メインコンテンツへスキップ
       

令和7年度司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した51項目と5段階の重み付け(AI作成)

第1 この記事の対象と結論

本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,刑事系科目第2問(刑事訴訟法)を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。

本問は,住居侵入・窃盗事件の捜査で行われた逮捕に伴う3つの無令状捜索・差押え(設問1)と,公判前整理手続を経た公判で弁護人が証人の証言の証明力を争うために請求した2通の供述録取書に対する検察官の異議の理由(設問2)について,適法性や当否を論じさせるものである。

公式資料から抽出できた評価項目は51項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が水準を分ける点として取り上げた事項)に当たるのは,無令状捜索・差押えの実質的根拠についての自説,そこから導く「逮捕の現場」の解釈,最高裁平成8年1月29日決定のいう「同視」の理由と位置付け,駐車場で捜索できたことをうかがわせる事情の評価,刑訴法328条を自己矛盾供述に限る理由及び公判前整理手続後の請求制限と弾劾証拠との関係の6項目である。

第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準

1 評価項目の示し方

評価項目は,本問の出題の趣旨(刑事系科目第2問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。

採点実感が不十分な答案として指摘した事項は,正しい書き方の項目の裏返しであるものはその項目にまとめ,独立の注意点であるものは「〜しない」という形の項目にした。

各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,出題の趣旨は頁と設問で,採点実感は見出し番号(「2⑴」は「2 採点実感」の⑴を,「3⑴」は「3 答案の評価」の⑴(優秀の水準)を指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」,一般的な記述から導いたものは「間接」と表示した。

公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。

適法・違法や理由の当否という結論そのものは評価項目にしていない(出題の趣旨も,各下線部の結論を指定していない。)。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。

①重み5:答案の骨格そのもの,又は出題の趣旨が検討を求め,かつ採点実感が優秀・一応の水準を分ける点として取り上げた事項
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も適切に論じた答案として挙げ,又は多くの答案の不備として指摘した事項
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け又は事実の評価
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項

第3 本問の概要

設問1では,司法警察員Pらが,①甲をその潜伏先である友人X方のリビングで通常逮捕した後,甲が寝泊まりしていた和室を捜索して紙片を差し押さえた行為,②同じく逮捕の現場に居合わせた甲の交際相手Yの上着のポケットに手を入れて甲の携帯電話を取り出した行為,③繁華街の路上で乙を通常逮捕した後,約50メートル先の駐車場を経由して約1キロメートル離れたJ交番まで連行し,そこで乙の身体を捜索して携帯電話を差し押さえた行為の適法性が問われている。

設問2では,公判前整理手続を経た甲の公判で,共犯者とされる丙が甲の関与を認める証言をした後,弁護人が丙証言の証明力を争うために請求した乙の司法警察員面前の供述録取書(証拠1)と丙の司法警察員面前の供述録取書(証拠2)について,検察官が述べた異議の理由(証拠1は証明力を争うための証拠として許容されないこと,証拠2は公判前整理手続で請求されていないから請求できないこと)の当否が問われている。

第4 評価項目と重み

1 設問1の総論(逮捕に伴う無令状捜索・差押え)

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
1令状主義の原則(憲法35条1項,刑訴法218条1項)を示し,逮捕に伴う捜索・差押えがその例外であることを示す322頁〔設問1〕第1段落(令状主義の規律とその例外の正確な理解を問う)1(例外として許容される趣旨の明示を求める),2⑵(例外であることを意識していない答案が散見)
2無令状で捜索・差押えができる根拠条文として,220条1項2号に加えて同条3項を明示する222頁〔設問1〕第1段落(220条1項柱書・2号,3項を摘示)2⑵(3項を明示しない答案が散見)
3無令状捜索・差押えが許される趣旨・実質的根拠について,相当説・合理性説又は緊急処分説のいずれに立つかを理由とともに明らかにする522頁〔設問1〕第1段落(自説を明らかにすることを求める)1,2⑴,3⑴(説得的に論じることが優秀の水準)
4自説から「逮捕の現場」(場所的範囲)の解釈を導く522頁〔設問1〕第1段落(時間的・場所的範囲の解釈を示すことを求める)1,3⑴(自説から論理的に導かれる条文解釈)
5自説から「逮捕する場合」(時間的範囲)の解釈を導き,各下線部で端的にでも当てはめる422頁〔設問1〕第1段落2⑵(全く検討していない答案が相当数)
6実質的根拠と範囲の解釈を整合させる(緊急処分説に立ちながら同一管理権の範囲とする等の不整合をしない)322頁〔設問1〕第1段落(立場により範囲が異なる)2⑵(一定数),3⑶(整合性に疑義があるものは一応の水準)

2 下線部①(第三者方の和室の捜索)

