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令和8年度司法試験民事系第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した48項目と5段階の重み付け(AI作成)

第1 この記事の対象と結論(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事の評価項目,重み付け,解説及び模範解答は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,民事系科目第2問(会社法)を対象として,答案に求められると本記事が独自に予想した評価項目を問題文と判例から抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」は,本記事の作成時点(令和8年9月28日)では公表されておらず,本記事はこれらを読まずに作成している。評価項目と重みは,いずれも本記事の予想であり,法務省の資料に基づくものではない。

本問は,公開会社でない取締役会設置会社である甲社について,①創業者Aが従業員に株式を譲渡し退職時に同じ価格で買い戻す制度(本件制度)の下で,退職した従業員Bから株式を譲り受けたCが,Aの取得を争い,自らが株主であることの確認を求める訴え(設問1),②代表取締役Dが仕組んだ資金の還流による5000万円の増資(見せ金)と,その株式を譲り受けた丁社が賛成した定時株主総会決議の効力(設問2),③招集通知が一切発出されなかった臨時株主総会で解任された取締役Fが,追認決議の後に報酬相当額500万円を請求すること(設問3)を論じさせるものである。配点の割合は,設問1から設問3まで35:35:30である。

本記事が独自に予想した評価項目は48項目であり,重み5(設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項)に当たるのは,従業員の株式保有に関する判例を踏まえた公序良俗の判断枠組み,株主名簿の対抗要件と145条2号のみなし承認,名義書換の不当な拒絶とAの第三者性,見せ金の認定と仮装払込みが無効原因となるか,丁社の議決権行使の制限,決議不存在の基準と追認決議の遡及効,及び339条2項の「正当な理由」の11項目である。

第5の模範解答は,設問1小問1ではCの主張は認められない,小問2ではCの請求は認められる,設問2小問1では無効原因はなく請求は棄却される,小問2では決議は取り消される,設問3ではFの請求は300万円の限度で認められるとの結論を採り,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示した。その後に,本記事独自の予想に基づく解説を付けている。

第2 本記事独自の評価項目の示し方と重み付けの基準

1 評価項目の示し方

評価項目は,設問の指示,問題文に置かれた具体的な事実(日付,株式数,金額及び否定の表現を含む),及び参照すべきと考えられる最高裁判所の判例と会社法の条文から抜き出し,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にした。

各項目には,手掛かりとなる問題文の箇所を問題冊子の頁(民事系科目の問題冊子の第2問部分の頁番号)で示し,関係する判例・条文を示した。条文は,特に断らない限り会社法の条文である。判例名は,平成7年判決(最判平成7年4月25日),平成21年判決(最判平成21年2月17日),昭和48年判決(最判昭和48年6月15日),昭和41年判決(最判昭和41年7月28日),昭和43年判決(最判昭和43年8月2日),昭和38年判決(最判昭和38年12月6日),平成24年判決(最判平成24年4月24日),平成9年判決(最判平成9年1月28日),昭和33年判決(最判昭和33年10月3日),昭和60年判決(最判昭和60年12月20日),平成4年10月判決(最判平成4年10月29日),平成4年12月判決(最判平成4年12月18日)及び昭和57年判決(最判昭和57年1月21日)の略称である。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から本記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,これらと照合して見直す必要がある。

①重み5:設問が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:問題文の事実が示唆する事項,又は最も近い判例・条文の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:控えめな事項

第3 本問の概要

甲社は,Aが創業した公開会社でない取締役会設置会社かつ監査役設置会社であり,定款で全部の株式の譲渡に取締役会の承認を要すると定め,株券を発行する旨の定めはない。発行済株式総数は10万株,資本金は1000万円である。

設問1では,Aが,従業員が1株100円でAから株式を譲り受け,退職時にAが1株100円で買い戻す本件制度を設け,甲社の取締役会もこれに賛同した。従業員Bは,退職を停止条件としてAに1株100円で譲り渡す旨等を定めた本件書面に署名して1000株を譲り受けたが,5年後に退職した直後,Cに1株1000円で譲渡する本件譲渡を合意した。甲社は,令和2年8月3日のBの承認・買取請求に対し,同月10日に不承認を通知しただけで,買取りについては何らの通知もしなかった。10月1日にB・Cが名義書換を請求すると,甲社はAの要請を受けて返答を6日まで留保し,その前日までの請求をAに促し,5日にAの取得を承認し,6日にAへの名義書換をした。Cは,甲社とAを被告として株主であることの確認を求めた。

設問2では,代表取締役Dが,資本金5000万円以上の会社とでないと取引をしないとの噂のある乙社との取引のため,甲社から丁社へ,丁社から丙社へと5000万円を融資し,丙社がその資金で払込みをし,丙社が返済しない限り甲社は丁社に返済を求めない旨を合意した上で,株主総会の特別決議を経て丙社に5万株を発行した(払込期日は令和6年10月15日)。丙社はその株式を代物弁済として丁社に譲渡し,丁社は令和7年6月30日の定時株主総会で,総議決権15万のうち賛成9万で可決された取締役再任決議に賛成した。株主Eは同年7月1日にこれらを知った。

