○裁判所の職員は,文書管理者の指示に従い,裁判所における経緯も含めた意思決定に至る過程及び裁判所の事務の実績を合理的に跡付け,又は検証することができるよう,処理に係る事案が軽微なものである場合を除き,司法行政文書を作成しなければなりません(「司法行政文書の管理について(通達)」(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長通達)第3.1。なお,公文書等の管理に関する法律4条参照)。
○最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の司法行政文書は最高裁判所が作成又は取得していないそうです。
1 最高裁秘書課が視察基本日程(案)を作成する際に使用している事務処理要領その他これに類する文書(平成27年度(最情)答申第7号(平成28年2月23日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,視察基本日程(案)は,秘書課で作成又は確認をしているが,その作成又は確認は,その都度個別に検討して行っており,およそ事務処理要領等を作成する必要はなく,それを用いなくても事務処理に支障は生じないというのであるところ,事務視察が,視察者,視察先,視察の時期等によってその内容が異なるものであり,視察基本日程(案)に記載すべき日時や視察内容等の具体的な内容も,個別の視察に応じてその都度検討すべきものであることは容易に想像できるところであるから,上記の説明は合理的であるということができる。」そうです。
2 平成27年4月の人事異動に際して,全国の裁判官(簡裁判事は除く。)の希望勤務地を取りまとめた文書(平成27年度(最情)答申第8号(平成28年2月23日答申))
→ 「本件開示申出文書は,平成27年4月の人事異動に際して,全国の裁判官(簡易裁判所判事は除く。)の希望勤務地を取りまとめた文書であるところ,最高裁判所事務総長の説明によれば,全国の裁判官は,他に転任する場合の任地希望等をカードに記載して,最高裁判所事務総局人事局長に提出するとのことである。
そうすると,人事局においては,各裁判官がカードに記載した任地希望を把握していることになるが,同説明によれば,人事局が人事異動計画の原案の立案等をする際には,各カードを個別に確認すれば足り,その記載内容を集計する必要はなく,現にその集計は行っていないというのである。人事異動事務が,任地希望を一つの考慮要素としつつも他の要素を含めて総合的に勘案して個別に検討すべき性質の事務であることに照らせば,上記説明に不合理な点は見当たらない。」そうです。
3 下級裁判所裁判官指名諮問委員会における,年度ごとの重点審議者の数が分かる文書(平成15年度以降の分)(平成27年度(最情)答申第10号(平成28年3月23日答申))
→ 「下級裁判所裁判官指名諮問委員会は,下級裁判所裁判官指名諮問委員会規則(平成15年2月26日最高裁判所規則第6号)に基づき設置され,裁判官,検察官,弁護士及び学識経験のある者のうちから最高裁判所が任命した11人の委員で組織される委員会(同規則5条,6条)であり,最高裁判所の諮問に応じて,下級裁判所裁判官として任命されるべき者を裁判所法40条1項の規定により指名することの適否その他同項の規定による指名に関する事項を審議すること等の事務をつかさどるものである(同規則2条)。最高裁判所事務総長の説明によれば,重点審議者とは,同委員会において実質的な審議を行うため,多数の指名候補者の中から,指名の適否について慎重な判断を要する者として振り分けられたものであるところ,同委員会における審議が,上記のとおり,最高裁判所の諮問に応じて,下級裁判所裁判官として任命されるべき者を指名することの適否等についてされるものであることからすると,重点審議者は,各諮問に応じ,審議対象となった者の中から,個別具体的な事情により振り分けられるものであり,その数を調整する必要があるとは認められない。また,上記の説明を前提にすると,下級裁判所裁判官指名諮問委員会において各重点審議者に係る指名の適否についての審議が終了すれば,当該諮問に係る審議対象者のうち何人が重点審議者に振り分けられたかという情報は,同委員会においても,また,その庶務を処理する最高裁判所事務総局総務局においても,その後の事務を遂行する上で必要なものではなくなるというのが合理的である。
以上を総合すると,諮問ごとの重点審議者の数という情報をその後の事務処理上保有する必要性は認められず,したがって,年度ごとの重点審議者の数を集計した文書を保有すべき事情も認められない。」そうです。
4 ①平成26年中に終結した,民事事件及び行政事件の上告事件及び上告受理申立事件について,小法廷ごとに,持ち回り審議事件と審議室審議事件の事件数が分かる文書,及び②平成26年中に終結した,民事事件及び行政事件の上告事件及び上告受理申立事件について,小法廷ごとに,調書決定(民事訴訟規則50条の2)で終結した事件数が分かる文書(平成28年度(最情)答申第2号(平成28年4月14日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,持ち回り審議と期日審議の事件の数及び調書決定で終結した事件の数は,いずれも,最高裁判所における事件管理システムには入力項目がなく,統計報告の対象ともされていないのであって,他にこれらに係る事件数は把握していないから,本件各開示申出文書はいずれも作成し,又は保有していないとのことである。
そこで検討すると,最高裁判所事務総長から提出された資料を見分した結果によれば,事件管理システムの入力画面には,個々の事件が持ち回り審議又は期日審議のいずれの方法で行われたかについてや,調書決定で終結したか否かについての入力項目がないことが認められるから,事件管理システムから持ち回り審議の事件の数,期日審議の事件の数及び調書決定で終結した事件の数を把握することはできないと認められる。また,これらの事件の数は,いずれも統計報告の対象ともされていないことが認められ,他に,これらの事件の数を把握する方法があることはうかがわれない。」そうです。
5 ①司法修習生の兼業許可の具体的基準を定めた文書,及び②司法修習生の実務修習庁会を決定する基準が書いてある文書(平成28年度(最情)答申第3号(平成28年4月14日答申))
→ ①の文書につき,
「司法修習生は,その修習期間中,その修習に専念しなければならないこととされ(裁判所法67条2項),最高裁判所の許可を受けなければ,他の職業に就き,若しくは財産上の利益を目的とする業務を行うこと,すなわち兼職や兼業をすることができないものとされ(規則2条),修習専念義務が課されている。また,最高裁判所は,司法修習生の行状がその品位を辱めるものと認めるときその他司法修習生について最高裁判所の定める事由があると認めるときは,その司法修習生を罷免することができる(同法68条)とされており,司法修習生には品位保持義務が課されている。
さらに,司法修習生は,修習にあたって知った秘密を漏らしてはならない(規則3条)とされ,高い識見と円満な常識を養い,法律に関する理論と実務を身につけ,裁判官,検察官又は弁護士にふさわしい品位と能力を備えるように努めなければならない(規則4条)とされているから,司法修習生は,その地位の性質上,当然に中立公正性を保持しなければならないということができる。
そうすると,司法修習生から兼業の許可の申請を受けた最高裁判所としては,司法修習の性質上,その兼業の内容等が,上記のような裁判所法又は規則に定められた修習専念義務,品位保持義務及び中立公正性に抵触しないか否かを判断する必要があるということができ,これらが一種の基準となっていると解することができる一方,それ以上の詳細な具体的な基準を作成することは,兼業許可の制度の運用を硬直化することになりかねないとも考えられる。
また,最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,平成25年度の司法修習生及び平成26年度の司法修習生についての兼業許可については,上記の裁判所法又は規則上の義務等を考慮して個別に判断する方法で運用されているところ,その許否の判断は適切に行われていると認められる。」そうです。
→ ②の文書につき,