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
7捜索場所が被逮捕者甲の自宅ではなく第三者X方であることを,問題の所在として示す422頁〔設問1〕下線部①の段落1,2⑴(問題の所在を的確に把握した答案)
8(相当説・合理性説の場合)逮捕場所のリビングと捜索場所の和室の管理権が同一かを検討する423頁〔設問1〕下線部①の段落2⑵(検討できていた答案が多かった)
9捜索場所の管理権の主体を被逮捕者に限らない(和室やリビングが甲の管理権に服するかを問う誤りをしない)2記載なし2⑵(根本的な誤解との指摘)
10和室が扉で仕切られた別室であり,居候中の甲が使用する場所であることを評価する323頁〔設問1〕下線部①の段落1
11(緊急処分説の場合)別室であること,捜索時に甲が和室にいないこと等の具体的状況を検討する223頁〔設問1〕下線部①の段落2⑵(具体的状況を検討せずに結論付ける答案が一定数)
12222条1項による102条の準用を示し,第三者の場所として「押収すべき物の存在を認めるに足りる状況」(102条2項)を検討する423頁〔設問1〕下線部①の段落2⑴(適切に論述した答案),2⑵(言及しない答案が相当数)
13逮捕と捜索の時間的間隔,逮捕地点と捜索場所,捜索の必要性に関する事情を抽出して評価する323頁〔設問1〕下線部①の段落2⑴

3 下線部②(居合わせた第三者Yの身体の捜索)

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
14捜索の対象が,逮捕の現場にたまたま居合わせた第三者Yの身体であることを,問題の所在として示す423頁〔設問1〕下線部②の段落1,2⑵(問題意識を有していない答案)
15第三者の身体が逮捕に伴う無令状捜索の対象になるか(消極説・積極説)について,自分の立場を明らかにする423頁〔設問1〕下線部②の段落2⑴
16消極説の論拠(第三者が関連証拠を所持している可能性は一般的・類型的に高いとはいえない)を,実質的根拠から示す223頁〔設問1〕下線部②の段落2⑴
17積極説の論拠(220条1項2号が対象を文言上限定していないこと,222条1項が被疑者以外の者の身体を除外せずに102条2項を準用していること)を示す223頁〔設問1〕下線部②の段落2⑴
18(消極説の場合)場所に対する捜索に付随する「必要な処分」(222条1項,111条1項)として,捜索中又はその直前に隠匿された目的物を取り戻すため,Yの身体に有形力を加えて妨害を排除し原状を回復できるかを,要件とともに検討する323頁〔設問1〕下線部②の段落2⑴(一定数),2⑵(いかなる場合に許されるかの検討が不十分な答案)
19(積極説の場合)102条2項の「押収すべき物の存在を認めるに足りる状況」を検討する323頁〔設問1〕下線部②の段落2⑴(少ないながら),2⑵(特段の検討なく適法とする答案)
20Yが証拠物を身体に隠匿している高度の蓋然性を,具体的事実を抽出して検討する323頁〔設問1〕下線部②の段落記載なし
21下線部②の論述を,冒頭で示した実質的根拠と矛盾しない形で組み立てる323頁〔設問1〕下線部②の段落(論理一貫した論述を求める)記載なし

4 下線部③(J交番での乙の身体の捜索)

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
22J交番自体は「逮捕の現場」に当たらないことを確認する423頁〜24頁〔設問1〕下線部③の段落1,2⑴
23「逮捕の現場」という文言からすると,逮捕地点から離れた連行後の場所を「逮捕の現場」というのは文理上困難だという問題を論じる4間接(24頁,「同視」の法解釈上の位置付け)2⑵(的確に論述できた答案は少数)
24最決平成8年1月29日(刑集50巻1号1頁)を念頭に置く424頁〔設問1〕下線部③の段落1,3⑶・⑷(判例の理解が水準を分ける)
25同判例のいう「逮捕の現場」における捜索・差押えと「同視することができる」理由と,その法解釈上の位置付けを,実質的根拠を踏まえて自分で展開する524頁〔設問1〕下線部③の段落(判例は位置付けまで説示していないとする)2⑴,3⑴(正確な理解に基づく法解釈論が優秀の水準)
26逮捕の現場で直ちに捜索することが適当でなかった事情(名誉,混乱等)を検討する324頁〔設問1〕下線部③の段落2⑴
27被逮捕者を連行してから捜索する必要性を論じるだけで終わらない2記載なし2⑵(多数)
28「J交番が逮捕の現場と同視できる」「逮捕の現場と認められる」のように,場所そのものを同視・該当としない2記載なし2⑵(散見)
29駐車場に着いたとき乙が落ち着きを取り戻していた等,駐車場で捜索を実施できたことがうかがえる事情を抽出して評価する524頁〔設問1〕下線部③の段落2⑵(一切考慮しない答案が散見),3⑴
30平成8年判例との事案の違いを意識する324頁〔設問1〕下線部③の段落2⑴,2⑵
31J交番が「身体の捜索・差押えを実施するのに適当な最寄りの場所」と評価できるかを検討する424頁〔設問1〕下線部③の段落2⑴
32「適当な最寄りの場所」を「適当な最寄りの警察施設」と読み替えない2記載なし2⑵(一定数)

