第1 本記事の対象と結論
1 対象とする文書
(1) 文書の名称,作成主体及び形式
本記事が対象とするのは,日本弁護士連合会(以下「日弁連」という。)が2022年(令和4年)3月17日付けで取りまとめた「法曹人口政策に関する当面の対処方針~司法試験合格者数の更なる減員に関する検証結果~」(以下「対処方針」という。)である。
日弁連のウェブサイトでは「意見書等」の区分に掲載されており,本体(印字頁1頁~7頁),別紙「論点項目ごとの検討結果」(8頁~48頁)及び別添(49頁~57頁)から成る。
作成の経過は,日弁連の法曹養成制度改革実現本部内に置かれた法曹人口検証本部が検討し,理事会での意見を踏まえて各弁護士会及び関連委員会へ意見照会を行ったというものである(対処方針2頁~3頁)。
別添1によれば,同本部の会議は2020年度に7回,2021年度に10回開かれた(対処方針49頁)。
(2) 対処方針の結論
対処方針の結論は,「現時点において,司法試験の合格者数に関して,更なる減員を提言しなければならない状況にはない。」というものである(対処方針3頁)。
同時に,合否の判定は近年の合格者数の維持を所与の目標とせず,司法試験法1条に基づいて厳正に実施されるべきであるとも述べている。
2 本記事の結論
(1) データの扱いに見られる偏り
本記事では,対処方針は客観的なデータを公平に取り扱ったものとはいえないと考える。
対処方針は数値を作り出した文書ではなく,不利な数字の一部も本文に示している。
しかし,割合と実数のどちらを示すか,どの年を比べるか,どの資料を証拠として採るか,検証の基準をどう読むかという,解釈を選ぶ場面のほとんどで,更なる減員は不要という結論に沿う選択がされている。
さらに,資料一覧に挙げながら本文で一度も使っていない資料のなかに,結論と逆の方向に働き得るものが多く含まれている。
(2) 主な問題点
本記事が指摘する主な問題点は,次のとおりである。
①割合の上昇だけを示し,弁護士が関与する件数の減少を示していない(第3の1)。
②弁護士1人当たりの事件数の資料を集めながら,本文で使っていない(第3の2)。
③訴訟外業務の「顕著な拡大」を,金額の大きさを示さない増減率から導いている(第3の4)。
④質問の仕方が異なる調査をつないで所得の「上昇」を述べ,弁護士白書自身の注意書きを落としている(第4の1)。
⑤質を測る資料が無いと認めながら「低下はない」と結論づけ,苦情の割合の上昇を「横ばいないし減少」とまとめている(第5の1・2)。
⑥利用者による弁護士の評価など,質に近い資料を集めながら使っていない(第5の5)。
⑦教官等の実感は退け,関係団体のヒアリングは需要の根拠に採るという,論点によって異なる基準を用いている(第5の6)。
⑧2012年の日弁連の提言が定めた判断基準を,検証する側が事後に読み替えている(第6の1)。
⑨弁護士人口の将来予測,人口の増減率,他の資格や裁判官との収入の比較等,減員の判断に関わる資料を本文で扱っていない(第7の1・2)。
⑩意見照会の結果を示していない(第7の3)。
3 検証の基準日,資料及び方法
(1) 基準日と資料
調査の基準日は令和8年10月8日であり,対処方針が用いた資料の対象期間は主に2009年から2021年までである。
照合には,対処方針の全文のほか,対処方針が出典として挙げる日弁連『弁護士白書』の2019年版・2020年版の該当頁,『弁護士白書2021年版』(日弁連ウェブサイトに掲載された同書の抜粋PDFの作成日時は2021年12月であり,対処方針の取りまとめより前である。),日弁連の2012年3月15日付け「法曹人口政策に関する提言」(以下「2012年提言」という。)及び減員を求める弁護士会の公表文書を用いた。
本記事は,生成AIを用いて,これらの資料の数値と文言を1件ずつ照合して作成したものである。
(2) 「公平に取り扱う」の判定の仕方
本記事では,対処方針の結論の当否そのものではなく,結論に至るまでのデータの扱いが一方の立場に偏っていないかを検討する。
判定の目安としたのは,①同じ種類の指標を有利・不利の両方向で同じように扱っているか,②割合と実数,起点と終点の選び方が一貫しているか,③証拠として採る資料の基準が論点によって変わっていないか,④収集した資料のうち不利なものを本文で扱っているか,⑤2012年提言が定めた検証の基準に沿っているか,の5点である。
本記事で独自に計算した数値には,計算に用いた原資料の数値を併記する。
第2 対処方針に至る経緯
1 合格者数3,000人目標から1,500人程度まで
(1) 政府の目標と2012年提言
2002年3月19日に閣議決定された司法制度改革推進計画は,2010年ころの司法試験合格者数の目標を年間3,000人程度に置いていた(対処方針1頁)。