設問3では,令和5年6月30日に再任された取締役F(報酬月額100万円)が病気で長期療養となり,令和7年1月31日の臨時株主総会でFの解任決議がされたが,担当者のミスで招集通知が全く発出されていなかった。出席したのはA及び取締役Gら(計5万2000株)である。甲社は4月30日に適法に開催した臨時株主総会で解任を追認する決議をした。Fは7月にこれらを知り,2月分以後任期満了までの報酬相当額500万円を請求した。設問1小問1と設問3は,それぞれCとFの立場において考えられる主張及びその当否を問う。

第4 本記事が独自に予想した評価項目と重み(法務省の資料ではない)

1 設問1小問1(本件取得自体を争うCの主張)

番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文
1Cの立場の主張として,本件合意のうち退職時に1株100円でAに譲渡する旨の定め(③。④を含む)の無効を主張し,本件合意全体の無効はBのAからの取得原因まで失わせC自身の取得も崩すため採らないことを示す32頁・3頁(本件書面③④),4頁(設問1小問1)民法90条
2127条(株式譲渡自由)は会社が定款で株式の譲渡を制限すること(107条1項1号等)を規律するものであり,株主間の契約を直接規律しないことを示す42頁(事実1:定款の譲渡制限)会社法107条,127条
3甲社の関与(取締役会の賛同,社内報での周知,手続の迅速な実施の約束)を評価し,会社による譲渡制限と同視できるかを論じる32頁(事実2)会社法127条
4公序良俗違反の判断枠組み(制度目的の合理性,取得価格と譲渡価格の対応,自由意思による合意,配当等による利益の享受,株式の市場性の欠如)を,従業員の株式保有に関する判例を踏まえて示す52頁・3頁(本件書面①〜④,事実9)民法90条,平成7年判決,平成21年判決
5取得価格と譲渡価格がいずれも1株100円で,取得時の株式価値が100円を超えなかったことから,投下資本を全額回収できることを評価する43頁(事実9)―
6株式価値が取得時を下回った時期にもAが100円で買い戻してきたこと(下落の危険をBが負わないこと)を評価する33頁(事実9)―
7毎年1株10円(取得価格の1割)の剰余金の配当を評価する33頁(事実9)平成7年判決
8Bが本件書面の内容に同意して自署し,本件合意をしたこと(自由意思)を評価する32頁(本件書面②),3頁(事実4)平成21年判決
9本件譲渡の直前に1株1000円で募集株式が発行されたこと(値上がり益の喪失)を反対の事情として評価する43頁(事実9)―
10譲受人が取締役会の指定する者や持株会ではなくA個人であることを,判例の事案との違いとして検討する42頁(事実2①②)平成7年判決,平成21年判決
11本件合意を有効とし,Bの退職による停止条件の成就でAが本件株式を取得したと結論付ける22頁(本件書面③),3頁(事実5)民法127条1項

2 設問1小問2(二重譲渡と株主名簿)

番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文
12Bの退職によるAへの譲渡とCへの本件譲渡が二重譲渡となること,及び承認のない譲渡制限株式の譲渡も当事者間では有効であることを示す43頁(事実5)昭和48年判決
13株券不発行会社では株主名簿の記載が会社及び第三者に対する対抗要件となり(130条1項),二重譲受人の優劣がこれで決まることを示す52頁(事実1:株券を発行する旨の定めなし)会社法130条
14甲社が令和2年8月10日に不承認を通知した後,10日以内の指定買取人の通知も40日以内(9月19日まで)の会社の買取通知もなかったことから,145条2号により本件譲渡の承認がみなされることを示す53頁(事実5:「何らの通知もしなかった」)会社法136条,138条1号ハ,139条,140条〜142条,145条2号
15145条ただし書の別段の合意がないこと(本件合意は甲社を当事者としないこと)に触れる22頁(事実2・3)会社法145条ただし書
16B・Cの共同請求(133条2項)が,みなし承認により134条1号を満たし適法であることを示す33頁(事実6)会社法133条,134条1号
17Aの取得承認請求と名義書換請求が5年前に署名された本件請求書によることについて,共同請求の要件(137条2項,133条2項)の趣旨から効力を検討する32頁・3頁(本件書面⑤⑥),3頁(事実7)会社法133条2項,137条2項
18甲社がCの請求への返答を留保してAに請求を促し,先にAの名義書換をしたことを正当な事由のない拒絶・遅延と評価し,甲社はCを株主として取り扱わなければならないことを示す53頁(事実6〜8)昭和41年判決
19AがCの請求を知りながら甲社に拒絶を要請し,甲社と通じて先に名義書換を得たことから,Aが130条1項の第三者として名簿の記載の欠缺を主張できるかを検討する53頁(事実6・7)会社法130条1項,昭和43年判決,不動産登記法5条1項
20Aが先行取得者で退職を知らなかったこと,及びBの本件合意④違反に対する責任追及の可能性を,反対の事情として評価する32頁(本件書面④),3頁(事実6)―
21甲社及びAに対する確認の利益に触れ,本件訴えに係る請求の当否を結論付ける13頁(事実8)―

