第1 この記事の対象と結論
本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の租税法第1問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
本問は,会社員Aについて,豪雨で水没した自家用の軽自動車の損失(設問1),移住先の市から毎年交付される定住奨励金(設問2),無届けで営んだ民泊の収入(設問3)及び民泊に関する三つの支出(設問4)の所得税法上の扱いを問うものである。
解答は,令和7年1月1日現在において施行されている法令に基づき,租税特別措置法の適用は考慮しないとされている。
公式資料から抽出できた評価項目は33項目である。
重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の段階を分けた事項)に当たるのは,所得税法62条1項と雑損控除の分岐(番号1),施行令178条1項による「生活に通常必要でない資産」の意義の確定(番号7),本件車両の使用態様の説得的な当てはめ(番号12),「一時の所得」の立ち入った検討(番号17),三つの所得分類の検討(番号22),社会通念上の事業性の当てはめ(番号25),必要経費の要件と当てはめ(番号28),罰金を不算入とする明文規定(番号31)及びそれが「別段の定め」であること(番号32)の9項目である。
第5の模範解答は,本件車両を「生活に通常必要な動産」として雑損控除の対象とし,本件奨励金を雑所得,民泊の所得を業務に係る雑所得とし,祈祷料と罰金は必要経費に算入されず,古井戸の解体・撤去費用は必要経費に算入されるとした。
答案は論文式答案で広く使われてきた型で2,500字以下に収め,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方
評価項目は,本問の出題の趣旨(租税法第1問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,各PDFの印字頁で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」(該当部分を全て読んだ結果である。),一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。
採点実感が誤りとして指摘した事項は,正しい書き方の項目の裏返しであればその項目にまとめ,独立の注意点であれば「~しない」の形の項目とした(番号5・21・26・33)。
公式資料が両論を許容している結論(設問1で本件車両が「生活に通常必要でない資産」に当たるか,設問3で事業所得か雑所得か)は,結論そのものを項目にせず,検討の有無と当てはめの質を項目にした。
この一覧は法務省の公式の採点基準ではなく,公式資料から本記事が独自に抽出したものである。
2 5段階の重み付けの基準
重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
①重み5:採点実感が「不良」「一応の水準」「良好」「優秀」の段階を分けた事項,「答案間で差が付いた」とした事項,又は答案の骨格そのもの
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け又は当てはめ(両資料が触れていても,採点実感が「細かなことではあるが」「問題なく処理できる」とした事項を含む。)
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項
第3 本問の概要
中心市街地の賃貸住宅に住み,駅に近く交通の便の良い場所で暮らす会社員Aは,令和元年10月に軽自動車(本件車両)を購入し,趣味の旅行やドライブ,子どもの習い事への送迎,週末の大型スーパーへの買い出しに使い,定期券代の支給を受けて電車で通勤しながら,週に1,2回は資料が多いときに本件車両で通勤していた。
令和2年5月,本件車両は豪雨で水没して故障し,車両保険に加入していなかったAは廃車とした(設問1)。
Aは,令和2年10月にR市内の新築の土地付き住宅を購入して移住し,R市定住条例に基づき,取得した年の翌年以降,毎年申請して5年間に限り交付される定住奨励金(5年以内に転出すると返還を求められる場合がある。)の交付を受けている(設問2)。
Aは,令和5年1月に近隣の別荘を購入し,住宅宿泊事業法の届出をせずに(発覚すればすぐ廃業するつもりで)同年3月から民泊を始め,送迎や寝具のクリーニング等のサービスも自ら提供し,令和5年及び6年に給与収入の4分の1程度の200万円前後の収入を得て遊興費に充てていた(設問3)。
問題文は,無届けの民泊が旅館業法に抵触し刑事罰の対象となることを前提とし,その余の住宅宿泊事業法及び旅館業法の知識は要しないとしている。