「最高裁判所事務総長は,司法修習生の実務修習庁会については,希望及び具体的事情を勘案して決定しており,基準を定めていないと説明するところ,司法修習生の実務修習庁会の決定事務が,基準を定めなければできない性質のものであるとは認められず,他にその基準が存在することをうかがわせる事情も見当たらない。苦情申出人が主張する司法修習生の人数や予算も,基準の存在を基礎づけるものとはいえない。」そうです。
6 ①平成27年度予算における,裁判官の号別定数が分かる文書,②下級裁判所における指定職相当の裁判官2567人の内訳が分かる文書及び③下級裁判所におけるその他の裁判官1160人の内訳が分かる文書(平成28年度(最情)答申第4号(平成28年4月14日答申))
→ ①の文書につき,
「裁判所職員については,本件対象文書である「平成26年度一般会計予算」の「裁判所職員予算定員及び俸給額表」に級別内訳が記載されているところ,これは,裁判所職員臨時措置法において準用する一般職の職員の給与に関する法律第8条により,予算の範囲内で,職務の級の定数を設定し,又は改定することができ,その定数の範囲内で,職務の級を決定することとされていて,これに基づき級別定数が定められていることによるものと解される。
一方,裁判官については,その受ける報酬その他の給与について規定した裁判官の報酬等に関する法律には,裁判官の号別定数を設定する旨の規定はなく,他にこれを設定する旨の最高裁判所規則その他の定めも見当たらない。このことは,裁判官の報酬が,憲法上保障されているもので,ある程度の予算の制約があるとはいえ号別定数を設定して決定することになじまないことと考えられることとも整合する。」そうです。
→ ②の文書につき,
「最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,裁判官の報酬その他の給与に係る予算要求の過程において,本件対象文書以外の本件開示申出文書2に該当する文書を作成し,保存する必要はなく,現に保存させていないとのことであって,当該説明に特段不自然,不合理な点は見当たらず,他に当該説明を覆す事情も認められない。」そうです。
7 最高裁判所が日本弁護士連合会等に対し,新任の最高裁判所判事の推薦を依頼する際,どのような文書を授受することになっているかが分かる文書(平成28年度(最情)答申第10号(平成28年4月27日答申))
→ 「最高裁判所の職員は,内閣に対してどのような意見を述べるか,推薦依頼をするかなどについては,最高裁判所長官がその都度決めることであり,これらをどのような方法によって行うかを含め一切の事柄が,そのときどきの最高裁判所長官の判断に委ねられているから,最高裁判所事務総局としては,その立場上どのような文書を授受するかを定めた文書は作成していない旨を説明する。最高裁判所長官が内閣に対して述べる意見が,最高裁判所裁判官の任命等という高度な人事に関する事柄を対象としていることや,その意見が慣例として述べられているにすぎないことからすると,意見を述べるための準備行為等について,最高裁判所事務総局が組織として何らの定めも設けていないことは,不自然なこととはいえない。
また,日本弁護士連合会は,「日本弁護士連合会が推薦する最高裁判所裁判官候補者の選考に関する運用基準」を定め,同会が推薦する最高裁判所裁判官候補者の選考のために最高裁判所裁判官推薦諮問委員会を設置しているが,上記運用基準にも,誰に対して推薦をするのか,推薦に当たってどのような書面を作成するのかなどについての定めはなく,同基準の存在をもって,本件各開示申出文書の存在を推認することもできない。」そうです。
8 最高裁判所常置委員会の議事録及び配付資料(平成28年度(最情)答申第11号(平成28年6月3日答申))
→ 「苦情申出人及び最高裁判所事務総長から提出された資料に基づき検討すると,苦情申出人が指摘するとおり,昭和27年議事録には,常置委員会は,原則として毎週1回定期に開くものとする旨が記載されている。しかし,昭和27年議事録には,司法行政事務のうち,特に重要なものを除くその余は常置委員会に取り扱わせ,その結果は裁判官会議に報告することと記載され,他方で,裁判官会議は,毎月1回定期に招集し,緊急の必要のあるときに限り,随時招集すれば足りるものとするなどと記載されている。このことに照らすと,当時は,司法行政事務について,通常のものは常置委員会が取り扱うこととし,これを定期的に開催していたものと考えられる。他方で,平成26年12月3日の裁判官会議の議決では,「常置委員会は,裁判官会議を招集することができないとき又は招集することが相当でないときに,最高裁判所長官が招集する」とされていることからすると,遅くともこの時点においては,司法行政事務を処理するのは裁判官会議によるのを原則とし,特別の事情が生じた場合などに常置委員会を開催することとされていたものと認められる。この点について,最高裁判所事務総長は,最高裁判所においては,昭和37年頃までは常置委員会が月に複数回開催されていたが,昭和38年頃からはほとんど開催されないこととなったこと,一方で,裁判官会議については,昭和38年頃からほぼ毎週1回開催されていることが認められ,これらの事実に照らすと,昭和38年頃からは,毎週の裁判官会議の開催により,常置委員会の開催の必要が生じなかったものと考えられる旨説明するところ,この説明は,上記の資料の記載に沿うものといえる。」そうです。
9 裁判官の転出に関する約束を書面でする扱いの詳細を定めた文書等(平成28年度(最情)答申第12号(平成28年6月3日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,裁判官については,異動条件を記載した異動に関する承諾書が作成されることがあるとのことであり,承諾書が作成されるのは,裁判官が,裁判所法上,その意思に反して免官,転官,転所等をされることはないとされている(同法48条)ことによると解される。しかし,同説明によれば,異動条件については,全国を異動する必要がある裁判官について,適材適所の原則による異動を確保しつつ,機会均等を図るため,紳士協定的な約束として,従前からの慣行となっているとのことであり,法令等に基づくものではないと解される。また,裁判官の異動について,何らかのルールがあることもうかがわれない。そうであるとすれば,異動条件の内容は,異動対象となる裁判官ごとに,その固有の諸事情に応じて定められた個別的な性格のものであって一般性がないものと認めるのが相当である。」そうです。
10 最高裁判所事務総局情報政策課長の事務引継書(平成28年度(最情)答申第14号(平成28年6月3日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,上記人事異動に際し,事務の引継ぎが,口頭で行われており,事務引継書は作成されていないと説明する。
同説明によれば,同日付けの人事異動により情報政策課長となった者は,それ以前は東京地方裁判所判事であったというのであるから,最高裁判所に出向いて前任の情報政策課長から口頭で引継ぎを受けることは十分に可能であったと解される。また,情報政策課が所管する事務は,情報化の推進及び情報セキュリティの確保に関する事項等であるから,それらの事務の内容については,着任後に部下職員から口頭で補充説明を受けることがふさわしいものも少なくないと考えられる。」そうです。
11 ①「直近に開催された,最高裁刑事局と全国検察審査協会連合会との懇談会に関する文書(出席者名簿,配付資料,議事要旨等)」及び②「直近に開催された,全国検察審査協会連合会定例総会に関して,最高裁が全国検察審査協会連合会との間で授受した文書」(平成28年度(最情)答申第16号(平成28年6月28日答申))
→ 「検察審査会は,検察審査会法に基づき設置された機関であり,検察審査会事務官が裁判所事務官の中から命じられる(同法20条)ものの,裁判所とは別の独立した機関である。また,全検連は,最高裁判所事務総長の説明によれば,検察審査員の経験者等で構成される任意団体である検察審査協会の全国組織である。そうすると,全検連と最高裁判所が何らかの関わりを持っていることが当然であるとは考えられず,ほかに関わりがあることを示す具体的な資料はない。」そうです。