これに対し日弁連は,2012年提言で,合格者数をまず1,500人まで減らし,それ以上の減員は,法曹養成制度の成熟の程度,現実の法的需要及び問題点の改善の状況を検証しながら判断するとした(2012年提言2頁)。
2015年6月30日には,政府の法曹養成制度改革推進会議が,当面は1,500人程度の合格者が出るよう取組を進めるとした(対処方針1頁)。
(2) 合格者数の推移と検証本部の設置
司法試験合格者数は,2013年の2,049人から,2016年1,583人,2019年1,502人,2021年1,421人と推移した(対処方針1頁)。
日弁連は2020年9月に法曹人口検証本部の第1回会議を開き(対処方針49頁),2012年提言が残した「更なる減員」の要否の検証に入った。
この間の2021年3月3日には,埼玉,千葉県,札幌等の12弁護士会の会長が,政府に対して合格者数を更に減員する方針の採用を求める共同声明を出している。
2 対処方針の結論と三つの論点
対処方針は,2012年提言に倣い,「業務量・求人量」「司法基盤整備の状況」「法曹の質」の三つの論点ごとに検討し,これらを総合して結論を出したとする(対処方針2頁)。
業務量・求人量については,裁判に関係する業務の量に大きな変化は見られないものの,訴訟以外の業務が広がって求人の状況も大きく改善したことから,求人に表れる業務量があると推認した(対処方針4頁,18頁)。
司法基盤については,整備の進展の中に業務量の増加に結び付くものが現れており,取組がなお途上にある段階では減員を提言する状況にないとした(対処方針35頁)。
法曹の質については,収集した資料からは「2012年以降に弁護士の質が低下しているという事実を読み取ることはできなかった」とした(対処方針5頁,47頁~48頁)。
第3 業務量・求人量のデータの扱い
1 割合だけを示し,弁護士が関与する件数の減少を示していない
(1) 少年保護事件と破産事件
対処方針は,少年保護事件と破産事件について,事件数が減ったことと,弁護士が関与する割合が上がったことを並べて示している(対処方針10頁)。
同じ文中の数字を掛け合わせて弁護士が関与した件数を概算すると,次のとおり,割合が上がっても実数は減っている。
| 項目 | 対処方針が示す数字 | 弁護士が関与した件数の概算 |
|---|---|---|
| 少年保護事件 | 総人数53,632人(2010年)→19,589人(2019年),弁護士付添人が付いた事件の割合13.5%→25.7% | 約7,240→約5,034(約3割減) |
| 破産事件 | 開始決定129,576件(2010年)→78,415件(2019年),破産管財人の選任率29.2%→41.4% | 約37,800件→約32,500件(約14%減) |
(2) 概算の前提
上の概算は,対処方針が示す割合を同じ文中の総数に乗じたものであり,割合の分母が総数と完全に一致するとは限らない。
正確な件数は司法統計年報の原表で確かめる必要があるが,割合の上昇だけを示すと,弁護士の関与する件数が増えたかのように読める点に変わりはない。
2 弁護士1人当たりの事件数の資料を使っていない
(1) 収集されたが本文で使われなかった資料
対処方針の資料一覧には,「弁護士1人あたりの事件数及び人口10万人あたりの事件数」(資料番号「業-2」)が挙げられている(対処方針50頁)。
しかし,別紙の本文に「業-2」の引用や弁護士1人当たりの事件数への言及はない。
(2) 同じ資料から計算した1人当たりの件数
過払金等事件を除いた地裁の民事第一審通常訴訟の新受件数を見ると,2010年は92,417件,2019年は96,132件である(対処方針9頁)。
弁護士数は2010年3月31日現在28,789人,2019年3月31日現在41,118人である(『弁護士白書2021年版』38頁)。
これで割ると,弁護士1人当たりの件数は約3.21件から約2.34件へと約27%減少する。
対処方針は訴訟外業務の拡大を論拠としているので,この数字だけで業務量を判断することはできないが,業務量を論じる際の基本的な指標の一つが示されていないことは,データの扱いとして不足がある。
3 「総体として大きな変化なし」というまとめ
(1) 刑事事件の減少
刑事事件の総数は,地裁で62,840件から48,751件(約22%減),簡裁で9,876件から4,511件(約54%減)と示されている(対処方針10頁)。
それにもかかわらず,業務量のまとめでは,裁判関係事件の業務量は総体として大きな変化があるとまでは認められないとされた(対処方針17頁)。
刑事・少年の減少を家事事件の増加等と合わせて「大きな変化なし」と評価するのであれば,どの程度の増減を「大きな変化」とみるかの基準が示される必要があった。
(2) 法律相談の件数の示し方
