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盛岡修習の情報―第80期日程・配属人数・修習先・住居と生活(AI作成)

本記事は,最高裁判所が実務修習地として指定する「盛岡」について,第80期の日程,班と組,過去の配属人数,第77期の実務修習,主な修習先,住居,気象条件その他の生活上の留意点を,令和8年10月5日現在の公開資料に基づいて整理するものである。
盛岡修習は,盛岡地方裁判所(盛岡家庭裁判所を含む。),盛岡地方検察庁及び岩手弁護士会で行う実務修習であり,三機関はいずれも盛岡市の内丸・大通にある。

第80期について最高裁判所が公表しているのは,令和8年度司法修習生採用選考要項であり,採用発令日は令和9年3月19日である。
盛岡がA班かB班か,司法研修所のどの組に属するか及び盛岡の配属人数は,第80期の資料ではまだ確認できない。
第79期の盛岡はB班2組(仙台・山形・秋田と合同),第77期及び第78期の盛岡はB班2組(仙台・秋田・青森と合同)であったが,これは過去の期の運用であり,第80期の確定事項ではない。

盛岡の配属現員は,新第63期から第69期までは10人から16人まで,第70期以降は7人から10人までの範囲にある。
第77期の日程表では現地の班は1班から3班までの三つであり,家裁修習は各班の刑事裁判修習の期間中に5日ずつ置かれ,刑事裁判修習の欄には裁判員裁判の選任手続から判決宣告までが組み込まれていた。
第69期以前の希望倍率は,現在の人気度や配属可能性を示すものではない。
第77期の実務修習日程も過去の実施例であり,第80期に同じ日程,教材,担当体制又は実施方式が続くことを示すものではない。

気象条件の面では,盛岡は東京と比べて年平均気温が5.2度低く,日最低気温が0℃未満となる日は年121.6日(東京15.2日),年間の降雪の深さの合計は209センチメートル(東京8センチメートル)である(後記第8の1)。
第80期の盛岡がA班・B班のいずれになっても,修習期間の一部は盛岡の積雪期と重なる(後記第5の1)。

早見表は次のとおりである。
各項目の根拠と確度は,本文の該当箇所で説明する。

項目内容根拠・位置付け
対象期・基準日第80期/令和8年10月5日現在本記事の確認日
採用発令日令和9年3月19日(金)令和8年度司法修習生採用選考要項(最高裁判所。Confirmed)
分野別実務修習令和9年4月13日~11月18日(4クール)第80期修習日程表(鑑文なし。Source statement)
A班・B班第80期は未公表(第79期はB班)第80期の申込手続の手引きは令和8年10月中旬頃掲載予定(Unknown)
司法研修所の組第80期は未公表(第79期はB班2組で仙台・山形・秋田と合同,第77期・第78期はB班2組で仙台・秋田・青森と合同)各期の教官担当表(Confirmed。第80期はUnknown)
直近の配属人数第79期9人,第78期8人,第77期10人各期の司法修習生配属現員表
主な修習先盛岡地方裁判所・盛岡家庭裁判所(盛岡市内丸),盛岡地方検察庁(同),岩手弁護士会(同市大通)各機関の公式案内
第77期の実務修習日程盛岡版PDF全16頁(表紙と4クールの裁判実務修習日程。第3クールの3頁は重複して収録)。現地班は1班~3班第77期盛岡修習の実務修習日程(Confirmed)
住居各自で確保(第79期の手引き)。B班となれば令和10年1月上旬まで盛岡で修習第79期手引き2頁・第80期修習日程表(Inference)
気象条件(必須)東京と比べ,年平均気温が5.2度低く,1月の日最低気温の月平均は-5.2℃(東京1.2℃)。年間の降雪の深さの合計は209cm,最深積雪は36cm,積雪1cm以上の日は年79.7日(東京2.8日)。年間降水量は東京の約0.8倍気象庁の平年値(観測地点「盛岡」「東京」,統計期間1991年~2020年,令和8年10月5日確認)
自動車要否を一律に判断できる公開資料なし。地裁は盛岡駅から徒歩30分,バスで10分と案内されている各機関の交通案内(Unknown)

第1 盛岡修習と本記事の資料範囲

1 盛岡修習とは

盛岡は,全国の実務修習地の一つである。
最高裁判所の司法修習の概要によれば,分野別実務修習は,民事裁判,刑事裁判,検察及び弁護の4分野について,それぞれ2か月ずつ実施される。
盛岡修習では,主に盛岡地方裁判所(盛岡家庭裁判所を含む。),盛岡地方検察庁及び岩手弁護士会がこれを担当する。

盛岡地方裁判所は,本庁のほか花巻,二戸,遠野,宮古,一関及び水沢の6支部を置き,盛岡家庭裁判所には久慈及び大船渡の2出張所がある(後記第6の5)。
支部の所在地は実務修習地ではなく,司法修習生の配属は「盛岡」として集計されている。
盛岡地方検察庁は仙台高等検察庁の管内にあり,司法研修所の組では,第70期以降のいずれの期も,仙台及び秋田と同じ組に入っている(後記第2の2)。

分野ごとの内容一般は民事裁判修習,刑事裁判修習,検察修習及び弁護修習に,司法修習の全体像は司法修習とはに記載している。
本記事は,盛岡に固有の事項を中心に扱う。

2 実務修習の法的な仕組み

司法修習生は,司法試験に合格した者の中から最高裁判所が命ずるものであり(裁判所法66条1項),少なくとも1年間修習をした後試験に合格したときに修習を終える(同法67条1項)。
裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習に関する事務を取り扱わせるため,最高裁判所に司法研修所が置かれている(同法14条)。

本ブログ掲載の司法修習生に関する規則(令和7年最高裁判所規則第3号による改正後のもの)によれば,同規則1条は,司法研修所長が修習の全期間を通じて司法修習生を統轄すると定めている。
同規則5条は,実務修習の期間を少なくとも「十箇月」とし,そのうち少なくとも「四箇月」は裁判所で,「二箇月」は検察庁で,「二箇月」は弁護士会で修習しなければならないとした上で,実務修習の時期及び場所は司法研修所長が定めるとしている。
実務修習は,司法研修所長が地方裁判所,地方検察庁又は弁護士会に委託して行わせるものとされ(同規則7条),実務修習の間の司法修習生に対する監督は,最高裁判所が地方裁判所長,検事正又は弁護士会長等に委託する(同規則8条)。

そのため,盛岡修習の指導は,司法研修所からの委託を受けた盛岡地方裁判所,盛岡地方検察庁及び岩手弁護士会が行う。
委託を受けた庁会は常に司法研修所と緊密な連絡を保つものとされ(同規則9条),実務修習を終えた際には,地方裁判所長,検事正及び弁護士会長が修習事項の大要,成績,行状等を司法研修所長に報告する(同規則10条)。
また,司法修習生は,修習に当たって知った秘密を漏らしてはならない(同規則3条)。

3 基準日と対象資料

本記事は,令和8年10月5日現在で確認できる資料に基づく。
第80期の制度及び日程は第80期の資料を優先し,第79期以前の日程表,名簿,配属表及び通知は,過去の実施例として区別する。

第80期について確認できた公式資料は,最高裁判所の令和8年度司法修習生採用選考要項(令和8年9月4日)である。
同要項(PDF2頁)は,採用発令日を令和9年3月19日(金)とし,申込手続の詳細を定める「令和8年度司法修習生採用選考申込手続の手引き」を10月中旬頃に最高裁判所ウェブサイトへ掲載する予定としている。
令和8年10月5日現在,同手引きは最高裁判所の司法修習生採用選考のページにまだ掲載されていない。
第79期では,申込手続の手引きの2頁に,集合修習と選択型実務修習の順序を実務修習地ごとに分けた表が載っていた。
したがって,第80期の盛岡がどちらの区分に入るかは,第80期の手引きの公表を待って確認する必要がある。

4 資料の確度

本記事は,記載の根拠の強さを次の4区分で考えている。

区分意味本記事での例
Confirmed法令,最高裁判所等の一次資料又は現在の公式ページで直接確認した事項第80期の採用発令日,第79期の盛岡がB班2組であること,各期の配属現員,第77期の日程表と修習開始等の事務連絡の内容
Source statement鑑文を欠く資料,民間サイトの集計等の記載第80期修習日程表の日付,民間サイトの家賃の集計,弁護士会サイトの地域別の会員数の表示
Inference複数の資料からの合理的な推測日程表の送付時期,三機関の位置関係から見た通勤の負担,積雪期の通勤への影響
Unknown調査した公開資料では確認できない事項第80期の盛岡の班・組・配属人数,第77期の検察修習・弁護修習の日程,各班の人数,選択型実務修習のプログラム,支部での修習の有無