→ ちなみに,辻恵衆議院議員(民主党)は,平成22年10月22日の衆議院法務委員会において,「実際、この検察審査協会連合会は毎年大会を開催していて、例えば平成十年、第四十四回大会は、帝国ホテルで、会員が千二百六十三名集まって、来賓として当時の山口最高裁長官ほか十五名が出席をしている。毎年、最高裁の刑事局と懇談会もしている。最高裁の長官がわざわざ出ていって、しかも、審査員と補充員のOBが任意に組織しているという団体が、毎年帝国ホテルや有名なホテルで千人規模の大会を開いている。この審査協会に最高裁なり公的な機関が関係しているというふうに私は本当に疑わざるを得ないというふうに思います。」などと発言しています。
12 司法試験受験資格による司法修習生採用者数の内訳が分かる文書等(69期関係)(平成28年度(最情)答申第20号(平成28年6月28日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,第68期司法修習生までの司法修習生に係る本件各開示申出文書の内容に相当する文書については,顧問会議資料とするため,法曹養成制度改革推進室からの作成及び送付の依頼があったことから,これらを作成していたが,第69期司法修習生に係るものについては,いずれの機関からもその作成の依頼を受けていないため,作成していないと説明する。」と記載されています。
13 司法行政文書及び裁判文書に該当しない,裁判所で開示の対象にしていない文書についての管理の取扱方法を定めた通達その他の文書(平成28年度(最情)答申第21号(平成28年7月15日答申))
→ 「本件文書は,司法行政文書及び事件記録等保存規程に挙げられている各種事件記録以外の裁判事務に関する文書であるから,例えば,裁判官が裁判事務に関して申し合わせた内容を記載した文書のように,裁判事務のために用いるものとして作成し,又は取得した文書で,裁判所の裁判部において管理しているものが含まれると考えられる。そうすると,本件文書は,専ら裁判所の裁判部において作成され,保管されるものであって,司法行政部門が作成したり保管したりするものではないのであるから,その管理方法について規律する通達等を作成することによって,司法行政部門が本件文書の作成や保管の在り方に関与することは,相当でないと考えられる。最高裁判所事務総長が,本件文書について,個別の裁判と密接な関連性のある文書であり,裁判における審理及び判断の作用に影響を及ぼす可能性のあるものであることから,その作成,保存等の管理の在り方について司法行政作用である通達等で一律に規律することは相当でないと説明するのも,同様の趣旨であると解される。」そうです。
14 山口地裁所長が山口家裁所長を兼任するようになった経緯が分かる文書(平成28年度(最情)答申第22号(平成28年7月15日答申))
→ 「委員会庶務に調査させたところ,平成27年12月16日付けで,山口地方裁判所長について,兼ねて山口家庭裁判所判事に補する旨及び山口家庭裁判所長を命ずる旨の発令がされたことが確認された。
この人事異動について,最高裁判所事務総長は,裁判官会議における決定の際,人事局長が説明をしているが,その説明内容が記載された文書は存在しな
い旨説明する。また,この点について,委員会庶務において最高裁判所の担当部局である人事局の担当者から意見を聴取したところ,上記のような裁判官会議における説明内容については,通常は文書を作成するものではないとのことであった。本件開示申出に係る事項が,人事に関する事項であり,その性質上,そのような事項について詳しい理由を記載した文書が作成されていないとしても,何ら不合理とは考えられないのであって,本件開示申出に係る事項について詳しい理由について記載した文書を作成することはないという上記の各説明は,合理的であるというべきである。」そうです。
15 裁判に密接に関連する文書の内閣総理大臣への移管方法について,最高裁判所が内閣府との間で取り交わした文書(平成28年度(最情)答申第24号(平成28年7月15日答申))
→ 「事件記録に該当しないものの裁判に密接に関連する文書とは,最高裁判所事務総長が説明するとおり,裁判に密接に関連する事項について,裁判官等が申合せを行った結果を記載し,裁判所の裁判部において管理している文書等をいうものと解されるところ,そのような文書を内閣総理大臣に移管することについて取り交わした文書が本件各申合せとは別に存在することをうかがわせるような事情は何ら見当たらない。」そうです。
16 修習資金貸与要綱第31条の住所等届出書の提出状況が分かる文書等(平成28年度(最情)答申第32号(平成28年10月24日答申))
→ ①年度ごとに,住所等届出書の提出状況が分かる文書,②年度ごとに,住所等届出書の提出を怠った結果,期限の利益を喪失した人の数が分かる文書,③年度ごとに,変更事項届出書の提出状況が分かる文書,④年度ごとに,繰上返還申請をした人の数が分かる文書,⑤年度ごとに,返還期限の猶予を受けた人の数が分かる文書,⑥年度ごとに,返還免除を受けた人の数が分かる文書,及び⑦年度ごとに,修習資金貸与金の回収状況が分かる文書は,そもそも作成していないそうです。
17 新任の最高裁判所判事が着任したときの事務手続について書いてある文書(平成28年度(最情)答申第38号(平成28年9月6日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,認証式については,それを実施する宮内庁から取得した文書も,最高裁判所事務総局が作成した文書もないとのことである。また,就任行事の実施に係る内容やスケジュールの確定は,担当部署の職員が口頭での確認により行っており,他の部署との連絡も口頭又は電話で行っていて,就任行事に関する事務手続について,担当係員が個人的にメモを作ることはあっても,司法行政文書は作成していないとのことである。最高裁判所判事についての認証式及び就任行事に関する事務手続は,これらの行事が滞りなく行われることを目的とするものであると考えられることからすると,事務手続に関して司法行政文書を作成していなかったとしても不合理とはいえず,これらを作成していたことをうかがわせる事情は見当たらない。」から,存在しないそうです。
18 平成28年9月29日に死亡した花村良一裁判官の同月1日から同月29日までの出勤状況が分かる文書(平成28年度(最情)答申第42号(平成29年1月26日答申))
→ 「裁判官については,勤務時間法や給与法の適用がなく,勤務時間を把握するための文書の作成を義務付けた法令等の定めはない。また,裁判官の報酬は,裁判官の報酬等に関する法律に基づき支給されているから,報酬の支給に関して裁判官の出勤状況が分かる文書の作成の必要もない」から,存在しないそうです。
19 最高裁が,平成27年8月末の概算要求に向け,全国の裁判所の職員給与の状況を分析し,将来予測などを行い,どのような要求を立てるべきか検討し,関係部署と調整した上で,案をまとめ,予算要求を行った際に作成した文書(平成28年度(最情)答申第44号(平成29年2月24日答申))
→ 「口頭説明の結果によれば,本件資料の作成に当たっては,最高裁判所事務総局人事局の担当者において最高裁判所内部の関係部局との調整を行うが,その過程で,最高裁判所事務総局人事局において組織的に保有すべき文書を作成することはないとのことである。級別定数改定業務が予算の範囲内で各種の調整を重ねながら行うものであることからすると,本件資料を作成するまでの間に,担当者間でさまざまな案がやりとりされることはあると考えられるが,本件資料のみならず,その段階の案が記載されたものを組織的に保有していなければ,級別定数改定業務やそれに関連する業務に支障を来すとまでは考えられず,そのような文書を組織的に用いるものとして保有していることをうかがわせる事情も見当たらない。」から,存在しないそうです。
20 新任判事補を採用する際の内部手続が分かる文書(平成28年度(最情)答申第45号(平成29年2月24日答申))
→ 平成15年7月1日開催の下級裁判所裁判官指名諮問委員会(第2回)議事要旨以外に存在しないそうです。
21 最高裁判所裁判官の出勤簿(平成28年度(最情)答申第47号(平成29年2月24日答申))
→ 平成28年度(最情)答申第42号(平成29年1月26日答申)と同じ理由により存在しないそうです。
22 選択型実務修習の実施通知(平成28年度(最情)答申第49号(平成29年3月17日答申))
→ 司法研修所は,選択型実務修習の実施者ではないし,配属庁会から取得するなどして保有していることもないそうです。