対処方針は,弁護士会等の法律相談件数が近時ほぼ横ばいないし若干減少していることを示す一方,弁護士ドットコムの累計法律相談件数が2017年9月時点で約58万件であることを並べている(対処方針10頁)。
累計の件数は年ごとの増減を示さないので,弁護士会の法律相談の減少と比べる材料にはならない。
減少を示す数字の隣に,推移を示さない数字を置いても,需要の増減は判断できない。
4 訴訟外業務の「顕著な拡大」の根拠
(1) 増減率だけの比較
対処方針は,経済的基盤調査の結果として,2009年からの10年間に,弁護士個人の民事事件の業務別収入の総額が,財産管理案件と裁判所案件では45%程度減少し,契約書案件等とADR・交渉等では5%~30%程度増加したとする(対処方針12頁)。
そして,業務量のまとめでは,「訴訟外業務の顕著な拡大が認められる」とした(対処方針17頁)。
しかし,各類型の金額は示されておらず,45%の減少と5%~30%の増加を差し引くと全体が増えたのか減ったのかは,対処方針の記載からは分からない。
(2) 収入の大きさ
『弁護士白書2021年版』の特集によれば,2019年の弁護士1人当たりの民事事件収入の平均値は,訴訟・調停等の裁判所案件が625万1,000円であり,契約書作成・契約締結交渉等の非紛争案件(565万1,000円)や,紛争の交渉・ADR等(512万1,000円)より大きい(同書19頁)。
2019年の時点でもなお最も大きい裁判所案件を含む類型が45%程度減ったとされているのであれば,5%~30%程度増えた類型だけを取り上げて「顕著な拡大」とすることは,全体の業務量の評価として不十分である。
(3) 調査の範囲を超えた推論
対処方針自身,この数字は弁護士個人の事業収入に関するもので,給与収入や弁護士法人の収入を含まないと注記している(対処方針12頁)。
それにもかかわらず,組織内弁護士と弁護士法人の業務を加えれば訴訟外業務の割合は更に増加しているものと考えられるとして,数字の無い部分まで同じ方向に推論している(対処方針22頁)。
5 比較の起点と終点
(1) 民事訴訟の新受件数の山
過払金等事件を除く新受件数を年ごとに見ると,2016年100,947件,2017年103,262件,2018年99,809件,2019年96,128件である(『弁護士白書2021年版』112頁)。
2019年の数値が対処方針の9万6,132件と異なるのは,白書の版の違いによる(第8の2(1))。
2010年と2019年だけを比べると4.02%の増加となるが,2017年を山として2019年までは減少していたことは,この比較からは見えない。
2010年から2014年までは9万件前後であったから,2010年を起点とすること自体は不自然ではない。
(2) 指標ごとに異なる比べ方
市民窓口への苦情については2016年を山として「減少傾向」とし,懲戒処分の件数についても2016年を山として「減少傾向」とする一方,懲戒処分の割合は2009年と2018年の比較で示している(対処方針43頁~44頁)。
どの年を比べるかを指標ごとに変えると,結論に合う比べ方を選んだのではないかとの疑問を招く。
第4 所得のデータの扱い
1 質問の仕方が異なる調査をつないだ「上昇」
(1) 弁護士白書自身の注意書き
対処方針は,2010年・2020年の経済的基盤調査と,その間の2014年・2018年の弁護士実勢調査の数値をつなぎ,「収入・所得ともに2019年までに上昇に転じている」とした(対処方針13頁)。
しかし,対処方針の取りまとめより前に作成された『弁護士白書2021年版』の特集は,同じ数値を掲載した上で,各調査で収入の問い方が異なるため,「比較する際には注意が必要である」と注記している(同書12頁)。
対処方針には,この注意に当たる記載がない。
(2) 回収率の不記載
2020年の経済的基盤調査の回収率は18.3%である(同書2頁)。
対処方針は,所得・労働時間・業務別収入の多くをこの調査に依拠しながら,回収率に一度も触れていない。
2 所得総額という指標
対処方針は,国税庁統計年報によれば,確定申告をした弁護士の所得総額が2017年以降は2009年の約3,030億円を超え,2019年には約3,278億円になったことを挙げる(対処方針13頁)。
同じ頁の平均値(2009年1,190万円,2019年1,060万円)で総額を割り戻すと,確定申告をした弁護士の数は約2万5,500人から約3万900人へと約21%増えており,総額の伸び(約8%)を上回る。
所得総額が増えたことは,1人当たりの所得が増えたことを意味しない。
3 1979年から1999年までの比較
対処方針は,1979年から1999年までの間は弁護士が増えても収入・所得が伸びていたことを挙げ,「弁護士が増えると収入・所得が下がるという関係には必ずしもない」とする(対処方針12頁~14頁)。
しかし,この比較について物価の変動を調整した旨の記載はなく,弁護士数以外の経済情勢の影響を区別しないまま,弁護士数と所得の関係を論じている。
