第1 この記事の対象
令和3年度司法試験の論文式試験について,選択科目を除く主要7科目7問の模範解答記事を一覧にしたものである。
対象は憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法であり,選択科目と短答式試験は対象に含まれない。
令和8年10月8日時点の公開子記事に基づき,各評価表の実際の行から集計した評価項目は合計497項目,重み5は合計149項目である。
7記事とも重み1~5の5段階で整理されているが,必須,高評価,負例及び許容分岐の区分と適用条件は重みから独立している。
模範解答はAIが作成した答案例であり,法務省の公式解答ではない。
項目数と重みは子記事独自の分析であり,公式採点基準・項目別配点・予測得点を表すものではない。
第2 7記事の一覧
| 科目 | 主な論点 | 評価項目 | 重み5 |
|---|---|---|---|
| 公法系第1問(憲法) | 匿名表現,顔面被覆の禁止,団体観察・活動媒体の報告 | 68 | 19 |
| 公法系第2問(行政法) | 屋台営業候補者の不選定,処分性,訴えの利益,裁量・推薦尊重 | 69 | 17 |
| 民事系第1問(民法) | 盗品回復・使用利益,講師契約の解除,連帯保証・求償 | 86 | 22 |
| 民事系第2問(商法) | 会社の保証,株式引受けの当事者,総会での議決権行使 | 71 | 16 |
| 民事系第3問(民事訴訟法) | 引換給付判決,訴訟承継,時機に後れた新主張 | 63 | 35 |
| 刑事系第1問(刑法) | 偽装強盗と窃盗,共犯の錯誤,盗品保管,共犯解消・同時傷害 | 84 | 22 |
| 刑事系第2問(刑事訴訟法) | 名刺・USBの差押え,2種類のメモの伝聞・非伝聞 | 56 | 18 |
第3 各問題の概要と重み5の事項
以下の番号は,各子記事の現在の公開評価表の通し番号である。
旧IDを推測して置き換えず,番号と項目本文を一件ずつ対応させている。
各行の区分・条件を含めて読み,根拠資料の頁・節及び重み5とした理由は,リンク先の評価表と分布説明で確認できる。
1 公法系第1問(憲法)
集団行進で顔を隠すことの禁止(規制①)と,団体の観察指定・活動媒体の毎月報告(規制②)に関する立法助言を扱う。
子記事の答案は,平穏な匿名参加や政治的活動まで制約する現案に問題があると評価する構成である。
法律家甲として憲法適合性を検討し,必要に応じ判例・異なる見解に触れるが,文言の明確性と手続の適正は対象から除く。
子記事は合憲・違憲の結論を一つに固定せず,権利の主体,制約,審査の厳格度及び事実評価の整合を求めている。
重み5は19項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:匿名による表現も21条1項の一般的な保障に含まれる理由を示す 区分:必須。適用:全答案
②番号2:匿名性が弱い立場の者への社会的圧力による萎縮を防ぐ価値を示す 区分:必須。適用:全答案
③番号8:顔隠し禁止を単なる参加態様の問題だけに還元しない 区分:負例。適用:全答案
④番号11:保護する権利の捉え方と制約の強度を整合させる 区分:必須。適用:全答案
⑤番号15:権利の重要性と制約態様から審査基準を理由付ける 区分:必須。適用:全答案
⑥番号20:個々の行進の危険度を問わない一律禁止の広さを評価する 区分:必須。適用:全答案
⑦番号27:団体指定・観察・報告義務を一体として捉えつつ各制約を識別する 区分:必須。適用:全答案
⑧番号29:団体の表現の自由を媒体上の主義主張の発信として具体化する 区分:必須。適用:全答案
⑨番号30:団体のプライバシーの保護根拠・内容を表現の自由と区別して示す 区分:必須。適用:全答案。個人情報論との実質的関連だけでは部分一致
⑩番号31:報告による構成員の特定が団体自身のプライバシーにも関係すると示す 区分:高評価。適用:全答案
⑪番号33:構成員の表現の自由への制約を団体の制約と分けて論じる 区分:必須。適用:全答案
⑫番号34:構成員のプライバシーへの制約を団体の制約と分けて論じる 区分:必須。適用:全答案
⑬番号35:各権利の主体を明示し,団体と個人を混同しない 区分:負例。適用:全答案。団体プライバシーの主体表示が弱い
⑭番号39:公開情報でも国家への強制報告により萎縮・プライバシー制約が生じ得ると評価する 区分:高評価。適用:全答案