23 最高裁法廷(大・小)の過去10年間程度の開廷状況の資料(開廷回数が分かるもの)(平成28年度(最情)答申第50号(平成29年3月17日答申))
→ 「過去の開廷状況とは,最高裁判所に係属した事件について弁論期日や公判期日等が開かれた場合に関する具体的な回数や日時等をいうものと考えられるところ,最高裁判所の司法行政事務において,そのような過去の開廷状況に関して統計をとるなどの必要性があるとする具体的な事情はうかがわれない」そうです。
24 第70期司法修習予定者の実務修習希望地調査表(平成29年度(最情)答申第1号(平成29年4月28日答申))
→ 第69期司法修習予定者までと異なり,事務の合理化の観点から作成するのを止めたそうです。
25 第69期司法修習生組別志望等調査表(平成29年度(最情)答申第3号(平成29年4月28日答申))
→ 第68期司法修習生までと異なり,事務の合理化の観点から作成するのを止めたそうです。
26 「裁判所が,市民後見人に対し,民法714条1項に基づく監督義務者の損害賠償責任をどのように説明することになっているかが分かる文書」及び「裁判所が,市民後見人に対し,後見業務に関する損害賠償責任保険への加入を勧奨するために使用している文書」(平成29年度(最情)答申第9号(平成29年6月9日答申))
→ 「市民後見人を含む成年後見人の民法714条1項に基づく損害賠償責任に関する説明について,最高裁判所において統一的な運用を定めなければならない必要性があるとは認められず,最高裁判所においてこれを定めていることをうかがわせる事情も認められないことからすれば,最高裁判所において統一的な運用を定めたことはなく,これに関連した文書を作成し,又は取得していないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」とか,「家庭裁判所が市民後見人を含む成年後見人を選任し,監督する権限を有するからといって,家庭裁判所において,市民後見人に対し,後見業務に関する損害賠償責任保険への加入を勧奨すべき立場にあるということはできないし,そのほかに家庭裁判所がこれを勧奨していることをうかがわせる事情も認められないことからすれば,最高裁判所においてこれを勧奨するための文書を作成し,又は取得していないという上記説明の内容は,不合理とはいえない。」そうです。
27 導入修習の期間中にあった,裁判官任官ガイダンスで使用した文書(平成29年度(最情)答申第17号(平成29年7月3日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明は,司法研修所が裁判官任官に関するガイダンスを組織として実施することはないというものであり,その内容が不合理とはいえない。」そうです。
28 「司法研修所の寮の入寮及び退寮に係る司法研修所内部の事務手続が書いてある文書」(平成29年度(最情)答申第19号(平成29年7月3日答申))
→ 「苦情申出人は,司法研修所事務局職員がどの時点でどのような配置に付いていて,どのような事務を担当するのかを定めた文書が存在するはずであると主張するが,そのような文書が入寮及び退寮に関する司法研修所内部の事務手続を記載した文書として作成されていることをうかがわせる事情は認められない」そうです。
29 「平成28年6月16日付で,すべての裁判官の生年月日を開示すべきと判断するに至った経緯が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第20号(平成29年7月24日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明は,従前,最高裁判所判事,高等裁判所長官,地方裁判所長及び家庭裁判所長以外の裁判官の略歴等について,裁判所が保有する文書の開示を求められた場合には,出生の年月日を不開示としていたが,その後,裁判官の略歴について改めて検討を行った結果,全ての裁判官について開示するものと整理して,平成28年6月16日付け最高裁人任第773号人事局長依頼「裁判官の略歴等の開示について」を発出したというものであり,上記の検討及び整理の内容を考慮しても,その経緯を記載した文書を作成していないとの上記説明の内容が不合理とはいえない。また,当委員会庶務を通じて確認した結果,本件苦情申出後の探索によっても,本件開示申出文書に該当する文書は存在しないとのことであった。そのほか,本件開示申出文書に該当する文書の存在をうかがわせる事情は認められない。」そうです。
30 「裁判所職員採用試験における論文試験(小論文),専門試験(記述式),政策論文試験(記述式)及び人物試験の得点分布が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第21号(平成29年7月24日答申))
→ 「苦情申出人のいう第2次試験及び第3次試験については,これらの試験の方式等を考慮するならば,直ちに得点分布が分かる文書を作成する必要があるとはいえず,これらの試験について得点分布が分かる文書を作成していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
31 「平成28年中に実施された,最高裁と日本裁判所書記官協議会との間の座談会,懇談会等に関する文書」(平成29年度(最情)答申第22号(平成29年7月24日答申))
→ 「苦情申出人は,本件不開示部分について,本件団体側の出席者は裁判所書記官という公務員であるから,公務員の職務の遂行に係る情報といえると主張する。しかし,本件団体が任意団体であり,私的な団体であることからすれば,その会員が本件団体の主催する座談会に出席することは,私的な行為であり,公務員の職務遂行に係る行為とは認められない。」そうです。
32 「平成26年4月1日から平成27年10月15日までの間に,最高裁判所に挨拶回りに来た団体名が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第23号(平成29年7月24日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書について,いずれも作成し,又は取得する必要がない,と説明する。この点につき,そもそも挨拶回りは儀礼上のものにすぎない上,挨拶回り先について何らの定めもないことからすれば,挨拶回り先は個々の異動者の意向等を勘案して個別に決められるものであり,これが分かる文書を作成し,又は取得する必要はなく,また,最高裁判所において挨拶回りに来た団体名を記録に残しておく必要もない,という上記説明の内容が不合理とはいえない。そのほか,最高裁判所において本件開示申出文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。」そうです。
33 「過労自殺の労災認定が,過失相殺なしで1億円以上の損害賠償責任が発生することと直結しつつあることに関する裁判所の問題意識が書いてある文書」(平成29年度(最情)答申第25号(平成29年7月24日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所においては,「過労自殺の労災認定が,過失相殺なしで1億円以上の損害賠償責任が発生することと直結しつつあること」に関するテーマを取り上げた研究会を実施しておらず,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は存在しなかったとのことである。申出の対象とされたテーマの性格等に照らすならば,このような説明の内容は不合理とはいえない。そのほか,最高裁判所において本件開示申出文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。」そうです。
34 最高裁判所事務総長室の写真が含まれる文書(平成29年度(最情)答申第28号(平成29年9月11日答申))
→ 「最高裁判所事務総長室において行事等を公開して実施することはないため,工事以外に同室の写真が撮影される機会はなく,また,探索の結果,同室については写真が添付された工事の報告書等は存在しないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