設問4は,民泊を始めるに当たり商売繁盛を願って神社に支払った祈祷料(①),本件別荘の敷地内にあった古井戸の解体・撤去費用(②)及び顧客を送迎した際の交通法規違反の罰金(③)が,設問3の所得の金額の計算上どう扱われるかを問う。
参考条文として所得税法施行令25条と178条1項(2号・3号)が付されている。
第4 評価項目と重み
1 設問1(自家用車の水没による損失)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 「生活に通常必要でない資産」に該当する場合(62条1項)と該当しない場合(72条の雑損控除)に分け、それぞれの適用条文と法的帰結を述べた上で自説を述べる | 5 | 27頁。62条1項が適用される場合と雑損控除(72条)が適用される場合に分けて論じることを期待 | 5頁・7頁。両場合の適用条文と法的帰結を述べた上で自説を述べることを求め,この分岐を踏まえた答案を「一応の水準」とした |
| 2 | 「生活に通常必要でない資産」が雑損控除(72条1項括弧書き)の消極要件でもあることを指摘し、非該当資産の損失を無視する結論にしない | 4 | 27頁。雑損控除(72条)の場合の検討を求める | 5頁。72条1項の消極要件でもあることに気付かない答案が「予想以上に多かった」とし,非該当資産の損失が無視される誤った結論になると指摘 |
| 3 | 該当する場合、損失は損失を受けた年分又は翌年分の譲渡所得の金額の計算上控除すべき金額とみなされる(62条1項)と示す | 3 | 27頁。62条1項が適用される場合の検討を求める(帰結の記載はない) | 5頁。損失を受けた年分又は翌年分の譲渡所得の金額の計算上控除すべき金額とみなされると説明 |
| 4 | 62条・72条の区別の趣旨(施行令178条の資産は、その滅失を担税力減少要因として考慮する必要性が低い「ぜい沢品」であること)を踏まえる | 2 | 記載なし | 5頁。施行令178条の資産は滅失を担税力減少要因として考慮する必要性が低い「ぜい沢品」であり,結論の違和感に気付いてほしいとする |
| 5 | 本件車両の譲渡が非課税所得(9条1項9号)となるかという不要な検討をせず、非課税の譲渡所得の問題と取り違えない(本設問に「資産の譲渡」はない) | 3 | 記載なし | 6頁・7頁。9条1項9号の不要な検討をした答案が予想外に多いとし,非課税の譲渡所得の問題と取り違えた答案を「不良」とした |
| 6 | 大阪高判昭和63年9月27日は廃車をスクラップとして譲渡した譲渡損失の事案であり、資産の譲渡がない本問とは事案が異なることを意識して用いる | 2 | 27頁。大阪高判昭和63年9月27日が想起されるが,同判決のように該当するとも,該当しないとも論じ得るとする | 6頁。同判決は廃車をスクラップとして譲渡した譲渡損失の事案で,本設問に資産の譲渡はないとする |
| 7 | 「生活に通常必要でない資産」を日本語として解釈せず、62条1項の委任を受けた施行令178条1項2号・3号の条文操作を経てその意義を明らかにする | 5 | 27頁。62条1項の委任を受けた施行令178条1項2号・3号を正確に読み解き,意義を定義して当てはめることを求める | 6頁・7頁。日本語の解釈ではなく政令の条文操作で意義を明らかにすることを求め,「答案間で差が付いた」とし,条文解釈の必要に気付いた答案を「良好」とした |
| 8 | 施行令178条1項2号の括弧書きにより3号該当なら2号に当たらないので、まず3号(施行令25条)を解釈し、判断対象が「生活に通常必要な動産」該当性であることを示す | 3 | 27頁。2号・3号の読み解きを求める(間接) | 6頁。2号括弧書きにより3号該当なら2号に当たらず,まず3号(施行令25条)を解釈し,「生活に通常必要な動産」の意義を解釈する必要を理解した答案は「高い評価に値する」とする |
| 9 | 施行令25条が9条1項9号の委任を受けたものであり、「生活の用に供」されていても「通常必要」とまではいえない動産や高価な宝飾品の類を非課税としない趣旨を踏まえる | 1 | 記載なし | 6頁。施行令25条は9条1項9号の委任規定であり,その趣旨に注意して読むよう述べるが,詳細な解釈論までは求めないとする |
| 10 | 豪雨による水没が「災害」(2条1項27号)に当たることを押さえる | 3 | 27頁。条文の要件である「災害」該当性を押さえることを求める | 5頁・7頁。2条1項27号を示し,「災害」は法令用語で裁判例もあるとし,「細かなことではあるが」丁寧な当てはめを求める |
| 11 | 車両保険に未加入で、保険金等により補塡される部分(62条1項・72条1項の括弧書き)がないことを押さえる | 3 | 27頁。保険金等で補塡される部分がないことを押さえることを求める | 7頁。車両保険未加入から62条1項括弧書きの補塡額がないと読み取れるとし,「細かなことではあるが」注意を求める |
