第0 総論
1 この記事の資料的根拠
本記事のランキングは,山中弁護士が独自に集計した「第1希望の倍率」及び「第1希望から第2希望までの倍率」の推移(新63期から69期まで)を基礎資料とする。
第1希望の倍率は第1希望者数を配属人数で除した値であり,第1希望から第2希望までの倍率は第1希望者数と第2希望者数の合計を配属人数で除した値であって,いずれも小数第3位を四捨五入して算出したものである。
元データである司法研修所作成の実務修習希望地調査書・調査表そのもの,算出方法及び利用上の注意点は,実務修習地の決め方―希望順位,配属基準,人数,住居及び引越しで確認できる。
2 実務修習地のA・B・Cランク
以下の各高裁管内の助言は,69期の倍率を基準として実務修習地を次の3つに区分し,これを前提とする。
①Aランクは,第1希望だけで配属人数を超えた実務修習地である。
②Bランクは,第1希望及び第2希望の合計で配属人数を超えた実務修習地である。
③Cランクは,Aランク及びBランク以外の実務修習地である。
3 なぜ69期までのデータしかないか
司法研修所は,69期までは実務修習地を決定する際の参考資料として実務修習希望地調査表を作成していたが,実際の利用状況を踏まえた事務処理の見直しにより,第70期以降は同調査表を作成していない(最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会平成29年度(最情)答申第1号)。
第78期及び第79期についても,同様の理由による不開示通知が確認されている(最高裁判所事務総長「第78期司法修習予定者の実務修習希望地調査表に関する司法行政文書不開示通知書」令和8年1月19日付け最高裁秘書第3778号,「第79期司法修習予定者の実務修習希望地調査表に関する司法行政文書不開示通知書」令和8年3月18日付け最高裁秘書第782号)。
したがって,69期のデータは,現時点で確認できる最後の公式な希望動向資料である。
以上により,本記事のA・B・Cランクは,69期時点における相対的な希望動向を示すものであって,第79期以降の実際の応募倍率や配属確率を示すものではない点に留意されたい。
4 単年データを見るときの注意
69期の倍率は,あくまで単年(1期)のデータである。
実務修習地によっては年による変動が大きく,69期の数値だけでは新63期から69期までの全体的な傾向を代表しない場合がある。
下表は,実務修習地ごとに,69期の倍率と,新63期から69期までの7期平均の倍率を示したものである。
※印を付した奈良,仙台及び旭川は,69期の数値から導かれるランクと,7期平均から導かれるランクが異なる。
| 高裁管内 | 実務修習地 | 第1希望(69期) | 第1希望(7期平均) | 第1・第2希望(69期) | 第1・第2希望(7期平均) | 判定(69期) | 判定(7期平均) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京高裁管内 | 東京 | 1.36 | 1.44 | 2.19 | 2.32 | A | A |
| 東京高裁管内 | 立川 | 3.67 | 3.88 | 6.92 | 8.42 | A | A |
| 東京高裁管内 | 横浜 | 2.18 | 2.19 | 4.60 | 4.54 | A | A |
| 東京高裁管内 | さいたま | 1.29 | 1.32 | 3.82 | 3.83 | A | A |
| 東京高裁管内 | 千葉 | 1.02 | 1.11 | 2.23 | 2.41 | A | A |
| 東京高裁管内 | 水戸 | 0.50 | 0.53 | 0.93 | 1.00 | C | C |
| 東京高裁管内 | 宇都宮 | 0.45 | 0.61 | 2.00 | 1.89 | B | B |
| 東京高裁管内 | 前橋 | 0.26 | 0.49 | 1.17 | 1.22 | B | B |
| 東京高裁管内 | 静岡 | 1.65 | 1.25 | 3.04 | 3.01 | A | A |
| 東京高裁管内 | 甲府 | 1.00 | 0.83 | 2.27 | 2.51 | B | B |
