第1 弁護士記章の位置付け
弁護士バッジの正式名称は「弁護士記章」である。
日本弁護士連合会(以下「日弁連」という。)の弁護士記章規則は,弁護士記章の形状,交付,提示,返還,紛失及び毀損等の手続を定めている。
本記事は,令和8年9月23日を調査の基準日とし,同日に日弁連法規集から公開されている日弁連会則及び弁護士記章規則の内容を対象とする。
弁護士記章は弁護士資格の有無を検索する制度そのものではないため,特定の人が現に登録されているかは,日弁連の弁護士情報提供サービス等の別の手段で確認することになる。
第2 形状・所有・交付
1 ひまわりとはかりの制式
弁護士記章規則1条及び別表は,表面に16のひまわり型の花弁と中央のはかりを配する形状を定めている。
表面の花弁は金色,中央の地は銀色とされ,裏面には「日本弁護士連合会員章」の文字と登録番号を刻することとされている。
2 日弁連が所有し弁護士に貸与する
弁護士記章規則2条は,日弁連が所有する弁護士記章を弁護士に貸与すると定めている。
したがって,交付を受けた弁護士の所有物として譲渡し,又は貸し渡すことは前提とされていない。
3 登録時の交付と金製記章
弁護士記章規則3条は,日弁連が弁護士名簿への登録時に,所属弁護士会を通じて記章を交付することを定めている。
同条は,弁護士から特に金製記章の交付申出があるとき,先に交付した記章と引換えに,弁護士の負担で金製記章を交付できるとしている。
第3 携帯と提示
1 職務中は記章又は身分証明書を携帯する
日弁連会則29条2項は,弁護士が職務を行う場合には,日弁連の制定した記章を携帯しなければならないと定めている。
ただし,日弁連が発行した身分証明書の携帯をもって,記章の携帯に代えることができる。
2 裁判所等の関係人から求められたときの提示
弁護士記章規則4条は,弁護士が職務を行う場合に,裁判所その他の関係人から求められたとき,携帯する弁護士記章の番号を示さなければならないと定めている。
身分証明書を携帯するときは,その身分証明書に記載された登録番号を示すことにより代えることができる。
第4 返還,紛失及び毀損
1 登録取消し等の場合の返還
弁護士記章規則5条は,登録取消し,懲戒による業務禁止,退会命令,業務停止又は死亡等の場合に,記章を日弁連へ返還することを定めている。
相続人が直ちに返還できない場合には,規則上,所属弁護士会を通じて返還義務の免除を求める余地がある。
2 紛失した場合
弁護士記章を紛失した弁護士は,弁護士記章規則7条により,所属弁護士会を通じて書面で紛失届を出し,再交付を申請しなければならない。
日弁連は,紛失届を受けたとき,官報公告と弁護士名簿への記録を行い,弁護士資格証明の提出を受けて記章を再交付する手続をとる。
規則は,紛失記章が発見された場合の取下げ,再交付後に旧記章が発見された場合の返還,及び紛失届受理証明書の発行も定めている。
3 毀損した場合
弁護士記章を毀損した場合には,弁護士記章規則12条により,所属弁護士会を通じて書面で毀損届を出し,再交付又は修理を申請できる。
再交付を受けたときは,毀損した記章と引換えに新しい記章が交付される。
第5 関連資料及び関連記事
弁護士記章の製造に関する公開資料は,弁護士記章に関する,日弁連と造幣局の請負契約書,変更契約書,覚書,請求書等に掲載している。
弁護士名簿への登録手続については弁護士登録の請求-手続,必要書類,費用及び登録拒絶(AIリライト),登録取消しについては弁護士登録の取消しを参照されたい。
第6 出典・参考資料
1 職能団体の規程
①日本弁護士連合会,日本弁護士連合会会則,29条2項,資料上16頁(PDF9頁)
②日本弁護士連合会,弁護士記章規則(規則第35号),1条~12条及び別表,資料上1頁~10頁・15頁(PDF1頁~5頁・8頁)