| 12 | 本件車両の使用態様等の事実を正確に拾い、いずれの結論でもよいので説得的に自説の論拠とする | 5 | 27頁。該当・非該当いずれの結論もあり得,結論よりも説得的な論証を重視するとする | 6頁・7頁。両論あり得るとし,事実を正確・説得的に構成して自説の論拠とする能力を評価の対象とし,当てはめが説得的な答案を「優秀」とした |
2 設問2(定住奨励金の所得分類)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 13 | 利子所得から譲渡所得には該当せず、一時所得か雑所得かの問題であると捉える(不動産所得・給与所得を論じない) | 4 | 27頁。一時所得か雑所得かという2つの可能性を検討することになるとする | 7頁。利子所得から譲渡所得に明らかに当たらないとし,不動産所得・給与所得に触れる答案を指摘し,一時所得か雑所得かの問題とつかめない答案を「不良」とした |
| 14 | 条文構造に従い一時所得(34条1項)の要件を一つずつ事案に即して検討し、該当しなければ雑所得(35条1項)とする | 4 | 27頁。条文構造上,一時所得の要件を一つ一つ事案に即して検討し,該当しなければ雑所得とすることを求める | 7頁。一時所得の要件を挙げ,該当するかを検討すればよいとする |
| 15 | 要件「営利を目的とする継続的行為から生じた所得」でないこと(R市への居住・申請は「業務」に当たらない)を示す | 3 | 27頁。R市への居住は生活の用から生じたもので,営利を目的とする継続的行為とはいい難いとする | 7頁。「居住」や毎年の「申請」は「業務」に当たらないとすべきとする |
| 16 | 要件「役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しない」こと(定住の対価とはいえない)を示す | 3 | 27頁。対価性の要件は特に問題なく処理できるとする | 7頁。定住の対価ということはできないとし,半数以上の答案が問題なく処理できたとする |
| 17 | 5年間継続して交付を受けられる仕組みが「一時の所得」といえるかを立ち入って検討する | 5 | 27頁。立ち入った検討が期待されているのは「一時の所得」の要件であるとする | 7頁。要件①③のみで一時所得とした答案を「一応の水準」,「一時の所得」の要件に説得的な論拠を示した答案を「優秀」とした |
| 18 | 収入の一回性・偶発性ゆえに担税力が小さいという一時所得の趣旨から、継続的な性質を持つ収入は一時所得を構成しないとの論拠を示す | 4 | 27頁。一回性・偶発性ゆえに担税力が小さいという一時所得の趣旨から,継続的な収入は一時所得を構成しないと考えるのが自然とする | 7頁。出題者の想定する筋は出題の趣旨のとおりとし,異なる筋も論理的説得力に応じて評価したとする |
| 19 | 毎年の申請に基づく交付という構成要素だけを個別に取り出して一回的な収入とする考え方を採らない(最判平成27年3月10日が要件②との関係で退けた) | 4 | 27頁。毎年の申請という構成要素だけを取り出して一回的とする考え方は,最判平成27年3月10日が退けたとする | 7頁。「1年に1回のみだから一時が繰り返されているにすぎない」等の理由は説得的でないとする |
3 設問3(無届けの民泊の収入)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 20 | 所得税法が包括的所得概念を採ることから、違法な活動による利得も経済的利益を現に獲得・享受している限り「所得」を構成することを示す | 4 | 28頁。包括的所得概念の下で,経済的利益を現に獲得・享受している限り,違法でも所得とする | 7頁。包括的所得概念の下では違法な利得も「所得」を構成するとし,ほとんどの答案が適切に処理できたとする |
| 21 | 「非課税規定がないから」課税対象となるとだけ論じない | 2 | 記載なし | 7頁。少数の答案が「非課税規定がないから」課税されると論じていたことを指摘 |
| 22 | 事業所得・雑所得・不動産所得の3つの所得分類の可能性を挙げて検討する | 5 | 28頁。事業所得・雑所得・不動産所得の3つの可能性を挙げて検討することを期待 | 7頁・8頁。一方の区別しか検討しない答案が半数以上とし,3つの所得分類を論じた答案を「良好」以上とした |
| 23 | 各所得分類の根拠条文(26条1項、27条1項、35条1項)を指摘する | 2 | 記載なし | 7頁。いずれも法令用語であり,根拠条文の指摘を忘れないよう求める |
| 24 | 不動産所得か事業所得(雑所得)かを、不動産の貸付けを要素として含むことを前提に、Aの人的役務提供の要素の有無で区別する | 4 | 28頁。Aの人的役務提供の要素を挙げて論じることを求める | 8頁。不動産の貸付けを要素として含むことを前提に,人的役務の有無で区別する考え方は多くの答案が理解していたとする |
