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80期司法修習の希望地申告―希望順位・一任・家庭事情と旧資料の適用限界(AIリライト)

第1 第80期の案内と過年度資料を区別する

令和8年度司法修習生採用選考申込手続の手引きは令和8年10月16日に公表され,6頁には本申込フォームに実務修習希望地の事項があることが示された。
希望数,地域の組合せ,「一任」や事情説明欄の具体的な入力仕様は,受付後の自動返信メールに添付される第80期の入力要領と本人のフォームで確認する必要がある。
本記事では,そのメール添付資料と受付開始後の入力画面自体は確認していない。

過年度資料を読む際には,紙の調査書とオンラインの入力フォームを区別する必要がある。
第78期にも希望地事項のフォーム入力があり,第79期の採用選考申込フォームにも希望地事項が含まれていた。

対象期公開資料で確認できる申告方法資料を利用する際の注意
第72期紙の実務修習希望地調査書。選択規則と記載例が通知に掲載されている。以下で紹介する群の区分や「一任」の扱いは,この期の資料である。
第78期申込者情報入力フォームの項目に,実務修習希望地に関する事項がある。具体的な入力方法は,自動返信メールに添付される入力要領を参照する仕組みであった。
第79期採用選考申込フォームの9つの事項の一つに,実務修習希望地に関する事項がある。公開手引きと,メールに添付される入力要領を区別する必要がある。

表の根拠は,第72期の通知6頁~9頁,第78期の通知5頁~7頁及び令和7年度の採用選考申込手続の手引き4頁~6頁である。
第78期・第79期のメール添付入力要領そのものは,本記事では確認していないため,過年度の希望数や理由コードがそのまま維持されたとは扱わない。
申込手順,締切,メール未着及び海外からの申込みは,司法修習生採用選考に関する提出書類と申込準備を参照されたい。

手引き・入力要領を入手したら,①資料の対象期と改訂日,②希望数と地域の組合せ,③一任・途中順位までの入力の扱い,④事情説明の欄と必要資料,⑤入力変更の方法と期限,⑥送信完了の確認方法を順に照合するとよい。
これは入力漏れを防ぐための確認手順であり,各項目について過年度と同じ規則が続くとする説明ではない。
公開手引きとメール添付の入力要領は,両方を対象期ごとに区別して確認する必要がある。

1 司法修習の場所はどこで希望を申告するか

令和8年10月19日現在,最高裁判所の採用選考ページには第80期手引きへのリンクが掲載されている。
希望地の詳しい入力仕様は,メール添付の入力要領と本人のフォームで確認する必要がある。

希望順位を準備するときは,まず全国の修習地の選び方で生活条件に合う候補を比較し,手引きと入力要領を確認した後に許された希望数・組合せで申告する。
入力した希望は配属の保証ではないため,希望外の配属となった場合の転居,家族の支援及び初期費用も検討しておく必要がある。

第2 希望順位と「一任」―第72期の記載要領

1 希望地の選択規則

平成30年8月1日付の「司法研修所からのお知らせ」6頁~8頁は,第72期の実務修習希望地を1群から3群に分け,次の選択規則を示していた。
これは第72期の紙様式の説明であり,第80期の入力規則を示すものではない。

希望順位第72期の選択規則
第1希望~第4希望1群~3群から記載する。ただし,1群から選択するのは2か所までである。
第5希望・第6希望3群から記載する。

当時の1群は,東京,立川,横浜,さいたま,千葉,宇都宮,静岡,甲府,大阪,京都,神戸,大津,名古屋,福岡,仙台及び札幌である。
例えば,この中から3か所を記載すれば,当時の選択規則に反することになる。
第80期の申告で使用する区分は,当該期の入力要領で改めて確認する必要がある。

2 「一任」「以下一任」と記載不備の取扱い

同通知9頁では,特に希望地がない場合は「一任」又は「以下一任」と記載し,理由を記載しなくてもよいとされていた。
希望地の記載がない場合又は選択規則に反した場合は「一任」,途中順位までしか記載していない場合は「以下一任」として取り扱うとの説明もある。
意図して一任する場合と,記載不備によって一任扱いになる場合を区別して読む必要がある。

同頁の表3には,次の三つの記載例が示されている。

書き方第72期の公式記載例
全部記載東京→さいたま→広島→和歌山→高知→松江
一部一任第1希望は大阪,第2希望は鳥取,第3希望の欄に「以下一任」
全部一任第1希望の欄に「一任」

これらは記載方法を説明する例であって,どの順位の希望が実現するかを予測する資料ではない。
この例から「鳥取に決まる可能性が極めて高い」「第4希望以下になる」とは判断できず,「以下一任」という記載だけで有利又は不利になるとも断定できない。

