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事業譲渡で許認可・取引契約は引き継げるか―再取得,承諾,通知及びクロージング条件(AI作成)

事業譲渡では,事業に必要な許認可や取引契約が当然に買主へ移るとは限らない。
資産の引渡しが完了しても,営業許可がなく,仕入先・販売先・賃貸人・システム会社との契約を利用できなければ,事業を開始できない。
本記事では,許認可と取引契約の承継をクロージングまでに管理する方法を整理する。

第1 許認可と契約を分けて調べる

許認可は法令と所管官庁の手続に従い,契約は契約条項と相手方の意思に従う。
両者を一つの「必要な承認」として扱うと,申請期限,審査期間,必要書類及び未取得時の効果が曖昧になる。

最初に,許認可一覧と契約一覧を別々に作り,事業継続に不可欠なもの,代替可能なもの及び譲渡後に対応できるものに分類する。

第2 許認可の承継可否を個別に確認する

1 新規取得・承継承認・届出を区別する

許認可には,事業譲渡によって買主が新規取得しなければならないもの,承継承認を受けられるもの,変更届等で足りるものがある。
申請主体,申請可能時期,標準処理期間,欠格要件,人的要件,施設要件及び営業開始可能日を所管官庁の公表資料と事前相談で確認する。

契約書には「法令上必要な許認可」と抽象的に書くだけでなく,許認可名と担当当事者を別紙に記載する。

2 許認可取得前の営業を前提にしない

買主が許認可を得る前に売主名義で営業を続ける方法は,法令違反,名義貸し及び事故時の責任問題を生じさせるおそれがある。
暫定運営が法令上可能かを確認できない場合,許認可取得をクロージング又は事業開始の前提条件とする。

許認可取得に時間がかかるときは,契約締結日とクロージング日を分け,申請協力,追加資料,延期可能期間及び最終期限を定める。

第3 取引契約は承諾条項を確認する

1 契約上の地位の移転には承諾が必要である

契約上の地位の移転には,原則として相手方の承諾が必要である(民法539条の2)。
承諾書を取得するのか,買主が新契約を締結するのか,売主が契約を終了するのかを契約ごとに決める。

基本契約だけでなく,個別注文,保守契約,リース,賃貸借,ライセンス,代理店契約,フランチャイズ契約,クラウドサービス及び決済契約も確認する。

2 譲渡禁止・解除・通知条項を読む

契約書には,地位・権利義務の譲渡禁止,事業譲渡時の解除権,事前承諾,事前通知又は秘密情報の返還等が定められていることがある。
契約書が見つからない場合は,注文書,利用規約,更新通知及び実際の請求関係から契約内容を確認し,相手方との確認書や新契約で補う。

株式譲渡のCOC条項と,事業譲渡における契約上の地位の移転は別の問題である。
株主が変わるだけで契約当事者が変わらない株式譲渡と異なり,事業譲渡では契約当事者を変更するための承諾が問題となる。

第4 優先順位を付けて承諾を取得する

すべての契約を同じ重要度で扱う必要はない。
売上・仕入れへの寄与,代替先の有無,解約時の影響,データ移行期間及び顧客離反の可能性から,重要契約を選定する。

重要契約はクロージング前に承諾又は新契約を取得し,代替可能な契約はクロージング後の期限付き対応とする方法がある。
承諾を求めることで相手方から値上げや条件変更を要求される可能性もあるため,交渉担当,提示情報及び許容条件を当事者間で決める。

第5 前提条件と未取得時の処理を定める

1 重要なものだけを停止条件にする

一件でも承諾が得られなければ取引全体を中止できる条項は,売主に大きな不確実性を与える。
クロージング条件とする許認可・契約を特定し,重要性基準又は売上比率等を定める方が明確である。

売主の協力義務,買主の申請・交渉義務,費用負担及び当事者が承諾条件を拒否できる範囲も定める。
第三者の判断に左右される事項について,売主だけに無限定の結果保証を負わせないことが重要である。

2 代替措置と価格調整を用意する

承諾が得られない場合には,対象契約を譲渡対象から除外する,新契約へ切り替える,一定期間の移行サービスを提供する,又は譲渡代金を調整する方法が考えられる。

売主名義の契約を形式上残したまま買主が実質的に利用する方法は,再委託・転貸・秘密保持・個人情報・請求及び事故責任の問題を生じ得る。
暫定措置を採る場合は,契約相手方の許容,期間,指揮命令,費用,責任及び終了条件を文書化する。

第6 独占禁止法上の届出も確認する

一定規模の事業等の譲受けは,独占禁止法上の事前届出の対象となり得る。
公正取引委員会の案内では,買手企業グループの国内売上高合計額が200億円を超え,譲受対象事業の国内売上高が30億円を超える場合等に届出が必要となり,届出受理後30日間は原則として譲受けを実行できない。

中小企業の取引でも,買主が大企業グループに属する場合や対象事業の売上規模が大きい場合には確認を省かない。

第7 クロージングチェックリストへ落とし込む

許認可一覧には,許認可名,根拠法令,所管官庁,現名義人,承継方法,申請日,予定日,担当者及び証憑を記載する。
契約一覧には,相手方,契約名,期限,自動更新,承諾・通知条項,重要度,依頼日,回答日,代替措置及び証憑を記載する。

クロージング当日は,許可証・承認通知,承諾書・新契約書及び未取得項目の処理合意を確認し,代金支払との同時履行関係を明確にする。

第8 関連記事及び公的資料

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