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福岡修習の情報―第79期の日程,クラス,配属人数,希望倍率,住居及び実務修習(AI作成)

第1 この記事が扱う福岡修習の範囲

1 基準時点と対象

本記事は,令和8年8月28日現在の公開資料に基づき,第79期司法修習の福岡修習について,日程,クラス,配属人数,希望倍率,修習給付金,住居及び実務修習の内容を整理するものである。
第79期について公表されていない数値を過去の数値で補わず,過去の開示文書を用いるときは対象期を明記する。

資料は,最高裁判所,司法研修所,福岡地方裁判所,福岡地方検察庁及び福岡県弁護士会の公表資料並びに司法行政文書の開示によって取得された文書を用いた。
法令及び数値は原資料で確認し,福岡の運営に関する実務家の報告は,公表統計及び公式のカリキュラムと区別して示す。

2 確認できた情報と確認できない情報

原本で確認できたのは,第79期の全国日程,福岡がB班に属すること,福岡が二つのクラスに分かれること,第69期から第78期までの福岡配属人数,新63期から第69期までの福岡の希望倍率,第79期の基本給付金・住居給付金・移転給付金の額及び届出期限,福岡の関係機関の所在地並びに第69期福岡の裁判修習及び検察修習の日程である。

これに対し,第79期の福岡配属人数,第70期以降の福岡の希望倍率,第79期福岡の支部別配属人数及び第79期福岡の週別・日別カリキュラムは,確認できる公開原本がない。
したがって,本記事における人数又は倍率の「不明」は,配属や希望が存在しないという意味ではなく,公開資料から数値を確定できないという意味である。

第2 第79期福岡修習の日程とクラス

1 福岡はB班であること

最高裁判所の第79期司法修習生採用選考申込手続の手引きは,集合修習と選択型実務修習の順序が実務修習地によって異なるとし,①東京立川横浜さいたま千葉大阪京都神戸奈良大津及び和歌山と,②①以外の実務修習地とに分けている。
①は集合修習を先に行って選択型実務修習を後に行い,②は選択型実務修習を先に行って集合修習を後に行う。
福岡は①の列挙に含まれないため②に属し,司法研修所の修習日程表の呼称でいうB班となる。

第79期の全国日程並びにA班及びB班の対比は,関連記事「第79期司法修習の日程」に掲載している。

2 導入修習から集合修習までの日程

司法研修所事務局長令和7年4月30日付け「第79期司法修習生の修習日程」によれば,B班である福岡の日程は次のとおりである。

修習区分期間実日数又は移動日数
導入修習令和8年3月19日~4月10日16日
移動日4月11日~4月13日3日
第1クール4月14日~6月9日37日
第2クール6月10日~8月2日37日
第3クール8月3日~9月28日37日
第4クール9月29日~11月20日37日
選択型実務修習11月24日~令和9年1月8日30日
移動日1月9日~1月12日4日
集合修習1月13日~2月25日30日
自由研究日2月26日

原表は移動日の行き先を示していないが,導入修習は司法研修所で行われ,分野別実務修習は配属庁会で行われるから,令和8年4月11日から4月13日までは司法研修所から福岡への移動に,令和9年1月9日から1月12日までは福岡から司法研修所への移動に当たる。
A班には令和8年11月21日から23日までにも移動日があるが,選択型実務修習を配属庁会で先に行うB班にはこの移動日がない。

原表は,A班の選択型実務修習及びB班の集合修習のカリキュラム終了後に,5科目の筆記考試を行う予定であると記載するが,科目別の実施日までは示していない。
実施日を過去期の日程から推測して確定日として扱うことはできない。

3 福岡はイとロの二クラスに分かれること

司法研修所の第79期教官担当表(令和8年4月17日付け)によれば,第79期は全22クラスであり,B班が第1組から第11組まで,A班が第12組から第22組までである。
福岡は,B班第10組(福岡イ・佐賀・長崎・大分)とB班第11組(福岡ロ・宮崎・那覇)の二つに分かれる。
同表がA班とする第12組から第22組までの修習地は,前記の手引きの区分①と一致しており,A班とB班の区分は二つの資料から確認できる。