5 設問2-1(証拠1と刑訴法328条)

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
33弁護人の請求が「丙証言の証明力を争うため」のものであることから,端的に328条の問題として論じる324頁〔設問2-1〕2⑵,3⑷(328条の問題と気付かず伝聞例外を検討する答案は不良)
34328条で許容される証拠が自己矛盾供述を内容とするものに限られるかを論じる424頁〔設問2-1〕1
35最判平成18年11月7日(刑集60巻9号561頁)を踏まえる424頁〔設問2-1〕1,2⑴,3⑴
36自己矛盾供述に限る理由を,伝聞法則との関係(矛盾する供述をしたこと自体による信用性の減殺)で説明する524頁〔設問2-1〕2⑴(丁寧に論述した答案),2⑵(理由付けが不十分な答案が相当数),3⑴
37328条を伝聞例外の規定と捉えず,非伝聞としての自己矛盾供述の許容性を確認した規定と理解する3記載なし2⑵(一定数)
38証拠1について321条の伝聞例外の要件を検討し,それに当たらないことを328条の要件のように扱わない2記載なし2⑵(相当数)
39証拠1は乙の供述録取書であって丙の自己矛盾供述ではないから,328条で許容されないと当てはめる324頁〔設問2-1〕(判例の立場からは検察官の理由に理由がある)2⑴
40判例の立場に依拠しないときは,その結論に至る道筋を説得的に説明する124頁〔設問2-1〕記載なし

6 設問2-2(証拠2と刑訴法316条の32)

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
41公判前整理手続終了後の証拠調べ請求の制限の問題であることに気付き,316条の32を示す424頁〔設問2-2〕2⑵(少なくなかった),3⑷(言及できない答案は不良)
42公判前整理手続では,双方が証明予定事実等の主張を明示し,それを証明する証拠の取調べを請求する義務を負うことを示す325頁〔設問2-2〕1(公判前整理手続の趣旨に遡った論述を求める)
43新たな請求を無制限に許せば審理計画が崩れ,争点と証拠を整理した意味が失われるという316条の32の趣旨を示す425頁〔設問2-2〕1,3⑴
44「やむを得ない事由」の解釈の問題であることを示し,自分なりの規範を立てる425頁〔設問2-2〕1,2⑵(示せていない答案が散見),3⑴・⑵
45請求された証拠が328条による弾劾証拠であることを踏まえて検討し,手続中に請求できたかという形式面だけで判断しない525頁〔設問2-2〕1,2⑵(少なくなかった),3⑶(この点に気付かない答案は一応の水準)
46検察官が証拠3を請求し,不同意となるや同じ立証趣旨で丙の証人尋問を請求した経過から,丙が証拠3と同内容の証言をすることが想定されていたことを把握する425頁〔設問2-2〕2⑴
47弾劾の対象となる公判供述がない段階では328条の要件を判断できないとして「やむを得ない事由」を認める考え方と,予想された証言なら厳格に解する考え方のいずれかに立ち,説得的に結論を導く325頁〔設問2-2〕2⑴
48下級審裁判例の知識ではなく,公判前整理手続の意義と趣旨から結論を導く2記載なし1,2⑵(下級審裁判例の知識そのものは問わない)

7 答案全体

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
49条文の文言を解釈して定義・判断基準を導き,当てはめでは個々の事実がその基準との関係でどういう意味を持つかを示す(事実を長々と転記して総括的な評価だけを記す答案にしない)322頁〔第2問〕冒頭(法解釈と重要な具体的事実の分析・評価)2⑵(特に多かった不十分答案)
50判例を,結論だけでなく論理構成と理由まで踏まえて論じる2記載なし1,4
51刑事手続を,裁判所・検察官・弁護人がそれぞれの立場から積み重ねる動態として捉えて論じる2記載なし4(設問2-2はこの観点から採点したと付言)

8 重みの分布

51項目の内訳は,重み5が6項目,重み4が16項目,重み3が16項目,重み2が12項目,重み1が1項目であり,重みの合計は167点である。

重み5の6項目は,総論の実質的根拠と「逮捕の現場」の解釈(番号3・番号4),下線部③の平成8年決定の「同視」の理由と位置付け及び駐車場の事情の評価(番号25・番号29),設問2-1の328条を自己矛盾供述に限る理由(番号36)並びに設問2-2の弾劾証拠であることを踏まえた検討(番号45)であり,いずれも出題の趣旨が検討の筋道として示し,かつ採点実感が優秀又は一応の水準を分ける点として取り上げた事項である。

許容分岐の項目(第三者の身体の捜索に関する消極説・積極説の各論拠と,それぞれの立場からの検討,判例の立場に依拠しない場合の説明,「やむを得ない事由」についての二つの考え方)は,どちらの立場を採るかではなく,採った立場に応じた検討をしているかを見る項目である。