⑮番号40:観察と報告が本来の団体活動・自律に与える効果を示す 区分:必須。適用:全答案
⑯番号47:規制②の権利と制約に即して①とは独立に審査枠組みを理由付ける 区分:必須。適用:全答案。同一基準でも固有理由が必要
⑰番号49:自覚ある行動の期待に表現活動を萎縮させる狙いが含まれるかを検討する 区分:高評価。適用:全答案
⑱番号56:1か月ごとの報告による継続性・網羅性の情報収集負担を評価する 区分:高評価。適用:全答案
⑲番号62:定立した審査密度と目的手段の具体的検討を一致させる 区分:必須。適用:全答案
記事:令和3年司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した68項目と5段階の重み付け(AI作成)
2 公法系第2問(行政法)
市道上の屋台営業候補者に選定されなかったBの救済を扱う。
設問1⑴は不選定決定の処分性,⑵は処分性を前提として,他の候補者Cの決定が残る場合の訴えの利益を問う。
設問2は訴訟が適法であるとの前提で,Bを支持する立場から,従前の地位,未公表の申合せ,新規応募者の利益,市長の判断内容及び委員会の推薦を覆したこと自体の瑕疵を検討する。
条例自体の違法を論じる設問ではなく,条例9条が審査基準であるとの指定を維持する。
以下の重み5は,対応小問で採用した主ルート又は反論を検討する場合の事項であり,高評価事項をすべての答案に累積して要求しない。
重み5は17項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:公権力の主体たる行政庁による直接の権利義務形成・確定という処分性の定式を示す。 区分:必須
②番号2:候補者への選定が利益を付与する処分かを先に検討し,不選定を申請拒否として位置付ける。 区分:必須
③番号12:候補者の決定が占用許可の中間段階であり,別途許可要件の審査が残ることを検討する。 区分:必須
④番号13:道路法32条2項による占用許可申請・不許可処分を引き出す取消訴訟を代替経路として具体化する。 区分:高評価
⑤番号20:同一区画の一枠をめぐるBとCの競願・両決定の表裏関係を具体的に説明する。 区分:必須
⑥番号21:昭和43年判決の理由を,本件の比較選定と再審査へ対応させる。 区分:必須
⑦番号22:行訴法33条2項の拘束力による再応答・比較再審査を説明する。 区分:必須
⑧番号26:再審査でBを選定すべきと判断した場合にC決定を職権取消しする条件付きの帰結を示す。 区分:高評価
⑨番号27:比較再審査によってBが候補者に選定され得る回復利益を論証する。 区分:必須
⑩番号31:市長の候補者選定に裁量があることと逸脱・濫用による取消しの枠組みを示す。 区分:必須
⑪番号48:申合せの是認可能性を規則19条各号の解釈として個別に検討する。 区分:必須
⑫番号54:実績評価により新規応募者の利益を不当に侵害しないかを具体的に検討する。 区分:必須
⑬番号56:申合せは事前公表されず新規応募者が知り得なかったことを利益保護の検討に使う。 区分:高評価
⑭番号59:B地位・申合せの評価を市長の裁量判断の瑕疵へ接続し,前提検討だけで終わらない。 区分:必須
⑮番号62:市長が推薦を覆したこと自体の瑕疵を,選定内容の瑕疵と別に検討する。 区分:必須
⑯番号63:昭和50年判決の答申尊重・特段の合理的理由という一般論を正確に示す。 区分:高評価
⑰番号65:有識者委員会の構成・設置趣旨から客観的適正・公正の機能を説明して本件への判例参照を論証する。 区分:高評価
記事:令和3年司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した69項目と5段階の重み付け(AI作成)
3 民事系第1問(民法)
盗まれた工作機械の返還と使用利益,講師契約の中途解除,連帯保証人の抗弁と求償を扱う。
設問1ではCの主張㋐とAの反論㋑・㋒を請求ごとに位置付け,設問2では契約類型と役務の単位から解除,既履行報酬及び損害へ一貫して進む。
成功報酬の具体的な支払請求の可否は指定対象に含まれない。
子記事の答案は講師契約を準委任とする構成を採るが,準委任に固有の項目はその構成を採る場合に適用する。
設問3はFの履行拒絶と,弁済・残額免除後のA及びGへの求償を区別する。
