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福島修習の情報―第80期日程・配属人数・修習先・住居と生活(AI作成)

本記事は,最高裁判所が実務修習地として指定する「福島」について,第80期の日程,班と組,過去の配属人数,第77期の実務修習,主な修習先,住居,気象条件その他の生活上の留意点を,令和8年10月5日現在の公開資料に基づいて整理するものである。
福島修習は,福島地方裁判所(福島家庭裁判所を含む。),福島地方検察庁及び福島県弁護士会で行う実務修習であり,三機関はいずれも福島市(花園町・狐塚・山下町)にある。

第80期について最高裁判所が公表しているのは,令和8年度司法修習生採用選考要項であり,採用発令日は令和9年3月19日である。
福島がA班かB班か,司法研修所のどの組に属するか及び福島の配属人数は,第80期の資料ではまだ確認できない。
第79期の福島はB班3組(水戸・宇都宮・新潟と合同),第77期及び第78期の福島はB班3組(水戸・宇都宮・山形と合同)であったが,これは過去の期の運用であり,第80期の確定事項ではない。

福島の配属現員は,新第63期から第66期までは16人から18人まで,第67期以降は10人から16人までの範囲にある。
第77期の日程表では現地の班は1班から4班までの四つであり,各班は二つのクールで民事裁判修習と刑事裁判修習を行い,家裁修習は刑事裁判修習の期間中に4日ずつ置かれていた。
同じ日程表の刑事裁判修習の欄には,「本庁 裁判員裁判」のほか,第1クールに「郡山 裁判員裁判」の書込みがある。
第69期以前の希望倍率は,現在の人気度や配属可能性を示すものではない。
第77期の実務修習日程も過去の実施例であり,第80期に同じ日程,教材,担当体制又は実施方式が続くことを示すものではない。

気象条件の面では,福島は東京と比べて年平均気温が2.4度低く,日最低気温が0℃未満の日は年67.3日(東京15.2日),降雪の深さの合計は年122センチメートル(東京8センチメートル)である一方,日最高気温が35℃以上の日は年9.2日と東京(4.8日)の約2倍である(後記第8の1)。
管内には相馬,郡山,白河,会津若松及びいわきに裁判所と検察庁の支部があり,平成23年の福島県弁護士会の要望書によれば,当時は福島配属の司法修習生の弁護修習を同会の福島支部と郡山支部で分担していた(後記第4の7及び第6の5)。

早見表は次のとおりである。
各項目の根拠と確度は,本文の該当箇所で説明する。

項目内容根拠・位置付け
対象期・基準日第80期/令和8年10月5日現在本記事の確認日
採用発令日令和9年3月19日(金)令和8年度司法修習生採用選考要項(最高裁判所。Confirmed)
分野別実務修習令和9年4月13日~11月18日(4クール)第80期修習日程表(鑑文なし。Source statement)
A班・B班第80期は未公表(第79期はB班)第80期の申込手続の手引きは令和8年10月中旬頃掲載予定(Unknown)
司法研修所の組第80期は未公表(第79期はB班3組で水戸・宇都宮・新潟と合同,第77期・第78期はB班3組で水戸・宇都宮・山形と合同)各期の教官担当表(Confirmed。第80期はUnknown)
直近の配属人数第79期12人,第78期13人,第77期16人各期の司法修習生配属現員表
主な修習先福島地方裁判所・福島家庭裁判所(福島市花園町),福島地方検察庁(同市狐塚),福島県弁護士会(同市山下町)各機関の公式案内
第77期の実務修習日程福島版PDF全15頁のうち福島の資料は11頁(5頁~8頁は山形の資料)。現地班は1班~4班。刑事裁判修習の欄に本庁・郡山の裁判員裁判の書込み第77期福島修習の実務修習日程(Confirmed)
住居各自で確保(第79期の手引き)。B班となれば令和10年1月上旬まで福島で修習第79期手引き2頁・第80期修習日程表(Inference)
気象条件(必須)東京と比べ,年平均気温が2.4度低く,日最低気温0℃未満の日は年67.3日(東京15.2日),降雪の深さの合計は年122cm(東京8cm),積雪の深さ1cm以上の日は年38.7日。他方,日最高気温35℃以上の日は年9.2日で東京(4.8日)の約2倍気象庁の平年値(観測地点「福島」「東京」,統計期間1991年~2020年,令和8年10月5日確認)
自動車要否を一律に判断できる公開資料なし。三機関とも福島駅からの市内循環バスの案内がある各機関の交通案内(Unknown)

第1 福島修習と本記事の資料範囲

1 福島修習とは

福島は,全国の実務修習地の一つである。
最高裁判所の司法修習の概要によれば,分野別実務修習は,民事裁判,刑事裁判,検察及び弁護の4分野について,それぞれ2か月ずつ実施される。
福島修習では,主に福島地方裁判所(福島家庭裁判所を含む。),福島地方検察庁及び福島県弁護士会がこれを担当する。

福島地方裁判所は,本庁のほか相馬,郡山,白河,会津若松及びいわきの5支部を置き,福島家庭裁判所には棚倉及び田島の2出張所がある(後記第6の5)。
支部の所在地は実務修習地ではなく,司法修習生の配属は「福島」として集計されている。
福島は仙台高等裁判所及び仙台高等検察庁の管内にあるが,司法研修所の組では,第70期以降のいずれの期も,東京高等裁判所管内の水戸及び宇都宮と同じ組に入っている(後記第2の2)。

分野ごとの内容一般は民事裁判修習,刑事裁判修習,検察修習及び弁護修習に,司法修習の全体像は司法修習とはに記載している。
本記事は,福島に固有の事項を中心に扱う。

2 実務修習の法的な仕組み

司法修習生は,司法試験に合格した者の中から最高裁判所が命ずるものであり(裁判所法66条1項),少なくとも1年間修習をした後試験に合格したときに修習を終える(同法67条1項)。
裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習に関する事務を取り扱わせるため,最高裁判所に司法研修所が置かれている(同法14条)。

本ブログ掲載の司法修習生に関する規則(令和7年最高裁判所規則第3号による改正後のもの)によれば,同規則1条は,司法研修所長が修習の全期間を通じて司法修習生を統轄すると定めている。
同規則5条は,実務修習の期間を少なくとも「十箇月」とし,そのうち少なくとも「四箇月」は裁判所で,「二箇月」は検察庁で,「二箇月」は弁護士会で修習しなければならないとした上で,実務修習の時期及び場所は司法研修所長が定めるとしている。
実務修習は,司法研修所長が地方裁判所,地方検察庁又は弁護士会に委託して行わせるものとされ(同規則7条),実務修習の間の司法修習生に対する監督は,最高裁判所が地方裁判所長,検事正又は弁護士会長等に委託する(同規則8条)。

そのため,福島修習の指導は,司法研修所からの委託を受けた福島地方裁判所,福島地方検察庁及び福島県弁護士会が行う。
委託を受けた庁会は常に司法研修所と緊密な連絡を保つものとされ(同規則9条),実務修習を終えた際には,地方裁判所長,検事正及び弁護士会長が修習事項の大要,成績,行状等を司法研修所長に報告する(同規則10条)。
また,司法修習生は,修習に当たって知った秘密を漏らしてはならない(同規則3条)。

3 基準日と対象資料

本記事は,令和8年10月5日現在で確認できる資料に基づく。
第80期の制度及び日程は第80期の資料を優先し,第79期以前の日程表,名簿,配属表,通知及び要望書は,過去の実施例又は歴史資料として区別する。

第80期について確認できた公式資料は,最高裁判所の令和8年度司法修習生採用選考要項(令和8年9月4日)である。
同要項(PDF2頁)は,採用発令日を令和9年3月19日(金)とし,申込手続の詳細を定める「令和8年度司法修習生採用選考申込手続の手引き」を10月中旬頃に最高裁判所ウェブサイトへ掲載する予定としている。
令和8年10月5日現在,同手引きは最高裁判所の司法修習生採用選考のページにまだ掲載されていない。
第79期では,申込手続の手引きの2頁に,集合修習と選択型実務修習の順序を実務修習地ごとに分けた表が載っていた。
したがって,第80期の福島がどちらの区分に入るかは,第80期の手引きの公表を待って確認する必要がある。

4 資料の確度

本記事は,記載の根拠の強さを次の4区分で考えている。

区分意味本記事での例
Confirmed法令,最高裁判所等の一次資料又は現在の公式ページで直接確認した事項第80期の採用発令日,第79期の福島がB班3組であること,各期の配属現員,第77期の日程表と修習開始等の事務連絡の内容
Source statement鑑文を欠く資料,弁護士会の要望書,民間サイトの集計等の記載第80期修習日程表の日付,平成23年の要望書に書かれた当時の弁護修習の運用,民間サイトの家賃の集計
Inference複数の資料からの合理的な推測日程表の書込みから見た裁判員裁判の傍聴,三機関の位置関係から見た通勤の負担
Unknown調査した公開資料では確認できない事項第80期の福島の班・組・配属人数,第77期の検察修習・弁護修習の日程,現在の弁護修習の郡山での実施の有無,選択型実務修習のプログラム

