業2 報告された主要な問題第2 検証の方法1 参加者及び対象資料2 使用した生成AIサービス3 試した課題4 公表資料の対応と結果の射程第3 実証で確認された失敗の型1 重要事項の脱落2 再現性の低さ3 追加書面への弱さ4 法的枠組みの誤り5 過信及び主体性の低下第4 この検証からは分からないこと1 人間単独との優劣2 モデル別の失敗率及び反復変動3 複雑な実記録及びセキュリティ第5 長官会見との関係第6 次に必要な比較実験第7 関連記事出典

令和8年1月及び2月、東京地方裁判所及び大阪地方裁判所で民事訴訟を担当する中堅裁判官六人が、学修用の模擬記録を用いて生成AIによる争点整理補助を試した。

この検証は、AIが単独で裁判を行う能力を調べた実験ではない。

現在の生成AIを裁判官が補助ツールとして使った場合に、どの作業へ利用可能性があり、どのような誤り及び過信が生じるかを探索した小規模なワークショップである。

第1 検証の結論
1 利用可能性が示された作業

商事法務研究会の取りまとめ別添5は、利用が特に有効と考えられる場面として、次の四つを挙げている(別添5・PDF89頁)。

① 主張整理表及び時系列表等のたたき台作成

② 大量の主張書面及び証拠の要約

③ 引継ぎ時等における事件全体の迅速な把握

④ 文字起こし及び要約

もっとも、「たたき台」又は「迅速な把握」に役立つことと、出力へそのまま依拠できることは異なる。

2 報告された主要な問題

報告された問題は、重要事実・証拠の拾い漏れ、同じ入力に対する出力の揺れ、追加書面を入れた際の既存整理の崩れ、要件事実及び攻撃防御方法の法的構造の誤り並びに整った出力への過信である(別添5・PDF89頁~91頁)。

そのため、現時点の到達点は「争点整理の候補を作る補助には使えるが、裁判官による原記録との照合及び法的枠組みの設定が不可欠である」というものである。

第2 検証の方法
1 参加者及び対象資料

参加者は、最高裁判所の裁判官六人ではなく、東京地裁及び大阪地裁で民事訴訟を担当する中堅裁判官六人である。

対象は実際の係属事件ではなく、比較的単純で整理された学修用の模擬記録である。

この主体及び資料の違いは、結果の射程を理解する上で重要である。

2 使用した生成AIサービス

使用したサービスは、ChatGPT 5.2 Thinking、Gemini 3 Proの思考モード及びNotebookLM Proである(別添5・PDF89頁)。

令和8年1月20日及び21日に第1回ワークショップ、同年2月17日に第2回ワークショップが開催された。

3 試した課題

参加者が事前に争点整理及びこれに付随する事務のユースケースを提出し、外部業者の協力を得て、生成AIが争点整理の補助に使えるか、どのようなリスクがあるかを検討した。

証人尋問、供述態度の評価、和解勧試、合議、終局判決の形成及び判決言渡しをAIに行わせたものではない。

4 公表資料の対応と結果の射程

検証の詳細は,商事法務研究会の取りまとめに収録された別添5「最高裁検証結果」にある(本文85~88頁,PDFの89~92枚目)。
研究会本文の制度的検討と,検証で報告された作業上の結果は,資料の性質を区別して引用する必要がある。

確認する事項公表資料が示す範囲読み方と限界実施者と資料東京・大阪地裁の中堅民事裁判官6人。学修用の模擬記録。本文85頁。最高裁の裁判官6人による実験や,係属事件を対象とした検証ではない。利用可能性表のたたき台,要約,全体像の把握,文字起こし等。本文85頁。補助としての可能性と,AIに裁判を任せられることとは別である。出力上の問題拾い漏れ,揺れ,追加書面への対応及び法的理解の問題。本文85~87頁。どのモデルで何%発生したかを示す統計的な失敗率ではない。対応の方向原記録との照合,出力の補正,当事者との認識共有及び人が法的枠組みを設定する役割分担。本文87頁。確認の時間と負担も含め,実務上の効果を別に測る必要がある。留保された対象複雑な事件,整理されていない主張及び実記録の要機密情報。本文87~88頁。模擬記録の結果を,実事件全般の性能やセキュリティの評価へ広げない。

(続きを読む...)最高裁の生成AI検証―東京・大阪地裁の裁判官6人が試した争点整理補助(AI作成)

事件特定情報提供書面と民事訴訟法91条の3―記録事項証明との違い(AI作成)

第1 この記事が扱う三つの制度

1 正式名称と記事の射程

2 三つの制度の対応関係

第2 民事訴訟法91条の3の訴訟に関する事項の証明

1 請求できる者と証明対象

2 紙の証明書と電子証明

3 確定証明との関係

第3 記録事項証明との違い

1 原記録との同一性を証明する制度

2 手数料の違い

3 電子署名の確認

(続きを読む...)事件特定情報提供書面と民事訴訟法91条の3―記録事項証明との違い(AI作成)

民事訴訟におけるウェブ尋問―実施要件・所在場所・証拠提示・宣誓

目次第1 本記事の位置付け第2 証人尋問のウェブ実施(ウェブ尋問)1 ウェブ尋問の実施要件の拡大2 証人の所在場所に関する要件3 書証等の提示方法4 宣誓手続の変更第3 出典

第1 本記事の位置付け

カメラ・マイクの事前確認,画面共有時の誤表示防止,Teamsの参加経路及び遠隔操作との違いは,Zoom・Teams・リモートデスクトップを弁護士業務で使う際の設定と注意点で整理している。
本記事の手続上の実施要件と,一般の会議アプリで利用できる機能は別である。
アプリに録画・文字起こし・AI要約機能があることをもって,裁判所での尋問等を自由に記録できると判断してはならず,裁判所の指示と関係法令を確認する必要がある。

本記事は,民事訴訟におけるウェブ尋問の実施要件,証人の所在場所,証拠提示及び宣誓を扱う分割記事である。

mintsの全体像と論点別の入口は,mints(ミンツ)とは―料金・対象事件・登録・ログイン・提出・送達の実務Q&Aにまとめている。

画面上のクリック,入力,アップロード,ダウンロードその他の操作手順は,mints操作マニュアル~当事者ユーザ編~の解説を参照されたい。

証拠の提出方法,証拠説明書の作成及び証拠原本の取扱いは,mints後の証拠説明書を参照されたい。

第2 証人尋問のウェブ実施(ウェブ尋問)
1 ウェブ尋問の実施要件の拡大

フェーズ3では,証人尋問(人証調べ)をウェブ会議の方法で実施できる場合が広がる。改正前は,証人が遠隔地に居住している場合や,証人が当事者等から圧迫を受けるおそれがある場合に限られていた。改正民訴法第204条は,裁判所が相当と認めるときに,①証人の住所,年齢又は心身の状態その他の事情により,証人が受訴裁判所に出頭することが困難であると認める場合,②証人が圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合,③当事者に異議がない場合に,ウェブ尋問をすることができると定める。改正前の「証人が遠隔の地に居住するとき」という要件は,①の出頭が困難な場合に改められ,証人の住所はその判断の事情の一つとなった。