子記事に記載された設問間の配点割合は35:25:40である。
重み5は22項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号3:動産について有効な取引行為による取得であることを当てはめる。【必須】
②番号5:Dの善意・無過失を説明内容と外観から当てはめる。【必須】
③番号9:昭和35年判例の一般外観変更の準則を指図移転の事実へ適用する。【必須】
④番号14:甲が盗品であることを193条へ当てはめる。【必須】
⑤番号15:Cが直接占有者であることを回復の相手方要件へ当てはめる。【必須】
⑥番号16:盗難から2年以内の回復請求であると日付を当てはめる。【必須】
⑦番号24:193条の回復までの所有権帰属を理由付きで決める。【必須】
⑧番号25:Aの損失を使用収益権限の帰属と関連付ける。【必須】
⑨番号34:Eが負う授業・専門指導の債務内容を先に確定する。【必須】
⑩番号36:準委任なら裁量あるAの教育事務の処理という積極的理由を示す。【必須】(条件:準委任構成)
⑪番号43:各月と5か月一体の処理単位を定め後続判断へ持ち越す。【必須】
⑫番号44:採用類型に従い任意解除の根拠と要件を示す。【必須】
⑬番号53:準委任では不利な時期の意味を自由解除との関係から定義する。【必須】(条件:準委任構成)
⑭番号56:損害範囲を不利な時期に固有の損害に限定し理由を述べる。【必須】(条件:準委任構成)
⑮番号64:Fの保証債務自体の時効と主債務の援用・付従性を分ける。【必須】
⑯番号67:457条1項により主債務の更新が保証債務にも及ぶと示す。【必須】
⑰番号70:売買代金債権100万円が時効消滅することを弁済期から確認する。【必須】
⑱番号71:508条の適用可能性を検討対象として発見する。【必須】
⑲番号72:自働債権の時効完成が受働債権の弁済期より先と日付を比較する。【必須】
⑳番号77:求償範囲を弁済当時の利益とし現存利益と混同しない。【必須】
㉑番号82:465条1項の全額又は自己負担超過という入口要件を示す。【必須】
㉒番号85:300万円から自己負担250万円を控除してGへの50万円を算定する。【必須】
記事:令和3年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した86項目と5段階の重み付け(AI作成)
4 民事系第2問(商法)
代表取締役Aが会社を無償の連帯保証人にしたこと,A名義の株式引受けと父Cの実質的関与,株主総会での代理人Gの排除及び丙社代表取締役Fの投票を扱う。
設問1では利益相反取引と重要な業務執行の二つの履行拒絶構成を区別する。
設問2は引受契約の当事者を認定する問題であり,形式説固有の項目は形式説を採用する場合に限られる。
設問3では和解により株式がAへ帰属するとの前提を維持し,G排除とF投票という二つの取消原因を別に検討する。
子記事の答案は重要業務の決議欠缺による履行拒絶を認め,Cの株主地位確認請求を否定し,G排除による決議取消しを認める構成である。
子記事に記載された設問間の配点割合は35:25:40である。
重み5は16項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:【必須】利益相反と重要な業務執行の二つの拒絶構成を区別して示す
②番号5:【必須】承認欠缺の間接取引は本来無効であり第三者保護が相対化するという構造を述べる
③番号7:【高評価】乙社が間接取引該当性を認識していることを保証内容から評価する
④番号14:【必須】重要業務決議欠缺は内部意思決定欠缺にとどまり原則有効とする
⑤番号15:【必須】重要業務決議欠缺につき乙社の悪意又は過失を問題にする
⑥番号16:【高評価】財務概要を確認した乙社が重要業務該当性を認識することを評価する
⑦番号24:【必須】引受契約の当事者が誰かという問題を先に定める
⑧番号26:【必須】実質説を一般私法の契約当事者の意思による認定として理由付ける
⑨番号33:【高評価】配当・確定申告・議決権等の後事情を引受当時の意思を推認する資料として位置付ける
⑩番号42:【必須】G排除・F投票承認を831条1項1号の決議方法の法令違反として構成する
⑪番号43:【必須】Aの主張としてG排除とF投票の二つの取消原因を別々に検討する