「確認できない」は,「存在しない」という意味ではない。
公開資料に記載がないことを,制度,行事又は運用が存在しないことと読み替えない。

5 公開資料から分かる範囲

第80期について,福島の班,組及び配属人数を示す公開資料は確認できなかった。
過去の期については,第67期から第79期までの教官担当表等,新第63期から第79期までの配属現員表,第69期までの実務修習希望地調査表,第77期福島修習の実務修習日程,第71期,第76期及び第77期の司法修習生配属表並びに第77期及び第78期の修習開始等に関する事務連絡が公開されている。

第77期福島修習の実務修習日程はPDF全15頁であるが,福島の資料はそのうち11頁であり,5頁から8頁までの4頁は山形の「第77期 起案・講評日程」である(後記第4の1)。
本記事で全国版のPDF(全583頁)と照合したところ,福島の11頁は全国版の191頁~194頁,327頁~329頁,432頁・433頁及び549頁・550頁と同じものであり,全国版の前後の頁は仙台,山形,盛岡等の資料であった。
検察修習及び弁護修習の日程表は,いずれのPDFにも収録されていない。
これは日程表に収録されていないというだけであり,検察修習及び弁護修習の行事がなかったことを意味しない。

第2 第80期福島修習の班・組と日程

1 A班・B班

A班・B班は,分野別実務修習の後に,司法研修所での集合修習と配属庁会での選択型実務修習のどちらを先に行うかによる区分である。
第80期について,福島がどちらに入るかは公表資料で確認できない(Unknown)。

参考として,令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁は,第79期について,「東京、立川、横浜、さいたま、千葉、大阪、京都、神戸、奈良、大津、和歌山」を先に集合修習を行う区分とし,「①以外の実務修習地」を先に選択型実務修習を行う区分としていた。
福島は後者に当たる。
司法研修所の第79期教官担当表(令和8年4月17日付)も,福島を含む第3組を「B班」の欄に置いている。
その運用が第80期にも続くかは,第80期の手引きで確認する必要がある。

2 司法研修所の組と合同クラス

第80期の福島がどの組に属するかは,公表資料で確認できない(Unknown)。
参考として,各期の教官担当表(教官組別表)によれば,福島が属した組は次のとおりである。

修習期(全組数)福島が属した組同じ組の実務修習地
第79期(全22組)B班3組福島・水戸・宇都宮・新潟
第78期(全24組)B班3組水戸・宇都宮・福島・山形
第77期(全25組)B班3組水戸・宇都宮・福島・山形
第72期~第76期(全22組)B班3組福島・水戸・宇都宮・新潟
第71期(全23組)B班3組福島・水戸・宇都宮・新潟
第70期(全25組)B班3組水戸・宇都宮・福島・山形
第69期(全27組)B班4組水戸・福島・山形・盛岡
第67期・第68期(全28組)B班8組福岡・福島・山形

第79期,第78期及び第77期の行は,本記事で各期の教官担当表(第79期・令和8年4月17日付,第78期・令和7年8月5日付,第77期・令和6年8月2日現在)の画像を確認したものであり,その他の行は各期の原資料を一覧にした実務修習地とクラスの対応関係の記載で確認した。
全組数は同記事の記載による。

このように,福島は,第70期以降のいずれの期でも水戸及び宇都宮と同じB班3組に入っており,残りの一つの修習地が山形(第70期,第77期及び第78期)又は新潟(第71期~第76期及び第79期)となっている。
第79期の教官担当表では,山形は仙台・盛岡・秋田とともにB班2組に入っている。
第69期は水戸・山形・盛岡とB班4組,第67期・第68期は福岡・山形とB班8組であった。
いずれの期でも福島が単独で一つの組を構成したことはなく,他の修習地と合同の組である。
組の構成が期によって変わる理由を示す公開資料は確認できず,過去の期の組の構成から第80期の組の構成を確定することはできない。

組の希望を申し出る手続について,最高裁判所事務総長の令和8年5月20日付の司法行政文書不開示通知書(最高裁秘書第1657号)は,「第78期司法修習生組別志望等調査表」を作成又は取得していないとしている。
そのため,司法修習生が自分の組を希望する手続は設けられておらず,組は実務修習地に応じて決まると考えられる(Inference)。
各期の原資料である教官担当表は司法研修所の教官担当表に掲載している。

3 三つの「班・組」の区別

福島修習の資料には,名称の似た三つの区分が出てくる。

呼称意味福島について確認できた内容
A班・B班集合修習と選択型実務修習の実施順序に関する全国的な区分第79期はB班。第80期は未公表
第○組司法研修所におけるクラス第79期はB班3組(水戸・宇都宮・新潟と合同)。第80期は未公表
現地の班配属庁会内のローテーションの単位第77期・第78期とも1班~4班

B班3組であることは,福島,水戸,宇都宮及び新潟の修習生が司法研修所で同じクラスになることを意味するにとどまり,4庁の修習生が福島で一緒に修習するという意味ではない。
このほか,後記第3の2の希望倍率の高低は,A班・B班の区分とは関係がない。
過去の希望倍率の読み方は実務修習地の希望倍率―過去の統計と第2希望選びの限界で扱っている。

4 福島修習に関係する日程

第80期の全体日程は,第80期司法修習の日程で整理している。
同記事が基にした「第80期 修習日程」(教官会議資料2)は,作成日,発出者及び宛先を記載した鑑文が付いていない資料である(Source statement)。
最高裁判所の選考要項で確認できるのは採用発令日だけであり,その日付は同日程表の導入修習の開始日と一致する。

同日程表に基づき,福島修習に関係する期間を整理すると,次のとおりである。

課程第80期の期間福島修習との関係
導入修習令和9年3月19日~4月9日司法研修所(埼玉県和光市)で実施
分野別実務修習令和9年4月13日~11月18日福島の配属庁会で,4クールに分けて実施
選択型実務修習・集合修習(B班の場合)選択型:令和9年11月19日~令和10年1月7日,集合:1月12日~2月24日福島がB班となった場合,選択型実務修習を福島で行った後,司法研修所で集合修習
集合修習・選択型実務修習(A班の場合)集合:令和9年11月22日~令和10年1月7日,選択型:1月11日~2月24日福島がA班となった場合の順序

同日程表によれば,分野別実務修習の各クールは,第1クールが令和9年4月13日~6月8日,第2クールが6月9日~8月1日,第3クールが8月2日~9月26日,第4クールが9月27日~11月18日であり,実日数はいずれも37日である。
B班の場合,選択型実務修習の終了後に令和10年1月8日から11日までの4日間の移動日があり,集合修習の終了後の2月25日が自由研究日とされている。
同日程表の欄外には,A班の選択型実務修習及びB班の集合修習のカリキュラム終了後に5科目の筆記考試が行われる予定である旨の注記があるが,考試の具体的な日程は記載されていない。
各クールの区切り以外の事項,すなわち配属部,指導担当者,登庁時刻及び個別のプログラムは,配属庁会からの連絡で確認することになる。

第3 配属人数,希望地申告及び実務修習地の指定

1 配属人数

司法修習生配属現員表(48期以降)に掲載した各期の配属現員表によれば,新第63期以降の福島の配属現員は次のとおりである。
各期の採用時点の表の値であり,期名から原資料のPDFの該当頁へリンクしている。
いずれも本記事で原資料の画像を確認した。

修習期福島の配属現員全国計表の基準日(PDFの頁)
第79期12人1551人令和8年3月19日現在(1頁)
第78期13人1556人令和7年3月19日現在(1頁)
第77期16人1830人令和6年3月21日現在(1頁)
第76期11人1394人令和4年11月27日現在(1頁)
第75期10人1329人令和3年11月12日現在(2頁)
第74期12人1456人令和3年3月31日現在(2頁)
第73期10人1473人令和元年11月27日現在(2頁)
第72期10人1482人平成30年11月27日現在(2頁)
第71期10人1516人平成29年11月27日現在(2頁)
第70期10人1533人平成28年11月27日現在(2頁)
第69期12人1788人平成27年11月27日現在(1頁)
第68期12人1762人平成26年11月27日現在(1頁)
第67期13人1972人平成25年11月27日現在(16頁)
第66期16人2035人平成24年11月27日現在(14頁)
新第65期16人2001人平成23年11月27日現在(13頁)
新第64期18人2022人平成22年11月30日現在(11頁)
新第63期18人2021人平成21年11月27日現在(9頁)

福島の配属現員は,新第63期から第66期までは16人から18人まで,第67期以降は10人から16人までの範囲にある。
第70期から第73期までの各期は10人であり,第70期以降で全国の修習生が最も多かった第77期に16人となっている。
配属現員表は表題に記載された基準日における配属人数を示すものであり,修習を修了した者の数ではない。
配属現員表には二つの期を併記したものがあり,例えば平成26年11月27日現在の表にも第67期の福島13人が載っているが,同表の第67期の計は2015人(「配属無し」43人を含む。)であるため,上表では採用時点(平成25年11月27日現在)の表の値(計1972人)を用いた。
「採用者数」「修習開始者数」「配属現員」は別の数値であり,混同しない。
配属現員は各表の基準日に在籍していた人数であり,福島の定員又は募集枠を示すものではない。

