第1 この記事の対象と結論
本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の経済法第1問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
本問は,建築資材Aの製造販売業者を会員とする県内唯一の団体であるX協会が,⑴幹事会の決定により,乙市内の建築現場を運搬先とする特例取引を一切禁止したこと,⑵総会の決定により,過小積載及び不使用返送の際の割増料金の基準料金を従来の平均の10パーセント増しと定めたことについて,それぞれ全会員に遵守させている行為の独占禁止法上の問題点を検討させるものである。
出題の趣旨は,⑴を独占禁止法8条4号(構成事業者の機能又は活動の不当な制限)の問題,⑵を同条1号(一定の取引分野における競争の実質的制限)の問題としており,本記事の模範解答も,⑴は8条4号に,⑵は8条1号に違反するとの結論を採っている。
公式資料から抽出できた評価項目は25項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,幹事会の決定を事実上のX協会の決定とみること,⑴で8条4号を,⑵で8条1号を検討の中心に選ぶこと,⑴で会員の合算市場シェアが約90パーセントであることや乙市が県庁所在地であること等の事実を丁寧に拾うこと,及び⑵で割増料金がAの販売代金とは別に請求されてきた点に着目して市場を画定することの5項目である。
第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方
評価項目は,本問の出題の趣旨(経済法第1問の部分)又は採点実感(経済法の第1問の部分と総論)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し番号(採点実感の「3・1⑶ア」は「第3 採点実感等」の「1 第1問」の⑶アを指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。
採点実感が不十分な答案として指摘した事項は,正しい書き方の項目の裏返しであればその項目にまとめ,独立の注意点は「〜しない」の形の項目(番号25)にした。
また,採点実感が「相応に評価」するとした別の構成(⑴で8条1号又は5号を検討する構成)は,許容される構成として番号15に置いた。
この一覧は,公式資料から本記事が独自に抽出したものであり,法務省の公式の採点基準ではない。
2 5段階の重み付けの基準
重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
①重み5:出題の趣旨が「特に」と掲げ又は採点実感が評価の段階(優秀・良好・一応の水準・不良)を分ける基準とした事項,採点実感が「限られていた」「少なくなかった」として答案の差を示した事項,又は答案の骨格そのもの
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた(高く評価した,又は不足を指摘した)事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項(許容される別の構成を含む)
第3 本問の概要
X協会は,甲県に所在する建築資材Aの製造販売業者を会員として設立された県内唯一の法人であり,甲県内のAの製造販売業者のほとんどが会員で,会員の合算市場シェア(売上額に基づく割合)は約90パーセントである。
定款上は総会が決定機関であるが,次回の定時総会までに決定すべき事項は,会長と有力会員4社から成る幹事会が事実上決定し,会員がこれに従い,次回の定時総会で追認する運用が慣行となっている。
Aは製造時からの時間の経過に応じて品質が劣化するため,製造販売業者は,各都道府県の範囲内で建築現場に最も近い自社工場から供給しており,Aに代替する建築資材はない。
設問⑴では,製造販売業者や需要者の団体等から成る組織が品質基準を定め,工場から建築現場までの基準運搬時間を定める一方,需要者との事前協議により品質管理条件を付して基準運搬時間を超える特例取引も認めている。
乙市(甲県の県庁所在地)の建築需要の高まりを背景に,基準運搬時間を超える場所にしか工場を持たない会員が特例取引により乙市の需要者へAを安値で販売することが多く生じたところ,幹事会は,令和7年5月1日,品質劣化の回避と合格標章への信頼の維持を理由に,乙市内の建築現場を運搬先に指定する需要者との特例取引を一切禁止する旨決定し,全会員に遵守させている。
設問⑵では,過小積載及び不使用返送の際に,大多数の会員がAの販売代金とは別に従量制の割増料金を請求してきたところ,建築需要の低迷で過小積載等が常態化し,会員から参考となる基準料金の明示を求められた協会が,令和7年6月2日の総会で,各基準料金を従来の各割増料金の平均に10パーセントを上乗せした額とする旨決定し,全会員に遵守させている。
その結果,甲県の各割増料金は決定前に比べて約10パーセント高止まりしている。
設問⑵は,⑴の事情はなく独立して検討するものとされている。
