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法定相続情報一覧図の申出書の書き方と窓口持参―郵送交付・原本返却・代理人申出(AI作成)

法定相続情報一覧図の申出では、法務局へ書類を持参する方法と、審査後に一覧図の写し及び戸籍等の返却を郵送で受ける方法とを組み合わせることができる。
申出書の「窓口で受取・郵送」は、申出書をどう提出するかではなく、完成後の一覧図の写しと返却書類をどう受け取るかを選ぶ欄である。

本記事は、令和8年9月25日現在の不動産登記規則、法務局の現行申出書及び手続案内を前提に、窓口へ持参する場合の申出書の書き方、原本、本人確認、代理人書類及び任意の戸籍チェック表を整理する。
一覧図そのものの作り方は「法定相続情報一覧図の作成方法―戸籍謄本の読み方と相続人の確認」、前婚の子がいる場合は「前妻・前夫との子がいる場合の法定相続情報一覧図」を参照されたい。

第1 申出書・一覧図・添付書面を分けて考える

申出時に提出する書類は、大きく分けると、①法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書、②申出人又は代理人が作成した法定相続情報一覧図、③戸除籍謄本、住民票の除票、相続人の戸籍、本人確認資料等の添付書面である。
法務局は、戸籍の束を受け取って一から一覧図を作るのではなく、申出人側が作った一覧図と添付書面を照合する。

不動産登記規則247条は、申出書の記載事項と添付書面を定めている。
そのため、提出用の一覧図には法定の記載事項を記載し、戸籍の読み方、疑問点、相続分の計算、遺産分割の方針等を記した内部メモとは分ける。

法定相続情報一覧図は、戸籍上の法定相続関係を証明する制度であり、遺産分割の結果、相続放棄の有無、遺言の内容又は各財産の取得者まで証明するものではない。
利用先によっては、一覧図の写し以外に遺産分割協議書、相続放棄申述受理証明書、印鑑証明書等が必要になる。

第2 申出先の法務局を選ぶ

申出は、次のいずれかの地を管轄する登記所にすることができる(不動産登記規則247条1項)。

  • 被相続人の死亡時の本籍地
  • 被相続人の最後の住所地
  • 申出人の住所地
  • 被相続人名義の不動産の所在地

被相続人名義の不動産所在地を選ぶ場合は、申出書に不動産所在事項又は不動産番号を記載する。
最寄りの法務局であれば常に受け付けられるわけではないので、上記4類型のいずれに基づく申出かを決め、管轄を確認する。

窓口へ持参する場合でも、法務局によっては手続案内や受付の予約を案内していることがある。
予約の要否、受付時間、交付までのおおよその日数は、申出先の登記所へ事前に確認するとよい。

第3 申出書を書く

1 申出人・被相続人・利用目的

申出人になれるのは、被相続人の相続人又はその相続人の地位を相続により承継した者である。
申出書には、申出人の住所・氏名・連絡先、代理人がいる場合の代理人の表示、被相続人の表示、利用目的、必要通数、受取方法、不動産の有無、申出先を選んだ根拠等を記載する。

申出人の住所・氏名は、本人確認資料に記載された現在の住所・氏名と一致させる。
被相続人については、最後の住所、最後の本籍、氏名、生年月日及び死亡年月日を、それぞれ住民票の除票又は戸籍の記載に基づいて転記し、死亡場所、届出日又は証明書の発行日と取り違えない。

利用目的は、相続登記、預貯金の払戻し、相続税申告、年金等の相続又は死亡に起因する手続を前提に、該当する欄を選ぶ。
一覧図の写しだけで手続が終わるかは利用先ごとに異なるため、必要書類は各利用先にも確認する。

2 必要通数と受取方法

一覧図の写しの交付手数料は無料であるが、必要通数は申出書に記載する。
相続登記、金融機関、保険、税務その他の提出先の数と、各提出先で原本還付を受けられるかを確認して通数を決める。

申出書の受取方法欄は「窓口で受取」又は「郵送」のいずれかにチェックする。
ここで選ぶのは、申出書の提出方法ではなく、審査後の一覧図の写し及び返却書類の受取方法である。

3 日付と一覧図の作成日

申出書の末尾には申出年月日を記載する。窓口へ持参する予定日が未確定であれば、将来日を先に記入せず、実際の申出日に合わせる。
一覧図にも作成の年月日を記載し、作成者が記名する必要があるため、実際に作成した日を記載する(不動産登記規則247条3項1号)。

