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最高裁判所の司法行政文書に関する不開示等の答申42件-平成27年度から平成31年度答申第7号まで(AIリライト)

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※以下はAIが生成した要約です。内容の正確性は保証されません。本文をあわせてご確認ください。

最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の答申に基づき、不開示事由に該当するとされた司法行政文書を類型別にまとめた記事である。対象は平成27年度から平成31年度にかけての答申41件で、不開示の根拠となった情報の種別と審査委員会による理由の要旨が逐一記載されている。

主な不開示類型は多岐にわたる。裁判官の人事・異動計画に関する文書については、憲法76条3項・78条及び裁判所法48条が保障する裁判官の独立・身分保障の観点から、関係者による不当な働きかけを招くおそれがあるとして全体が不開示とされた。司法修習生の氏名・組番号・修習地等の個人情報については、少人数であれば他の公開情報との突合により個人が特定され得るとの理由で法5条1号所定の個人識別情報に該当するとされた。

建物の平面図・設計基準・庁舎内部写真・ホワイトリストについては、セキュリティ確保の観点から警備事務への支障が認められるとして不開示とされた。司法修習生考試の実施方法・採点・答案管理に関する文書は、試験の不正行為を容易にするおそれがあるとして不開示とされ、修習カリキュラムの細目・弁護実務修習の指導方針についても、修習生が特定部分に焦点を絞るなど修習目的の達成に支障が生じるとの理由が示された。

裁判官昇給候補者名簿・勲章受章者名簿(内定)・検事採用面接の着眼点・民事調停委員再任の留意点なども、人事事務の公正かつ円滑な遂行への支障を根拠に不開示とされた。記事は各答申番号・答申日付を明示しつつ、最高裁判所事務総長の説明が「不合理とはいえない」と認められた旨を答申ごとに記している。

第1 この記事の対象と読み方

1 対象範囲と基準日

本記事は,最高裁判所が開示の申出を受けた司法行政文書に関する答申のうち,従前から収録してきた平成27年度から平成31年度(令和元年度)(最情)答申第7号までの42件を整理したものである。
調査の基準日は令和8年9月9日,一覧の資料対象期間は平成27年度から平成31年度答申第7号までであり,行政機関の保有する情報の公開に関する法律は同基準日に施行されている条文を確認した。

この42件は,各年度の答申全件ではなく,当該期間の不開示,一部不開示,存否応答拒否等を知るための収録例である。
平成31年度答申第8号以後を含む年度別の公表答申は,最高裁判所の情報公開・個人情報保護審査委員会の年度別索引から確認できる。

2 「不開示等」の意味

表の「結果」は,審査委員会が最高裁判所事務総長の原判断をどのように評価したかを示す。
「全部不開示を妥当」と「一部不開示を妥当」のほか,文書の存在の有無に答えること自体が不開示情報を明らかにする「存否応答拒否」,作成又は取得していないことを理由とする不開示,従前の不開示範囲の一部を開示すべきであるとする答申が含まれる。

したがって,ここに掲げた対象名は,必ずしも当該文書の存在や全体の不開示を意味しない。
特に,存否応答拒否の事例から文書の存在を推論することはできない。

第2 司法行政文書開示制度の法的枠組み

1 情報公開法の直接適用ではないこと

裁判所は,「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」の対象ではなく,同法の直接適用はない。
裁判所は,同法の趣旨を踏まえた「裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の取扱要綱」を定め,これに基づいて司法行政文書を開示している。

取扱要綱第1の「司法行政文書」は,裁判所の職員が職務上作成し,又は取得した司法行政事務に関する文書,図画及び電磁的記録であって,組織的に用いるものとして裁判所が保有するものである。
事件記録のような裁判事務に関して保有する文書は,原則としてこの開示手続の対象ではない。

