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農振除外と農地転用許可は何が違うか―土地利用計画,申出・申請,許可取得までの確認事項(AI作成)

第1 農振除外と農地転用は,別の判断である

農用地区域内の土地を住宅,駐車場等に利用したい場合,農用地区域からの除外と,農地法による転用許可等を分けて確認する必要がある。農振除外が実現しても,それだけで転用の許可を得たことにはならない。
購入,融資,設計及び工事の予定を立てる前に,区域,農地区分,用途,権利関係及び各手続の条件を確認することが重要である。

本記事は,令和8年10月9日に確認した現行法と農林水産省等の資料に基づく基本案内である。特別法による調整・特例の全て,個別土地の許可見込み及び各自治体の受付運用を網羅するものではない。

1 農業振興地域と農用地区域は,同じ範囲ではない

農業振興地域の整備に関する法律は,農業振興地域における計画的な農業振興と土地利用を定める。同法8条の市町村の農業振興地域整備計画には,農用地等として利用すべき土地の区域である農用地区域と,農業上の用途区分を定める。
農業振興地域内でも,農用地区域に含まれる土地と含まれない土地がある。「農振地域」「青地」「白地」という説明だけで判断せず,地番と対象部分を現在の計画図・用途区分に照合する必要がある。

2 除外は計画変更,転用は個別の利用に関する手続である

手続中心となる対象注意点
農用地区域からの除外(農振除外)市町村の農用地利用計画の区域の変更。農振法13条等による。市町村による計画変更と,所定の場合の都道府県知事の同意等の手続が問題となる。
農地転用の許可農地を農地以外にする行為や,転用目的での権利の設定・移転。農地法4条・5条による。都道府県知事又は指定市町村の長の許可等を確認する。除外後にも立地・一般基準等の審査が残る。

農林水産省の制度案内も,土地利用の区域を定める制度と個別の農地転用を規制する制度を区別している。農用地区域内農地の転用は原則として認められないが,指定用途に供する場合等の例外もあるため,すべての利用に農振除外が必要と決めつけることはできない。

第2 農振除外の現行要件を確認する

1 代替地の困難性だけでなく,地域計画や周辺農業への影響を調べる

農振法13条2項は,農用地等以外の用途に供するための除外について,所定の要件を全て満たす場合に限り行えるとする。

要件の分野確認する事項の例
必要性・適当性と代替地農用地区域外の土地利用状況,対象地を使う必要性と適当性,区域外の土地で代えることの困難性
地域計画除外により農用地区域内の地域計画の達成に支障を及ぼすおそれがないか
農地のまとまり・作業農用地の集団化,農作業の効率化その他の効率的・総合的な農業利用への支障
担い手への集積効率的・安定的な農業経営を営む者への農用地利用の集積への支障
農業用施設用排水施設等の機能への支障,必要な対策
公共投資の効用対象となる土地改良事業等と,政令が定める経過期間の基準

同条5項・6項には,除外が都道府県面積目標に及ぼす影響,その緩和措置及び知事の同意に関する規定もある。申出者側の事業の必要性だけで,計画変更が当然に実現するものではない。
現行要件には地域計画との関係が含まれるため,過去の解説や試験答案の要件番号だけを現在の手続へ当てはめないことが必要である。

2 8年要件は,工事の完了年度と対象土地を確かめる

農振法施行令9条は,対象となる事業の工事が完了した年度の翌年度の初日から起算して8年を経過した土地であることを基準とする。
土地を取得した日,個別の工事が終わった日又は申出日から,単純に8年を数えるものではない。事業名,施行区域,対象土地,工事完了公告及び完了年度を資料で確認する必要がある。

農林水産省の工事完了年度に関する説明は,原則として工事完了公告に記された完了日の属する年度による一方,区域内の土地の一部について所定の国の認定・公表がある場合の取扱いを示す。
土地所有者が自ら「この部分はもう使える」と判断することと,所定の認定等があることは異なる。例外を利用できるかは,対象地に対応する国の通知・公表と現行のガイドラインを確認する必要がある。
また,8年の経過だけで,他の除外要件まで満たしたことにはならない。