⑫番号52:【高評価】株主4名の対立下で他の株主だけを代理人にすると代理行使機会を失うことを評価する
⑬番号53:【必須】Fが副社長でも丙社の代表取締役として349条4項の権限を持つと述べる
⑭番号54:【必須】丙社内規をFの代表権の内部制限と位置付ける
⑮番号55:【必須】349条5項の善意第三者保護を甲社との関係で検討する
⑯番号57:【高評価】集団的議決権行使への349条5項適用の可否を取引安全と会社意思尊重から検討する
記事:令和3年度司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した71項目と5段階の重み付け(AI作成)
5 民事系第3問(民事訴訟法)
立退料の支払を条件とする建物収去土地明渡しの判決,建物を賃借したZへの訴訟承継,承継後の権利金に関する新主張を扱う。
設問1は申立てと異なる立退料額の引換給付判決の許否であり,弁論主義と借地借家法6条の実体解釈は対象から除かれる。
設問2では,XのYに対する訴訟物が契約終了に基づく目的物返還請求権であるとの前提を維持して,承継する地位を具体化する。
設問3は,まずXの立場でYの新主張の却下を論証し,次にYなら却下されるとの前提で,XのZに対する立論とZの反論を対置する。
子記事は増額判決を許容し,減額を予告範囲内に限る構成を採り,承認義務の例外に関する項目はその構成を採る場合に適用する。
子記事に記載された設問間の配点割合は40:20:40である。
重み5は35項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:増額判決を民訴法246条の申立拘束の問題として位置付ける 必須/両者由来
②番号5:訴状と第1回期日の具体的陳述から増額についての現実の意思を分析する 必須/両者由来
③番号6:検討する用意は高額でも払う現実の意思の確定ではないと区別する 必須/両者由来
④番号7:現実の意思の不明部分を合理的意思の推測で補うという順序を示す 必須/両者由来
⑤番号8:増額判決をできない場合は正当事由不足により請求棄却と特定する 必須/両者由来
⑥番号9:棄却判決と増額判決の効果を具体的に比較してXの合理的意思を論ずる 必須/両者由来
⑦番号15:設問1を弁論主義の問題と取り違えない 負例/採点実感由来
⑧番号17:陳述から格段差のない範囲の減額を求める現実意思を具体的に読む 必須/両者由来
⑨番号19:減額についても不明な現実意思と合理的意思を分けて補充する 必須/両者由来
⑩番号21:Yに対して最大不利益として何が予告されたかを具体的に評価する 必須/両者由来
⑪番号22:格段差のない減額と大幅減額で予告範囲を区別して結論を示す 必須/両者由来
⑫番号25:50条の訴訟引受けにおける承継の意味を解釈問題として示す 必須/両者由来
⑬番号27:相手方の既得的地位維持による公平を制度趣旨として説明する 必須/両者由来
⑭番号28:紛争主体地位という語だけで止めず承継の対象と意味を具体化する 必須/両者由来
⑮番号29:被承継人を適切な当事者とする地位の移転と承継人の適格を接続する 必須/両者由来
⑯番号32:移転した地位がXZ間の退去明渡請求の被告適格を基礎付けると論ずる 必須/両者由来
⑰番号33:XYとXZの訴訟物の相違を捨象して当事者適格の単純移転としない 負例/採点実感由来
⑱番号37:時機に後れるという要件の具体的意味を示す 必須/両者由来
⑲番号38:故意又は重大な過失という要件の具体的意味を示す 必須/両者由来
⑳番号39:訴訟完結遅延の意味を提出・却下の場合の比較で示す 必須/両者由来
㉑番号42:更新料前払性質を争うXの反論・反証活動を具体的に予測する 必須/両者由来
㉒番号44:その攻防による追加期日の必要と終結遅延を因果的に接続する 必須/両者由来
㉓番号45:174条による167条準用を摘示して説明要求の根拠を示す 必須/両者由来
㉔番号47:説明拒絶・不合理な説明から時機又は重過失が事実上推定され得ると示す 高評価/両者由来
㉕番号49:訴訟状態承認義務の根拠として相手方の既得的地位保護を説明する 必須/両者由来
㉖番号50:被承継人への機会付与と利用による代替的手続保障をXの根拠として説明する 必須/両者由来
㉗番号51:承認対象たる訴訟状態の具体的意味を示す 必須/両者由来
㉘番号52:訴訟状態承認の基準時を承継原因発生時に固定する 必須/両者由来