第79期司法修習生配属現員表(令和8年3月19日現在)によれば,第79期の福島の配属現員は12人である(全国計1551人)。
第80期の福島の配属人数は,令和8年10月5日現在,確認できない(Unknown)。
なお,最高裁判所の裁判所データブック202630頁によれば,第79期の司法修習生の採用者数は全国で1551人(うち女性479人)であり,第79期の配属現員表の計(1551人)と一致する。
同書の採用者数と配属現員表の全国計は一致しないことがあり,例えば第78期は,同書の採用者数が1553人であるのに対し,配属現員表(令和7年3月19日現在)の計は1556人である。
全国の人数の推移は修習開始時点における司法修習生の人数の推移に掲載している。

2 新第63期から第69期までの希望倍率

第69期までは,司法研修所が実務修習希望地調査表を作成しており,その原表が開示されている。
原表の福島の行から,第1希望者数を配属現員で除した数値と,第1希望者数及び第2希望者数の合計を配属現員で除した数値を計算すると,次のとおりである。
分母の配属現員は,前記1の各期の採用時点の配属現員表の福島の人数である。
小数第3位を四捨五入した。
平均は,各期の数値(端数処理前)の単純平均である。
期名から,原表のPDFの福島の行がある頁へリンクしている。

修習期(原表)第1希望者数第2希望者数配属現員第1希望者数÷配属現員第2希望までの人数÷配属現員
第69期3人4人12人0.25倍0.58倍
第68期4人4人12人0.33倍0.67倍
第67期5人4人13人0.38倍0.69倍
第66期4人3人16人0.25倍0.44倍
新第65期3人5人16人0.19倍0.50倍
新第64期3人20人18人0.17倍1.28倍
新第63期3人10人18人0.17倍0.72倍
平均---0.25倍0.70倍

同じ数値は,本ブログ掲載の司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)及び第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)にも載せている。
両表の注記によれば,当時,希望する修習地は第1希望から第6希望まで記載でき,1群の修習地は2個までしか記載できず,第5希望及び第6希望は必ず3群の修習地から選ぶ必要があった。
両表は福島を「2群」としている。
第2希望までの人数を配属現員で除した数値が1を超えたのは,新第64期(第2希望者が20人)だけである。

第69期の原表では,福島を第1希望とした者が3人,第2希望とした者が4人であったのに対し,第3希望とした者が20人,第4希望とした者が21人であった。
第5希望及び第6希望の欄は空欄である。
2群の福島は第5希望及び第6希望に書くことができず,1群の修習地は2個までしか書けない規則であったため,1群の修習地を上位に書いた者が福島を第3希望又は第4希望に書くことが多かったと考えられる(Inference)。
第3希望・第4希望の人数は,福島を積極的に選んだ人数を示すものとは限らない。

両表の平均で比べると,第79期にB班3組で福島と同じ組であった修習地は,宇都宮が0.61倍と1.89倍,水戸が0.53倍と1.00倍,新潟が0.58倍と0.95倍であり,福島は4庁の中で第1希望者数÷配属現員の平均が最も低い。
もっとも,組は希望倍率とは関係なく定められており,この比較は第69期までの希望の分布を示すにとどまる。

これらは第69期までの希望の分布を示す歴史資料であり,第80期の福島の人気度や配属可能性を示す数値ではない。
この数値は抽選倍率でも,福島を第1希望とした者の配属成功率でもなく,古い倍率を根拠に福島を「入りやすい」「安全」と評価することも適切でない。

3 第70期以降の資料状況

最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の平成29年4月28日答申(平成29年度(最情)答申第1号)2頁によれば,実務修習希望地調査表は,第69期までは実務修習地を決定する際の参考資料として利用する場合もあるため作成されていたが,事務の合理化の観点から,第70期の司法修習生採用選考申込者に関する調査表は作成しないこととされた。
第79期及び第78期についても,最高裁判所事務総長の司法行政文書不開示通知書(令和8年3月18日付・最高裁秘書第782号及び令和8年1月19日付・最高裁秘書第3778号)は,各期の司法修習予定者の実務修習希望地調査表を作成又は取得していないとしている。
これらから確認できるのは,その名称・内容の文書が作成又は取得されていないという点であり,別の形式の集計が一切存在しないことまで示すものではない。

そのため,第70期以降について,第69期までと同じ定義の希望倍率は算出できない。
直近期の配属人数を確認できても,第80期の福島の希望者数,希望倍率又は配属確率は分からず(Unknown),福島が「人気である」「配属されやすい」と評価することはできない。

4 希望地の申告と実務修習地の指定

第80期の希望地の申告方法は,令和8年10月中旬頃に掲載予定の申込手続の手引き及び申込後に示される入力要領で確認する必要がある。
第79期の令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き6頁は,採用選考申込フォームの入力事項の一つとして「実務修習希望地に関する事項」を挙げているが,公開されている手引きには,希望地の群の区分や記載できる数の規則は書かれていない。

実務修習地の指定については,公開されている司法研修所の通知の中で,第72期の司法研修所からのお知らせ(平成30年8月1日)が次の点を明記している。
①実務修習地は,司法研修所長が決定する(2頁)。
②希望地の記載は希望どおりに決定されることを保証するものではなく,特定の実務修習地に希望者が集中した場合などには希望どおりに決定されないことがある(2頁)。
③通知した実務修習地の変更は,認められない(2頁)。
④当時の様式では,福島は「2群」に分類されていた(6頁)。第1希望から第4希望までは1群から3群までの中から記載し(1群から選択するのは2箇所まで),第5希望及び第6希望は3群から記載するものとされていた(8頁)。

①から③は第72期の通知の記載であるが,第80期の扱いを確認する際の出発点になる。
①は,実務修習の時期及び場所は司法研修所長が定めるとする司法修習生に関する規則5条の規定(前記第1の2)に対応する。
④の群の区分と記載数の制限は第72期の紙の様式の規則であり,第80期の入力フォームでも同じであるとは限らない。

最高裁判所の情報公開・個人情報保護審査委員会の令和元年8月23日答申(令和元年度(最情)答申第40号)2頁によれば,第72期の実務修習地は,実務修習希望地調査書に記載された希望修習地及びその順位,各人の健康状態,家族状況等の諸般の事情を考慮して検討・調整を行った上で,名簿を作成して決定されたと説明されている。
前記3の平成29年答申3頁も,実務修習地の決定に当たっては,司法修習生の希望を基本として,各人の諸般の事情を考慮しているとしている。

通知後の変更が認められないことについては,例外的に配属換えがされた例もある。
同委員会の平成30年3月23日答申(平成29年度(情)答申第21号)は,旭川地方裁判所に配属された第70期の司法修習生の一部が配属換えになったことに関する文書を対象とするものである。
これは福島に関する例ではなく,配属換えの理由は同答申からは分からない。

家庭事情等の申告方法,「一任」の扱い及び過年度資料の適用限界は,80期司法修習の希望地申告で詳しく扱っている。
全国の実務修習地の一覧と選び方は司法修習の場所―全国51の実務修習地一覧と選び方を参照されたい。

第4 第77期福島修習の具体的内容

1 確認したPDFの範囲

第77期福島修習の実務修習日程は,福島地方裁判所の各クールの日程表等と,山形の資料4頁を収めたPDFである。
本記事では全15頁を画像で確認した。
テキスト抽出は文字化けが多く,表の欄の対応も崩れていたため,日付と行事の対応はすべて画像で読み,欄外の書込みと受付印は拡大して確認した。

確認項目記録内容
資料名第1クール・第2クールの表紙は「第77期司法修習生分野別実務修習(民事裁判及び刑事裁判)日程表」,各クールの頁の表題は「第1クール日程表」等。ほかに「第1・第2クール講義等」の一覧表が1頁ある
作成・送付主体第1クール・第2クールの表紙に「福島地方裁判所」とある(Confirmed)。送付文はPDFに含まれていない
作成・送付日作成日の記載はない。司法研修所の受付印は,第2クールの表紙が令和6年5月15日,第4クールの1頁目が同年9月2日と読める。第1クールの表紙の受付印は「6.4.」までは読めるが,日の数字が欠けている。第3クールの頁に受付印はない
頁数15頁。福島の資料は,1頁~4頁(第1クールの表紙,講義等の一覧表,日程表2頁),9頁~11頁(第2クールの表紙,日程表2頁),12頁・13頁(第3クールの日程表)及び14頁・15頁(第4クールの日程表)の11頁
他の修習地の資料5頁~8頁は,右上に手書きで「山形」とある「第77期 起案・講評日程」(第1クール~第4クール。受付印は令和6年4月17日)であり,第77期山形修習の実務修習日程の4頁と同じものである
収録範囲民事裁判修習及び刑事裁判修習(家裁修習を含む。)の日程と,裁判所での講義・共通行事
現地班1班~4班。各クールの日程表は,民事裁判修習の班と刑事裁判修習の班の2列からなる
掲載分野民事裁判修習・刑事裁判修習(家裁修習を含む。)。検察修習・弁護修習の日程表はない
表の列月,日,曜,民事裁判修習の班の欄,刑事裁判修習の班の欄
判読方法全頁を画像で目視(110dpi。書込みと受付印は170dpi~220dpiで拡大)。テキスト抽出は補助的に使用
判読できない範囲第1クールの表紙の受付印の日の数字。第2クールの日程表(10頁・11頁)は土日等の行に網目状の模様があるが,文字の判読に支障はなかった

