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国税庁をかたるメール・SMS・電話の見分け方―税務署が本当に使う連絡方法と被害後の対応(AI作成)

第1 最初に確認すること

1 対象と基準日

本記事は,国税庁,税務署又はe-Taxをかたるメール,ショートメッセージ(SMS),チャット及び電話を受け取った人が,その連絡をどう判断し,操作してしまった場合にどう動くかを説明する。
令和8年11月2日に確認した国税庁の注意喚起,オンラインツールの案内,e-Taxホームページの案内,国税庁メールマガジン第257号並びに情報処理推進機構及び日本サイバー犯罪対策センターの資料を基にしている。

2 結論

①国税庁は,SMSにURLを記載した案内を送信することはなく,国税の納付の求めや差押えに関してSMS,メール又はLINEのメッセージを送信することはないと説明している。
②国税庁は,還付金の受取りや納付のためにATMの操作を求めることはなく,納付のために金融機関の口座を指定して振込みを求めることもないとしている。
AI・自動音声による電話で納付を求めることも行っていないとしている。
③他方で,国税庁のオンラインツールの案内によれば,税務調査等では,納税者が希望した場合に限ってメールが使われることがある。
「税務署がメールを使うことは一切ない」と覚えると,かえって判断を誤る。
④リンクを押した,情報を入力した,アプリを入れた,支払ったという場合の対応は,操作の内容,入力した情報の種類及び支払手段によって異なる(第4)。
国税庁の注意喚起とe-Taxの案内のページ自体には操作後の手順はなく,案内先の情報処理推進機構の資料が,リンクを押しただけの場合の影響並びに情報を入力した場合及びAndroid端末に不正なアプリを入れた場合の対処を説明している。
第4では,資料の説明と本記事の整理を区別して示す。

第2 偽の連絡の典型

国税庁メールマガジン第257号は,件名に「【至急】」「【確認】」「【警告】」などと記載し,「還付金がある」「未納税額がある」「申告漏れの可能性がある」「e-Taxのパスワードの変更が必要である」などとするものが多いが,内容やデザインは様々であるとしている。
e-Taxホームページは,実際のe-Taxのキャラクターやロゴを表示する手口も確認されているとしている。
同ホームページは,国税不服審判所をかたるメール等の事例も挙げている。
国税庁の注意喚起は,次の事例を挙げている。

①未納の国税を納付しなければ財産の差押えを行う旨のメールや,還付金の振込先等の入力を求めるメールから,偽のホームページへ誘導する事例。
②e-Taxから送付されるメールを模した文面から誘導する事例。
③税務調査を行う旨のメールから,税務署をかたったアカウントに送金を求める事例。
④国税庁職員をかたり,チャットアプリを用いて税務調査について連絡する事例。
⑤「国税局査察部です。税金の未納があります。」と電話で切り出し,個人情報を聞き出そうとする事例。

メールの送信元に表示される名称は,送信者が設定できる。
メールマガジンは,「国税庁」「e-Tax」などの表示名だけで正当なメールと判断せず,送信元表記を開いて送信アドレスも確認するよう求めている。
もっとも,e-Taxホームページは,不審なメールが「送信元表記のアドレス」や「表示名」を「e-Tax」に装っていると説明している。
送信元の表示が公式に見えることだけで,本物と判断することもできない。

第3 本物の連絡との違い

1 e-Taxからのメール

国税庁の注意喚起によれば,e-Taxは,メールアドレスを登録している人へ,メッセージボックスにお知らせ等が格納された場合に,e-Taxホームページ等の案内に掲載されたパターンのメールのみを送信している。
国税庁の注意喚起によれば,e-Taxから送信するメールにファイルを添付することはなく,原則としてメール本文内にURLも記載していない。
e-Taxホームページによれば,e-Taxから送信するメールの送信元表記は,全て「e-Tax(国税電子申告・納税システム)<[email protected]>」である。
本記事の整理としては,メールを受け取っても,メール内のリンクからではなく,自分で公式のe-Taxを開いてメッセージボックスを確認すれば足りる。