第4 評価項目と重み
1 設問⑴(幹事会の決定による特例取引の禁止)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | X協会が事業者団体(2条2項)に当たることを,定義を示した上で問題文の事実(Aの製造販売業者を会員とする法人,共通の利益の増進を主たる目的とすること)を当てはめて論じる(結論だけで済ませない) | 4 | 29頁(X協会が事業者団体に当たることを論じる) | 15頁3・1⑵ア(当てはめ不十分・結論のみの答案が一定数) |
| 2 | 定款上の決定機関は総会であるが,幹事会の決定が慣行上の事実上の決定としてX協会の決定に当たり,その遵守を求めた行為がX協会の「行為」と評価されることを,規範(事業者団体の決定には事実上の決定も含まれる)を立てて当てはめる | 5 | 29頁(「特に」決定に何が含まれ得るかを問う。幹事会の決定は事実上X協会の決定) | 15頁3・1⑵イ(規範・当てはめ不十分が一定数,見逃しも僅かに) |
| 3 | 本件決定①について,検討対象の類型として8条4号(構成事業者の機能又は活動の不当な制限)を中心に選択する | 5 | 29頁(⑴は8条4号に違反するかが問題) | 15頁3・1⑴(4号を中心とする答案が最も多い),16頁3・1⑸(類型の選択で評価段階を分ける) |
| 4 | 8条1号(一定の取引分野における競争の実質的制限)と同条4号(構成事業者の機能・活動の不当な制限)との法適用の違いを踏まえて類型を選ぶ | 4 | 29頁(「特に」1号と4号の法適用の違いを問う) | 14頁2・1(類型の的確な選択を評価) |
| 5 | 本件決定①が,品質基準で特例取引も認められているにもかかわらず,本来自由な構成事業者の取引(特例取引)を禁止するもので,「構成事業者の機能又は活動を…制限すること」に当たることを論証する(行為要件) | 4 | 29〜30頁(品質基準で特例取引も認められているのに制限することの論証が重要) | 15頁3・1⑵ウ(4号を選んだ多くの答案でおおむね適切) |
| 6 | 8条4号の「不当に」が,公正競争阻害性のうち自由競争減殺のおそれを意味するとの解釈を示す | 4 | 30頁(「不当に」=自由競争減殺のおそれ) | 15頁3・1⑶ア(多くの答案でおおむね適切) |
| 7 | 自由競争減殺のおそれの内容を,競争の実質的制限にまで至らないものの,価格維持(競争回避)又は市場閉鎖(競争者排除)の意味で競争阻害効果が認められることと説明する | 4 | 30頁(実質的制限に至らない価格維持又は市場閉鎖の競争阻害効果) | 15頁3・1⑶ア(内容の的確な説明を欠く答案が一定数) |
| 8 | 自由競争減殺のおそれの判断の前提として,本件決定①が影響を与えると想定される市場の画定が必要であることを,その理由とともに示す | 4 | 30頁(前提として影響を受ける市場を識別) | 15頁3・1⑶イ(必要とする理由の指摘がない答案が一定数) |
| 9 | 検討対象市場の商品的・地理的範囲を,主として需要者から見た需要代替性の見地等から画定するという標準的な規範を示す | 4 | 30頁(需要者から見た需要代替性。企業結合ガイドライン第2の1) | 15頁3・1⑶イ(ほとんどの答案がおおむね適切) |
| 10 | 地理的範囲について,禁止対象の特例取引が乙市周辺の会員を売手とし,乙市内の建築現場を運搬先に指定する需要者を買手とするものである点に着目し,特例取引の内容とAの商品特性を踏まえた理由で市場を画定する | 4 | 30頁(「特に」売手・買手に着目して地理的範囲を画定) | 15頁3・1⑶イ(特例取引の内容・商品特性を踏まえた理由付けを欠く答案が一定数) |
| 11 | 本件決定①が会員の取引先を制限し,会員間の顧客争奪競争を制限する意味で,画定した市場でAの価格維持効果(特例取引を用いた安値販売の消滅による競争回避)をもたらすことを論証する | 4 | 30頁(取引先・顧客争奪競争の制限による価格維持効果) | 16頁3・1⑶ウ(安値販売の消滅による価格維持の指摘は一定数) |
| 12 | 価格維持効果の論証で,会員の合算市場シェア約90パーセント,乙市が甲県の県庁所在地であること,乙市の建築需要が高まっていること等,問題文の事実を丁寧に拾う | 5 | 30頁(事実関係の的確な当てはめ) | 16頁3・1⑶ウ(事実関係を丁寧に拾った答案は「限られていた」) |
| 13 | Aの品質劣化の回避と合格標章への社会的信頼の維持が正当化事由として成り立つかを,判断基準(目的の正当性と手段の相当性)を示して検討し,正当化事由はないとの結論を導く | 4 | 30頁(正当化事由として成り立つかを論じる) | 16頁3・1⑶エ(多くの答案がおおむね適切) |
| 14 | 正当化事由の検討で,Aの商品特性(気温・湿度の影響等)や品質基準の位置付け(需要者も参加する組織の基準で,事前協議による特例取引を認めていること)を踏まえ,事案に即して論じる | 3 | 記載なし(正当化の箇所)。間接:29〜30頁(品質基準の特例) | 16頁3・1⑶エ(商品特性・品質基準の位置付けを踏まえた答案を評価) |