2 現地の班編成と巡回順序

司法研修所事務局長の令和5年度(第77期)司法修習生の修習開始等について(令和6年2月7日付)のPDF12頁は,第77期の福島の実務修習順序を次のとおりとしていた。

第77期の現地班第1クール(令和6年4月16日~)第2クール(6月11日~)第3クール(8月2日~)第4クール(9月27日~)
1班民事裁判弁護検察刑事裁判
2班刑事裁判弁護検察民事裁判
3班検察民事裁判刑事裁判弁護
4班検察刑事裁判民事裁判弁護

第77期の日程表に書かれた民事裁判修習・刑事裁判修習の班とクール(第1クールは1班が民事・2班が刑事,第2クールは3班が民事・4班が刑事,第3クールは4班が民事・3班が刑事,第4クールは2班が民事・1班が刑事)は,この事務連絡の順序と一致している。
1班と2班は第2クールに弁護修習,第3クールに検察修習を,3班と4班は第1クールに検察修習,第4クールに弁護修習をする順序であった。
家裁修習は「裁判実務修習中に行う。」とされていた。

第78期については,司法研修所事務局長の令和6年度(第78期)司法修習生の修習開始等について(令和7年2月4日付)のPDF12頁に,福島の実務修習順序が記載されている。

第78期の現地班第1クール(令和7年4月14日~)第2クール(6月9日~)第3クール(7月31日~)第4クール(9月25日~)
1班民事裁判弁護検察刑事裁判
2班刑事裁判弁護検察民事裁判
3班検察民事裁判刑事裁判弁護
4班検察刑事裁判民事裁判弁護

第78期も4班編成で,各班の巡回順序は第77期と同じであり,家裁修習は「裁判実務修習中に行う。」とされていた。
もっとも,第77期と第78期で同じであったことから第80期も同じ順序になるとはいえず,第80期の班編成と順序は配属後の案内で確認する必要がある。

分野別実務修習の初日の集合場所は,第77期の事務連絡(PDF17頁)では令和6年4月16日午前9時に,第78期の事務連絡(PDF17頁)では令和7年4月14日午前9時に,いずれも「福島地方裁判所事務局総務課(5階)」とされ,開始日に持参する教材等は「なし」とされていた。
第77期の日程表では,同日に「総務課へ登庁」(控室は3階の裁判員候補者待合室)とされ,午前10時から1班~4班合同の開始式(第1会議室(5階))が置かれている。
開始式の欄には,地裁所長,家裁所長,検事正,弁護士会会長等及び民刑両部長が記載されている。

班の人数は,第77期の日程表にも第77期・第78期の事務連絡にも記載されていない(Unknown)。
配属現員(第77期は16人)を班の数で割った人数は,資料に基づく人数ではないため,本記事では記載しない。

3 民事裁判修習

第77期の日程表で民事裁判修習を確認できるのは,第1クールの1班,第2クールの3班,第3クールの4班及び第4クールの2班である。
各クールの初日には,民事裁判官室で民事部長による「民事裁判修習の心得」があり,続いて民事書記官室で民事訟廷管理官によるオリエンテーションが置かれている。
そのほか,民事の欄には次の行事が置かれている。
①民裁問研起案(午前10時~午後3時。1班4月19日・第2会議室(2階),3班6月14日・第3会議室(3階),4班8月7日・第3会議室(3階),2班10月2日・第3会議室(3階))
②民裁問研起案講評(オンライン・在宅学修。午前9時30分~午後0時30分。1班5月9日,4班8月21日,2班10月16日。3班は6月27日に「講評・面談」を終日)
③民裁問研起案面談(第3会議室(3階)・オンライン。午後・時間未定。1班5月10日,4班8月23日,2班10月18日)

第1クールの頁の前にある「第1・第2クール講義等」の一覧表には,民事関係として「民事訴訟における争点整理」(民事部長),「倒産手続について」「民事執行の諸問題」「民事保全の諸問題」(いずれも民事担当裁判官)及び「書記官事務及び民事訟廷事務について」(民事訟廷管理官)が各1回,時期は「適宜調整」等とされて挙げられている。
これらは日々の日程表には日付が書かれていない。
同じ一覧表で「簡裁手続及び民事調停について」(主任書記官)は「第3、第4クールで実施」とされ,第3クールの9月9日と第4クールの10月28日に「講義『簡裁手続及び民事調停について』」(午後1時30分~2時30分,第1会議室(5階))が置かれている。
このほか「書記官室の修習(民・刑それぞれ1日)」が「書記官事務体験」として挙げられている。

個別の配属部での事件記録の検討,期日の傍聴,執行・保全・破産等の修習が具体的にいつ行われたかは,日程表からは分からない。

4 刑事裁判修習

第77期の日程表で刑事裁判修習を確認できるのは,第1クールの2班,第2クールの4班,第3クールの3班及び第4クールの1班である。
各クールの初日には,刑事裁判官室で刑事部長による「刑事裁判修習の心得」があり,続いて刑事書記官室で刑事訟廷管理官によるオリエンテーションが置かれている。
そのほか,刑事の欄には次の行事が置かれている。
①刑裁問研起案(午前10時~午後3時,第3会議室(3階)。2班4月18日,4班6月13日,3班8月6日,1班10月1日)
②刑裁問研起案講評(オンライン・在宅学修。午前9時30分~午後0時30分。2班5月7日,4班6月26日,3班8月20日,1班10月16日)
③刑裁問研起案面談(第3会議室(3階)・オンライン。午前9時45分~午後4時45分。2班5月9日(時間未定),4班6月28日,3班8月22日,1班10月17日)

「第1・第2クール講義等」の一覧表には,刑事関係として「プラクティス刑事裁判のDVD視聴」「模擬公判前整理手続」「ミニミニ模擬裁判」「令状事件について」(刑事担当裁判官)及び「書記官事務及び刑事訟廷事務について」(刑事訟廷管理官)が各1回,時期は「適宜調整」等とされて挙げられている。

刑事裁判修習の班の欄には,各クールとも,枠で囲んだ裁判員裁判の書込みがある。
①第1クール(2班):5月14日~16日に「郡山 裁判員裁判」
②第2クール(4班):7月8日~12日に「本庁 裁判員裁判」,7月17日に「同」
③第3クール(3班):9月11日~13日及び9月17日~20日に「本庁 裁判員裁判」
④第4クール(1班):11月6日~8日及び11月11日~15日に「本庁 裁判員裁判」

書込みは全国版の同じ頁にもあり,司法研修所が受け取った時点の日程表に記載されていたものである。
これらの期間に,本庁又は郡山支部の裁判員裁判に刑事裁判修習の班が立ち会う予定であったと考えられる(Inference)。
第1クールの書込みは,第77期の日程表で郡山支部での修習を示す唯一の記載である。

5 家裁修習と家裁関係の講義

家裁修習は,各クールの刑事の欄に,次のとおり4日ずつ置かれている。
①第1クール:2班(6月3日~6日)
②第2クール:4班(7月1日~4日)
③第3クール:3班(8月26日~29日)
④第4クール:1班(10月4日及び10月7日~9日)

いずれも各班の刑事裁判修習の期間中であり,その間,同じクールの民事裁判修習の班の欄には家裁修習の記載はない。
日程表には「家裁修習」とだけあり,講義や見学の内訳,場所及び時刻は記載されていない。

このほか,第1クールの5月17日と第2クールの6月18日に,民事・刑事の両欄にまたがって,講義「家裁事件講義」(午後1時15分~2時45分,家裁上席裁判官)及び講義「調査事務について」(午後3時~4時30分,首席調査官)が置かれている(いずれも第1会議室(5階))。
「第1・第2クール講義等」の一覧表でも,家裁事件講義と調査事務講義は「第1、第2クールに各1回」とされている。
日程表上,1班・2班は第1クールに,3班・4班は第2クールにこれらの講義を受ける形になっている(Inference)。

6 所長講話・座談会その他の共通行事

第1クールの4月24日(午前11時~正午)と第2クールの6月12日(午後1時30分~2時30分)には「地裁所長講話」が,第3クールの8月5日と第4クールの9月30日(いずれも午前10時~11時)には「家裁所長講話」が,民事・刑事の両欄にまたがって置かれている(いずれも第1会議室(5階))。
「第1・第2クール講義等」の一覧表でも,地裁所長講話は「第1、第2クールに各1回」,家裁所長講話は「第3、第4クールに各1回」とされている。

第3クールの9月6日には民事・刑事の両部長等と3班・4班の司法修習生の座談会が,第4クールの11月18日には同様に1班・2班の司法修習生との座談会が,いずれも午前10時~11時に第1会議室(5階)で置かれている。
座談会の内容は日程表には記載されていない(Unknown)。