2 開示原則と不開示情報

取扱要綱第2は司法行政文書の開示を原則とし,法令に別段の定めがあるとき,又は情報公開法5条の不開示情報に相当する情報が記録されているときを例外とする。
表の答申では,個人識別情報,人事管理,試験・研修,庁舎警備,情報セキュリティ,国際的信頼関係等への支障のおそれが問題となっている。

取扱要綱第3は,不開示情報が記録された部分を容易に区分して除けるときの部分開示を定める。
同要綱第5は,文書が存在するか否かを答えるだけで不開示情報を開示することになるときは,存否を明らかにしないで開示しないことができるとする。

3 審査委員会と答申の位置付け

情報公開・個人情報保護審査委員会は,平成27年7月1日に最高裁判所に設置された諮問機関であり,外部有識者3人で構成される。
同委員会は,最高裁判所の諮問に応じ,全国の裁判所による司法行政文書又は保有個人情報の開示・不開示等の判断を調査審議して答申を行う。

答申は裁判や判決ではなく,苦情申出に対する最高裁判所の判断そのものでもない。
裁判所の司法行政文書開示手続によれば,最高裁判所は同委員会の答申を尊重して苦情申出に対する判断を行う。

第3 平成27年度の答申3件

平成27年度は,所長会同,裁判官の転勤内示及び後見監督に関する3件である。
それぞれ,外部との信頼関係,人事管理の機密性,又は後見監督の実効性への支障のおそれが理由とされた。

通番答申(答申日)対象結果主な理由
平成27年度(最情)答申第1号(平成27年12月25日)高等裁判所長官,地方裁判所長及び家庭裁判所長会同の文書一部不開示を妥当外部団体への評価等を公にすると,信頼関係が損なわれ,裁判所の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある
平成27年度(最情)答申第5号(平成28年2月22日)裁判官の転勤の内示時期の目安が分かる文書全部不開示を妥当異動への不当な働き掛け等により,公正かつ円滑な人事の確保に支障が生じるおそれがある
平成27年度(最情)答申第6号(平成28年2月23日)「これからの後見監督の在り方について(参考資料)」の監督区分等一部不開示を妥当監督方法等が分析され,不正又はその隠蔽を容易にし,後見監督事務に支障を及ぼすおそれがある

第4 平成28年度の答申7件

平成28年度は,司法修習生考試,情報セキュリティ,裁判官の昇給及び庁舎警備等に関する7件である。
ホワイトリストに関する答申は存否応答拒否であり,文書の存在を認定したものではない。

通番答申(答申日)対象結果主な理由
平成28年度(最情)答申第5号(平成28年4月14日)第66期第67期司法修習生考試結果集計表の予備試験資格者別成績内訳一部不開示を妥当対象者と不可の人数が少なく,他の情報と照合すると個人を特定できる可能性がある
平成28年度(最情)答申第7号(平成28年4月14日)裁判所業務に必要なサイトをまとめたホワイトリスト存否応答拒否を妥当存否への回答自体が,裁判所の情報ネットワークの仕組み又はサイバー攻撃の手掛かりを推測させる
平成28年度(最情)答申第13号(平成28年6月3日)裁判官昇給候補者名簿の氏名,期別,昇給号俸(答申原文は「号報」),官職名等一部不開示を妥当昇給候補者の期別,昇給号俸及び人数等は,一部の人事担当者等以外に知られない人事情報である
平成28年度(最情)答申第26号(平成28年9月1日)司法修習生組別一覧表の氏名一部不開示を妥当司法修習生は情報公開法5条1号ただし書ハの「公務員等」に相当する者に当たらず,氏名は個人識別情報に当たる
平成28年度(最情)答申第30号(平成28年10月24日)職名・級の定数配付の考え方が分かる文書全部不開示を妥当標題を含む定数配付の手法が人事管理について無用の憶測等を招き,人事事務に支障を及ぼすおそれがある
平成28年度(最情)答申第36号(平成28年12月2日)最高裁判所裁判官会議議事録本文の署名及び印影一部不開示を妥当署名及び印影の認証的機能により,公にすると偽造・悪用され,個人の権利利益を害するおそれがある
10平成28年度(最情)答申第48号(平成29年3月17日)最高裁判所庁舎平面図のうち一般の来庁者が立ち入らない場所一部不開示を妥当部屋の配置等を公にすると,庁舎管理及び警備事務に支障を及ぼすおそれがある

