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生成AIの法律回答は出典付きなら信用できるか―解雇と退職勧奨で見る「自分の事件への当てはめ」(AI作成)

第1 条文が正しいことと,自分の事件に当てはまること

生成AIの法律回答に正しい出典が付いていても,自分の事件に使うには,回答がどの事実を前提にしているかを確かめる必要がある。
例えば,「会社から辞めてほしいと言われました。解雇は無効ですか」と質問したとする。
労働契約法16条の説明が正しくても,会社が一方的に雇用を終わらせると通知したのか,退職に同意してほしいと提案したのかで,最初に調べることが変わる。

以下は,民間企業で期間の定めなく働く人についての架空例である。
質問と回答は説明用に作成したもので,実際の相談や特定のAIの回答を再現したものではない。

第2 同じ質問でも,会社の発言が違えば確認事項が変わる

質問は,どちらも「会社から辞めてほしいと言われました。解雇は無効ですか」である。
共通の回答例は「労働契約法16条では,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない解雇は,権利を濫用したものとして無効とされます」である。
この回答は条文の基準を説明しているが,質問した人に解雇があったか,会社の理由や経緯に照らして解雇が有効かまでは示していない。

比較する点例A 雇用を終えると通知された例B 退職に同意するよう求められた
会社の発言「あなたの雇用は月末で終了します」「この条件で月末に退職することに同意してもらえませんか」
最初に考えること一方的な解雇の通知か。解雇なら,その理由や事情に照らして有効か。退職を促す働きかけか。退職について既に合意が成立したのか。
確かめる資料通知書の全文,雇用契約書,会社が述べた理由,前後のメールや面談記録。合意書案,その場での発言,自分の返答,署名の有無,その後のやり取り。

例Aでは,実際に解雇の通知があったと確認できれば,労働契約法16条を踏まえ,会社が述べる理由や経緯を確かめる。
例Bでは,退職を促された段階であれば,応じるかどうかは労働者の自由である。
ただし,実際の事案では発言の一部や書類の表題だけで区別できないことがあり,自由な意思決定を妨げるような退職勧奨は,違法な権利侵害に当たる場合がある。

第3 AIに聞き直すときの三つの質問

①「この情報で解雇があったと判断できますか。判断できる場合は根拠となる発言や書面を,判断できない場合は足りない事実を示してください。」
②「引用した条文や判決が直接述べることと,今回の事実について推測したことを分けてください。」
③「まだ分からない事実を挙げ,その答えが違うとどこで結論が変わるかを示してください。」

AIの追加回答は,何を調べるかを整理するために使える。
判決が引用された場合は,実在するか,該当箇所が当事者の主張か裁判所の判断か,判断の前提が自分の事件とどこまで共通するかを分けて確かめる。
自分で確認できない点は,元の通知書ややり取りと一緒に相談先へ示すと,見直す箇所が伝わりやすくなる。

第4 合意書に署名する前に確かめること

退職合意書を示されたときは,弁護士に「この書類に署名すると何が決まりますか」「署名しない場合,会社が既に伝えていることと,今後取り得る対応は何ですか」「先に確認する期限はありますか」と尋ねることができる。
相談では,退職日や支払の条件のほか,ほかの請求に影響する条項があるかを実際の文面で確かめる。
そのうえで,仕事を続けたいのか,条件を整えて退職したいのかなど,自分が重視することを伝える。

弁護士職務基本規程22条1項は,弁護士は委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行うものとしている。
また,同規程36条は,弁護士は,必要に応じ,依頼者に対して事件の経過及び事件の帰趨に影響を及ぼす事項を報告し,依頼者と協議しながら事件の処理を進めなければならないとしている。
専門的な調査を依頼しても,重要な選択について,何を得て何を手放すのかが分かる説明を求めることができる。

第5 関連記事

① AI弁護士とは―AI法律相談の使い方・限界と弁護士の役割(AI作成)
② 生成AIの回答を持って弁護士に相談するとき―入力した事実・証拠・希望する解決の整理(AI作成)
③ 生成AIで法律調査をする方法―一次資料・判例秘書・解説記事・動画の使い分け(AI作成)
④ 退職勧奨の適法性と進め方―違法となる場合と面談の注意点(AI作成)

第6 出典

① 労働契約法16条(e-Gov法令検索)
② 厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」(1「解雇」,4「退職勧奨について」)
③ 厚生労働省「解雇と合意退職・辞職の違いについて教えてください。」(スタートアップ労働条件)
④ 厚生労働省「退職勧奨とはどのようなものでしょうか。」(スタートアップ労働条件)
⑤ 日本弁護士連合会「弁護士職務基本規程」(法務省掲載版)(22条,36条)