| 25 | 事業所得か雑所得かを社会通念上「事業」といえるかで区別し、給与の4分の1程度・拡張の見込みなし(副業的)、遊興費への充当、違法営業で廃業の可能性(継続性)等の事実を丁寧に拾う | 5 | 28頁。事実関係を丁寧に拾い,社会通念上「事業」に該当するか等を論じることを求める | 8頁。副業的・遊興費・廃業の可能性等から雑所得とするのが相当とし,雑所得該当性の当てはめの巧拙で「良好」「優秀」を分けたとする |
| 26 | 最判昭和56年4月24日の「自己の計算と危険」を事業所得と雑所得の区別の基準として用い、無届け・発覚時の廃業を「危険」とする誤りをしない | 3 | 記載なし | 8頁。最判昭和56年4月24日は事業所得と給与所得の区別の基準であり,無届け・廃業の意図を「危険」とするのは誤りとする |
4 設問4(三つの支出の必要経費該当性)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 27 | 違法な経済活動の遂行上必要な経費も、所得税法の原則どおり控除できることを押さえる | 4 | 28頁。違法な経済活動の遂行上必要な経費も,原則どおり控除できることを押さえることを求める | 8頁。違法な活動に係る支出であることをもって必要経費性を否定すべきでないとする裁判例・通説を挙げる |
| 28 | 必要経費(35条2項2号・37条1項)の要件として、業務との(直接)関連性及び業務遂行上の客観的必要性を挙げ、各支出に当てはめる | 5 | 28頁。37条の要件(業務との関連性,客観的必要性)を各支出に当てはめることを求める | 8頁。業務との直接関連性及び業務遂行上の客観的必要性を踏まえた当てはめを期待し,要件を挙げて当てはめる構成ができない答案を「不良」とした |
| 29 | ①祈祷料は、業務遂行上の客観的必要性を欠き、必要経費に算入されない | 4 | 28頁。祈祷料は客観的必要性の欠如を指摘すればよいとする | 8頁。小問①は多くの答案が適切に処理し,全小問で正しい結論を導いた答案を「良好」とした |
| 30 | ②古井戸の解体・撤去費用は、宿泊客の安全への配慮として業務に直接関連し客観的にも必要であり、必要経費に算入される | 4 | 28頁。宿泊客の安全への配慮が業務に直接関連し客観的にも必要であることを指摘すればよいとする | 8頁。小問②は多くの答案が適切に処理できたとする |
| 31 | ③罰金は、明文規定(45条1項7号)により必要経費に算入されない | 5 | 28頁。明文規定(45条1項7号)の存在を指摘すればよいとする | 8頁。明文規定に気付かなかった答案を「一応の水準」とした |
| 32 | 45条1項7号が37条1項の「別段の定め」であることを指摘する | 5 | 28頁。37条1項の「別段の定め」である明文規定とする | 8頁。根拠条文や「別段の定め」の指摘を怠らなかった答案を「優秀」とした |
| 33 | 明文規定に触れず、制裁の効果が薄れる等の実質的論拠だけで罰金の必要経費性を否定しない | 3 | 記載なし | 8頁。条文に触れず制裁の効果が薄れる等の実質的論拠だけで否定する答案は,裁判例・通説と一致せず適切でないとする |
5 重みの分布
33項目の内訳は,重み5が9項目,重み4が10項目,重み3が9項目,重み2が4項目,重み1が1項目であり,重みの合計は121点である。
設問別には,設問1が12項目・39点,設問2が7項目・27点,設問3が7項目・25点,設問4が7項目・30点である(本問の配点は50点であり,設問ごとの配点は公表されていない。)。
全設問にまたがる項目はないため,「答案全体」の表は設けていない。
重み5の9項目は,採点実感が各設問の評価の段階を分けた事項である。
設問1では,62条1項と72条の分岐を踏まえた答案が「一応の水準」(番号1),施行令の条文解釈の必要に気付いた答案が「良好」(番号7),当てはめまで説得的な答案が「優秀」(番号12)とされた。
設問2では,「一時の所得」の要件について説得的な論拠を示した答案が「優秀」とされた(番号17)。
設問3では,三つの所得分類を論じた答案が「良好」以上とされ,雑所得該当性の当てはめの巧拙で「良好」と「優秀」が分かれた(番号22・25)。
設問4では,必要経費の要件を挙げて当てはめる構成ができない答案が「不良」,罰金の明文規定に気付かない答案が「一応の水準」,根拠条文と「別段の定め」の指摘まで怠らなかった答案が「優秀」とされた(番号28・31・32)。
第5 模範解答
1 答案の前提と表記
以下の答案は,第4の評価項目を満たすように作成したものであり,問題文の指定どおり,令和7年1月1日現在において施行されている所得税法及び所得税法施行令を前提とし,租税特別措置法は考慮していない。