「確認できない」は,「存在しない」という意味ではない。
公開資料に記載がないことを,制度,行事又は運用が存在しないことと読み替えない。

5 公開資料から分かる範囲

第80期について,盛岡の班,組及び配属人数を示す公開資料は確認できなかった。
過去の期については,第67期から第79期までの教官担当表等,新第63期から第79期までの配属現員表,第69期までの実務修習希望地調査表,第77期盛岡修習の実務修習日程,第71期・第76期・第77期の司法修習生配属表並びに第77期及び第78期の修習開始等に関する事務連絡が公開されている。

第77期盛岡修習の実務修習日程はPDF全16頁で,盛岡地方裁判所作成の「第77期司法修習生 裁判実務修習日程」の表紙と,第1クールから第4クールまでの日程表を収めている。
本記事で全国版のPDF(全583頁)と照合したところ,盛岡版の1頁~3頁は全国版の434頁~436頁と,4頁~16頁は全国版の551頁~563頁と同じものであり,他の修習地の頁の混入は見当たらなかった。
1頁~3頁は第3クールの日程表で,11頁~13頁と同じ内容の表が重複して収録されている。
検察修習及び弁護修習の日程表は,いずれのPDFにも収録されていない。
これは日程表に収録されていないというだけであり,検察修習及び弁護修習の行事がなかったことを意味しない。

第2 第80期盛岡修習の班・組と日程

1 A班・B班

A班・B班は,分野別実務修習の後に,司法研修所での集合修習と配属庁会での選択型実務修習のどちらを先に行うかによる区分である。
第80期について,盛岡がどちらに入るかは公表資料で確認できない(Unknown)。

参考として,令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁は,第79期について,「東京、立川、横浜、さいたま、千葉、大阪、京都、神戸、奈良、大津、和歌山」を先に集合修習を行う区分とし,「①以外の実務修習地」を先に選択型実務修習を行う区分としていた。
盛岡は後者に当たる。
司法研修所の第79期教官担当表(令和8年4月17日付)も,盛岡を含む第2組を「B班」の欄に置いている。
その運用が第80期にも続くかは,第80期の手引きで確認する必要がある。

2 司法研修所の組と合同クラス

第80期の盛岡がどの組に属するかは,公表資料で確認できない(Unknown)。
参考として,各期の教官担当表(教官組別表)によれば,盛岡が属した組は次のとおりである。

修習期(全組数)盛岡が属した組同じ組の実務修習地
第79期(全22組)B班2組仙台・山形・盛岡・秋田
第78期(全24組)B班2組仙台・盛岡・秋田・青森
第77期(全25組)B班2組仙台・盛岡・秋田・青森
第72期~第76期(全22組)B班2組仙台・山形・盛岡・秋田
第71期(全23組)B班2組仙台・山形・盛岡・秋田
第70期(全25組)B班2組仙台・盛岡・秋田・青森
第69期(全27組)B班4組水戸・福島・山形・盛岡
第67期・第68期(全28組)B班11組名古屋・秋田・盛岡

第79期,第78期及び第77期の行は,本記事で各期の教官担当表(第79期・令和8年4月17日付,第78期・令和7年8月5日付,第77期・令和6年8月2日現在)の画像を確認したものであり,その他の行は各期の原資料を一覧にした実務修習地とクラスの対応関係の記載で確認した。
全組数は同記事の記載による。

このように,盛岡は,第70期以降のいずれの期でも仙台及び秋田と同じB班2組に入っており,残りの一つの修習地が青森(第70期,第77期及び第78期)又は山形(第71期~第76期及び第79期)となっている。
第69期は水戸・福島・山形と,第67期・第68期は名古屋・秋田と同じ組であった。
いずれの期でも盛岡が単独で一つの組を構成したことはなく,他の修習地と合同の組である。
組の構成が期によって変わる理由を示す公開資料は確認できず,過去の期の組の構成から第80期の組の構成を確定することはできない。

組の希望を申し出る手続について,最高裁判所事務総長の令和8年5月20日付の司法行政文書不開示通知書(最高裁秘書第1657号)は,「第78期司法修習生組別志望等調査表」を作成又は取得していないとしている。
そのため,司法修習生が自分の組を希望する手続は設けられておらず,組は実務修習地に応じて決まると考えられる(Inference)。
各期の原資料である教官担当表は司法研修所の教官担当表に掲載している。

3 三つの「班・組」の区別

盛岡修習の資料には,名称の似た三つの区分が出てくる。

呼称意味盛岡について確認できた内容
A班・B班集合修習と選択型実務修習の実施順序に関する全国的な区分第79期はB班。第80期は未公表
第○組司法研修所におけるクラス第79期はB班2組(仙台・山形・秋田と合同)。第80期は未公表
現地の班配属庁会内のローテーションの単位第77期・第78期とも1班~3班

B班2組であることは,盛岡,仙台,山形及び秋田の修習生が司法研修所で同じクラスになることを意味するにとどまり,4庁の修習生が盛岡で一緒に修習するという意味ではない。
このほか,後記第3の2の希望倍率の高低は,A班・B班の区分とは関係がない。
過去の希望倍率の読み方は実務修習地の希望倍率―過去の統計と第2希望選びの限界で扱っている。

4 盛岡修習に関係する日程

第80期の全体日程は,第80期司法修習の日程で整理している。
同記事が基にした「第80期 修習日程」(教官会議資料2)は,作成日,発出者及び宛先を記載した鑑文が付いていない資料である(Source statement)。
最高裁判所の選考要項で確認できるのは採用発令日だけであり,その日付は同日程表の導入修習の開始日と一致する。

同日程表に基づき,盛岡修習に関係する期間を整理すると,次のとおりである。

課程第80期の期間盛岡修習との関係
導入修習令和9年3月19日~4月9日司法研修所(埼玉県和光市)で実施
分野別実務修習令和9年4月13日~11月18日盛岡の配属庁会で,4クールに分けて実施
選択型実務修習・集合修習(B班の場合)選択型:令和9年11月19日~令和10年1月7日,集合:1月12日~2月24日盛岡がB班となった場合,選択型実務修習を盛岡で行った後,司法研修所で集合修習
集合修習・選択型実務修習(A班の場合)集合:令和9年11月22日~令和10年1月7日,選択型:1月11日~2月24日盛岡がA班となった場合の順序

同日程表によれば,分野別実務修習の各クールは,第1クールが令和9年4月13日~6月8日,第2クールが6月9日~8月1日,第3クールが8月2日~9月26日,第4クールが9月27日~11月18日であり,実日数はいずれも37日である。
B班の場合,選択型実務修習の終了後に令和10年1月8日から11日までの4日間の移動日があり,集合修習の終了後の2月25日が自由研究日とされている。
同日程表の欄外には,A班の選択型実務修習及びB班の集合修習のカリキュラム終了後に5科目の筆記考試が行われる予定である旨の注記があるが,考試の具体的な日程は記載されていない。
各クールの区切り以外の事項,すなわち配属部,指導担当者,登庁時刻及び個別のプログラムは,配属庁会からの連絡で確認することになる。

第3 配属人数,希望地申告及び実務修習地の指定

1 配属人数

司法修習生配属現員表(48期以降)に掲載した各期の配属現員表によれば,新第63期以降の盛岡の配属現員は次のとおりである。
各期の採用時点の表の値であり,期名から原資料のPDFの該当頁へリンクしている。
いずれも本記事で原資料の画像を確認した。

修習期盛岡の配属現員全国計表の基準日(PDFの頁)
第79期9人1551人令和8年3月19日現在(1頁)
第78期8人1556人令和7年3月19日現在(1頁)
第77期10人1830人令和6年3月21日現在(1頁)
第76期7人1394人令和4年11月27日現在(1頁)
第75期8人1329人令和3年11月12日現在(2頁)
第74期8人1456人令和3年3月31日現在(2頁)
第73期9人1473人令和元年11月27日現在(2頁)
第72期10人1482人平成30年11月27日現在(2頁)
第71期10人1516人平成29年11月27日現在(2頁)
第70期10人1533人平成28年11月27日現在(2頁)
第69期14人1788人平成27年11月27日現在(1頁)
第68期10人1762人平成26年11月27日現在(1頁)
第67期13人1972人平成25年11月27日現在(16頁)
第66期14人2035人平成24年11月27日現在(14頁)
新第65期16人2001人平成23年11月27日現在(13頁)
新第64期16人2022人平成22年11月30日現在(11頁)
新第63期15人2021人平成21年11月27日現在(9頁)