3 設問2小問1(仮装払込みと新株発行の無効)

番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文
22新株発行無効の訴え(828条1項2号),原告適格(同条2項2号)及び被告(834条2号)を示す35頁(設問2小問1)会社法828条,834条2号
23非公開会社の提訴期間(効力発生日である払込期日の令和6年10月15日から1年)を示し,令和7年7月1日に事実を知ったEが提訴できることを示す34頁(事実12:払込期日),5頁(設問2)会社法828条1項2号,209条1項1号
24見せ金の判断(外形上の払込みがあっても会社資金を確保する実質がなければ有効な払込みではない)を示し,甲社の資金が丁社・丙社を経て還流したこと,③の合意,丙社の資力,丁社が返済を求めていないことから,払込みの仮装(213条の2第1項1号)を認定する54頁(事実11・12),5頁(事実12の続き)昭和38年判決,会社法213条の2
25仮装払込みが新株発行の無効原因となるかを,平成26年改正で設けられた213条の2,213条の3及び209条2項・3項の仕組み(株式の成立を前提とする支払義務と権利行使の制限)から検討する54頁・5頁(事実11〜13)会社法209条2項・3項,213条の2,213条の3
26非公開会社で株主総会の特別決議を欠く募集株式の発行を無効とした判例を示し,本件は特別決議を経ており払込金額も特に有利でないことを区別する44頁(事実12:特別決議,特に有利な金額ではない)平成24年判決
27見せ金は新株発行の無効原因とならないとした旧商法下の判例が取締役の引受担保責任を理由としていたことと,現行法の関係に触れる2―平成9年判決
28新株発行不存在確認の訴え(829条1号)の可否に触れる2―会社法829条1号
29無効判決がされた場合の払戻し(840条1項)及び責任追及等の訴え(847条1項)による救済に触れる25頁(事実13:丁社への譲渡)会社法840条1項,847条1項

4 設問2小問2(仮装払込み株式の議決権と決議取消し)

番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文
30決議取消しの訴え(831条1項1号),提訴期間(決議の日から3か月)及び被告(834条17号)を示す35頁(事実14,設問2)会社法831条,834条17号
31丁社が仮装払込みに係る株式の譲受人(209条3項)であり,スキームの当事者として悪意であるから議決権を行使できないことを示す54頁(事実11),5頁(事実13)会社法209条3項
32丙社又はDによる支払(213条の2,213条の3)がされていないこと(209条2項)を確認する25頁(事実12の続き)会社法209条2項
33丁社の議決権を除いた計算(行使できる議決権10万,出席10万,賛成9万−5万=4万)を示し,定足数を満たすが過半数に達しないことを示す45頁(事実14)会社法341条
34違反が決議に影響を及ぼすから裁量棄却(831条2項)ができないことを示す45頁(事実14)会社法831条2項
35小問1の結論(無効原因なし)と小問2の結論(丁社の議決権行使の制限による決議取消し)を整合させる3―会社法209条3項

5 設問3(招集通知の欠缺,追認及び取締役の報酬)

番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文
36Fの立場の主張を選別し,招集手続の瑕疵を取消事由とする主張は出訴期間(令和7年4月30日まで)の経過により採れず,決議不存在を主張すべきことを示す46頁(事実17〜19,設問3:「令和7年7月になって」)会社法830条1項,831条1項
37取締役の任期(332条1項,定款の定めなし)が令和7年6月30日の定時株主総会の終結時に満了すること,及び500万円の算定(月額100万円×5か月)を示す35頁(事実15),6頁(事実19)会社法332条1項
38招集手続の瑕疵は原則として取消事由であるが,瑕疵が著しく法律上株主総会の決議と評価できない場合は決議不存在となるという基準を示す56頁(事実18)昭和33年判決,会社法830条1項
39招集通知が全株主に一切発出されず,Fを含む16名(4万8000株)が出席の機会を奪われた一方,取締役会の招集決定があり5万2000株の株主が出席したことを評価する45頁(事実15),6頁(事実16〜18)会社法298条4項,299条
40全員出席総会及び招集手続の省略(300条)に当たらないこと(出席者も招集通知を意識していなかったこと)を示す36頁(事実18)昭和60年判決,会社法300条
41追認決議の遡及効について,取消事由のある決議の再決議と区別し,不存在の決議は追認の対象を欠くことを示す56頁(事実19)平成4年10月判決,民法119条本文
42追認決議を新たな解任決議として扱えるか(民法119条ただし書の類推,目的事項との関係(309条5項))を検討する46頁(事実19)民法119条ただし書,会社法309条5項
43具体的に定められた報酬は会社と取締役間の契約内容となり,療養による職務不履行を理由に一方的に支払わないことはできないことを示す45頁(事実15:月額100万円,事実16)平成4年12月判決,会社法361条
44解任後の期間について339条2項の損害賠償を検討し,病気による長期療養と取締役会への不出席が「正当な理由」に当たるかを評価する55頁・6頁(事実16)会社法339条2項,昭和57年判決
45金額の結論(本記事では300万円)と,構成ごとの金額(500万円・300万円・0円)の違いを示す36頁(設問3:500万円)―