4 弁護士白書の調査に表れた弁護士自身の回答
(1) 10年前との比較
『弁護士白書2021年版』の特集は,2020年の経済的基盤調査で,自身について10年前と比較して,他の弁護士との顧客獲得の競争が厳しくなった,弁護士としての経済状況が悪化した,顧問先の獲得が難しくなったと答えた者が多いことを紹介している(同書27頁)。
対処方針は同じ調査の数値を所得や労働時間について使っており,この特集も対処方針より前に作成されていたが,この回答には触れていない。
(2) 顧問先の減少の要因
同じ特集は,顧問先を持っているとの回答が2000年調査の80.6%,2010年調査の63.5%から2020年調査の57.5%へ下がったことについて,2010年調査が弁護士数の大幅な増加等を要因に挙げていたことを紹介し,今回の減少は「同様の要因が持続して存在しているためと考えられる」としている(同書10頁)。
弁護士数の増加が業務の環境に影響していることを示唆するこの記載は,対処方針の「弁護士が増えると収入・所得が下がるという関係には必ずしもない」という整理と緊張関係にあるが,対処方針では検討されていない。
第5 法曹の質のデータの扱い
1 質を測る資料が無いまま「低下はない」と結論づけている
(1) 対処方針が退けた指標
対処方針は,司法試験の答案の経年変化を客観的に示す資料は見当たらず,合格点・平均点・中央値・偏差値,合格率,司法研修所教官等の実感及び二回試験の不合格者数のいずれからも,質の変化は読み取れないとした(対処方針39頁~40頁)。
直接に質を測る資料が無いことを,対処方針自身が認めている。
(2) 代わりに用いた指標
その上で対処方針は,制度が整備・充実していれば質の維持・向上が図られている蓋然性が高いという間接的な論証を用い(対処方針38頁),苦情・懲戒・紛議調停の件数,就職状況,企業内弁護士の数,海外ロースクールへの派遣者数,人権擁護活動の報告書の項目の追加,法テラスの契約弁護士数等を挙げた(対処方針43頁~47頁)。
これらの多くは人数や件数であり,質そのものの指標ではない。
質の低下を検出できる資料が乏しい状態で「低下は見いだせなかった」と述べることは,低下が無かったことの証明とは区別して読む必要がある。
2 苦情の割合の上昇を「横ばいないし減少」とまとめている
市民窓口の相談受付件数を弁護士総数に対する割合でみると,2009年が33.9%,2018年が35.6%であり,2016年の38.8%が最も高い(対処方針44頁)。
2009年と2018年を比べれば割合は上がっているが,対処方針の小括では,市民窓口相談件数,綱紀懲戒件数及び紛議調停件数は横ばいないし減少しているとまとめられ,市民の信頼を損なう質の低下は無いと結論づけられた(対処方針44頁,47頁)。
3 懲戒の数字が質の変化を映すまでの時間と分母
懲戒処分を受けた者は,2015年と2018年には経験10年から20年未満の層が,2016年と2017年には経験20年から30年未満の層が最も多い(対処方針44頁)。
2012年以降に登録した世代は,2018年の時点ではまだ経験の浅い層にとどまるから,その世代の質の変化が懲戒の数字に表れるには時間がかかる。
また,若手の弁護士が急増すると分母が大きくなるため,弁護士総数に対する懲戒処分の割合は下がりやすい。
対処方針自身も,経験10年未満の層の懲戒処分数が2015年から2017年まで増加傾向にあり,2018年に減少したことを記載しているが(対処方針44頁),小括の評価には反映されていない。
4 選抜の厳しさの低下を論じていない
(1) 受験者数と合格者数の比
司法試験の受験者数は2011年の8,765人から2021年の3,424人へ減少し(対処方針42頁),合格者数は同じ期間に2,063人から1,421人へ減少した(『弁護士白書2021年版』55頁~57頁)。
受験者数を合格者数で割ると,約4.25倍から約2.41倍に下がったことになる。
対処方針は,受験者数の減少は法科大学院の定員削減等の結果であり,制度改革上ある程度予想されていたとし,法科大学院の入試の競争倍率もおおむね2倍以上を保っているとした(対処方針41頁~42頁)。
選抜の段階での競争の度合いが下がったこと自体の評価は示されていない。
(2) 減員を求める側が示した合格率
前記の12弁護士会会長共同声明は,合格率が2011年の23.5%から2020年の39.2%へ上昇したことを挙げ,合格者数の確保が質の確保より優先されていると指摘していた。
対処方針は,合格率だけからは質の変化を読み取れないとしてこの種の指摘に応じているが,合格率の上昇が選抜の厳しさの低下を意味する面についての検討は示していない。
(3) 法学部以外の出身者
