メインコンテンツへスキップ
       

国民審査の罷免可率―過去の高率例・第27回結果・比較の注意点(AIリライト)

第1 この記事で扱う罷免可率

1 過去の高率例と第27回の全国結果

最高裁判所裁判官国民審査の罷免可率について,過去の高率例と,令和8年2月8日執行の第27回の全国結果を整理する。
過去の例は第1回から第21回までを分析した研究論文により,第27回の票数は総務省の結果調による。

この記事の表は,研究で確認できる過去の例と第27回の結果を区別して示したものであり,全期間の全裁判官を網羅した歴代順位表ではない。
異なる時期の数値を比較するときは,資料の対象期間と計算の分母を確認する必要がある。

2 計算式と記載無効の扱い

第27回について本記事で示す罷免可率は,「罷免を可とする投票数÷(罷免を可とする投票数+罷免を可としない投票数)×100」で計算し,小数第3位を四捨五入して小数第2位まで表示する。
裁判官ごとの記載無効の数は,この分母に含めない。

総務省の結果調では,第27回の各裁判官の「計」は54,153,752票であるが,これには記載無効の数も含まれる。
したがって,本記事の計算式の分母と,結果調の「計」を混同しない。

過去の表に掲げた率は,研究論文に掲載された小数第2位までの数値であり,本記事で当時の原票数から再計算したものではない。
そのため,過去の値と第27回の値を並べる場合も,資料と計算方法の確認範囲を分けて扱う。

第2 研究論文で確認できる過去の高率例

1 下田武三・谷口正孝・池田克の例

西川伸一「最高裁判所裁判官国民審査および国民審査公報の実体分析」は,第1回から第21回までの国民審査を対象とする研究である。
同論文は,下田武三の15.17%,谷口正孝の14.84%,池田克の12.49%を記載している。

裁判官国民審査論文掲載の率
下田武三第9回・昭和47年15.17%
谷口正孝第12回・昭和55年14.84%
池田克第3回・昭和30年12.49%

出典は,同論文172頁(PDF13頁)及び210頁~211頁(PDF51頁~52頁)である。
同論文は,その分析対象の範囲で下田武三を最高,谷口正孝を2位と説明しているが,その記述だけから第22回以降を含む現在の歴代順位を確定することはできない。

2 研究対象期間と集計の扱い

同論文164頁(PDF5頁)の付記によれば,基礎とした資料は各回の国民審査結果調である。
ただし,第15回については,東京都の集計ミスがなかった場合の数値を採用したと説明されている。

過去の別資料と率が異なる場合は,確定した集計値か,集計ミスを補正した値かという違いも確認する必要がある。
異なる資料の値を,分母や補正の有無を確かめずに一つの順位表へ混在させないことが適切である。

論文の公開ページ及び本文PDFは次のとおりである。
https://meiji.repo.nii.ac.jp/records/3827
https://meiji.repo.nii.ac.jp/record/3827/files/seikeironso_79_3-4_161.pdf

第3 第27回国民審査の全国結果

1 高須順一・沖野眞已の票数と罷免可率

令和8年2月8日執行の第27回では,高須順一及び沖野眞已の2人が審査対象であった。
総務省の結果調の全国合計と,第1の2の計算式による率は次のとおりである。

裁判官罷免可票罷免不可票罷免可率
高須順一7,664,301票46,489,132票14.15%
沖野眞已7,436,291票46,717,272票13.73%

記載無効の数は,高須順一が319,沖野眞已が189である。
罷免可票と罷免不可票の合計は,高須順一が54,153,433票,沖野眞已が54,153,563票となり,各人の記載無効を加えると,いずれも結果調の「計」と一致する。

2 出典と詳しい結果へのリンク

全国票数の出典は,総務省「第51回衆議院議員総選挙・第27回最高裁判所裁判官国民審査結果調」148頁(PDF150頁)の「罷免を可とする投票数,可としない投票数」である。
https://www.soumu.go.jp/main_content/001055922.pdf