6 答案全体

番号評価項目重み問題文の手掛かり判例・条文
46立場が指定された設問(設問1小問1,設問3)で,考えられる主張の選別とその当否を区別し,当否を中立に評価する44頁(設問1小問1),6頁(設問3)―
47条文を項・号まで示し,判例を特定できる形で示す2――
48問題文の日付,株式数及び金額を正確に使い,期間と票数を計算して示す23頁・4頁・5頁・6頁―

7 重みの分布

48項目の内訳は,重み5が11項目,重み4が13項目,重み3が15項目,重み2が8項目,重み1が1項目であり,重みの合計は169点である。

重み5の11項目(番号4・13・14・18・19・24・25・31・38・41・44)は,設問1については判例の判断枠組みと,株主名簿・みなし承認・名義書換の不当拒絶という条文と判例の中核であり,設問2については見せ金の認定,仮装払込みの効果及び丁社の議決権の制限であり,設問3については決議不存在の基準,追認決議の遡及効及び339条2項の「正当な理由」である。

第5 模範解答

1 答案の前提と表記

以下の答案は,第4の評価項目をすべて満たすように作成したものであり,試験の実施時(令和8年7月)の法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。第2問には法令の基準日の指定がないが,各事実の時点(令和2年,令和6年及び令和7年)と試験の実施時とで,答案で用いた会社法の条文に違いはない。

答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」「ア」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「〜が問題となる。」),規範の定立(「思うに,〜。よって,〜と解する。」),当てはめ(「本問では,〜といえる。」)及び結論(「よって」「したがって」)の順に書き,反対の立場は「確かに,〜とも思える。しかし,〜。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。

もっとも,現行の司法試験では事実の評価が重視されるため,規範の論証は争いの中心に絞り,問題文の事実を評価する当てはめに多くの字数を割いた。字数の配分は,おおむね問題提起と規範が合わせて2割強,当てはめが6割弱である。また,読みやすさのため,段落は原則として1文ごとに改行し,行数が上限の184行と一致するように分量を調整した。

答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイトで判示事項・裁判要旨を確認し,決定的な判例は判決全文で判示を確認したものに限った。
「判例同旨」は判例と同じ規範によるもの,「参照」は事案が異なるが判示の考え方を参考にしたもの,又は判決理由の一部を参考にしたものを示す。

令和8年の論文式試験はCBT方式で実施され,入力できる答案は,1頁23行,1行最大30文字で,必須科目は1問につき8頁(184行)までである(法務省「令和8年司法試験に関するQ&A」Q73)。
以下の答案は,見出しを含めて約4,400字であり,段落ごとに改行して1行30字で折り返すと184行(設問1が76行,設問2が55行,設問3が53行)となり,この上限にちょうど一致する。
もっとも,試験時間内にこの分量を入力するのは容易でないから,実際の答案では,重み5の評価項目(番号4・13・14・18・19・24・25・31・38・41・44)に対応する部分を優先し,その他の部分を短くすることが考えられる。

