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共同親権で子どもの手術に片方の親だけで同意できる? 緊急・予定手術・予防接種(AI作成)

第1 医療行為の内容と,決めるまでに使える時間を確認する

婚姻中又は離婚後に父母双方が親権者である場合,子の医療については,通常の診療か,心身に重大な影響を与える医療か,協議や家庭裁判所の手続を待てるかを確認する。
令和8年4月1日施行の民法824条の2は,日常の監護・教育に関する行為や,子の利益のため急迫の事情がある場合に,一方の親による単独行使を認めている。

第2 軽微な診療,予防接種,予定手術,緊急医療

1 軽微なけがの診療と通常の予防接種

法務省のQ&Aは,心身に重大な影響を与えない医療行為や通常のワクチン接種が,日常の行為に当たり得ると説明している。
接種に関する父母の考えの違いが明白なときは,政府のQ&Aは,父母の人格尊重・協力義務の観点から適切な協議等が望ましいとしている。
持病や副反応のリスクが問題になる場合は,予定されている処置の内容と影響を医療機関に確認する。

2 子の心身に重大な影響を与える予定手術

重大な予定手術については,共同の意思決定が原則である。
必要な処置と期限を医療機関に確認し,父母が協議できるか,意見の違いが説明内容・手術の要否・時期のどこにあるかを整理する。
協議が調わず,子の利益のため必要な場合は,家庭裁判所に,その手術への同意について親権行使者の指定を求める手続がある。

3 待つことで子の利益を害する緊急医療

父母の協議や家裁の手続を経ていては適時に決められず,子の利益を害するおそれがある場合には,急迫の事情により一方で親権を行使できる。
法務省のQ&Aは,手術日まで二,三か月程度の余裕があることのみから直ちに急迫の事情に当たるとはいえない一方,協議等ができないまま手術日が迫れば当たり得ると説明している。
判断に当たっては,治療を遅らせた場合の子への影響と,協議等に実際に使える時間が重要である。

第3 同意する権限と,同意書の署名欄を分けて考える

1 共同の意思をどう確認するか

父母の共同の意思に基づき,一方が他方の同意を得て単独名義で親権を行使することもある。
法務省のQ&Aは,改正によって従前の医療同意の実務に直ちに変更が生じるものではないと説明している。
一方の署名の扱いは,処置の性質や,医療機関が父母の意見の相違を把握しているかによって問題となる点が異なる。
他方から返事がないときは,連絡の状況,意思確認の可否及び治療の期限を区別して整理する。

2 医療機関と家庭裁判所へ伝える事柄

予定されている処置,治療を待てる期限,子への影響,他方親との連絡状況,意見が食い違う点を整理する。
親権行使者の指定を求める場合には,対象を今回の医療行為に即して特定し,必要性と期限を説明する。
監護者が定められているときは,監護者としての決定権と,子を代理する契約その他の法律行為を分けて,具体的な手続を医療機関等に確認する。

第4 出典と関連記事

① 令和6年法律第33号・民法824条の2等
② 法務省 民法編Q&Aの「子に対する医療」「ワクチン接種」「医療行為への同意の取得」に関する各問
③ 裁判所 親権行使者の指定調停
④ 共同親権で相手が同意しないとき