同じ令和8年5月21日の施行で,鑑定人がウェブ会議で意見を述べる場合(改正民訴法第215条の3)についても,「鑑定人が遠隔の地に居住しているとき」という要件が外れ,相当と認めるときは映像と音声の送受信により意見を述べさせることができるようになった。医療訴訟で鑑定人質問を求めるときの実情は,医療訴訟の鑑定人はどう選ばれるかで紹介している。

2 証人の所在場所に関する要件

ウェブ尋問をする場合,証人が所在する場所にも要件がある。原則として,当事者本人又はその代理人が在席する場所であってはならず,また,証人の陳述の内容に不当な影響を与えるおそれのある者が在席する場所であってもならない(改正民訴規則第123条第1項)。

3 書証等の提示方法

書証等を証人に示す必要があるときは,パソコンの画面を用いて示すことができる(同条第3項)。データで示す場合はTeamsの画面共有を用い,多数の証拠を効率よく示したい場合や弾劾証拠を示す場合は,従来どおり紙媒体を持参する方法も選択できる。

4 宣誓手続の変更

改正民訴規則第112条第3項は,宣誓を,裁判長が証人に対し,良心に従って真実を述べ,何事も隠さず,また,何事も付け加えないことを誓う旨を述べさせる方式によると定めた。宣誓書は,証人がこれを述べることができない場合に,証人に署名させ,裁判所書記官に朗読させるものとして残る(同項ただし書)。裁判長が相当と認めるときは,署名に代えて,宣誓書に宣誓の趣旨を理解した旨の記載をさせることもできる(同条第4項)。

証人の宣誓の有無は,電子調書に記録される(改正民訴規則第67条第1項第4号)。

この方式は,令和8年5月21日以後に提起された訴えに係る事件(新法事件)に適用される。同日より前に提起された訴えに係る事件(旧法事件)では,令和6年最高裁判所規則第14号附則第23条第2項の読替えにより,宣誓書を朗読させ,かつ,これに署名させる方式による。いずれの事件でも,条文上,宣誓書への押印は求められていない。

第3 出典

① e-Gov法令検索「民事訴訟法」

② 裁判所「民事訴訟手続のデジタル化に関する資料」

③ 裁判所「民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引」

④ 裁判所「民事訴訟規則」(PDF)第67条・第112条・第123条及び同PDF所収の令和6年最高裁判所規則第14号附則第23条

mintsのシステム送達と期限管理―応訴・通知メール・電子判決書・控訴期間

目次

第1 本記事の位置付け
第2 送達と応訴

1 訴状等の送達方法

(1) 出力書面による送達
(2) システム送達

2 個別届出・包括届出・担当訴訟代理人

(1) 個別届出と包括届出
(2) 共同受任事件の担当訴訟代理人
(3) 最新の届出書式

3 誰が閲覧するとシステム送達の効力が生じるか
4 被告代理人の応訴

(1) 事件情報への関連付け(招待キーとmintsアカウントID)
(2) 委任状及び答弁書等の提出
(3) システム直送とアクセスキーの区別

5 mintsから届く自動通知メールの実際

(1) システム送達の通知(「裁判所がファイルをアップロードしました」)
(2) 相手方が提出したときの通知(「ファイルが提出されました」)
(3) メールの振り分け設定

(続きを読む...)mintsのシステム送達と期限管理―応訴・通知メール・電子判決書・控訴期間

電子化された債務名義と強制執行―事件特定情報・執行文・自動車登録・特許権等登録(AI作成)

目次

第1 本記事の位置付け
第2 電子化された債務名義と登記手続

1 登記手続を命ずる判決における記録事項証明の要否
2 記録事項証明の取得方法と登記申請時の注意点
3 和解調書等を債務名義とする場合の留意点

第3 強制執行と事件特定情報

1 書面による申立原則と事件特定情報の活用
2 執行文付与等の電子申立て及び手続上の留意点
3 mintsにおける執行文付与申立ての流れ
4 電子化された債務名義による自動車登録及び特許権等登録

第4 出典

第1 本記事の位置付け

令和8年10月3日追補:本記事に関係する準備の手引の10月2日改訂事項を反映した。改訂の全体と事務所内の確認方法は,mints準備の手引の令和8年10月2日改訂―法律事務所が見直す7つの運用を参照されたい。

本記事は,電子化された債務名義,記録事項証明,事件特定情報及び各種登録手続を扱う分割記事である。

本記事でいう「電子化された債務名義」は,裁判所が作成して事件記録のファイルに記録する電子判決書・電子調書等を中心とする。公証人が電磁的記録で作成する執行証書は,裁判所作成の電子債務名義に用いる事件特定情報とは別の経路となる。令和8年9月29日現在,電子公正証書に基づく債権執行では,公証人法44条1項2号の書面,執行文及び送達証明書を準備する必要があり,詳しくは電子公正証書を債務名義として強制執行する方法―公正証書正本情報,執行文,送達及び紙申立て(AI作成)で整理している。

mintsの全体像と論点別の入口は,mints(ミンツ)とは―料金・対象事件・登録・ログイン・提出・送達の実務Q&Aにまとめている。

画面上のクリック,入力,アップロード,ダウンロードその他の操作手順は,mints操作マニュアル~当事者ユーザ編~の解説を参照されたい。

証拠の提出方法,証拠説明書の作成及び証拠原本の取扱いは,mints後の証拠説明書を参照されたい。

第2 電子化された債務名義と登記手続

(続きを読む...)電子化された債務名義と強制執行―事件特定情報・執行文・自動車登録・特許権等登録(AI作成)

AIエージェントを使って裁判所提出書面を作成するときに行うべきハルシネーション防止方法(AI作成)

第1 対象と基本原則

第2 裁判所提出書面に固有のリスク構造

1 相手方による検証が制度上予定されている
2 引用した文書は写しの提出を求められる
3 事後訂正では影響を消せない

第3 現実化した誤りと各国の裁判所の対応

1 制裁が課された事例
2 一度の制裁では止まらない
3 各国の裁判所が求めている確認の水準
4 日本国内の公表例
5 架空引用ではないが,生成AI調査の裏付け不足が現れた国内例

第4 利用開始前――守秘義務,依頼者への説明及び権限

1 サービス名ではなく利用形態と設定を確認する
2 依頼者への説明と同意(山中弁護士の約款例)
3 匿名化と正確性を案件ごとに比較する
4 弁護士会の指針との関係

第5 起案前及び起案中の確認

(続きを読む...)AIエージェントを使って裁判所提出書面を作成するときに行うべきハルシネーション防止方法(AI作成)

山中弁護士がAI作成又はAIリライトの記事を投稿するときに行っているハルシネーション防止方法(AI作成)

