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令和2年司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)

第1 この記事の対象

本記事は,令和2年司法試験論文式試験の主要7科目・7問について,公開済みの模範解答記事を案内するものである。
対象は憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法であり,選択科目・短答式試験・予備試験・旧司法試験は含めない。

令和8年10月8日時点の7子記事の実際の評価表から再計算すると,評価項目は合計440項目,重み5は145項目,重み合計は1702である。
全7科目が1~5の5段階を採用している。
項目数と重みは各記事の独自分析であり,法務省の公式配点・予測得点ではない。

本記事では,各問題の設問指定を確認し,重み5の事項から子記事の評価表と答案へ進むための入口として整理する。
必須・高評価・負例・許容分岐は重みとは別の分類であり,条件付きの別構成を全答案へ累積要求しない。

第2 7記事の一覧

科目主な論点評価項目重み5
公法系第1問(憲法)生活路線バス維持の参入規制,渋滞区域への自家用車乗入れ規制57項目19項目
公法系第2問(行政法)農用地区域からの除外,計画変更・拒絶の処分性,不作為の違法確認64項目26項目
民事系第1問(民法)契約不適合と債権譲渡,法定通行権,地役権の解除,日常家事代理と相続68項目19項目
民事系第2問(商法)非公開会社の新株発行無効,種類株式の併合,買取請求・差止め・決議取消し68項目18項目
民事系第3問(民事訴訟法)敷金返還の訴えの利益,和解発言の心証資料性,一部取下げと証拠共通59項目23項目
刑事系第1問(刑法)債権回収と恐喝,銀行払戻しと横領,早期に発生した死亡と強盗殺人68項目17項目
刑事系第2問(刑事訴訟法)任意取調べの限界,自白の証拠能力,類似事実による犯人性立証56項目23項目
合計主要7科目・7問440項目145項目

第3 各問題の概要と重み5の事項

以下の「番号」は,各子記事の現在の公開評価表に表示された通し番号である。
数字の字形は本文の表記にそろえているが,番号の値と対象項目は変更していない。
旧IDの併記がない記事は,現在の通し番号だけで示す。
区分・適用条件は各子記事に従い,負例は記載すべき内容ではなく避けるべき誤りとして読む。

1 公法系第1問(憲法)

生活路線バスを維持するための法案について,法律家甲として,規制①と規制②の憲法適合性を検討する問題である。
規制①は,高速路線の運行主体を生活路線の運行事業者に限定し,生活路線への新規参入も制限する。
規制②は,指定された渋滞区域・時間帯における域外からの自家用車乗入れを原則として禁止し,住民・身体障害者の乗車等を除外する。

子記事の答案は規制①を骨子のままでは違憲,規制②を区域・時間・例外の適切な限定を前提に合憲とする。
この結論は設問が指定した唯一解ではなく,自説に必要な反対説への応答を加え,設定した基準と当てはめを一貫させる必要がある。
立案段階の憲法適合性が終点であり,存在しない処分の取消訴訟や補償請求を追加しない。

重み5は19項目であり,全事項は次のとおりである。

①番号2:資料中の具体的事実に法的評価を与える【必須】

②番号3:権利の性質・制約強度・目的を審査基準へ結び付ける【必須】

③番号4:設定した基準を当てはめにも一貫して用いる【必須】

④番号5:規制ごとに憲法適合性の結論を示す【必須】

⑤番号9:高速路線の主体限定を職業への制約として特定する【必須】

⑥番号10:生活路線への新規参入制限を特定する【必須】

⑦番号11:形式的遂行規制でも高速専業には選択規制に等しいと評価する【必須】

⑧番号13:薬事法判決を明示してその論旨を使う【必須】

⑨番号19:公共交通維持と生命・身体保護の目的の併存を認識する【必須】

⑩番号24:骨子の移動手段確保を収益改善の先にある目的として捉える【必須】

⑪番号25:まず規制手段の抽象的な目的促進関係を認めて検討する【必須】

⑫番号26:主張する代替手段を具体化して実効性と負担を比較する【許容分岐】(代替手段を理由に審査する場合)