申出書の申出日と一覧図の作成日が同日でなければならないという規定ではない。
もっとも、いずれも事実に合う日を記載し、未完成の段階で将来の日付を入れた書類をそのまま提出しない。

第4 窓口持参と郵送交付を区別する

1 申出方法と受取方法は別に選ぶ

法務局は、申出と一覧図の写しの交付・戸籍等の返却について、それぞれ窓口又は郵送の方法を案内している。
したがって、申出書・一覧図・戸籍等を法務局窓口へ持参し、審査後の一覧図の写しと戸籍等は郵送で受け取る組合せも可能である。

「書類を持参するから窓口受取にチェックする」とは限らない。
申出時に、完成後は窓口へ受け取りに行くのか、返信用封筒で送ってもらうのかを別に決める。

2 窓口持参・郵送交付の場合

窓口へ持参し、完成後は郵送で受け取る場合は、申出書の「郵送」にチェックし、送付先を確認した上で、返信用封筒及び必要な郵便切手を添付する(不動産登記規則247条2項7号・248条)。
郵便料金は、一覧図の写しの通数と返却される戸籍束の厚さによって変わるため、不足しない方法を申出先に確認する。

送付先は現行申出書の注意書きに従い、申出人又は代理人の表示欄に記載した住所・事務所を確認する。
戸籍等を含む重要書類が返送されるため、追跡又は受領確認ができる郵送方法を求める法務局もあり、個別の取扱いは申出先へ確認する。

3 窓口受取の場合

窓口で受け取る場合は、申出書の「窓口で受取」にチェックする。
法務局は、受取人の確認のため、申出人の表示欄に記載した住所及び氏名と同一のものが記載された運転免許証、マイナンバーカード、住民票の写し等の公的書類を持参するよう案内している。

交付予定日や受取方法は、申出先の案内に従う。
現行申出書には、申出の日から3か月以内に一覧図の写し及び返却書類を受け取らない場合は廃棄して差し支えない旨の記載があるため、完成の連絡後は放置しない。

第5 戸籍等の原本と本人確認資料をそろえる

1 戸籍・除籍・住民票等

基本となる添付書面は、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍・除籍、被相続人の最後の住所を証する書面、相続人全員の戸籍及び、相続人の住所を一覧図へ記載する場合の住所証明書である。
兄弟姉妹相続や代襲相続では、親又は被代襲者に関する戸籍等が追加で必要になる。

市区町村長が発行した戸籍全部事項証明書、除籍全部事項証明書、住民票の除票等は、PDFのスキャン画像を印刷したものではなく、提出用の証明書原本をそろえる。
電子データとして保管した書類一式を印刷し直しただけでは、官公署が発行した証明書原本にはならない。

2 申出人の本人確認資料

申出人の氏名・住所を確認する資料として、法務局は、運転免許証の表裏両面のコピー、マイナンバーカードの表面のコピー、住民票の写し等を例示している。
運転免許証又はマイナンバーカードのコピーには、原本と相違がない旨を記載し、申出人が記名する。

マイナンバーカードは表面のコピーを用い、個人番号が記載された裏面を添付しない。
本人確認資料として何を使えるか不明な場合は、申出先の登記所に確認する。

3 返却される書類と返却されない書類

登記官は、一覧図の写しを交付するとき、被相続人の戸除籍、被相続人の最後の住所を証する書面、相続人の戸籍、相続人の地位を承継したことを証する書面及び住所記載のための住所証明書を返却する(不動産登記規則247条6項)。
戸籍等は、審査が終わる前に窓口で直ちに返却されるとは限らず、一覧図の写しの交付時にまとめて返却される。

これに対し、申出人の本人確認資料は、法務局の案内上、戸除籍等と異なり返却されない。
住民票の写しの原本を他の手続で使うため返却を受けたい場合は、原本に加え、原本と相違がない旨を記載して申出人が記名したコピーを提出する取扱いが案内されている。

委任状等の代理権限を証する書面も、規則247条6項の当然の返却対象には含まれない。
原本を手元に残す必要がある書面は、原本還付の可否と必要なコピーの表示を、提出前に申出先へ確認する。

第6 弁護士等が代理して申し出る場合

申出人は、親族のほか、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士及び行政書士へ申出を委任できる。
代理人が申し出る場合は、申出書に代理人の住所又は事務所、氏名及び連絡先を記載し、代理権限を証する書面を添付する。