法科大学院修了者に限った統計では,法学部以外の学部の出身者の合格者は2011年の374人から2021年の132人へ減っている(『弁護士白書2021年版』56頁,予備試験を経た合格者を含まない数)。
対処方針は法曹の多様性の確保を課題に掲げているが(対処方針3頁),この数字には触れていない。
5 質に近い資料を集めながら使っていない
(1) 利用者による弁護士の評価
対処方針の資料一覧には,「「2016年民事訴訟利用者調査」から見る弁護士の評価について(メモ)」(質A-28)が挙げられている(対処方針57頁)。
訴訟を利用した人が弁護士をどう評価したかは,件数や人数よりも質に近い資料であるが,別紙の本文に質A-28の引用はない。
(2) 懲戒手続の資料
同じく「異議申立件数」(質A-16),「綱紀懲戒審査申出事案処理の内訳」(質A-17)及び「弁護士及び弁護士法人の数に対する懲戒処分数の割合の推移」(質A-29)も資料一覧に挙げられているが(対処方針56頁~57頁),本文に引用はない。
懲戒処分の件数と割合だけを示し,懲戒手続の他の段階の資料を示さない理由は説明されていない。
6 証拠として採る資料の基準が論点によって違う
(1) 実感を退けた理由
対処方針は,最高裁判所の司法修習委員会の議事録にも,修習生の質が年ごとに変わったことに触れた部分はないとした(対処方針40頁)。
その上で対処方針は,教官や法科大学院教員が質の低下を語っていることについて,「実感」は資料として客観化することが難しい上,これと異なる評価をする意見もあるとして,質の変化の根拠とはしなかった(対処方針40頁)。
(2) 需要の根拠として採ったヒアリング
他方,業務量と司法基盤の検討では,日本組織内弁護士協会(JILA),日弁連リーガル・アクセス・センター及び日弁連中小企業法律支援センターからのヒアリングの結果や,若手弁護士の三つの活動例が,需要が拡大している根拠として用いられている(対処方針19頁,25頁,27頁,31頁)。
例えば,企業の求人に対して企業内弁護士としての応募数が不足しているとの指摘は,ヒアリングで述べられた評価として本文に取り込まれている(対処方針25頁)。
いずれも関係団体の評価であり,客観化の難しさという点では教官等の実感と大きく異ならない。
質の論点では退けた種類の資料を,需要の論点では採用しているから,証拠として採る基準が論点によって異なっている。
第6 司法基盤と需要の見通しの扱い
1 「具体的・現実的な予測」の読み替え
(1) 2012年提言の基準
2012年提言は,民事司法改革の諸課題について,それぞれの実現の状況や弁護士の業務量への反映の程度などを勘案し,「具体的・現実的な予測のもとに」適正な合格者数を決めるべきであるとしていた(2012年提言18頁)。
ここでいう諸課題には,裁判官・検察官の大幅な増員のほか,裁判所の支部,民事法律扶助及び弁護士費用保険の充実や,訴えを起こす際の手数料の引下げ等が含まれていた(対処方針18頁)。
(2) 対処方針による位置付けの変更
対処方針は,この基準について,2012年提言の司法基盤が裁判所やADRによる解決を中心に捉えられ,立法や予算措置が重視されていたためだと考えられると位置付けた(対処方針33頁)。
その上で,弁護士の多様で柔軟な活動によって,立法や予算措置をすぐには要しない訴訟外の業務が発展し,新たな司法基盤が形成されていくとした(対処方針33頁~34頁)。
この考え方では,弁護士が増えて活動を広げること自体が基盤を生むことになるため,司法基盤の不足を理由に減員が必要と判断される場面が想定しにくくなる。
検証の基準を検証する側が事後に読み替えることは,検証の中立性に疑問を生じさせる。
2 企業内弁護士の数と上場企業の数の比較
(1) 対処方針の比較
対処方針は,日本組織内弁護士協会からのヒアリングとして,上場企業が約3,800社あるのに対し,企業内弁護士は約2,700人にとどまる(この数には上場企業以外の法人に勤める者も含まれる。)との説明を紹介している(対処方針25頁,33頁)。
そして,企業内弁護士は上場企業の数の7割程度にとどまっているから,企業の需要はこれからも増えると見込んだ(対処方針35頁)。
(2) 比較の基準の問題
上場企業1社に企業内弁護士1人という基準を置く根拠は示されていない。
しかも,約2,700人には上場企業以外の法人に勤める者が含まれているから,上場企業の数と比べる数字として揃っていない。
企業内弁護士の数は本文の別の箇所では2019年の2,418人とされており(対処方針15頁),比較の場面だけ2020年のヒアリングの数字が使われている。
3 弁護士費用保険の販売件数
(1) 対処方針の記載
対処方針は,弁護士費用保険が大きく発展した根拠として,協定保険会社の2020年の販売数が年間約2,800万件に上ることを挙げる(対処方針19頁)。
同じ箇所では,協定保険会社から弁護士への支払額を約300億円超と推計している(対処方針19頁)。