㉙番号53:最終期日の却下判断と承継原因発生時の時間差を説明する 高評価/採点実感由来
㉚番号54:未却下でも承継時に形成された懈怠・却下原因を引き継ぐとXから論ずる 必須/両者由来
㉛番号55:Z反論の前に承認義務の原則とその例外の関係を明示する 必須/両者由来
㉜番号56:例外構成では承継前後での新主張の重要性の変容を説明する 許容分岐/両者由来/条件:承認義務の例外を採用する構成
㉝番号57:例外構成ではYの訴訟追行のなれ合い又は客観的防御懈怠を検討する 許容分岐/両者由来/条件:承認義務の例外を採用する構成
㉞番号58:代替的保障の例外はYの追行の評価から理由付ける 必須/両者由来
㉟番号59:Zに重過失がない又は固有の防御であることだけで承認義務を外さない 負例/採点実感由来
記事:令和3年司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した63項目と5段階の重み付け(AI作成)
6 刑事系第1問(刑法)
腕時計店で強盗に見せ掛けて商品を持ち去った甲・丙,事情を知らず見張りと運転をした乙,保管途中で盗品と知った丁の罪責を扱う。
設問1では商品占有,共謀共同正犯と幇助,共犯の錯誤及び故意の発生時期を検討する。
設問2は乙の頭部裂傷について,甲が責任を負わない説明と,責任を負う立場からの論点別反論を求めており,一つの自説を選ぶ設問ではない。
裂傷の原因は二つの木刀殴打のいずれか一方であり,別の手拳暴行を原因へ追加せず,問題文が除外する刑法130条は論じない。
以下の積極的な項目は当該設問の採用ルートに対応し,負例は全答案の誤りの回避を確認する事項である。
子記事は,負例回避を網羅率の分母への加算と区別している。
重み5は22項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:偽装行為が財物奪取に向けた反抗抑圧手段でないと説明する 【必須】
②番号5:一般人なら怖いとの理由だけで強盗既遂・未遂を肯定しない 【負例】 誤りの回避を確認。
③番号8:商品の占有の帰属を窃盗と業務上横領の区別として提示する 【必須】
④番号26:乙が窃取の実行行為を分担していないと明示する 【必須】
⑤番号27:共謀共同正犯と幇助犯を区別する基準を示す 【必須】
⑥番号28:選んだ区別基準と具体的な当てはめを整合させる 【必須】
⑦番号35:強盗を認識する乙と窃盗を実現する甲丙の認識差を提示する 【必須】
⑧番号39:法定的符合説により認識・実現事実の具体的構成要件の重なりを示す 【必須】
⑨番号48:保管行為の終期と故意の同時存在を法的性質から論じる 【必須】
⑩番号56:第2暴行が共謀に基づくなら原因不明でも全部責任となると示す 【必須】
⑪番号57:責任否定には共犯責任と同時傷害の特例を両方排除する必要があると示す 【必須】
⑫番号58:責任肯定は共犯関係存続又は解消後の207条適用という二経路を示す 【必須】
⑬番号59:自説の結論を決めず否定説明と各論点に対応する反論を示す 【必須】
⑭番号60:共犯解消の規範として物理的・心理的因果寄与の解消を提示する 【必須】
⑮番号69:本件の特殊性を一部共犯関係と丙の全結果責任として提示する 【必須】
⑯番号70:誰も結果責任を負わない不都合の解消という趣旨から特例不適用を論じる 【必須】
⑰番号71:同一機会性の議論だけで一部共犯類型の適用範囲の議論を代用しない 【負例】 誤りの回避を確認。
⑱番号75:制止失敗と気絶だけでは先行寄与が消滅せず共犯が存続するという反論を示す 【必須】
⑲番号76:共犯解消を仮定した上で特例適用を独立に反論する 【必須】
⑳番号79:規範定立と具体的事実の当てはめを区別し事実の法的意味を説明する 【必須】
㉑番号80:設問を通じて理論構成・規範・結論の整合性を保つ 【必須】
㉒番号84:自説を述べる設問1と両立場を説明する設問2の要求を区別する 【必須】
記事:令和3年司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した84項目と5段階の重み付け(AI作成)
7 刑事系第2問(刑事訴訟法)
捜索で発見された名刺と内容未確認の2本のUSBメモリの差押え,乙の公判で甲乙の共謀を立証するための2種類のメモの証拠能力を扱う。