| 東京高裁管内 | 長野 | 0.73 | 0.78 | 1.53 | 1.50 | B | B |
| 東京高裁管内 | 新潟 | 0.48 | 0.58 | 0.71 | 0.95 | C | C |
| 大阪高裁管内 | 大阪 | 0.71 | 0.91 | 1.25 | 1.52 | B | B |
| 大阪高裁管内 | 京都 | 1.74 | 1.51 | 3.53 | 3.13 | A | A |
| 大阪高裁管内 | 神戸 | 1.31 | 1.32 | 3.28 | 3.36 | A | A |
| 大阪高裁管内 | 奈良※ | 1.23 | 0.81 | 2.36 | 2.09 | A | B |
| 大阪高裁管内 | 大津 | 0.68 | 0.67 | 2.36 | 2.48 | B | B |
| 大阪高裁管内 | 和歌山 | 0.05 | 0.18 | 0.36 | 0.50 | C | C |
| 名古屋高裁管内 | 名古屋 | 1.08 | 1.10 | 1.64 | 1.65 | A | A |
| 名古屋高裁管内 | 津 | 0.26 | 0.25 | 0.79 | 0.67 | C | C |
| 名古屋高裁管内 | 岐阜 | 0.24 | 0.33 | 2.48 | 2.68 | B | B |
| 名古屋高裁管内 | 福井 | 0.38 | 0.27 | 0.63 | 0.50 | C | C |
| 名古屋高裁管内 | 金沢 | 0.94 | 0.73 | 2.53 | 1.41 | B | B |
| 名古屋高裁管内 | 富山 | 0.75 | 0.47 | 1.00 | 0.77 | C | C |
| 広島高裁管内 | 広島 | 0.86 | 0.68 | 1.50 | 1.15 | B | B |
| 広島高裁管内 | 山口 | 0.11 | 0.13 | 0.17 | 0.30 | C | C |
| 広島高裁管内 | 岡山 | 0.44 | 0.49 | 0.69 | 0.91 | C | C |
| 広島高裁管内 | 鳥取 | 0.13 | 0.21 | 0.25 | 0.38 | C | C |
| 広島高裁管内 | 松江 | 0.25 | 0.35 | 0.38 | 0.46 | C | C |
| 福岡高裁管内 | 福岡 | 1.57 | 1.46 | 2.65 | 2.29 | A | A |
| 福岡高裁管内 | 佐賀 | 0.00 | 0.26 | 1.88 | 1.84 | B | B |
| 福岡高裁管内 | 長崎 | 0.19 | 0.28 | 0.44 | 0.51 | C | C |
| 福岡高裁管内 | 大分 | 0.16 | 0.10 | 0.21 | 0.26 | C | C |
| 福岡高裁管内 | 熊本 | 0.68 | 0.57 | 2.08 | 1.80 | B | B |
| 福岡高裁管内 | 鹿児島 | 0.37 | 0.27 | 0.53 | 0.50 | C | C |
| 福岡高裁管内 | 宮崎 | 0.33 | 0.19 | 0.60 | 0.34 | C | C |
| 福岡高裁管内 | 那覇 | 1.14 | 1.05 | 1.59 | 1.64 | A | A |
| 仙台高裁管内 | 仙台※ | 0.93 | 1.05 | 1.56 | 1.86 | B | A |
| 仙台高裁管内 | 福島 | 0.25 | 0.25 | 0.58 | 0.70 | C | C |
| 仙台高裁管内 | 山形 | 0.45 | 0.37 | 0.82 | 0.67 | C | C |
| 仙台高裁管内 | 盛岡 | 0.14 | 0.18 | 0.14 | 0.35 | C | C |
| 仙台高裁管内 | 秋田 | 0.10 | 0.06 | 0.20 | 0.18 | C | C |
| 仙台高裁管内 | 青森 | 0.00 | 0.17 | 0.14 | 0.29 | C | C |
| 札幌高裁管内 | 札幌 | 1.38 | 1.10 | 1.94 | 1.63 | A | A |
| 札幌高裁管内 | 函館 | 0.29 | 0.30 | 0.86 | 0.87 | C | C |