日程表上の自由研究日は,第1クールの5月2日,第2クールの7月22日,第3クールの8月13日(3班)及び8月26日(4班)並びに第4クールの10月11日である。

7 検察修習及び弁護修習

(1) 第77期の日程表に収録されていないこと

第77期の日程表は裁判所の民事裁判修習及び刑事裁判修習のものであり,福島地方検察庁での検察修習と福島県弁護士会での弁護修習の日程表は,福島版にも全国版にも収録されていない。
前記2のとおり,各班が検察修習・弁護修習をしたクールは事務連絡で確認できるが,個々の行事の内容は確認できない(Unknown)。
これは日程表に収録されていないことによるものであり,検察修習及び弁護修習の行事がなかったことを示すものではない。

福島地方検察庁の組織と検察修習の担当課は後記第6の3,福島県弁護士会は後記第6の4に記載した。

(2) 平成23年の福島県弁護士会の要望書

福島県弁護士会のウェブサイトには,2011年(平成23年)7月5日付の要望書(裁判所及び検察庁の各郡山支部で司法修習生の実務修習を実施する件)(PDF全5頁)が掲載されている。
最高裁判所長官,司法研修所長,福島地方裁判所長,福島地方検察庁検事正等に宛てて,同会会長名で,司法修習生の裁判及び検察実務修習を福島地方裁判所郡山支部及び同地方検察庁郡山支部でも実施するよう要望したものである。

同要望書(2頁~4頁)は,当時の弁護修習の運用について,次のように記載している(Source statement)。
①2005年(平成17年)度(現行第59期)から,それまでの同会福島支部に加えて郡山支部でも弁護修習を行うことになった。
②2006年(平成18年)度(現行第60期)からは,福島配属の司法修習生を福島支部と郡山支部で同数ずつ受け入れてきた。
③郡山支部での修習を希望する司法修習生がいれば同支部所属会員が受け入れるよう配慮するが,そのような事例は滅多になく,それ以外の修習生の修習先は,福島支部及び郡山支部の個別指導担当弁護士が「くじを引いて決めている」。
④郡山支部の会員が指導担当となった修習生の多くは,居住地の福島市から郡山市まで通っており,在来線ではおよそ1時間,新幹線では15分前後を要する。在来線と新幹線の定期代の差額は,当初は郡山支部の会員の有志が,その後は日本弁護士連合会が補助している。

同要望書は,あわせて,平成23年1月末日時点で福島県で起訴された裁判員裁判49件のうち40件が郡山支部であったこと等を挙げ,裁判修習・検察修習でも裁判員裁判の修習のため郡山支部に赴くとしている(4頁)。

これは平成23年当時の同会の説明であり,第80期の弁護修習の配属先が郡山支部の会員の事務所に及ぶか,その割合,配属先の決め方及び交通費の補助の有無は,公開資料では確認できない(Unknown)。
裁判修習及び検察修習を郡山支部で行う運用(いわゆる完全支部修習)が実現したことを示す公開資料も確認できなかった。
第77期の日程表では,裁判所の修習は本庁での行事が中心であり,郡山支部での修習を示す記載は第1クールの「郡山 裁判員裁判」に限られる(前記4)。

8 指導担当体制

第77期の司法修習生配属表(令和6年4月1日付,福島地方裁判所長から司法研修所長に宛てたもの,全1頁)は,民事修習指導官1人と刑事修習指導官1人を挙げた上で,部を「民事部」と「刑事部」の二つとし,民事部に5人,刑事部に2人の個別指導裁判官を記載している(修習指導官を含む。)。
修習期間の欄は第1クール~第4クールの4欄であり,司法修習生の氏名欄は黒塗りである。
第76期の司法修習生配属表(令和4年12月1日付ほか,全3頁)も,民事部と刑事部の二つの部を記載している。
本記事では裁判官の氏名は転載しない。

福島地方裁判所の令和6年度の裁判官の配置等(PDF1頁)によれば,令和6年度の本庁には第一民事部,第二民事部及び刑事部が置かれていた。
第77期の配属表と日程表は民事裁判修習の部を「民事部」とだけ書いており,どの民事部での修習であったかは記載されていない。

第71期についても,福島地方裁判所長の第71期司法修習生配属表(平成29年12月6日付,全2頁)が公開されている。
同表で黒塗りされた司法修習生の氏名欄の数は,民事部が各クール2・3・3・2,刑事部が3・2・2・3であり,合計はいずれも第71期の福島の配属現員10人と一致する(Inference)。
これらは各期の裁判所の体制であり,名簿上の人数は,全修習生に常時関与する人数を意味するものではない。

9 第80期へ適用できない事項

以上は第77期の実施実績である。
第80期の福島の班編成,巡回順序,担当者,配属部,日付,教材,実施方式及びプログラムが同じであることを示すものではない。
第80期の具体的な日程は,配属庁会から交付される日程表で確認する必要がある。

第5 集合修習と選択型実務修習

1 実施順序と福島修習への影響

第80期の福島がB班となる場合,令和9年11月18日に分野別実務修習を終えた後,翌19日から令和10年1月7日まで福島で選択型実務修習を行い,同月12日から2月24日まで司法研修所で集合修習を行うことになる。
この場合,福島での修習は令和9年4月から令和10年1月上旬まで続き,選択型実務修習の期間は,福島で雪が降り始める12月と最も雪の多い1月の初めに当たる(後記第8の1)。
その後,修習の最後の約1か月半を埼玉県和光市の司法研修所で過ごすことになる。
福島の住居を集合修習の期間も維持するか否かは,後記第7の4のとおり住居給付金の扱いに関係する。
福島がどちらの区分に入るかは,前記第2の1のとおり第80期の手引きで確認する必要がある。

集合修習の内容は集合修習とはで整理している。

2 選択型実務修習

選択型実務修習では,分野別実務修習で弁護修習をした法律事務所がホームグラウンドとなり,配属庁会が提供する個別修習プログラム,全国プログラム及び自己開拓プログラムを組み合わせる。
福島の裁判所,福島地方検察庁及び福島県弁護士会が第80期に提供するプログラムの名称,定員,日程及び選考方法は,公開資料では確認できない(Unknown)。
第77期の日程表にも,選択型実務修習の説明会やプログラムの記載はない。
前記第4の7(2)の要望書の記載からすると,弁護修習をした事務所が郡山市にある場合には,ホームグラウンドも郡山市になると考えられるが(Inference),現在の配属の実情は確認できない。
第80期の募集内容は,配属後に配属庁会及び司法研修所から示される案内で確認する必要がある。

制度一般は選択型実務修習とは及び選択型実務修習の運用ガイドラインを参照されたい。

第6 主な修習先,管内及び通勤

1 三機関の所在地

福島修習の中心となる機関は,いずれも福島市にある。

機関所在地交通等公式案内
福島地方裁判所・福島家庭裁判所・福島簡易裁判所福島市花園町5-38福島駅東口バスプール9番乗り場から市内循環バス(ももりん号)の1コース(宮下町経由)又は2コース(曽根田経由)で「市役所前」下車(運賃100円,乗車時間15分ほど)。福島駅から徒歩で30分ほど管内の裁判所の所在地
福島地方検察庁(福島区検察庁)福島市狐塚17番地 法務合同庁舎福島駅から福島交通バス「市内循環1コース」又は「市内循環2コース」で「福島テレビ」下車,徒歩約3分管内検察庁の所在地・交通アクセス
福島県弁護士会(福島県弁護士会館)福島市山下町4-24福島駅より約20分。市内バス1コース・2コース「桜の聖母短期大学」バス停下車アクセス

裁判所の交通案内は,市内循環バスの1コースのうち太田町経由のものには乗らないよう注意を促しており,構内駐車場の台数が限られているとして公共交通機関の利用を求めている。
三機関の交通案内は,いずれも福島駅から市内循環バスの1コース又は2コースを使う経路を挙げている。
三機関の間の距離と所要時間を示す公式資料は確認できなかったが,同じバス路線の案内があることから,日常の移動は市内循環バスで足りる場合が多いと考えられる(Inference)。
第77期の日程表には,「第1会議室(5F)」「第2会議室(2F)」「第3会議室(3F)」「裁判員候補者待合室(3F)」等の会場が出てくる。

2 福島地方裁判所本庁の部

第77期の日程表と配属表は,民事裁判修習の部を「民事部」,刑事裁判修習の部を「刑事部」としている(前記第4の8)。
令和6年度の本庁には第一民事部,第二民事部及び刑事部が置かれていたが,令和8年度の部の構成を示す資料は,本記事では確認していない。