審査対象者,投票率及び在外投票を含む第27回の詳細は,「令和8年2月8日執行の第27回最高裁判所裁判官国民審査(AIリライト)」を参照されたい。
https://yamanaka-bengoshi.jp/2026/05/05/kokuminshinsa27/

第4 罷免可率を比較するときの注意点

1 掲載順についての研究が示す範囲

前記の西川論文163頁(PDF4頁)は,審査対象者が複数であった20回のうち,投票用紙の右端の裁判官の罷免可票が最多となったのは11回であり,右から左へ完全に逓減したのは3回であったとする。
これは第21回までの分析であり,第27回を含む近年の結果について同じ傾向や因果関係を実証したものではない。

2 投票結果と裁判内容の評価を区別する

罷免可率は投票結果を表す数値であり,その数値だけから,個々の裁判官の判断の適否や,投票者が×を付けた理由を特定することはできない。
裁判官を判断する際には,審査公報,関与した裁判,多数意見及び個別意見を併せて確認することが重要である。

具体的な調べ方は,「最高裁判所裁判官国民審査の判断方法-審査公報・関与裁判・多数意見・個別意見の調べ方(AI作成)」を参照されたい。
https://yamanaka-bengoshi.jp/2026/08/24/kokuminshinsa-handanhouhou/

第5 関連記事

投票方法,白票,罷免要件,審査公報及び在外投票は,「最高裁判所裁判官国民審査とは-投票方法・白票・罷免要件・審査公報・在外投票(AIリライト)」を参照されたい。
https://yamanaka-bengoshi.jp/2021/01/23/kokuminshinsa/

制度の合憲性に関する裁判例は,「最高裁判所裁判官国民審査制度の合憲性に関する判決・決定(AIリライト)」を参照されたい。
https://yamanaka-bengoshi.jp/2019/04/21/kokuminshinsa-goukensei/

政府の説明は,「最高裁判所裁判官国民審査に関する内閣答弁書と政府見解(AIリライト)」を参照されたい。
https://yamanaka-bengoshi.jp/2019/04/21/kokuminshinsa-toubensho/

第26回以前の各回の結果は,次の記事を参照されたい。
第26回国民審査(令和6年)
https://yamanaka-bengoshi.jp/2024/10/19/kokuminshinsa26/
第25回国民審査(令和3年)
https://yamanaka-bengoshi.jp/2021/11/08/kokuminshinsa25/

平成29年10月22日執行の第24回最高裁判所裁判官国民審査
https://yamanaka-bengoshi.jp/2021/01/23/kokuminshinsa24/

平成26年12月14日執行の第23回最高裁判所裁判官国民審査
https://yamanaka-bengoshi.jp/2018/01/14/kokuminshinsa23/

平成24年12月16日執行の第22回最高裁判所裁判官国民審査
https://yamanaka-bengoshi.jp/2018/01/14/kokuminshinsa22/

平成21年 8月30日執行の第21回最高裁判所裁判官国民審査
https://yamanaka-bengoshi.jp/2018/01/14/kokuminshinsa21/

平成17年 9月11日執行の第20回最高裁判所裁判官国民審査
https://yamanaka-bengoshi.jp/2018/01/14/kokuminshinsa20/

平成15年11月 9日執行の第19回最高裁判所裁判官国民審査
https://yamanaka-bengoshi.jp/2018/01/14/kokuminshinsa19/

平成12年 6月25日執行の第18回最高裁判所裁判官国民審査
https://yamanaka-bengoshi.jp/2018/01/14/kokuminshinsa18/

平成 8年10月20日執行の第17回最高裁判所裁判官国民審査
https://yamanaka-bengoshi.jp/2018/01/14/kokuminshinsa17/

平成 5年 7月18日執行の第16回最高裁判所裁判官国民審査
https://yamanaka-bengoshi.jp/2018/01/14/kokuminshinsa16/

平成 2年 2月18日執行の第15回最高裁判所裁判官国民審査
https://yamanaka-bengoshi.jp/2018/01/14/kokuminshinsa15/