2 税務調査等でのオンラインツール

国税庁は,税務調査のほか,行政指導,滞納整理及び査察調査等において,必要に応じてメールを利用している。
ただし,納税者が利用を希望した場合にのみ利用し,同意なくメールを送信することはないとしている。
オンラインツールのQ&A(令和8年7月)の問19は,税務調査等のメールの例として,日程調整,準備する資料の連絡や資料の提出依頼,税務署等の担当者への連絡依頼,TeamsやPrimeDriveのURLの連絡及びキャッシュレス納付の利用勧奨を挙げ,税務調査における事前通知は原則口頭で行うとしている。
第1の2の①の説明との関係は,これらの案内には書かれていないが,本記事の整理としては,利用に同意していない人へ納付や差押えを求めるメールが届いた場合は,偽物として扱う。
「税務行政におけるオンラインツールの利用について」(https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/onlinetool/index.htm )によれば,オンラインツールの利用は,税務署等の担当者と利用者双方の合意がある場合に限られる。
したがって,自分で担当者と利用に合意した覚えがないのに税務調査のメールが届いた場合は,まず偽物を疑う。
本記事の整理としては,合意している場合でも,送金や口座情報の入力を求める内容であれば,別の連絡手段で担当者に確認する。
同Q&Aの問12によれば,税務署等の職員が使用するメールアドレスのドメインは「nta.go.jp」に限られるので,税務署等を名乗るメールを受信した場合はドメインを確認する。
もっとも,第2のとおり送信元の表示は装われることがあるので,このドメインに見えることだけで本物と判断しない。

3 電話と文書

国税庁は,税務職員が電話で問合せをする場合は,提出された申告書等を基に内容を本人に確認することを原則としているとする。
税務職員を名乗る者から電話があり不審に思った場合には,即答を避け,相手の所属部署,氏名,電話番号を確認して一旦電話を切り,最寄りの税務署の総務課又は国税局の納税者支援調整官に問い合わせるよう案内している。
本記事の整理としては,折り返すときは,相手が伝えた番号ではなく,国税庁ホームページで調べた番号を用いる。
国税庁の注意喚起によれば,文書による照会には,原則として,国税局(所)名や税務署名,業務センター名が印字された封筒を使用している。

第4 操作してしまったときの対応

1 公式の案内の範囲

国税庁のメールマガジン第257号は,アプリのダウンロード,リンクのクリック,添付ファイルの開封などを行うと,情報を抜き取られたり,詐欺やウイルス感染などの被害を受けるおそれがあるとしている。
もっとも,国税庁の注意喚起とe-Taxの案内の二つのページ自体には,操作してしまった後の個別の手順の記載はない。
国税庁の注意喚起は,手口や対策について,情報処理推進機構,日本サイバー犯罪対策センター及びフィッシング対策協議会のページを案内している。
案内先のうち,情報処理推進機構「国税庁をかたる偽ショートメッセージサービス(SMS)や偽メールに注意」(令和4年10月31日公開)は,情報を入力した場合と,Android端末に不正なアプリをインストールした場合の対処を説明している。
以下では同資料の対処を示し,同資料にない部分は,本記事が一般的な対応を整理したものとして区別する。

2 リンクを押しただけのとき

情報処理推進機構は,偽サイトにアクセスしただけで,表示に沿って操作せず,何も入力していなければ影響はないとしている(同資料「よくある質問」1)。
本記事の一般的な整理としては,それ以上の入力をせず,画面を閉じる。
受信したメールやSMSは,相談のために削除せず残しておく。
押したときに何かがダウンロードされ,又はアプリの導入を求められた場合は,4を確認する。

3 情報を入力したとき

情報処理推進機構は,フィッシングサイトに入力した情報は取り返すことができないとして,入力した情報に応じた対処を求めている。

①プリペイドカードの発行番号:必要に応じてカードの発行元又は最寄りの消費生活センターに相談する。
②クレジットカード情報や認証コード:不正使用がないか確認し,不安があれば,カード機能の一時停止や番号変更などをクレジットカード会社へ連絡することを検討する。
③個人情報:さらなる被害につながる不審なメールやSMSが届く可能性があるので,詐欺などの手口に注意する。
④携帯電話会社のアカウント認証情報(電話番号,パスワード,暗証番号):可能であればパスワード及び暗証番号を変更し,変更できない場合は携帯電話会社へ相談する。
身に覚えのない決済や登録情報の変更がないかも確認する。