| 15 | 本件決定①について8条1号又は5号を検討する構成も,論述の内容に応じて評価される(許容される別の構成) | 1 | 記載なし | 15頁3・1⑴(1号・5号を検討した答案も相応に評価) |
2 設問⑵(総会の決定による各基準料金の設定)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 16 | 総会決定がX協会の意思決定であり,その遵守を求めた本件行為②がX協会の「行為」であることを,容易であっても論述する | 4 | 30頁(総会決定がX協会の意思決定であることを論じる) | 15頁3・1⑵イ(全く論じない答案が少なくなかった) |
| 17 | 本件決定②について,検討対象の類型として8条1号(一定の取引分野における競争の実質的制限)を中心に選択する | 5 | 30頁(⑵は8条1号に違反するかが問題) | 15頁3・1⑴(1号を中心とする答案が最も多い),16頁3・1⑸ |
| 18 | 8条1号の条文上も市場画定が求められることを前提に,カルテルという行為特性に即して,決定対象となっている取引及びそれにより影響を受ける範囲を画定すれば足りるとの解釈を示す | 4 | 30頁(決定対象の取引と影響を受ける範囲を画定すれば足りる) | 16頁3・1⑷イ(一般的な規範はほとんどの答案がおおむね適切) |
| 19 | 各割増料金がAの販売代金とは別に請求されてきた点に着目し,本件決定②が各割増料金に係るカルテルであることを意識して,影響を受ける市場(甲県における各割増料金に係る取引)を画定する | 5 | 30頁(「特に」割増料金が販売代金とは別に請求されてきた点に着目) | 16頁3・1⑷イ(割増料金のカルテルと意識できない答案が少なくなかった) |
| 20 | 競争の実質的制限の意義を,市場が有する競争機能を損なうこと,すなわち市場支配力の形成・維持・強化(その意思で価格をある程度自由に左右することができる状態をもたらすこと)と示す(最判平成24年2月20日) | 4 | 30頁(競争機能を損なうこと。最判平成24年2月20日) | 16頁3・1⑷ア(多くの答案でおおむね適切) |
| 21 | 本件決定②の後,甲県における各割増料金の水準が約10パーセント高止まりするようになった事実を指摘して,競争の実質的制限を論証する | 4 | 30頁(事実関係の的確な当てはめ) | 16頁3・1⑷ウ(約10パーセントの高止まりを指摘しない答案が散見) |
| 22 | アウトサイダーがほとんどいないこと(会員の合算市場シェア約90パーセント)や建築需要が低迷していることなどを含め,事案に即して競争の実質的制限を論じる | 3 | 記載なし | 16頁3・1⑷ウ(アウトサイダー・建築需要の低迷を含めた答案を評価) |
| 23 | 本件決定②には競争制限の目的又は効果しか認められず,正当化事由はないことを論じる | 3 | 30頁(競争制限の目的・効果しかなく正当化事由はない) | 記載なし |
3 答案全体
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 24 | 行為要件・市場画定・公正競争阻害性・競争の実質的制限・正当化事由の各要件について規範を定立した上で,問題文の具体的事実を丹念に検討した当てはめを,論理的・説得的に論述する | 3 | 記載なし | 14頁2(事実関係を丹念に検討した当てはめ),16頁3・1⑸ |
| 25 | 複数の類型を重ねて検討して(例:⑴で1号違反を否定した上で4号違反を肯定する,⑵で4号違反を肯定した上でさらに1号違反を肯定する),充実させるべき箇所の論述を簡潔にしたり同様の論述を繰り返したりしない | 2 | 記載なし | 15頁3・1⑴(論述のバランスを失う答案が少なくなかった) |
4 重みの分布
25項目の内訳は,重み5が5項目,重み4が14項目,重み3が4項目,重み2が1項目,重み1が1項目であり,重みの合計は96点である。
設問別では,設問⑴が15項目・59点,設問⑵が8項目・32点,答案全体が2項目・5点である(本問の配点は第1問全体で50点とされているだけで,設問ごとの配点は示されていない。)。
重み5の5項目は,幹事会の決定を事実上のX協会の決定とみること(番号2),⑴で8条4号を検討の中心に選ぶこと(番号3),⑴の価格維持効果の論証で問題文の事実を丁寧に拾うこと(番号12),⑵で8条1号を検討の中心に選ぶこと(番号17)及び⑵で割増料金に係るカルテルとして市場を画定すること(番号19)である。
番号2・3・17は,出題の趣旨が「特に」問うとした事項又は採点実感が評価の段階を分ける基準とした類型の選択であり,番号12・19は,採点実感が,丁寧に論じた答案は「限られていた」,意識できていない答案が「少なくなかった」として答案の差を示した事項である。
第5 模範解答
1 答案の前提と表記