(2) 販売件数と利用件数
『弁護士白書2021年版』によれば,弁護士費用保険は自動車保険等の特約として販売されており,販売件数は2019年度28,073,281件,2020年度29,102,608件である(同書231頁)。
弁護士の紹介や選任の報告を登録した日弁連リーガル・アクセス・センターの取扱件数は,2019年度40,879件から2020年度36,173件に減っている(同書231頁)。
特約の販売件数は弁護士への依頼の件数ではなく,弁護士の業務量に近いのは取扱件数の方であるが,対処方針は取扱件数については2019年度の約4万件に触れるにとどまり,減少には触れていない。
4 地方の新規登録の減少と減員の関係
(1) 対処方針の推論
対処方針は,新規登録者の約1,000人が東京,大阪,愛知及び福岡の弁護士会に登録している状況では,合格者数を今より減らせば地方の問題が一層深刻になる可能性があるとした(対処方針35頁)。
同時に,この問題は弁護士人口の増加だけで解決されるものではないとも述べている(対処方針22頁,35頁)。
(2) 推論を支えるデータの有無
この推論を裏付ける,減員した場合に地方への登録がどう変わるかについての分析は示されていない。
合格者数が1,800人程度から1,500人程度へ減った間に,4大都市圏への新規登録の割合は約7割から約7割5分へ上がっている(対処方針4頁)。
減員分が主に大都市圏で吸収される可能性も,地方の採用が少ないことが地方の需要の弱さを反映している可能性も,同じデータから読み取り得る。
第7 結論と逆の方向に働き得る資料の扱い
1 収集しながら本文で使わなかった資料
対処方針の資料一覧(別添2)に挙げられながら,別紙の本文に資料番号での引用がなく,内容にも触れられていない資料のうち,減員の要否の判断に関わるものは次のとおりである。
| 資料番号 | 資料一覧の標目 | 関わる論点 |
|---|---|---|
| 業-2 | 弁護士1人あたりの事件数及び人口10万人あたりの事件数 | 業務量(1人当たり) |
| 業-9 | 都道府県別弁護士1人あたりの人口 | 地域の需要 |
| 業-11-2 | 若手弁護士の就業状況調査(収入、就業形態等) | 若手の収入・就業 |
| 業-11-3 | 弁護士センサス(収入、事件数、労働時間等) | 収入・業務量 |
| 業-13 | 請求による登録取消者数、請求理由 | 弁護士をやめる人の数と理由 |
| 業-16 | 弁護士1人あたりの県内総生産額・事業所数,税務申告所得額(法人・個人)と弁護士分布 | 地域の需要 |
| 業-17 | 都道府県別人口増減率 | 将来の需要 |
| 業-19 | 司法書士・平成27年の年収 | 他資格との比較 |
| 業-20 | 行政書士年間売上高(平成30年4月調査) | 他資格との比較 |
| 業-22 | 裁判官・検察官の収入との比較 | 収入の水準 |
| 司-24 | 弁護士人口将来予測-2021年に新規法曹を1,500人にした後1,500人を維持- | 将来の弁護士人口 |
| 司-25 | 登録換え・登録取消し件数の推移と弁護士数に占める割合 | 弁護士をやめる人の数 |
| 質A-16 | 異議申立件数 | 懲戒手続 |
| 質A-17 | 綱紀懲戒審査申出事案処理の内訳 | 懲戒手続 |
| 質A-28 | 「2016年民事訴訟利用者調査」から見る弁護士の評価について(メモ) | 利用者から見た質 |
| 質A-29 | 弁護士及び弁護士法人の数に対する懲戒処分数の割合の推移 | 懲戒の割合 |
資料一覧は対処方針50頁~57頁による。
資料一覧に載せた資料をすべて本文で論じる必要はないが,これらは業務量,収入,地域の需要,将来の人口及び質という,対処方針が検討した論点そのものに関わる資料である。
それを集めた上で本文で扱わず,扱わない理由も示していないことは,結論に不都合な資料を検討の外に置いたとの疑問を招く。
2 人口減少と弁護士人口の将来予測
(1) 2012年提言が示していた視点
2012年提言は,日本の社会が長い目で見て人口減少に向かうことは確実であるとし,弁護士の業務量が右肩上がりで急に伸びることは見込めないとしていた(2012年提言17頁)。
また,合格者数を1,500人にした場合の法曹人口の将来の見通しを数字で示していた(2012年提言2頁)。
(2) 対処方針における扱い
対処方針は,前記の業-17と司-24を資料一覧に挙げながら,本文ではいずれも分析に用いていない。
人口の動向は,今後注視すべき事項として結論部分に挙げられているにとどまる(対処方針3頁)。
司-24の出典である『弁護士白書2019年版』の予測は,合格者数1,500人を続けると,法曹人口の総数が2064年に6万4,272人で安定し,そのときの弁護士人口は5万7,358人になるとしていた(同書70頁~71頁)。