2 答案

1 設問1について
(1) 小問1について
ア Cとしては,本件合意③④(以下「本件買戻条項」という。)が公序良俗(民法90条)に反し無効であり,本件取得は生じていないと主張することが考えられる。
 本件合意全体の無効はBの取得原因を失わせC自身の取得も崩すから,Cは一部無効を主張すべきである。
 なお,127条は会社が定款で譲渡を制限すること(107条1項1号)を規律するもので,甲社は制度に協力したにすぎないから,本件買戻条項は127条に直接反しない。
イ では,本件買戻条項は公序良俗に反しないか。
 思うに,譲渡制限株式には市場がなく,投下資本回収の機会は127条の趣旨から保護に値する。
 よって,制度目的の合理性,取得価格と譲渡価格の対応,自由意思による合意,配当等の利益を総合し,投下資本の回収を不当に妨げる場合に限り無効と解する(最判平成7年4月25日,最判平成21年2月17日参照)。
ウ 本問では,本件制度は従業員の帰属意識と勤労意欲の向上という合理的目的による。
 また,取得価格も譲渡価格も1株100円で,取得時の価値は100円を超えないから,Bは投下資本を全額回収できるといえる。
 価値が取得時を下回った時期もAは100円で買い戻しており,Bは下落の危険を負わない。
 さらに,Bは本件書面に自署して合意し,毎年1株10円(取得価格の1割)の配当も受けていた点で,自由意思と利益がある。
 本問では確かに,譲渡直前に1株1000円で募集株式が発行されBは値上がり益を失い,譲受人も取締役会の指定する者(平成7年判例)や持株会(平成21年判例)でなくA個人である。
 しかし,値上がり益の喪失は下落の危険を負わないことと表裏であり,Aは一貫して同一価格で買い戻してきたから,実質は変わらない。
エ よって,本件買戻条項は有効であり,Bの退職による停止条件の成就でAは本件株式を取得したから,Cの主張は認められない。
(2) 小問2について
ア 本問では,BはAへの譲渡の後にCにも譲渡しており,二重譲渡となる。
 承認のない譲渡制限株式の譲渡も当事者間では有効であり(判例同旨・最判昭和48年6月15日),株券不発行会社ではA・Cの優劣は株主名簿の記載の先後で決まる(130条1項)。
イ 前提として,本件譲渡は承認されたか。
 本問では,甲社は8月3日の請求(136条,138条1号ハ)に対し同月10日に不承認を通知したが,10日以内の指定買取人の通知(142条1項)も,40日以内(9月19日まで)の買取通知(141条1項)もなかった。
 また,甲社との別段の合意(145条ただし書)もないから,同条2号により承認がみなされ,10月1日のB・Cの共同請求(133条2項,134条1号)は適法である。
 この時点でAの取得は未承認であった(134条)。
ウ 他方,本問のAの名義書換は5年前にBが署名した本件請求書によるが,共同請求の要件(137条2項,133条2項)は名簿上の株主の意思に反する請求を防ぐ趣旨であり,Bは本件合意⑤⑥で事前に同意しているから,要件を満たす。
 よって,形式的には先に名簿に記載されたAが優先する。
エ もっとも,本問では甲社は先にされたCの適法な請求を留保し,Aに請求を促して先に書き換えた。
 そして,正当な事由なく名義書換請求を拒絶した会社は,書換のないことを理由に譲渡を否認できず,譲受人を株主として扱うべきと解される(判例同旨・最判昭和41年7月28日)。
 名義書換は会社の義務であり,会社の違法によって譲受人の地位を左右すべきでないからである。
 本問では,みなし承認に拘束される甲社にとってAの要請は正当な事由にならず,甲社はCを株主として扱わなければならない。
オ では,AもCの名簿記載の欠缺を主張できないか。
 思うに,130条1項は名義書換を先に請求した者から名簿上の地位を与えて取引の安全を図るものである。
 よって,他人の書換を不当に妨げ会社と通じて先に書換を得た者は,同項の「第三者」に当たらないと解する(不動産登記法5条1項参照。背信的悪意者につき最判昭和43年8月2日参照)。
 本問では,Aは10月1日にCの請求を知りながら甲社に拒絶を要請し,甲社の誘いに応じて先に書換を得た。
 確かに,Aは退職を知らなかった先行取得者であり,保護に値するとも思える。
 しかし,Aの利益は本件合意④に違反したBへの責任追及で図るべきである。
カ 以上より,甲社及びAはCが株主であることを争えず,確認の利益もあるから,本件訴えに係る請求は認められる。
2 設問2について
(1) 小問1について
ア Eは,株主として(828条2項2号),甲社を被告に(834条2号)新株発行無効の訴え(828条1項2号)を提起できる。
 甲社は非公開会社であるから,提訴期間は払込期日(209条1項1号)の令和6年10月15日から1年で,Eはなお提訴できる。
イ Eは,払込みが仮装であるから無効原因があると主張することが考えられる。
 まず,外形上払込みがあっても実質的に会社資金が確保されない場合は,有効な払込みとはいえないと解される(判例同旨・最判昭和38年12月6日)。
 本問の払込金は甲社の本件融資①が丁社・丙社を経て還流したもので,甲社は丙社が返済しない限り丁社に返済を求めない(③)。
 また,丙社に返済の見込みはなく,丁社も返済を求めていないから,甲社には無価値な貸付債権が残るだけであり,払込みの仮装(213条の2第1項1号)に当たる。
ウ では,仮装払込みは新株発行の無効原因となるか。
 確かに,資本の実質が全く欠け,非公開会社では既存株主の持株比率維持の利益が重視される(最判平成24年4月24日)から,無効原因となるとも思える。
 しかし,新株発行の無効は法律関係の安定を害するから,無効原因は重大な法令違反に限られる。
 そして,会社法は仮装払込みでも株式の成立を前提に,引受人と関与取締役の支払義務(213条の2,213条の3)と支払までの権利行使の禁止(209条2項,3項)により,資本の回復と既存株主の保護を図っている。
 また,旧法下の判例(最判平成9年1月28日)も,見せ金は取締役の引受担保責任で手当てされるとして無効原因としなかった。
 本件では,平成24年判例と異なり特別決議を経ており,払込金額も特に有利でない。
 また,無効とすれば悪意の丁社に払込金額相当額を支払うことになる(840条1項)一方,Eは責任追及等の訴え(847条1項)で支払義務を追及できる。
 なお,209条2項は株式の存在を前提とするから,新株発行不存在確認の訴え(829条1号)も認められない。
エ よって,無効原因はなく,Eの請求は棄却される。
(2) 小問2について
ア Eは,株主として,決議の日から3か月以内に,甲社を被告に(834条17号),決議の方法の法令違反(831条1項1号)を理由として決議取消しの訴えを提起し得る。
イ 本問では,丁社は丙社から代物弁済により5万株を譲り受けた者であり,③の合意等の当事者として払込みの仮装を知っていたから悪意である。
 そして,丙社又はDの支払もないから,丁社は議決権を行使できず(209条3項ただし書,2項),これを算入した決議の方法は法令に違反する。
ウ 本問では,丁社を除くと行使できる議決権は10万で,全員出席により定足数(341条)は満たすが,賛成は9万から5万を引いた4万で過半数に達しない。
 よって,違反は決議に影響を及ぼすから,裁量棄却(831条2項)はできない。
エ したがって,Eの請求は認められ,決議は遡って無効となる(839条参照)。
3 設問3について
(1) Fとしては,本件臨時株主総会①の解任決議(以下「本件解任決議」という。)が不存在であり,任期満了(332条1項)の令和7年6月30日の定時株主総会終結時まで取締役であったとして,月額100万円の5か月分500万円を請求することが考えられる。
 具体的に定められた報酬は会社との契約内容となるから,療養により職務を行えなくとも,甲社はFの同意なく支払を拒めない(判例同旨・最判平成4年12月18日)。
 予備的には339条2項による損害賠償が考えられるが,取消事由の主張は3か月の期間(831条1項)経過により採れない。
(2) 本件解任決議は不存在か。
 思うに,招集手続の瑕疵は原則として取消事由にとどまるが,瑕疵が著しく株主総会の決議と評価できない場合は不存在となり,いつでも争えると解する(830条1項。最判昭和33年10月3日参照)。
 本問では,確かに,取締役会の招集決定(298条4項)があり,過半数の5万2000株を有する株主が出席している。
 しかし,招集通知(299条1項)は全株主に一切発出されず,Fを含む16名(4万8000株,48%)は出席の機会を奪われた。
 また,出席者はGら取締役4名とGの父Aのみで,内部の事情から開催を知ったにすぎず,全員出席総会(最判昭和60年12月20日)にも招集手続の省略(300条)にも当たらない。
 よって,本件解任決議は不存在である。
(3) では,本件臨時株主総会②の追認決議により解任の効力が遡って生ずるか。
 確かに,取消事由にとどまる決議は同一内容の再決議で遡って瑕疵を治癒し得る(最判平成4年10月29日参照)。
 しかし,不存在の決議には追認の対象がなく,無効な行為は追認によっても効力を生じない(民法119条本文類推)。
 もっとも,本件では甲社は瑕疵を知って追認決議をしたから,これは令和7年4月30日の新たな解任決議とみなされる(同条ただし書類推)。
 また,議題はFの解任を実質的に含み(309条5項),Fは既に解任の通知を受けていたから,改めての告知も要しない。
 よって,Fは同日まで取締役であり,2月分から4月分の300万円の報酬請求は認められる。
(4) 5月分及び6月分200万円は,339条2項の損害賠償の可否が問題となる。
 思うに,同項は解任の自由と任期への期待の調和を図るものであるから,心身の故障等により職務遂行に支障を来す客観的事情があれば「正当な理由」があると解する(最判昭和57年1月21日参照)。
 本問では,Fは令和6年8月頃から病気で長期療養を要し,出社が困難で取締役会にもほとんど出席できなかった。
 確かに,病気はFの責めに帰すべき事情ではない。
 しかし,正当な理由は職務遂行への支障で判断すべきであるから,正当な理由があるといえる。
 よって,この請求は認められず,本件解任決議が取消事由にとどまるとしても,同様にFの請求は全部認められない。
(5) 以上より,Fの請求は300万円の限度で認められる。
以上