3 福島地方検察庁

法務省の検察庁事務章程(昭和60年法務省訓令第1号。令和8年4月8日法務省訓令第1号による改正後のもの)の別表第1は,部を置く地方検察庁を東京,大阪,名古屋,横浜,さいたま,千葉,京都,神戸,福岡,札幌,広島,仙台及び高松の13庁としており,福島地方検察庁はこれに含まれない(PDF6頁)。
部の置かれていない「その他の地方検察庁」には,別表第3により総務課,会計課,企画調査課及び監査室が置かれ(PDF11頁),別表第6は,企画調査課の所管事務として「司法修習生の修習指導に関すること(教養課又は司法修習課の置かれていない庁に限る。)。」を掲げている(PDF13頁)。
福島地方検察庁では企画調査課が検察修習の事務を担当する建付けであると考えられる(Inference)。

検察庁の職員の配置定員について(令和8年4月8日付法務省人定第16号。同月1日から適用)の別表第3(PDF4頁)によれば,福島地方検察庁の配置定員は,検事15人,副検事13人,行政職(一)・公安職(二)124人及び行政職(二)1人の合計153人である。
仙台高等検察庁の管内6庁の中では,仙台189人に次ぐ2番目であり,青森109人,山形103人,盛岡103人,秋田93人より多い。
検事の定員も,仙台(29人)に次いで多い。
この定員は管内の支部及び区検察庁を含む数であり,同通達第5項により支部及び区検察庁ごとの定員は検事正が別に定めるとされているため,本庁だけの人数は分からない。
また,定員であって各時点の現員ではない。
各地の検察庁の内部規程は各地の検察庁の執務規程に,配置定員の各年度の通達は法務省の定員に関する訓令及び通達に掲載している。

4 福島県弁護士会

福島県弁護士会の県内各支部のご紹介によれば,同会には福島,郡山,白河,会津若松,いわき及び相馬の6支部がある。
福島支部の所在地は福島県弁護士会館(福島市山下町4-24)であり,郡山支部は郡山市堂前町,白河支部は白河市大手町,会津若松支部は会津若松市追手町,いわき支部はいわき市平字八幡小路,相馬支部は相馬市中村字桜ヶ丘にある。
同会のアクセスのページは,福島支部以外の所在地を各地の法律相談センターとして掲げている。

日本弁護士連合会の弁護士会別弁護士数とその内訳(2025年3月31日現在)によれば,福島県弁護士会の正会員数は191人(うち女性28人,14.7%)であり,法律事務所数は130である。
東北弁護士会連合会に属する6会の中では,仙台489人に次ぐ2番目であり,岩手110人,青森県110人,山形県100人,秋田79人より多い。
弁護修習は個々の法律事務所で行われるため,配属先の事務所の所在地によって通勤の条件は異なる。
前記第4の7(2)のとおり,平成23年当時は弁護修習の修習先が福島支部と郡山支部に分かれていたが,第80期の弁護修習の配属先が福島市内の事務所に限られるかどうかは,公開資料からは確認できない(Unknown)。

5 管内と支部

福島地方裁判所の管内の裁判所の所在地によれば,本庁のほか次の支部及び出張所並びに簡易裁判所がある(支部には家庭裁判所の支部と簡易裁判所を併置)。
①相馬支部(相馬市中村字大手先48-1)
②郡山支部(郡山市麓山1-2-26)
③白河支部(白河市郭内146)
④会津若松支部(会津若松市追手町6-6)
⑤いわき支部(いわき市平字八幡小路41)
⑥福島家庭裁判所棚倉出張所(棚倉簡易裁判所を併置。東白川郡棚倉町大字棚倉字南町78-1)
⑦福島家庭裁判所田島出張所(田島簡易裁判所を併置。南会津郡南会津町田島字後原甲3483-3)
⑧福島富岡簡易裁判所(双葉郡富岡町大字小浜字大膳町113。同ページには「事務移転中」との表示がある)

福島地方検察庁の管内検察庁の所在地・交通アクセスのページは,「郡山支部・郡山区検察庁」(郡山市麓山二丁目),「白河支部・白河区検察庁・棚倉区検察庁」(白河市郭内),「会津若松支部・会津若松区検察庁・田島区検察庁」(会津若松市追手町)及び「いわき支部・いわき区検察庁・福島富岡区検察庁」(いわき市平字八幡小路)を掲げている。
同ページは,「福島地方検察庁・福島区検察庁・相馬支部・相馬区検察庁」を一つの欄にまとめ,福島市狐塚17番地の所在地を記載している。

第77期の日程表で支部での修習を示す記載は,前記第4の4の「郡山 裁判員裁判」だけである。
また,前記第4の7(2)の平成23年の要望書によれば,当時は弁護修習の修習先の半数が郡山支部の会員であった。
もっとも,第80期の福島修習で郡山その他の支部への出張又は通勤を伴う修習がどの程度組まれるかは,公開資料からは確認できない(Unknown)。
管内に支部があることから,支部へ移動する頻度を推測することもできない。

6 三機関の間の移動と自動車

前記1のとおり,三機関の交通案内は,いずれも福島駅から市内循環バスを使う経路を挙げている。
三機関の間の日常の移動は徒歩又はバスで足りると考えられるが(Inference),弁護修習の配属先の事務所が郡山市その他の福島市外にある場合や,支部での修習が組まれた場合の移動手段は,公開資料からは分からない。
平成23年の要望書は,福島市と郡山市の間を在来線でおよそ1時間,新幹線で15分前後としているが(Source statement),現在の運行本数,所要時間及び運賃は,配属後に交通事業者の案内で確認する必要がある。
自動車が必要か否かを一律に判断できる公開資料は確認できなかったため,自動車の保有を前提に契約又は購入をする前に,配属先の案内を確認するのが相当である。
自動車を使う場合は,後記第8の1のとおり冬期の積雪と路面凍結への備えが必要になる。

第7 住居,家賃及び修習給付金

1 住居の確保

令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁は,第79期について,「指定された実務修習地における住居の確保は、各自で行うことになっています。」としている。
第80期について同じ記載があるかは,第80期の手引きで確認する必要がある。
福島に司法修習生用の寮が用意されることを示す公開資料は確認できなかった。
福島修習の場合,令和9年4月13日の分野別実務修習の開始に間に合うように住居を確保することになる。

2 住居を探す地域

三機関はいずれも福島市の中心部の周辺にあり,交通案内はいずれも福島駅からの市内循環バスを挙げているため,福島駅と同バスの路線を基準に考えるのが,通勤の負担を考える際の一つの目安になる(Inference)。
ただし,弁護修習の配属先の事務所の所在地は人によって異なり,平成23年当時のように郡山市の事務所に配属される可能性も否定できないため,三機関の位置だけで住居の候補を決めることはできない。
配属先の案内を受けてから住居を決められるかどうかは,第80期の通知の時期によるため,配属庁会の案内で確認する必要がある。

3 家賃

総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査(調査時点は令和5年10月1日)の第112-2表によれば,民営借家(専用住宅)の1か月当たり家賃の平均は,福島市が5万0512円(家賃0円を含む。家賃0円を含まない平均は5万1042円)である。
同じ区分の郡山市の平均は5万2642円,福島県の平均は5万0491円,全国の平均は6万4819円である(いずれも家賃0円を含む。)。
共益費・管理費は別の欄で集計されており,福島市の民営借家の平均は1823円(0円を含む。)である。
これは入居中の借家全体の平均であり,間取りや築年数を区別したものではなく,修習生が新たに借りる物件の募集賃料とも異なる。

参考として,民間の賃貸情報サイトであるYahoo!不動産の福島市の家賃相場を令和8年10月5日に閲覧したところ,掲載物件全体の平均賃料は5.5万円(3119件),一人暮らし向けの平均賃料は5.2万円,間取り別ではワンルーム4.8万円,1K4.6万円,1DK4.2万円,1LDK6.3万円であった(Source statement)。
同サイトは掲載中の物件から平均賃料を算出したものとしており,管理費を含むか否かの表示はなく,掲載物件の入替えにより数値は変わる。

物件を選ぶ際には,表示家賃だけでなく,次の点を確認する必要がある。
①管理費,暖房費その他の冬期の光熱費
②暖房設備,断熱及び水道管の凍結対策
③三機関それぞれへの経路(バスの路線と停留所からの距離)と,積雪時の所要時間
④駐車場代及び冬用タイヤの費用(自動車を使う場合)と,駐車場の除雪の担当
⑤家具家電,短期解約違約金,更新費用及び退去費用
⑥住居給付金の要件(契約名義,家賃負担及び届出期限)を満たすかどうか

4 修習給付金と集合修習の期間の住居

裁判所法67条の2第2項は,修習給付金の種類を基本給付金,住居給付金及び移転給付金とする。
最高裁判所の司法修習生の修習給付金についてによれば,基本給付金は給付期間ごとに13万5000円,住居給付金は給付期間ごとに3万5000円である。
住居給付金は定額であり,これを超える家賃は各自の負担となる。

司法研修所事務局総務課・経理課の修習給付金案内(第79期)によれば,住居届(新規)の届出期限は要件を具備した日から7日以内(初日不算入)であり(7頁),7日を経過した後に届け出たときは,届出を受理した日の属する給付期間の次の給付期間から支給が開始される(8頁)。
同案内21頁は,ウィークリーマンション等であっても,生活の本拠としたと認め得る程度に長期間居住した場合は支給される場合があるとし,親名義の賃貸借契約は原則として要件を満たさないが,例外的に支給される場合があるとしている。