第5 模範解答

1 答案の前提と表記

以下の答案は,第4の評価項目のうち,採った立場に対応するものをすべて満たすように作成したものであり,試験の実施時(令和7年7月)の法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。
下線部②では積極説を,設問2-2では弾劾証拠について「やむを得ない事由」を認める考え方を採っている。

答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」「ア」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「〜ではないか。」「〜が問題となる。」),規範の定立(「思うに,〜。よって,〜と解する。」),当てはめ(「本問では,〜といえる。」)及び結論(「よって」「したがって」「以上より」)の順に書き,反対の立場は「確かに,〜とも思える。しかし,〜。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。

もっとも,採点実感は,条文の文言の解釈から判断基準を導くことと,当てはめで個々の事実がその基準との関係で持つ意味を示すことを求めているため(第4の番号49),規範の論証は争いの中心に絞り,問題文の事実を評価する当てはめに多くの字数を割いた。
字数の配分は,おおむね問題提起が2割弱,規範が3割,当てはめが5割弱である。

答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で判示を確認したものに限った。
「判例同旨」は,判例と同じ規範によるものを示す。

字数は見出しを含めて約4,900字である。
時間内に書き切れない場合は,重み5の評価項目(番号3・4・25・29・36・45)に対応する部分を残し,その他の部分を短くすることになる。