期別のクラスと実務修習地の対応関係は,関連記事「実務修習地とクラスの対応関係(第67期から第79期まで)」に掲載している。

第3 福岡の配属人数

1 第69期から第78期までの配属人数

各期の司法修習生配属現員表によれば,福岡の配属人数は次のとおりである。
期の欄から各期の原表へリンクしている。

福岡配属人数原表の基準日
第69期74人平成27年11月27日
第70期64人平成28年11月27日
第71期64人平成29年11月27日
第72期66人平成30年11月27日
第73期66人令和元年11月27日
第74期66人令和3年3月31日
第75期60人令和3年11月12日
第76期63人令和4年11月27日
第77期83人令和6年3月21日
第78期71人令和7年3月19日

第69期から第78期までの10期平均は67.7人であり,最も少ないのは第75期の60人,最も多いのは第77期の83人である。

2 配属現員表を読むときの注意

配属現員表は,表題に記載された基準日現在の現員を示すものであり,採用決定時の人数と常に一致するとは限らない。
また,同表の基準日は期によって異なり,第69期から第73期までは修習開始直後の11月下旬,第74期以降は修習開始時期の変更に伴って3月又は11月とばらついている。
第48期以降の各期の原表は,関連記事「司法修習生配属現員表(48期以降)」にまとめている。

第77期の83人又は第78期の71人を第79期の配属人数として流用することはできない。
10期平均の67.7人も,第79期の配属人数を推計するための定員表ではない。

第4 福岡の希望倍率

1 倍率の計算方法

司法研修所の実務修習希望地調査表は,修習予定者が第1希望から第6希望まで記載した希望地について,修習地ごと・希望順位ごとの人数を集計したものである。
本記事でいう「第1希望の倍率」は,当該修習地を第1希望とした人数を当該期の配属人数で除した数値であり,「第2希望までの倍率」は,第1希望とした人数と第2希望とした人数の合計を当該期の配属人数で除した数値である。
いずれも分母が配属人数であるため,倍率が1を下回る修習地は,第1希望者又は第2希望までの希望者だけでは配属枠が埋まらなかったことを意味する。

なお,希望地調査表には,1群の修習地は二つまでしか記載できず,第5希望及び第6希望は必ず3群の修習地から選ぶ必要があるという制約がある。
福岡は1群の修習地であるから,福岡を希望する者は,他に記載できる1群の修習地が一つに限られる。

2 新63期から第69期までの倍率の推移

福岡の第1希望の倍率及び第2希望までの倍率は,次のとおりである。

第1希望の倍率第2希望までの倍率
新63期1.432.26
新64期1.201.93
新65期1.382.20
第66期1.662.34
第67期1.382.30
第68期1.592.36
第69期1.572.65
7期平均1.462.29

原表は,「司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)」及び「第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)」である。
福岡は,いずれの期でも第1希望の倍率が1を超えており,第1希望者だけで配属人数を上回っている。

3 第69期の希望地調査表の内訳

司法研修所平成27年10月9日付け「実務修習希望地調査表」の福岡欄は,第1希望116人(男92人,女24人),第2希望80人(男65人,女15人),第3希望17人(男14人,女3人),第4希望7人(男7人,女0人)と記載し,第5希望及び第6希望の欄は空欄である。
第69期の福岡配属人数74人を分母にすると,第1希望の倍率は116÷74で約1.57となり,第2希望までの倍率は(116+80)÷74で約2.65となる。
これらは前記の推移表の数値と一致する。

もっとも,同じ行の希望順位別人数を合計すると220人となるのに対し,原表の合計欄は212人であり,8人の不一致がある。
この種の不一致は福岡欄に限られず,例えば松江欄では3人,岐阜欄では8人の差がある。
不一致の理由を説明する原資料は確認できないため,本記事では,第5希望及び第6希望を含む全希望順位を通じた倍率は示さない。

4 現在の希望倍率を確定できない理由

確認した公開資料の範囲では,第70期以降について,第69期と同じ形式の希望地調査表は公表されていない。
第78期及び第79期の希望地調査表を対象とした司法行政文書開示申出についても,最高裁判所は,対象文書を「作成又は取得していない」ことを理由として不開示としている(第78期につき令和8年1月19日付け最高裁秘書第3778号,第79期につき令和8年3月18日付け最高裁秘書第782号)。

この不開示理由から,福岡の希望者が少ないこと又は希望順位が低いことを導くことはできない。
また,配属人数と民間の体験談だけから現在の倍率を逆算することもできない。
公開原本から確定できる直近値は第69期の数値であり,現在の倍率は不明である。

