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食料品消費税1%で値段はどうなる?―外食・テイクアウト・家計への影響(AI作成)

第1 食料品消費税1%で何が変わるのか

食料品消費税1%とは,現在8%の軽減税率が適用される飲食料品について,政府法案が令和9年4月1日から2年間,消費税と地方消費税を合わせた税率を1%へ引き下げようとする制度である。
令和8年10月13日現在,法案は第222回国会へ提出された段階であり,成立,公布又は施行はしていないため,現在の買物には現行税率が適用される。

政府案の期間は,令和9年4月1日から令和11年3月31日までである。
対象となる飲食料品の税率は,国の消費税率0.78%と地方消費税相当分0.22%を合わせて1%となる予定である。

「食料品消費税1%」という言い方は分かりやすい通称であり,法律案が対象とするのは「飲食料品の譲渡」である。
制度の開始時期,対象品目及び事業者向けの5つの特例は,食料品消費税1%法案の解説で詳しく説明している。

第2 税込1080円の商品は1010円になるのか

1 本体価格1000円を維持する場合

本体価格1000円の商品について,本体価格を変えずに税率だけを8%から1%へ変更すれば,税込価格は1080円から1010円になる。
この例では税額が80円から10円へ減り,消費者の支払額は70円少なくなる。

税率の差は7ポイントであるが,税込価格1080円に対する70円の割合は約6.5%である。
「税率が7ポイント下がる」と「税込価格が7%下がる」は同じ意味ではない。

2 すべての商品が自動的に同じ幅だけ値下がりするわけではない

消費税率が変わることと,商品の本体価格をいくらにするかは別の問題である。
本体価格を維持する場合は税額の減少が税込価格へ反映されるが,税込価格を維持する価格設定や,本体価格を同時に改定する場合もあり得る。

端数処理の方法によっても,個々の商品又は一回の会計で1円単位の差が生じることがある。
したがって,実際の値段は,店頭又は通販画面の税込表示と,レシートの適用税率を確認する必要がある。

事業者側で確認する契約価格,値札,レジ,請求書及び返品処理は,食料品消費税1%法案への事業者対応を参照されたい。

第3 1%になるもの・ならないもの

政府案で1%になるのは,現在の軽減税率8%の対象のうち,飲食料品の譲渡である。
現在8%の一定の新聞は飲食料品ではないため,今回の1%への引下げの対象ではない。

場面政府案の予定税率注意点
スーパー・コンビニの対象飲食料品1%酒類,医薬品等を除き,現在の対象判定を確認する。
弁当・惣菜の持ち帰り1%店内の飲食設備で食べる場合と区別する。
出前・宅配1%単に飲食料品を届ける場合であり,ケータリングと区別する。
店内飲食10%外食として飲食料品1%の対象外となる。
酒類10%飲食料品1%の対象外となる。
定期購読契約に基づく一定の新聞8%現行の軽減税率対象であるが,飲食料品ではない。

おもちゃ付き菓子等の一体資産,医薬品又は医薬部外品,ケータリング,有料老人ホーム等で提供される食事には個別の判定がある。
商品名だけで1%と決めず,国税庁の軽減税率資料と取引の実態を確認する必要がある。

第4 外食とテイクアウトで税率はどう違うか

1 同じ店の同じ料理でも取引の形で税率が分かれる

政府案が成立・施行された場合,飲食設備のある場所で食べる店内飲食は10%のままであり,持ち帰りのための容器に入れ,又は包装して販売する飲食料品は原則1%となる。
ファストフード店でも,店名や料理名ではなく,飲食料品を提供する時点で店内飲食か持ち帰りかを判定する。

現在は店内飲食10%と持ち帰り8%の差が2ポイントである。
政府案の期間中は,店内飲食10%と持ち帰り1%の差が9ポイントになる予定である。

2 コンビニのおにぎり・弁当とイートイン

コンビニでおにぎり又は弁当を持ち帰る場合は,飲食料品の譲渡として1%の対象になる予定である。
店内のイートインスペースで食べる外食に当たる場合は10%となる。

国税庁の軽減税率Q&Aは,持ち帰りにも店内飲食にも利用できる容器で販売する商品について,提供時に顧客の意思を確認するなどして判定すると説明している。
判定は飲食料品を提供する時点の意思確認等によるものであり,店内飲食の意思があるのに持ち帰りと答えることを予定した制度ではない。

3 出前・宅配とケータリング

調理済みの飲食料品を単に届ける出前・宅配は,現在の軽減税率の対象であり,政府案でも原則1%になる予定である。
これに対し,相手方が指定した場所で,調理,盛付け,配膳等の役務を伴って飲食料品を提供するケータリングは,原則として外食と同様に対象外となる。

配達料を含む契約や,現地で行う作業がある取引は,一律に「宅配」と呼ぶだけで税率を決めることはできない。

第5 家計への影響は食料品支出額と価格設定で異なる

1 本体価格を維持する単純例

1か月に税抜3万円の対象飲食料品を購入し,本体価格と購入量が変わらないと仮定する。
8%の税額は2400円,1%の税額は300円であるから,税込支出は3万2400円から3万0300円となり,差は2100円である。

この計算は税率の違いだけを示す例である。
実際の家計負担は,対象となる食料品支出額,店内飲食・酒類等の割合,本体価格の改定,購入量及び端数処理によって変わる。

家計簿にある現在の税込食費から試算する場合は,1%の対象となる飲食料品の税込支出だけを取り出し,その金額×7/108を税率変更だけによる減額の目安とする。
例えば,現在の税込支出3万円は,先の「税抜3万円」とは異なるため,減額も2100円ではなく約1944円となる。