盛岡の配属現員は,新第63期から第69期までは10人から16人まで,第70期以降は7人から10人までの範囲にある。
配属現員表は表題に記載された基準日における配属人数を示すものであり,修習を修了した者の数ではない。
配属現員表には二つの期を併記したものがあり,例えば平成26年11月27日現在の表にも第67期の盛岡13人が載っているが,同表の第67期の計は2015人(「配属無し」43人を含む。)であるため,上表では採用時点(平成25年11月27日現在)の表の値(計1972人)を用いた。
「採用者数」「修習開始者数」「配属現員」は別の数値であり,混同しない。
配属現員は各表の基準日に在籍していた人数であり,盛岡の定員又は募集枠を示すものではない。

第79期司法修習生配属現員表(令和8年3月19日現在)によれば,第79期の盛岡の配属現員は9人である(全国計1551人)。
第80期の盛岡の配属人数は,令和8年10月5日現在,確認できない(Unknown)。
なお,最高裁判所の裁判所データブック202630頁によれば,第79期の司法修習生の採用者数は全国で1551人(うち女性479人)であり,第79期の配属現員表の計(1551人)と一致する。
同書の採用者数と配属現員表の全国計は一致しないことがあり,例えば第78期は,同書の採用者数が1553人であるのに対し,配属現員表(令和7年3月19日現在)の計は1556人である。
全国の人数の推移は修習開始時点における司法修習生の人数の推移に掲載している。

2 新第63期から第69期までの希望倍率

第69期までは,司法研修所が実務修習希望地調査表を作成しており,その原表が開示されている。
原表の盛岡の行から,第1希望者数を配属現員で除した数値と,第1希望者数及び第2希望者数の合計を配属現員で除した数値を計算すると,次のとおりである。
分母の配属現員は,前記1の各期の採用時点の配属現員表の盛岡の人数である。
小数第3位を四捨五入した。
平均は,各期の数値(端数処理前)の単純平均である。
期名から,原表のPDFの盛岡の行がある頁へリンクしている。

修習期(原表)第1希望者数第2希望者数配属現員第1希望者数÷配属現員第2希望までの人数÷配属現員
第69期2人0人14人0.14倍0.14倍
第68期2人2人10人0.20倍0.40倍
第67期4人3人13人0.31倍0.54倍
第66期2人5人14人0.14倍0.50倍
新第65期2人1人16人0.13倍0.19倍
新第64期3人4人16人0.19倍0.44倍
新第63期2人2人15人0.13倍0.27倍
平均---0.18倍0.35倍

第69期の原表では,盛岡の第2希望の欄は空欄(記載なし)であり,上表では0人として計算した。
同じ数値は,本ブログ掲載の司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)及び第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)にも載せている。
両表の注記によれば,当時,希望する修習地は第1希望から第6希望まで記載でき,1群の修習地は2個までしか記載できず,第5希望及び第6希望は必ず3群の修習地から選ぶ必要があった。
両表は盛岡を「3群」としている。

第69期の原表では,盛岡を第3希望とした者が4人,第4希望とした者が4人であったのに対し,第5希望とした者が87人,第6希望とした者も87人であった。
新第63期の原表でも,第5希望が212人,第6希望が198人であった。
第5希望及び第6希望は3群の修習地から選ぶ規則であったため,3群の盛岡がこれらの欄に多く書かれたものと考えられる(Inference)。
第5希望・第6希望の人数は,盛岡を積極的に選んだ人数を示すものとは限らない。

これらは第69期までの希望の分布を示す歴史資料であり,第80期の盛岡の人気度や配属可能性を示す数値ではない。
この数値は抽選倍率でも,盛岡を第1希望とした者の配属成功率でもなく,古い倍率を根拠に盛岡を「入りやすい」「安全」と評価することも適切でない。

3 第70期以降の資料状況

最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の平成29年4月28日答申(平成29年度(最情)答申第1号)2頁によれば,実務修習希望地調査表は,第69期までは実務修習地を決定する際の参考資料として利用する場合もあるため作成されていたが,事務の合理化の観点から,第70期の司法修習生採用選考申込者に関する調査表は作成しないこととされた。
第79期及び第78期についても,最高裁判所事務総長の司法行政文書不開示通知書(令和8年3月18日付・最高裁秘書第782号及び令和8年1月19日付・最高裁秘書第3778号)は,各期の司法修習予定者の実務修習希望地調査表を作成又は取得していないとしている。
これらから確認できるのは,その名称・内容の文書が作成又は取得されていないという点であり,別の形式の集計が一切存在しないことまで示すものではない。

そのため,第70期以降について,第69期までと同じ定義の希望倍率は算出できない。
直近期の配属人数を確認できても,第80期の盛岡の希望者数,希望倍率又は配属確率は分からず(Unknown),盛岡が「人気である」「配属されやすい」と評価することはできない。

4 希望地の申告と実務修習地の指定

第80期の希望地の申告方法は,令和8年10月中旬頃に掲載予定の申込手続の手引き及び申込後に示される入力要領で確認する必要がある。
第79期の令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き6頁は,採用選考申込フォームの入力事項の一つとして「実務修習希望地に関する事項」を挙げているが,公開されている手引きには,希望地の群の区分や記載できる数の規則は書かれていない。

実務修習地の指定については,公開されている司法研修所の通知の中で,第72期の司法研修所からのお知らせ(平成30年8月1日)が次の点を明記している。
①実務修習地は,司法研修所長が決定する(2頁)。
②希望地の記載は希望どおりに決定されることを保証するものではなく,特定の実務修習地に希望者が集中した場合などには希望どおりに決定されないことがある(2頁)。
③通知した実務修習地の変更は,認められない(2頁)。
④当時の様式では,盛岡は山形,秋田,青森等とともに「3群」に分類されていた(6頁)。第1希望から第4希望までは1群から3群までの中から記載し(1群から選択するのは2箇所まで),第5希望及び第6希望は3群から記載するものとされていた(8頁)。

①から③は第72期の通知の記載であるが,第80期の扱いを確認する際の出発点になる。
①は,実務修習の時期及び場所は司法研修所長が定めるとする司法修習生に関する規則5条の規定(前記第1の2)に対応する。
④の群の区分と記載数の制限は第72期の紙の様式の規則であり,第80期の入力フォームでも同じであるとは限らない。

最高裁判所の情報公開・個人情報保護審査委員会の令和元年8月23日答申(令和元年度(最情)答申第40号)2頁によれば,第72期の実務修習地は,実務修習希望地調査書に記載された希望修習地及びその順位,各人の健康状態,家族状況等の諸般の事情を考慮して検討・調整を行った上で,名簿を作成して決定されたと説明されている。
前記3の平成29年答申3頁も,実務修習地の決定に当たっては,司法修習生の希望を基本として,各人の諸般の事情を考慮しているとしている。

通知後の変更が認められないことについては,例外的に配属換えがされた例もある。
同委員会の平成30年3月23日答申(平成29年度(情)答申第21号)は,旭川地方裁判所に配属された第70期の司法修習生の一部が配属換えになったことに関する文書を対象とするものである。
これは盛岡に関する例ではなく,配属換えの理由は同答申からは分からない。

家庭事情等の申告方法,「一任」の扱い及び過年度資料の適用限界は,80期司法修習の希望地申告で詳しく扱っている。
全国の実務修習地の一覧と選び方は司法修習の場所―全国51の実務修習地一覧と選び方を参照されたい。

第4 第77期盛岡修習の具体的内容

1 確認したPDFの範囲

第77期盛岡修習の実務修習日程は,盛岡地方裁判所が作成した裁判実務修習の日程表を収めたPDFである。
本記事では全16頁を画像で確認した。
テキスト抽出は文字化けが多く,表の欄の対応も崩れていたため,日付と行事の対応はすべて画像で読み,受付印は拡大して確認した。

確認項目記録内容
資料名表紙の表題は「第77期司法修習生 裁判実務修習日程」(自 令和6年4月16日,至 令和6年11月20日)。各クールの表の見出しは「第○クール実務修習日程」
作成・送付主体表紙に「盛岡地方裁判所」とある。送付文はPDFに含まれていない
作成・送付日表紙に作成日の記載はない。司法研修所の受付印は,表紙が令和6年9月13日,1頁(第3クールの単独の写し)が同年7月10日台(日の一の位は判読できない)と読める
頁数16頁(1頁~3頁:第3クールの日程表。4頁:表紙。5頁~7頁:第1クール。8頁~10頁:第2クール。11頁~13頁:第3クール。14頁~16頁:第4クール)
収録範囲民事裁判修習及び刑事裁判修習(家裁修習を含む。)の日程と,裁判所での共通行事。検察修習・弁護修習の欄は班名と分野名だけで,行事の記載はない
現地班1班~3班。各表の冒頭に,その班がそのクールに修習する分野(民事裁判,刑事裁判,検察又は弁護)が書かれている
掲載分野民事裁判修習・刑事裁判修習(家裁修習を含む。)。検察修習・弁護修習の日程表はない
表の列月日,曜日,各班の欄(班名と修習分野)
判読方法全頁を画像で目視(100dpi。受付印は300dpiで拡大)。テキスト抽出は補助的に使用
判読できない範囲1頁の受付印の日の一の位。日程表の本文に判読できない欄はなかった