『弁護士白書2021年版』の予測では,弁護士人口は2048年に6万4,431人でピークに達するとされている(同書65頁~66頁)。
合格者数の減員の効果が弁護士人口に表れるまでには長い時間がかかるから,将来予測と人口の推計を並べた検討は,減員の要否を判断する材料として欠かせないものであった。
3 意見照会の結果と減員を求める意見
(1) 意見照会の結果の示し方
2012年提言は,意見照会において相当数の弁護士会から合格者数を1,000人にすべきだとの意見が出されたことを本文に記載していた(2012年提言15頁)。
これに対し対処方針は,各弁護士会への意見照会を行ったこと及び法曹人口検証本部の第7回会議(2021年12月6日)で回答結果を扱ったことを記載するにとどまり,回答の内容を示していない(対処方針3頁,49頁)。
(2) 減員を求める弁護士会の公表文書
意見照会の前後には,減員を求める立場の公表文書が出ていた。
札幌弁護士会は2021年3月31日の「法曹人口のあり方についての検証に関する提言書」で,年間1,000人程度を目標に合格者数を段階的に減少させるとした同会の2011年の臨時総会決議の結論を変更すべき環境にはないとした。
前記の12弁護士会会長共同声明も,民事訴訟の新受件数の減少や合格率の上昇を挙げて更なる減員を求めていた。
対処方針は,会内に司法基盤の整備に比して1,500人程度は過剰であるとの意見があることを紹介して反論しているが(対処方針33頁),これらの文書が挙げた個々のデータには個別に応じていない。
第8 文書内の数値の不一致と弁護士白書の版
1 対処方針の中の不一致
対処方針の中には,同じ事項について箇所によって数値や表記が異なるものがある。
| 事項 | 一方の記載 | 他方の記載 |
|---|---|---|
| 2012年の民事法律扶助の法律相談援助件数 | 27万1,554件(11頁) | 27万1,544件(20頁) |
| 2019年の地裁民事第一審通常訴訟の新受件数 | 13万4,935件,減少数8万7,659件(9頁) | 13万4,934件,減少数8万7,660件(22頁) |
| 4大都市圏の範囲 | 東京,大阪,名古屋,福岡(3頁) | 東京,大阪,愛知,福岡(15頁) |
| 企業内弁護士に占める60期代以降の割合 | 約9割(25頁) | 約8割(46頁) |
企業内弁護士の割合は,25頁が2019年の構成比から述べ,46頁が別の資料から述べている可能性があり,基準の違いによるものかもしれない。
いずれも結論を左右する差ではないが,同じ文書の中で数値が一致しない箇所が残っている。
2 弁護士白書の版による数値の違い
(1) 過払金等事件を除く新受件数
対処方針は,過払金等事件を除く2019年の新受件数を9万6,132件としている(対処方針9頁)。
これは対処方針が出典とした『弁護士白書2020年版』の数値と一致する(同書121頁)。
他方,『弁護士白書2021年版』では,同じ年の数値が9万6,128件に改められている(同書112頁)。
(2) 地裁の弁護士関与率
対処方針は,地裁の民事第一審通常訴訟の弁護士選任率を2019年は91.5%とする(対処方針9頁)。
これは『弁護士白書2020年版』が2019年の関与状況を全体で91.5%とするのと一致する(同書122頁)。
『弁護士白書2021年版』は,本文で2020年の関与状況を全体で91.5%としながら,同じ頁の表の総数欄では91.9%としている(同書113頁)。
白書の数値を引用するときは,版と頁を示し,後の版で改められていないかを確かめる必要がある。
第9 対処方針の側から考えられる反論と残る問題
1 データで裏付けられる事情
対処方針の結論を支える方向のデータも存在する。
一斉登録日から1か月後の弁護士未登録者は,第67期の317人(16.1%)から第72期の112人(7.5%)へ減っており,就職難が大幅に改善したことは数字で裏付けられている(対処方針14頁~15頁)。
企業内弁護士は2010年の428人から2019年の2,418人に増え,5大事務所への新規登録弁護士は2011年の約80人から2017年以降は約190人~210人になった(対処方針12頁,15頁)。
2 減員を求める側の立証の問題
質の低下を示す客観的な資料が乏しいことは,減員を求める側にとっても同じであり,質の低下を前提とする主張も,客観的な資料による裏付けが十分とはいえない。
また,就職難の改善は合格者数が約2,000人から1,500人程度へ減っていった時期と重なっており,1,500人程度の水準が当面の需要と大きくかい離していないことを示すとみる余地もある。
3 データの扱いとして公平といえる点
対処方針には,データの扱いとして公平といえる点もある。