| 札幌高裁管内 | 旭川※ | 0.13 | 0.10 | 0.50 | 1.26 | C | B |
| 札幌高裁管内 | 釧路 | 0.00 | 0.14 | 0.00 | 0.18 | C | C |
| 高松高裁管内 | 高松 | 0.48 | 0.45 | 0.76 | 0.88 | C | C |
| 高松高裁管内 | 徳島 | 0.25 | 0.13 | 0.42 | 0.18 | C | C |
| 高松高裁管内 | 高知 | 0.07 | 0.08 | 0.20 | 0.17 | C | C |
| 高松高裁管内 | 松山 | 0.10 | 0.23 | 0.25 | 0.39 | C | C |
奈良は,新63期から69期までの7期のうち,第1希望の倍率が1を超えるのは69期のみであり,他の6期の平均は0.81である(奈良修習の情報参照)。
69期のみを基準にAランクとする扱いは,単年の外れ値に依拠している面がある。
仙台は,69期の第1希望の倍率が0.93(Bランク相当)であるのに対し,7期平均は1.05(Aランク相当)であり,69期以外の6期のうち3期は第1希望の倍率が1を超えている。
旭川は,69期の第1・第2希望の倍率が0.50(Cランク相当)であるのに対し,7期平均は1.26(Bランク相当)であり,69期以外の6期はいずれも同倍率が1を超えている。
以下の各高裁管内の助言は69期のランクを基準とするが,上記3地点については,該当箇所に別途注記する。
個別の実務修習地について,より詳細な期別の指数を確認したい場合は,各地の修習情報にある地域別記事を参照されたい。
5 第2希望の分類
第2希望の実務修習地は,第1希望地への交通の便及び第2希望地以内に配属される確率の高さから,次の3つに分類する。
①妥当な選択(おすすめの選択)は,第1希望地への交通の便が良く,ほぼ確実に第2希望地以内に配属される選択である。
②リスクある選択は,リスクはあるものの,第1希望地への交通の便が良いところに配属されようとする選択である。
③安全な選択は,第1希望地への交通の便は譲歩するものの,ほぼ確実に第2希望地以内に配属される選択である。
第1 東京高裁管内の第2希望地の選び方
1 第1希望地が東京修習(Aランク)である場合,リスクある選択は,立川修習,横浜修習,さいたま修習又は千葉修習(いずれもAランク)若しくは甲府修習(Bランク)である。
安全な選択は,水戸修習又は新潟修習(いずれもCランク)である。
2 第1希望地が立川修習(Aランク)である場合,リスクある選択は東京修習,横浜修習若しくはさいたま修習(いずれもAランク)又は甲府修習(Bランク)である。
安全な選択は水戸修習又は新潟修習(いずれもCランク)である。
3 第1希望地が横浜修習(Aランク)である場合,リスクある選択は東京修習,立川修習若しくは静岡修習(いずれもAランク)又は甲府修習(Bランク)である。
安全な選択は水戸修習又は新潟修習(いずれもCランク)である。
4 第1希望地がさいたま修習(Aランク)である場合,リスクある選択は東京修習,立川修習若しくは横浜修習(いずれもAランク)又は甲府修習,宇都宮修習若しくは前橋修習(Bランク)である。
安全な選択は水戸修習又は新潟修習(いずれもCランク)である。
5 第1希望地が千葉修習(Aランク)である場合,リスクある選択は東京修習,立川修習若しくは横浜修習(いずれもAランク)又は甲府修習,宇都宮修習若しくは前橋修習(Bランク)である。
安全な選択は水戸修習又は新潟修習(いずれもCランク)である。
6 第1希望地が水戸修習(Cランク)である場合,周りの実務修習地はAランク又はBランクであるのに対し,水戸修習はCランクであるから,第2希望を書く実益は乏しい。
7 第1希望地が宇都宮修習(Bランク)である場合,リスクある選択は東京修習又はさいたま修習(いずれもAランク)である。
安全な選択は福島修習(Cランク)である。
8 第1希望地が前橋修習(Bランク)である場合,リスクある選択はさいたま修習(Aランク)である。
安全な選択は新潟修習(Cランク)である。
9 第1希望地が静岡修習(Aランク)である場合,リスクある選択は横浜修習,名古屋修習又は東京修習(いずれもAランク)である。
安全な選択は特にない。