第5 修習給付金

1 基本給付金及び住居給付金

司法修習生には,その修習のため通常必要な期間として最高裁判所が定める期間,修習給付金が支給され,その種類は基本給付金,住居給付金及び移転給付金である(裁判所法67条の2第1項・第2項)。
第79期の基本給付金は一の給付期間につき13万5000円であり(司法修習生の修習給付金の給付に関する規則2条1項),住居給付金は一の給付期間につき3万5000円である(同規則4条2項)。

住居給付金の支給対象者は,①自ら居住するため,②住宅(貸間を含む。)を借り受け,③家賃(使用料を含む。)を支払っているという要件をすべて満たし,所定の様式である住居届によって居住の実情を届け出た者である。
司法研修所の修習給付金案内は,賃貸借契約期間の始期を迎えているだけでなく現に居住している必要があること,フリーレント期間はこの要件を満たすとはいえないこと,並びに電気,ガス,水道等の料金及び住宅ローンの返済金は家賃ではないことを明記している。

配偶者,父母又は配偶者の父母が所有する住宅及びこれらの者が借り受けて居住している住宅を司法修習生が借り受けて居住する場合は,住居給付金は支給されない(同規則4条1項)。
ここでいう配偶者には,婚姻の届出をしておらず事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。

住居届は,要件を具備した日から7日以内(初日不算入)に届け出る必要がある。
これを経過した後に届け出たときは,届出を受理した日の属する給付期間の次の給付期間から支給が開始されることになり,支給の始期が繰り下がる(同規則7条1項ただし書)。
賃貸借契約書が整わず期限内に提出できない場合は,住居届のみを先に期限内に届け出て,契約書は整い次第提出する取扱いが案内されている。

2 移転給付金

移転給付金は,修習に伴い住所又は居所を移転する必要があると認められ,かつ,現に移転して移転届を提出した者に支給される(裁判所法67条の2第5項,同規則11条)。
その額は,最高裁判所の定める路程に応じた同規則別表の定額による(同規則10条)。
福岡修習では,①導入修習に伴う移転(採用内定時の住所又は居所を管轄する地方裁判所から司法研修所まで),②分野別実務修習に伴う移転(司法研修所から実務修習地の地方裁判所まで)及び③集合修習に伴う移転(実務修習地の地方裁判所から司法研修所まで)が対象となり得る。

同規則別表の定額は,鉄道50キロメートル未満が4万6500円,50キロメートル以上100キロメートル未満が5万3500円,100キロメートル以上300キロメートル未満が6万6000円,300キロメートル以上500キロメートル未満が8万1500円,500キロメートル以上1000キロメートル未満が10万8000円,1000キロメートル以上1500キロメートル未満が11万3500円,1500キロメートル以上2000キロメートル未満が12万1500円,2000キロメートル以上が14万1000円である。
路程は最高裁判所が定めるものであり,路程の起点又は終点となる実務修習地の地方裁判所は支部を除いて計算される。
したがって,福岡地方裁判所の支部に配属された場合でも,路程は本庁を基準に計算される。

移転届の期限は,移転の原因となった修習開始の日(やむを得ず同日後に移転をした場合は当該移転をした日)から7日以内(初日不算入)である。
これを経過した後に届出がされたときは,移転給付金は支給されない(同規則12条ただし書)。
住居給付金の届出が遅れた場合には支給の始期が繰り下がるにとどまるのに対し,移転給付金は期限を過ぎると支給されないため,取扱いが異なる。

第79期の移転届の期限は,導入修習が令和8年3月26日,分野別実務修習が同年4月21日,B班の集合修習が令和9年1月20日である。
修習開始日が自由研究日に当たる場合でも,移転届の期限は変わらない。

第6 修習先の場所と住居

1 本庁三機関は六本松の同一街区にあること

福岡地方裁判所・福岡家庭裁判所の本庁は福岡市中央区六本松四丁目2番4号,福岡地方検察庁は同2番3号,福岡県弁護士会館は同2番5号にある。
三機関はいずれも六本松四丁目2番の同一街区内にあり,裁判所及び弁護士会館は,いずれも福岡市地下鉄七隈線六本松駅1番出口から徒歩約3分と案内されている。

福岡県弁護士会の案内によれば,地下鉄七隈線の所要時間は,六本松駅から天神南駅まで約8分,博多駅まで約12分である。
本庁を中心に移動する限り,六本松又は七隈線沿線は通修習上の利便性が高い。
もっとも,住居を六本松周辺に定めるべきかは,後記の支部配属の有無によって変わる。

