第1 TreeeSの研修環境と本番利用を区別する
1 令和8年10月3日に確認できたこと
TreeeS(ツリーズ)を検索してログイン画面に到達しても,その画面が実際の事件の申立てに用いる本番環境であるとは限らない。最高裁判所のTreeeS研修環境のトップ画面は,研修環境であること,一般の方は利用できないこと及び民事訴訟の電子申立てにはmintsを利用することを案内している。令和8年10月3日に同画面を確認した。
したがって,研修環境で操作を練習することと,裁判所へ訴状・準備書面・証拠等を正式に提出することを区別しなければならない。研修画面へアクセスできたという事実だけで,自己の事件がTreeeSの本番利用の対象になったと判断してはならない。
2 導入予定と現在の提出先を確認する
TreeeSの先行導入予定,対象裁判所及び移送時の取扱いは,TreeeSはいつからどの裁判所で使うのかで整理している。導入予定の説明と,今日の自分の事件の提出先は別々に確認する必要がある。
現在の電子申立て等の案内は,裁判所の民事裁判手続のデジタル化から確認する。事件を担当する裁判所の指示,適用される手続及び利用すべきシステムを確認してから提出する。
第2 ログインの入口とブックマーク
1 研修環境はトップ画面から開く
研修用の入口は,TreeeS研修環境のトップ画面である。リンク先の用途と注意事項を読み,研修を案内された利用者は,所属団体等から受け取った利用案内にも従う。
令和8年10月3日にトップ画面のログインボタンから進んだ画面には,通知先メールアドレスをログインIDとして入力する欄,パスワード欄及び「GビズIDでログイン」のボタンが表示されていた。ただし,入力欄があることは,閲覧者全員が利用資格又は有効なアカウントを持つことを意味しない。
2 認証画面そのものを保存しない
同ログイン画面は,このページをブックマークしないよう注意している。事務所内の案内では研修環境のトップ画面を入口とし,認証途中の長いURLを職員へ配布したり,そのURLを固定のログイン先として扱ったりしない。
本番利用の入口については,本番導入時の正式案内で確認する。研修用URLを本番URLとして紹介しない。
第3 ログインと新規登録は別の作業である
1 mintsの利用経験だけで登録済みと判断しない
既存アカウントで認証する作業がログインであり,TreeeSのユーザIDを取得する作業は新規登録である。mintsを利用していたという事情だけで,TreeeSのユーザIDの取得,本人確認及び資格確認が完了したとは判断できない。
令和8年4月3日付の最高裁判所追加機能改修業務の調達仕様書には,mintsと同じメールアドレスを利用してTreeeSのユーザIDを取得するための画面文言の改修案が記載されている(PDF37・38頁)。これは改修予定を示す資料であり,mintsのID・パスワードをそのまま使えるという説明や,最終的な登録手順の確認に代わるものではない。
2 GビズIDの利用方針を登録前に確認する
同仕様書のPDF35頁は,法人又は士業者について,GビズIDを利用するかを最初に決め,GビズIDを使わずユーザIDを取得した後はGビズID利用へ切り替えられない旨の注意を追加する改修案を示している。
この記載から,登録後に自由に切り替えられることを前提に準備するのは適切でないと分かる。ただし,本番で採用された最終仕様は正式なアカウント案内で再確認する必要がある。詳しくは,TreeeSのアカウント登録とGビズID及び事務職員用GビズIDメンバーを参照されたい。
第4 研修の利用対象と操作マニュアル
1 一般の方へ利用可能と案内しない
確認した研修環境のトップ画面は,一般の方は利用できないと明示している。公開ウェブページとして閲覧できることと,研修への参加が認められることは異なる。誰に,どのアカウントで,どの範囲の研修が案内されているかは,配布された正式な案内で確認する。
所属団体の会員向け案内,事務所の研修案内及び研修環境の注意事項が異なる場合は,自己の利用資格や登録方法を推測で補わず,案内元に確認する。
2 マニュアルの発行日と利用環境をそろえる
TreeeS操作マニュアル(当事者用)の読み方は,2026年7月2日発行の資料を基に,提出,納付,送達及び一覧の保存期間を説明している。操作する際は,参照する資料の発行日・改訂日,研修用か本番用か及び対象者を確認する。
古い資料で追加予定とされていた章については,追加予定時期が到来しただけで,最新版が配布済み又は最終手順が確定したと判断しない。更新資料を入手したときは,その版と画面を照合する。
第5 法律事務所が利用開始前に確認する事項
1 事件と役割を確認する
事件ごとに,裁判所,提起日,適用される手続,使用システム及び移送の有無を記録する。その上で,弁護士本人の登録,事務職員の権限,サポーター設定及びシステム送達受取人の指定を分けて確認する。
職員が画面へログインできることだけでは,個々の事件について提出,閲覧又は送達受領の権限があることまで確認したことにならない。役割の違いは,TreeeSで事務職員は何ができるかで整理している。
2 ログインできない場合に記録すること
ログインできない場合は,開いた入口,研修用か本番用か,選択したログイン方法,表示された注意・エラーメッセージ及び発生時刻を記録する。問い合わせの際にパスワードや認証用コードを送る必要はない。
画面が進まないという現象だけで,裁判所システム全体の障害や書面の提出完了を判断しない。実際の事件で提出期限が迫っているときは,公式の障害案内と担当裁判所の案内を確認する。研修環境での操作結果を正式提出の受付結果として扱わない。
第6 関連記事と確認した資料
1 目的別の関連記事
TreeeSとmints・RoootSの位置付けは,TreeeS(ツリーズ)とは―mintsとの違い,導入時期,アカウント及び法律事務所の準備を参照されたい。
事務所全体の準備は,TreeeS導入準備チェックリストを利用されたい。本記事は入口と登録前の確認を扱い,個別機能の詳細は各関連記事で説明する。
2 資料の位置付けと確認範囲
①最高裁判所「TreeeS研修環境」のトップ画面及び同画面から進んだログイン画面(令和8年10月3日確認)。本記事では,ログイン前に表示される用途,注意事項及び入力欄を確認した。認証後の操作や実際の事件の提出結果を確認したものではない。
②裁判所「民事裁判手続のデジタル化」(同日確認)。現在の電子申立て等の案内を確認する入口である。
③最高裁判所「e提出・e記録管理システム及びe事件管理システムの追加機能改修業務 調達仕様書」(令和8年4月3日付,PDF35・37・38頁)。登録画面の改修案を示す資料であり,本番の最終操作マニュアルとは区別する。