第3 申出と,法令に基づく申請の区別

1 申出書という名称だけで,応答を求める地位を断定しない

自治体では農振除外の希望を申出書等で受け付けることがある。農振法13条の計画変更に関する規定と,土地所有者個人の申出に対して許可・不許可の処分をする義務があることは,分けて検討すべきである。
申出の法的根拠,自治体の条例・規則,変更手続の仕組み及び応答の法的効果を確認せず,転用許可申請と同じように不作為の違法確認や取消訴訟を提起できると説明してはならない。

計画案の縦覧,意見書,異議の申出等については,同法11条及び13条4項の準用関係と対象者・期間を確認する必要がある。最初の除外希望の申出と,計画案に対する法定手続を混同しないことが重要である。

2 地域計画の変更と,自治体の受付日程も確認する

ひたちなか市の案内は,令和7年4月1日以降,地域計画に伴って転用・農振除外の手続の流れが変わることを示している。
高松市の案内は,申出の受付時期と事前相談を案内する。これらは各市の運用であり,他の自治体にも同じ日程や順序が適用されるわけではない。

対象地の市町村で,地域計画への位置付け,変更が必要か,除外と変更をどの順序で扱うか,受付時期,所要資料及び見込まれる協議の段階を確認する。
書類が返送された場合は,受付時期・補足資料の問題なのか,計画変更をしない判断なのかを記録する。救済を検討する場合には,その行為の法的性質から確認する必要がある。

第4 除外後も,農地転用許可等の審査が残る

1 自ら転用する場合と,権利移転を伴う場合

農地法4条は農地を農地以外のものにする場合,5条は転用のために所有権等の権利を設定・移転する場合の許可を定める。所有者が自ら転用する場合と,買主・借主が転用するために権利を取得する場合を区別する。
市街化区域内の所定の届出等,許可の例外もあるため,具体的な土地・用途・権利関係に即して手続を確定する。市街化調整区域と市街化区域を取り違えてはならない。

農地法の農地への該当性は,登記上の地目だけでは決まらない。現況と同法2条を確認する必要がある。

2 立地条件と,事業を実現できる条件は別に確認する

農林水産省の転用許可制度の概要は,農地区分による許可方針と,転用の確実性,周辺農地への被害防除,農地の利用集積等に関する基準を示す。
農振除外後にも,農地区分,代替地,資金計画,権利者の同意,用排水及び他法令の許認可の見込み等を確認する必要がある。除外後の土地を一律に許可される農地と扱うことはできない。

農林水産省の手続図は,農業委員会を経由する申請,必要書類及び許可権者への送付等を示している。実際の提出先と受付の方法は,対象自治体で確認する。

第5 売買・融資・着工前に残す資料と判断

判断する段階確認し,保存する資料・事項
土地の特定地番・面積・現況,登記事項証明書,公図,計画図との照合,対象部分の位置
除外の見込み現行の農用地利用計画,地域計画,代替地比較,周辺農地・施設への影響,土地改良事業の完了資料
転用の見込み用途・配置図,農地区分,資金・事業計画,権利関係,同意,他法令の許認可
手続の経過相談記録,提出版,受付記録,補足資料,計画変更・許可等の正式な文書
契約と資金許認可取得を前提とする条件,取得できない場合の解除・費用負担,決済・融資・工事の時期

口頭で「進められそう」と聞いたことと,計画変更や転用許可が正式に完了したことは異なる。売買や請負契約では,条件が満たされない場合の扱いを具体化し,手続の見込みだけで工事を始めないことが重要である。
農地を駐車場や資材置場にする場合も転用に当たり得る。農林水産省の違反転用の案内も,許可又は届出の必要性と,違反への是正措置を説明している。

弁護士は契約条件,返送・不応答・不許可の法的意味と救済を,申請担当者や土地の専門家は区域・図面・事業計画を確認する。税理士が関与する場合は,売却・取得の税務,資金及び取引時期を別に検討する。行政上の許可の見込みと,税務上の特例を利用できることは同じではない。

第6 関連記事及び出典

行政処分の処分性とは,行政事件訴訟の主要論点及び通達の法的性質・拘束力と争い方は,計画・申請・行政の判断を争う際の一般的な考え方を扱う。

出典は,農振法8条・11条・12条・13条,農振法施行令9条,農地法2条・4条・5条及び本文にリンクした公的資料である。
農林水産省の農振制度関係法令・通知のページと農地転用制度のページには,現行の三段表・ガイドライン・処理要領等が掲載されている。自治体の運用例は,掲載を確認した各市の案内の範囲に限る。