⑬番号29:交通政策と生活路線バスの不可欠性・地域的限定を具体化する【必須】

⑭番号32:一時的移動を22条1項の移転に含める理由を説明する【必須】

⑮番号33:個別権である22条1項を先に検討する【必須】

⑯番号35:自家用車乗入れを移動の方法への制約と評価する【必須】

⑰番号38:車の移動が種々の交通規制に服する性質を示す【必須】

⑱番号39:区域・時間・自家用車という限定から制約の弱さを説明する【必須】

⑲番号55:本問に独立した平等原則の審査を追加しない【負例】

根拠の頁・節と各項目の評価理由は,子記事の同じ番号の出題の趣旨・採点実感の欄及び重み5の説明欄で確認できる。

記事:令和2年司法試験公法系科目第1問の模範解答・評価項目―57項目と5段階の重み付け

2 公法系第2問(行政法)

農地に長男の医院を建てるための農用地区域からの除外申出について,市が土地改良事業完了後の8年制限を理由に申出書を返送した事案である。
計画の設定,個別除外のための変更,申出拒絶を区別し,土地利用制限の法的効果,申請権,応答義務及び拒絶の実体的違法を検討する。

X側の弁護士Dとして市の反論を想定する。
設問1(1)は計画変更・拒絶の処分性,設問1(2)は処分性を肯定し拒否処分がないとの前提で抗告訴訟を検討するが,義務付けは対象外である。
設問2は今後の拒絶に対する取消訴訟が適法という前提であり,手続違法,政令自体の無効,8年の長さ自体の不適切性は論じない。
子記事の答案は処分性を肯定する構成を採る。
子記事に記載された設問間の配点比は45:30:25であり,評価項目の重みとは別である。

