第2希望の実務修習地の選び方


目次

第0 総論
第1 東京高裁管内の第2希望地の選び方
第2 大阪高裁管内の第2希望地の選び方
第3 名古屋高裁管内の第2希望地の選び方
第4 広島高裁管内の第2希望地の選び方
第5 福岡高裁管内の第2希望地の選び方
第6 仙台高裁管内の第2希望地の選び方
第7 札幌高裁管内の第2希望地の選び方
第8 高松高裁管内の第2希望地の選び方
第9 関連記事その他

第0 総論
1 69期司法修習生の修習希望地の倍率を基準として,実務修習地(司法修習の場所)を以下のとおりランキングしています。
① Aランク
第1希望だけで配属人数を超えた実務修習地
② Bランク
第1希望及び第2希望の合計だけで配属人数を超えた実務修習地
③ Cランク
Aランク及びBランク以外の実務修習地
2 第2希望の分類は以下のとおりです。
① 妥当な選択(=おすすめの選択)
第1希望地への交通の便が良く,ほぼ確実に第2希望地以内に配属してもらえる選択です。
② リスクある選択
リスクがあるものの,第1希望地への交通の便がいいところに配属してもらおうとする選択です。
③ 安全な選択
第1希望地への交通の便は譲歩するものの,ほぼ確実に第2希望地以内に配属してもらえる選択です。
3 元データについては,「実務修習地の選び方」を参照してください。


第1 東京高裁管内の第2希望地の選び方
1 第1希望地が東京修習(Aランク)である場合

・ リスクある選択は,立川修習,横浜修習,さいたま修習若しくは千葉修習(いずれもAランク)又は甲府修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は水戸修習又は新潟修習です(いずれもCランク)。
2 第1希望地が立川修習(Aランク)である場合
・ リスクある選択は東京修習,横浜修習若しくはさいたま修習(いずれもAランク)又は甲府修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は水戸修習又は新潟修習です(いずれもCランク)。
3 第1希望地が横浜修習(Aランク)である場合
・ リスクある選択は東京修習,立川修習若しくは静岡修習(いずれもAランク)又は甲府修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は水戸修習又は新潟修習です(いずれもCランク)。
4 第1希望地がさいたま修習(Aランク)である場合
・ リスクある選択は東京修習,立川修習若しくは横浜修習(いずれもAランク)又は甲府修習,宇都宮修習若しくは前橋修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は水戸修習又は新潟修習です(いずれもCランク)。
5 第1希望地が千葉修習(Aランク)である場合
・ リスクある選択は東京修習,立川修習若しくは横浜修習(いずれもAランク)又は甲府修習,宇都宮修習若しくは前橋修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は水戸修習又は新潟修習です(いずれもCランク)。
6 第1希望地が水戸修習(Cランク)である場合
・ 周りの修習地はAランク又はBランクであるのに対し,水戸修習はCランクですから,第2希望を書いても仕方がないです。
7 第1希望地が宇都宮修習(Bランク)である場合
・ リスクある選択は東京修習又はさいたま修習(いずれもAランク)です。
・ 安全な選択は福島修習(Cランク)です。
8 第1希望地が前橋修習(Bランク)である場合
・ リスクある選択はさいたま修習(Aランク)です。
・ 安全な選択は新潟修習(Cランク)です。
9 第1希望地が静岡修習(Aランク)である場合
・ リスクある選択は横浜修習,名古屋修習又は東京修習(いずれもAランク)です。
・ 安全な選択は特にありません。
10 第1希望地が甲府修習(Bランク)である場合
・ リスクある選択は東京修習若しくはさいたま修習(いずれもAランク)又は長野修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は特にありません。
11 第1希望地が長野修習(Bランク)である場合
・ 妥当な選択は富山修習(Cランク)です。
12 第1希望地が新潟修習(Cランク)である場合
・ 妥当な選択は富山修習又は山形修習(いずれもCランク)です。