第5 平成29年度の答申5件

平成29年度は,裁判官人事,司法修習生寮の名簿,庁舎内部の写真及び判事補志望者の面接に関する5件である。
通番13は文書の一部の情報提供を妥当とした答申であり,通常の一部不開示判断とは区別した。

通番答申(答申日)対象結果主な理由
11平成29年度(最情)答申第4号(平成29年5月25日)平成27年度裁判官異動計画全部不開示を妥当人事情報の公表により,異動への不当な働き掛け等がされ,適正かつ円滑な人事の確保に支障が生じるおそれがある
12平成29年度(最情)答申第10号(平成29年6月9日)第68期第69期導入司法修習生名簿(和光寮50音順)一部不開示を妥当修習地及び組の情報と照合することにより,入寮者を特定できる場合がある
13平成29年度(最情)答申第27号(平成29年8月7日)最高裁判所長官室,最高裁判所判事室及び最高裁判所首席調査官室の写真一部の情報提供を妥当提供済み部分を除き,各室の位置・構造が分かる部分は庁舎管理及び警備事務に支障を及ぼすおそれがある
14平成29年度(最情)答申第46号(平成29年10月23日)司法修習生名簿(ひかり寮・部屋別)一部不開示を妥当修習地,組及び室番号を照合することにより,入寮者を特定できる場合がある
15平成29年度(最情)答申第52号(平成29年12月1日)第69期の判事補志望者に対する面接選考関係文書一部不開示を妥当個別の面接時間が明らかになると,今後の人事管理事務の公正かつ円滑な運営に支障が生じるおそれがある

第6 平成30年度の答申22件

平成30年度は,司法修習,採用・人事,裁判官会議,庁舎,国際関係及び文書管理等に関する22件である。
通番22は存否応答拒否,通番36は原判断の一部変更であり,他の不開示維持の事例と区別する必要がある。