10 第1希望地が甲府修習(Bランク)である場合,リスクある選択は東京修習若しくはさいたま修習(いずれもAランク)又は長野修習(Bランク)である。
安全な選択は特にない。
11 第1希望地が長野修習(Bランク)である場合,妥当な選択は富山修習(Cランク)である。
12 第1希望地が新潟修習(Cランク)である場合,妥当な選択は富山修習又は山形修習(いずれもCランク)である。
第2 大阪高裁管内の第2希望地の選び方
1 第1希望地が大阪修習(Bランク)である場合,リスクある選択は京都修習,神戸修習若しくは奈良修習(いずれもAランク)又は大津修習(Bランク)である。
安全な選択は和歌山修習又は岡山修習(いずれもCランク)である。
2 第1希望地が京都修習(Aランク)である場合,リスクある選択は奈良修習(Aランク),又は大阪修習,大津修習若しくは岐阜修習(いずれもBランク)である。
安全な選択は福井修習(Cランク)である。
3 第1希望地が神戸修習(Aランク)である場合,リスクある選択は京都修習(Aランク)又は大阪修習(Bランク)である。
安全な選択は岡山修習(Cランク)である。
4 第1希望地が奈良修習(Aランク)である場合,リスクある選択は京都修習(Aランク)又は大阪修習(Bランク)である。
安全な選択は津修習(Cランク)である。
もっとも,奈良の第1希望の倍率が1を超えるのは新63期から69期までの7期中69期のみであり(他の6期の平均は0.81),69期を単年で見た場合のAランク該当は,他の期であればBランク相当にとどまる可能性がある点に留意する必要がある(第0の4参照)。
5 第1希望地が大津修習(Bランク)である場合,リスクある選択は京都修習若しくは名古屋修習(いずれもAランク),又は大阪修習若しくは岐阜修習(いずれもBランク)である。
安全な選択は福井修習又は津修習(いずれもCランク)である。
6 第1希望地が和歌山修習(Cランク)である場合,リスクある選択は奈良修習(Aランク)又は大阪修習(Bランク)である。
安全な選択は津修習(Cランク)である。
第3 名古屋高裁管内の第2希望地の選び方
1 第1希望地が名古屋修習(Aランク)である場合,リスクある選択は静岡修習(Aランク)又は岐阜修習(Bランク)である。
安全な選択は津修習(Cランク)である。
2 第1希望地が津修習(Cランク)である場合,リスクある選択は名古屋修習若しくは奈良修習(いずれもAランク),又は大阪修習若しくは岐阜修習(いずれもBランク)である。
安全な選択は和歌山修習(Cランク)である。
3 第1希望地が岐阜修習(Bランク)である場合,リスクある選択は名古屋修習(Aランク)又は大津修習(Bランク)である。
安全な選択は福井修習(Cランク)である。
4 第1希望地が福井修習(Cランク)である場合,リスクある選択は岐阜修習又は金沢修習(いずれもBランク)である。
安全な選択は富山修習(Cランク)である。
5 第1希望地が金沢修習(Bランク)である場合,妥当な選択は福井修習又は富山修習(いずれもCランク)である。
6 第1希望地が富山修習(Cランク)である場合,リスクある選択は長野修習又は金沢修習(いずれもBランク)である。
安全な選択は福井修習(Cランク)である。
第4 広島高裁管内の第2希望地の選び方
1 第1希望地が広島修習(Bランク)である場合,妥当な選択は岡山修習又は山口修習(いずれもCランク)である。
2 第1希望地が山口修習(Cランク)である場合,リスクある選択は福岡修習(Aランク)又は広島修習(Bランク)である。
安全な選択は岡山修習(Cランク)である。
3 第1希望地が岡山修習(Cランク)である場合,リスクある選択は神戸修習(Aランク)又は広島修習(Bランク)である。
安全な選択は高松修習(Cランク)である。
4 第1希望地が鳥取修習(Cランク)である場合,妥当な選択は岡山修習又は松江修習(いずれもCランク)である。
5 第1希望地が松江修習(Cランク)である場合,妥当な選択は岡山修習又は鳥取修習(いずれもCランク)である。
第5 福岡高裁管内の第2希望地の選び方
1 第1希望地が福岡修習(Aランク)である場合,リスクある選択は佐賀修習又は熊本修習(いずれもBランク)である。
安全な選択は山口修習,長崎修習又は大分修習(いずれもCランク)である。
