目次第1 現行規程の位置付け1 制定・改正と現行版の確認方法2 弁護士法との関係3 現行版で特に注意すべき点4 主要論点から読む5 条文別索引6 よくある質問第2 弁護士職務基本規程の現行本文1 第1章 基本倫理2 第2章 一般規律3 第3章 依頼者との関係における規律4 第4章 刑事弁護における規律5 第5章 組織内弁護士における規律6 第6章 事件の相手方との関係における規律7 第7章 共同事務所における規律8 第8章 弁護士法人等における規律9 第9章 他の弁護士等との関係における規律10 第10章 裁判の関係における規律11 第11章 弁護士会との関係における規律12 第12章 官公署との関係における規律13 第13章 解釈適用指針第3 解釈・適用上の注意1 82条は実質的な解釈を求めていること2 規程違反と懲戒事由とは同一ではないこと3 私法上の効力及び訴訟行為の効力は別に検討すること第4 関連記事1 受任・利益相反・依頼者との関係2 情報・事件記録・事務所の管理3 預り金・報酬・刑事弁護4 相手方・非弁提携・懲戒第5 出典1 現行規程及び法令2 裁判例
調べる内容に応じて,日弁連の公式PDF,条文別索引,主要論点の解説から確認できる。条文の本文と,各論記事の解釈・事例研究を区別して参照されたい。
弁護士職務基本規程は,日本弁護士連合会が弁護士の職務に関する倫理と行為規範を定めた会規である。
本記事は,令和8年10月3日に確認した日弁連公表の現行本文(前文及び本則)を掲載し,条文別索引と論点別の専門記事から,利益相反,守秘義務,説明・報告義務,組織内弁護士,82条及び懲戒・判例上の位置付けを確認できるように整理する。
第1 現行規程の位置付け
1 制定・改正と現行版の確認方法
弁護士職務基本規程は,平成16年11月10日に会規第70号として制定され,平成17年4月1日に施行された。日弁連の現行規程PDFは,平成26年12月5日改正及び令和3年6月11日改正を掲げており,後者は令和4年11月1日から施行されている。
日弁連の会則・会規等の一覧は,冊子掲載後の改正をウェブ掲載規程へ順次反映すると説明している。したがって,旧版の転載ではなく,同一覧から到達できるPDFを基準に確認する必要がある。
日本弁護士連合会弁護士倫理委員会編著の逐条解説書『解説「弁護士職務基本規程」』は,令和8年9月に第4版が刊行された(法令等は令和8年3月1日現在)。
第3版(平成29年)から9年ぶりの改訂で,その後の懲戒議決例を取り入れ,企業・自治体等が設ける第三者委員会,調査委員会及び公益通報窓口等に関連する懲戒事例について新たに項目を立てている。
同書は,日弁連の公式見解を述べたものではないと自ら明記している。
第3版から第4版への主な変更点は,解説「弁護士職務基本規程」第3版と第4版の比較-規程改正,解釈の変更,新設項目及び削除された記述で整理している。
2 弁護士法との関係
弁護士法22条は,弁護士に所属弁護士会及び日弁連の会則を守る義務を課している。弁護士職務基本規程自体は日弁連の会規であり,国会が制定した法律ではない。
弁護士法56条1項は,法律又は会則への違反,弁護士会の秩序又は信用を害する行為その他品位を失うべき非行を懲戒事由としている。個々の規程違反が懲戒,私法上の効力又は訴訟行為の効力にどのように影響するかは,規程の文言だけで一律に決まるものではなく,具体的事案と適用法令を分けて検討する必要がある。
3 現行版で特に注意すべき点
令和3年改正後の本文では,第8章が「弁護士法人等における規律」とされ,共同法人及び外国法事務弁護士法人に関する文言並びに68条の2の読替表が置かれている。60条の準用関係も旧版とは異なるため,改正前の本文を混在させないよう注意を要する。
現行の82条2項が行動指針又は努力目標として列挙するのは,33条であり,32条ではない。これは日弁連公表PDFの印刷頁31で確認できる。
4 主要論点から読む
調べたい場面から,関連する条文と専門記事を選べる。
条文本文は第2に掲載しており,懲戒,私法上の効力及び訴訟行為の効力の区別は第3で説明する。
調べたいこと関連条文詳しい解説事件を受任してよいか27条・28条利益相反・受任制限秘密を開示してよいか23条守秘義務何を説明・報告するか29条・36条説明義務・報告義務委任契約書はいつ必要か30条弁護士の委任契約書―30条,記載事項,例外及び中途終了時の清算記録を返す・残す・廃棄するには18条・39条・45条弁護士の事件記録の返還・保管・廃棄―18条・39条・45条事件処理が滞った場合35条・36条事件放置と懲戒預り金を管理・返還するには38条・45条預り金の管理と懲戒途中で辞任するには41条~45条辞任と不利益防止事務職員・勤務弁護士を指導監督するには19条・55条・61条事務職員と勤務弁護士の指導監督/事務職員の生成AI利用組織の指示と独立をどう調整するか50条・51条組織内弁護士代理人がいる相手方と直接交渉できるか52条相手方本人との直接交渉義務と努力目標を区別するには82条行動指針・努力目標陳述書・証人準備と虚偽の証拠5条・75条・82条真実義務と虚偽の証拠不当な目的・方法の依頼に対応するには14条・31条・43条不当な依頼と受任後の対応広告・紹介料・非弁提携を確認するには9条~13