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実務修習地の希望倍率―過去の統計と第2希望選びの限界(AIリライト)

第1 この希望倍率表から分かること

1 対象は新第63期から第69期の過去の資料である

本記事は,新第63期から第69期までの希望倍率を歴史資料として読むためのものである。現在の司法修習地の人気順,配属確率又は第2希望の安全性を示す表ではない。
倍率が1未満であっても,希望者全員が配属されたことや,今後も希望が通ることまでは分からない。

倍率の分母は当該期・当該地の配属人数,分子は当該地の希望者数である。第1希望の倍率と,第1希望者・第2希望者を合計した倍率を分けて読む。
配属人数そのもの,希望者数と配属先を結び付けた結果,及び各人の配属確率は別の情報である。

2 集計表と原資料を区別する

以下の数値は,本ブログの著者が作成した2種類の倍率推移表に掲載された各期の値に基づく。司法研修所の原資料と同じ文書ではない。
原資料への入口は,全国の実務修習地一覧と配属資料の読み方に掲載している。

倍率推移表は各期の倍率を小数第2位まで表示している。本記事の7期平均は,その表示済みの7個の倍率の単純平均を小数第3位で四捨五入した値である。7期分の希望者数を合計して7期分の配属人数で割った倍率ではなく,丸め前の人数による平均とも区別する。

第2 第69期の倍率と7期平均

表の各セルは「第69期の倍率 / 新第63期から第69期までの表示値の単純平均」である。いずれも単位は倍であり,割合や合格率ではない。
過去のA・B・C分類から配属先を勧める使い方はできないため,表は倍率の数値を示す。

実務修習地第1希望:69期 / 7期平均第1・第2希望:69期 / 7期平均
東京高裁管内・東京1.36 / 1.442.19 / 2.33
東京高裁管内・立川3.67 / 3.886.92 / 8.42
東京高裁管内・横浜2.18 / 2.194.60 / 4.54
東京高裁管内・さいたま1.29 / 1.323.82 / 3.83
東京高裁管内・千葉1.02 / 1.112.23 / 2.41
東京高裁管内・水戸0.50 / 0.540.93 / 1.00
東京高裁管内・宇都宮0.45 / 0.612.00 / 1.89
東京高裁管内・前橋0.26 / 0.491.17 / 1.22
東京高裁管内・静岡1.65 / 1.253.04 / 3.01
東京高裁管内・甲府1.00 / 0.832.27 / 2.51
東京高裁管内・長野0.73 / 0.771.53 / 1.50
東京高裁管内・新潟0.48 / 0.590.71 / 0.95
大阪高裁管内・大阪0.71 / 0.911.25 / 1.52
大阪高裁管内・京都1.74 / 1.513.53 / 3.13
大阪高裁管内・神戸1.31 / 1.323.28 / 3.36
大阪高裁管内・奈良1.23 / 0.812.36 / 2.09
大阪高裁管内・大津0.68 / 0.672.36 / 2.48
大阪高裁管内・和歌山0.05 / 0.180.36 / 0.50
名古屋高裁管内・名古屋1.08 / 1.111.64 / 1.65
名古屋高裁管内・津0.26 / 0.250.79 / 0.67
名古屋高裁管内・岐阜0.24 / 0.332.48 / 2.68
名古屋高裁管内・福井0.38 / 0.270.63 / 0.50
名古屋高裁管内・金沢0.94 / 0.732.53 / 1.41
名古屋高裁管内・富山0.75 / 0.471.00 / 0.77
広島高裁管内・広島0.86 / 0.681.50 / 1.15
広島高裁管内・山口0.11 / 0.140.17 / 0.30
広島高裁管内・岡山0.44 / 0.490.69 / 0.91
広島高裁管内・鳥取0.13 / 0.220.25 / 0.38
広島高裁管内・松江0.25 / 0.350.38 / 0.46
福岡高裁管内・福岡1.57 / 1.462.65 / 2.29
福岡高裁管内・佐賀0.00 / 0.261.88 / 1.85
福岡高裁管内・長崎0.19 / 0.280.44 / 0.51
福岡高裁管内・大分0.16 / 0.100.21 / 0.26
福岡高裁管内・熊本0.68 / 0.572.08 / 1.80
福岡高裁管内・鹿児島0.37 / 0.270.53 / 0.50
福岡高裁管内・宮崎0.33 / 0.190.60 / 0.34
福岡高裁管内・那覇1.14 / 1.051.59 / 1.64
仙台高裁管内・仙台0.93 / 1.051.56 / 1.86
仙台高裁管内・福島0.25 / 0.250.58 / 0.70
仙台高裁管内・山形0.45 / 0.360.82 / 0.67
仙台高裁管内・盛岡0.14 / 0.180.14 / 0.35
仙台高裁管内・秋田0.10 / 0.060.20 / 0.18
仙台高裁管内・青森0.00 / 0.170.14 / 0.29
札幌高裁管内・札幌1.38 / 1.101.94 / 1.63
札幌高裁管内・函館0.29 / 0.300.86 / 0.87
札幌高裁管内・旭川0.13 / 0.100.50 / 1.26
札幌高裁管内・釧路0.00 / 0.140.00 / 0.18
高松高裁管内・高松0.48 / 0.450.76 / 0.88
高松高裁管内・徳島0.25 / 0.130.42 / 0.18
高松高裁管内・高知0.07 / 0.080.20 / 0.17
高松高裁管内・松山0.10 / 0.230.25 / 0.39