1頁~3頁と11頁~13頁は,いずれも「第3クール実務修習日程(R6.8.2~R6.9.26)」であり,記載された行事は同じである。
1頁の右上には手書きで「盛岡」とあり,下部の頁番号は1頁~3頁となっている。
これに対し,5頁~16頁の下部の頁番号は2頁~12頁であり,4頁の表紙と合わせて一つの冊子になっている。
同じPDFに綴られた第77期の配属表(後記8)の第3クール分は令和6年7月10日付であり,1頁の受付印(7月10日台)と時期が合うことから,第3クールの日程表が配属表とともに先に送付され,その後,4クール分をまとめた冊子が送付されたと考えられる(Inference)。

2 現地の班編成と巡回順序

司法研修所事務局長の令和5年度(第77期)司法修習生の修習開始等について(令和6年2月7日付)のPDF13頁は,第77期の盛岡の実務修習順序を次のとおりとしていた。

第77期の現地班第1クール(令和6年4月16日~)第2クール(6月11日~)第3クール(8月2日~)第4クール(9月27日~)
1班検察民事裁判弁護刑事裁判
2班刑事裁判弁護検察民事裁判
3班検察刑事裁判民事裁判弁護

4班の欄は斜線で消されており,第77期の盛岡は3班編成であった。
日程表の各クールの冒頭に書かれた班と分野は,この事務連絡の順序と一致している。
第1クールは1班と3班が同時に検察修習をするため,民事裁判修習の班がなく,第3クールは刑事裁判修習の班がない。
家裁修習は「裁判実務修習中に行う。」とされていた(後記5)。

第78期については,司法研修所事務局長の令和6年度(第78期)司法修習生の修習開始等について(令和7年2月4日付)のPDF13頁に,盛岡の実務修習順序が記載されている。

第78期の現地班第1クール(令和7年4月14日~)第2クール(6月9日~)第3クール(7月31日~)第4クール(9月25日~)
1班検察刑事裁判弁護民事裁判
2班民事裁判弁護検察刑事裁判
3班検察民事裁判刑事裁判弁護

第78期も3班編成(4班の欄は斜線)で,家裁修習は「裁判実務修習中に行う。」とされていた。
第77期と比べると,各班が検察修習・弁護修習をするクールは同じであるが,民事裁判修習と刑事裁判修習のクールがすべての班で入れ替わっている。
このように期によって順序が変わることがあるため,第80期の班編成と順序は配属後の案内で確認する必要がある。

分野別実務修習の初日の集合場所は,第77期の事務連絡(PDF18頁)では令和6年4月16日午前9時に,第78期の事務連絡(PDF18頁)では令和7年4月14日午前9時に,いずれも「盛岡地方裁判所事務局総務課(6階)」とされていた。
開始日に持参する教材等は,第77期は「なし」,第78期は1班・3班が「印鑑(スタンプ式不可)」,2班が「なし」とされていた。
第77期の日程表では,同日に「実務修習開始式(5F大会議室)」(午前10時から)が全班にまたがって置かれている。

班の人数は,第77期の日程表にも第77期・第78期の事務連絡にも記載されていない(Unknown)。
配属現員(第77期は10人)を班の数で割った人数は,資料に基づく人数ではないため,本記事では記載しない。

3 民事裁判修習

第77期の日程表で民事裁判修習を確認できるのは,第2クールの1班,第3クールの3班及び第4クールの2班である。
いずれの班も,民事の欄におおむね次の行事が置かれている。
①部長による「民裁修習の心得」(各クールの初日。1班6月11日,3班8月2日,2班9月27日)
②書記官講義(表には「主席書記官講義」又は「首席書記官講義」とある。1班6月13日,3班8月5日,2班9月30日)
③民裁問研起案(午前10時~午後3時。1班6月14日,3班8月7日,2班10月2日)
④争点整理DVD視聴講義(1班6月21日,3班8月19日,2班10月4日)
⑤問研講評(午前。場所は「自宅からオンライン」。1班6月27日,3班8月21日,2班10月16日)
⑥司研教官との面談(1班6月28日,3班8月22日,2班10月22日)
⑦倒産法講義,民事執行法講義及び民事保全法講義(いずれも裁判官が担当。各班のクール中に1回ずつ)
⑧修習結果簿の提出(1班7月30日,3班9月20日,2班11月18日)

このほか,第2クールの1班の欄には,7月12日に「共通課題(プリンター事件)の提出」が置かれている。
個別の配属部での事件記録の検討,期日の傍聴,執行・保全・破産事件の実地の修習が行われたかどうかは,日程表からは分からない。
日程表には簡易裁判所での行事の記載はない。

4 刑事裁判修習と裁判員裁判

第77期の日程表で刑事裁判修習を確認できるのは,第1クールの2班,第2クールの3班及び第4クールの1班である。
刑事の欄には,刑裁ガイダンス,刑裁問研起案(午前10時~午後3時),書記官講義,プラ刑DVD講義,問研講評(午前,自宅からオンライン),司研教官との面談,「問題研究1」「問題研究2」及び「ミニ模擬裁判(200号法廷)」が置かれている(第2クールの3班の欄は,刑裁問研起案,問研講評及び面談だけである。)。

第1クールの2班の欄には,5月10日の「裁判員選任手続期日」から,5月16日・17日・20日の「裁判員裁判1日目」から「裁判員裁判3日目」まで,5月21日の「裁判員評議」,5月22日の「裁判員4日目(15:00判決宣告)」までが置かれている。
第4クールの1班の欄にも,初日の9月27日の「裁判員3日目(鑑定人尋問)」から,10月1日の「裁判員4日目(証人尋問)」,10月3日の「裁判員(論告・弁論)」,10月4日・7日の「裁判員(評議)」及び10月10日の「裁判員(判決)」までが置かれている。
これらは,その期間に係属していた個別の裁判員裁判の日程と考えられ(Inference),同じ時期に裁判員裁判が組まれるとは限らない。
第2クールの3班の欄には裁判員裁判の記載はない。

5 家裁修習

家裁修習は,各班の刑事裁判修習の期間中に,次のとおり5日ずつ置かれている。
①第1クール:2班(6月3日~7日)
②第2クール:3班(7月8日~12日)
③第4クール:1班(11月11日~15日)

いずれの頁にも「【家裁修習】」として,詳細日程は修習期間の開始前に配布すること,総務課で登庁簿記入後,午前9時に家裁裁判官室へ集合すること,欠席する場合は必ず事前に申し出ることが注記されている。
講義や見学の内訳,場所及び時刻は,日程表には記載されていない。
事務連絡は家裁修習の時期を「裁判実務修習中」とだけ書いているが,第77期の日程表ではいずれも刑事裁判修習の期間中に置かれていた。

6 所長講話その他の共通行事

第2クールの6月12日には,「所長講話(6F小会議室)」(午後1時30分~2時30分)が,民事裁判修習の1班と刑事裁判修習の3班にまたがって置かれている。
分野別実務修習の初日の4月16日には,前記2のとおり「実務修習開始式(5F大会議室)」があり,2班は開始式の後に修習生への情報セキュリティー等のレクチャーがあるとされている。

日程表上の自由研究日は,第1クールの5月2日,第2クールの7月16日,第3クールの8月13日~15日及び第4クールの10月11日であり,いずれも全班にまたがって置かれている。
選択型実務修習の説明会,施設見学,社会修習等の行事は,日程表には記載されていない(Unknown)。

7 検察修習及び弁護修習

第77期の日程表は裁判所の民事裁判修習及び刑事裁判修習のものであり,盛岡地方検察庁での検察修習と岩手弁護士会での弁護修習の欄は,班名と「検察」「弁護」の表示だけで行事の記載がない。
前記2のとおり,各班が検察修習・弁護修習をしたクールは事務連絡で確認できるが,個々の行事の内容は確認できない(Unknown)。
これは日程表に収録されていないことによるものであり,検察修習及び弁護修習の行事がなかったことを示すものではない。