35 「最高裁が69期司法修習予定者から回収した,民事裁判アンケート用紙及び刑事裁判アンケート用紙の回答内容を取りまとめた文書」(平成29年度(最情)答申第29号(平成29年9月11日答申))
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果,69期司法修習予定者に対して実施されたアンケートは,法科大学院における民事実務及び刑事実務の基礎科目の履修状況等について回答を求めるものであったと認められる。そうすると,当該アンケートの目的を達するためには,各組の担当教官において担当組分の状況を把握すれば足り,回答内容を取りまとめる必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
36 「現職裁判官全員の性別が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第30号(平成29年9月11日答申))
→ 「司法行政事務を処理するに際し,現状において,現職裁判官全員の性別を確認する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
37 「現職裁判官全員について10年の任期満了日が記載された文書」(平成29年度(最情)答申第31号(平成29年9月11日答申))
→ 「司法行政事務を処理するに際し,現状において,一覧性を有する文書によって現職裁判官全員の任期満了日を確認する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
38 「新たに司法修習生を採用する際の,最高裁判所及び司法研修所内部の事務手続が分かる文書(裁判所HPに掲載されたことがある文書は除く。)」(平成29年度(最情)答申第33号(平成29年9月11日答申))
→ 「審査基準及び選考要項には,司法修習生の採用選考における審査基準等が記載されているところ,これらの記載内容を踏まえて検討すれば,そのほかに本件開示申出文書に該当する文書を作成し,又は取得する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。また,当委員会庶務を通じて確認したところ,審査基準は裁判所ウェブサイトに掲載されており,選考要項は一定期間裁判所ウェブサイトに掲載されていたとのことであるから,いずれも本件開示申出文書に該当しない。」そうです。
39 「裁判官の場合,在職中の求職がどのように規制されているかが分かる文書(最新版)」(平成29年度(最情)答申第35号(平成29年10月2日答申))
→ 「裁判官については,国家公務員に対する在職中の求職の規制(国家公務員法106条の3)が適用されず,これを準用する法令もないことを踏まえて検討すれば,本件開示申出文書に該当する文書を作成し,又は取得していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
40 「69期司法修習生の二回試験当日に配布された科目ごとの起案要領」(平成29年度(最情)答申第36号(平成29年10月2日答申))
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,第69期司法修習生考試について応試者に交付された「平成27年度(第69期)司法修習生考試応試心得」は,全科目共通のものとして作成されており,答案作成に関する注意事項等を記載した応試要領部分を含めて,考試の実施に当たり必要な事項が記載されていると認められる。これを踏まえて検討すれば,科目別の起案要領を作成し,又は取得する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
41 「最高裁判所裁判官が退官するときの事務手続が書いてある文書(最新版)」(平成29年度(最情)答申第37号(平成29年10月2日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書は,最高裁判所判事の退官日及び近接する二,三日間に行われる最高裁判所判事退官に伴う諸行事に関する事務手続を記載した文書を指すものと解されるところ,最高裁判所判事の退官に伴う行事として挨拶回りが実施された例はあるが,挨拶回りに関する司法行政文書は作成していないなどと説明する。この点につき,そもそも挨拶回りは儀礼上のものにすぎない上,挨拶回り先について何らの定めもないことからすれば,挨拶回りについては,担当部署において退官する最高裁判所判事の意向を確認した上で,実施の有無,内容及びスケジュールを確定しており,これらの事務手続は口頭で行われていて,司法行政文書を作成する必要はないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
42 「司法修習生考試に不合格となった者を再び採用する際の,最高裁判所及び司法研修所内部の事務手続が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第38号(平成29年10月2日答申))
→ 「本件開示文書には,司法修習生の採用選考における審査基準が記載されているところ,その記載内容を踏まえて検討すれば,司法修習生であった者が考試を再度受験するために再採用される際には,本件開示文書に基づいて審査が行われるのであり,本件開示文書以外に司法行政文書を作成し,又は取得する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
43 「平成22年11月頃,社会人で合格した修習生が民間企業などに身分を残したまま,休職扱いで修習できるよう,兼職許可の運用を見直した際に作成した文書」(平成29年度(最情)答申第40号(平成29年10月2日答申))
→ 「司法修習生の兼業許可については,法令の基準に沿った運用がされていて,最高裁判所において具体的な基準を定めた文書を保有していないことは,既に当委員会で明らかにしたところである(平成28年度(最情)答申第3号参照)。これを踏まえて検討すれば,司法修習生の兼業許可の運用を緩和した際,最高裁判所において作成した文書が見当たらないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
44 「昭和46年4月に司法修習生を罷免した際の最高裁判所裁判官会議議事録」(平成29年度(最情)答申第47号(平成29年12月1日答申))
→ 「最高裁判所の職員の口頭説明によれば,裁判官会議議事録については保存期間満了後もその保存期間を延長して保有しているところ,本件開示申出文書については,原判断を行うに際して探索しただけでなく,本件苦情申出後にも,最高裁判所が保有する裁判官会議議事録等のファイルを精査し,司法修習生に関する事務を取り扱う部署においても探索したが,本件開示申出文書に該当する議事録は見当たらなかったとのことであり,最高裁判所における探索の対象や方法等に不合理な点は認められない。」そうです。
→ 下級裁判所裁判官に任命されるべき者として最高裁判所が指名すべき人数については,法令上,特段の定めはない。また,最高裁判所の職員の口頭説明によれば,以前は任命されるべき人数より1名多く指名するのが通例であったが,下級裁判所裁判官指名諮問委員会が設置された現在では任命されるべき人数と等しい人数を指名しており,これらの事務は慣例によって運用しているものであるから,文書を作成する必要はないとのことである。」そうです。46 「平成29年4月19日付の最高裁人事に関する挨拶回りについて,最高裁に来訪した者やその所属等を記録したり,日程を調整したりした際に作成した文書」(平成29年度(最情)答申第49号(平成29年12月1日答申))
→ 「平成29年4月19日付けの最高裁人事は,裁判官の定年退官に伴う一連の人事と認められ,このような人事に関連して,最高裁判所において挨拶回りに訪れた者やその所属等を記録に残しておいたり,日程を調整する際に文書を作成したりする必要はなく,他の機関から文書を取得したこともないとする説明は不合理とはいえない。」そうです。
47 「平成29年4月任官の弁護士任官者に対して実施した,最高裁判所の面接選考に関する文書(実施日時,実施場所,実施方法,面接担当者の肩書及び氏名等が書いてある文書をいうものの,これに限られない。)」(平成29年度(最情)答申第50号(平成29年12月1日答申))