2 答案

1 設問1について
(1) 総論
 ①から③は,いずれも令状によらない捜索差押えである。捜索差押えは裁判官の発する令状によるのが原則であり(憲法35条1項,218条1項),220条1項柱書・2号,3項は,被疑者を「逮捕する場合」において必要があるときは「逮捕の現場で」令状なく捜索差押えができるとして,その例外を定めている。そこで,例外が許される範囲が問題となる。
 思うに,同条の趣旨は,逮捕の現場や被逮捕者の身体・所持品には被疑事実に関連する証拠が存在する蓋然性が一般的・類型的に高く,令状発付の要件である「正当な理由」が類型的に認められるから,裁判官の事前審査を介在させる必要がない点にある(相当説)。確かに,逮捕の際の証拠隠滅を防ぐ緊急の必要に根拠を求める見解もある。しかし,同号は隠滅のおそれを要件としていない。
 よって,「逮捕の現場」とは逮捕地点を起点として同一の管理権が及ぶ範囲内の場所をいい,「逮捕する場合」とは逮捕と時間的に接着している場合をいうと解する。また,同号による捜索にも102条が準用されるから(222条1項),被疑者以外の者の身体・場所を捜索するには,押収すべき物の存在を認めるに足りる状況(102条2項)を要する。
(2) 下線部①について
ア ①は,甲をリビングで逮捕した後,扉で仕切られた和室を捜索したものであり,しかもX方は甲の自宅ではなく第三者Xの住居である。そこで,和室が「逮捕の現場」に当たり,102条2項の状況があるかが問題となる。
イ 本問では確かに,和室は居候中の甲が「基本的に」使用しており,リビングとは別の管理が及ぶとも思える。しかし,甲は無償で寝泊まりを許されたにすぎず,その使用はX方全体に及ぶXの管理権を排除するものではない。したがって,和室はリビングと同じくXの管理権に服し,逮捕地点と同一の管理権が及ぶ範囲内にある。
ウ 次に,甲は逮捕の約5分前に携帯電話を手にしており,防犯カメラには犯行直前に甲が携帯電話で通話する様子が記録されていたから,携帯電話は共犯者との連絡状況を示す証拠となる。ところが,甲の身体の捜索では発見されず,甲も在りかを答えなかった。そして,和室は甲が5日前から寝泊まりし,甲のスーツケースが置かれた場所である。これらの事情からすれば,和室には携帯電話等の証拠物の存在を認めるに足りる状況があったといえる。甲の現住居が特定できず,令状による捜索もできていなかったから,捜索の必要性も高い。
エ また,①は逮捕の約5分後に行われており,時間的接着性がある。差し押さえた紙片は,Vを含む30名の氏名,住所及び所有財産を記載した一覧表であり,犯行対象の選定をうかがわせるから,被疑事実との関連性もある。
オ したがって,①は適法である。
(3) 下線部②について
ア ②は,逮捕の現場に居合わせた第三者Yの上着のポケットに手を入れたものである。そこで,被逮捕者以外の者の身体が逮捕に伴う捜索の対象となるかが問題となる。
イ 確かに,居合わせた第三者が被疑事実に関連する証拠を所持している蓋然性は一般的・類型的に高いとはいえないから,第三者の身体は対象とならないとも思える。しかし,220条1項2号は捜索の対象を文言上限定しておらず,222条1項は被疑者以外の者の「身体」を除外することなく102条2項を準用している。第三者について類型的な蓋然性が認められない点は,102条2項の状況を個別に要求することで手当てされる。
 よって,逮捕の現場に居合わせた第三者の身体も,押収すべき物の存在を認めるに足りる状況がある場合には捜索の対象となると解する。もっとも,身体の捜索は人格的利益を強く制約するから,その状況とは,その者が差し押さえるべき物を身体に隠匿している高度の蓋然性があることをいうと解する。
ウ 本問では,Yは同日初めてX方に来た来訪者にすぎず,X方の居住者として場所と一体に捜索の対象となるとはいえないから,かかる高度の蓋然性が必要である。
 そこで検討すると,甲は携帯電話を手にしたまま走ってX方に戻り,リビングでYと共にいたところ,その後,甲の身体からも和室からも携帯電話は発見されなかったから,甲がすぐ近くにいたYに携帯電話を渡した可能性が高い。
 さらに,Yは在りかを尋ねられると,「甲のことを一べつしてからうつむき」,何も答えないまま上着のポケットに手を入れて中を探るような動きをした。これらの事情は,Yがポケット内に甲の携帯電話を隠匿していることを強く推認させるから,高度の蓋然性があったといえる。
 また,Yがポケット内で携帯電話を操作すれば,共犯者との通話記録等が消去されるおそれがあったから,直ちに確保する必要があった。Pはポケットに手を入れて携帯電話を取り出したにとどまり,方法も相当である。そして,②は逮捕の約15分後に逮捕場所であるリビングで行われており,時間的・場所的要件も満たす。
エ したがって,②は適法である。
(4) 下線部③について
ア ③は,逮捕地点から約1キロメートル離れたJ交番で行われた。「逮捕の現場」は逮捕地点を起点とする場所であるから,J交番自体は「逮捕の現場」に当たらない。そこで,連行後の捜索差押えが許されないかが問題となる。
イ 思うに,被逮捕者の身体・所持品は被逮捕者と共に移動し,移動しても証拠存在の蓋然性が類型的に高いことに変わりはない。そうすると,身体・所持品の捜索における「逮捕の現場」という場所的限定は,逮捕地点で直ちに実施するのが通常であることを前提にしたものにすぎず,直ちに実施することが適当でない場合に最小限度の移動を経て実施しても,同号の趣旨に反しない。
 よって,被逮捕者の身体・所持品の捜索差押えは,逮捕現場付近の状況に照らし,被疑者の名誉等を害し,被疑者の抵抗による混乱を生じ,又は現場付近の交通を妨げるおそれがあるといった事情のため,その場で直ちに実施することが適当でないときは,速やかに捜索差押えの実施に適する最寄りの場所まで連行した上で実施することも,「逮捕の現場」における捜索差押えと同視することができると解する(判例同旨・最決平成8年1月29日)。
 この場合,連行先が「逮捕の現場」となるのではなく,そこでの捜索差押えが同号の捜索差押えと同視されるにとどまる。したがって,連行先はかかる事情を解消し得る最寄りの場所に限られ,警察施設である必要はない。
ウ 本問では,逮捕地点の路上は人通りの多い繁華街にあり,乙は暴れて「違法逮捕だ」と叫び,5名の通行人がPらを取り囲み,うち1名が録画を始めていた。路上で捜索すれば乙の名誉を害し,混乱を生じるおそれがあったから,その場で直ちに実施することは適当でなかった。
 しかし,約50メートル先の駐車場に着いた午後9時10分頃には,通行人は付いてきておらず,駐車場には誰もいなかった。また,乙は落ち着きを取り戻し,素直に警察車両に乗り込み,車内でも抵抗する素振りを見せなかった。かかる事情はこの時点で解消しており,着衣内の携帯電話を探すにはポケット等を確認すれば足りるから,人目のない駐車場の警察車両内で直ちに実施することができた。
 確かに,J交番は最寄りの警察施設であり,逮捕から約20分で捜索に至っているから,速やかな連行とも思える。しかし,同判例の事案は,逮捕場所近くの駐在所で差押えに着手したものの,被疑者らの抵抗により中止せざるを得ず,警察署まで連行したものであった。これに対し,本問では,実施に適する場所に至った後に,更に約1キロメートル連行している点で異なる。
 そうすると,J交番は「捜索差押えの実施に適する最寄りの場所」とはいえない。
エ したがって,③は「逮捕の現場」における捜索差押えと同視することができず,令状によらない捜索差押えとして違法である(218条1項,憲法35条1項)。