第3 家庭・健康・経済事情を具体的に説明する

1 旧資料が示した四つの記載例

第72期の通知6頁~8頁では,理由コードに該当する事情がある場合は,その番号と具体的な事情を記載するよう求めていた。
記載された事情や具体性の程度によっては,実務修習地を検討する際の参考としないことがある旨も明記されている。
8頁の四つの例を要約すると,次のとおりである。

事情の種類第72期の記載例の要点
① 配偶者・子との同居就労する配偶者及び子との同居を続けるため,現住所から通える地を希望する例である。配偶者には,内縁の配偶者及び修習終了までに婚姻する予定の婚約者を含むとされていた。
② 通院・病気病院の所在地,通院頻度及び専門的な治療を継続する必要性を説明する例である。
③ 親族の介護同居する親の状態,自分と他の家族の介護分担及び自分が離れると生じる支障を説明する例である。
④ 経済的事情奨学金の返済負担を具体的に示し,自宅から通える地を希望する例である。

この資料から分かるのは,当時,これらの事情を具体的に記載するよう案内されていたことである。
「介護なら優先される」「経済的事情が最も強い」といった事情間の優先順位や,第80期の理由コードまで示すものではない。

2 第80期の案内を読む前に整理できること

本記事では,上記の記載例を踏まえた準備として,生活上の事情と希望地との関係を整理しておくことを勧める。
具体的には,①誰とどこで生活しているか,②本人が担う育児・介護や通院の内容,③転居又は遠距離の配属によって生じる支障,④希望地であればその支障をどう軽減できるか,という順で整理すると説明しやすい。
これは申告内容を整理するための提案であり,第80期の公式な入力項目や採点基準を示すものではない。

子の養育であれば,同居の希望に加え,自分が担う送迎等の内容や,他の家族との分担との関係を,必要な範囲で説明することが考えられる。
第2希望以下についても,実際に通えるか,生活を維持できるかを検討し,その条件と希望順位の理由が食い違わないようにすることが望ましい。
近隣の地を並べること自体に配属上の効果があると考えたり,事情を誇張したりするべきではない。

事情を裏付ける資料は,当該期の入力要領や個別の指示で確認する必要がある。
採用申込み一般で求められる本人確認書類と,希望地に関する事情を説明するための資料は,用途を分けて確認すべきである。
内縁関係を記載する場合の住民票や,通院事情を記載する場合の診断書について,本記事は一律に提出必須とも提出不要とも案内しない。

3 さいたまを希望する場合の生活条件の整理

さいたまを希望する理由を整理するときは,「埼玉県内だから通える」という説明だけで済ませず,自宅又は候補住居から浦和の本庁へ向かう経路と,和光市の司法研修所への経路を分けて確認するとよい。
家族の生活拠点,育児・介護・通院,転居の可否及び賃貸を始められる時期を,具体的な事実として整理することになる。

記載する欄,申告方法及び必要な添付資料は,当該期の正式な案内に従う。
これらの準備項目を,最高裁判所が公表した第80期の優先基準又は配属の保証と扱ってはならない。

期別の配属人数や旧期の希望倍率はさいたま修習の情報,駅別の住居・家賃と和光市への経路はさいたま修習の住居・通勤―4駅の比較で扱う。
他の地域も希望する場合は首都圏の司法修習地の比較も参照し,希望順位と,その地域で修習を継続できる生活条件を合わせて考える必要がある。

4 大阪を希望する場合の生活条件の整理

大阪を希望する理由を整理するときは,自宅又は候補住居から西天満の地裁,福島の検察庁,大手前の家裁への経路を分け,個別指導弁護士の事務所への通勤が変わり得ることも考慮する必要がある。
家族との同居,育児・介護・通院,転居の可否及び費用負担を,希望地との関係が分かる具体的な事実として整理するとよい。

これは生活条件を整理するための提案であり,大阪への優先配属の基準又は配属保証を示すものではない。
申告欄や添付資料は当該期の正式な案内に従う必要がある。

配属人数と旧希望倍率は大阪修習の情報,地域別の経路と家賃は大阪修習の住居・通勤,近隣の修習地との比較は関西の司法修習地を比較を参照されたい。

5 名古屋を希望する場合の生活条件の整理

名古屋を希望するときは,「名古屋市内に住める」という説明に加え,自宅又は候補住居から三の丸の裁判所・検察庁へ通う経路と,弁護修習先が判明した後の経路を分けて整理するとよい。
例えば,同居家族との生活を維持する必要がある場合は,本人が担う育児・介護等の内容と時間帯,通勤経路,転居できる時期及び費用を具体的な事実として整理することが考えられる。
これは事情を説明するための準備の例であり,第80期の公式な優先基準又は必要書類を示すものではない。