以下の答案は,第4の評価項目をすべて満たすように作成したものであり,試験の実施時(令和7年7月16日)の独占禁止法と,それまでに言い渡された判例及び公表された公正取引委員会の指針を前提にしている。
答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」「ア」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「〜しないか。」「〜が問題となる。」),規範の定立(「思うに,〜。よって,〜と解する。」),当てはめ(「本問では,〜といえる。」)及び結論(「よって」「したがって」「以上より」)の順に書き,反対の事情は「確かに,〜。しかし,〜。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。
もっとも,採点実感が問題文の事実を丹念に検討した当てはめを求めているため(第4の番号12・24),規範の論証は争いの中心(団体の決定の範囲)に絞り,事実を評価する当てはめに多くの字数を割いた。
答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で判示を確認したものに限り,「参照」は判示の考え方を参考にしたものであることを示す。
字数は見出しを含めて約3,300字であり,選択科目の1問の目安(約2,500字)より多い。
実際の答案で分量を減らす場合は,重み5の評価項目(番号2・3・12・17・19)に対応する部分を残し,正当化事由の第4の理由や措置の記述等を短くすることになる。
2 答案
1 設問⑴について
(1) 事業者団体該当性
協会は,Aの製造販売業者という二以上の事業者を会員とする法人であり,Aの普及促進・品質向上という構成事業者の経済活動上の利益に寄与することを主たる目的とするから,「事業者団体」(2条2項)に当たる。
(2) 協会の行為といえるか
ア 令和7年5月1日の幹事会の決定(以下「本件決定①」という。)とその遵守を会員に求めた行為(以下「本件行為①」という。)は,定款上の決定機関である総会ではなく,幹事会によるものである。そこで,協会の行為といえるかが問題となる。
イ 思うに,8条が事業者団体の行為を規制するのは,団体の意思決定を通じて構成事業者の事業活動が一律に拘束されるからであり,その危険は正規の機関の議決によるか否かで変わらない。よって,事業者団体の決定には,慣行等に基づく事実上の決定も含まれると解する。
ウ 本問では,総会までに決定すべき事項は会長と有力会員4社から成る幹事会が事実上決定し,会員がこれに従い,次回総会で追認する運用が「慣行」となっている。現に全会員が本件決定①を遵守している。したがって,追認前であっても本件決定①は協会の決定であり,本件行為①は協会の行為といえる。
(3) 適用条文
本件行為①は,会員の取引のうち乙市向けの特例取引を制限するものであり,価格への具体的な影響は問題文上明らかでない。そこで,競争の実質的制限(8条1号)に至らなくても違反となる8条4号該当性を検討する。
(4) 機能又は活動の制限
特例取引は,品質基準自体が需要者との事前協議により品質管理条件を付して認めているものであり,本来,各会員が自由に行える取引である。本件行為①は,乙市内の建築現場を運搬先に指定する需要者との特例取引を「一切」禁止し,全会員に遵守させるものであるから,会員の取引先を制限し,構成事業者の活動を制限するものに当たる。
(5) 「不当に」
ア 「不当に」とは,公正競争阻害性のうち自由競争減殺のおそれ,すなわち,競争の実質的制限には至らないものの,価格維持(競争回避)又は市場閉鎖(競争者排除)の効果が生じるおそれをいうと解される。その有無は影響を受ける市場との関係で判断されるから,前提として市場を画定する必要がある。市場は,商品及び地域の範囲について,主として需要者からみた代替性の観点から画定する。
イ Aに代替する建築資材はないから,商品の範囲はAである。Aは時間の経過で品質が劣化するため,需要者は建築現場に近い工場から供給を受けるほかなく,基準運搬時間を超える工場のAは,特例取引による場合を除き代替的でない。禁止された特例取引は,乙市周辺の会員を売手とし,乙市内の建築現場を運搬先に指定する需要者を買手とするものである。したがって,乙市内の建築現場を運搬先とするAの取引分野を市場と画定する。
ウ 本問では,乙市は甲県の県庁所在地で建築需要が高まっており,乙市から基準運搬時間を超える場所にしか工場を持たない会員が,特例取引により「安値で」販売することが多く生じていた。本件行為①はこの特例取引を一切禁止するから,これらの会員と乙市の近くに工場を持つ会員との間の顧客争奪競争が失われ,安値販売が消滅する。しかも,甲県のAの製造販売業者のほとんどが会員で,合算シェアは約90%に上るから,非会員による牽制も期待し難い。
確かに,乙市の近くに工場を持つ会員の間には,なお競争が残る。しかし,価格下落の原因となっていた競争圧力が除かれる以上,乙市の市場ではAの価格が維持されるおそれがある。したがって,価格維持の意味での自由競争減殺のおそれが認められる。
(6) 正当化事由