福島がB班となる場合,集合修習は修習の最後に司法研修所で行われる。
同案内7頁は,集合修習の期間について,その間に対象住宅の賃貸借契約を継続し,かつ集合修習の終了後に対象住宅に戻って居住する場合に限り,司法研修所の寮に入寮する者は例外的に届出が不要となり,自宅,実家,配偶者の所有する住宅等に居住する者は「変更」の届出をするとした上で,これらの期間は住居給付金の支給対象にならないとしている。
B班の場合,集合修習の後に福島へ戻って修習することはないため,集合修習の期間中も福島の住居を維持すると,住居給付金を受けられないまま家賃を負担することになると考えられる(Inference)。
福島がA班となった場合は,集合修習の後に福島へ戻って選択型実務修習を行うため,同じ7頁の取扱いがそのまま問題になる。
福島の住居をいつ解約するかは,選択型実務修習の終了日,移動日,解約予告期間及び集合修習中の住居の確保方法によって異なり,第80期の案内で確認する必要がある。

第80期の修習給付金関係の案内は,選考要項(PDF3頁)によれば令和9年1月中旬に掲載される予定である。
制度の詳細は司法修習生の住居給付金及び司法修習生の移転給付金で扱っている。
修習給付金の支給を受けてもなお必要な資金は,裁判所法67条の3の修習専念資金(無利息の貸与)の対象となり,選考要項(PDF3頁)によれば第80期の修習専念資金の案内は令和8年11月上旬に掲載される予定である。

5 導入修習期間中の入寮

導入修習は司法研修所(埼玉県和光市)で行われ,希望者は入寮を申し込む。
第72期の司法研修所からのお知らせ13頁~14頁は,入寮希望者が多い場合の取扱いとして,実務修習地が東京,立川及びさいたまとなる者を各実務修習地に住居を有するものとみなすとしていたが,福島はこの3庁に含まれていない。
これは第72期の扱いであり,第80期の入寮の取扱いは,申込み後に示される案内で確認する必要がある(Unknown)。

第8 気象条件と就職情報

1 東京との気象条件の比較

(1) 比較表

気象庁の平年値(統計期間1991年~2020年)により,観測地点「福島」と観測地点「東京」を同じ要素・単位で比べると,次のとおりである。
観測地点と出典は後記(4)に記載した。

気象要素福島東京福島と東京の差・生活上の意味
年平均気温(℃)13.415.8福島が2.4度低い
1月の平均気温(℃)1.95.4福島が3.5度低い
1月の日最高・日最低気温の月平均(℃)5.8/-1.59.8/1.2昼の最高気温は福島が4.0度,朝の最低気温は2.7度低い
8月の平均気温(℃)25.526.9福島が1.4度低い
8月の日最高・日最低気温の月平均(℃)30.5/21.931.3/23.5夜の最低気温は福島が1.6度低い
日最高気温30℃以上の日数(年)47.1日52.1日福島が約5日少ない
日最高気温35℃以上の日数(年)9.2日4.8日福島が東京の約2倍
日最低気温0℃未満の日数(年)67.3日15.2日福島が約52日多い
年間降水量(mm)1207.01598.2福島が約391ミリメートル少ない(約0.76倍)
7月・9月・10月の降水量(mm)177.7・167.6・138.7156.2・224.9・234.8福島は7月が年間で最も多く,9月・10月は東京より少ない
年間日照時間(時間)1753.81926.7福島が173時間短い
1月の日照時間(時間)132.2192.6福島が60時間短い
年間の降雪の深さの合計・最深積雪(cm)122/268/6福島は降雪が東京の約15倍
積雪の深さ1cm以上の日数(年)38.7日2.8日福島は1月に15.8日(東京1.4日)

(2) 冬・夏の違いと生活への影響

冬は,1月の平均気温が東京より3.5度低く,日最高気温の月平均は5.8度,日最低気温の月平均は-1.5度である。
日最低気温が0℃未満となる日は年67.3日(東京15.2日)あり,1月だけで22.8日(東京8.1日)である。
降雪の深さの合計は年122センチメートルで,月別では1月49センチメートル,2月34センチメートル,12月24センチメートル,3月14センチメートルである。
積雪の深さが1センチメートル以上の日は年38.7日で,1月15.8日,2月11.6日,12月6.7日,3月4.5日である。
1月の日照時間は東京より約60時間短く,1月の相対湿度は68%で東京(51%)より高い。

夏は,8月の平均気温(25.5度)と日最高気温の月平均(30.5度)が東京よりやや低く,日最高気温30℃以上の日数も年47.1日と東京(52.1日)より少ない。
他方,日最高気温35℃以上の日数は年9.2日と東京(4.8日)の約2倍であり,8月だけで5.4日(東京3.0日)ある。
8月の日最低気温の月平均は21.9度で東京(23.5度)より低い。

雨については,年間降水量が東京より約391ミリメートル少なく,月別で最も多いのは7月(177.7ミリメートル)である。
7月は東京(156.2ミリメートル)より多いが,9月(167.6ミリメートル)と10月(138.7ミリメートル)は東京(224.9ミリメートル,234.8ミリメートル)より少ない。

これらの統計からは,福島修習では次の点への備えが中心になると考えられる(Inference)。
①12月から3月までの降雪・積雪と朝の路面凍結を前提とした,冬靴・防寒具と通勤経路(バスの遅れを見込んだ時間)
②暖房設備と断熱,水道管の凍結対策及び冬期の光熱費
③自動車を使う場合の冬用タイヤと除雪
④夏の猛暑日に備えた冷房と,日中の移動時の暑さ対策
第80期の日程表では,第1クールが令和9年4月13日から始まり,B班となった場合の選択型実務修習は12月と翌年1月上旬に当たるため,降雪期の通勤は選択型実務修習の期間の問題となる。
平年値は個々の日の気温や大雪を示すものではなく,年により大雪や低温となることがある点にも留意を要する。

(3) 管内の他の地点と近隣の修習地の雪

管内の支部の所在地は,福島市と気象条件が同じではない。
また,福島の雪の量を東北地方その他の修習地と比べるため,気象庁の観測地点ごとの平年値(統計期間1991年~2020年)を並べると,次のとおりである。

観測地点降雪の深さの合計(年,cm)最深積雪(年,cm)積雪の深さ1cm以上の日数(年)
福島1222638.7日
若松(会津若松市)3285978.0日
白河902534.0日
仙台591622.7日
山形2855182.0日
盛岡2093679.7日
秋田2733774.9日
青森567101112.7日
新潟1393238.5日
宇都宮1896.5日
水戸1274.1日
東京862.8日

会津若松支部のある会津若松市の観測地点「若松」は,降雪の深さの合計が福島の約2.7倍であり,会津若松方面へ移動する場合には福島の平年値をそのまま当てはめることはできない。
白河は,降雪の深さの合計が福島より少なく,最深積雪は福島と同程度である。
東北地方の他の修習地と比べると,福島は仙台より雪が多く,山形,盛岡,秋田及び青森より少ない。
第79期に同じB班3組であった修習地の中では,新潟が福島と同程度の雪であり,宇都宮及び水戸は東京に近い。
郡山支部のある郡山市の雪の平年値は,本記事では確認していない(Unknown)。

(4) 観測地点・統計期間と未確認値の扱い

福島の値は,気象庁の観測地点「福島」(福島県福島市。北緯37度45.5分,東経140度28.2分,標高67.1m)の,福島の平年値(主な要素),同(降水量),同(気温),同(日照時間)及び同(雪)による。
東京の値は,観測地点「東京」(北緯35度41.5分,東経139度45.0分,標高25.2m)の,東京の平年値(主な要素),同(降水量),同(気温),同(日照時間)及び同(雪)による。
前記(3)の表の他の地点の値は,各観測地点の平年値(雪)のページ(若松,白河,仙台,山形,盛岡,秋田,青森,新潟,宇都宮,水戸)による。
「若松」は会津若松市にある観測地点(北緯37度29.3分,東経139度54.6分,標高211.7m),「白河」は白河市にある観測地点(北緯37度07.9分,東経140度12.9分,標高355m)である。
いずれも統計期間は1991年~2020年(資料年数30年)であり,令和8年10月5日に確認した。
本記事では,福島と東京について,主な要素の表と要素別の表の同じ列の値が一致することを確かめた上で用いた。

雪の表では,降雪の深さ(新たに降った雪の量)と最深積雪(積もった雪の深さ)は別の要素であり,日数の欄も,降雪の深さの日合計が1cm以上の日数と,最深積雪が1cm以上の日数とに分かれている。
本記事の積雪の深さ1cm以上の日数は,後者の値である。
福島の最深積雪が0cm以上の日数の欄(年45.0日)には参考値であることを示す「@」が付いているため,本記事では比較に用いていない。
福島の降雪の深さの合計と最深積雪は,5月から10月までの欄に値の代わりに横線が表示されており,本記事では横線を0として扱っていない。
東京の雪の欄で値の代わりに横線が表示されている月(夏を中心とする月)も,0として扱っていない。