条文は,所得税法の条文は法令名を付けずに示し,所得税法施行令は「施行令」と略した。
答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「~が問題となる。」),規範の定立(「思うに,~。よって,~と解する。」),当てはめ(「本問では,~」)及び結論(「よって」「したがって」)の順に書き,反対の見方は「確かに,~とも思える。しかし,~。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。
採点実感が事実の分析と条文の正確な読解を重視しているため,規範の論証は短くし,問題文の事実を評価する当てはめに多くの字数を割いた。
答案の括弧書きで示した判例・裁判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で判示を確認したものに限った。
「参照」は,事案が異なるが判示の考え方を参考にしたものを示す。
字数は見出しを含めて2,407字(改行を除く。)であり,2,500字以下とした。
2 答案
1 設問1について
(1) 本件車両の水没は豪雨による損失であり,「災害」(2条1項27号)に当たる。車両保険に加入しておらず,保険金等で補塡される部分もない(62条1項・72条1項括弧書き)。
(2) 本件車両が「生活に通常必要でない資産」に当たる場合,損失の金額は令和2年分又は令和3年分の譲渡所得の金額の計算上控除すべき金額とみなされるにとどまる(62条1項)。給与所得との損益通算はできず(69条2項),雑損控除の対象からも除かれる(72条1項括弧書き)。Aに令和2年分の譲渡所得はないから,令和2年分の課税総所得金額には影響しない。
当たらない場合,損失は雑損控除の対象となり,総所得金額等の10分の1を超える部分が総所得金額から控除される(72条1項)。よって,令和2年分の課税総所得金額(89条2項)が減少し,控除しきれない部分は3年間繰り越される(71条)。
(3) では,本件車両は「生活に通常必要でない資産」に当たるかが問題となる。62条1項は「政令で定めるもの」とするから,施行令178条1項によりその意義を確定する。
同項2号は「主として趣味,娯楽…の目的で所有する資産」を掲げるが,括弧書きで3号の動産を除くから,まず3号を検討する。3号は,生活の用に供する動産で施行令25条に該当しないものをいう。施行令25条(9条1項9号の委任規定)の資産は,生活に通常必要な動産のうち高価な貴金属・美術工芸品等以外のものである。そうすると,本件車両が3号に当たるかは,「生活に通常必要な動産」に当たるかで決まる。
思うに,施行令178条の資産の損失を譲渡所得の内部でのみ考慮するのは,ぜいたく品の滅失は担税力の減少として考慮する必要性が低いからである。よって,生活に通常必要か否かは,使用の目的・態様・頻度と所有者の生活環境から判断すべきと解する。
本問では確かに,趣味の旅行やドライブへの使用は生活に通常必要とはいえない。また,Aの自宅は駅に近く交通の便が良く,定期券代の支給も受けているから,週に1,2回の車での通勤も必要な使用とはいい難い。
しかし,子どもの習い事への送迎と週末の大型スーパーでの買い出しは,家族の日常生活のための継続的な使用であり,公共交通機関では代替しにくい。また,本件車両は軽自動車であり,ぜいたく品ともいえない。なお,大阪高判昭和63年9月27日は,生活に通常必要な使用がわずかな割合にとどまる自家用車を生活に通常必要でないとしたが,スクラップとしての譲渡損失の事案であり,資産の譲渡がない本問とは異なる。
したがって,本件車両は生活に通常必要な動産であり,本件損失は雑損控除により令和2年分の課税総所得金額を減少させる。
2 設問2について
本件奨励金は利子所得から譲渡所得までに当たらないから,一時所得(34条1項)の要件を検討し,当たらなければ雑所得(35条1項)となる。
本問では,居住は生活の用によるもので,営利を目的とする継続的行為ではなく,本件奨励金は定住の対価でもない。そこで,「一時の所得」といえるかが問題となる。
確かに,各年の交付は申請に基づく個別の交付決定によるから,一時の所得が繰り返されるにすぎないとも思える。しかし,一時所得が軽課されるのは,一回的・偶発的な収入は担税力が小さいからである。本件奨励金は,条例上,5年間継続して交付されることが予定され,転出すれば返還を求められ得るなど定住の継続に応じて交付される。継続的な収入の構成要素を個別に取り出して性質を決めるべきではない(最判平成27年3月10日参照)。
よって,本件奨励金は一時所得ではなく,雑所得に当たる。
3 設問3について
(1) 違法な民泊の収入も課税の対象となるかが問題となる。
所得税法は包括的所得概念を採り,経済的利益を現に獲得・享受している限り,違法な活動による利得も所得を構成すると解する。