ア 協会は,品質劣化の回避と合格標章への社会的信頼の維持を理由とする。目的が正当であり,手段が目的の達成に必要かつ相当な範囲にとどまるときは,公正競争阻害性は否定されると解される。
イ 本問では確かに,Aは時間とともに品質が劣化し,会員は全て合格標章を使用しているから,品質の確保と標章への信頼の維持は,それ自体正当な目的といえる。
しかし,第1に,本件決定①は「販売価格の下落に伴う」品質劣化を問題とするが,価格の下落自体が品質を劣化させるとはいえず,実質は安値販売の抑止にある。
第2に,品質基準は,需要者の団体等も加わった組織が専門家の知見を踏まえて設定したものであり,気温・湿度等の影響も大きいことから,事前協議により品質管理条件を付した特例取引を認めている。運搬時間だけを理由とする一律の禁止は,品質確保に必要とはいえない。
第3に,禁止は安値販売が生じている乙市に限られ,遠方に工場を持つ会員だけを制限する差別的なものである。第4に,品質管理条件の遵守の確認や監査によるなど,より制限的でない手段がある。また,建築法令にAの品質基準はなく,法令上の要請もない。
よって,正当化されない。
(7) 以上より,本件行為①は8条4号に違反する。公正取引委員会は,協会に対し,本件決定①の破棄等を命ずることができる(8条の2第1項)。
2 設問⑵について
(1) 協会は事業者団体であり(1(1)),令和7年6月2日の総会の決定(以下「本件決定②」という。)は定款上の意思決定機関による協会の決定であるから,その遵守を会員に求めた行為(以下「本件行為②」という。)は協会の行為である。そこで,本件行為②が8条1号に違反しないか。
(2) 価格の決定
価格の制限の対象となる価格は,料金等その名称を問わず商品の対価であるものをいう。各割増料金は,過小積載・不使用返送の際に需要者がAの取引に伴って支払う対価であり,大多数の会員がそれぞれ設定してきた競争手段である。
確かに,本件決定②は会員から「参考となる金額」の明示を求められて行ったものである。しかし,協会は,従来の各割増料金の平均に10%を上乗せした額を各基準料金と定め,全会員に遵守させているから,価格設定の基準を定めてその引上げを決定するものである。
(3) 一定の取引分野
カルテルについては,決定の対象となっている取引及びそれにより影響を受ける範囲を検討して一定の取引分野を画定すれば足りる(東京高判平成5年12月14日参照)。本問では,各割増料金はAの販売代金とは別に請求されてきたもので,本件決定②はこの割増料金を対象とするカルテルである。また,Aは各都道府県の範囲内で最寄りの工場から供給され,本件決定②は甲県内の各基準料金を定めている。したがって,甲県における過小積載及び不使用返送の際の各割増料金に係る取引分野が一定の取引分野となる。
(4) 競争の実質的制限
ア 「競争を実質的に制限する」とは,当該取引に係る市場が有する競争機能を損なうことをいい,事業者らがその意思で価格をある程度自由に左右することができる状態をもたらすことをいう(最判平成24年2月20日参照)。
イ 本問では,会員の合算シェアは約90%でアウトサイダーはほとんどおらず,全会員が各基準料金を遵守している。また,建築需要の低迷により過小積載・不使用返送が常態化しているから,各割増料金の対象となる取引は多い。現に,甲県の各割増料金は決定前に比べて約10%高止まりしている。したがって,会員らは各割増料金をある程度自由に左右できる状態にあり,競争を実質的に制限するといえる。
(5) 正当化事由
確かに,過小積載・不使用返送によって会員に損失が生じている。しかし,費用をどう価格に反映させるかは各会員が自ら判断すべき事項であり,本件決定②は平均に10%を上乗せして損失の補填を超えているから,競争制限の目的・効果しか認められず,正当化事由はない。
(6) 以上より,本件行為②は8条1号に違反する。公正取引委員会は,協会に排除措置を命ずることができ(8条の2第1項),本件決定②は商品の対価に係るものであるから,構成事業者に課徴金の納付を命じなければならない(8条の3・7条の2第1項)。
以上
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
(1) 答案と評価項目の対応
答案の1(1)は第4の番号1,1(2)は番号2,1(3)は番号3・4,1(4)は番号5,1(5)アは番号6〜9,1(5)イは番号10,1(5)ウは番号11・12,1(6)は番号13・14に対応する。
答案の2(1)は番号16・17,2(3)は番号18・19,2(4)は番号20〜22,2(5)は番号23に対応し,番号24・25(答案全体)は各項目の規範と当てはめの書き方で満たすようにした。
重み5の5項目は,1(2)の事実上の決定(番号2),1(3)の類型の選択(番号3),1(5)ウの事実の拾い方(番号12),2(1)の類型の選択(番号17)及び2(3)の割増料金に係る取引分野の画定(番号19)に当たる。
(2) 設問⑴(幹事会の決定による特例取引の禁止)