2 就職に関する行事

福島県弁護士会のウェブサイトでは,令和8年10月5日現在,サイト内検索(「修習」「司法修習生」「就職」「説明会」)の結果を確認した限り,司法修習生向けの就職説明会や求人求職の案内は確認できなかった(Unknown)。
検索で出てきた司法修習に関する記事は,給費制や修習手当に関する会長声明等と,前記第4の7(2)の要望書であった。

全国向けの行事としては,東京弁護士会の東京三弁護士会司法修習予定者等就職合同説明会のページによれば,令和8年は「第79期司法修習生および第80期司法修習生予定者等全国就職合同説明会」として,東京三弁護士会が日本弁護士連合会及び関東弁護士会連合会と共催し,同年11月26日から同月30日まで,オンラインで開催される。
同ページは,東京以外に所在する法律事務所は所属する弁護士会から参加を申し込むものとしている。
また,日本弁護士連合会は,第80期司法修習予定者対象の就職活動セミナーを,令和8年11月21日に弁護士会館とZoomの併用で開催するとしている。

第9 公開資料で確認できない事項

本記事が調査した公開資料の範囲では,次の事項は確認できない。
①第80期の福島のA班・B班の区分及び司法研修所の組(第80期の手引き等の公表待ち)
②第80期の福島の配属人数
③第80期の希望者数,希望倍率及び配属確率
④第80期の福島の現地班の数,巡回順序,各クールの配属部,指導担当者及び登庁時刻
⑤第77期の検察修習及び弁護修習の行事の内容
⑥第77期の各班の人数
⑦第77期の日程表の座談会及び裁判員裁判の書込みの具体的な内容
⑧第80期の選択型実務修習の福島のプログラムの一覧
⑨第77期と第80期との間の運用の変更内容
⑩弁護修習の個別の配属先及びその所在地(郡山支部の会員の事務所への配属が現在も行われているか,その決め方と交通費の補助を含む。)
⑪郡山その他の支部での修習の有無及び頻度
⑫第80期の導入修習及び集合修習の期間中の入寮の取扱い
⑬第80期の修習給付金の給付期間及び届出の具体的な方法
⑭福島県弁護士会の第80期向けの就職説明会の有無
⑮郡山市の雪の平年値と,福島市と郡山市の間の現在の所要時間・運賃
⑯司法研修所の組で福島の相手(山形又は新潟)が期によって入れ替わる理由

これらは,第80期の手引き,配属庁会からの連絡及び福島県弁護士会の案内で確認することになる。
「確認できない」は,「存在しない」という意味ではない。

第10 出典,参考資料及び関連記事

1 法令及び規則

①裁判所法(昭和22年法律第59号)14条・66条・67条・67条の2・67条の3(e-Gov法令検索,令和8年10月5日確認)

②司法修習生に関する規則(昭和23年最高裁判所規則第15号)1条・3条・5条・7条~10条(本ブログ掲載の条文)

③法務省検察庁事務章程(昭和60年法務省訓令第1号。令和8年4月8日法務省訓令第1号による改正後のもの)別表第1・別表第3・別表第6(PDF6頁・11頁・13頁)

2 最高裁判所及び司法研修所の資料

①最高裁判所司法修習の概要

②最高裁判所司法修習生採用選考(令和8年10月5日確認)

③最高裁判所令和8年度司法修習生採用選考要項(令和8年9月4日)PDF2頁~3頁

④最高裁判所令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁・6頁

⑤最高裁判所司法修習生の修習給付金について

⑥司法研修所事務局総務課・経理課修習給付金案内(第79期)7頁・8頁・21頁

⑦司法研修所事務局長司法研修所からのお知らせ(平成30年8月1日,第72期)2頁・6頁・8頁・13頁~14頁

⑧司法研修所事務局長令和5年度(第77期)司法修習生の修習開始等について(令和6年2月7日)PDF12頁・17頁

⑨司法研修所事務局長令和6年度(第78期)司法修習生の修習開始等について(令和7年2月4日)PDF12頁・17頁

⑩第80期 修習日程(教官会議資料2。鑑文なし)

⑪最高裁判所裁判所データブック202630頁(PDF35頁)

3 開示文書,答申及び不開示通知

①司法研修所の教官担当表:第79期(令和8年4月17日付)・第78期(令和7年8月5日付)・第77期(令和6年8月2日現在)

②最高裁判所第79期司法修習生配属現員表(令和8年3月19日現在)・第78期司法修習生配属現員表(令和7年3月19日現在)ほか,前記第3の1の表の各期の配属現員表

③司法研修所実務修習希望地順位調査表等(人気調査)(56期~69期)17頁・19頁~23頁及び実務修習希望地調査表(69期)

④第77期福島修習の実務修習日程(PDF1頁~4頁・9頁~15頁が福島,5頁~8頁は山形)・第77期山形修習の実務修習日程・第77期実務修習の日程(全国版)PDF191頁~198頁・327頁~329頁・432頁~433頁・549頁~550頁

⑤福島地方裁判所長第77期司法修習生配属表(令和6年4月1日)・第76期司法修習生配属表(令和4年12月1日ほか,PDF1頁~3頁)・第71期司法修習生配属表(平成29年12月6日,PDF1頁~2頁)

⑥福島地方裁判所令和6年度における福島地方裁判所の本庁及び支部並びに管内簡易裁判所の裁判官の配置等(令和6年4月12日応急措置)PDF1頁

⑦法務省大臣官房人事課長検察庁の職員の配置定員について(令和8年4月8日付法務省人定第16号)別表第3(PDF4頁)

⑧情報公開・個人情報保護審査委員会平成29年4月28日答申(平成29年度(最情)答申第1号)2頁~3頁

⑨情報公開・個人情報保護審査委員会令和元年8月23日答申(令和元年度(最情)答申第40号)2頁

⑩情報公開・個人情報保護審査委員会平成30年3月23日答申(平成29年度(情)答申第21号)

⑪最高裁判所事務総長の司法行政文書不開示通知書:令和8年1月19日(最高裁秘書第3778号)・令和8年3月18日(最高裁秘書第782号)・令和8年5月20日(最高裁秘書第1657号)

4 福島の裁判所,検察庁及び弁護士会の案内

①福島地方裁判所管内の裁判所の所在地・福島地方裁判所・福島家庭裁判所・福島簡易裁判所の所在地(令和8年10月5日確認)

②福島地方検察庁・管内検察庁の所在地・交通アクセス(令和8年10月5日確認)

③福島県弁護士会のアクセス・県内各支部のご紹介(令和8年10月5日確認)

④福島県弁護士会要望書(裁判所及び検察庁の各郡山支部で司法修習生の実務修習を実施する件)(2011年(平成23年)7月5日,PDF1頁~5頁)

⑤東京弁護士会東京三弁護士会司法修習予定者等就職合同説明会

⑥日本弁護士連合会【第80期司法修習予定者対象】就職活動セミナー

5 統計・データ

①日本弁護士連合会弁護士会別弁護士数とその内訳(2025年3月31日現在)

②気象庁福島 平年値(年・月ごとの値)主な要素・東京 平年値(年・月ごとの値)主な要素(統計期間1991年~2020年。降水量・気温・日照時間・雪の詳細及び他の地点の雪は前記第8の1(4)の各ページ)

③総務省統計局令和5年住宅・土地統計調査第112-2表(e-Stat)

④Yahoo!不動産「福島市の家賃相場」(令和8年10月5日閲覧の民間サイトの集計)

6 本ブログ掲載の集計資料

①司法修習生配属現員表(48期以降)

②司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)

③司法修習の場所ごとの第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)

④司法修習の場所ごとの倍率等の一覧表(第69期)

7 関連記事

福島を他の候補地と比較する場合は,東北の司法修習の場所を比較する記事を参照されたい。
仙台・福島・山形・盛岡・秋田・青森について,裁判所・検察庁・弁護士会の所在地,通勤,東京と同じ期間の気象庁平年値,住居費及び和光市への移動を整理している。
正式な修習先と当該期の案内を確認するための生活面の比較であり,配属可能性を予測するものではない。

①第80期司法修習の日程・第79期司法修習の日程

②80期司法修習の希望地申告・司法修習の場所―全国51の実務修習地一覧と選び方・実務修習地の希望倍率―過去の統計と第2希望選びの限界

③実務修習地とクラスの対応関係・司法研修所の教官担当表

④修習開始時点における司法修習生の人数の推移

⑤司法修習とは・集合修習とは・選択型実務修習とは・選択型実務修習の運用ガイドライン

⑥民事裁判修習・刑事裁判修習・検察修習・弁護修習

⑦司法修習生の住居給付金・司法修習生の移転給付金

⑧各地の検察庁の執務規程・法務省の定員に関する訓令及び通達

⑨同じB班3組(第79期)の修習地:水戸修習の情報・宇都宮修習の情報・新潟修習の情報

⑩同じB班3組(第77期・第78期)の修習地:山形修習の情報

⑪仙台高等裁判所管内の修習地:仙台修習の情報・盛岡修習の情報・秋田修習の情報・青森修習の情報