現在の対象飲食料品の税込支出(月額)1%の場合の税込支出減額の目安
3万円約2万8056円約1944円
5万円約4万6759円約3241円
8万円約7万4815円約5185円

この表は,対象品目の本体価格と購入量を維持し,1%を適用する前提で,合計額から計算した概算を1円単位に四捨五入したものである。
酒類,外食,日用品等は計算に含めない。
一定の定期便・通販に旧8%の経過取扱いがある場合も分ける。
実際の価格改定,個々の取引の端数処理又は購入量の変化を予測した数字ではない。

2 世帯ごとに一律の減額にはならない

飲食料品への支出が多い世帯ほど,税率差による金額上の影響は大きくなりやすい。
他方,外食,酒類,日用品,光熱費等は飲食料品1%の対象ではないため,家計全体の支出が同じ割合で減るわけではない。

政府は,飲食料品の税率1%に加えて,1%相当分の範囲内で所得に連動した就業者負担軽減支援金を先行導入し,全体として実質ゼロ化する方針を示している。
支援金の対象,金額及び手続は商品の税率とは別の制度であり,すべての人が購入額の1%をそのまま受け取る制度ではない。

第6 なぜ0%ではなく1%なのか

政府は,1%であれば0%にする場合より事業者のシステム改修期間を短縮でき,令和9年4月から実施可能であると説明している。
この説明は,令和8年7月30日の総理記者会見で示されている。

これは政府が示した制度設計上の理由であり,すべての事業者の改修期間が同じであることや,1%を選んだ理由がこれだけであることを証明するものではない。

政府の制度資料は,2年間の税率1%と,1%相当分の範囲内の所得に連動した就業者負担軽減支援金を組み合わせ,全体として実質ゼロ化を図る「つなぎ」と説明している。
法案上の税率そのものは1%であり,支援金は別制度であるため,すべての人が食品購入額の1%をそのまま受け取るという意味ではない。

第7 食料品消費税1%のデメリットと注意点

第1に,2年間の時限措置であるため,開始時だけでなく終了時にも税率,値札,レジ,通販画面及び請求書の切替えが必要になる。
第2に,1%・8%・10%が併存し,外食と持ち帰り,一定の新聞,経過取扱いの対象取引等を区分する必要がある。

第3に,店内飲食10%と持ち帰り1%の差が9ポイントになるため,消費者の選択及び外食事業者への影響が大きくなる可能性がある。
第4に,税率の引下げ額と商品の値下げ額が必ず一致するわけではなく,表示価格の見方を誤るおそれがある。

これらは制度構造から確認できる注意点である。
将来の販売価格,外食需要又は業界ごとの損益を一律に予測することはできない。

飲食店の納付税額,仕入支払額及び資金繰りの関係は,食料品消費税1%で飲食店は実質増税になる?―仕入税額控除・利益・資金繰りへの影響(AI作成)で,本則課税・簡易課税・免税の違いと,税抜・税込の仕入価格を固定した計算例を示している。

第8 よくある質問

1 食料品消費税1%はどうなるのか

法案が成立・施行されれば,令和9年4月1日から令和11年3月31日まで,現在8%の対象飲食料品は原則1%になる。
外食,酒類及び一定の新聞は1%の対象ではない。

2 消費税が食品1%になるのはいつからか

政府法案の開始予定日は令和9年4月1日である。
令和8年10月13日現在は国会提出段階であり,現在の対象飲食料品には8%が適用される。

3 消費税1%の対象になるのは何か

現在の軽減税率8%の対象である飲食料品の譲渡が基本である。
ただし,一定の新聞は8%のままであり,外食と酒類は10%のままとなる予定である。

4 コンビニのおにぎりや弁当は1%になるのか

持ち帰る飲食料品として購入する場合は,1%の対象になる予定である。
店内の飲食設備で食べる外食に当たる場合は10%となる。

5 税率が1%なら,値段は必ず7%下がるのか

必ず7%下がるわけではない。
本体価格を維持する場合には税額分が下がるが,本体価格は事業者の価格設定又は契約により決まり,端数処理の影響もある。

6 食料品消費税はなぜ0%ではなく1%なのか

政府は,1%なら0%よりシステム改修期間を短縮でき,令和9年4月から実施可能と説明している。
その説明と,所得に連動した支援金との組合せは,第6の「なぜ1%か」で出典とともに確認できる。

7 食料品消費税1%は外食はどうなるのか

政府案では,通常の店内飲食は10%のままであり,酒類を除く持ち帰りの飲食料品は原則1%になる。
同じ店でも提供方法で税率が分かれ,実際の税込価格は店の価格設定による。
詳しくは外食とテイクアウトの説明を参照されたい。

8 食料品の消費税率は現在いくらなのか

令和8年10月13日現在,酒類・外食を除く対象飲食料品には8%,外食と酒類には10%が適用される。
1%は政府法案の将来の予定であり,現在のレシートに適用する税率ではない。

9 飲食店は仕入税額控除が減ると必ず損をするのか

必ず損をするとはいえない。
本則課税では納付税額が増える場合があるが,税抜仕入価格が同じなら仕入支払額も減るため,利益や資金への影響は課税方式と価格条件を併せて確認する必要がある。
具体的な比較は,飲食店の納付税額・利益・資金繰りの計算例を参照されたい。

第9 参照資料

①内閣官房「『飲食料品に係る消費税率の引下げ』及び『給付付き税額控除』について」
②衆議院「第222回国会 閣法第1号 議案審議経過情報」
③国税庁「消費税率引下げ特設サイト」
④国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」
⑤国税庁「消費税および地方消費税の税率」
⑥国税庁「消費税の軽減税率制度」
⑦国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(制度概要編)」
⑧国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」
⑨首相官邸「令和8年7月30日 総理記者会見」