第1 この記事が扱う対象第2 なぜ防止の仕組みが必要か1 2023年当時の汎用モデルでは高率の誤りが報告された2 判例データベースに接続しても誤りは残る3 架空の判例引用が制裁に至った事例第3 当ブログにおける防止方法1 生成段階――記憶から書かせない2 裁判例の確認――記載する前に実在と内容を確かめる3 引用・出典段階――読者が検証できる形で示す4 公開前検証段階――執筆と検証を同じ工程に混ぜない5 事後の検証と再発防止6 作業体制の設計上の工夫7 日本語整文と法的検証を別工程にする8 事実から評価・予測へ移るときの確認第4 弁護士業務に関する指針との関係1 弁護士会が示している考え方2 これらの指針と当ブログの方法との対応第5 残された課題出典・参考資料1 法令・会規2 裁判例3 文献4 ウェブ資料第1 この記事が扱う対象

当ブログには,生成AIを用いて作成し,又は既存の記事を生成AIに書き直させた記事が多数掲載されており,これらの記事にはタイトル末尾に「(AI作成)」と付記している。生成AIは,事実に基づかない誤った情報を,もっともらしい文章の形で出力することがあり,この現象は一般に「ハルシネーション」と呼ばれる。本記事は,当ブログがこうした記事を投稿するに当たって実際に行っている誤り防止の方法を,工程ごとに説明するものである。あわせて,その前提として,生成AIの誤りがどの程度の頻度で生じるかを示す実証研究,架空の判例引用が裁判所の制裁に至った事例及び弁護士会が示す指針を,公表されている一次資料に基づいて整理する。本記事も生成AIを用いて作成し,記載した数値及び条文は原資料と照合した。なお,訴状,準備書面その他の裁判所へ提出する書面については,本記事で述べる方法とは別に,より重い確認の手順を置いており,その内容は別記事(山中弁護士がClaudeコードを使って裁判所提出書面を作成するときに行っているハルシネーション防止方法(AI作成))で説明している。

第2 なぜ防止の仕組みが必要か1 2023年当時の汎用モデルでは高率の誤りが報告された

米国スタンフォード大学の研究チームが2023年当時の主要な汎用大規模言語モデルに約80万件規模の法律質問を投げかけた実証研究では,ハルシネーション率がGPT-4で58%,GPT-3.5で69%,PaLM 2で72%,Llama 2で88%に達し,いずれのモデルも自らの誤りを予測できず,利用者が示した誤った法的前提をそのまま受け入れる傾向も確認された。この研究は査読を経て法学専門誌に掲載されている。

2 判例データベースに接続しても誤りは残る

同じ研究チームが2024年に公表し2025年に査読誌へ掲載した別の実証研究では,判例データベースに接続した検索拡張型(いわゆるRAG)の商用リーガルAIツール3種類に202件の法律質問を投げかけたところ,ハルシネーション率は17%から33%にとどまり,最も正答率が高いLexisNexis社のLexis+ AIでも65%であった。判例データベースへの接続は誤りを減らす方向に働くものの,これを根絶するものではない。したがって,利用者の側で確認の工程を設ける必要がある。

3 架空の判例引用が制裁に至った事例

生成AIが生成した架空の判例が法廷に提出され,裁判所の制裁に至った事例として最もよく知られているのが,米国ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所のMata v. Avianca, Inc.事件(事件番号22-cv-1461)である。2023年,原告代理人が却下申立てに対する意見書において,ChatGPTが生成した6件の完全に架空の判決(実在の裁判官の名を用いて作出されたものを含む)を引用して裁判所に提出した。同年6月22日,担当のP. Kevin Castel判事は連邦民事訴訟規則11条違反を認定し,代理人及びその所属事務所に5,000ドルの制裁金を科すとともに,架空判決に名前を使われた各裁判官への訂正書簡の送付を命じた。裁判所又は審判機関が生成AIの幻覚的な内容への依拠を認定した事案を継続的に集計しているデータベースによれば,この種の事案は令和8年8月6日現在で合計1,846件に達しており,米国が全体の約7割を占める。

第3 当ブログにおける防止方法

当ブログにおける誤り防止は,単一のルールによるものではなく,生成,引用及び出典の明記,公開前の検証,事後の再発防止並びに作業体制の設計という複数の段階にわたる一連の仕組みとして組み立てている。以下,工程ごとに説明する。

1 生成段階――記憶から書かせない

生成AIに法令の条文を書かせる場面では,AIの記憶や学習データからの書き起こしをそのまま採用せず,e-Gov法令検索から取得した公式データの条文本文のみを用いることとしている。生成AIは,条文の内容自体はおおむね正しくても,条番号や項番号を実際とは異なる形でもっともらしく生成することがあるため,条番号,項番号及び号番号を一件ずつ照合する。

もっとも,公式データを取得しさえすれば足りるというものではない。当ブログの運用では,次の限界を実際に経験するたびに記録し,個別の代替手段を整えてきた。すなわち,①改正前の条文(旧法や経過措置が関わる場面)は現行条文の取得だけでは対応できないこと,②法令名を正確に特定できないと類似する別の法令に誤って行き着き得ること,③条文本文の一部が取得の過程で欠落することがあること,④最高裁判所規則のように公式の法令データベースに収録されていない法令があること,⑤附則や別表のように条文番号の体系の外にある部分は同じ方法では取得できないことである。④については,裁判所ウェブサイトが公開している規則の公式PDFを確認する方法によっている。本記事で後記の民事訴訟規則85条を引用するに当たっても,この方法により条文本文と見出しを確認した。

条文を根拠に「〜が必要である」「〜はできない」と断定する文を書く場面では,取得した条文本文について,ただし書やかっこ書の有無,これが結論を反転させないか,原則を許容した上で例外を定める規定なのか要件を課す規定なのか,及び引用しようとする内容が本当にその項に含まれるかを確認することとしている。条文の本文だけを読んで結論を組み立てると,ただし書によって結論が逆転する場面で必ず誤るためである。

2 裁判例の確認――記載する前に実在と内容を確かめる

裁判例については,出力に書く前に必ず裁判所ウェブサイトの裁判例検索で実在及び内容を確認することとしている。確認の対象は,裁判所名,裁判年月日及び事件番号が一致する裁判例が実際に掲載されているかという点だけでなく,記事に書こうとする判旨や規範が判決の本文によって裏付けられるかという点にも及ぶ。特に,ある裁判例の判示が限定的な場面について述べたものであるにもかかわらず,これをより広い一般命題の根拠として引用していないかという射程の照合を行う。

裁判所ウェブサイトに掲載されていない裁判例については,判例秘書等の商業データベースで個別に全文を確認できたものに限り引用可能とし,個別に確認していない裁判例は,実務書その他の文献に紹介されていても,孫引きによっては引用しない。文献が紹介する裁判例は,上告審の有無,裁判年月日又は結論を誤っていることがあり,実際に,ある実務書の紹介に基づいて記録した内容を裁判所ウェブサイトで検証したところ,紹介されていた上告審が実在しないことが判明した例がある。また,裁判所ウェブサイトで発見できないことは,その裁判例が存在しないことの証明にはならないため,「存在しない」ではなく「裁判所ウェブサイト未掲載」と書き分けている。下級審の裁判例は,最高裁判例と比較して掲載率が必ずしも高くないためである。