→ 「受験者の面接及び健康診断の時間については,これらの記載部分を明らかにすることは,結果として,面接に要する個別の時間等を明らかにすることになるから,今後の人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある」そうです。
48 「裁判所採用情報ナビゲーター『さいたん』の発案から採用に至るまでの経緯が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第51号(平成29年12月1日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,裁判所採用情報ナビゲーター「さいたん」については,利用規約によってその使用目的等が定められているのみであるなどと説明する。この説明につき,当委員会庶務を通じて確認したところ,上記利用規約を作成するまでの事務は口頭で行われたとのことである。上記利用規約の内容及び「さいたん」の作成に際して費用が発生していないこと(平成29年度(最情)答申第2号参照)に照らして検討するならば,最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
49 「修習資金貸与金の管理マニュアル(裁判所HPに掲載しているものは除く。)(最新版)」(平成29年度(最情)答申第55号(平成29年12月22日答申))
→ 「修習資金貸与要綱には,修習資金の貸与から返還に至るまでの事務について具体的に記載されていることからすれば,管理マニュアルを作成する必要がないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
50 「判事補採用時点における新任判事補の出身大学の分布が分かる文書(55期から69期までの分)」(平成29年度(最情)答申第56号(平成30年1月19日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,このような文書を作成する必要性はないので,本件開示申出文書を作成し,又は取得していない」そうです。
51 「第69期司法修習生の事前課題に関する模範答案,参考答案その他司法研修所教官室が作成した答案」(平成29年度(最情)答申第63号(平成30年2月23日答申))
→ 「司法修習は,法曹に共通して必要とされる法的問題の解決のための基本的な視点や考え方を学ばせることを目的としており,正解を重視しているものではなく,事前課題について,模範答案,参考答案等は作成していない」そうです。
52 「第69期判事補の,司法研修所における成績分布が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第64号(平成30年2月23日答申))
→ 「司法研修所では,各期の司法修習生の成績分布を示した文書を作成する必要性がないことから,成績を集計,整理するなどして成績分布が分かるような文書を作成することはしていない」そうです。
53 「判事補採用時点における新任判事補の出身法科大学院の分布が分かる文書(65期から69期までの分)」(平成29年度(最情)答申第66号(平成30年2月23日答申))
→ 「このような文書を作成する必要性はないので,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえ」そうです。
54 「最高裁判所と法務省民事局,刑事局及び訟務局との間で実施された会合に関する文書」(平成29年度(最情)答申第71号(平成30年3月23日答申))
→ 「本件開示申出日現在,最高裁判所と法務省民事局,法務省刑事局又は法務省訟務局との間で開かれる会議,協議会等は存在せず,また,開催時期を問わず,広く最高裁判所において保管するファイルを探索するなどして確認したが,本件開示申出文書に該当する文書は見当たらなかった」そうです。
55 「平成13年12月頃に開催された,『裁判官の在り方を考える』と題した研究会の速記録及びそのダイジェスト版」(平成29年度(最情)答申第73号(平成30年3月23日答申))
→ 「本件開示申出の内容を踏まえると,研究会が開催された平成13年12月頃から15年以上が経過しており,本件開示申出文書に該当する文書が30年の保存期間を設定すべきものとは考え難い」そうです。
56 「最高裁が,朝日新聞社等の報道各社からの依頼に基づき,第24回国民審査を受ける最高裁判所裁判官のアンケート回答を送付した際に作成し,又は受領した文書」(平成30年度(最情)答申第5号(平成30年4月20日答申))
→ 「国民審査に付された最高裁判所裁判官から受け取ったアンケート回答書は報道機関に送付済みであり,そのほかに作成し,又は取得した文書はない」そうです。
57 「司法研修所が作成に関与したツイッターアカウントの一覧が書いてある文書」(平成30年度(最情)答申第6号(平成30年4月20日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所は,ツイッターを業務として利用しておらず,ツイッターアカウントの作成に関与したことはないから,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
58 「最高裁が,全国の下級裁判所に対し,公判前整理手続を短くするように指示した文書(最新版)」(平成30年度(最情)答申第12号(平成30年5月25日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,公判前整理手続の性質上,最高裁判所が下級裁判所に対して,その期間を短縮するよう指示することはないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
59 「新任の司法研修所弁護教官に交付している,司法研修所弁護教官の職務内容に関する説明文書(最新版)(裁判所HPに掲載されている文書は除く。)」(平成30年度(最情)答申第20号(平成30年7月20日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,新たに委嘱された司法研修所弁護教官に対しては,同教官の職務内容について必要に応じて他の弁護教官等から説明を行っており,司法研修所として説明文書を作成・交付する必要がないとのことであり,本件開示申出文書の性質に照らせば,このような説明の内容が不合理とはいえない」そうです。
60 「平成30年1月の最高裁判所長官交代に際して作成された事務引継書及び関連資料」(平成30年度(最情)答申第22号(平成30年7月20日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所長官の交代に当たり,事務引継書を組織的に作成することを予定するような定めはなく,事務引継書は必ず作成しなければならないものではない上,本件開示申出を受けて最高裁判所内を探索したものの,本件開示申出文書は存在しなかったとのことであり,本件開示申出文書の性質に照らせば,このような説明の内容が不合理とはいえない」そうです。
61 「民事,刑事及び行政の上告事件,抗告事件等に関する調査官報告書の様式を定めた文書」(平成30年度(最情)答申第27号(平成30年8月24日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は作成し,又は取得していなかったとのことであり,調査官報告書の性質に照らせば,このような説明の内容が不合理とはいえない。苦情申出人は,雑誌に掲載された記事を挙げて,本件開示申出文書は存在すると主張するが,当該記事の内容を見ても,調査官報告書について特定の書式が定められているという趣旨まで読み取ることはできない。」そうです。
62 70期問研起案の成績分布が分かる文書(平成30年度(最情)答申第28号(平成30年8月24日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,各司法修習生が作成した問研起案の評価は行っているものの,その評価結果は当該司法修習生に対する分野別実務修習の成績評価の一資料として使用されるものにすぎず,問研起案の成績自体の分布を独立して把握する必要がないことから,成績の分布を示した文書は作成し,又は取得していないとのことであり,問研起案が修習の一環として行われるものであることを踏まえて検討すれば,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