通番答申(答申日)対象結果主な理由
16平成30年度(最情)答申第3号(平成30年4月20日)「弁護実務修習に対して望むこと」についての司法研修所事務局長通知一部不開示を妥当具体的な指導方針・内容の公表により,修習生の取組みが特定事項に偏り,修習事務に支障が生じるおそれがある
17平成30年度(最情)答申第10号(平成30年5月25日)第71期司法修習生採用希望者の面接関係文書一部不開示を妥当申込者数・面接対象者数等の公表により,面接の規模や形式等が推測され,採用事務に支障が生じるおそれがある
18平成30年度(最情)答申第13号(平成30年5月25日)平成30年4月任官の弁護士任官者に対する面接選考関係文書一部不開示を妥当面接及び健康診断の個別時間が明らかになると,人事管理事務の公正かつ円滑な運営に支障が生じるおそれがある
19平成30年度(最情)答申第23号(平成30年7月20日)司法修習終了証の書式全部不開示を妥当証明文言を含む書式が明らかになると証書の偽造が容易になり,証明事務に支障が生じるおそれがある
20平成30年度(最情)答申第25号(平成30年7月20日)第71期司法修習生採用選考の不合格者数が分かる文書一部不開示を妥当少人数の不採用者数から,不採用者又は不採用理由が特定される可能性がある
21平成30年度(最情)答申第26号(平成30年8月24日)選択型実務修習の自己開発プログラム(新第64期新第65期第67期及び第68期一部不開示を妥当修習生氏名,配属先,修習先,修習内容,承認の別等は個人識別情報に相当し,具体的な修習先等が慣行として公にされているとは認められない
22平成30年度(最情)答申第29号(平成30年8月24日)第70期二回試験で試験時間終了後も紐を結び続けた行為の関係文書存否応答拒否を妥当存否への回答自体が,該当者の有無や考試委員会の評価・判断に関する情報を明らかにする
23平成30年度(最情)答申第32号(平成30年9月21日)平成29年1月18日開催の最高裁判所裁判官会議議事録一部不開示を妥当罷免された司法修習生の個人識別情報及び罷免事務に支障を及ぼすおそれのある情報が含まれる
24平成30年度(最情)答申第34号(平成30年9月21日)昭和24年10月17日の最高裁判所裁判官会議議事録一部不開示を妥当作成から約69年後でも,非違行為の調査手法等が明らかになると人事管理事務に支障を及ぼすおそれがある
25平成30年度(最情)答申第35号(平成30年10月19日)未済事件一覧表(平成27年10月7日現在)一部不開示を妥当係属中の当事者名は慣行公表情報とはいえず,事件進行状況・予定の公表は裁判事務に支障を来すおそれがある
26平成30年度(最情)答申第39号(平成30年10月19日)司法研修所別館ガイド,各階平面図等一部不開示を妥当施錠・解錠,入構,部屋配置,電話及びIT整備状況等の公表は,庁舎管理,連絡及び情報セキュリティに関する事務に支障を及ぼすおそれがある
27平成30年度(最情)答申第41号(平成30年11月16日)第70期司法修習生の罷免時に司法研修所が作成した報告書全部不開示を妥当氏名・行状等の個人識別情報に加え,調査事項及び弁明書等の内容が明らかになると罷免手続事務に支障を及ぼすおそれがある
28平成30年度(最情)答申第48号(平成30年11月16日)裁判所庁舎設計基準及び裁判所庁舎設計標準図一部不開示を妥当セキュリティが要請される室名・仕様等の公表は,庁舎管理及び警備事務に支障を及ぼすおそれがある
29平成30年度(最情)答申第51号(平成30年12月21日)平成27年2月13日付けの報告書及び事実経緯報告書一部不開示を妥当作成者の氏名・印影,法人の業務内容・印影,及び二回試験の答案管理・監督員対応等は,個人・法人の権利利益又は試験事務に支障を及ぼすおそれがある
30平成30年度(最情)答申第52号(平成30年12月21日)J・NETポータルの渉外レポート第9号一部不開示を妥当外国要人等の写真,氏名・肩書及び面談内容の公表は,他国又は国際機関との信頼関係を損なうおそれがある
31平成30年度(最情)答申第58号(平成31年1月18日)日弁連の懲戒処分に関する裁決取消訴訟の判決書写し一部不開示を妥当日弁連の刊行物や私的ブログに関係情報が掲載されても,直ちに慣行として公にされているとはいえず,個人識別情報に当たる
32平成30年度(最情)答申第60号(平成31年1月18日)第70期司法修習生の二回試験終了後の海外旅行承認申請書一部不開示を妥当氏名,組番号,配属先,旅行先,期間,同行者及び連絡先等を照合すると個人を特定できる
33平成30年度(最情)答申第66号(平成31年2月22日)平成30年春の勲章受章者名簿(内定)一部不開示を妥当官職・内定者数の公表により,受章に至らなかった者の有無・人数が明らかになり,栄典事務に支障を及ぼすおそれがある
34平成30年度(最情)答申第69号(平成31年2月22日)第70期二回試験の採点謝金に関する支給調書等一部不開示を妥当考試委員・考査委員としての答案採点事務は弁護士事業ではなく,謝金等は個人に関する情報に当たる
35平成30年度(最情)答申第75号(平成31年2月22日)民事調停委員の再任等に関する事務連絡一部不開示を妥当再任の留意点等が公になると,不正確な理解が広まり,選任事務に支障を及ぼすおそれがある
36平成30年度(最情)答申第76号(平成31年3月15日)検事採用願等の検事採用関係文書原判断を一部変更別紙3の各部分は採用事務に支障を及ぼすおそれが認められず開示すべきであるが,その他の面接官の着眼点等は不開示を維持した
37平成30年度(最情)答申第84号(平成31年3月15日)裁判官任官希望者の健康診断,採用面接等の予定一部不開示を妥当実施日前の公表は妨害や混乱を招き,判事補採用手続に支障を及ぼすおそれがあるとされた時点的な判断である