委任による代理人の場合は委任状が必要である。親族が代理する場合は、申出人と代理人との親族関係が添付済みの戸籍から分からないとき、その関係を証する戸籍も必要になる。
弁護士等の資格者代理人の場合は、委任状に加え、資格者代理人団体所定の身分証明書の写し等を添付する。

委任状の委任事項には、法定相続情報一覧図の作成、保管及び交付の申出、一覧図の写し及び返却書類の受領等、実際に代理人が行う事項を対応させる。
郵送交付を選ぶ場合は、代理人事務所を送付先とする取扱いと委任事項が合っているかも確認する。

第7 任意の戸籍チェック表を付ける場合

1 法定の添付書面ではない

戸籍チェック表は、不動産登記規則247条が定める法定の添付書面ではない。
したがって、チェック表を付けなければ申出ができないわけではなく、付けたから一覧図の誤りが補われるわけでもない。

もっとも、改製、転籍、複数回の婚姻、前婚の子、代襲相続等があり、戸籍束が厚い事案では、どの戸籍が誰のどの期間を確認する資料かを示す客観的な索引が、申出人側の最終点検と法務局の審査資料の確認に役立つ場合がある。
付ける場合は「審査参考資料(法定の添付書面ではない)」などと明示する。

2 記載する内容

戸籍チェック表は、次のような客観的事項に絞るとよい。

  • 整理番号又は枝番号
  • 対象者
  • 証明書の種類(現在戸籍、除籍、改製原戸籍等)
  • 本籍及び筆頭者又は戸主
  • 編製・改製・転籍等の年月日と原因
  • その戸籍で確認できる期間
  • 前後の戸籍につながる記載
  • 一覧図のどの人物又は線の根拠になるか

実際の戸籍束と同じ順に番号を付け、チェック表の番号と戸籍の付箋又は見出しを対応させると、照合しやすい。
同じ戸籍が複数人の関係を証明する場合は、同じ証明書を重複計上せず、確認対象者を併記する。

3 記載しない内容と綴じる位置

チェック表には、遺産分割の方針、法定相続分の計算、相続放棄を促す記載、戸籍から確認できない推測、依頼者との打合せ内容その他の内部的な法律判断を書かない。
未確認事項又は疑問点を管理する内部メモは、提出用チェック表と別に保管する。

提出する場合は、申出書及び一覧図の後、戸籍束の直前に置き、表題で法定添付ではないことを示す。
任意資料の受領又は綴じ方には登記所ごとの取扱いもあり得るため、複雑な事案では窓口で「戸籍の索引として付けた任意資料である」と説明し、不要とされた場合に外せるよう分けておく。

第8 窓口へ持参する前の点検表

窓口持参の前には、少なくとも次の点を確認する。

  • 申出先が4類型のいずれかの管轄登記所であるか。
  • 申出書の申出人住所・氏名が本人確認資料と一致しているか。
  • 被相続人の最後の住所、本籍、生年月日及び死亡年月日を別々の資料から正しく転記したか。
  • 一覧図の作成日と申出書の申出日が事実に合っているか。
  • 必要通数を利用先に合わせて決めたか。
  • 完成後の受取方法について「窓口で受取」又は「郵送」の正しい欄にチェックしたか。
  • 郵送交付の場合、返信用封筒、宛先及び郵便切手を用意したか。
  • 窓口受取の場合、受取人確認用の公的書類を持参する準備があるか。
  • 戸籍・除籍、住民票の除票等は証明書原本をそろえたか。
  • 本人確認資料のコピーに「原本と相違ない」旨と申出人の記名があるか。
  • 代理申出の場合、委任状及び資格者身分証明書の写し等があるか。
  • 戸籍チェック表を付ける場合、法定添付ではない旨を明示し、内部メモを混在させていないか。
  • 前婚の子がいる場合、相続人でない前配偶者の「(女)」「(男)」を被相続人の性別表示と誤解して消していないか。

提出後に補正又は追加書類を求められた場合は、指摘された箇所と根拠資料を対応させて修正する。
必要書類又は一覧図の誤りを解消できない場合、法務局は書類一式を返戻し、返戻に応じなければ申出日から3か月経過後に廃棄することがあると案内している。

第9 出典・参考資料

①不動産登記規則(平成17年法務省令第18号)247条・248条。
②法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」(更新日2024年4月1日、令和8年9月25日確認)。
③法務局「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」現行様式・記入上の注意。
④法務局「あなたの相続手続を応援します!~法定相続情報証明制度の手続の3STEP!~」令和8年3月1日改訂。
⑤法務局「主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例」(更新日2024年4月1日、令和8年9月25日確認)。