第2 大阪高裁管内の第2希望地の選び方 1 第1希望地が大阪修習(Bランク)である場合

・ リスクある選択は京都修習,神戸修習若しくは奈良修習(いずれもAランク)又は大津修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は和歌山修習又は岡山修習(いずれもCランク)です。
2 第1希望地が京都修習(Aランク)である場合
・ リスクある選択は奈良修習(Aランク),又は大阪修習,大津修習若しくは岐阜修習(いずれもBランク)です。
・ 安全な選択は福井修習(Cランク)です。
3 第1希望地が神戸修習(Aランク)である場合
・ リスクある選択は京都修習(Aランク)又は大阪修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は岡山修習(Cランク)です。
4 第1希望地が奈良修習(Aランク)である場合
・ リスクある選択は京都修習(Aランク)又は大阪修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は津修習(Cランク)です。
5 第1希望地が大津修習(Bランク)である場合
・ リスクある選択は京都修習若しくは名古屋修習(いずれもAランク),又は大阪修習若しくは岐阜修習(いずれもBランク)です。
・ 安全な選択は福井修習又は津修習(いずれもCランク)です。
6 第1希望地が和歌山修習(Cランク)である場合
・ リスクある選択は奈良修習(Aランク)又は大阪修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は津修習(Cランク)です。

第3 名古屋高裁管内の第2希望地の選び方 1 第1希望地が名古屋修習(Aランク)である場合

・ リスクある選択は静岡修習(Aランク)又は岐阜修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は津(Cランク)です。
2 第1希望地が津修習(Cランク)である場合
・ リスクある選択は名古屋修習若しくは奈良修習(いずれもAランク),又は大阪修習若しくは岐阜修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は和歌山修習(Cランク)です。
3 第1希望地が岐阜修習(Bランク)である場合
・ リスクある選択は名古屋修習(Aランク)又は大津修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は福井修習(Cランク)です。
4 第1希望地が福井修習(Cランク)である場合
・ リスクある選択は岐阜修習又は金沢修習(いずれもBランク)です。
・ 安全な選択は富山修習(Cランク)です。
5 第1希望地が金沢修習(Bランク)である場合
・ 妥当な選択は福井修習又は富山修習(いずれもCランク)です。
6 第1希望地が富山修習(Cランク)である場合
・ リスクある選択は長野修習又は金沢修習(いずれもBランク)です。
・ 安全な選択は福井修習(Cランク)です。

第4 広島高裁管内の第2希望地の選び方
1 第1希望地が広島修習(Bランク)である場合
・ 妥当な選択は岡山修習又は山口修習(いずれもCランク)です。
2 第1希望地が山口修習(ランク)である場合
・ リスクある選択は福岡修習(Aランク)又は広島修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は岡山修習(Cランク)です。
3 第1希望地が岡山修習(ランク)である場合
・ リスクある選択は神戸修習(Aランク)又は広島修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は高松修習(Cランク)です。
4 第1希望地が鳥取修習(ランク)である場合
・ 妥当な選択は岡山修習又は松江修習(いずれもCランク)です。
5 第1希望地が松江修習(ランク)である場合
・ 妥当な選択は岡山修習又は鳥取修習(いずれもCランク)です。

第5 福岡高裁管内の第2希望地の選び方
1 第1希望地が福岡修習(Aランク)である場合
・ リスクある選択は佐賀修習又は熊本修習(いずれもBランク)です。
・ 安全な選択は山口修習,長崎修習又は大分修習(いずれもCランク)です。
2 第1希望地が佐賀修習(Bランク)である場合
・ 妥当な選択は長崎修習(Cランク)です。
3 第1希望地が長崎修習(Cランク)である場合
・ リスクある選択は佐賀修習又は熊本修習(Bランク)です。
4 第1希望地が大分修習(Cランク)である場合
・ リスクある選択は福岡修習(Aランク)です。
5 第1希望地が熊本修習(Bランク)である場合
・ リスクある選択は福岡修習(Aランク)又は佐賀修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は鹿児島修習(Cランク)です。
6 第1希望地が鹿児島修習(Cランク)である場合
・ リスクある選択は熊本修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は宮崎修習(Cランク)です。
7 第1希望地が宮崎修習(Cランク)である場合
・ 妥当な選択は鹿児島修習(Cランク)です。
8 第1希望地が那覇修習(Aランク)である場合
・ 鹿児島新港から那覇港までフェリーで25時間ぐらいかかるみたいですから,他の修習地への移動は航空便となります。
    そのため,第2希望につき,Aランク又はBランクの修習地はリスクある選択となり,Cランクの修習地は安全な選択となることに留意しつつ,航空便の便利さで選択するしかないと思われます。