第7 平成31年度の答申5件

平成31年度は,二回試験,過去の調査報告書,司法修習及び文書管理監査に関する5件である。
通番41では,申出文書ごとに不存在と存否応答拒否が分かれている。

通番答申(答申日)対象結果主な理由
38平成31年度(最情)答申第2号(平成31年4月19日)第70期二回試験の司法修習生考試受験票のひな形全部不開示を妥当応試者確認用の重要な書面であり,書式の公表により偽造等が容易になると試験事務に支障を及ぼすおそれがある
39平成31年度(最情)答申第3号(平成31年4月19日)平成13年3月14日付け最高裁判所調査委員会の調査報告書(古川龍一事件)における古川龍一判事の妻の氏名一部不開示を妥当官報掲載の裁判書で氏名が明らかにされた経緯があっても,答申時点では慣行として公にされている情報とは認められない
40平成31年度(最情)答申第4号(平成31年4月19日)第69期導入修習カリキュラムの概要一部不開示を妥当特定部分への学修の偏りや模範解答案の流布により,修習の目的が達成されず,修習事務に支障が生じるおそれがある
41平成31年度(最情)答申第6号(平成31年4月19日)健康状態を理由とする不採用及び虚偽申告を理由とする採用内定取消しの関係文書文書1は不存在,文書2・3は存否応答拒否を妥当文書1は作成・取得しておらず,文書2・3は存否への回答により少数の不採用者等の理由が推知され,個人の権利利益を害するおそれがある
42平成31年度(最情)答申第7号(平成31年4月19日)司法行政文書管理状況の監査の手引一部不開示を妥当監査手法,スケジュール,重点監査項目及び対象等の公表により,実情把握と指導を通じた監査事務に支障を及ぼすおそれがある

第8 42件に現れた主な不開示理由

1 個人識別情報

氏名そのものだけでなく,少人数の集計,修習地,組,寮室,旅行日程及び既存の公開情報との照合により個人が特定される可能性も問題とされている。
一度公表された氏名でも,答申時点で「慣行として公にされている情報」に当たるかは別に検討されている。

2 人事,採用,試験及び修習の事務

裁判官の異動・昇給,判事補・弁護士任官者の面接,司法修習生の採用・罷免,考試及び修習カリキュラムに関する情報では,事務の公正さ,機密性及び実効性への支障のおそれが反復して問題とされている。
なお,通番37の日程情報のように,経過前の時点での支障のおそれが根拠となる場合があり,将来の時点にも同じ結論になるとは限らない。

3 庁舎警備,情報セキュリティ及び国際関係

庁舎の非公開部分,室の仕様,施錠・解錠方法,入構方法及びIT整備状況等は,庁舎管理,警備又は情報セキュリティに関する事務を妨げるおそれが理由とされている。
外国要人等の訪問記録では,他国又は国際機関との信頼関係を損なうおそれが別の理由とされた。

4 一部開示,存否応答拒否及び不存在の区別

42件の大部分は,文書の全部ではなく特定部分の不開示を妥当としたものである。
一方,通番5と22は存否応答拒否,通番41は不存在と存否応答拒否の併存,通番36は不開示範囲の一部変更である。

通番36の答申は,原判断の不開示部分のうち,別紙3の各部分は採用事務に支障を及ぼすおそれがあるとまでは認められないとし,開示すべきであるとした。
不開示理由を含む文書であっても,区分可能な部分ごとの検討が問題となることを示す事例である。

