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公正証書遺言の作り方―必要書類・費用・証人・完成までの流れ(AI作成)

第1 作成の全体像と相談先

公正証書遺言を作るときは,財産と渡したい相手の整理,公証役場への相談,資料の提出,原案の確認,証人の手配,当日の手続の順に準備すると分かりやすい。
公証役場には直接相談でき,最初から完成した遺言書の原稿を持参する必要はない。

この記事は,初めて公正証書遺言を作る人が,何を準備して,誰に何を確認するかを整理するものである。
費用の詳しい計算,口授の有効性に関する裁判例及び作成後の検索は,末尾の専門記事で説明している。

1 公証役場に直接相談できる

日本公証人連合会は,士業者や銀行等を介さず,遺言者又は親族等から公証役場へ電話やメール等で相談できると説明している。
希望する内容,来所できるか,急ぐ事情があるかを伝え,必要な資料と打合せ方法を確認する。

分け方に対立がある場合や,遺留分,事業承継等を含めて検討したい場合は,公正証書の作成手続とは別に,弁護士への相談を検討するとよい。
専門家に依頼する場合は,原案作成,公証役場との連絡及び完成後の手続のうち,どこまでが依頼範囲かを確認する。

2 準備から完成までの順序

準備は,①財産と希望のメモを作る,②公証役場に相談する,③必要書類を提出する,④公証人の原案を確認する,⑤証人と日時を調整する,⑥当日の手続を行う,⑦交付物と保管方法を確認する,という順序で整理できる。
資料の不足や原案の修正があれば前の段階に戻るため,初回の相談と作成当日を同じ手続として考えない方がよい。

第2 相談前に整理する財産と希望

1 財産と渡したい相手を対応させる

まず,不動産,預貯金等の主な財産と,それを誰に,どのように渡したいかを書き出す。
日本公証人連合会の作成手順の案内も,財産と相続又は遺贈の希望を記載したメモの提出を挙げている。

メモは,法律用語で整える前に,「自宅を配偶者に」「この預金を長女に」など,自分の希望を確認できる形にするとよい。
その上で,対象を特定できるか,書き漏らした財産をどうするか,受け取る予定の人が先に亡くなった場合をどうするかを,公証人等との打合せで詰める。

2 家族関係と実現方法も相談する

財産の配分だけでなく,家族関係,既に作った遺言の有無,遺言の内容を実現する人についても相談事項を整理しておく。
公正証書にすれば,遺言能力,遺留分その他の争いが必ずなくなるというものではない。

体調又は意思の伝達に不安がある場合は,作成当日まで待たず,具体的な事情を公証役場に伝える。
本人の希望を家族だけで決めてしまわないことも大切である。

第3 必要書類を確認して集める

1 本人,受け取る人及び財産の資料

必要資料は案件によって異なるため,公証役場に確認してから集める。
日本公証人連合会は,本人確認資料のほか,続柄を示す戸籍,受遺者の住所を確認できる資料,不動産の評価・登記資料,預貯金を特定する資料等を挙げている。

相談時には,誰との続柄を証明する戸籍か,どの不動産・口座を記載するかを対応させておくと,追加取得の理由を確認しやすい。
相続人以外の人又は法人へ遺贈する場合も,その相手を特定するための資料を確認する。

2 証人と遺言執行者の資料

自分で証人を手配する場合は,証人の住所,氏名,生年月日等の確認資料を準備する。
遺言執行者を指定する場合にも,候補者を特定する資料が必要になるかを公証役場に確認する。

本人確認資料の種類,発行からの期間,原本を持参する必要があるかは,手元にある資料だけで判断せず,事前に確認する。

第4 原案,証人及び費用を確認する

1 原案を自分の希望と照合する

公証人から原案を受け取ったら,人名,財産の表示,配分及び自分の希望との一致を確認する。
分からない表現や希望と違う箇所は,完成前に質問し,必要な修正を伝える。

2 証人を2人以上確保する

公正証書遺言には証人2人以上の立会いが必要であり,誰でも証人になれるわけではない。
未成年者,推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族等には欠格の問題があるため,候補者と遺言者・受益者との関係を公証役場に伝える。

適当な証人が見つからない場合は,紹介を受けられるか,その費用はいくらかを公証役場へ相談する。

3 総額の見積りと内訳を確認する

費用は,公証人の作成手数料,遺言加算,枚数や交付方法による費用,必要に応じた出張関係の費用等に分けて確認する。
証人への謝礼,資料取得費及び専門家に依頼する場合の報酬も含め,誰に何を支払うかを整理しておく。

遺産総額だけから総費用を一律に決めず,受益者ごとの配分,交付物及び出張の有無を示して見積りを依頼する。
金額の計算例は,公正証書遺言の作成手数料の記事で説明している。

第5 作成当日の手続

遺言者本人が,証人の前で公証人に遺言の内容を口頭で伝え,公証人が本人の真意を確認する。
その後,原本の読み聞かせ又は閲覧によって内容を確認し,正確であることを承認する手続が行われる。

日本公証人連合会の現行の案内では,電磁的記録を原本とする場合,遺言者と証人が電子サインをし,公証人が電子サイン及び電子署名をする流れが説明されている。
事前に原案へ同意したことだけで,本人による当日の意思確認が不要になるわけではない。

発声や聴覚等について配慮を要する場合は,通常の方法が難しい事情を事前に公証役場へ伝え,利用できる手続を確認する。
家族が本人の代わりに遺言を完成させるものとして準備しない。

第6 完成後に確認すること

完成後は,受け取った書面又はデータの種類,保管方法及び追加交付を受ける際の連絡先を確認する。
電子的に作成することと,自分が受け取るものを電子データにすることは区別して相談するとよい。

遺言の存在と連絡先を誰に伝えるかも検討し,財産や家族関係に変化があったときは内容を見直す。
手元の書面が見当たらなくなった場合の検索は,保存期間及び検索方法の記事で説明している。

第7 よくある疑問

1 完成まで何日掛かるか

日数を一律に見込まず,希望日,資料の不足,原案の修正及び証人の予定を公証役場へ確認する。
急ぐ事情がある場合は,最初の連絡でその事情を伝えるとよい。

2 病院や自宅で作れるか

公証人が自宅や病院等へ出張して作成する方法について相談できる。
本人の状態,場所,日程及び費用を事前に確認する。

3 電子化されれば,必ずオンラインだけで完成するか

電子原本で作ることと,ウェブ会議で作成することは別である。
来所,出張又はウェブ会議のどの方法を利用できるかは,自分の事情を説明して公証役場に確認する。

第8 関連記事

公正証書遺言の作成手数料-現行額と計算例
公正証書遺言の「口授」とは―要件・判例・無効訴訟の実務
公正証書遺言の保存期間及び検索方法-必要書類,謄本請求及び手数料

第9 出典

日本公証人連合会「公正証書遺言は、どのような手順で作成するのですか?」
日本公証人連合会「遺言公正証書を作成するには、どのような資料が必要ですか?」
日本公証人連合会「公正証書遺言の作成手数料は、どれくらいですか?」
日本公証人連合会「遺言」
日本公証人連合会「公正証書のデジタル化とはどういうものですか?」

以上は令和8年10月28日に確認した公表資料に基づく一般的な案内である。