同資料にない部分について,本記事の一般的な整理としては,e-Taxのパスワード等は正規の画面から変更し,インターネットバンキングの情報は金融機関へ連絡する。
他のサービスでも同じパスワードを使っていれば,そのサービスでも変更する。

4 アプリを入れたとき,遠隔操作を許したとき

情報処理推進機構は,Android端末に不正なアプリをインストールした場合の対処として,次のものを挙げている。

①スマートフォンを機内モード(Wi-Fi接続もオフ)にする。
②機内モードのまま,設定アプリのアプリ一覧から不正なアプリを探してアンインストールする。
③インストール以降に携帯電話会社等のサービスから登録や変更に関するメールやSMS等が届いていた場合は,そのサービスの提供会社へ不正使用の有無等を確認する。
SMSは初期化で消えるので,初期化の前に確認する。
④より安全な対処として,スマートフォンを初期化する。
写真や動画などは別メディアに保存しておき,復元には不正なアプリをインストールした時点より前のバックアップを使う。
⑤初期化後に,スマートフォンで利用しているサービスの各アカウントのパスワードを変更する。
⑥身に覚えのないキャリア決済の請求がないか,携帯電話会社に確認する。

同資料はiPhone等の対処を示していない。

日本サイバー犯罪対策センターの「偽アプリの導入による金銭被害」(令和8年10月15日公開)は,被害を確認した場合は警察に通報・相談し,可能であれば直ちに偽アプリを削除するよう案内している。
パソコンに遠隔操作ソフトを入れた場合や遠隔操作を許した場合の端末の扱いは,サポート詐欺(偽のセキュリティ警告)に遭ったとき―画面の閉じ方,遠隔操作された端末の扱い,支払方法別の対応及び事業者の漏えい等報告が参考になる。
本記事の一般的な整理としては,会社や法律事務所の端末であれば,個人の判断で初期化せず,管理者に連絡する。
情報漏えいの調査を行う場合は,調査が終わるまで端末を保存する。

5 支払ってしまったとき

本記事の一般的な整理としては,振り込んでしまった場合は,直ちに自分の金融機関,振込先の金融機関及び警察へ連絡する。
組戻し,口座凍結,被害回復分配金及び銀行補償の違いは,詐欺で送金してしまった直後の対応―組戻し・口座凍結・被害回復分配金・銀行補償の違いで説明している。
電子マネーやクレジットカードで支払った場合は,発行会社又はカード会社及び警察へ連絡する。

6 記録を残す

本記事の一般的な整理としては,次の記録を残す。

①受信したメール,SMS及び着信履歴。
②入力した情報の種類と時刻。
③支払の明細。
④連絡した先と日時。

第5 事務所・会社で受け取ったとき

税理士事務所,法律事務所及び経理担当者には,「至急」「未納」「税務調査」という文言が業務上の連絡に見えやすいと考えられる。
本人が判断に迷う連絡は,開封前に担当者へ確認する運用にしておくことが望ましい。
情報が漏えいした可能性があるときは,個人情報漏えいの通知を受けたら―流出項目別の対処,二次被害の防止と証拠保存,法律事務所のサイバー事故初動チェックリスト―発覚後10分・当日中・後日に行うことも確認する。

第6 出典

国税庁「国税庁をかたった偽メールにご注意ください」(https://www.nta.go.jp/information/attention/attention.htm )
e-Tax「e-Taxを装った不審なメール等にご注意ください」(https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/2024/topics_hushinmail.htm )
国税庁「税務行政におけるオンラインツールの利用について」(https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/onlinetool/index.htm )
国税庁「税務行政におけるオンラインツールの利用に関するQ&A(令和8年7月)」(https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/onlinetool/pdf/08.pdf )
国税庁メールマガジン第257号(令和8年11月2日)
情報処理推進機構「国税庁をかたる偽ショートメッセージサービス(SMS)や偽メールに注意」(令和4年10月31日公開。https://www.ipa.go.jp/security/anshin/mgdayori20221031.html )
日本サイバー犯罪対策センター「偽アプリの導入による金銭被害」(令和8年10月15日公開。https://www.jc3.or.jp/threats/examples/article-719.html )