3 本記事独自の予想に基づく解説

(1) 答案と評価項目の対応

答案の1(1)は第4の番号1~11,1(2)は番号12~21,2(1)は番号22~29,2(2)は番号30~35,3は番号36~45に対応し,番号46~48(答案全体)は各項目の書き方で満たすようにした。
配点の割合は35:35:30であるが,設問1は小問が二つあり評価すべき事実も多いため,行数は設問1をやや多くした。

(2) 設問1(従業員持株の買戻し合意と株式の二重譲渡)

小問1は,「Cの立場において考えられる主張」を問うから,まずCにとってどの主張がふさわしいかを選ぶ必要がある。本件合意全体を無効とすると,BがAから株式を取得した原因まで失われ,Bから譲り受けたC自身の地位も崩れる。そこで,Cは退職時の買戻しの定めだけの無効を主張すべきことになり,この選別の理由を示すことが評価されると予想される。

従業員が取得した株式を退職時等に取得価格と同額で譲渡させる合意については,平成7年判決(会社と従業員の合意。取締役会の指定する者に額面額で譲渡)と平成21年判決(持株会との合意。個人的理由による売却時に持株会が額面額で買い戻す)が,制度の趣旨・内容を理解した上での取得,取得価格と同額での譲渡,配当の実績等を挙げて,公序良俗に反せず有効としている。本問はこれらの判例の考慮要素に対応する事実(取得時の価値が100円以下,価値が下回った時期の100円での買戻し,毎年10円の配当,自署による合意)を丁寧に置いており,これらを一つずつ評価することが中心になると予想される。他方で,譲受人がA個人であること,本件譲渡の直前に1株1000円で募集株式が発行されたことは,判例の事案と異なる反対の事情であり,これを取り上げて評価しないと結論の説得力が弱くなると考えられる。