盛岡地方検察庁の組織と検察修習の担当課は後記第6の3,岩手弁護士会は後記第6の4に記載した。

8 指導担当体制

第77期の司法修習生配属表(全4頁)は,盛岡地方裁判所長から司法研修所長に宛てたもので,令和6年4月18日付(第1クール),5月27日付(第2クール),7月10日付(第3クール)及び9月13日付(第4クール)の各頁がある。
各頁は,民事修習指導官と同補佐,刑事修習指導官と同補佐を挙げた上で,部を「民」と「刑」に分け,個別指導裁判官を記載している。
第2クール及び第4クールの頁では,「民」に4人,「刑」に5人(うち2人に「(家裁)」の付記がある。)の個別指導裁判官が記載されている。
第1クールの頁は「刑」だけ,第3クールの頁は「民」だけであり,前記2の巡回順序(第1クールは民事裁判修習の班がなく,第3クールは刑事裁判修習の班がない。)と一致する。
「刑」の欄に家庭裁判所の裁判官が記載されていることは,家裁修習が刑事裁判修習の期間中に置かれていたこと(前記5)と整合する。
司法修習生の氏名欄は黒塗りであり,本記事では裁判官の氏名は転載しない。

第76期及び第71期についても,第76期の司法修習生配属表(全4頁,令和4年12月20日付から令和5年6月12日付まで)及び第71期の司法修習生配属表(全4頁,平成29年12月25日付から平成30年4月17日付まで)が公開されている。
これらは各期の裁判所の体制であり,名簿上の人数は,全修習生に常時関与する人数を意味するものではない。

9 第80期へ適用できない事項

以上は第77期の実施実績である。
第80期の盛岡の班編成,巡回順序,担当者,配属部,日付,教材,実施方式及びプログラムが同じであることを示すものではない。
裁判員裁判の日程は,その時期に係属する事件によるものであり,第80期に同じ時期の裁判員裁判が組まれることを示すものでもない。
第80期の具体的な日程は,配属庁会から交付される日程表で確認する必要がある。

第5 集合修習と選択型実務修習

1 実施順序と盛岡修習への影響

第80期の盛岡がB班となる場合,令和9年11月18日に分野別実務修習を終えた後,翌19日から令和10年1月7日まで盛岡で選択型実務修習を行い,同月12日から2月24日まで司法研修所で集合修習を行うことになる。
この場合,盛岡での修習は令和9年4月から令和10年1月上旬まで続き,12月(平年値で最深積雪19センチメートル,積雪1cm以上の日が14.7日)を盛岡で過ごすことになる。
これに対し,盛岡がA班となる場合は,令和9年11月22日から令和10年1月7日まで司法研修所で集合修習を行い,同月11日から2月24日まで盛岡で選択型実務修習を行うことになり,1月・2月(最深積雪27センチメートル・32センチメートル)を盛岡で過ごすことになる。
いずれの場合も,修習期間の一部は盛岡の積雪期と重なる(気象の数値は後記第8の1)。
盛岡の住居を集合修習の期間も維持するか否かは,後記第7の4のとおり住居給付金の扱いに関係する。
盛岡がどちらの区分に入るかは,前記第2の1のとおり第80期の手引きで確認する必要がある。

集合修習の内容は集合修習とはで整理している。

2 選択型実務修習

選択型実務修習では,分野別実務修習で弁護修習をした法律事務所がホームグラウンドとなり,配属庁会が提供する個別修習プログラム,全国プログラム及び自己開拓プログラムを組み合わせる。
盛岡地方裁判所,盛岡地方検察庁及び岩手弁護士会が第80期に提供するプログラムの名称,定員,日程及び選考方法は,公開資料では確認できない(Unknown)。
第77期の日程表にも,選択型実務修習の説明会やプログラムの記載はない。
第80期の募集内容は,配属後に配属庁会及び司法研修所から示される案内で確認する必要がある。

制度一般は選択型実務修習とは及び選択型実務修習の運用ガイドラインを参照されたい。

第6 主な修習先,管内及び通勤

1 三機関の所在地

盛岡修習の中心となる機関は,いずれも盛岡市の中心部にある。

機関所在地交通等公式案内
盛岡地方裁判所・盛岡家庭裁判所・盛岡簡易裁判所盛岡市内丸9-1JR盛岡駅から徒歩30分。駅から岩手県交通バスのバスセンター方面行き乗車10分,中央通り1丁目停留所下車徒歩1分管内の裁判所の所在地
盛岡地方検察庁(盛岡区検察庁)盛岡市内丸8番20号交通案内の本文は本記事では取得できなかった盛岡地方検察庁
岩手弁護士会盛岡市大通一丁目2番1号 岩手県産業会館本館2階交通案内の本文は本記事では確認していない岩手弁護士会

盛岡地方裁判所,盛岡家庭裁判所及び盛岡簡易裁判所は同じ所在地にあり,盛岡地方検察庁も同じ内丸にある。
岩手弁護士会は,内丸に隣接する大通にある。
三機関の所在地の位置関係から,三機関の間の移動の負担は小さいと考えられる(Inference)。
盛岡地方裁判所のアクセス情報は,裁判員候補者向けに,構内の駐車スペースは限られているのでなるべく公共交通機関を利用するよう案内しており,庁舎前庭には国の天然記念物「石割桜」があるとしている。
第77期の日程表には,「5F大会議室」「6F小会議室」「6F予備室」「1F多目的室」「4F1号和解室」「裁判関係室」「200号法廷」等の会場が出てくる。

盛岡駅と中心市街地を結ぶ交通として,盛岡市の盛岡都心循環バス(でんでんむし)について知りたい。によれば,盛岡都心循環バス(愛称「でんでんむし」)は,盛岡駅前を出発し,市内の中心商店街,官公庁及び名所を1周35分で走り,再び盛岡駅に戻るルートを左回りと右回りの両方向で運行している。

2 盛岡地方裁判所本庁の部

第77期の日程表は,民事裁判修習・刑事裁判修習の配属部を部の名称では記載しておらず,配属表も部を「民」と「刑」に分けるだけである。
盛岡地方裁判所の令和6年度における盛岡地方裁判所及びその管内の簡易裁判所の裁判官の配置,事務分配,代理順序及び開廷日割等について(令和6年4月1日施行)によれば,本庁には第一民事部,第二民事部及び刑事部の3部が置かれ,第二民事部が「第一民事部に分配する事件を除く民事事件全部」を,刑事部が「刑事事件全部」を担当し,第一民事部の事務分配は,第二民事部に属する裁判官並びに支部及び管内簡易裁判所の民事事件を担当する裁判官の忌避事件とされていた(PDF1頁~2頁)。
第77期の配属表で「民」の個別指導裁判官とされた4人は,いずれも同規程で第二民事部に配置された裁判官であった。
令和8年度の部の構成を示す資料は,本記事では確認していない。

3 盛岡地方検察庁

法務省の検察庁事務章程(昭和60年法務省訓令第1号。令和8年4月8日法務省訓令第1号による改正後のもの)の別表第1は,部を置く地方検察庁を東京,大阪,名古屋,横浜,さいたま,千葉,京都,神戸,福岡,札幌,広島,仙台及び高松の13庁としており,盛岡地方検察庁はこれに含まれない(PDF6頁)。
部の置かれていない「その他の地方検察庁」には,別表第3により総務課,会計課,企画調査課及び監査室が置かれ(PDF11頁),別表第6は,企画調査課の所管事務として「司法修習生の修習指導に関すること(教養課又は司法修習課の置かれていない庁に限る。)。」を掲げている(PDF13頁)。
盛岡地方検察庁では企画調査課が検察修習の事務を担当する建付けであると考えられる(Inference)。

検察庁の職員の配置定員について(令和8年4月8日付法務省人定第16号。同月1日から適用)の別表第3(PDF4頁)によれば,盛岡地方検察庁の配置定員は,検事6人,副検事7人,行政職(一)・公安職(二)89人及び行政職(二)1人の合計103人である。
仙台高等検察庁の管内6庁の中では,仙台189人,福島153人,青森109人に次ぎ,山形(103人)と同数であり,秋田(93人)より多い。
この定員は管内の支部及び区検察庁を含む数であり,同通達第5項により支部及び区検察庁ごとの定員は検事正が別に定めるとされているため,本庁だけの人数は分からない。
また,定員であって各時点の現員ではない。
各地の検察庁の内部規程は各地の検察庁の執務規程に,配置定員の各年度の通達は法務省の定員に関する訓令及び通達に掲載している。