1 単年と平均の違い

奈良の第1希望倍率は第69期が1.23倍,7期平均が0.81倍である。仙台は第69期が0.93倍,7期平均が1.05倍である。
一つの期だけを選ぶか,過去の平均を見るかによって,1倍を上下する評価が変わる。どちらを選んでも現在の配属を保証する資料にはならない。

2 平均列を使うときの注意

元の倍率推移表の平均列と,本記事で表示済みの7個の倍率から再計算した平均は一致しない場合がある。岐阜の第1希望は,表示値0.24,0.28,0.44,0.54,0.25,0.32,0.24の合計が2.31であり,単純平均は2.31÷7=0.33倍となる。元表の平均列0.33倍と一致する。
本表では計算方法を固定して再計算した値を用いる。個別の人数を必要とする場合は,元の希望地調査表と配属人数を確認する必要がある。

第3 第70期の不開示答申が示す範囲

平成29年度(最情)答申第1号は,第70期の実務修習希望地調査表を作成又は取得していないとして不開示とした判断を妥当とした。
最高裁判所事務総長の説明として,第69期までは参考資料として調査表を作成していたが,利用状況と事務の合理化を踏まえ,第70期については作成しないことにした経緯が記載されている(答申書2頁~3頁)。

同答申が判断した対象は,第70期の特定の調査表である。これだけで後のすべての期の希望情報が存在しないと断定することはできない。
また,同答申には,各人の希望を基本として諸般の事情を考慮する旨の説明があるが,第80期の入力規則,人数配分又は事情の優先順位を確定する資料ではない。

第4 第2希望を考えるときに先に確認すること

1 当該期の入力規則を確認する

第2希望以降を含む希望数,記載できる地域の組合せ,一任の扱い及び事情説明の方法は,当該期の要項・手引・入力要領で確認する。
過去の群分けや紙の調査書の記載例を,現在のオンライン申込みへそのまま適用することはできない。

2 生活上の条件を希望順位へ結び付ける

住居,通勤,家族の事情,医療,転居費,修習日程及び就職活動を整理し,自分が生活できる候補地を比較する。
第2希望だからという理由で,生活上の制約を満たさない場所を選ぶべきではない。

比較の方法は,司法修習の場所と修習地の選び方及び第80期の希望地申告で説明している。
住居費と転居費は,住まい選び及び生活費と資金計画を参照されたい。

第5 出典・関連記事

①平成29年度(最情)答申第1号(全文4頁。対象文書,第70期の不作成の説明及び委員会の判断)
②司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)(本ブログ著者の集計表。新第63期から第69期までの掲載値を使用)
③司法修習の場所ごとの第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)(同上)
④司法修習とは
⑤実務修習地の配属資料と原表への案内