第9 部分開示に関する最高裁判例

1 最高裁平成19年4月17日第三小法廷判決

最高裁平成19年4月17日第三小法廷判決(平成18年(行ヒ)第50号,裁判集民事224号97頁)は,愛知県条例に基づく食糧費関係文書の公開が問題となった事案である。
法廷意見は,懇談会に出席した公務員の職務遂行情報に当たる氏名等について,本件の条例の下で公開されるべき部分を判断した。

同判決の藤田宙靖裁判官の補足意見は,部分開示制度の趣旨に照らし,不開示情報ではない有意な記載部分まで,より包括的な一体的情報の一部であるという理由だけで公開対象から除く解釈を批判した。
この説明は補足意見であり,法廷意見そのものとして引用することはできない。

2 最高裁令和7年6月3日第三小法廷判決

最高裁令和7年6月3日第三小法廷判決(令和5年(行ヒ)第335号,民集79巻4号1389頁)は,警察庁が保有する保有個人情報管理簿の一部不開示決定が問題となった事案である。
最高裁は,表形式の行政文書であるからといって常に各欄全体を一体として判断すれば足りるとはいえず,複数の小項目が設けられた備考欄について,合理的に区切られた範囲ごとに不開示情報該当性を判断すべきであったとし,原判決の一部を破棄して差し戻した。

これら2件は,行政機関又は地方公共団体の情報公開法制に関する裁判例であり,司法行政文書開示要綱を直接適用したものではない。
それでも,取扱要綱が情報公開法の趣旨を踏まえ,第3で部分開示を定めていることから,開示できる部分の区切り方を理解する参考となる。

第10 平成31年度以後の答申への導線

情報公開・個人情報保護審査委員会は,平成31年度(令和元年度)以後も答申を公表している。
令和8年9月9日現在,令和8年度の情報公開に関する答申のうち,最高裁判所が開示申出先である(最情)答申は第17号まで公表されている。

平成27年度から令和8年度までの年度別索引は,審査委員会の「情報公開に関する答申」にまとめられている。
最新の答申を探す場合は,本記事の42件だけでなく,この年度別索引を確認する必要がある。

第11 関連記事

最高裁判所及び下級裁判所の答申を年度別に探す場合は,最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の答申を参照されたい。
下級裁判所が開示申出先である不開示等の答申例は,不開示事由に該当するとされた下級裁判所の司法行政文書に整理している。

司法行政文書の作成,保存,移管及び廃棄は,司法行政文書の管理で扱っている。
裁判事務に関する文書との区別は,裁判事務に関する文書の意義-司法行政文書・裁判文書との違いと国立公文書館への移管(AI作成)を参照されたい。

個人情報と慣行公表情報の判断例は,プライバシー保護に関する,司法行政文書開示手続の判断例及び最高裁令和2年10月9日判決で扱っている。

令和5年度の最高裁判所裁判官会議議事録に関する令和8年度(最情)答申第14号は,最高裁判所裁判官会議議事録の不開示範囲-令和8年度(最情)答申第14号で個別に扱っている。
本記事が対象とする42件には含まれない,平成31年度より後の答申の例である。

第12 出典・参考資料

1 法令・要綱

行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)2条,5条,6条及び8条。
② 最高裁判所「裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の取扱要綱」。

2 裁判所の公式ページ・答申

① 裁判所「司法行政文書開示手続」。
② 最高裁判所「情報公開・個人情報保護審査委員会」。
③ 各答申の公式PDFは,第3から第7までの各表の答申番号からリンクしている。

3 裁判例

最高裁平成19年4月17日第三小法廷判決・平成18年(行ヒ)第50号・裁判集民事224号97頁。
最高裁令和7年6月3日第三小法廷判決・令和5年(行ヒ)第335号・民集79巻4号1389頁。