最高裁判所の第79期採用選考申込手続の手引きは,指定された実務修習地における住居の確保は各自で行うことになっていると記載している。
福岡市内の住居が裁判所又は弁護士会から一律に提供される制度は,公開資料では確認できない。

2 福岡県弁護士会の四部会と福岡地方裁判所の支部

福岡県弁護士会は,福岡,北九州,筑後及び筑豊の四つの部会に分かれている。
同会の会員数は,令和8年4月1日現在,福岡部会1148名,北九州部会225名,筑後部会112名,筑豊部会34名の合計1519名であり,福岡以外の三部会の合計371名は全体の約24パーセントに当たる。

福岡地方裁判所には,小倉,久留米,飯塚,直方,柳川,大牟田,八女,行橋及び田川の九つの支部がある。
福岡地方検察庁については,後記の同庁執務規程の別表が,課及び係を置く支部として小倉支部,飯塚支部及び久留米支部を掲げている。

3 支部配属を考慮した住居選び

日本弁護士連合会『自由と正義』第77巻第6号所収の斉藤芳朗「最近の修習生についての雑感」は,福岡県弁護士会における分野別修習の特色として,約80名の修習生のうち約20名の配属先事務所が北九州,筑後又は筑豊のいずれかになるようにしていると報告する。
同稿は第79期の支部別人数を示す公的統計ではないが,福岡修習の弁護修習が福岡市中央区だけで完結するとは限らないことを示す資料である。
同稿は,通勤は大変であるものの,部会全体で修習生の世話をするため,修習生アンケートによれば満足度はほぼ100パーセントであるとも述べている。

住居契約を急ぐ場合でも,可能であれば弁護修習の本庁・支部の個別配属を確認し,確認前であれば,中途解約条件,短期契約の可否及び鉄道の乗換えを検討する必要がある。
令和8年8月現在,修習生向け住居の地域別成約賃料を示す即時性のある公的統計は確認できず,民間ポータルの掲載賃料も成約賃料とは限らないため,本記事では家賃相場を金額で断定しない。

第7 実務修習の内容

1 全国共通の四分野

分野別実務修習は,民事裁判,刑事裁判,検察及び弁護の四分野について,それぞれ2か月ずつ実施される。
法廷を傍聴するだけの期間ではなく,事件記録の検討,事実認定,法律適用,起案,模擬手続及び指導担当者との討論を通じて,法律知識を事件処理へ結び付ける期間である。

分野主な修習内容関連記事
民事裁判訴訟物と主張構造,争点整理,証拠評価,事実認定,和解及び判決起案民事裁判修習の実際
刑事裁判公判前整理手続,証拠能力,証拠評価,事実認定,量刑,裁判員裁判及び判決起案刑事裁判修習の実際
検察事件受理,証拠収集,取調べ,補充捜査,処分判断及び公判立証検察修習の実際
弁護法律相談,依頼者との面談,方針検討,書面作成,証拠収集,法廷活動,弁護士会活動及び弁護士倫理弁護修習の実際

2 福岡の裁判修習

福岡地方裁判所が作成した第69期の修習日程表は,第1クール(平成28年1月4日から2月28日まで),第2クール(同年2月29日から4月21日まで),第3クール(同年4月22日から6月20日まで)及び第4クール(同年6月21日から8月12日まで)の四つに分かれ,民事部及び刑事部の班ごとに日程が示されている。

同日程表には,開始式,指導官説明,民裁問研起案,刑裁問研起案及びその講評,民事訴訟における争点整理のDVD視聴及び争点整理講義,書記官事務講義,グループ別の家裁修習,民事連携合同修習(弁護士会),刑事手続演習,第4民事部修習(執行・保全)及び第4民事部修習(破産)並びに選択型実務修習説明会が記載されている。
刑事模擬裁判は,各配属刑事部において日程調整の上で実施するものとされている。
裁判修習が民事裁判と刑事裁判だけに閉じず,家事,倒産及び執行の各分野にも接する構成であったことが分かる。

3 福岡の検察修習

福岡地方検察庁が作成した第69期の検察実務修習日程表は,第1班から第4班までについて,平成28年1月4日から同年8月12日までの日程を示している。

同日程表には,オリエンテーション,検察実務修習開始式,情報システム管理に関する講義,検務事務講義,全国一斉起案及び一斉起案,一斉起案講評,事件受理時の検討事項及び補充捜査の視点に関する講義,模擬弁録,検事正講話,次席検事講話,同行室等見学,証拠品庫見学,福岡刑務所見学,弁護士会主催刑事連携合同修習並びに検察実務修習終了式が記載されている。
同日程表は,空欄の日(休日を除く。)を捜査又は公判実務修習とすること,及び司法解剖見学と同行室等見学は修習期間中に適宜行うことを注記している。