出題の趣旨は,⑴について,事業者団体該当性と幹事会の決定の帰属を論じた上で,8条4号の行為要件,「不当に」の意味(公正競争阻害性のうち自由競争減殺のおそれ),その前提としての市場画定,価格維持効果及び正当化事由を順に検討することを求めている。
幹事会の決定の帰属について,出題の趣旨は公正取引委員会の「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」第2の(8)を挙げており,同指針は,事業者団体の決定には正規の意思決定機関の明示の決定に限られず,慣行等に基づく事実上の決定も含まれるとしている。
答案は1(2)でこの考え方を規範とし,幹事会の決定が慣行上の事実上の決定として扱われ,全会員が遵守していることを当てはめた。
類型の選択について,採点実感は,⑴で8条4号を中心にした答案が最も多かったとしつつ,同条1号や5号を検討した答案も論述の内容に応じて評価したとしている(番号15)。
答案は,⑴の問題文には価格の変化を示す数値が無く,⑵(約10パーセントの高止まり)と対照的であることも踏まえ,競争の実質的制限に至らなくても違反となる4号を選んだ。
他方,採点実感は,1号違反を否定した上で4号違反を肯定するなど,複数の類型を重ねて論述のバランスを失った答案が少なくなかったとしているため(番号25),答案は類型の選択の理由を1文で示すにとどめた。
8条4号違反は課徴金の対象ではない(8条の3は8条1号・2号の違反行為だけを対象にしている)ので,答案の措置の記述は排除措置命令に限った。
市場画定について,出題の趣旨は,需要者から見た需要代替性という標準的な理解を示しつつ,禁止された特例取引が乙市周辺の会員を売手とし,乙市内の建築現場を運搬先に指定する需要者を買手とするものである点に着目することを求めている。
答案は1(5)イで,代替する資材が無いこととAの品質劣化の特性から需要者が近くの工場に頼る事情を述べ,売手と買手の両側から乙市内の建築現場を運搬先とするAの取引分野を画定した。
価格維持効果については,採点実感が,約90パーセントの合算市場シェア,乙市が県庁所在地であること,建築需要の高まり等を丁寧に拾った答案は限られていたとしているため(番号12),答案の1(5)ウはこれらを全部当てはめに使った。
正当化事由について,採点実感は,Aの商品特性や品質基準の位置付けを踏まえた論述を評価している(番号14)。
答案は,品質基準が需要者の団体等も加わった組織によるもので,事前協議による特例取引を認めていること,品質劣化には気温・湿度等の影響も大きいこと,禁止が乙市に限られ遠方の会員だけを制限すること,及びより制限的でない手段があることを挙げて,正当化を否定した。
公正取引委員会の相談事例集(平成28年度事例11)にも,建築資材の製造販売業者の工業組合が,品質基準で協議による超過が認められているのに基準運搬時間を超える可能性のある地域に所在する需要者への販売を一律に禁止することは,合格標章への信頼低下の防止という理由では正当化されないとした回答がある。
(3) 設問⑵(総会の決定による各基準料金の設定)
出題の趣旨は,⑵について,総会の決定がX協会の意思決定であることを論じた上で,8条1号の市場画定,競争の実質的制限及び正当化事由の不存在を検討することを求めている。
採点実感によれば,総会の決定の帰属を全く論じない答案が少なくなかったため(番号16),答案は2(1)で1文を置いた。
市場画定について,出題の趣旨は,カルテルという行為の特性に即して,決定の対象となっている取引とそれにより影響を受ける範囲を画定すれば足りるとし,特に各割増料金がAの販売代金とは別に請求されてきた点に着目することを求めている。
採点実感は,割増料金に係るカルテルであることを意識できていない答案が少なくなかったとしているため(番号19),答案は2(3)で,Aの販売分野ではなく,甲県における過小積載及び不使用返送の際の各割増料金に係る取引分野を一定の取引分野とした。
競争の実質的制限の意義は,最高裁平成24年2月20日判決(多摩地区入札談合(審決取消)事件)の定式によっており,当てはめでは,約10パーセントの高止まり(番号21),アウトサイダーがほとんどいないこと及び建築需要の低迷(番号22)を使った。
価格制限行為における「価格」には,料金等その名称や形態を問わず対価であるものが含まれる(事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針第2の1(3))。
答案の2(2)は,会員の要請に応じた「参考」の金額という名目であっても,従来の平均に10パーセントを上乗せし,全会員に遵守させている以上,価格設定の基準を定めてその引上げを決定するものであることを示した。
公正取引委員会の相談事例集(平成27年度事例12)にも,建築資材の製造販売業者の協同組合が,組合員の請求する割増料金の参考となる価格を示すことは,価格設定の基準の決定に当たり独占禁止法上問題となるとした回答がある。
正当化事由については,出題の趣旨が,本件決定②には競争制限の目的又は効果しか認められず,正当化事由はない点を論じる必要があるとしており(番号23),答案は費用の回収や需要の低迷が理由にならないこと,上乗せが損失の補填を超えていることを述べた。