2 設問2について
(1) 理由1について
ア 弁護人Tは,丙証言の証明力を争うために証拠1を請求しているから,その許否は328条の問題である。証拠1は丙とは別人である乙の供述録取書であるため,同条で許容される証拠が,証明力を争われる供述をした者自身の矛盾供述(自己矛盾供述)に限られるかが問題となる。
イ 思うに,自己矛盾供述は,その内容の真偽にかかわらず,同一人が別の機会に矛盾する供述をしたこと自体によって公判供述の信用性を減殺するものであるから,伝聞証拠としての使用ではない。これに対し,他人の供述によって証言を弾劾するには,その他人の供述内容が真実であることが前提となり,伝聞証拠としての使用にほかならない。これを328条で許容すれば,何らの要件もない伝聞例外を認めることとなり,320条1項の趣旨が没却される。
 よって,328条は,非伝聞としての自己矛盾供述の許容性を確認的に定めた規定であり,同条で許容される証拠は,信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が,同人の供述書,刑訴法の定める要件を満たす供述録取書等に現れている部分に限られると解する(判例同旨・最判平成18年11月7日)。
ウ 本問では,証拠1は乙の供述を録取したものであり,丙の自己矛盾供述を内容とするものではない。
エ したがって,証拠1は328条で許容される証拠に当たらず,理由1は正当である。
(2) 理由2について
ア 証拠2は丙の司法警察員Qに対する供述録取書であり,「甲は事件には関係ない」との内容は丙証言と矛盾し,丙の署名・押印もあるから,328条で許容される自己矛盾供述に当たる。もっとも,本件は公判前整理手続に付され,証拠2は同手続で請求されていないから,316条の32第1項により請求が制限されないかが問題となる。
イ 公判前整理手続は,充実した公判の審理を継続的,計画的かつ迅速に行うため,事件の争点及び証拠を整理する手続である(316条の2第1項)。そのため,検察官は証明予定事実を明らかにしてその証明に用いる証拠の取調べを請求し(316条の13第1項・2項),被告人又は弁護人も予定主張を明らかにしてその証明に用いる証拠の取調べを請求しなければならない(316条の17第1項・2項)。手続終了後に新たな請求を無制限に許せば審理計画が崩れ,整理の意味が失われるから,316条の32第1項は,「やむを得ない事由」によって同手続で請求できなかったものを除き,終了後の請求を禁じている。
ウ では,328条の弾劾証拠について「やむを得ない事由」が認められるか。
 確かに,予想された内容の証言がされた場合にまで弾劾証拠の後出しを許せば,整理の実効性が損なわれるとも思える。しかし,328条の証拠は「公判準備又は公判期日における」供述の証明力を争うためのものであり,弾劾の対象となる公判供述が存在しない段階では,同条の要件該当性を判断できない。また,証言が予想どおりでも,証人が反対尋問で過去の供述を認めれば書面を取り調べる必要はなく,その必要性は尋問の結果によって初めて定まる。
 よって,328条による弾劾証拠の請求については,証人尋問の終了後遅滞なくされたものである限り,「やむを得ない事由」があると解する。
エ 本問では,検察官Sは証拠3を「本件犯行状況,共謀状況等」の立証趣旨で請求し,不同意となるや同じ立証趣旨で丙の証人尋問を請求しているから,丙が証拠3と同内容の証言をすることは同手続の段階から想定されていた。
 しかし,丙が反対尋問で捜査段階の供述を認めていれば,自己矛盾は証言自体から明らかとなり,証拠2は不要であった。証拠2の必要性は,丙が証拠2の内容や作成過程を繰り返し問われながら「そのような供述をした記憶はない。覚えていない。」との証言に終始したことで初めて生じたものである。
 また,証拠2は検察官自らが開示した丙の供述録取書であるから,弾劾に用いられることは検察官にとって不意打ちではない。Tは丙の尋問終了後,同じ期日に請求しており,1通の書面の取調べで審理計画が崩れることもない。
オ したがって,証拠2については「やむを得ない事由」が認められ,公判期日において請求することができるから,理由2は不当である。

以上

3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説

(1) 答案と評価項目の対応

答案の1(1)は第4の番号1〜6(総論),1(2)は番号7〜13(下線部①),1(3)は番号14〜21(下線部②),1(4)は番号22〜32(下線部③),2(1)は番号33〜40(設問2-1),2(2)は番号41〜48(設問2-2)に対応し,番号49〜51(答案全体)は各項目の規範と当てはめの書き方で満たすようにした。
重み5の6項目は,1(1)の実質的根拠(番号3)と「逮捕の現場」の解釈(番号4),1(4)イの「同視」の理由と位置付け(番号25),1(4)ウの駐車場の事情の評価(番号29),2(1)イの328条を自己矛盾供述に限る理由(番号36)並びに2(2)ウの弾劾証拠であることを踏まえた検討(番号45)に当たる。

