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医療法人の社員が臨時社員総会を開く方法―最高裁令和6年3月27日決定と補足意見(AI作成)

◯本ブログ記事は専らAIで作成したものです。
◯以下の記事も参照してください。
・ 平成21年度から令和6年度までの許可抗告事件の分析(AI作成)
・ 最高裁判所に係属した許可抗告事件一覧表(平成25年分以降),及び許可抗告事件の実情

第1 結論

社団たる医療法人では,総社員の5分の1以上の社員が,社員総会の目的である事項を示して臨時社員総会の招集を請求したとき,理事長は請求の日から20日以内に招集しなければならない(医療法46条の3の2第4項)。

しかし,理事長が招集しない場合でも,社員は,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律37条2項を類推適用し,裁判所の許可を得て自ら社員総会を招集することはできない。最高裁令和6年3月27日第三小法廷決定が明確に否定した。

同決定の補足意見は,社員が訴訟により理事長に臨時社員総会の招集を命ずる判決を求める方法を示した。ただし,これは法廷意見の判示ではなく,判決を得た後の執行方法を含め,具体的な実現方法には未解決の部分が大きい。したがって,「社員が必ず自ら招集できる」「招集命令訴訟が確立した」と理解してはならない。

第2 医療法46条の3の2第4項の招集請求

招集請求の要件は,①社団たる医療法人であること,②総社員の5分の1以上の社員によること,③社員総会の目的である事項を示すこと,である。定款で別の割合を定める余地については,条文及び定款の内容を個別に確認する必要がある。

請求をする際は,後日の立証を考え,少なくとも次の事項を書面に残すことが望ましい。

  • 請求者全員の氏名及び社員資格
  • 総社員数と請求者数
  • 社員総会の目的である事項
  • 請求日及び到達日
  • 理事長宛ての明確な招集請求であること

社員名簿,定款,社員資格を示す資料,配達証明その他の到達資料を確保する。20日は請求があった日から進行するため,到達日を曖昧にしないことが重要である。

第3 最高裁令和6年3月27日決定

1 事案及び争点

最高裁令和6年3月27日第三小法廷決定(令和4年(許)第18号,民集78巻1号252頁)は,医療法人の社員らが理事長に社員総会の招集を請求したものの,招集手続が行われないとして,裁判所に社員総会を招集する許可を求めた事案である。

争点は,一般社団法人の社員について自ら社員総会を招集する裁判所の許可を定める一般法人法37条2項を,医療法人に類推適用できるかであった。

2 法廷意見

最高裁は,類推適用を否定した。理由として,医療法46条の3の2第4項は一定割合以上の社員による招集請求と理事長の招集義務を定める一方,理事長が応じない場合について一般法人法37条2項を準用せず,何らの規定も置いていないことを挙げた。

さらに,医療法人の機関に関する規定は数次の改正で整備され,一般法人法の多くの規定が準用されたにもかかわらず,この点は変更されなかった。他方,医療法は,都道府県知事による監督など,一般法人法にはない規律を置いている。最高裁は,この制度全体を踏まえ,一般法人法37条2項の類推適用は相当でないとした。

3 判断の射程

法廷意見が否定したのは,一般法人法37条2項の類推適用により裁判所の許可を得て社員が自ら招集する方法である。医療法46条の3の2第4項に基づく招集請求権又は理事長の招集義務そのものを否定したものではない。

また,法廷意見は,理事長に招集を命ずる訴訟の可否,訴訟要件,請求原因又は判決後の執行方法について判示していない。ここを補足意見と区別する必要がある。

第4 渡邉惠理子裁判官の補足意見

渡邉惠理子裁判官の補足意見は,類推適用が否定されることから直ちに,社員が臨時社員総会の招集を実現する法的手段が存在しないとはいえないと述べた。そして,社員が訴訟手続により,理事長に臨時社員総会の招集を命ずる判決を得る方法を示している。

補足意見は,この訴訟であれば,理事長が招集請求に応じない理由を当事者として主張立証でき,社員及び理事長の双方が控訴できるため,非訟の招集許可手続よりも適正手続を確保できると説明する。

もっとも,補足意見自身が,判決を得た場合の執行方法の可否を含め,社員がどのように招集を実現するかは今後の議論に委ねられる部分が大きいと明記している。したがって,補足意見は重要な手掛かりであるが,確立した法廷意見又は完成した執行モデルではない。

第5 社員側の実務手順

理事長が臨時社員総会を招集しない場合,社員側は次の順序で検討すると整理しやすい。

  1. 法人の種類と定款を確認する。 社団たる医療法人か,社員名簿及び定款上の社員資格はどうなっているかを確認する。
  2. 5分の1要件を確認する。 総社員数及び請求社員数を基準日とともに確定し,資格に争いがある者を区別する。
  3. 目的事項を特定した書面で請求する。 単に「総会を開いてほしい」とせず,決議又は報告を求める事項を具体的に示す。
  4. 到達及び20日の経過を証拠化する。 配達証明,内容証明,受領書等を保存し,理事長の回答及び招集手続の有無を記録する。
  5. 監督行政庁への相談を検討する。 医療法は都道府県知事による監督を予定する。具体的な権限行使の可否は事案により異なるが,裁判手続だけを唯一の選択肢と決めつけない。
  6. 招集命令請求訴訟を検討する。 補足意見を根拠の一つとして,請求の趣旨,請求原因,保全の必要性及び判決後の実現方法を個別に検討する。

一般法人法37条2項の類推適用による非訟の申立ては,最高裁判例に反するため採ることができない。

第6 訴訟を検討するときの主な論点

招集命令請求訴訟には,少なくとも次の未確定論点がある。

  • 医療法46条の3の2第4項から私法上の請求権をどのように構成するか。
  • 請求の趣旨で,日時,場所,目的事項又は招集手続をどこまで特定するか。
  • 理事長が招集しない理由について,どの範囲で正当性を審理するか。
  • 本案判決までに総会開催の必要性が失われる場合,仮の地位を定める仮処分等を利用できるか。
  • 認容判決に理事長が従わない場合,直接強制,代替執行又は間接強制のいずれが可能か。
  • 社員自身の招集行為又は第三者による代替が,医療法上許されるか。

最高裁決定の補足意見は,これらに結論を与えていない。訴訟を提起する場合は,医療法人の機関運営,社員資格及び執行法までを一体として検討する必要がある。

第7 理事長及び医療法人側の対応

理事長側では,招集請求を放置せず,社員資格,5分の1要件及び目的事項を速やかに確認する。要件を満たす場合,請求の日から20日以内に招集する義務があるため,日程,場所,通知及び議案の準備を直ちに始める。

要件に疑義がある場合も,無回答のままにせず,疑義の内容,追加資料の依頼及び招集しない理由を書面化する。後に招集命令請求訴訟となれば,理事長が応じなかった理由と手続の相当性が審理される可能性がある。

社員資格又は総社員数に争いがあるときは,社員名簿,入退社に関する社員総会議事録,定款その他の原資料を保全する。紛争を利用して名簿を事後的に変更したと疑われるような運用を避けることが重要である。

第8 出典及び未確認事項

本記事で確認した一次資料は次のとおりである。

最高裁決定は,法廷意見及び補足意見の全文を裁判所ウェブサイトのPDFで確認した。令和8年9月27日時点で,補足意見が示した招集命令請求訴訟について,判例秘書を用いた下級審裁判例及び評釈の網羅的検索は実施していない。そのため,訴訟類型,請求原因,保全処分又は執行方法について,その後の裁判例が存在しないと述べるものではない。