裁判例の確認記録は,①未検索,②検索実施,③件数のみ確認,④一覧又は事件ヘッダー確認,⑤全文確認,⑥判旨確認及び⑦記事中の命題との直接関連性確認という状態に分ける。
検索を実施した場合は,検索日,データベース,検索欄,検索語,結果件数及び事件IDを残す。
一覧に表示されたことと判決本文を読んだこと,本文を読んだことと当該命題を直接裏付ける判示があることを同一視しない。
限定検索で該当例を発見できなかった場合も,「存在しない」ではなく,検索範囲を示して「確認できなかった」と記載する。

法令,会規,裁判例,行政資料及びデータベースの確認状態を分けて記録する方法は,法律事務所の生成AI利用ガイドラインの作り方-許可サービス,入力情報,出力確認,委託先及び事故対応(AI作成)でも整理している。

さらに,確認箇所について,記載した主体と裁判所による採否を記録する。
原文に存在する文でも,当事者の主張,争いのない事実,裁判所の認定・判断及びデータベースの編集者による要旨を混同すれば,法的な裏付けの確認にはならない。
具体例として,知財高裁令和6年9月12日判決(令和6年(行コ)第10005号)の裁判所公開原文5頁にはGeminiを根拠とする施行時期の記載があるが,これは控訴人の主張であり,裁判所は6頁でその施行期日・経過措置の主張を採用していない。
今回,同事件の判例秘書L07920481の本文と裁判所公開原文を照合した。原審本文との独立照合はしておらず,控訴審の上記箇所を確認した範囲に限る。
生成AIの精度一般又は弁護士の注意義務を判断した先例として紹介しない。

3 引用・出典段階――読者が検証できる形で示す

出典は本文に明記することとしている。インターネット上で第三者が確認できる根拠(裁判所ウェブサイトや弁護士会の会報等)は,URLを本文に記載する。これに対し,ログインを要する商業データベースで確認した根拠は,第三者が同じURLを開くことができない以上,URLを掲載せず,実際に確認した書誌情報及び頁を記載することとし,確認していない頁を推測で書くことはしない。法令,裁判例及び文献は,散文の中に埋め込まず箇条書きで示す。

引用の完全一致と,要約の内容の正確さも別に確かめる。
令和8年の日本語判決予測・情報抽出研究は,gpt-oss-120bを用いた特定設定で,抽出出力の約半数が判決原文に完全一致せず,書換えを禁じる指示でも大きく減らなかったと報告している(4.4節・注7)。
この数字を生成AI一般の誤答率とは扱わないが,逐語引用と表示する文は原文と照合し,要約文は要約と明示して,記載主体,採否及び起案中の命題との対応を確認する。
この確認方法と研究の限界は,日本語判決予測AIの実務上の注意点でも説明している。

資料の内容が正確であることと,その資料を取得・外部送信・公開できることは別に確認する。
有料の書籍又は会員制データベースでは,指定された閲覧・コピー・印刷・ダウンロードの範囲,外部AIに送る情報と送信先,原文を引用又は転載する権限を工程ごとに点検する。
出典の表示や学習オフ設定だけで,資料提供者からの利用許諾を得たことにはならない。

弁護士ドットコムLIBRARYについては,利用規約第4条,第13条及び第14条の一般的な利用制限と,第20条のサービス内AIが生成する短文の利用制限を分ける必要がある。
同サービスのAIアシスタントによる短文を公開原稿へ転用しない。
外部AI処理について許諾が未確認の状態で利用する方針を採る場合も,それを許諾済みと表示せず,対象範囲,送信先,目的及び確認状況を記録する。
具体的な工程の分け方は,有料の法律・税務資料を生成AIで分析するときの利用権限で整理している。

4 公開前検証段階――執筆と検証を同じ工程に混ぜない

記事を対外公開する前には,独立した確認の工程を設けている。本文中の全ての引用及び全ての法令条文並びに用いない旨を定めている表現を機械的に照合し,一件でも確認できない事項又は違反があれば公開を止める仕組みであり,記事を執筆する工程とは別の機会に行うこととしている。

この工程を分けているのは,文章を書いている最中は,その文章の流れに乗って未確認の引用をそのまま書き進めてしまう危険があり,執筆の作業と確認の作業を同じ工程に置くと,この危険を防ぎにくいという経験によるものである。実際,過去に公開した記事において,検索結果に表示された裁判例の識別番号を照合しないまま本文のリンクに用い,公開後の検証によって当該番号が全く別の事件を指していたことが判明した例がある。執筆の後に検証するのでは,誤った引用が本文に組み込まれた状態のまま公開まで通ってしまう。

官公庁の統計資料を用いる記事では,この工程で数値も原資料と照合する。法務省の司法試験の受験状況のように表の形をしたPDFは,文字を順に取り出すと項目と数字の対応が崩れることがあり,取得ツールが正常なPDFを「破損している」と答えることもある。そのため,PDFを保存して文字の座標から行を組み直し,頁の画像と突き合わせ,内訳の合計が合計欄と一致するかを検算することとしている。具体例は,AIエージェントで法務省の司法試験ページを読むときの障壁―403拒否,二重のリンク,PDFの表の崩れ及び確認手順で紹介している。

さらに,公開前の検証では,引用及び数値が原資料と一致するかだけでなく,最終的な執筆者が,①記事の中心命題とそれを直接支える一次資料,②最も重要な例外,反対資料又は未確認事項,③どの資料又は前提が変われば記事の結論を改める必要があるか,の三点を自分の言葉で説明できるかを確認する。説明できない場合は,機械的な検査を通過していても公開を保留する。

この理解確認は,引用確認の代わりではなく,その後の法改正,資料の訂正又は読者からの指摘に対応するための別工程である。詳しくは,AIが難問を解いても人間の思考過程を残す理由-形式検証,独立査読,若手育成及び法律実務への示唆(AI作成)で整理している。

5 事後の検証と再発防止

誤りが生じた場合には,その失敗の型を個別に記録し,同じ型の誤りが繰り返されたときには,対応を一段強めることとしている。これまでに記録された型としては,前記の識別番号を未照合のまま用いる誤りのほか,条文が削除されたという結論を裏付けの確認なしに述べてしまい,実際には存在する条文を存在しないものとして扱ってしまう誤りがある。ある条文が改正によって削除された場合であっても,その条番号が空いたままになるとは限らず,同じ番号に全く別の内容の条文が置かれていることがあるためである。この型の誤りは,条文を引用していないという理由で確認の対象から外れやすい一方,読者が現行法令を引けば直ちに露見する点で危険が大きい。