重み5は26項目であり,全事項は次のとおりである。

①番号2:計画設定・個別除外変更・申出拒絶の三つを区別して検討する。 必須/両者由来 適用:全答案

②番号3:計画設定が農地所有者の法的地位に与える効果を関係条文に即して示す。 必須/両者由来 適用:全答案

③番号6:農振法14条・15条の用途供用・協議勧告・調停による利用誘導を説明する。 高評価/両者由来 適用:全答案

④番号8:同判決の否定理由が,法状態変動を認めながらも効果を一般的・抽象的とした点にあることを説明する。 高評価/両者由来 適用:全答案

⑤番号10:用途地域指定と農用地区域について,規制の強度・積極的利用要求の相違を比較する。 高評価/両者由来 適用:全答案

⑥番号13:変更の処分性から申出拒絶の処分性を自動的に導かず,申請権の有無を検討する。 必須/両者由来 適用:全答案

⑦番号15:運用指針が内部規程であって法令としての効力を有しないことを指摘する。 必須/両者由来 適用:全答案

⑧番号17:農振法の趣旨・制度全体と運用指針による具体化を接続し,解釈上の申請権を理由付ける。 高評価/両者由来 適用:全答案

⑨番号20:成熟性について,農地法4条の転用不許可に対する取消訴訟を具体的な代替経路として示す。 必須/両者由来 適用:全答案

⑩番号21:代替訴訟の帰結と計画変更段階の争訟の差異を示し,救済の必要性を実質的に論証する。 高評価/両者由来 適用:全答案

⑪番号27:拒否処分なし・義務付け除外を維持し,不作為の違法確認を選択する。 必須/両者由来 適用:全答案

⑫番号30:処分・裁決が何らされていないことを訴訟要件として示す。 必須/両者由来 適用:全答案

⑬番号32:申出書の到達が審査義務の発生基準となることを行手法7条から説明する。 必須/両者由来 適用:全答案

⑭番号34:到達後の返送が法的に申請を消滅させず,応答待ちの状態が残ると説明する。 必須/両者由来 適用:全答案

⑮番号36:相当期間の経過を不作為の本案要件として,訴訟要件と区別する。 必須/両者由来 適用:相当期間の整理をする全答案

⑯番号39:行手法7条の遅滞ない審査及び形式不備の場合の補正又は拒否の義務を示す。 必須/両者由来 適用:全答案

⑰番号41:本案で諾否の応答をしない違法を論じ,除外を認めるべきかの実体審理と取り違えない。 必須/両者由来 適用:全答案

⑱番号48:事前回答の理由に対応して5号の適用対象と8年制限の二段階を検討する。 必須/両者由来 適用:全答案

⑲番号49:法13条2項5号→10条3項2号→規則4条の3の法令連鎖をたどる。 必須/両者由来 適用:全答案

⑳番号51:規則4条の3第1号柱書の災害防止等による除外を示す。 必須/両者由来 適用:全答案

㉑番号53:同号イの括弧書きによる個別土地の生産性向上の除外を示す。 必須/両者由来 適用:全答案

㉒番号56:政省令を法規命令と理解し,内部的裁量基準として扱わない。 必須/両者由来 適用:全答案

㉓番号57:本問を法令の解釈・当てはめとして処理し,裁量逸脱濫用の一般論に置き換えない。 必須/両者由来 適用:全答案

㉔番号58:農振法13条2項5号の公共投資による効用確保を期間制限の目的として明示する。 必須/両者由来 適用:全答案

㉕番号60:委任法の趣旨に適合する解釈が必要な理由を示し,単なる不公平だけで例外を認めない。 高評価/両者由来 適用:全答案

㉖番号61:除外によって事業の効用確保を損なうかを,一律制限の例外の判断軸とする。 必須/両者由来 適用:全答案

根拠の頁・節と各項目の評価理由は,子記事の同じ番号の出題の趣旨・採点実感の欄及び重み5の説明欄で確認できる。

記事:令和2年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した64項目と5段階の重み付け

3 民事系第1問(民法)

設問1は,防音性能を欠く建物を買ったBが居住を維持しながら,残代金債権の譲受人Cへの支払額を減らす主張を問う。
代金減額と損害賠償債権による相殺を区別する。
設問2(1)は一部譲渡による袋地のa・c各部分の法定通行,設問2(2)は年2万円の地役権設定契約と不払,設問3は妻Fによる無権限売却後の本人Eの死亡とGの相続を扱う。

設問2(2)ではB・Dの発言の理論的前提を分析した上で自説による解除可否を述べ,発言分析を自説だけで置き換えない。
設問3の終点はBのGに対する所有権移転登記請求の可否である。
子記事の答案は減額・相殺,a部分の徒歩通行,地役権契約の解除及び信義則による追認拒絶の制限を認める一方,c部分全体の法定自動車通行と表見代理は否定する。
採用結論を全答案に共通の必須結論へ置き換えない。