2 第1希望地が佐賀修習(Bランク)である場合,妥当な選択は長崎修習(Cランク)である。
3 第1希望地が長崎修習(Cランク)である場合,リスクある選択は佐賀修習又は熊本修習(いずれもBランク)である。
4 第1希望地が大分修習(Cランク)である場合,リスクある選択は福岡修習(Aランク)である。
5 第1希望地が熊本修習(Bランク)である場合,リスクある選択は福岡修習(Aランク)又は佐賀修習(Bランク)である。
安全な選択は鹿児島修習(Cランク)である。
6 第1希望地が鹿児島修習(Cランク)である場合,リスクある選択は熊本修習(Bランク)である。
安全な選択は宮崎修習(Cランク)である。
7 第1希望地が宮崎修習(Cランク)である場合,妥当な選択は鹿児島修習(Cランク)である。
8 第1希望地が那覇修習(Aランク)である場合,鹿児島新港から那覇港までフェリーで25時間程度かかるため,他の実務修習地への移動は航空便が中心となる。
そのため,第2希望については,Aランク又はBランクの実務修習地はリスクある選択となり,Cランクの実務修習地は安全な選択となることを踏まえつつ,航空便の便宜で選択するほかないと考えられる。
第6 仙台高裁管内の第2希望地の選び方
1 第1希望地が仙台修習(Bランク)である場合,妥当な選択は福島修習又は盛岡修習(いずれもCランク)である。
もっとも,仙台の69期の第1希望の倍率は0.93(Bランク相当)であるのに対し,7期平均は1.05でAランク相当であり,69期を除く6期のうち3期は第1希望の倍率が1を超えている(第0の4参照)。
2 第1希望地が福島修習(Cランク)である場合,リスクある選択は宇都宮修習又は仙台修習(いずれもBランク)である。
安全な選択は山形修習(Cランク)である。
3 第1希望地が山形修習(Cランク)である場合,リスクある選択は仙台修習(Bランク)である。
安全な選択は福島修習(Cランク)である。
4 第1希望地が盛岡修習(Cランク)である場合,妥当な選択は青森修習(Cランク)である。
5 第1希望地が秋田修習(Cランク)である場合,妥当な選択は盛岡修習(Cランク)である。
6 第1希望地が青森修習(Cランク)である場合,妥当な選択は盛岡修習(Cランク)である。
第7 札幌高裁管内の第2希望地の選び方
1 第1希望地が札幌修習(Aランク)である場合,妥当な選択は旭川修習(Cランク)である。
2 第1希望地が函館修習(Cランク)である場合,妥当な選択は青森修習(Cランク)である。
3 第1希望地が旭川修習(Cランク)である場合,リスクある選択は札幌修習(Aランク)である。
安全な選択は釧路修習(Cランク)である。
もっとも,旭川の69期の第1・第2希望の倍率は0.50(Cランク相当)であるのに対し,7期平均は1.26でBランク相当であり,69期以外の6期はいずれも同倍率が1を超えている(第0の4参照)。
4 第1希望地が釧路修習(Cランク)である場合,リスクある選択は札幌修習(Aランク)である。
安全な選択は旭川修習(Cランク)である。
第8 高松高裁管内の第2希望地の選び方
1 第1希望地が高松修習(Cランク)である場合,妥当な選択は岡山修習又は徳島修習(いずれもCランク)である。
2 第1希望地が徳島修習(Cランク)である場合,妥当な選択は高松修習(Cランク)である。
3 第1希望地が高知修習(Cランク)である場合,妥当な選択は高松修習又は徳島修習(いずれもCランク)である。
4 第1希望地が松山修習(Cランク)である場合,妥当な選択は高松修習(Cランク)である。
第9 実務修習地の決定過程に関する留意点
1 配属決定に用いられた文書の範囲
令和元年8月23日付けの答申書(令和元年度(最情)答申第40号)によれば,72期司法修習予定者の実務修習地を決定する際に作成された文書として確認できたのは,「第72期司法修習生採用選考申込者の実務修習地,組,出席番号及び修習班について(平成30年10月17日決裁)」(同答申がいう本件名簿及びその決裁票)のみである。
この答申は72期についての開示請求に対する回答であり,他の期についても同種の名簿・決裁票以外の文書が存在しないことまでを一般化するものではない。
2 決定理由は司法修習予定者に告知されない