第2希望以下に津・岐阜等を挙げる場合も,名古屋への通勤条件がそのまま成り立つとは限らない。
各地の庁舎までの経路を別に調べ,希望順位と,そこで修習を継続できる生活条件を対応させる必要がある。
導入修習・集合修習のために和光市の司法研修所で過ごす期間の住居・家族の生活も,名古屋での実務修習とは分けて考えることになる(第79期の手引き2頁)。
第80期については当該期の案内で確認する必要がある。

候補駅の経路と名古屋の修習先は名古屋修習の情報―住居を探す地域,津・岐阜等との比較は東海・北陸の司法修習地を比較―通勤と住居を参照されたい。
申告欄,記載方法及び添付資料は第80期の正式な案内に従い,過去の希望倍率から今回の配属確率を求めたり,通えることを配属の保証と扱ったりしないことが大切である。

6 横浜を希望する場合の生活条件の整理

横浜を希望する理由を整理するときは,自宅又は候補住居から日本大通りの地裁・地検本庁へ向かう経路と,寿町の家裁への経路を分けて確認するとよい。
弁護修習先の事務所が未指定の場合は,その通勤条件を未確定として残し,判明後に経路を確認する必要がある。
横浜駅までの所要時間だけで通えると判断せず,物件から各庁舎の入口までの徒歩と乗換えを含めて比較することになる。

家庭との生活拠点,育児・介護・通院の内容,転居できる時期及び初期費用を,希望地との関係が分かる具体的な事実として整理するとよい。
和光市の司法研修所で過ごす期間の住居と家族の生活も,横浜での実務修習とは別に考える必要がある。
これは事情を説明するための準備方法であり,第80期の公式な優先基準又は横浜への配属保証を示すものではない。
記載欄,申告方法及び必要な資料は,当該期の正式な案内に従って確認する。

期別の配属人数と過去の希望倍率は,横浜修習の配属資料,4駅の住居・通勤と家賃の比較は,横浜修習の住居・通勤,近隣の修習地との比較は,首都圏の司法修習地を比較を参照されたい。
旧期の倍率から今回の配属確率を求めず,第2希望以下もそれぞれの行き先までの生活条件を確認することが大切である。

第4 配属の予測と公文書の読み方

1 過去の運用説明や体験談から分かる範囲

平成29年3月22日の衆議院法務委員会会議録では,当時の最高裁判所事務総局人事局長が,本人の希望を基本とし,健康状態,家族状況,希望の切実度等の事情を考慮して実務修習地を決めていると説明している。
第1希望又は第2希望に配属される者は4分の3程度であるとの説明もあるが,これは当時の運用についての答弁である。
第80期の配属割合や,特定の申込者が希望地に配属される確率を示すものではない。
国会答弁の該当部分の原文,経済的な事情の扱いに関する続きの答弁及び第72期の情報公開答申が示す決定手続は,「実務修習地の決め方―国会答弁と情報公開答申から分かる考慮事情と配属割合」で紹介している。

弁護士の希望理由と配属結果を紹介するアディーレ法律事務所の「修習地選択のポイント」も,具体的な体験を読む資料にはなる。
ただし,個人の体験から希望順位の付け方と結果との因果関係を判断することはできない。
過年度の倍率資料についても,現在の希望者数や個別の配属確率と区別する必要があり,資料の性質は全国の実務修習地一覧と選び方で説明している。

2 決定関係文書と希望地調査表を区別する

令和元年8月23日付の答申書(令和元年度(最情)答申第40号)2頁~4頁及び6頁~7頁は,第72期の個々の予定者と実務修習地を関連付ける文書等の開示申出について,名簿及びその決裁票を対象文書とした判断を妥当としている。
関連する原資料として,平成30年10月17日決裁の実務修習地・組・出席番号・修習班に関する文書がある。
答申の対象はこの開示申出と第72期の文書保有状況であり,あらゆる配属基準が存在しないことや,現在も同じ文書しか作成されないことを示すものではない。

また,令和8年3月18日付の不開示通知書は,第79期司法修習予定者の「実務修習希望地調査表」を作成又は取得していないと説明している。
一方,第79期の公開手引きには,希望地事項をフォームで入力する仕組みが示されている。
「調査表」という対象文書の不作成・不取得と,個々の申込者の希望を収集していないこととは別である。

配属先が決まる前に,通勤条件,契約期間,集合修習中の二重家賃及び引越し費用を整理しておくと,希望順位と生活上の制約を結び付けやすい。司法修習の住まい選び及び生活費と資金計画を参照されたい。制度全体は,司法修習とはで説明している。