重み5は19項目であり,全事項は次のとおりである。

①番号1:居住を維持して契約に基づく支払額を減らす二つの救済を区別する 区分:必須

②番号5:追完の催告と相当期間の経過・追完の不存在を検討する 区分:必須

③番号7:減額請求は形成権であり減額の意思表示によって効果が発生すると示す 区分:必須

④番号11:減額の対抗は468条1項の事由の解釈問題と特定する 区分:必須

⑤番号15:追完に代わる損害賠償の根拠を415条1項又は2項等のいずれかに定め一貫させる 区分:必須

⑥番号20:取得時と7月30日の通知を比較し469条1項でなく2項の検討へ進む 区分:必須

⑦番号24:二つの救済の関係を説明し同じ不利益の二重填補を避ける 区分:高評価

⑧番号26:一部譲渡による袋地であることから213条により丙土地の通行権を基礎付ける 区分:必須

⑨番号31:211条1項の必要性と隣地の損害最小性を規範として示す 区分:必須

⑩番号37:Bの発言に即して物権契約と対価特約の理解を説明する 区分:必須

⑪番号39:Bの解除理解は自分の債務からの解放に限定するものと説明する 区分:必須

⑫番号40:Dの主位発言は債務に限らない広い契約拘束からの解放と説明する 区分:必須

⑬番号43:契約の構造と解除趣旨を一貫させ自説による解除可否へ結び付ける 区分:必須

⑭番号50:761条の明文は連帯責任だがその前提として相互代理権を認める理由を示す 区分:必須

⑮番号52:内部事情・目的と行為の種類性質を客観的に考慮する基準及び根拠を示す 区分:必須

⑯番号54:日常家事代理権に基づく110条の一般的適用が夫婦の財産的独立を害することを述べる 区分:必須

⑰番号55:110条趣旨類推の信頼対象は代理権でなく日常家事の範囲であると固定する 区分:必須

⑱番号56:委任状や印鑑を代理権への信頼資料と日常家事の範囲への資料に区別する 区分:負例

⑲番号65:追認拒絶を制限する説では追認と同様の効果が生じ契約効果がGに帰属する橋を説明する 区分:許容分岐 条件:当該構成を採る場合に適用。
別の許容構成には累積要求しない。

根拠の頁・節と各項目の評価理由は,子記事の同じ番号の出題の趣旨・採点実感の欄及び重み5の説明欄で確認できる。

記事:令和2年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した68項目と5段階の重み付け

4 民事系第2問(商法)

非公開会社が公正な評価額より低い価額で優先株式を発行した後,優先株式だけを2対1で併合する事案である。
設問1はBが発行後に採る訴えと主張を問い,総会通知,有利発行の説明,全員出席総会による治癒,発行無効原因への接続を検討する。

設問2では発行が適法であったことを前提とし,Pの配当・議決権上の不利益と,効力発生前の買取請求・差止め・決議取消しを検討する。
損害賠償は対象外である。
子記事は設問1の発行無効,設問2の三つの救済を認める構成を採るが,全員出席総会の治癒及び差止めの解釈には許容される別構成を示す。
番号40・60は該当する構成に限って適用する。

重み5は18項目であり,全事項は次のとおりである。

①番号1:発行後の救済として828条1項2号の新株発行無効の訴えを挙げる。 区分:必須。

②番号4:決議2の取消事由を募集事項決定の瑕疵として発行無効原因へつなぐ主張を特定する。 区分:必須。

③番号5:決議1の取消事由から,定款の定めのない種類株式の発行となる別の無効原因を特定する。 区分:必須。

④番号11:A・Bの全員出席を,招集手続の瑕疵の治癒を検討する発火事実として使う。 区分:必須。

⑤番号21:199条3項の有利発行を必要とする理由の説明義務を示す。 区分:必須。

⑥番号24:公正額2万円との虚偽とBの有利発行の不知を結び付けて評価する。 区分:必須。

⑦番号30:非公開会社の株主構成・持株比率維持という支配的利益の保護を根拠にする。 区分:必須。

⑧番号32:特別決議欠缺の判例を,決議は存在するが取消事由のある本問へ理由を介して応用する。 区分:高評価。

⑨番号40:決議1が治癒しない場合,定款にない種類の発行が無効原因となる理由を示す。 区分:許容分岐。 適用条件:決議1の取消事由を維持する枝にのみ適用

⑩番号42:議決権割合が5000/90000から2500/85000へ低下すると算定する。 区分:必須。

⑪番号43:優先配当総額が500万円から250万円へ半減すると説明する。 区分:必須。

⑫番号49:116条による買取り・182条の3による差止め・決議取消しの三手段を区別する。 区分:必須。

⑬番号51:省略定款がある種類株主の損害を116条1項3号イの買取りで調整する制度構造を示す。 区分:必須。

⑭番号55:182条の3の法令・定款違反と不利益のおそれを別々の要件として示す。 区分:必須。

⑮番号57:普通株主A・Bが他の株主と共通しない特別利益を得ることから特別利害関係人性を論ずる。 区分:必須。

⑯番号58:優先配当権の縮減という目的と普通株主・優先株主の利益を比較して著しい不当性を評価する。 区分:必須。

⑰番号59:特別利害関係人の議決権行使による著しく不当な決議を831条1項3号の取消事由とする。 区分:必須。

⑱番号60:瑕疵のない決議を求める180条2項から取消事由を併合の法令違反へ架橋する。 区分:許容分岐。 適用条件:取消事由から直ちに差止めを導く構成に適用。
完成版はこれを主位採用