小問2は,「本件取得が認められると仮定」するから,Aへの譲渡とCへの譲渡の二重譲渡となる。株券不発行会社では株主名簿の記載が会社及び第三者に対する対抗要件であり(130条1項),形式的には先に名簿に記載されたAが優先する。問題文は,甲社が不承認を通知した後に買取りについて「何らの通知もしなかった」ことを明示しており,145条2号のみなし承認(40日・10日の期間計算を含む)に気付くことが,Cの名義書換請求を適法とする前提として求められると予想される。

その上で,甲社がCの請求への返答を留保し,Aに請求を促して先に書き換えた事実を,昭和41年判決の「正当の事由なくして株式の名義書換請求を拒絶した会社は,その書換のないことを理由としてその譲渡を否認し得ない」という判示と結び付け,さらにその効果が第三者であるAにも及ぶかを論じることが,小問2の中心になると予想される。答案は,AがCの請求を知りながら拒絶を要請したことを捉え,不動産登記法5条1項の趣旨と背信的悪意者の考え方を参照して,AはCの名簿記載の欠缺を主張できないとした。

(3) 設問2(見せ金による募集株式の発行と議決権)

小問1では,甲社の資金が丁社・丙社を経て還流し,丙社が返済しない限り甲社は丁社に返済を求めない旨が合意されていることから,払込みの仮装(213条の2第1項1号)に当たることは比較的容易に認定できる。中心は,仮装払込みが新株発行の無効原因となるかである。平成26年の会社法改正は,仮装払込みの場合に引受人と関与した取締役の支払義務(213条の2,213条の3)と,支払までの権利行使の制限(209条2項・3項)を定めており,これらは株式の成立を前提とする仕組みである。旧商法下の平成9年判決も,見せ金による払込みは取締役の引受担保責任(旧商法280条ノ13第1項)によって手当てされるから新株発行の無効原因とならないとしていた。答案はこれらを理由に無効原因を否定したが,非公開会社で既存株主の持株比率の利益を重視した平成24年判決を踏まえて肯定する答案もあり得る(後記(5))。

小問2は,小問1で無効原因を否定しても,丁社が議決権を行使できるかは別問題であることに気付けるかを試すものと予想される。丁社は仮装払込みに係る株式の譲受人であり,スキームの当事者であるから悪意であり,209条3項ただし書により議決権を行使できない。問題文は総議決権15万,賛成9万(60%)と数字を示しており,丁社の5万を除いて,行使できる議決権10万のうち賛成4万で過半数に達しないことを計算して示し,裁量棄却(831条2項)を否定することが求められると予想される。

(4) 設問3(招集通知を欠く解任決議,追認及び取締役の報酬)

Fは令和7年7月になって招集通知の欠缺を知ったから,決議の日から3か月の取消しの訴えの期間(4月30日まで)は既に経過している。そのため,Fの立場では期間制限のない決議不存在を主張することになり,この選別を示すことが出発点になると予想される。昭和33年判決は,株主9名のうち6名(2100株/5000株)に招集通知を全くせず,代表取締役とその実子2名だけで決議した総会について,株主総会が成立したとはいえないとした。本問でも,招集通知は全株主に一切発出されず,Fを含む16名(4万8000株)が出席の機会を奪われており,出席者は取締役とその父であるAに限られるから,同判決と比較して不存在と評価する答案が中心になると予想される。

本問に特有なのは,適法な追認決議(本件臨時株主総会②)がされている点である。取消事由のある決議については,同一内容の再決議に遡及効を認めて取消しの訴えの利益を失わせた平成4年10月判決があるが,不存在の決議には追認の対象がない。答案は,民法119条ただし書を類推して追認決議を4月30日の新たな解任決議とし,Fは同日まで取締役であったとした。これにより,2月分から4月分の報酬(平成4年12月判決により一方的に奪えない)と,5月分・6月分の339条2項の損害賠償(病気による長期療養が「正当な理由」に当たるか)とを期間で分けて論じることになる。

(5) 結論の許容幅と答案の弱点

設問1小問2について,不当な名義書換の拒絶の効果は会社との関係に限られ,二重譲受人間の優劣は現実の名義書換の先後で決まるとして,Aが優先しCの請求は棄却されるとする結論も十分にあり得る。その場合も,145条2号のみなし承認と昭和41年判決を検討した上で,Aの先行取得と善意を重く見る理由を示す必要があると考えられる。

設問2小問1について,全額が仮装で会社自身の資金が用いられ,株式を保有する丁社もスキームの当事者であって取引の安全を考慮する必要がなく,非公開会社である点を重く見て,無効原因を肯定する結論もあり得る。その場合でも,213条の2以下の仕組みとの関係を説明することが求められると考えられる。