63 最高裁が,日弁連に対し,70期二回試験の結果を伝えるために送付した文書(平成30年度(最情)答申第30号(平成30年8月24日答申))
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,探索の結果,本件開示申出文書に該当する司法行政文書はなく,最高裁判所が日本弁護士連合会に対して70期司法修習生考試の結果を文書で伝えたことはないとのことであり,本件開示申出文書の性格に照らすならば,最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
64 裁判所法の一部を改正する法律(平成29年4月26日法律第23号)に関する国会答弁資料(平成30年度(最情)答申第36号(平成30年10月19日答申))
→ 「当委員会庶務を通じて確認したところ,最高裁判所において探索した結果,本件開示申出文書を保有していないとのことであり,本件開示申出文書の性格に照らしても,本件開示申出文書を保有していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
65 70期二回試験の答案採点謝金の採点単価が分かる文書(歳出概算要求書は除く。)(平成30年度(最情)答申第37号(平成30年10月19日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,第70期司法修習生考試の答案採点謝金については,個々の採点者ごとに支払金額を決定しており,答案ごと又は答案1枚当たりの採点単価や採点謝金の基準を別途定めていないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
66 最高裁が,平成19年頃,裁判所の記録謄写業務公募制を採用するに至った経緯が分かる文書(平成30年度(最情)答申第40号(平成30年10月19日答申))
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,最高裁判所においては,本件通達の廃止時の記録を含めて探索したものの,本件開示申出文書に該当する文書は見当たらなかったとのことであり,探索の方法を含め,本件開示申出文書に該当する文書を保有していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
67 第70期司法修習生の全国一斉検察起案に関する文書のうち,成績分布表,結果報告書及び起案成績が検察官採用にどのように影響するかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第42号(平成30年11月16日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所において各司法修習生が作成した全国一斉検察起案の評価を行っているものの,その評価結果は当該司法修習生に対する分野別実務修習の成績評価の一資料として使用されるものにすぎず,本件開示申出文書は作成し,又は取得していないとのことであり,全国一斉検察起案が修習の一環として行われるものであることを踏まえて検討すれば,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
68 民事訴訟において弁論を終結してから2か月以内に判決を出さない場合,どこにどのような報告をしなければならないかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第43号(平成30年11月16日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は存在しないとのことであり,本件開示申出の内容及び民事訴訟法251条1項の趣旨・目的に照らして,このような説明の内容が不合理とはいえない。苦情申出人は,市販されている書籍の記載内容から,本件開示申出文書が存在する旨を主張するが,当該記載内容は上記の説明の合理性を疑わせるに足りる具体的な根拠を示すものではない。」そうです。
69 民事裁判の弁論準備手続期日につき,どのような場合に,期日に出席していない裁判所書記官が期日調書を作成できることになっているかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第53号(平成30年12月21日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は存在せず,また,裁判所書記官の臨席の要否は裁判官の判断によるものであり,この判断は司法行政文書により明らかにされる性質のものではないと説明する。本件開示申出の内容に照らして,このような説明の内容は不合理とはいえない。」そうです。
70 裁判所入り口に備え付けている開廷表につき,どのような場合に当事者名を記載しないこととしているかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第59号(平成31年1月18日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,開廷表の記載事項は,通達等で定められているものではなく,どのような場合に当事者名を記載しないこととしているかについては,事案ごとに個別具体的な事情に応じて裁判体が判断しているのが実情であるとのことであり,本件開示申出文書について最高裁判所において探索したものの,その保有の事実は認められなかったとのことであって,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
71 最高裁判所調査官室の勉強会における配付資料(直近に行われたもの)(平成30年度(最情)答申第61号(平成31年1月18日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所調査官個々人の研究,研さんを図るために勉強会が実施されることはあるものの,このような性格の勉強会において,司法行政文書を作成し,又は取得することは予定されておらず,最高裁判所において探索したものの本件開示申出文書を保有していなかったとのことである。調査官個人の研究や研さんを図るという勉強会の性格からすれば,司法行政上,このような性格の勉強会について記録や資料を残す必要があるとは考えられず,探索の結果,本件開示申出文書を保有していないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
72 ①修習生バッチの製造委託の契約書,②修習生バッチの再発行手数料が分かる文書,③修習生バッチをねじ式からピンで留めるタイプに改造できることに関する案内文書(平成30年度(最情)答申第62号(平成31年1月18日答申))
→ ①の文書につき,
「平成26年度に修習生バッジの調達を行った記録が保存されているものの,当該調達については,会計法第29条の8第1項ただし書並びに予算決算及び会計令第100条の2第1項第1号により,契約書の作成が省略され,契約事務取扱規則第15条に定める請書その他これに準ずる書面の徴取も行われていないとのことである。当委員会庶務において確認したところ,平成26年度に行われた修習生バッジの調達における契約金額は,会計法第29条の8第1項ただし書並びに予算決算及び会計令第100条の2第1項第1号により,契約書の作成を省略することができる場合に該当するものと認められ,また,このような契約の目的及び契約金額に照らして検討すれば,契約事務取扱規則第15条に定める請書その他これに準ずる書面の徴取も行われていないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
→ ②の文書につき,
「司法修習生のバッジを再交付するために要する手数料等を司法修習生から徴収していないため,作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