根拠の頁・節と各項目の評価理由は,子記事の同じ番号の出題の趣旨・採点実感の欄及び重み5の説明欄で確認できる。

記事:令和2年司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した68項目と5段階の重み付け

5 民事系第3問(民事訴訟法)

建物賃借人Aの死亡後に子Y1・Y2が相続した事案で,Xは解約合意を主張し,Y1は契約継続を希望する。
授受済み120万円が敷金か礼金か争われ,明渡し時期は決まっていない。
設問1は明渡しを条件とする60万円の将来給付と,不適法の場合の確認の利益を問う。

設問1では応訴負担を検討しない。
設問2は交互面接による不成立和解の発言を心証資料にできない理由,設問3はY2に対する一部取下げと,それ以前に取り調べられたAの日誌の利用を問う。
設問3の課題2では取下げが適法という仮定を維持する。
子記事は固定額の将来給付を不適法とし,現在の条件付き敷金返還権の確認,通常共同訴訟及び日誌の利用肯定を採るが,条件付きの別構成を区別する。
子記事に記載された設問1・2・3の配点割合は40:20:40である。

重み5は23項目であり,全事項は次のとおりである。

①番号1:明渡し前には被担保債務控除後の返還権の成否・額が具体化しないと説明する。 【必須】

②番号4:条件付であるだけで当然に将来給付の訴えが適法とはしない。 【必須】

③番号9:三要件を用いるなら,請求異議と立証負担を課す衡平を示す。 【許容分岐】(条件:三要件で判断する答案)

④番号10:継続的不法行為等の三要件を敷金へ用いることの適合性を吟味する。 【高評価】

⑤番号13:明渡し時期が債務者Xでなく債権者側,特にY1に依存することを負担評価へ接続する。 【高評価】

⑥番号15:60万円固定の債務名義と将来控除額変動が生む請求異議負担を具体化する。 【必須】

⑦番号19:確認対象となる権利又は法律関係を具体的に特定する。 【必須】

⑧番号20:即時確定の必要性を,特定した法的地位への現実の不安と関連付ける。 【必須】

⑨番号21:現在の条件付き権利説では,現在の法的地位と未具体化の給付額を分ける。 【許容分岐】(条件:現在の条件付き権利説を採る答案)

⑩番号24:確認の利益を,主文で基礎的返還義務を既判力確定する必要へ接続する。 【必須】

⑪番号27:Xの態度だけでなく,特定した権利の具体化と確認判決の必要性を多角的に論ずる。 【高評価】

⑫番号28:民訴法247条が口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果に心証資料を限ると指摘する。 【必須】

⑬番号29:口頭弁論の全趣旨の意義を,訴訟に関する裁判官の私的知識と区別して説明する。 【必須】

⑭番号33:交互面接では情報共有・反論の機会が欠けることを具体的に説明する。 【高評価】

⑮番号34:利用弊害を発言萎縮だけに限定せず多角的に検討する。 【高評価】

⑯番号37:通常共同訴訟か固有必要的共同訴訟かを訴訟共同の必要から区分する。 【必須】

⑰番号39:通常説では明渡義務の不可分性と各義務者の全部履行義務を示す。 【許容分岐】(条件:通常共同訴訟説を採る答案)

⑱番号40:通常説では民訴法39条の共同訴訟人独立を一部取下げへ接続する。 【許容分岐】(条件:通常共同訴訟説を採る答案)

⑲番号50:証拠共通は援用なしでも他の共同訴訟人の認定資料となることと説明する。 【必須】

⑳番号53:他の共同訴訟人にも証拠調べに関わり反証する機会があることを根拠にする。 【高評価】

㉑番号54:民訴法262条1項の取下部分の係属の遡及的消滅を示す。 【必須】

㉒番号55:取下げで証拠申出・調べの効果も失われるかという衝突を独立に検討する。 【必須】

㉓番号57:利用肯定説では,存続するX・Y1間で既に生じた別の訴訟法律関係の効果が残ると説明する。 【許容分岐】(条件:証拠利用肯定説を採る答案)

根拠の頁・節と各項目の評価理由は,子記事の同じ番号の出題の趣旨・採点実感の欄及び重み5の説明欄で確認できる。

記事:令和2年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した59項目と5段階の重み付け

6 刑事系第1問(刑法)