(4) 答案の弱点と扱わなかった事項
答案の弱点は次の3点である。
第一に,8条4号の「不当に」を自由競争減殺のおそれと解する点は,出題の趣旨の示す解釈によっており,これを正面から述べた裁判例の原文は,本記事では確認していない。
第二に,正当化事由を公正競争阻害性の判断の中で考慮する位置付けは答案の採った構成であり,8条1号について「公共の利益に反して」の解釈(最高裁昭和59年2月24日判決)を及ぼす構成等もあり得る。
第三に,⑴の売手側を「乙市周辺の会員」とした点は出題の趣旨の表現によっており,問題文は遠方の会員の工場の所在地を特定していない。
8条3号・5号の該当性,会員自身の独占禁止法3条違反,課徴金の額の算定及び刑事罰は,答案では扱っていない。
第6 関連記事
1 同じ年度の司法試験の別の模範解答
①令和7年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)
②令和7年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した72項目と5段階の重み付け(AI作成)
③令和7年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した96項目と5段階の重み付け(AI作成)
④令和7年度司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した65項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑤令和7年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した75項目と5段階の重み付け(AI作成)
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⑦令和7年度司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した51項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑧令和7年度司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した38項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑨令和7年度司法試験倒産法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑩令和7年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した33項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑪令和7年度司法試験租税法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した43項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑫令和7年度司法試験経済法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した25項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑬令和7年度司法試験知的財産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した25項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑭令和7年度司法試験知的財産法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した35項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑮令和7年度司法試験労働法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した24項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑯令和7年度司法試験労働法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した33項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑰令和7年度司法試験環境法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した26項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑱令和7年度司法試験環境法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑲令和7年度司法試験国際関係法(公法系)第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した19項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑳令和7年度司法試験国際関係法(公法系)第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した22項目と5段階の重み付け(AI作成)