記録した失敗の型は,作業のたびにAIに読ませる手順書として用いるため,古い記載が残ると,道具の仕様が変わった後も不要な回避策を指示し続けることになる。そこで,記録には日付と適用範囲(どの作業で,どの環境で起きたか)を付け,同じ事実を重ねて書かず,新しい実測で改めたときは旧記載にその旨を残すこととしている。失敗の記録の作り方と保守の方法は,AIの仕事の評価基準を育てる手順―失敗の言語化,理想の成果物,落とし穴メモ及び評価を作り込む業務の選び方(AI作成)で整理している。

6 作業体制の設計上の工夫

このほか,生成AIに特有の傾向を踏まえた工夫も講じている。生成AIは利用者の意に沿う回答を優先する傾向があるとされることから,AI自身が作成した文章を,別の者が作成した草案であるかのように扱わせて添削させる,根拠が弱い点を挙げさせるといった方法により,この傾向を相殺することとしている。

また,条文や裁判例という動かない事実の層は機械的に確認する一方,そこからどのような評価や見立てを導くかという層は,性質上,同じようには確認できないものと位置づけている。この区別に基づき,AIが示した独自の見立てをそのまま署名記事に用いることはせず,弁護士本人が採否を判断したものに限って公開版へ反映することとしている。事実の層について求められる慎重さが評価の層にまで無自覚に及ぶと,正確ではあるが当たり障りのない記事に倒れるため,両者を意識的に書き分けている。なお,個別の事案への当てはめを留保する趣旨の定型的な断り書きは用いず,個別の論点ごとに「当該事案では」等の限定的な表現を用いて,確信の程度を書き分けることとしている。

モデル,プラン,コネクタ,利用規約又は実行環境を変更するときは,モデル名の置換だけで済ませない。
新しいモデルは,既存の指示ファイル,スキル及び長期記録に対する反応が変わり得るため,対象範囲,優先順位,停止条件,外部への保存・送信・公開権限及び完了判定が矛盾していないかを監査する。
OpenAIのGPT-6 Astra向け公式ガイドも,同モデルはスキル及びAGENTS.md等の指示に影響されやすいとして,参照可能な指示ファイルの監査を推奨している。
ただし,これは製品の挙動に関する提供者の説明であり,日本法の条文又は裁判例の引用精度を保証する一次資料ではない。

モデル変更の可否は,代表的な法律業務の人工事例を用い,一次資料への到達,条文・裁判例・URLの一致,対象外変更の有無,外部書込み前の権限確認及び保存後の読戻しを比較して判断する。
平均点が高くても,重大な一項目の誤りが成果物全体を不適切にし得るため,必須条件については一件でも欠落すれば不合格とする。

同じAIによる再点検の限界と停止条件
AI自身が作成した文章を別人の草案として批判させる方法は,弱点候補を増やすためには有用である。しかし,作成時の誤った前提,欠落資料又は評価基準の偏りを同じAI及び同じ会話が共有するため,独立した検証とは扱わない。重要な命題は,一次資料,別系統の評価又は弁護士本人の確認へ戻す。

また,反復回数,費用上限,無改善で止める回数及び重大な誤りが一件でも生じたときの停止条件を開始前に定める。平均点又は文章の自然さが改善しても,存在しない裁判例,引用命題と原文の不一致又は適用時点の誤りを相殺しない。代理指標,独立確認及び人への返却条件の詳しい整理は,「AIの改善ループが失敗する条件-代理指標,仕様ゲーミング,遅れて分かる成果及び人が決める停止条件(AI作成)」を参照されたい。

7 日本語整文と法的検証を別工程にする

文章が自然であることと,法律内容が正確であることは別の合格条件である。
そのため,記事の構成及び根拠を固める工程と,日本語表現を整える工程を分け,整文を行うモデルには,事実,数字,日付,固有名詞,引用,URL,法的評価及び出典の位置付けを追加,削除又は変更させないこととしている。

整文前には,一次資料から採用する命題とその根拠を対応させた主張台帳を作り,整文後は元原稿及び主張台帳との意味の差分を確認する。
機械的な文章検査で警告が0件になった場合でも,意味の変化,条件の脱落又は新しい断定の混入がないとは限らないため,警告0件だけでは公開可能と判断しない。

モデルを選ぶ場合は,同一の公開資料又は人工事例を用いて複数回実行し,重大な事実誤り,引用誤り又は必須条件の欠落が1件でもあれば不合格とした上で,人による修正時間,再実行回数,費用,最悪の結果及び出力のばらつきを比較する。
生成速度が速いことと,検証及び修正を含む総作業時間が短いことも区別する。

Xへの投稿では,Gemini 3.8 Flashが投稿者の500本を超える日本語検査規則を警告0件で通過し,推敲時間が減ったとの使用結果が報告されている。
もっとも,検査規則,入力原稿,プロンプト,全出力及び反復結果は公開されていないため,これは有用な使用報告ではあるが,同モデルの日本語文章能力が一般的に優れていることを確認する資料ではない。

Googleのモデル仕様によれば,Gemini 3.8 Flashは安定版として提供されているが,モデルカードは基盤モデルに一般的な限界としてハルシネーションが生じ得ることを明記している。
また,Harvey's Legal Agent Benchmarkの評価結果では,同モデルの個別基準合格率は90.2パーセントであるのに対し,全基準を満たしたタスク完遂率は10.0パーセントである。この評価は日本法又は日本語文章に特化したものではないが,法律関係の成果物では平均的な合格率だけでなく,全ての必須条件を満たすかを確認する必要があることを示す例となる。

さらに,Anthropicが令和8年9月に公表したClaude Fable 5.1及びClaude Mythos 5.1のSystem Cardでは,Legal Agent Benchmarkの1,235問について,Fable 5.1の平均criterion-pass rateは90.81%である一方,all-pass rateは19.09%であった。held-out setでも,xhigh effortにおいてcriterion-pass rateは93.3%,all-pass rateは16.7%であった。もっとも,同評価は合成資料及びLLMによる判定を含み,日本法,裁判所ウェブサイト,e-Gov法令検索又は判例秘書を用いる当ブログの作業を直接評価したものではない。したがって,これらの数値は日本の法律実務にそのまま移すのではなく,大半の確認項目が正しくても,重大な一項目の欠落が成果物全体を不適切にし得ることを示す資料として用いる。

異なる試験の順位や全項目合格率を日本の法律事務所でどう扱うかについては,法務AIのベンチマーク順位を日本の法律事務所でどう読むか―Gemini 4 Argon,Harveyの全項目合格率及び判例秘書を使う評価方法(AI作成)で整理した。

8 事実から評価・予測へ移るときの確認

出典が実在し,引用が正確であっても,そこから導いた評価又は予測まで裏付けられるとは限らない。
この点を確認するための追加項目として,記載を①原資料で確認した事実,②資料の作成者又は発言者が述べた内容,③記事作成者の推論・評価,④将来の予測に分け,それぞれの前提と確認方法を明示することが有用である。
これは本記事で補う検証上の提案であり,従前の全記事でこの分類が一律に実施済みであると説明するものではない。