甲がAの500万円の債権回収を依頼され,暴力団組員を装ってBに600万円を送金させ,回収金を自己の借金返済へ流用した事案である。
その後,返還を免れるためにAを睡眠薬で眠らせて有毒ガスで殺す計画を立てるが,薬が未知の心臓疾患を悪化させ,予定より早く死亡が生じた。
甲は立去り前に時計も持ち出した。

設問1は600万円説と100万円説の双方を述べて自説による甲の罪責を決める。
設問2は指定された事例2の5・6・8・9だけを前提に,殺人既遂を否定する三つの具体的事実と各理由を簡潔に示す。
設問3は事例2の罪責を自説で論じるものであり,設問2の既遂否定に拘束されない。
住居侵入,特別法違反及び事例1との罪数は対象外である。
子記事の答案は銀行詐欺,500万円の横領,2項強盗殺人及び時計の窃盗を認める構成を採るが,別構成の許容条件も示す。

重み5は17項目であり,全事項は次のとおりである。

①番号4:現金移転と預金債権取得を区別し,1項・2項の選択を理由付ける。 【必須】

②番号6:600万円説を個別財産の侵害・損害の捉え方から説明する。 【必須】

③番号7:100万円説を弁済による500万円の債務消滅と実質的損害から説明する。 【必須】

④番号8:両説の対立を保護法益・財産損害の客観的構成要件の問題として整理する。 【高評価】

⑤番号10:両説を述べた上で,自説の理由と甲の罪責を確定する。 【必須】

⑥番号22:三つの事実を区分し,一事実ごとに既遂否定の理由を対応させる。 【必須】

⑦番号26:銀行窓口の払戻請求・現金受領について1項詐欺の成否を検討する。 【必須】

⑧番号28:欺罔の意義を示し,犯罪被害金という事情が払戻許否の重要事項か検討する。 【高評価】

⑨番号33:Aからの委託関係・所有帰属を示し,客体を500万円に限定する。 【必須】

⑩番号34:横領行為を特定し,その行為に対応する預金金員又は現金を客体とする。 【高評価】

⑪番号37:第一・第二行為を一体化するか,第一だけを実行行為とするかを選び理由付ける。 【高評価】

⑫番号38:死亡と財産的利益の双方が計画より早く実現したことを故意既遂の問題とする。 【高評価】

⑬番号44:着手認定だけで故意既遂とせず,一連の行為への殺意と経過の相違を説明する。 【高評価】

⑭番号45:強盗の暴行を有形力・物理力の行使として定義する。 【高評価】

⑮番号48:債務の法的消滅と,請求が事実上著しく困難になる経済的利益を区別する。 【高評価】 条件:強盗肯定の場合(採用)

⑯番号64:四つの行為群を落とさず,各行為の規範・事実・効果をバランスよく論じる。 【高評価】

⑰番号65:選択した法律構成・客体・被害額・主観を答案全体で矛盾させない。 【高評価】

根拠の頁・節と各項目の評価理由は,子記事の同じ番号の出題の趣旨・採点実感の欄及び重み5の説明欄で確認できる。

記事:令和2年度司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した68項目と5段階の重み付け

7 刑事系第2問(刑事訴訟法)

侵入窃盗の嫌疑を受けた甲が任意同行し,退去自由等を告知されたものの,睡眠なく約24時間の取調べを受け,疲労が顕在化した後に外出目撃情報があるとの虚偽を告げられ,自白した事案である。
別件の窓ガラスを半円形に割る行為を目撃したWの証言を,本件犯人性の立証に用いる請求も問題となる。

設問1は取調べの適法性,設問2-1は自白法則と違法収集証拠排除法則の適用関係,設問2-2はその自説に従った自白の証拠能力を問う。
設問3では関連性についての弁護人の異議に答え,W証人尋問請求の採否まで示す。
W調書への不同意を理由に伝聞例外を長く論じる問題ではない。
子記事は強制手段該当性を否定しつつ取調べの相当性を否定し,二元説から自白を排除し,W証人尋問請求を却下する構成を採る。
この立場・結論が唯一解として指定されているわけではない。