→ ③の文書につき,
「司法修習生のバッジはねじ式のものではないため,作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
73 ①裁判所の公用電子メールの保存期間が分かる文書,②司法行政文書に関する電子データの保存期間が分かる文書(平成30年度(最情)答申第63号(平成31年1月18日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明及び当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,電磁的記録である司法行政文書の保存期間については,平成24年12月6日付け最高裁秘書第003545号事務総長通達「司法行政文書の管理について」等の司法行政文書の保存期間に係る規定が適用されるため,必ずしも本件開示申出文書を作成する必要はないとのことであった。このような本件開示申出文書の性格に照らして検討するならば,探索したものの本件開示申出文書の保有の事実はなかったという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
74 最高裁判所が,職員団体等に対する法人格の付与に関する法律に基づき,特定の団体に関して作成し,又は取得した文書(平成30年度(最情)答申第71号(平成31年2月22日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,職員団体等に対する法人格の付与に関する法律に基づき作成し,又は取得した文書を探索したところ,対象となる文書は存在せず,また存在した形跡もなかったとのことであり,裁判所の職員により構成される職員団体に係る上記法律の適用関係に照らして,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
75 どのような司法行政文書について,謄写は認められないものの,閲覧は認めるという司法行政文書開示決定を出すことになっているかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第72号(平成31年2月22日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,開示の実施方法としては,取扱要綱記第10の1において,文書及び図画については,これの閲覧をさせ,又は写しの交付を求める者に自らの費用で謄写をさせることにより行うと定めるほかに,特に定める規定はなく,運用に当たって,個別の案件ごとに開示対象文書の性質等を踏まえて判断しているものであって,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
76 最高裁判所が修習給付金について必要経費として控除することができる経費があるかどうかを検討した際に作成し,又は取得した文書(平成30年度(最情)答申第77号(平成31年3月15日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所において,修習給付金のうち基本給付金及び住居給付金について,必要経費として控除することができる費用が存在するか検討したが,この検討内容については,文書を作成するほどの複雑な内容のものではなかったことから,文書を作成していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
77 平成30年1月16日時点の判事の現在員が1999人であり,判事補の現在員が819人であることを最高裁判所が調べた際に作成し,又は取得した文書(平成30年度(最情)答申第78号(平成31年3月15日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所においては,毎年12月1日現在の判事及び判事補の現在員を算出しており,12月1日以外の基準日の現在員を算出する必要が生じた場合には,直近に算出した12月1日時点の数値をもとに,同日以降の任官者数,退官者数等を集計して算出するところ,平成30年1月16日時点の現在員の算出に当たっても同様の方法を取ったことから,その過程で司法行政文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
78 新任の最高裁判所調査官に対し,その職務内容を説明するときに使用している文書(平成30年度(最情)答申第80号(平成31年3月15日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,新任の最高裁判所調査官に対しては,その職務内容について,他の最高裁判所調査官等から必要に応じて説明を行っており,最高裁判所として新任の最高裁判所調査官に対して職務内容を説明するための文書を作成する必要はないとのことである。最高裁判所調査官の職務に照らして検討しても,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
79 71期問研起案の成績分布表,結果報告書及び起案成績が判事補採用にどのように影響するかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第81号(平成31年3月15日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所において各司法修習生が作成した問研起案の評価を行っているものの,その評価結果は当該司法修習生に対する分野別実務修習の成績評価の一資料として使用されるものにすぎず,本件開示申出文書は作成し,又は取得していないとのことであり,問研起案が修習の一環として行われるものであることを踏まえれば,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
80 司法行政上の職務に関する規則1項に基づき,最高裁判所が指定する,判事又は判事補をもって充てる司法行政上の事務を掌る職が分かる文書(平成30年度(最情)答申第82号(平成31年3月15日答申))
→ 「司法行政上の職務に関する規則1項は,「司法行政に関する事項の審議立案その他司法行政上の事務を掌る職のうち,最高裁判所において指定するものは,判事又は判事補をもってあてる」と定めるところ,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所裁判官会議において個別の裁判官の転補等に係る議決をすることをもって,司法行政上の事務を掌る職に判事又は判事補を充てる運用を行っているため,当該議決とは別に該当する職の指定についての文書や該当する職を一覧的に記載した文書を作成してはいないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
81 最高裁判所事務総長が判事をもって充てられていることの法的根拠が分かる文書(平成30年度(最情)答申第83号(平成31年3月15日答申))
→ 「最高裁判所事務総長については,裁判所法53条の規定によれば,最高裁判所に置くことが定められているが,そのほかにその職の資格等についての規定はなく,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,判事の官職を保有させたまま最高裁判所事務総長に任命することはしておらず,判事をもって充てられているわけではなく,したがって,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
82 精密検査が必要と判定された結果,最高裁判所での健康診断を実施した際に作成した文書(71期司法修習生採用手続におけるもの)(平成31年度(最情)答申第6号(平成31年4月19日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,申出時点において直近に実施された第71期司法修習生採用選考手続において,最高裁判所での健康診断を実施していないから,作成し,又は取得していないと説明しており,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。