(2) 設問1の総論

出題の趣旨は,逮捕に伴う無令状捜索・差押えの実質的根拠として相当説・合理性説と緊急処分説を挙げ,どの立場を採るかによって許される時間的・場所的範囲が異なるから,自説を明らかにして範囲を導くことを求めている。
答案は相当説に立ち,「逮捕の現場」を逮捕地点を起点として同一の管理権が及ぶ範囲,「逮捕する場合」を逮捕との時間的接着と解した。
採点実感は,無令状でできることの根拠である220条3項を示さない答案や,「逮捕する場合」を全く検討しない答案を指摘しているため(番号2・5),答案は総論で同項を示し,各下線部で逮捕からの時間(約5分,約15分,約20分)を回収した。
緊急処分説に立つ答案も成り立つが,その場合には範囲を被逮捕者の直接の支配下に限ることになり,同一管理権の範囲を用いると自説と整合しない(番号6)。

(3) 下線部①

出題の趣旨は,捜索場所が被逮捕者の自宅ではなく第三者X方であることを踏まえ,相当説からはリビングと和室の管理権が同一か,緊急処分説からは別室であり甲が和室にいないことを検討し,さらに第三者の場所として102条2項の状況を検討することを求めている。
採点実感は,管理権の主体を被逮捕者でなければならないと誤解する答案と,Xの管理権を論じながら102条2項に触れない答案を指摘しているため(番号9・12),答案は,居候の甲の使用がXの管理権を排除しないとした上で,102条2項の状況を携帯電話やスーツケース等の事実から認めた。

(4) 下線部②

出題の趣旨は,居合わせた第三者の身体が無令状捜索の対象になるかについて,第三者が関連証拠を持つ可能性は類型的に高くないとする消極説と,220条1項2号の文言と222条1項による102条2項の準用を根拠とする積極説を挙げ,消極説なら場所の捜索に付随する「必要な処分」として妨害排除・原状回復ができるか,積極説なら102条2項の状況があるかを検討することを求めている。
採点実感によれば,消極説から「必要な処分」を検討した答案が一定数,積極説から102条2項を検討した答案が少ないながら見られ,いずれも出題の意図に沿うものとされている。
答案は積極説を採り,消極説の論拠は102条2項の状況を個別に求めることで手当てされるとした上で,身体の捜索であることから「高度の蓋然性」を要するとし,Yの挙動等からこれを認めた。
消極説を採る場合は,いかなる場合に「必要な処分」として許されるか(捜索の実施中又は開始直前に目的物が隠匿されたこと等)を示さないと,不十分とされる(番号18)。

(5) 下線部③

出題の趣旨と採点実感は,J交番自体は「逮捕の現場」に当たらないことを確認した上で,最決平成8年1月29日の「同視することができる」という説明を,実質的根拠を踏まえて法解釈に落とし込むことを求めている。
出題の趣旨によれば,同決定は同視できる理由やその法解釈上の位置付けまでは述べておらず,採点実感は,連行後の場所を「逮捕の現場」というのは文理上困難だという問題を論じた答案は少数であったとしている(番号23・25)。
答案は,身体・所持品の捜索では証拠存在の蓋然性が移動によって変わらないことを同視の理由とし,同視されるのは捜索差押えであって連行先が「逮捕の現場」になるのではないと位置付けた。
この位置付けから,「J交番が逮捕の現場と同視できる」という書き方(番号28)を避け,「適当な最寄りの場所」を警察施設に限らないという帰結(番号32)も導いている。
当てはめでは,出題の趣旨が指摘する駐車場の事情(乙が落ち着きを取り戻し,駐車場には誰もいなかったこと)と,同決定の事案(逮捕場所近くの駐在所で差押えに着手したが,抵抗により中止し,警察署へ連行したこと)との違いを評価した(番号29・30)。
J交番での捜索を適法とする結論もあり得るが,その場合も駐車場の事情を正面から評価する必要があり,採点実感は,この事情を一切考慮せずにJ交番を「適当な最寄りの場所」と認めた答案を不十分としている。

(6) 設問2-1

出題の趣旨は,最判平成18年11月7日に留意し,328条で許容される証拠が自己矛盾供述に限られる理由を伝聞法則との関係で説明することを求め,同判決の立場からは証拠1についての検察官の理由に理由があるとしている。
採点実感は,328条を伝聞例外の規定と捉える答案と,証拠1について321条の伝聞例外の要件を検討してから328条に進む答案を指摘しているため(番号37・38),答案は,弁護人の請求の目的から端的に328条の問題として論じ,自己矛盾供述は矛盾する供述をしたこと自体によって信用性を減殺する非伝聞的な使用であることを理由とした。