重み5は23項目であり,全事項は次のとおりである。

①番号1:被疑者取調べの根拠を198条と特定する。
【必須】

②番号2:強制手段の禁止と任意取調べの相当性の二段階を示す。
【必須】

③番号4:採用する強制処分の定義を権利・意思との関係で提示する。
【必須】

④番号9:強制性を否定した場合は相当性審査へ進む。
【必須】 条件:強制処分該当性を否定する答案。

⑤番号10:相当性について比較衡量説又は行為規範説等の自説を明確にする。
【必須】

⑥番号11:比較衡量説では必要性と被侵害利益を具体化する。
【高評価】 条件:比較衡量説を採る答案。

⑦番号13:長時間・徹夜・疲労・偽計が重なった状態を総合評価する。
【必須】

⑧番号19:自白法則の根拠を319条1項に置く。
【必須】

⑨番号21:自白法則の証拠能力判断基準を自説に対応させる。
【必須】

⑩番号24:一般法則が自白にも適用されるか自説を明示する。
【必須】

⑪番号25:両法則の適用関係を理由付きで説明する。
【必須】

⑫番号29:一般排除法則を自白に適用するとき令状主義基準を用いるか根拠を示す。
【高評価】 条件:一般排除法則の自白への適用を認める答案。

⑬番号31:設問2-1の自説に即して甲の自白を判断する。
【必須】

⑭番号32:設問1の取調べ評価と自白の当てはめを整合させる。
【必須】

⑮番号33:任意性説では取調べが心理状態・権利行使へ及ぼした作用を説明する。
【必須】 条件:任意性説に立つ自白法則を適用する答案。

⑯番号36:疲労と偽計が相まって自白しかないとの心理状態を生む過程を示す。
【必須】

⑰番号39:排除法則を適用するとき偽計等が違法である理由から重大性を評価する。
【高評価】 条件:一般排除法則の自白への適用を認める答案。

⑱番号43:関連性異議を受けたW証人尋問請求の採否が対象であると特定する。
【必須】

⑲番号44:類似事実で甲の本件犯人性を推認する構造を示す。
【必須】

⑳番号46:犯罪性向という実証的根拠の乏しい人格評価からの推認を制限する理由を示す。
【必須】

㉑番号49:要件を満たすと余人の可能性が下がり人格評価を介さず同一性を推認できると説明する。
【高評価】

㉒番号50:前科・併合審理事案と未起訴余罪との相違を捉え適用理由を示す。
【高評価】

㉓番号56:W証人尋問請求を認容又は却下する手続上の結論まで示す。
【必須】

根拠の頁・節と各項目の評価理由は,子記事の同じ番号の出題の趣旨・採点実感の欄及び重み5の説明欄で確認できる。

記事:令和2年司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した56項目と5段階の重み付け

第4 7記事に共通する作り方

1 評価項目の抽出

各子記事は,出題の趣旨と採点実感の関連範囲を基に,一項目を答案から判定できる対象へ分け,根拠の頁・節を示している。
根拠欄の「間接」は関連記述からの具体化を表し,「記載なし」は子記事が示す関連範囲の実読結果であって,資料未読や取得不能の意味ではない。
この確認範囲は各記事の第7を参照する。
重みなしの一般的な答案作法は,子記事が集計に含めていない場合,ハブでも含めない。

2 5段階の重み付け

重み5は答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項,重み3は一方の資料が明示する中核の理由付け,重み2は軽い補強又は典型的な誤り,重み1は控えめな言及を基準とする。
重み4については,各記事の定義と項目ごとの根拠を確認する必要がある。

①憲法・行政法・商法・民事訴訟法は,出題の趣旨が検討を求め,採点実感も「評価又は具体的な誤りの指摘」を通じて取り上げた事項を含める。
②民法・刑事訴訟法も「取り上げた」を基準とし,「高く評価した」事項だけには限定しない。
③刑法は「評価又は具体的な不十分例の指摘」を通じた言及も含める。