本問では,Aは民泊の収入を受領して遊興費に充てているから,無届けの違法な民泊であっても,その収入は課税の対象となる。
(2) 所得区分としては,不動産所得(26条1項),事業所得(27条1項)及び雑所得(35条1項)が考えられる。
本問では確かに,Aは本件別荘を貸し付けている。しかし,送迎や寝具のクリーニング等の人的役務を自ら提供しているから,不動産の貸付けによる所得ではない。
次に,事業所得か雑所得かは,社会通念上事業といえるかで判断すべきと解する。
本問では確かに,Aは令和5年3月から有償で反復して民泊を営んでいる。しかし,収入は給与収入の4分の1程度で増加の見込みもない副業であり,遊興費に充てられている。また,無届けで発覚すればすぐ廃業するつもりであり,宣伝もできず,継続性も乏しい。そうすると,社会通念上事業とはいえない。
よって,民泊に係る所得は業務に係る雑所得に当たる。
4 設問4について
違法な活動に係る支出であっても,それだけで必要経費性は否定されない。必要経費(35条2項2号・37条1項)に当たるには,業務との関連性と,業務遂行上の客観的必要性を要すると解する。
(1) 本問の祈祷料は,民泊を始めるに当たり支払ったものであるが,商売繁盛を願うというAの主観的な動機によるもので,民泊の遂行に客観的に必要とはいえない。よって,家事上の経費(45条1項1号)であり,必要経費に算入されない。
(2) 本問の古井戸は,宿泊客が利用する本件別荘の敷地内にあり,残しておけば宿泊客の安全に支障を生じ得る。その解体・撤去は宿泊客の安全への配慮として民泊の業務に直接関連し,客観的にも必要である。よって,必要経費に算入される。
(3) 本問の罰金は,送迎という業務の際の違反に係るものでも,37条1項の「別段の定め」である45条1項7号により,必要経費に算入されない。
以上
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
(1) 答案と評価項目の対応
答案の1は第4の番号1~12(設問1),2は番号13~19(設問2),3は番号20~26(設問3),4は番号27~33(設問4)に対応する。
重み5の9項目は,1(2)の62条1項と雑損控除の分岐(番号1),1(3)の施行令178条1項2号括弧書き・3号・施行令25条による意義の確定(番号7),1(3)の使用態様の当てはめ(番号12),2の「一時の所得」の検討(番号17),3(2)の三つの所得分類と社会通念上の事業性(番号22・25),4の冒頭の必要経費の要件(番号28)並びに4(3)の45条1項7号と「別段の定め」(番号31・32)に当たる。
(2) 設問1(自家用車の水没による損失)
出題の趣旨と採点実感は,設問文の誘導どおり,「生活に通常必要でない資産」に当たる場合(62条1項。損失の年分又は翌年分の譲渡所得の計算上控除)と,当たらない場合(72条の雑損控除)の双方の条文と帰結を示すことを求めている。
採点実感は,この文言が雑損控除(72条1項括弧書き)の消極要件でもあることに気付かず,非該当の資産の損失が無視されるという誤った結論に至る答案が予想以上に多かったと指摘しており,答案は1(2)で両方の帰結を並べた。
Aには令和2年分の譲渡所得がないので,62条1項が適用されれば令和2年分の課税総所得金額には影響せず,雑損控除が適用されれば足切り額を超える部分だけ減少する,という違いになる。
「生活に通常必要でない資産」の意義は,62条1項が「政令で定めるもの」としているので,施行令178条1項の条文操作で確定する。
採点実感は,2号の括弧書きが3号の動産を除いているので,まず3号(さらに施行令25条)を解釈し,結局は「生活に通常必要な動産」に当たるかを判断することになると説明し,この点の処理で答案間に差が付いたとしている。
答案の1(3)の第1段落と第2段落は,この順序で書いた。
結論は両論あり得るとされ,採点実感は日常生活に用いているため「生活に通常必要な動産」に当たるという筋が多いと想定していたとする。
答案は,趣味の旅行・ドライブ,交通の便の良さ及び定期券代の支給という反対方向の事実を先に認めた上で,子どもの送迎と週末の買い出しという家族の日常の用途,軽自動車であることから,生活に通常必要な動産とした。
「災害」(2条1項27号)と保険金等による補塡がないことは,採点実感が「細かなことではあるが」丁寧に当てはめたいとした点であり,答案の1(1)で押さえた。
大阪高裁昭和63年9月27日判決は自家用車を「生活に通常必要でない資産」とした裁判例として想起されやすいが,採点実感は,同判決が廃車をスクラップとして譲渡した譲渡損失の事案であり,本問には資産の譲渡がないことを指摘し,9条1項9号(生活用動産の譲渡の非課税)の検討は不要としている。
答案は,9条1項9号の非課税を論じず,同判決は事案の違いを示して使うにとどめた。