4 岩手弁護士会

岩手弁護士会のウェブサイトによれば,同会の所在地は盛岡市大通一丁目2番1号 岩手県産業会館本館2階であり,盛岡法律相談センターも同じ建物(産ビル)の2階にある。
同会の「弁護士に相談したい」のページには,盛岡のほか,北上・花巻,山田町及び大槌町の法律相談センターが掲げられている。
同会の「岩手の弁護士一覧」は会員を市ごとに掲載しており,盛岡市の頁の表題は「盛岡市(75名)」となっている(Source statement。表示の基準日は記載されていない。)。

日本弁護士連合会の弁護士会別弁護士数とその内訳(2025年3月31日現在)によれば,岩手弁護士会の正会員数は110人(うち女性12人,10.9%)であり,法律事務所数は79である。
東北弁護士会連合会に属する6会の中では,仙台489人,福島県191人に次ぎ,青森県(110人)と同数であり,山形県(100人)及び秋田(79人)より多い。
弁護修習は個々の法律事務所で行われるため,配属先の事務所の所在地によって通勤の条件は異なる。
弁護修習の配属先が盛岡市内の事務所に限られるかどうかは,公開資料からは確認できない(Unknown)。

5 管内と支部

盛岡地方裁判所の管内の裁判所の所在地によれば,本庁のほか次の支部及び出張所並びに簡易裁判所がある(支部には家庭裁判所の支部と簡易裁判所を併置)。
①花巻支部(花巻市花城町8-26)
②二戸支部(二戸市石切所字荷渡22番地14)
③遠野支部(遠野市東舘町2-3)
④宮古支部(宮古市宮町1-3-30)
⑤一関支部(一関市城内3-6)
⑥水沢支部(奥州市水沢大手町4-19)
⑦盛岡家庭裁判所久慈出張所(久慈簡易裁判所を併置。久慈市田屋町2-50-5)
⑧盛岡家庭裁判所大船渡出張所(大船渡簡易裁判所を併置。大船渡市盛町字宇津野沢9-3)
⑨釜石簡易裁判所(釜石市大只越町1-7-5)

盛岡地方検察庁の所在地・交通アクセスのページは,盛岡区検察庁のほか,花巻,二戸,遠野,宮古,一関及び水沢の各支部と,花巻,二戸,久慈,遠野,釜石,宮古,一関,大船渡及び水沢の各区検察庁を掲げている。

もっとも,第77期の日程表には支部での修習の記載はなく,第80期の盛岡修習で支部への出張又は宿泊を伴う行程が組まれるかどうかは,公開資料からは確認できない(Unknown)。
管内に支部があることから,支部へ移動する頻度を推測することもできない。

6 三機関の間の移動と自動車

前記1のとおり,裁判所と検察庁はいずれも盛岡市内丸に,弁護士会は隣接する大通にあり,盛岡地方裁判所までは盛岡駅から徒歩30分,バスで10分とされている。
三機関の間の日常の移動は徒歩又はバスで足りると考えられるが(Inference),弁護修習の配属先の事務所が盛岡市外にある場合や,支部での修習が組まれた場合の移動手段は,公開資料からは分からない。
自動車が必要か否かを一律に判断できる公開資料は確認できなかったため,自動車の保有を前提に契約又は購入をする前に,配属先の案内を確認するのが相当である。
冬期に自動車を使う場合は,冬用タイヤ,駐車場の除雪及び運転に慣れているかどうかも考慮する必要がある(後記第8の2)。

第7 住居,家賃及び修習給付金

1 住居の確保

令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁は,第79期について,「指定された実務修習地における住居の確保は、各自で行うことになっています。」としている。
第80期について同じ記載があるかは,第80期の手引きで確認する必要がある。
盛岡に司法修習生用の寮が用意されることを示す公開資料は確認できなかった。
盛岡修習の場合,令和9年4月13日の分野別実務修習の開始に間に合うように住居を確保することになる。

2 住居を探す地域

三機関はいずれも盛岡市中心部の内丸・大通にあるため,そこへの徒歩・バスでの経路を基準に考えるのが,通勤の負担を考える際の一つの目安になる(Inference)。
盛岡駅周辺は鉄道やバスを利用しやすいが,盛岡地方裁判所までは徒歩30分とされているため,冬季の徒歩の所要時間も見込む必要がある。
ただし,弁護修習の配属先の事務所の所在地は人によって異なり,支部での修習の有無も確認できないため,三機関の位置だけで住居の候補を決めることはできない。
物件の水害・土砂災害のリスクは,盛岡市の防災マップ・ハザードマップで確認できる。

3 家賃

総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査(調査時点は令和5年10月1日)の第112-2表によれば,民営借家(専用住宅)の1か月当たり家賃の平均は,盛岡市が5万785円(家賃0円を含む。家賃0円を含まない平均は5万1458円)である。
同じ区分の岩手県の平均は4万8300円,全国の平均は6万4819円である(いずれも家賃0円を含む。)。
共益費・管理費は別の欄で集計されており,盛岡市の民営借家の平均は1919円(0円を含む。)である。
これは入居中の借家全体の平均であり,間取りや築年数を区別したものではなく,修習生が新たに借りる物件の募集賃料とも異なる。

参考として,民間の賃貸情報サイトの集計を令和8年10月5日に閲覧したところ,次のとおりであった(いずれもSource statement)。
①Yahoo!不動産の盛岡市の家賃相場:掲載物件全体の平均賃料は5.8万円(5195件),一人暮らし向けの平均賃料は5.2万円,間取り別ではワンルーム5.1万円,1K4.4万円,1DK4.9万円,1LDK6.8万円。同サイトは掲載中の物件から平均賃料を算出したものとしており,管理費を含むか否かの表示はない。
②LIFULL HOME’Sの盛岡市の家賃相場:ワンルーム5.11万円,1K4.88万円,1LDK6.34万円。同サイトは,駅徒歩10分以内の物件の平均賃料(管理費・駐車場代等を除く。)を軸に過去データから算出し,毎週金曜日に更新するとしている。
いずれも掲載物件の入替えや算出方法により数値は変わる。

物件を選ぶ際には,表示家賃だけでなく,次の点を確認する必要がある。
①管理費,暖房費その他の光熱費
②三機関それぞれへの経路と,積雪・凍結時の所要時間
③暖房設備,断熱性能及び水道管の凍結防止の設備(後記第8の1・2)
④駐車場代と駐車場の除雪の扱い(自動車を使う場合)
⑤家具家電,短期解約違約金,更新費用及び退去費用
⑥住居給付金の要件(契約名義,家賃負担及び届出期限)を満たすかどうか

4 修習給付金と集合修習の期間の住居

裁判所法67条の2第2項は,修習給付金の種類を基本給付金,住居給付金及び移転給付金とする。
最高裁判所の司法修習生の修習給付金についてによれば,基本給付金は給付期間ごとに13万5000円,住居給付金は給付期間ごとに3万5000円である。
住居給付金は定額であり,これを超える家賃は各自の負担となる。

司法研修所事務局総務課・経理課の修習給付金案内(第79期)によれば,住居届(新規)の届出期限は要件を具備した日から7日以内(初日不算入)であり(7頁),7日を経過した後に届け出たときは,届出を受理した日の属する給付期間の次の給付期間から支給が開始される(8頁)。
同案内21頁は,ウィークリーマンション等であっても,生活の本拠としたと認め得る程度に長期間居住した場合は支給される場合があるとし,親名義の賃貸借契約は原則として要件を満たさないが,例外的に支給される場合があるとしている。

盛岡がB班となる場合,集合修習は修習の最後に司法研修所で行われる。
同案内7頁は,集合修習の期間について,その間に対象住宅の賃貸借契約を継続し,かつ集合修習の終了後に対象住宅に戻って居住する場合に限り,司法研修所の寮に入寮する者は例外的に届出が不要となり,自宅,実家,配偶者の所有する住宅等に居住する者は「変更」の届出をするとした上で,これらの期間は住居給付金の支給対象にならないとしている。
B班の場合,集合修習の後に盛岡へ戻って修習することはないため,集合修習の期間中も盛岡の住居を維持すると,住居給付金を受けられないまま家賃を負担することになると考えられる(Inference)。
盛岡がA班となった場合は,集合修習の後に盛岡へ戻って選択型実務修習を行うため,同じ7頁の取扱いがそのまま問題になる。
盛岡の住居をいつ解約するかは,選択型実務修習の終了日,移動日,解約予告期間及び集合修習中の住居の確保方法によって異なり,第80期の案内で確認する必要がある。