㉑令和7年度司法試験国際関係法(私法系)第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した30項目と5段階の重み付け(AI作成)
㉒令和7年度司法試験国際関係法(私法系)第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した29項目と5段階の重み付け(AI作成)
㉓令和7年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)
㉔令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答(AI作成)
2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事
①令和8年度司法試験経済法第1問の参考答案と予想される評価項目――推奨価格・3%リベート・販売代理店変更の30項目と5段階の重み付け(AI作成)
②令和8年度司法試験経済法第2問の参考答案と予想される評価項目―共同購入・購入価格の上限合意・一方的追随を3段階で検討する(AI作成)
③リニア中央新幹線談合事件と競争の実質的制限-最高裁令和8年9月14日決定・渡邉惠理子裁判官補足意見(AI作成)
④共同購入・購入価格カルテルと独占禁止法―購入市場、川下市場、共通費用及び一方向の情報提供(AI作成)
⑤業界団体・資格者団体の「参考料金」「報酬の目安」と独占禁止法―事実上の決定,割増料金,自主基準による取引制限及び課徴金の税務(AI作成)
第7 出典及び確認状態
1 公式資料
①法務省「令和7年司法試験の実施について」
②法務省「令和7年司法試験の実施日程等について」
③法務省「令和7年司法試験問題」
④令和7年司法試験論文式試験問題(選択科目)
⑤法務省「令和7年司法試験の結果について」
⑥令和7年司法試験論文式試験出題の趣旨
⑦法務省「令和7年司法試験の採点実感」
⑧令和7年司法試験の採点実感(選択科目)
⑨公正取引委員会「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」
⑩公正取引委員会「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」
⑪公正取引委員会「独占禁止法に関する相談事例集(平成27年度)」事例12「協同組合による標準価格等の決定」
⑫公正取引委員会「独占禁止法に関する相談事例集(平成28年度)」事例11「組合による組合員の販売先の制限」
2 法令
①私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(e-Gov法令検索)
3 裁判例
①最高裁判所第一小法廷平成24年2月20日判決(平成22年(行ヒ)第278号,民集66巻2号796頁)
②東京高等裁判所平成5年12月14日判決(平成5年(の)第1号,高刑集46巻3号322頁)
③最高裁判所第二小法廷昭和59年2月24日判決(昭和55年(あ)第2153号,刑集38巻4号1287頁)
4 確認状態
問題は,法務省の「令和7年司法試験問題」のページから選択科目のPDFを取得し,経済法第1問の部分(14頁・15頁)を読んだ。
出題の趣旨は,全科目を収めたPDFの経済法第1問の部分(29頁・30頁)を読んだ。
採点実感は,選択科目を収めたPDFの経済法の総論と第1問の部分(14頁〜16頁)及び今後の出題等の部分(19頁)を読んだ。
採点実感の16頁⑷ウには「貢献における各割増料金」との記載があるが,文脈上「甲県における」の誤記と考えられる。
独占禁止法の条文は,e-Gov法令検索で,試験の実施時に施行されていた版(令和7年6月1日施行)を確認した。
事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針は令和8年1月1日に改正されているため,本記事で引用した部分は,試験の実施時の版(令和2年12月25日改正)にも同じ記載があることを確認した。
企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針は,第2の1(需要者にとっての代替性)の本文を確認したが,試験の実施時の版(令和元年12月17日改定)との文言の異同は確認していない。
裁判例は,いずれも裁判所ウェブサイトの判決全文で,引用した判示の文言を確認した。
上記③の判決は,第5の3の解説で触れるだけで,答案では用いていない。