第6 仙台高裁管内の第2希望地の選び方 1 第1希望地が仙台修習(Bランク)である場合

・ 妥当な選択は福島修習又は盛岡修習(いずれもCランク)です。
2 第1希望地が福島修習(Cランク)である場合
・ リスクある選択は宇都宮修習又は仙台修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は山形修習(Cランク)です。
3 第1希望地が山形修習(Cランク)である場合
・ リスクある選択は仙台修習(Bランク)です。
・ 安全な選択は福島修習(Cランク)です。
4 第1希望地が盛岡修習(Cランク)である場合
・ 妥当な選択は青森修習(Cランク)です。
5 第1希望地が秋田修習(Cランク)である場合
・ 妥当な選択は盛岡修習(Cランク)です。
6 第1希望地が青森修習(Cランク)である場合
・ 妥当な選択は盛岡修習(Cランク)です。

第7 札幌高裁管内の第2希望地の選び方 1 第1希望地が札幌修習(Aランク)である場合

・ 妥当な選択は旭川修習(Cランク)です。
2 第1希望地が函館修習(Cランク)である場合
・ 妥当な選択は青森修習(Cランク)です。
3 第1希望地が旭川修習(Cランク)である場合
・ リスクある選択は札幌修習(Aランク)です。
・ 安全な選択は釧路修習(Cランク)です。
4 第1希望地が釧路修習(Cランク)である場合
・ リスクある選択は札幌修習(Aランク)です。
・ 安全な選択は旭川修習(Cランク)です。


第8 高松高裁管内の第2希望地の選び方

1 第1希望地が高松修習(Cランク)である場合
・ 妥当な選択は岡山修習又は徳島修習(いずれもCランク) です。
2 第1希望地が徳島修習(Cランク)である場合
・ 妥当な選択は高松修習(Cランク)です。
3 第1希望地が高知修習(Cランク)である場合
・ 妥当な選択は高松修習又は徳島修習(いずれもCランク)です。
4 第1希望地が松山修習(Cランク)である場合
・ 妥当な選択は高松修習(Cランク)です。

第9 関連記事その他
1 令和元年8月23日付の答申書によれば,「72期司法修習予定者の実務修習地を決定する際に作成した文書」は「第72期司法修習生採用選考申込者の実務修習地,組,出席番号及び修習班について(平成30年10月17日決裁)」(答申書がいうところの「本件開示文書」(=「本件名簿」及び「決裁票」))だけです。
2 一般旅券発給拒否処分の通知書に,発給拒否の理由として,「旅券法一三条一項五号に該当する。」と記載されているだけで,同号適用の基礎となった事実関係が具体的に示されていない場合,理由付記として不備であって,当該処分は違法です(最高裁昭和60年1月22日判決)が,実務修習地の決定理由が司法修習予定者に告知されることはありません。
3 以下の記事も参照してください。
・ 司法修習の場所を選ぶ際の基礎データ
・ 司法修習の場所とクラスの対応関係(67期以降)
・ 新65期以降の白表紙発送実績
→ 平成23年以降の司法試験合格者の合格直後の居住都道府県が分かります。
・ 実務修習地の決定方法等に関する国会答弁
→ 最高裁判所人事局長の国会答弁によれば,第1希望又は第2希望の実務修習地に配属される司法修習生の割合が重視されていますから,第2希望の実務修習地も慎重に記載する必要があると思われます。
・ 司法修習の希望場所の記載方法
・ 司法修習等の日程(70期以降の分)
・ 司法修習生の就職関係情報等が載ってあるHP及びブログ


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