もっとも,前記の裁判修習日程表と検察実務修習日程表は,いずれも平成28年に実施された修習に関する開示文書である。
同じプログラムが第79期にも全部実施されると確認できる資料ではない。

4 福岡地方検察庁で修習指導を所管する係

福岡地方検察庁執務規程(平成13年3月30日企訓第140号検事正訓令。平成28年3月29日福岡地検企訓第2号による改正まで反映したもの)は,本庁又は支部に置く課,室,担当及び係の名称並びに所管事務を別表で定めている(同規程12条1項)。
別表(1)本庁によれば,総務部企画調査課に企画調査係と教養係が置かれ,教養係の所管事務は,①教養指導に関すること,②司法修習生の修習指導に関すること及び③前2号に関連することである。
福岡地方検察庁において検察修習の指導を所管するのは,同庁の総務部企画調査課教養係であることになる。

同規程は平成28年4月1日から施行された版であり,現在の組織及び所管事務がこのとおりであることを示す資料ではない。

5 福岡の弁護修習

弁護修習では,民事について法律相談,事実及び証拠の把握,訴状等の作成,保全・執行,和解並びに契約実務が,刑事について接見,勾留・保釈,証拠開示,尋問,弁論及び模擬裁判が中心となる。
具体的な経験は,個別指導担当弁護士が扱う事件及び配属事務所によって異なる。

前記の斉藤芳朗「最近の修習生についての雑感」は,福岡県弁護士会における分野別修習の特色として,①四つの部会に分かれた支部修習,②修習開始初日に班ごとに撮影する集合写真へ氏名及び配属先事務所を記入した冊子「福岡修習の記録」の配布,③精神保健当番弁護士制度の三つを挙げる。
③は,必ず1回,精神保健当番弁護士とともに精神科病院等へ同行出動するというものであり,同稿は,刑事事件の初回接見の義務化とあいまって,身体の拘束を受けた者への援助という活動に直接触れる機会となっていると述べる。

福岡県弁護士会は,その沿革によれば,平成2年12月に全国に先駆けて当番弁護士制度を発足させ,平成5年7月に精神保健当番弁護士制度を発足させている。
もっとも,同稿は実務家による報告であって第79期の公式のカリキュラム原本ではないため,第79期の修習生全員が同じ経験をするとは限らない。

6 選択型実務修習と集合修習

選択型実務修習では,配属庁会が提供するプログラム及び自己開拓プログラムから,各自の関心と進路に応じた修習を行う。
B班である福岡は,令和8年11月24日から令和9年1月8日までが選択型実務修習である。

集合修習は,分野別実務修習の経験を補完し,民事裁判,刑事裁判,検察,民事弁護及び刑事弁護の5科目について,起案,講評,討論及び法曹倫理等を学ぶ課程である。
福岡を含むB班は,令和9年1月13日から2月25日まで,埼玉県和光市の司法研修所で集合修習を行う。

第8 公開資料からは確定できない事項

1 第79期の人数,現在の倍率及び日別カリキュラム

本記事の調査で確認できなかった主な事項は,①第79期の福岡配属人数,②第70期以降の福岡の第1希望の倍率及び第2希望までの倍率,③第79期福岡の支部別配属人数,④第79期福岡の週別・日別カリキュラム並びに⑤地域別の修習生向け成約家賃である。
第77期の83人又は第78期の71人を第79期の人数として流用せず,第69期の倍率を現在の倍率として表示しないことが必要である。

福岡修習の配属,希望倍率,住居又はカリキュラム自体を直接争う裁判例は,令和8年8月28日に裁判所ウェブサイトの裁判例検索で「司法修習」及び「実務修習」を検索語として確認した範囲では見当たらなかった。
裁判所ウェブサイトは全裁判例を収録するものではないため,これは裁判例の不存在を意味しない。

2 福岡修習を選ぶ際の資料の使い方

福岡を希望する段階では,新63期から第69期までの倍率を過去の参考値として用い,第79期の配属結果を予測する数値には用いないことが適切である。
修習地の選び方の全体像は,関連記事「第2希望の実務修習地の選び方」及び「司法修習の場所を選ぶ際の基礎データ」に整理している。