(続きを読む...)山中弁護士がAI作成又はAIリライトの記事を投稿するときに行っているハルシネーション防止方法(AI作成)

mints後の裁判記録の保存期間——民事裁判の電子化と事件記録等保存規程(AI作成)

民事裁判のIT化(mints)により,訴訟記録は原則として電子データ(裁判所ファイル上の電磁的訴訟記録)となる。
この電子化によって,裁判記録の「保存期間」がどう変わるのか(あるいは変わらないのか)は,依頼者から記録の入手可否を問われる場面や,将来の関連紛争に備えて記録の謄写・証明取得の要否を判断する場面で問題となる。
本記事は,保存期間を定める規範の構造,電子化で変わる部分と変わらない部分,及び令和5年から令和6年にかけての保存・廃棄制度の見直しを整理し,弁護士が実務上留意すべき点を示す。

目次

第1 本記事の対象と結論の要旨

1 扱う問題と射程
2 用語の整理

第2 保存期間を定める規範の構造

1 根拠は民事訴訟法ではなく最高裁判所規程
2 事件の種類ごとの保存期間
3 廃棄の仕組みと所長の認可

第3 IT化(mints)で変わる部分と変わらない部分

1 記録の電子化——電磁的訴訟記録と非電磁的訴訟記録
2 新法適用事件の記録は原則10年(電磁的事件記録保存規程)
3 電子化されない例外
4 電子記録の「廃棄」の意味

第4 特別保存(永久保存)と令和6年の制度改正

(続きを読む...)mints後の裁判記録の保存期間——民事裁判の電子化と事件記録等保存規程(AI作成)

mintsの証拠説明書の作り方・提出方法-標目・原本・写し・記録外データ(AI作成)

目次第1 mintsの証拠説明書で最初に決めること1 証拠申出には二つの経路がある2 証拠説明書は書証と電磁的記録を1通で扱う第2 原本・写し・電磁的記録の選び方1 提出方法は証拠の出発点と原本確認の要否で分ける2 原本確認が必要になり得る証拠は紙原本を保管する3 期日に原本を持参できなかった場合第3 証拠説明書の作り方1 裁判所の新法適用事件用書式を使う2 号証と標目を提出データに合わせる3 作成年月日・作成者・備考は元の証拠を基準にする4 立証趣旨は証拠と要証事実を対応させる第4 mintsへ提出する方法1 証拠と証拠説明書を対応するタブから提出する2 直送の完了を相手方ごとに確認する3 アップロード前に最終版を確認する4 証拠の申出と意見書のファイル種別5 外国語の文書には訳文を添付する第5 成立の真正と原データの保存1 成立の真正と内容の信用性を区別する2 複製とオリジナルの対応を説明できるようにする第6 証拠説明書の提出前チェック第7 提出後の証拠状態を管理する第8 出典・参考資料1 法令2 裁判所の解説・運用資料
第1 mintsの証拠説明書で最初に決めること
本記事は,mintsを利用する通常の民事訴訟で,証拠説明書を作成し,証拠とともに提出する方法を扱うものである。
調査の基準日は令和8年9月16日であり,同日に施行されている民事訴訟法及び民事訴訟規則並びに同日までに公表された裁判所資料を確認した。
医療記録の具体例,所定形式に変換できないデータの媒体提出及び旧法適用事件に関する説明は,令和8年9月10日に資料を追加確認して補足した。
号証・枝番・ファイル名の付け方は「mintsで証拠を提出する方法-甲001・枝番・ファイル名・提出前チェック」で,提出用PDFの作り方は「mints提出用PDFの作り方」で詳しく説明している。
令和9年1月から先行導入が予定されているTreeeSでは,書証フォームへの入力から証拠説明書の帳票が作られ,別途証拠説明書を作成して提出する必要はないとされている。
TreeeSでの書証の提出は「TreeeSでの書証の提出―証拠説明書の自動作成,証拠番号,原本・写しの選択及び翻訳文」で説明している。

以下のmintsへの証拠提出方法は,新法適用事件を中心に説明する。
最高裁判所事務総局民事局の民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引43頁は,民事訴訟法231条の2の電磁的記録の証拠調べは,記録媒体による提出に限り,施行前から係属する事件にも適用されると説明している。
旧法適用事件での媒体提出と,新法適用事件でのmintsへの提出を区別して確認する。

1 証拠申出には二つの経路がある
証拠説明書を作る前に,その証拠を①紙の文書を書証として申し出るのか,②電磁的記録に記録された情報の内容について証拠調べを申し出るのかを決める必要がある。
書証の申出は民事訴訟法219条,電磁的記録の証拠調べの申出は同法231条の2に基づく別の経路であり,標目欄の書き方と提出する対象が異なる。

「記録外」は,Word・Excel・PowerPoint等のオリジナルデータをmintsに置く場所を示すシステム上の区分であって,第3の証拠申出方法ではない。
証拠として取り調べてもらうPDF等の複製と,これに対応する証拠説明書は記録一覧へ提出する必要がある。
2 証拠説明書は書証と電磁的記録を1通で扱う
民事訴訟規則137条は書証の証拠説明書を,同規則149条の2は電磁的記録の標目,作成者及び立証趣旨を明らかにする電子証拠説明書を定めている。
裁判所の「証拠説明書の記載要領・記載例」は,両者を兼ねた証拠説明書を1通作成し,証拠とともに提出する運用を示している。
したがって,同じ証拠説明書の中に,紙の原本を書証として申し出る号証と,PDF等を電磁的記録として提出する号証とを併記できる。

委任を受けた訴訟代理人は,民事訴訟法132条の11第1項第1号により,原則としてmintsを用いて申立て等をしなければならない。
本人訴訟における紙提出との選択は「mintsと本人訴訟」を参照されたい。
第2 原本・写し・電磁的記録の選び方
1 提出方法は証拠の出発点と原本確認の要否で分ける
裁判所の記載要領及び「民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引」25頁~29頁によれば,提出方法は次のように整理できる。
紙で作成された証拠でも,原本確認が不要であれば,そのPDFを民事訴訟法231条の2の電磁的記録として提出することが考えられる。

(続きを読む...)mintsの証拠説明書の作り方・提出方法-標目・原本・写し・記録外データ(AI作成)

システムとしてのmintsの論評~UI/UXデザイン,フロントエンドエンジニアリング及び情報アーキテクチャ(IA)の視点から~(AI作成)

目次

第1 はじめに―本稿の視点と検討対象

1 mintsを「システム」として論ずる理由
2 検討の三つの視点
3 公平を期すための留保

第2 mintsの法的骨格(条文の明示)

1 電子情報処理組織による申立て(民訴法132条の10)
2 訴訟代理人等の電子申立て義務(民訴法132条の11)
3 全面施行日と「なぜUXが重要か」

第3 評価その1―UI/UX

1 入力フォームの設計

(1) 「被告の数」の二重入力
(2) 自動保存の不在とデータ消失
(3) 入力の正規化をユーザーに転嫁する設計
(4) 手数料の自動計算と入力上の留意点

2 一覧・テーブルの設計

(1) 列見出しの折り返し

(続きを読む...)システムとしてのmintsの論評~UI/UXデザイン,フロントエンドエンジニアリング及び情報アーキテクチャ(IA)の視点から~(AI作成)

mints(ミンツ)とは―料金・対象事件・登録・ログイン・提出・送達の実務Q&A(AI作成)