子記事の答案は差押えを適法とし,メモ1を存在・内容と実行の一致から共謀を推認する非伝聞の状況証拠,メモ2を甲の体験報告に関する伝聞例外として検討する構成である。
設問2の2では,メモ1と同内容データが発見されなかったとの仮定を維持し,甲の証言拒絶と遮へい措置後の状況を評価する。
子記事の番号26・37・38は別構成を採る場合,番号27は必要処分構成を採る又は比較する場合の項目であり,全答案に累積要求しない。
重み5は18項目であり,その全事項は次のとおりである。
①番号1:差押対象が令状に明記された物件に該当することを要件として示す。 区分:必須
②番号2:被疑事実との関連性を独立の差押要件として示す。 区分:必須
③番号6:情状・背景に関する証拠も関連性を認め得る範囲を理由付きで示す。 区分:必須
④番号15:現場で関連性を判断する原則と可視性・可読性の乏しさによる困難を示す。 区分:必須
⑤番号17:内容未確認差押えの判断に関連情報が記録されている蓋然性を含める。 区分:必須
⑥番号18:内容確認による情報損壊危険を内容未確認の理由として示す。 区分:必須
⑦番号27:必要処分による占有取得を差押えと同一視しない。 区分:負例 適用:必要処分構成を採る場合又は両者を比較する場合
⑧番号29:原供述の信用性を公判で吟味する伝聞法則の趣旨を説明する。 区分:必須
⑨番号30:原供述内容の真実性を立証に使うかを伝聞・非伝聞の基準とする。 区分:必須
⑩番号31:要証事実を甲乙間の本件共謀に固定して推論する。 区分:必須
⑪番号32:標的情報の真実だけでは甲乙共謀の認定に直接の意味がないと示す。 区分:必須
⑫番号33:メモの存在・内容の一致から計画に沿う実行を推認し,作成者と実行者の共謀まで閉じる。 区分:必須
⑬番号40:「乙から指示された」との甲の体験報告の真実性を使うため伝聞となると説明する。 区分:必須
⑭番号41:甲は乙の公判では被告人以外の者であり,自作供述書に321条1項3号を選択する。 区分:必須
⑮番号42:供述不能を独立の伝聞例外要件として示す。 区分:必須
⑯番号47:不可欠性を犯罪事実の存否の証明に欠くことができないという要件として示す。 区分:必須
⑰番号49:絶対的特信性を独立の要件として示し,作成時の事情を評価する。 区分:必須
⑱番号54:抽出した具体的事実の法的意味を示し,規範適用から結論まで筋道を閉じる。 区分:必須
記事:令和3年度司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した56項目と5段階の重み付け(AI作成)
第4 7記事に共通する作り方
1 評価項目の抽出
各記事は,問題ごとに出題の趣旨と採点実感の記述を対応させ,一つの行に一つの判定対象を置く。
根拠欄の頁はPDFの物理頁であり,要求,高評価,具体的な不十分・誤りの指摘及び許容される別構成を区別している。
子記事の「記載なし」は,その記事が示した関連範囲を読んだ上での表示であり,資料全体に一切言及がないことへ広げない。
「間接」とされた対応や,評価項目への言換えは,資料の明示と記事の推論を分けて読む。
一般的な筆跡・表記等の指摘で重みが付かないものは,今回の集計へ含めていない。
2 5段階の重み付け
重み5は,採点実感が評価の分かれ目とした事項又は答案の骨格そのものを示す。
重み3は一方が明示する中核の理由付け,重み2は補強又は典型的な誤り,重み1は一方が控えめに触れる事項という定義である。
重み4の判断では,出題の趣旨が求める検討と採点実感の取り上げ方を,各科目の定義・根拠欄で確認する必要がある。
憲法・行政法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法は評価又は具体的な誤りの指摘を含め,民法は具体的な不十分・誤りの指摘を含め,刑法も評価又は具体的な誤りの指摘を通じた取扱いを説明している。
これらの「取り上げた」を,一律に「高く評価した」と言い換えることはできない。
重み5でも高評価項目を最低限の必須へ格上げせず,負例を回避したことと積極的な論証を書いたことを区別する。
許容分岐は採用した構成に応じて適用し,相互に異なる全分岐を一つの答案へ累積して要求しない。
3 模範解答と解説
答案は問題提起,規範,具体的な事実評価及び結論のつながりを基本とし,その後の解説で論述の意味を確認できる。