配属後の住居選びでは,基本給付金と住居給付金を合算しただけで予算を決めず,敷金等の初期費用,支部への通修習の負担及び令和9年1月の司法研修所への移動を別に見積もる必要がある。
移動については移転給付金の制度があるが,届出期限を過ぎると支給されないため,期限の管理が必要である。
修習給付金に対する課税及び社会保険上の取扱いは,関連記事「修習給付金の税務上の取扱い―司法研修所の案内,裁判例及び確定申告」に整理している。

また,平成28年の日程表は,福岡で実施され得る修習の幅を知る資料として有用であるが,現在の実施を保証するものではない。
個々の修習生が実際に参加するプログラムは,配属後に交付される第79期の予定表及び配属庁会からの通知で確認する必要がある。

出典・参考資料

1 法令

裁判所法(昭和22年法律第59号)67条・67条の2(e-Gov法令検索)
②司法修習生の修習給付金の給付に関する規則(平成29年8月4日最高裁判所規則第3号)2条・4条・5条・7条・10条から12条まで・別表(司法研修所事務局「修習給付金案内(第79期)」PDFビューア29頁~32頁所収の全文により確認。同案内の資料部分に印字頁番号はない。)

2 最高裁判所及び司法研修所の公表資料

①最高裁判所「令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き」資料2頁(PDFビューア2頁)
②最高裁判所「司法修習の概要
③司法研修所事務局総務課・経理課「修習給付金案内(第79期)」資料4頁・6頁~7頁・8頁・16頁~17頁・20頁(PDFビューア8頁・10頁~11頁・12頁・20頁~21頁・24頁)

3 司法行政文書

①司法研修所事務局長令和7年4月30日付け「第79期司法修習生の修習日程」PDFビューア2頁
②司法研修所「第79期教官担当表(令和8年4月17日付け)」PDFビューア1頁
③最高裁判所「司法修習生配属現員表」第69期から第78期まで(各原本PDFの掲載ページは「司法修習生配属現員表(48期以降)」)
④司法研修所平成27年10月9日付け「実務修習希望地調査表(第69期)」PDFビューア1頁
⑤最高裁判所令和8年1月19日付け最高裁秘書第3778号「第78期司法修習予定者の実務修習希望地調査表に係る不開示通知書」PDFビューア1頁
⑥最高裁判所令和8年3月18日付け最高裁秘書第782号「第79期司法修習予定者の実務修習希望地調査表に係る不開示通知書」PDFビューア1頁
⑦福岡地方裁判所「修習日程表(第69期司法修習生)」PDFビューア1頁~14頁
⑧福岡地方検察庁「検察実務修習日程表(第69期)」PDFビューア1頁~8頁
福岡地方検察庁執務規程(平成13年3月30日企訓第140号検事正訓令。平成28年3月29日福岡地検企訓第2号による改正まで反映)12条及び別表(1)本庁・PDFビューア2頁・6頁

4 統計・データ

①山中理司「司法修習の場所ごとの第1希望の倍率の推移表(新63期から69期まで)」PDFビューア1頁
②山中理司「司法修習の場所ごとの第2希望までの倍率の推移表(新63期から69期まで)」PDFビューア1頁

5 福岡の関係機関の公表資料

①福岡地方裁判所・福岡家庭裁判所「福岡家庭裁判所の所在地」及び「管内の裁判所の所在地
②福岡地方検察庁「管内検察庁の所在地・交通アクセス
③福岡県弁護士会「福岡県弁護士会へのアクセス
④福岡県弁護士会「弁護士会概要」(会員数は令和8年4月1日現在。沿革を含む。)

6 文献

①斉藤芳朗「最近の修習生についての雑感」日本弁護士連合会『自由と正義』第77巻第6号(通巻929号,2026年6月)特集1「司法修習の今」所収,22頁~25頁

7 関連記事

第79期司法修習の日程
実務修習地とクラスの対応関係(第67期から第79期まで)
司法修習生配属現員表(48期以降)
第2希望の実務修習地の選び方
司法修習の場所を選ぶ際の基礎データ
司法修習に関する事務便覧(令和7年3月)とは―第78期の日程・届出・給付金
最高裁判所が作成又は取得していないとされた司法行政文書
修習給付金の税務上の取扱い―司法研修所の案内,裁判例及び確定申告