(7) 設問2-2

出題の趣旨は,公判前整理手続で双方が主張を明示し証拠調べを請求する義務を負うことと,後の請求を無制限に許せば審理計画が崩れることから316条の32の趣旨を説明した上で,検察官の請求の経過から丙の証言内容が想定されていた本件で「やむを得ない事由」があるかを論じることを求め,二つの考え方を挙げている。
一つは,弾劾の対象となる公判供述がない段階では328条の要件を判断できないから,弾劾証拠の請求には「やむを得ない事由」があるとする考え方(名古屋高等裁判所金沢支部平成20年6月5日判決が挙げられている。)であり,もう一つは,予想された内容の証言について弾劾証拠の請求を認めれば公判前整理手続の趣旨を没却しかねないから厳格に考えるべきとする考え方である。
答案は前者の考え方を採り,丙が反対尋問で過去の供述を認めていれば証拠2は不要であったこと,証拠2は検察官自らが開示したもので不意打ちにならないことを加えた。
後者の考え方を採って理由2を正当とする結論も成り立つ。
採点実感は,下級審裁判例の知識は問わず,公判前整理手続の意義と趣旨から論じれば足りるとし,また,この設問は裁判所・検察官・弁護人の活動が積み重なる手続の動きを理解しているかという観点から出題・採点したと付言しているため(番号48・51),答案は下級審裁判例を引用せず,検察官と弁護人の手続上の行為を順に評価した。

(8) 答案の弱点

答案の弱点は次の3点である。
第一に,2(2)ウの「証人尋問の終了後遅滞なくされたものである限り」という限定は答案の解釈であり,公式資料や判例に明示の根拠は確認していない。
第二に,1(3)イで第三者の身体の捜索に「高度の蓋然性」を求めることは,出題の趣旨の表現を手掛かりにした答案の解釈であり,要求する程度については別の考え方もあり得る。
第三に,1(2)イで和室にもXの管理権が及ぶとした点は,居候の甲が和室を専用していたことを重く見て,リビングとは別の管理が及ぶとみる余地がある。

(9) 答案で扱わなかった事項

各行為が違法である場合の証拠の証拠能力(違法収集証拠の排除)や,証拠2の証明力の評価は,設問が問うていないため,答案では扱っていない。

第6 関連記事

1 同じ年度の司法試験の別の模範解答

①令和7年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け(AI作成)
②令和7年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した72項目と5段階の重み付け(AI作成)
③令和7年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した96項目と5段階の重み付け(AI作成)
④令和7年度司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した65項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑤令和7年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した75項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑥令和7年度司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した59項目と5段階の重み付け(AI作成)
⑦令和7年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)

2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事

①逮捕に伴う無令状捜索・差押え―逮捕の現場・第三者の身体・連行後の捜索(AI作成)
②家宅捜索で同居家族のバッグや来訪者のポケットまで調べられるか―場所に対する捜索差押許可状の効力と最高裁平成6年9月8日決定(AI作成)
③刑訴法328条の弾劾証拠と公判前整理手続終了後の証拠請求(AI作成)
④公判前整理手続の後に新しい主張や供述ができるか―刑訴法295条1項と最高裁平成27年5月25日決定(AI作成)
⑤刑事裁判の書証の証拠能力-伝聞法則・供述調書・同意書面の判断順序(AI作成)

第7 出典及び確認状態

1 公式資料

①法務省「令和7年司法試験の実施について」
②法務省「令和7年司法試験問題」
③令和7年司法試験論文式試験問題(刑事系科目)
④法務省「令和7年司法試験の結果について」
⑤令和7年司法試験論文式試験出題の趣旨
⑥法務省「令和7年司法試験の採点実感」
⑦令和7年司法試験の採点実感(刑事系科目)

2 法令

①日本国憲法(e-Gov法令検索)
②刑事訴訟法(e-Gov法令検索)

3 裁判例

①最高裁判所第三小法廷平成8年1月29日決定(平成5年(あ)第518号,刑集50巻1号1頁)
②最高裁判所第三小法廷平成18年11月7日判決(平成17年(あ)第378号,刑集60巻9号561頁)

4 確認状態

出題の趣旨は,刑事系科目第2問の部分(22頁から25頁まで)を全て読み,法務省掲載のPDFを直接取得して読んだ。
同じPDFの他の科目・問題の部分は読んでいない。

採点実感は,刑事系科目のPDF(上記⑦)のうち第2問の部分(7頁から13頁まで)を全て読み,本記事の採点実感の見出し番号は同PDFの記載による。
第1問の部分は読んでいない。

評価項目の根拠として示した出題の趣旨・採点実感の該当箇所は,抽出したテキストとの機械的な照合で,記載の実在と頁を確認した。

裁判例は,いずれも裁判所ウェブサイトの判決全文で,模範解答が依拠した判示の文言と,平成8年決定の事案(逮捕場所近くの駐在所で差押えに着手したが,被疑者らの抵抗により中止し,警察署へ連行して実施したこと)を確認した。

出題の趣旨と採点実感は,公判前整理手続後の弾劾証拠の請求について名古屋高等裁判所金沢支部平成20年6月5日判決(判タ1275号342頁)を挙げているが,同判決は裁判所ウェブサイトに掲載がなく,本記事では判決文を確認していないため,模範解答では引用していない。

条文は,e-Gov法令検索で,試験の実施時点で施行されていた刑事訴訟法の規定(218条,220条,222条,102条,111条,316条の2,316条の13,316条の17,316条の32,320条,321条及び328条)を確認した。