目次第1 小型無人機等飛行禁止法の概要第2 規制対象となる機器と航空法との違い1 規制対象となる機器2 航空法とは別の規制であること第3 飛行禁止区域と対象施設1 レッドゾーンとイエローゾーン2 対象施設3 地図の確認方法第4 飛行禁止の例外と通報手続1 飛行禁止の例外2 原則として飛行開始の48時間前までに通報すること3 追加の通報先第5 違反に対する措置と罰則第6 令和8年改正の要点第7 最高裁判所庁舎周辺の取扱い第8 飛行前の確認事項第9 出典及び関連記事
第1 小型無人機等飛行禁止法の概要
小型無人機等飛行禁止法の正式名称は,「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」(平成28年法律第9号)である。
同法は,国の重要な施設等の警戒警備を強化するため,対象施設の敷地又は区域とその周囲おおむね1000メートルの地域の上空における小型無人機等の飛行を原則として禁止する法律である。
令和8年7月14日に令和8年法律第47号による改正法が施行され,従前おおむね300メートルであった周辺地域はおおむね1000メートルへ拡大された。
そのため,改正前の300メートルを前提とする古い解説や地図だけで飛行の可否を判断してはならない。
第2 規制対象となる機器と航空法との違い
1 規制対象となる機器
規制の対象には,遠隔操作又は自動操縦によって飛行させることができる無人飛行機,無人回転翼航空機,無人滑空機及び無人飛行船等の「小型無人機」が含まれる。
一般にドローンと呼ばれるマルチコプターやラジコン飛行機等が典型例である。
また,気球,ハンググライダー,パラグライダー等の「特定航空用機器」を用いて人が飛行する場合も規制対象となる。
2 航空法とは別の規制であること
航空法第11章の無人航空機の飛行ルールは,原則として機体本体とバッテリーの合計重量が100グラム以上の機体を対象とする。
これに対し,小型無人機等飛行禁止法には同じ重量基準がないため,100グラム未満のいわゆるトイドローンであっても同法の対象となり得る。
小型無人機等飛行禁止法に基づく同意や通報と,航空法に基づく機体登録,許可・承認,飛行計画の通報等は別の手続である。
一方の手続を済ませただけで他方の規制を免れるものではなく,条例,公園等の施設管理規則,私有地の利用条件,電波法その他の規制も別に確認する必要がある。
第3 飛行禁止区域と対象施設
1 レッドゾーンとイエローゾーン
対象施設の敷地又は区域の上空は,警察庁の案内で「レッドゾーン」と呼ばれている。
レッドゾーンの周囲おおむね1000メートルの地域の上空は「イエローゾーン」と呼ばれており,両方を合わせた対象施設周辺地域の上空で飛行が原則として禁止される。
「おおむね1000メートル」は施設から機械的に半径1000メートルを描けば足りるという意味ではない。
実際の区域は,各対象施設について公示される地図で確認する必要がある。
2 対象施設
対象施設は,おおむね次のとおりである。
①国会議事堂,内閣総理大臣官邸,最高裁判所庁舎,皇居等の国の重要な施設
②対象危機管理行政機関の庁舎
③対象特別要人所在施設
④対象政党事務所
⑤大使館等,外国要人の所在施設及び国際会議の会議場施設等の対象外国公館等
⑥自衛隊施設及び在日米軍施設等の対象防衛関係施設
⑦対象空港
⑧対象原子力事業所
外国要人の来日や国際会議の開催等に伴い,施設が期間を限って指定されることがある。
過去の指定一覧だけに頼らず,飛行の直前にも警察庁の最新のお知らせと対象施設の指定関係ページを確認する必要がある。
3 地図の確認方法
警察庁の対象施設指定ページから,各施設の公示及び地図へ進むことができる。
また,国土地理院の「地理院地図」では,レッドゾーン及びイエローゾーンを表示でき,人口集中地区や航空法上の空域情報を重ねて確認することもできる。
地理院地図は飛行場所の概略確認に有用であるが,最終的には当該施設の最新の公示図面及び関係機関の案内と照合すべきである。
第4 飛行禁止の例外と通報手続
1 飛行禁止の例外