利用者別の入口: 初めて使う人/本人訴訟/原告代理人/被告代理人/事務職員
目的別の入口: 裁判所の公式案内・mintsトップページ/利用できる裁判所・対象事件/操作マニュアルの目的別索引/記録のダウンロード・印刷/第三者の事件アクセスキーによる提出/新法事件と旧法事件の見分け方/申立手数料の計算方法/通知メールの種類と読み方/GTMと外部送信情報

第1 本記事の前提と3つの文書の役割分担
1 本記事が依拠する3つの文書
(1) 準備の手引
(2) mints Q&A
(3) 操作マニュアル(当事者ユーザ編)
2 3つの文書の役割分担
3 本記事の役割(操作マニュアル解説記事との分担)
4 一次資料の入手先・公式動画・各種書式のダウンロード
(1) 公式の説明動画
(2) 各種書式のダウンロード
5 主要な数値のクイックリファレンス
6 提出前チェックリスト
7 裁判所別の運用案内も確認する
第2 mintsの基本と適用範囲
1 mintsとは何か
2 全面デジタル化の時期
(1) 令和8年5月21日から始まる手続
(2) 令和10年6月までに対象となる予定の手続
3 旧法適用事件と新法適用事件の区別
(1) 区別の基準

(続きを読む...)mints(ミンツ)とは―料金・対象事件・登録・ログイン・提出・送達の実務Q&A(AI作成)

スマホユーザー向けの山中弁護士ブログの改修(AI作成)

◯本ブログ記事は専らAIで作成したものです。

目次

第1 緒言
1 本記事の目的
2 ブログ改修の背景
(1) スマホユーザーの増加とモバイルフレンドリーの重要性
(2) 情報公開文書の視認性向上の必要性
(3) 2026年時点における最新のSEO基準への適合

第2 本件改修の核心:スマホファーストの徹底
1 ファーストビューの劇的改善
(1) ヘッダー領域のスリム化と余白の最適化
(2) 検索ツールの最上部固定配置による利便性向上

2 Flexboxを用いた情報優先順位の再定義
(1) 表示順序(orderプロパティ)の戦略的変更
(2) パンくずリストの配置変更とその論理的根拠

第3 ユーザー体験(UX)を向上させるタイポグラフィとレイアウト
1 視認性を極限まで高める文字設計
(1) 本文フォントサイズと行間の黄金比
(2) モバイルにおけるタップ領域の確保と誤操作防止

2 コアウェブバイタル(CWB)指標の改善
(1) CLS(レイアウトシフト)対策の具体的手法
(2) 外部メディア(YouTube,X)のプレースホルダー確保

第4 弁護士ブログ特有の課題解決:表形式データのレスポンシブ化
1 裁判官人事データの「はみ出し」問題
(1) 横スクロール機能の導入と実装コードの解説
(2) セル内改行の抑制とデータの完全性維持

2 アクセシビリティの確保
(1) 公用文としての正確さと読みやすさの両立

(続きを読む...)スマホユーザー向けの山中弁護士ブログの改修(AI作成)

民事裁判情報の活用の促進に関する法律――対象情報・仮名加工・施行状況(AIリライト)

第1 令和8年8月28日現在の施行状況

1 本法は部分施行の段階にあること

2 公布から現在までの経過

3 民事訴訟手続のIT化との違い

第2 法律の目的と制定経緯

1 法律の目的

2 民事判決情報データベース化検討会

第3 対象となる民事裁判情報

1 民事訴訟・行政事件訴訟の電子裁判書

2 電子判決書と電子調書

3 施行規則が定める電子決定書

(続きを読む...)民事裁判情報の活用の促進に関する法律――対象情報・仮名加工・施行状況(AIリライト)

mintsマニュアルの読み方と目的別索引-最新版・アクセス記録・補助者の権限(AI作成)

第1 最新版と公式資料の使い分け第2 操作目的から探すマニュアル索引第3 アクセス記録の読み方と送達の注意点第4 補助者ができる操作と親ユーザが行う操作第5 ダウンロード・印刷で読み違えやすい点第6 出典・参考資料1 法令2 裁判所の操作資料・運用説明
第1 最新版と公式資料の使い分け

令和8年9月13日に公式PDFで確認したmints操作マニュアルの最新版は,「民事裁判書類電子提出システム 操作マニュアル~当事者ユーザ編~」2.3版(令和8年7月15日改訂)である。
本記事は,操作目的から該当頁へ進むための索引と,アクセス記録・補助者の権限等を読む際の注意点をまとめたものであり,マニュアル全文を順番に解説するものではない。

操作方法はマニュアル,手続の運用は最高裁判所事務総局民事局の「民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引」(令和8年6月19日版)というように,資料の対象を分けて確認する。
登録ガイドや操作説明動画への入口は,裁判所の「mintsについて」にまとまっている。
制度全体と個別論点の案内は,mints(ミンツ)とは―料金・対象事件・登録・ログイン・提出・送達の実務Q&Aを参照されたい。

最短で確認する場合は,次の順序で資料を選ぶ。

知りたいこと
最初に確認する公式資料
次の確認先

実際の画面操作,ボタン名又は入力手順
操作マニュアル2.3版
本記事第2の目的別索引から該当項目へ進む。

訴え提起,送達又は証拠提出の運用
民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引
操作箇所をマニュアルで照合し,手続要件は法令・規則で確認する。

アカウント登録
mintsについて
自分の利用者区分に対応する登録ガイドを選ぶ。

短い疑問又はエラー

(続きを読む...)mintsマニュアルの読み方と目的別索引-最新版・アクセス記録・補助者の権限(AI作成)

AIが参照しやすい司法情報アーカイブとしての山中弁護士ブログ―機械可読性と一次資料確認の限界(AI作成)

第1 本記事の目的

第2 AIがウェブサイトを利用する主な経路

1 クロール及び取得

2 検索インデックス

3 モデル学習

4 検索拡張生成及び利用者指定の取得

5 回答及び出典表示

第3 山中弁護士ブログが提供する機械可読性

1 HTML,見出し及びリンク

2 構造化データ

3 PDF及び本文テキスト

4 Markdown版

(続きを読む...)AIが参照しやすい司法情報アーカイブとしての山中弁護士ブログ―機械可読性と一次資料確認の限界(AI作成)

最高裁判所が開発しているmints,RoootS及びTreeeS(AIリライト)