条業務広告と懲戒/非弁提携の禁止報酬の説明・請求・清算を確認するには24条・29条・30条・44条・45条弁護士報酬の請求と懲戒他の弁護士等への批判・不利益行為70条・71条・73条名誉毀損・侮辱と懲戒弁護士法人の社員・法人の受任制限63条~68条弁護士法人の利益相反国選弁護事件の金品受領・私選への働きかけ49条国選弁護人の金品受領と私選への切替共同事務所の利益相反・弁護士の移籍56条~58条共同事務所の利益相反と弁護士の移籍―弁護士職務基本規程56条・57条・58条別の弁護士への相談・追加依頼・交代40条・41条・72条セカンドオピニオンと弁護士の追加依頼―弁護士職務基本規程40条・41条・72条最善の弁護・接見・防御権の説明46条~48条刑事弁護人の基本義務―弁護士職務基本規程46条・47条・48条と最善の弁護依頼者との貸借・保証25条依頼者との金銭貸借・保証―弁護士職務基本規程25条相手方との利益の授受53条・54条相手方からの利益供与と相手方への利益供与―弁護士職務基本規程53条・54条紛争中の権利・物を譲り受けるには17条係争目的物の譲受け―弁護士職務基本規程17条と弁護士法28条法令・事実調査の範囲を確認するには37条弁護士の法令・事実調査利益相反チェックの記録と共有範囲59条・68条利益相反チェックと事件情報の記録報酬・預り金・事件処理の紛争を解決するには26条・73条弁護士との紛議調停法律扶助・訴訟救助をどう説明するか33条・82条2項法律扶助・訴訟救助の説明と受任判断依頼者の指示と専門判断をどう調整するか20条・21条・22条依頼者の意思と弁護士の専門判断
5 条文別索引
条番号のリンクから,各条文の本文へ移動できる。68条の2を含む。本記事の収録範囲は前文及び本則であり,附則は公式PDFを参照されたい。
1条(使命の自覚) / 2条(自由と独立) / 3条(弁護士自治) / 4条(司法独立の擁護) / 5条(信義誠実) / 6条(名誉と信用) / 7条(研鑽) / 8条(公益活動の実践)
9条(広告及び宣伝) / 10条(依頼の勧誘等) / 11条(非弁護士との提携) / 12条(報酬分配の制限) / 13条(依頼者紹介の対価) / 14条(違法行為の助長) / 15条(品位を損なう事業への参加) / 16条(営利業務従事における品位保持) / 17条(係争目的物の譲受け) / 18条(事件記録の保管等) / 19条(事務職員等の指導監督)
20条(依頼者との関係における自由と独立) / 21条(正当な利益の実現) / 22条(依頼者の意思の尊重) / 23条(秘密の保持) / 24条(弁護士報酬) / 25条(依頼者との金銭貸借等) / 26条(依頼者との紛議)
27条(職務を行い得ない事件) / 28条(同前) / 29条(受任の際の説明等) / 30条(委任契約書の作成) / 31条(不当な事件の受任) / 32条(不利益事項の説明) / 33条(法律扶助制度等の説明) / 34条(受任の諾否の通知)
35条(事件の処理) / 36条(事件処理の報告及び協議) / 37条(法令等の調査) / 38条(預り金の保管) / 39条(預り品の保管) / 40条(他の弁護士等の参加) / 41条(受任弁護士等の間の意見不一致) / 42条(受任後の利害対立) / 43条(信頼関係の喪失) / 44条(処理結果の説明) / 45条(預り金等の返還)
46条(刑事弁護の心構え) / 47条(接見の確保と身体拘束からの解放) / 48条(防御権の説明等) / 49条(国選弁護における対価受領等)
50条(自由と独立) / 51条(違法行為に対する措置) / 52条(相手方本人との直接交渉) / 53条(相手方からの利益の供与) / 54条(相手方に対する利益の供与)
55条(遵守のための措置) / 56条(秘密の保持) / 57条(職務を行い得ない事件) / 58条(同前―受任後) / 59条(事件情報の記録等) / 60条(準用)
61条(遵守のための措置) / 62条(秘密の保持) / 63条(職務を行い得ない事件) / 64条(他の社員等との関係で職務を行い得ない事件) / 65条(業務を行い得ない事件) / 66条(同前) / 67条(同前―受任後) / 68条(事件情報の記録等) / 68条の2(外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士への準用) / 69条(準用)
70条(名誉の尊重) / 71条(他の弁護士等に対する不利益行為) / 72条(他の事件への不当介入) / 73条(他の弁護士等との間の紛議) / 74条(裁判の公正と適正手続) / 75条(偽証のそそのかし) / 76条(裁判手続の遅延)
77条(裁判官等との私的関係の不当利用) / 78条(弁護士法等の遵守) / 79条(委嘱事項の不当拒絶) / 80条(委嘱事項の不当拒絶) / 81条(受託の制限) / 82条(解釈適用指針)
6 よくある質問
(1) 弁護士職務基本規程は法律か
日弁連の会規であり,国会が制定した法律ではない。
弁護士法との関係及び違反の法的効果は,第1の2及び第3を参照されたい。
(続きを読む...)弁護士職務基本規程とは―現行条文・条文別索引・主要論点(AIリライト)