第80期の修習給付金関係の案内は,選考要項(PDF3頁)によれば令和9年1月中旬に掲載される予定である。
制度の詳細は司法修習生の住居給付金及び司法修習生の移転給付金で扱っている。
修習給付金の支給を受けてもなお必要な資金は,裁判所法67条の3の修習専念資金(無利息の貸与)の対象となり,選考要項(PDF3頁)によれば第80期の修習専念資金の案内は令和8年11月上旬に掲載される予定である。

5 導入修習期間中の入寮

導入修習は司法研修所(埼玉県和光市)で行われ,希望者は入寮を申し込む。
第72期の司法研修所からのお知らせ13頁~14頁は,入寮希望者が多い場合の取扱いとして,実務修習地が東京,立川及びさいたまとなる者を各実務修習地に住居を有するものとみなすとしていたが,盛岡はこの3庁に含まれていない。
これは第72期の扱いであり,第80期の入寮の取扱いは,申込み後に示される案内で確認する必要がある(Unknown)。

第8 気象条件,冬の生活及び就職情報

1 東京との気象条件の比較

(1) 比較表

気象庁の平年値(統計期間1991年~2020年)により,観測地点「盛岡」と観測地点「東京」を同じ要素・単位で比べると,次のとおりである。
観測地点と出典は後記(3)に記載した。

気象要素盛岡東京盛岡と東京の差・生活上の意味
年平均気温(℃)10.615.8盛岡が5.2度低い
1月の平均気温(℃)-1.65.4盛岡が7.0度低い
1月の日最高・日最低気温の月平均(℃)2.0/-5.29.8/1.2昼の最高気温は盛岡が7.8度,朝の最低気温は6.4度低い
8月の平均気温(℃)23.526.9盛岡が3.4度低い
8月の日最高・日最低気温の月平均(℃)28.4/19.831.3/23.5昼は2.9度,夜は3.7度低い
日最高気温30℃以上の日数(年)22.4日52.1日盛岡は東京の半分以下
日最高気温35℃以上の日数(年)0.9日4.8日盛岡は年1日に満たない
日最低気温0℃未満の日数(年)121.6日15.2日盛岡は東京の約8倍
日最高気温0℃未満の日数(年)12.4日0.0日盛岡には一日中氷点下の日がある
年間降水量(mm)1279.91598.2盛岡が約318ミリメートル少ない(約0.8倍)
7月・8月・9月の降水量(mm)197.5・185.4・151.7156.2・154.7・224.9盛岡は7月・8月に多く,9月は少ない
年間日照時間(時間)1686.31926.7盛岡が約240時間短い
1月・12月の日照時間(時間)115.6・103.7192.6・174.4冬は東京の約6割
年間の降雪の深さの合計・最深積雪(cm)209/368/6盛岡の雪は東京より格段に多い
積雪の深さ1cm以上の日数(年)79.7日2.8日盛岡は年の5分の1以上の日に積雪がある

(2) 夏・冬の違いと生活への影響

冬は,1月の平均気温が-1.6度で東京(5.4度)より7.0度低く,日最高気温の月平均も2.0度にとどまる。
日最低気温が0℃未満となる日は年121.6日(東京15.2日)あり,1月は29.8日,12月は25.6日,2月は26.8日,11月も9.8日,4月も5.8日ある。
日最高気温が0℃未満となる日も年12.4日あり,1月は6.4日である。
雪は,降雪の深さの合計が年209センチメートル(1月63センチメートル,2月55センチメートル,12月44センチメートル)であり,最深積雪は年36センチメートル(2月32センチメートル,1月27センチメートル,3月21センチメートル,12月19センチメートル)である。
積雪の深さ1cm以上の日は,1月が25.8日,2月が24.5日,12月が14.7日,3月が11.9日であり,11月(1.8日)と4月(1.1日)にもある。
降雪の深さの合計は期間中に降った雪の量を積算した値であり,その高さで常に積もっているという意味ではない。
冬の日照時間は,1月が115.6時間,12月が103.7時間で,東京の約6割である。

夏は,8月の平均気温が23.5度で東京(26.9度)より3.4度低く,日最高気温30℃以上の日は年22.4日(東京52.1日),35℃以上の日は年0.9日(東京4.8日)である。
8月の日最低気温の月平均も19.8度で,東京(23.5度)より3.7度低い。
他方,相対湿度は7月・9月が80%,8月が79%(東京は76%・75%・74%)と東京より高く,年平均も74%(東京65%)である。
雨は,年間降水量では東京より少ないが,7月(197.5ミリメートル)と8月(185.4ミリメートル)は東京(156.2ミリメートル・154.7ミリメートル)より多い。

第80期の日程表に当てはめると,分野別実務修習が始まる令和9年4月は,平年値で平均気温8.7度,日最低気温の月平均3.2度であり,冬日も残る時期である。
第2クール(6月9日~8月1日)と第3クール(8月2日~9月26日)は,盛岡で降水量の多い7月・8月に当たる。
第4クール(9月27日~11月18日)の終わりには,11月の降雪(平年値で6センチメートル)が始まり,その後の選択型実務修習又は集合修習の期間は,前記第5の1のとおりB班・A班のいずれでも盛岡の積雪期と重なる。

これらの統計からは,盛岡修習では次の点への備えが中心になると考えられる(Inference)。
①11月から3月までの防寒具と,雪道・凍結路面を歩くための滑りにくい防水性の靴
②十分な暖房設備,断熱性能及び水道管の凍結防止の設備を備えた住居と,冬期の光熱費の見積り
③積雪・凍結時のバスの遅れや徒歩の所要時間の増加を見込んだ通勤経路(自転車は冬期の利用が難しいと考えられる。)
④自動車を使う場合の冬用タイヤと駐車場の除雪
⑤夏は東京より暑さは穏やかであるが,湿度が高いことを前提とした除湿・換気
平年値は個々の日の気温や降雪を示すものではなく,年により大雪や低温となることがある点にも留意を要する。

(3) 観測地点・統計期間と未確認値の扱い

盛岡の値は,気象庁の観測地点「盛岡」(盛岡市山王町,盛岡地方気象台。北緯39度41.9分,東経141度9.9分,標高155.2m)の,盛岡の平年値(主な要素),同(降水量),同(気温),同(日照時間)及び同(雪)による。
東京の値は,観測地点「東京」(千代田区北の丸公園,東京管区気象台。北緯35度41.5分,東経139度45.0分,標高25.2m)の,東京の平年値(主な要素),同(降水量),同(気温),同(日照時間)及び同(雪)による。
所在地は気象庁の地域気象観測所一覧による。
いずれも統計期間は1991年~2020年(資料年数30年)であり,令和8年10月5日に確認した。
本記事では,主な要素の表と要素別の表の同じ列の値が一致することを確かめた上で用いた。

雪の表では,降雪の深さ(新たに降った雪の量)と最深積雪(積もった雪の深さ)は別の要素であり,日数の欄も,降雪の深さの日合計が1cm以上の日数と,最深積雪が1cm以上の日数とに分かれている。
本記事の比較表と本文の積雪の深さ1cm以上の日数は,後者の値である(盛岡の降雪の深さの日合計が1cm以上の日数は年42.8日,1月13.3日である。)。
盛岡の5月から10月まで,東京の4月から11月まで(最深積雪は5月から10月まで)の雪の欄は,値の代わりに横線が表示されており,本記事ではこれを0として扱っていない。
気温の各階級の日数は,同じ気温の表(日最高・日最低の階級別日数)の値である。

2 冬の道路と除雪・防災

盛岡市の広報もりおか令和7年12月1日号6頁~7頁によれば,市は市道の除排雪を実施し,バス路線など主要交差点を中心に凍結防止剤を散布するが,市道の総延長は2140キロメートルに及び,全ての市道の除排雪には対応できないため,自宅の前や身近な道路は町内・近所で協力し合って除排雪するよう求めている。
同号によれば,市の除雪基準は「降雪量が10㌢を超えたとき」であり,通勤・通学路の確保や緊急車両の通行確保を優先するため,家の前に残った雪までは手が回らないとされている。
そのため,物件を選ぶ際には,前面道路の除雪の状況,敷地内の除雪を誰が行うか,駐車場の雪処理及びバス停までの経路を確認するのが安全である(Inference)。

盛岡市の中心部は北上川,中津川及び雫石川が合流する地域にあるため,水害及び土砂災害のリスクは,前記第7の2の盛岡市の防災マップ・ハザードマップで物件ごとに確認しておくのが安全である。

3 就職に関する行事

岩手弁護士会のウェブサイトでは,令和8年10月5日現在,トップページ,「岩手弁護士会とは」の頁及びサイト内検索(「修習」「就職」)の結果を確認した限り,司法修習生向けの就職説明会や求人求職の案内は確認できなかった(Unknown)。