これらの表現を一律に「両資料が高く評価した事項」と書き換えることはできない。
本記事では,7科目の数値上の方式が共通することと,個々の重みを選ぶ具体的な理由が異なることを分けて整理する。
重み5の高評価事項を必須事項へ格上げせず,負例・許容分岐の区分と適用条件を残す。

3 模範解答と解説

各記事には,答案の前提・表記,模範解答及び解説がある。
問題提起,規範,事実の評価,結論の接続を基本とするが,設問が発言分析,複数説の説明,又は指定された結論を導く事実の列挙を求める場合は,その指定に応じた構成を採る。

例えば刑法の設問2は既遂否定のための三つの事実と各理由を示す課題であり,設問3の自説の結論とは分ける。
民法の設問2(2)もB・Dの発言分析と自説を区別する。
全科目が一つの立場だけで解答する問題であるとは一般化しない。

第5 重みの分布の比較

各行の重みから件数を数え直した結果は,次のとおりである。
Nは重み1~5の件数の和,Wは各行の重みの単純な合計である。

科目重み5重み4重み3
憲法191513
行政法26235
民法191920
商法183012
民事訴訟法23251
刑法172516
刑事訴訟法23223
合計14515970
科目重み2重み1項目数重みの合計
憲法10057214
行政法10064257
民法9168250
商法8068262
民事訴訟法10059238
刑法10068253
刑事訴訟法8056228
合計6514401702

全7科目の内訳は,重み1が1項目,重み2が65項目,重み3が70項目,重み4が159項目,重み5が145項目である。
440=1+65+70+159+145,1702=1+2×65+3×70+4×159+5×145となる。

本記事では,法律構成の入口と,その構成を具体的な効果・救済・結論へつなぐ事項が各科目の重み5に現れていると整理する。
行政法の番号13は変更の処分性と拒絶の処分性を申請権を介してつなぎ,民法の番号20は取得時と通知時を相殺の法律構成へつなぐ。
民事訴訟法の番号55・57は取下げと既に生じた証拠調べの効果との関係を,刑事訴訟法の番号56は証人尋問請求の手続上の結論を確認する。
番号57は証拠利用肯定説を採る場合に限る。

項目数は設問数や資料の記述量,項目の分け方にも左右される。
項目数,重み5の件数,重み合計を,公式配点・予測得点・難易度・合格可能性へ換算しない。
行政法と民事訴訟法で子記事が示す設問間の配点比も,この集計とは別の情報である。

第6 関連記事

①令和3年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答
②令和4年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答
③令和5年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答
④令和6年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答
⑤令和7年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答
⑥令和8年度司法試験論文式試験の主要7科目の参考答案と予想される評価項目
⑦法務省HPの司法試験・予備試験の資料の所在―年度別の実施・結果・出題趣旨・採点実感のページ一覧
⑧司法試験の採点実感から学ぶ法律文書の書き方―準備書面・意見書・相談メモのチェックリスト

第7 出典

1 公式資料

①法務省・令和2年司法試験の結果について
②法務省・令和2年司法試験の採点実感
③令和2年司法試験論文式試験問題・公法系科目
④令和2年司法試験論文式試験問題・民事系科目
⑤令和2年司法試験論文式試験問題・刑事系科目
⑥令和2年司法試験論文式試験問題の出題の趣旨
⑦令和2年司法試験の採点実感・公法系科目
⑧令和2年司法試験の採点実感・民事系科目
⑨令和2年司法試験の採点実感・刑事系科目

2 確認状態

本記事の概要・設問指定・評価項目・重みは,令和8年10月8日に取得した7子記事の公開本文を基に整理したものである。
全440行の番号・項目本文・重みを照合し,重み5の全145項目と各科目の分布・合計を再計算した。
各子記事の題名・公開URL・公開状態も確認した。

上記の公式資料については,リンクへの応答,最終URL,年度別ページとの対応及びPDFの資料見出し・科目を確認した。
このハブの作成に際して公式PDFの全本文を実読し,7科目の公式要求を独立に再審査したという意味ではない。
本記事では裁判例の判旨や法令条文を直接引用しておらず,対象年度の法令・判決原文の確認範囲は,各子記事の第7を参照する。