目次

第1 民事裁判手続のデジタル化の全体像1 「3つのe」とは何か2 3つのフェーズ3 mints・RoootS・TreeeSの関係第2 「3つのe」の導入経緯と法的根拠1 政策上の経緯2 2つの改正法3 「3つのe」の導入状況第3 mints(民事裁判書類電子提出システム)1 mintsの総論2 mintsの名称の由来3 mintsの操作関係4 mintsの位置づけ5 改修後のmintsと簡易裁判所への導入6 mintsに関する論文第4 RoootS(裁判所職員向けのe事件管理システム)1 RoootSの総論2 RoootSが統合する既存システム3 RoootSの導入の遅れ4 RoootSの先行導入と全庁導入5 最高裁の財務省に対する説明内容6 全庁導入後に公表された不具合7 令和8年度以降の改修及び対象拡張8 弁護士実務との関係9 公開資料から確認できない事項第5 TreeeS(国民及び裁判所職員向けの全面システム)1 TreeeSの総論と名称の由来2 TreeeSとRoootSの関係3 最高裁の財務省に対する説明内容4 TreeeSの先行導入と全庁導入第6 mintsからTreeeSへの移行1 移行の方針2 施行当初は改修後のmintsで対応するという決定3 移行について確認できる範囲第7 民事訴訟以外の手続のデジタル化1 民事非訟・家事事件等2 民事執行・倒産・過料3 刑事手続(少年手続を含む)第8 令和6年3月の登記・供託オンライン申請システムの障害第9 ロータス・ノーツを基盤とした裁判事務処理システムの全国展開の中止(平成16年5月)第10 システム開発の失敗の原因とその裁判例1 システム開発の失敗の原因2 システム開発の失敗の裁判例第11 関連記事その他1 改正法の概要2 参考文献等3 関連記事

本記事は,mints,RoootS及びTreeeSの開発・導入の経緯を資料の時点ごとに整理する記事である。令和8年10月3日に確認した裁判所の案内では,民事訴訟の電子申立て等にはmintsが案内され,TreeeS研修環境にも同旨の注意がある。導入済みの機能とTreeeSの将来計画を区別して読む必要がある。

最新の制度・導入準備の総合案内は,TreeeS(ツリーズ)とはを,公式入口と研修画面の注意は,TreeeSのログインと研修環境を参照されたい。

第1 民事裁判手続のデジタル化の全体像
1 「3つのe」とは何か
民事裁判手続のデジタル化(IT化)は,「3つのe」と呼ばれる3つの要素から構成される。すなわち,e提出(e-Filing。書類をオンラインで提出すること),e法廷(e-Court。ウェブ会議等を利用して期日に参加すること)及びe事件管理(e-Case Management。事件記録・事件情報をオンラインで管理・閲覧すること)の3つである。

この枠組みは,内閣官房に設置された「裁判手続等のIT化検討会」が平成30年3月30日に取りまとめた「裁判手続等のIT化に向けた取りまとめ-「3つのe」の実現に向けて-」において示されたものである。同取りまとめは,「3つのe」を互いに独立したものではなく,相互に連携することでより効果的なIT化が実現するものと位置づけている。後述するmints(e提出),RoootS(e事件管理)及びTreeeS(3つのeの全面実現)という役割分担は,いずれもこの「3つのe」を原典として具体化されたものである。
2 3つのフェーズ
「3つのe」の実現は,3つのフェーズに分けて段階的に進められている。前記取りまとめ20頁は,次のとおり整理している。

区分
内容
対応するe

フェーズ1
現行法の下でのウェブ会議・テレビ会議等の運用(法改正を要しない)
e法廷

フェーズ2
新法に基づく弁論・争点整理等の運用
e法廷

(続きを読む...)最高裁判所が開発しているmints,RoootS及びTreeeS(AIリライト)

裁判所の情報化の流れ――ワープロ,J・NETからmints,TreeeS,刑事手続のデジタル化まで(AIリライト)

目次第1 裁判所の情報化を理解する三つの層1 機器・内部システム・裁判手続は同じではない2 主要な節目第2 ワープロとパソコンの導入1 昭和末期から平成初期のワープロ整備2 個人別パソコンと簡易LAN第3 ロータス・ノーツ裁判事務処理システムと全国展開の中止1 民事・刑事部門での導入2 応答速度の問題と方針転換第4 J・NET,MINTAS,KEITAS及びNAVIUS1 役割の違い2 J・NET3 MINTASとKEITAS4 NAVIUS第5 「3つのe」と民事訴訟の全面デジタル化1 e提出・e法廷・e事件管理2 令和8年5月21日以後の民事訴訟3 旧法事件との区別4 mints,TreeeS及びRoootS第6 民事訴訟以外の手続1 令和8年5月21日に対象外であった手続2 ウェブ期日の先行展開第7 刑事手続のデジタル化1 令和7年法律第39号2 既存システムの段階的な置換計画第8 裁判情報の活用,本人サポート及びAI1 民事裁判情報データベース2 本人サポートと司法アクセス3 裁判所におけるAI利用の限界第9 関連記事第10 出典・参考資料1 法令・法改正資料2 裁判所の情報化に関する歴史資料3 現行制度・システムに関する公的資料

裁判所の情報化は,単に紙をPDFへ置き換える取組ではない。裁判所内部のネットワーク及び事件管理システム,利用者が書類を提出して送達を受ける仕組み,ウェブ会議による期日,電子事件記録の管理並びに裁判情報の外部提供が,異なる時期に段階的に整備されてきたものである。

令和8年5月21日には民事訴訟手続が全面的にデジタル化された。ただし,同日より前に提起された事件,民事執行・倒産・労働審判等の非訟手続,人事訴訟及び家事事件には別の経過措置又は工程があり,すべての裁判手続が同日に同じ仕組みへ移行したわけではない。

本記事では,昭和末期のワープロ導入から,J・NET,MINTAS,KEITAS,NAVIUS,mints及びTreeeSを経て,民事・家事・刑事手続の今後の工程までを,令和8年8月9日現在の公表資料に基づいて整理する。

第1 裁判所の情報化を理解する三つの層
1 機器・内部システム・裁判手続は同じではない

裁判所の情報化には,少なくとも三つの層がある。第一はワープロ,パソコン,LAN及び通信回線という機器・基盤の整備,第二は裁判所職員が事件番号,当事者,期日,帳票及び統計を管理する内部システムの整備,第三は当事者が電子申立て,システム送達,電子記録の閲覧及びウェブ期日を利用できる裁判手続自体のデジタル化である。

この三つは相互に関係するものの,導入日も利用者も根拠も異なる。例えば,裁判所内部で事件情報が電子管理されていても,当事者がオンラインで訴えを提起できるとは限らず,ウェブ会議が利用できても,事件記録全体が電子化されているとは限らない。

2 主要な節目

時期
主な出来事
意味

昭和63年度末
裁判官用ワープロ約800台,書記官室等約650台
個人文書作成の機械化

平成7年度
J・NETの導入開始,裁判官及び書記官室へのパソコン整備
庁内情報共有とネットワーク化

平成12年9月

(続きを読む...)裁判所の情報化の流れ――ワープロ,J・NETからmints,TreeeS,刑事手続のデジタル化まで(AIリライト)