全国向けの行事としては,東京弁護士会の東京三弁護士会司法修習予定者等就職合同説明会のページによれば,令和8年は「第79期司法修習生および第80期司法修習生予定者等全国就職合同説明会」として,東京三弁護士会が日本弁護士連合会及び関東弁護士会連合会と共催し,同年11月26日から同月30日まで,オンラインで開催される。
同ページは,所在地が東京以外の法律事務所は,事務所の所在する弁護士会から申し込むものとしている。
また,日本弁護士連合会は,第80期司法修習予定者対象の就職活動セミナーを,令和8年11月21日に弁護士会館とZoomの併用で開催するとしている。

第9 公開資料で確認できない事項

本記事が調査した公開資料の範囲では,次の事項は確認できない。
①第80期の盛岡のA班・B班の区分及び司法研修所の組(第80期の手引き等の公表待ち)
②第80期の盛岡の配属人数
③第80期の希望者数,希望倍率及び配属確率
④第80期の盛岡の現地班の数,巡回順序,各クールの配属部,指導担当者及び登庁時刻
⑤第77期の検察修習及び弁護修習の行事の内容
⑥第77期の各班の人数
⑦第80期の選択型実務修習の盛岡のプログラムの一覧
⑧第77期と第80期との間の運用の変更内容
⑨弁護修習の個別の配属先及びその所在地
⑩支部(花巻・二戸・遠野・宮古・一関・水沢)での修習の有無及び頻度
⑪第80期の導入修習及び集合修習の期間中の入寮の取扱い
⑫第80期の修習給付金の給付期間及び届出の具体的な方法
⑬岩手弁護士会の第80期向けの就職説明会の有無
⑭令和8年度の盛岡地方裁判所本庁の部の構成
⑮司法研修所の組で盛岡の相手(青森又は山形)が期によって入れ替わる理由

これらは,第80期の手引き,配属庁会からの連絡及び岩手弁護士会の案内で確認することになる。
「確認できない」は,「存在しない」という意味ではない。

第10 出典,参考資料及び関連記事

1 法令及び規則

①裁判所法(昭和22年法律第59号)14条・66条・67条・67条の2・67条の3(e-Gov法令検索,令和8年10月5日確認)

②司法修習生に関する規則(昭和23年最高裁判所規則第15号)1条・3条・5条・7条~10条(本ブログ掲載の条文)

③法務省検察庁事務章程(昭和60年法務省訓令第1号。令和8年4月8日法務省訓令第1号による改正後のもの)別表第1・別表第3・別表第6(PDF6頁・11頁・13頁)

2 最高裁判所及び司法研修所の資料

①最高裁判所司法修習の概要

②最高裁判所司法修習生採用選考(令和8年10月5日確認)

③最高裁判所令和8年度司法修習生採用選考要項(令和8年9月4日)PDF2頁~3頁

④最高裁判所令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き2頁・6頁

⑤最高裁判所司法修習生の修習給付金について

⑥司法研修所事務局総務課・経理課修習給付金案内(第79期)7頁・8頁・21頁

⑦司法研修所事務局長司法研修所からのお知らせ(平成30年8月1日,第72期)2頁・6頁・8頁・13頁~14頁

⑧司法研修所事務局長令和5年度(第77期)司法修習生の修習開始等について(令和6年2月7日)PDF13頁・18頁

⑨司法研修所事務局長令和6年度(第78期)司法修習生の修習開始等について(令和7年2月4日)PDF13頁・18頁

⑩第80期 修習日程(教官会議資料2。鑑文なし)

⑪最高裁判所裁判所データブック202630頁(PDF35頁)

3 開示文書,答申及び不開示通知

①司法研修所の教官担当表:第79期(令和8年4月17日付)・第78期(令和7年8月5日付)・第77期(令和6年8月2日現在)

②最高裁判所第79期司法修習生配属現員表(令和8年3月19日現在)・第78期司法修習生配属現員表(令和7年3月19日現在)ほか,前記第3の1の表の各期の配属現員表

③司法研修所実務修習希望地順位調査表等(人気調査)(56期~69期)17頁・19頁~23頁及び実務修習希望地調査表(69期)

④第77期盛岡修習の実務修習日程(第77期司法修習生裁判実務修習日程,PDF1頁~16頁)・第77期実務修習の日程(全国版)PDF434頁~436頁・551頁~563頁

⑤盛岡地方裁判所長第77期司法修習生配属表(令和6年4月18日ほか,PDF1頁~4頁)・第76期司法修習生配属表(令和4年12月20日ほか,PDF1頁~4頁)・第71期司法修習生配属表(PDF1頁~4頁)

⑥盛岡地方裁判所令和6年度における盛岡地方裁判所及びその管内の簡易裁判所の裁判官の配置,事務分配,代理順序及び開廷日割等について(PDF1頁~2頁)

⑦法務省大臣官房人事課長検察庁の職員の配置定員について(令和8年4月8日付法務省人定第16号)別表第3(PDF4頁)

⑧情報公開・個人情報保護審査委員会平成29年4月28日答申(平成29年度(最情)答申第1号)2頁~3頁

⑨情報公開・個人情報保護審査委員会令和元年8月23日答申(令和元年度(最情)答申第40号)2頁

⑩情報公開・個人情報保護審査委員会平成30年3月23日答申(平成29年度(情)答申第21号)

⑪最高裁判所事務総長の司法行政文書不開示通知書:令和8年1月19日(最高裁秘書第3778号)・令和8年3月18日(最高裁秘書第782号)・令和8年5月20日(最高裁秘書第1657号)

4 盛岡の裁判所,検察庁及び弁護士会の案内

①盛岡地方裁判所管内の裁判所の所在地・アクセス情報(令和8年10月5日確認)

②盛岡地方検察庁・所在地・交通アクセス(令和8年10月5日確認)

③岩手弁護士会の弁護士に相談したい・岩手の弁護士一覧(令和8年10月5日確認)

④東京弁護士会東京三弁護士会司法修習予定者等就職合同説明会

⑤日本弁護士連合会【第80期司法修習予定者対象】就職活動セミナー

5 統計・データ・地域の資料

①日本弁護士連合会弁護士会別弁護士数とその内訳(2025年3月31日現在)

②気象庁盛岡 平年値(年・月ごとの値)主な要素・東京 平年値(年・月ごとの値)主な要素(統計期間1991年~2020年。降水量・気温・日照時間・雪の詳細は前記第8の1(3)の各ページ)

③総務省統計局令和5年住宅・土地統計調査第112-2表(e-Stat)

④Yahoo!不動産「盛岡市の家賃相場」・LIFULL HOME’S「盛岡市の家賃相場」(令和8年10月5日閲覧の民間サイトの集計)

⑤盛岡市盛岡都心循環バス(でんでんむし)について知りたい。・防災マップ・ハザードマップ・広報もりおか令和7年12月1日号6頁~7頁(令和8年10月5日確認)

6 本ブログ掲載の集計資料

①司法修習生配属現員表(48期以降)

②司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)

③司法修習の場所ごとの第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)

④司法修習の場所ごとの倍率等の一覧表(第69期)

7 関連記事

盛岡を他の候補地と比較する場合は,東北の司法修習の場所を比較する記事を参照されたい。
仙台・福島・山形・盛岡・秋田・青森について,裁判所・検察庁・弁護士会の所在地,通勤,東京と同じ期間の気象庁平年値,住居費及び和光市への移動を整理している。
正式な修習先と当該期の案内を確認するための生活面の比較であり,配属可能性を予測するものではない。

①第80期司法修習の日程・第79期司法修習の日程

②80期司法修習の希望地申告・司法修習の場所―全国51の実務修習地一覧と選び方・実務修習地の希望倍率―過去の統計と第2希望選びの限界

③実務修習地とクラスの対応関係・司法研修所の教官担当表

④修習開始時点における司法修習生の人数の推移

⑤司法修習とは・集合修習とは・選択型実務修習とは・選択型実務修習の運用ガイドライン

⑥民事裁判修習・刑事裁判修習・検察修習・弁護修習

⑦司法修習生の住居給付金・司法修習生の移転給付金

⑧各地の検察庁の執務規程・法務省の定員に関する訓令及び通達

⑨同じB班2組(第79期)の修習地:仙台修習の情報・山形修習の情報・秋田修習の情報

⑩同じB班2組(第77期・第78期)の修習地:青森修習の情報

⑪第69期に同じ組であった修習地:水戸修習の情報・福島修習の情報