なお,同判決を是認した最高裁平成2年3月23日判決は,原審の判断を正当として是認したもので,独自の判断基準は示していない。
(3) 設問2(定住奨励金の所得分類)
利子所得から譲渡所得には当たらないので,一時所得(34条1項)の要件を一つずつ検討し,当たらなければ雑所得(35条1項)になる,という条文構造で論じることが求められている。
営利を目的とする継続的行為の要件と対価性の要件は問題なく処理でき,立ち入った検討が求められているのは「一時の所得」の要件である。
出題の趣旨は,一回性・偶発性ゆえに担税力が小さいという一時所得の趣旨から,条例の枠組みの中で原則5年間継続的に交付される本件奨励金は一時所得に当たらないとする筋を示し,毎年の申請という構成要素だけを取り出して一回的とする見方は,最高裁平成27年3月10日判決(馬券の払戻金の所得区分)が退けた考え方であるとしている。
採点実感も,「1年に1回のみだから一時が繰り返されているにすぎない」といった理由は説得的でないとし,他方で,異なる筋からの立論も論理的説得力に応じて評価したとしている。
答案の2は,個別の交付決定という反対の見方を先に取り上げた上で,趣旨と継続性から雑所得とした。
国税庁ウェブサイトに掲載されている東京国税局の文書回答(平成25年10月31日)では,取得した翌年度以降毎年度申請し,最高7年間交付される市の定住奨励金について,住宅の取得時に一時金として交付を受ける定住奨励金は一般的には一時所得に当たるが,この奨励金は継続的に交付を受けるものであるから雑所得に当たるという照会者の見解に対し,東京国税局審理課長が,照会に係る事実関係を前提とする限り「貴見のとおりで差し支えありません」と回答している。
行政庁の見解であって法源ではないが,本問の条例の仕組みと近く,所得区分の考え方を確かめる資料になる。
(4) 設問3(無届けの民泊の収入)
出題の趣旨と採点実感は,所得税法が包括的所得概念を採ることから,経済的利益を現に獲得・享受している限り違法な利得も所得を構成することを確認させている。
採点実感は,「非課税規定がないから」課税されると論じる答案に対し,所得に当たるという前提があって初めて非課税規定の有無が問題になると注意している。
所得分類では,事業所得・雑所得・不動産所得の三つの可能性を挙げ,不動産所得とは人的役務の要素で,事業所得とは社会通念上「事業」といえるかで区別することが求められている。
採点実感は,最高裁昭和56年4月24日判決の「自己の計算と危険」の基準は事業所得と給与所得を区別する一応の基準であり,事業所得と雑所得の区別に用いたり,無届けや発覚時の廃業の意図を「危険」と言ったりするのは誤りであるとしている。
答案の3(2)は,この指摘に沿って,給与収入の4分の1程度で増加の見込みがない副業であること,遊興費に充てていること,発覚すれば廃業するつもりで宣伝もできないことを,社会通念上の事業性の当てはめに用いた。
事業所得とする結論も,説得的に論証すれば相応に評価されたとされている。
(5) 設問4(三つの支出の必要経費該当性)
出題の趣旨は,違法な経済活動の遂行上必要な経費も所得税法の原則どおり控除できることを押さえた上で,37条の要件(業務との関連性,客観的必要性)を各支出に当てはめることを求め,①祈祷料は客観的必要性の欠如,②古井戸の解体・撤去費用は宿泊客の安全への配慮が業務に直接関連し客観的にも必要であること,③罰金は37条1項の「別段の定め」である45条1項7号の存在を指摘すればよいとしている。
答案の4は,この順序で書いた。
採点実感は,罰金について条文に触れず,制裁の効果が薄れる等の実質的論拠だけで必要経費性を否定する答案は,違法な活動に係る支出であってもそのことをもって必要経費性を否定すべきでないとする裁判例・通説と一致しないとしている。
採点実感が裁判例として挙げる高松地裁昭和48年6月28日判決は,宅地建物取引業法の定める額を超えて現実に支払った仲介報酬について,私法上の効力いかんにかかわらず全額を経費と認定すべきとしたものであり,違法な活動に係る支出一般について述べたものではない。
また,必要経費の要件について採点実感が例示する地方裁判所の判決は,裁判所ウェブサイトで判決全文を確認できなかったため,答案では裁判例の名を示さずに要件だけを書いた。
(6) 答案の弱点と扱わなかった事項
答案は2,500字以下に収めるため,損失の金額の計算方法の違い(62条1項の損失は取得費相当額を基礎とし(施行令178条3項),雑損控除の損失は損失の直前の時価又は取得費相当額を基礎とする(施行令206条3項)。)と,雑損控除の足切り額の細目(72条1項各号)を省いた。
設問2では,固定資産の取得に充てるための国庫補助金の総収入金額不算入(42条)も一応問題になり得るが,本件奨励金は定住の促進を目的とし,取得した年の翌年以降に交付され,5年以内の転出で返還を求められ得るものであるから,同条の対象とはいい難く,答案では触れなかった。