設問3について,追認決議を新たな解任決議と扱わなければFは6月30日まで在任したことになり500万円全額が,追認に遡及効を認めれば0円が,339条2項の「正当な理由」を否定すれば500万円全額が,それぞれ結論となる。

答案の弱点は次の4点である。
第一に,名義書換の不当な拒絶の効果を第三者であるAにも及ぼす部分は,昭和41年判決(会社と譲受人の関係の判断)を超える本記事の解釈であり,これを直接判断した最高裁判所の判例は確認していない。
第二に,仮装払込みが新株発行の無効原因となるかを直接判断した最高裁判所の判例は確認していない。
第三に,不存在の決議の追認決議を民法119条ただし書の類推により新たな解任決議とする部分と,Fへの改めての告知を要しないとする部分は,本記事の解釈である。
第四に,昭和57年判決は,持病の悪化で療養に専念するため株式を譲渡し代表取締役を交替した取締役を解任した事案について,原審の判断を是認したものであり,本問のF(株式を保有し続けている)とは事案が異なる。

(6) 扱わなかった事項

本件合意④に違反したBに対するAの損害賠償請求,Dの任務懈怠責任(423条,429条)及び甲社の丁社に対する貸付債権の扱い,並びにFの解任後の後任の選任等は,設問が直接問うものではないため,答案では扱っていない(責任追及等の訴えは,設問2小問1の結論を支える範囲で触れた)。

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⑧取締役の報酬の配分を代表取締役に再一任できるか―会社法361条,決定方針及び自分の報酬だけを増やした場合の責任(AI作成)

第7 出典及び確認状態

1 公式資料

①法務省「令和8年司法試験の実施について」
②法務省「令和8年司法試験問題」
③令和8年司法試験論文式試験問題(民事系科目)
④法務省「令和8年司法試験に関するQ&A」

2 法令

①会社法(e-Gov法令検索)
②会社法施行規則(e-Gov法令検索)
③民法(e-Gov法令検索)
④不動産登記法(e-Gov法令検索)

3 裁判例

①最高裁判所第三小法廷平成7年4月25日判決(平成3年(オ)第1332号,集民175号91頁)
②最高裁判所第三小法廷平成21年2月17日判決(平成20年(受)第1207号,集民230号117頁)
③最高裁判所第二小法廷昭和48年6月15日判決(昭和47年(オ)第91号,民集27巻6号700頁)
④最高裁判所第一小法廷昭和41年7月28日判決(昭和39年(オ)第48号,民集20巻6号1251頁)
⑤最高裁判所第二小法廷昭和43年8月2日判決(昭和42年(オ)第564号,民集22巻8号1571頁)
⑥最高裁判所第二小法廷昭和38年12月6日判決(昭和35年(オ)第1154号,民集17巻12号1633頁)
⑦最高裁判所第三小法廷平成24年4月24日判決(平成22年(受)第1212号,民集66巻6号2908頁)
⑧最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日判決(平成5年(オ)第317号,民集51巻1号71頁)
⑨最高裁判所第二小法廷昭和33年10月3日判決(昭和31年(オ)第396号,民集12巻14号3053頁)
⑩最高裁判所第二小法廷昭和60年12月20日判決(昭和58年(オ)第1567号,民集39巻8号1869頁)
⑪最高裁判所第一小法廷平成4年10月29日判決(平成元年(オ)第605号,民集46巻7号2580頁)
⑫最高裁判所第二小法廷平成4年12月18日判決(平成2年(オ)第1259号,民集46巻9号3006頁)
⑬最高裁判所第一小法廷昭和57年1月21日判決(昭和56年(オ)第974号,集民135号77頁)

4 確認状態

問題文は,法務省掲載の民事系科目の問題冊子(PDF)を取得し,第2問の全頁を読んだ。

令和8年の出題の趣旨及び採点実感は,本記事の作成時点で公表されておらず,読んでいない。第4の評価項目と重み及び第5の3の解説は,いずれも本記事の予想であり,公表後に照合して見直す必要がある。

裁判例は,いずれも裁判所ウェブサイトで判示事項・裁判要旨を確認し,昭和41年判決,平成9年判決及び昭和33年判決は判決全文で該当部分を確認した。
昭和41年判決の裁判要旨は「会社の過失により書換が行なわれなかつたとき」についてのものであり,答案で用いた「正当の事由なくして株式の名義書換請求を拒絶した会社は,その書換のないことを理由としてその譲渡を否認し得ない」は,判決理由で大審院判例を引用して述べた部分である。
平成9年判決の裁判要旨は新株発行に関する事項の公示を欠くことについてのものであり,見せ金による払込みが無効原因とならないとした部分は判決理由中の判示である。
平成21年判決と昭和57年判決は,裁判所ウェブサイトで確認できる集民の掲載頁で示した。
判例秘書等の有料データベースは用いていない。

会社法の各条文は,e-Gov法令検索(法令API)の時点指定により,令和2年8月,令和6年10月及び令和8年7月の各時点の条文を取得し,答案で用いた条文に違いがないことを確認した。