過払金等事件を含む新受件数の39.38%減と,含まない件数の4.02%増の両方を示し(対処方針9頁),所得の平均値・中央値が2009年より低いこと,第73期の新規登録者がゼロの弁護士会が8会あること等も本文に記載している(対処方針4頁,13頁)。
二回試験の不合格者の割合(第70期以降1%未満)という結論に有利な数字も,合否の基準が公開されていないことを理由に質の根拠とはしておらず(対処方針40頁),採用条件や事務所を移った理由等の資料が無いことも明記している(対処方針15頁,45頁)。
4 反論を踏まえても残る問題
前記1・2の事情や前記3の点は,合格者数1,500人程度という結論が妥当かどうかに関わるものであり,データの扱いが公平であったかどうかとは別の問題である。
就職状況の改善や企業内弁護士の増加を認めても,第3から第7までで見た,実数を示さない割合の提示,比較の基準の不統一,証拠の採否の基準の違い,判断基準の読み替え及び結論と逆の方向に働き得る資料の不使用は,検証の手続の問題として残る。
対処方針は,2012年提言の示した検証項目に沿って「検証」した結果であると位置付けられているから,結論を支える事情があることは,これらの問題を解消する理由にならない。
5 本記事の検討の範囲
本記事は,2022年3月の対処方針が用いた資料と,その前後に公表された資料に基づいて,データの扱い方を検討したものである。
基準日の時点で,日弁連ウェブサイトの2023年から2026年までの「意見書等」の一覧には,題名に法曹人口を掲げた文書は見当たらない。
2022年以降の統計の推移により対処方針の結論の当否がどう評価されるかは,本記事では扱っていない。
第10 関連記事
司法試験合格者数の目標の経緯は,司法制度改革審議会意見書の実現状況―実現した改革と実現しなかった目標及び司法試験制度の改正経緯――旧司法試験から法科大学院・予備試験・在学中受験・CBTまでで扱っている。
新人弁護士の就職状況の数字は,弁護士未登録者数(新60期~第77期)と司法修習終了直後の進路(第54期~第78期)の推移で期別に整理している。
二回試験の不合格者数は,二回試験の不合格者数の推移等――3期から78期までの期別推移と科目別ランキングに掲載している。
法曹人口の国際比較の限界は,外国の司法制度と比べた日本の司法制度の特徴――米英独仏豪加との比較でみる構造,法曹人口及び裁判例で扱っている。
弁護士白書の統計を引用するときの注意は,日弁連「法科大学院を中核とする法曹養成制度の20年」の誤記でも取り上げている。
第11 出典・参考資料
1 日本弁護士連合会の文書
①日本弁護士連合会「法曹人口政策に関する当面の対処方針~司法試験合格者数の更なる減員に関する検証結果~」(2022年3月17日)本体1頁~7頁,別紙8頁~48頁,別添49頁~57頁(印字頁。PDFでは表紙と目次の2頁が前に付く。)
掲載ページ,対処方針全文(PDF)
②日本弁護士連合会「法曹人口政策に関する提言」(2012年3月15日)2頁,15頁~18頁
提言全文(PDF)
2 弁護士会の文書
①札幌弁護士会「法曹人口のあり方についての検証に関する提言書」(2021年3月31日)
提言書(要約版・PDF),提言書(PDF)
②埼玉弁護士会ほか11弁護士会の各会長「司法試験合格者数のさらなる減員を求める12弁護士会会長共同声明」(2021年3月3日)
共同声明(兵庫県弁護士会掲載・PDF)
3 統計・データ(弁護士白書)
①日本弁護士連合会『弁護士白書2019年版』70頁~71頁(弁護士人口の将来予測)
弁護士人口の将来予測(PDF)
②日本弁護士連合会『弁護士白書2020年版』121頁(民事第一審通常訴訟新受件数の内訳),122頁(地裁の弁護士の関与状況)
民事第一審通常訴訟事件の新受件数の推移(PDF),通常民事訴訟事件における弁護士の関与状況(地裁)(PDF)
③日本弁護士連合会『弁護士白書2021年版』特集1「近年の弁護士の活動実態について(「弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査2020」を元に)」2頁,10頁,12頁,19頁,27頁
特集1(PDF)
④日本弁護士連合会『弁護士白書2021年版』38頁(弁護士数の推移),55頁~57頁(司法試験合格者の状況),65頁~66頁(弁護士人口の将来予測),112頁(民事第一審通常訴訟新受件数の内訳),113頁(地裁の弁護士の関与状況),231頁(弁護士費用保険販売件数・LAC取扱件数の推移)
弁護士数の推移(PDF),司法試験合格者の状況(PDF),弁護士人口の将来予測(PDF),民事第一審通常訴訟事件の新受件数の推移(PDF),通常民事訴訟事件における弁護士の関与状況(地裁)(PDF),弁護士費用保険販売件数・LAC取扱件数の推移(PDF),基礎的な統計情報(2021年)の一覧