設問4②の古井戸の解体・撤去費用について,取得した土地を利用に適した状態にするための支出として土地の取得費(38条1項の改良費)に含めるという見方も考えられるが,出題の趣旨は宿泊客の安全への配慮として必要経費とする筋を示しており,答案もこれによった。
設問4①についても,開業時の祈願は事業者に広く行われているとして必要経費とする見方があり得るが,出題の趣旨は客観的必要性を欠くとする筋を示している。
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⑳令和7年度司法試験環境法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け(AI作成)
㉑令和7年度司法試験国際関係法(公法系)第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した19項目と5段階の重み付け(AI作成)
㉒令和7年度司法試験国際関係法(公法系)第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した22項目と5段階の重み付け(AI作成)
㉓令和7年度司法試験国際関係法(私法系)第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した30項目と5段階の重み付け(AI作成)
㉔令和7年度司法試験国際関係法(私法系)第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した29項目と5段階の重み付け(AI作成)
2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事
①令和8年度司法試験租税法第1問の参考答案と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に予想した40項目と5段階の重み付け(AI作成)
②令和8年度司法試験・租税法第2問の参考答案と予想される評価項目――暗号資産による役員退職給与、廃業後の貸倒れ、青色申告承認の承継(AI作成)
③修習給付金は必要経費のない雑所得であるとした国税不服審判所令和3年3月24日裁決
④国税庁の法令解釈通達・事務運営指針・文書回答事例・質疑応答事例(AIリライト)
⑤災害で自家用車や家財が損害を受けたときの所得税―雑損控除,「生活に通常必要でない資産」及び災害減免法の選択(AI作成)
⑥移住支援金・定住奨励金は何所得か―一時所得と雑所得の分かれ目,起業支援金及び非課税となる助成金(AI作成)
第7 出典及び確認状態
1 公式資料
①法務省「令和7年司法試験の結果について」
②令和7年司法試験論文式試験問題集(選択科目)(租税法第1問は8頁・9頁)
③令和7年司法試験論文式試験出題の趣旨(租税法第1問は27頁・28頁)
④法務省「令和7年司法試験の採点実感」
⑤令和7年司法試験の採点実感(選択科目)(租税法は5頁~13頁。第1問は5頁~8頁)
2 法令
①所得税法(e-Gov法令検索)
②所得税法施行令(e-Gov法令検索)
③東京国税局「市の定住条例に基づき複数年にわたり交付する定住奨励金の課税上の取扱いについて」(平成25年10月31日回答)
3 裁判例
①大阪高等裁判所昭和63年9月27日判決(昭和61年(行コ)第46号,高民集41巻3号117頁)
②最高裁判所第二小法廷平成2年3月23日判決(昭和63年(行ツ)第192号,集民159号339頁)
③最高裁判所第三小法廷平成27年3月10日判決(平成26年(あ)第948号,刑集69巻2号434頁)
④最高裁判所第二小法廷昭和56年4月24日判決(昭和52年(行ツ)第12号,民集35巻3号672頁)
⑤高松地方裁判所昭和48年6月28日判決(昭和41年(行ウ)第5号)
4 確認状態
出題の趣旨は,全科目を収めたPDFのうち租税法第1問の部分(27頁・28頁)を全て読んだ。
採点実感は,選択科目のPDFのうち租税法の部分の「1」「2」「3」の第1問の部分(5頁~8頁)及び「4」~「6」(12頁・13頁)を読み,第2問の部分は用いていない。
法令は,e-Gov法令APIで令和7年1月1日時点の所得税法及び所得税法施行令の該当条文を確認した。
裁判例①~⑤は,裁判所ウェブサイトの判決全文で,本記事で引用した判示を確認した。
裁判例②は原審(①)の判断を是認したもので,独自の判断基準を示していない。
裁判例⑤の掲載誌(行政事件裁判例集)の号と頁は確認していない。
採点実感が必要経費の要件について例示する地方裁判所の判決は,裁判所ウェブサイトで判決全文を確認できなかったため,本記事では取り上げていない。
答案の基準時は,問題文の指定により令和7年1月1日現在の法令とし,その後の改正は考慮していない。