3 第80期の実務修習地はいつ分かるか

(1) 採用内定・採用発令・実務修習地の通知を分ける

令和8年10月15日に確認した最高裁判所の採用選考ページと令和8年度司法修習生採用選考要項からは,第80期の実務修習地を本人に通知する確定日を確認できない。
同要項で公表されている採用内定通知書の送付予定及び採用発令日とは,次のように区別する必要がある。

確認する事項第80期について確認できる内容資料と読み方
採用内定通知書の送付予定令和8年12月10日頃から令和9年1月15日頃まで要項1頁3(1)。実務修習地の通知日とは読み替えない。
採用発令日令和9年3月19日要項2頁3(2)。配属先を知る日とは別である。
実務修習地の通知の確定日今回確認した採用選考ページ及び要項では確認できない当該期の手引き,入力要領及び本人宛ての案内で,通知時期・方法を確認する。

過去の期の通知日や他の申込者が通知を受けた日だけから,自分の通知日又は配属先を確定することはできない。
採用内定と実務修習地の通知が同時かどうかについても,当該期の案内で確認する必要がある。

(2) 通知前の準備と事情が変わった場合の確認

通知までに,全国の修習地の比較で生活条件に合う候補を整理し,候補住居から各修習先への経路,初期費用,入居可能日及び解約条件を調べておくとよい。
配属前に契約する場合には,希望と異なる配属になったときの取消し・変更の条件と負担額を確認し,申込み,契約及び入居を区別して判断することになる。

要項3頁4(4)は,申込期間内は申込フォームの入力内容を変更でき,期間経過後は手引きの記載に従って変更を届け出るとしている。
この入力内容の変更手続だけで,希望地の変更又は配属決定後の修習地の変更が認められるとは判断できない。
家族・健康その他の事情が変わった場合は,事実の変化,希望する対応及び修習継続への影響を整理した上で,当該期の案内にある窓口と手続を確認する必要がある。

第5 関連記事

① 司法試験合格後から司法修習開始まで―採用申込み,希望地,住居等の準備全体を確認する記事である。

② 司法修習生採用選考に関する提出書類と申込準備―申込手順や締切,メール未着,海外からの申込み等を確認する記事である。

③ 司法修習の場所・配属資料の読み方―配属の仕組み,人数・倍率資料の性質,住居及び引越しを扱う記事である。

④ 実務修習地の旧希望倍率と第2希望選びの限界―新63期から第69期までのデータを基礎とする過去の比較であり,第80期の配属確率を示すものではない。

⑤ 実務修習地とクラスの対応関係―各期のクラス編成と原資料を確認する記事である。

⑥ 新65期以降の白表紙発送実績―都道府県別の発送実績を扱う記事であり,希望地別の希望者数とは区別して利用する必要がある。

⑦ 実務修習地の決め方―国会答弁と情報公開答申から分かる考慮事情と配属割合―平成29年の国会答弁と第72期の情報公開答申から,実務修習地の決め方と考慮事情を整理した記事である。

希望順位を付ける前に生活条件を比較する場合は,首都圏,関西,東海・北陸,九州・沖縄に加え,北海道,東北,中国・四国,関東北部・甲信越・静岡の比較記事を参照されたい。
候補ごとの通勤経路,転居の要否及び和光市への移動を同じ条件で整理するための案内であり,配属可能性を予測する資料ではない。

第6 出典・参考資料

① 最高裁判所「司法修習生採用選考」(令和8年10月10日確認)及び「令和8年度司法修習生採用選考要項」(令和8年9月4日,1頁~4頁)。

② 司法研修所事務局長「司法研修所からのお知らせ」(平成30年8月1日,第72期)6頁~9頁。
掲載PDFは1頁に紙面2頁を収録しており,紙面6頁~9頁はPDFの3頁~5頁に当たる。

③ 司法研修所事務局長「司法研修所からのお知らせ」(令和6年10月23日,第78期)5頁~7頁。

④ 最高裁判所「令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き」4頁~6頁。

⑤ 衆議院「第193回国会法務委員会第5号会議録」(平成29年3月22日)。

⑥ 最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会「令和元年度(最情)答申第40号」(令和元年8月23日)及び第72期の実務修習地等に関する決裁文書(平成30年10月17日)。

⑦ 最高裁判所事務総長「司法行政文書不開示通知書」(令和8年3月18日,最高裁秘書第782号)。
対象文書は第79期司法修習予定者の実務修習希望地調査表である。

⑧ アディーレ法律事務所「修習地選択のポイント」(体験談として参照)。