ただし,立場の指定は問題ごとに異なり,行政法のB支持,民事訴訟法のXの立論とZの反論,刑法設問2の責任否定の説明と責任肯定の反論を,同じ出力要求として扱わない。
本記事では,設問の前提・除外事項を先に固定し,その構成で必要となる項目を理由付けと事実評価へ接続する作り方と整理する。
子記事の採用結論を全科目共通の唯一解としたり,代替構成を理由なく排除したりするものではない。
第5 重みの分布の比較
1 重み5・4・3の分布
| 科目 | 重み5 | 重み4 | 重み3 |
|---|---|---|---|
| 憲法 | 19 | 15 | 18 |
| 行政法 | 17 | 21 | 13 |
| 民法 | 22 | 38 | 22 |
| 商法 | 16 | 29 | 11 |
| 民事訴訟法 | 35 | 19 | 5 |
| 刑法 | 22 | 31 | 20 |
| 刑事訴訟法 | 18 | 28 | 2 |
| 合計 | 149 | 181 | 91 |
2 重み2・1,項目数及び重みの合計
| 科目 | 重み2 | 重み1 | 項目数 | 重みの合計 |
|---|---|---|---|---|
| 憲法 | 16 | 0 | 68 | 241 |
| 行政法 | 18 | 0 | 69 | 244 |
| 民法 | 4 | 0 | 86 | 336 |
| 商法 | 14 | 1 | 71 | 258 |
| 民事訴訟法 | 4 | 0 | 63 | 274 |
| 刑法 | 11 | 0 | 84 | 316 |
| 刑事訴訟法 | 8 | 0 | 56 | 224 |
| 合計 | 75 | 1 | 497 | 1893 |
重み1~5の件数をそれぞれn1~n5とすると,項目数N=n1+n2+n3+n4+n5,重みの合計W=n1+2n2+3n3+4n4+5n5である。
上の二表は各行から再計算した同じ7記事の集計であり,重みのない一般的指摘を混ぜていない。
3 本記事としての整理
本記事では,制度や規範を挙げるだけでなく,具体的な事実の法的意味を示して結論まで接続することが,各記事を読む際の共通の着眼点と整理する。
例えば,憲法の番号62は審査密度と具体的検討の一致,民事訴訟法の番号42・44は反論・反証と終結遅延の接続,刑事訴訟法の番号54は事実の法的意味から結論までの筋道を扱っている。
項目数は設問数や資料の記述,項目の切り分け方及び条件付き分岐にも左右される。
重みの合計を公式配点,予測得点,難易度又は合格可能性へ換算せず,一つの答案が全項目を満たすとの前提にも立たない。
第3に記載した設問間の配点割合と,本記事が集計する重みの合計とは別の数値である。
第6 関連記事
①令和7年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)
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第7 出典
1 公式資料
①法務省・令和3年司法試験の実施について
②法務省・令和3年司法試験問題(公法系)
③法務省・令和3年司法試験論文式試験出題の趣旨
④法務省・令和3年司法試験の採点実感(公法系)
⑤令和3年司法試験の実施日程
⑥法務省・令和3年司法試験問題
⑦令和3年司法試験論文式問題・民事系科目(第1問:物理1~4頁)
⑧法務省・令和3年司法試験の採点実感
⑨令和3年司法試験の採点実感・民事系科目(第1問:物理1~7頁)
⑩令和3年司法試験・刑事系科目問題
⑪令和3年司法試験の採点実感・刑事系科目
2 確認状態
本記事は,令和8年10月8日時点の7子記事の本文,公開評価表,重みの分布,設問指定及び出典欄から整理したものである。
評価表の番号の連続性,重み1~5の件数,総項目数,重み5の全事項及び重みの合計を照合し,各子記事の分布説明と一致することを確認した。
公式資料リンクは応答と最終URLを確認し,年度別ページ及びPDFの識別部分から資料名・年度・科目を照合した。
このリンク確認と,公式資料の問題・要求を全科目について独立に再審査することは別であり,本ハブは後者を行ったものではない。
評価項目の抽出,重み付け及び答案の採用構成は各子記事の独自分析である。
法令・裁判例の原文確認の範囲と資料上の限界は,各子記事の第7に示されている。
本ハブでは判決原文や法令条文を直接引用せず,子記事の評価項目と分析を案内している。