一般旅券発給拒否処分の通知書に,発給拒否の理由として「旅券法13条1項5号に該当する。」と記載されているだけで,同号適用の基礎となった事実関係が具体的に示されていない場合,理由付記として不備であって当該処分は違法である(最高裁昭和60年1月22日判決・民集39巻1号1頁)。
もっとも,これは一般旅券の発給拒否という別の行政処分について理由付記の要否が問題となった事案であり,実務修習地の決定それ自体にも同様の理由開示義務があることを直接示すものではない。
現に,実務修習地の決定理由が司法修習予定者に告知されることはなく,前記1の答申が確認した文書にも決定理由の記載はない。
3 配属される割合に関する国会答弁
実務修習地の決定方法等に関する国会答弁によれば,堀田眞哉最高裁判所事務総局人事局長は,平成29年3月22日の衆議院法務委員会(第193回国会法務委員会第5号)において,4分の3程度の司法修習生が第1希望又は第2希望の実務修習地に配属されている旨を説明している。
この答弁は平成29年当時の運用に関する説明であり,79期以降の配属基準や配属割合を示すものではないが,第2希望の実務修習地についても慎重に検討する必要があることを裏付ける資料といえる。
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実務修習地の決定に関する法的根拠,78期の配属現員データ及び倍率データを利用する際の注意点は,実務修習地の決め方―希望順位,配属基準,人数,住居及び引越しで整理している。
各実務修習地の個別記事は,各地の修習情報(都道府県・都市別の記事一覧)から確認できる。
67期から79期までの実務修習地とクラスの対応関係は,司法修習の場所とクラスの対応関係(第67期から第79期まで)で確認できる。
平成23年以降の司法試験合格者の合格直後の居住都道府県は,新65期以降の白表紙発送実績で確認できる。
希望場所の記載方法の過去の様式は,司法修習の希望場所の記載方法で紹介しているが,希望地の選択規則及び記載できる希望数は期によって変更され得るため,同記事の様式をそのまま79期以降の様式として使用することはできない。
70期以降の司法修習等の日程は,司法修習等の日程(70期以降の分)で確認できる。
司法修習生の就職活動に関する公開情報は,司法修習生の就職関係情報等が載ってあるHP及びブログに整理している。
第10 出典・参考資料
1 法令
①最高裁判所「司法修習生に関する規則」(昭和23年最高裁判所規則第15号)5条3項。同項は,実務修習の時期及び場所を司法研修所長が定める旨を規定する(e-Govの法令データベースには収録が確認できず,実務修習地の決め方の引用によって確認した。原文の直接照合は今後の課題である。)。
2 裁判例
①最高裁昭和60年1月22日第三小法廷判決・昭和57年(行ツ)第70号・民集39巻1号1頁。
3 公的資料
①最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会「実務修習希望地調査表の不開示判断(不存在)に関する件」平成29年度(最情)答申第1号(平成29年4月28日)。
②最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会「令和元年度(最情)答申第40号」(令和元年8月23日)。
③最高裁判所事務総長「第78期司法修習予定者の実務修習希望地調査表に関する司法行政文書不開示通知書」令和8年1月19日付け最高裁秘書第3778号。
④最高裁判所事務総長「第79期司法修習予定者の実務修習希望地調査表に関する司法行政文書不開示通知書」令和8年3月18日付け最高裁秘書第782号。
⑤衆議院第193回国会法務委員会第5号会議録(平成29年3月22日)。
4 統計・データ
①山中理司作成「司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)」及び「司法修習の場所ごとの第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)」。
②司法研修所作成「司法修習生配属現員表(令和7年3月19日現在)」及び本ブログ司法修習生配属現員表(48期以降)。